JP6611057B2 - 受信信号処理装置、受信信号処理方法、及びプログラム - Google Patents

受信信号処理装置、受信信号処理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、受信信号処理装置、受信信号処理方法、及びプログラムに関する。
近年、電子制御により様々な処理をおこなうシステムが増加しており、更なる性能向上に向けて高速な制御を行う技術が採用されている。このような、高速な制御においては、高い周波数を使ったCPU(Central Processing Unit)等を用いて、演算処理の速度を高める必要がある。
ところで、CPU動作時においては、クロック信号や内部信号が電磁波を放出する。高周波で動作するCPUが無線通信の処理装置として用いられた場合には、ノイズ源が無線通信で用いられる信号に干渉してしまう場合があった。特に、アナログ無線通信は、エラー訂正を行う機能を持たないリアルタイム通信であることから、不要な電磁波の影響が生じやすい。これに対する対策として、ノイズ源のレベルを低減させたり、不要な電磁波が伝達する経路を遮断させたり、クロック周波数を変更することにより不要な電磁波の周波数を変更したりすることが考えられる。例えば、特許文献1には、信号成分がもつ周波数の帯域に含まれるノイズ成分のレベルを精度良く検出する技術が開示されている。
特開2012−178804号公報
しかしながら、従来の技術では、受信帯域において中心周波数の近傍の周波数をもつノイズ源が混入された場合には、受信品質が十分に保てないことがあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、受信品質の劣化を抑制することができる受信信号処理装置、受信信号処理方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
(1):受信信号に含まれる放送の音信号が有音であるか無音であるかを判定する判定部(例えば、実施形態の無音判定部238)と、前記判定部により前記音信号が無音であると判定された場合に前記受信信号から前記放送の制御信号を低減させた信号に基づき抽出するノイズ成分を前記受信信号から除去する除去部(例えば、実施形態のノイズ特定部237、遅延部235、及び加算器236)と、を備える受信信号処理装置。
(2):受信信号に含まれる音信号が有音であるか無音であるかを判定する判定部(例えば、実施形態の無音判定部238)と、前記判定部により前記音信号が無音であると判定された場合に前記受信信号から所定の正弦波成分を低減させた信号に基づき抽出するノイズ成分を前記受信信号から除去する除去部(例えば、実施形態のノイズ特定部237、遅延部235、及び加算器236)と、を備える受信信号処理装置。
(3):(2)において、前記所定の正弦波成分は、少なくとも前記受信信号のキャリア信号に対応する正弦波成分であるもの。
(4):(1)から(3)のいずれか1つにおいて、前記特定部により特定された前記ノイズ成分に関する情報を記憶する記憶部(例えば、実施形態のノイズ信号記憶部239)と、を更に備え、前記除去部は、前記判定部により前記音信号が有音であると判定された場合、前記記憶部に記憶させた前記ノイズ成分に関する情報に基づいて、前記受信信号から前記ノイズ成分を除去するもの。
(5):(1)から(4)のいずれか1つにおいて、前記受信信号は、FM変調方式により変調された受信信号であるもの。
(6):コンピュータが、受信信号に含まれる音信号が有音であるか無音であるかを判定し、前記音信号が無音であると判定した場合に、前記受信信号から所定の正弦波成分を低減させた信号に基づき抽出するノイズ成分を前記受信信号から除去する、受信信号処理方法。
(7):コンピュータに、受信信号に含まれる音信号が有音であるか無音であるかを判定させ、前記音信号が無音であると判定された場合に、前記受信信号から所定の正弦波成分を低減させた信号に基づき抽出するノイズ成分を前記受信信号から除去させる、プログラム。
(1)〜(7)によれば、放送信号に含まれる音信号が無音である期間を利用して放送信号に含まれるノイズ成分を特定することにより、受信品質の劣化を抑制することができる。
実施形態に係る送信信号処理装置10の構成を示す構成図である。 実施形態に係る受信信号処理装置20の構成を示す構成図である。 実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号の周波数特性を示す第1図である。 実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号を復調した信号の周波数特性を示す第1図である。 実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号を復調した信号の周波数特性を示す第2図である。 実施形態に係るノイズ低減部23の構成を示す第1構成図である。 実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号の周波数特性を示す第2図である。 実施形態に係るノイズ低減部23の構成を示す第2構成図である。 実施形態に係るノイズ低減部23が行う処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号を復調した信号の周波数特性を示す第3図である。
以下、図面を参照し、本発明の受信信号処理装置、受信信号処理方法、及びプログラムの実施形態について説明する。
本実施形態では、送受信に用いられる信号としてFMステレオ放送信号を例に説明する。しかしながら、これに限定されなることはなく、送受信に用いられる信号は、信号に含まれる音声の有無が検出可能なものであればよい。例えば、送受信に用いられる信号は、FMモノラル信号であってもよいし、AMステレオ信号や、AMモノラル信号であってもよい。
図1は、実施形態に係る送信信号処理装置10の構成を示す構成図である。図1に示すように、送信信号処理装置10は、ベースバンド送信処理部11と、FM変調部12と、直交変調部13と、を備える。また、送信信号処理装置10は、音信号などのアナログ信号をAD(Analog-to-Digital)変換させたデジタル信号に基づいて、デジタル信号処理を行う。送信信号処理装置10は、実施形態に係る受信信号処理装置20が処理を行うFMステレオ放送信号を生成する。送信信号処理装置10は、例えば、FMラジオ放送局に設置され、放送内容の音声を電気信号に変換する信号処理装置である。送信信号処理装置10により変換された電気信号は、図示しないRFフロントエンド部により搬送帯域の電波に重畳され、図示しないアンテナにより送信される。
ベースバンド送信処理部11は、例えば、プリエンファシス部110および112と、加算器111および117と、減算器113と、サブキャリア変調部114と、逓倍部115と、バンドパスフィルタ116と、を備える。
ベースバンド送信処理部11には、Lチャネルのステレオ音声と、Rチャネルのステレオ音声と、ステレオパイロット信号(例えば、19[kHz]の周波数をもつ正弦波)とのそれぞれに対応する信号が入力される。FMステレオ放送では、メイン信号(和信号)(L+R)とサブ信号(差信号)(L‐R)とを、周波数帯域を分けて送信する。ここで、「L」はLチャネルの音信号であり、「R」はRチャネルの音信号である。例えば、メイン信号は、音声帯域に相当する周波数帯域(例えば、20[Hz]〜15[kHz])で送信される。サブ信号は、ステレオパイロット信号の逓倍に相当する周波数帯域(例えば、38[kHz]を中心とした帯域)で送信される。また、FMステレオ放送では、モノラル放送ではなく、ステレオ信号であることを示すステレオパイロット信号が送信される。
プリエンファシス部110は、入力信号に対して入力信号が有する周波数の高域側となる部分を増幅する。周波数変調を行う時に発生する三角雑音により変調信号の周波数の高域側のSNR(signal-to-noise ratio、信号対雑音比)が劣化するのを補正する目的で、あらかじめ入力信号の周波数の高域側の変調度を増幅させるようにするためである。プリエンファシス部110には、Lチャネルのステレオ音声が入力される。プリエンファシス部112については、機能についてはプリエンファシス部110と同様であるため、その説明を省略する。プリエンファシス部112には入力信号が、Rチャネルのステレオ音声が入力される。
加算器111は、二つの入力信号を加算した信号を出力する。加算器111には、プリエンファシス部110、およびプリエンファシス部112からの信号がそれぞれ入力される。加算器111は、これらの二つの入力信号を加算した信号、つまり、メイン信号(L+R)を出力する。
減算器113は、二つの入力信号を減算した信号を出力する。減算器113には、プリエンファシス部110、およびプリエンファシス部112からの信号がそれぞれ入力される。加算器111は、これらの二つの入力信号を減算した信号、つまり、サブ信号(L−R)を出力する。
サブキャリア変調部114は、入力信号を、特定の周波数をもつ基準周波数信号を用いて振幅変調する。サブキャリア変調部114には、入力信号として、サブ信号(L−R)が入力される。また、サブキャリア変調部114には、基準周波数をもつ基準信号として、後述するバンドパスフィルタ116からの信号が入力される。バンドパスフィルタ116からの基準信号は、基準周波数(例えば、38[kHz])をもつ正弦波である。つまり、サブキャリア変調部114は、サブ信号を基準信号で振幅変調した信号を出力する。
逓倍部115は、入力信号に対し入力信号がもつ周波数の帯域を逓倍にする。例えば、逓倍部115は、入力信号のサンプリング周波数の二倍の周波数でサンプリング(アップサンプリング)を行う。これにより、逓倍部115は、入力信号の周波数と、入力信号の二倍の周波数とを含む信号を出力する。
バンドパスフィルタ116は、入力信号に対し所定の周波数帯域の周波数をもつ信号を通過させ、所定の周波数帯域外の周波数をもつ信号を遮断させる。たとえば、バンドパスフィルタ116は、逓倍部115からの信号に対し、逓倍部115に入力させた信号の二倍の周波数をもつ信号を通過させ、逓倍部115に入力させた信号がもっていた元の周波数をもつ信号を遮断させる。つまり、バンドパスフィルタ116は、逓倍部115に入力させたステレオパイロット信号の周波数の2倍の周波数をもつ信号(例えば、38[kHz]の正弦波)を出力する。
加算器117は、三つの入力信号を加算した信号を出力する。加算器117には、加算器111、およびサブキャリア変調部114からの信号と、ステレオパイロット信号とがそれぞれ入力される。加算器117は、これらの三つの入力信号を加算した信号、つまり、メイン信号(L+R)と、サブ信号(L−R)を振幅変調した信号と、ステレオパイロット信号とを重畳させた信号(コンポジット信号)を出力する。
FM変調部12は、ベースバンド送信処理部11から出力されたコンポジット信号に対して、一つ前にサンプリングしたコンポジット信号との振幅の差分に相当する値を周波数偏移させた信号(以下、周波数偏移信号という)を出力する。FM変調部12は、基準となる周波数偏移信号と、周波数偏移信号を例えば90°位相回転させた信号とをそれぞれ出力する。
直交変調部13は、発振器130と、位相90°シフト部131と、乗算器132、133と、加算器134と、を備える。直交変調部13は、FM変調部12からの信号に対し、直交変調を行う。また、直交変調部13は、直交変調を行った後のI信号とQ信号とを加算した、周波数変調信号(FM送信信号)を出力する。
発振器130は、所定の周波数(以下、中間周波数、あるいはキャリア周波数ともいう)をもつ正弦波を出力する。位相90°シフト部131は、入力信号に対し、位相を90°回転させた信号を出力する。
乗算器132は、二つの入力信号を乗算した信号を出力する。乗算器132には、FM変調部12、および位相90°シフト部131からの信号がそれぞれ入力される。乗算器132は、二つの入力信号を乗算した信号、つまり、周波数偏移信号と中間周波数をもつ正弦波を90°位相回転させた信号と、を乗算した信号を出力する。
乗算器133は、二つの入力信号を乗算した信号を出力する。乗算器133には、FM変調部12、および発振器130からの信号がそれぞれ入力される。乗算器133は、二つの入力信号を乗算した信号、つまり、周波数偏移信号と中間周波数をもつ正弦波と、を乗算した信号を出力する。
加算器134は、二つの入力信号を加算した信号を出力する。加算器134には、乗算器132、および乗算器133からの信号がそれぞれ入力される。加算器134は、これらの二つの入力信号を加算した信号、つまり周波数偏移信号と中間周波数をもつ正弦波を90°位相回転させた信号とを乗算させた信号と、周波数偏移信号と中間周波数をもつ正弦波とを乗算させた信号とを加算させた信号を出力する。これにより、加法定理に基づけば、加算器134は、中間周波数を中心として、周波数偏移信号に基づいて周波数が偏移する周波数変調信号を出力する。
図2は、実施形態に係る受信信号処理装置20の構成を示す構成図である。図2に示すように、受信信号処理装置20は、バンドパスフィルタ21と、直交復調部22と、ノイズ低減部23と、FM複調部24と、ベースバンド受信処理部25と、を備える。
受信信号処理装置20は、図示しないアンテナにより受信されたFMステレオ放送信号を、図示しないRFフロントエンド部により、例えば搬送波の周波数から中間周波数に変換された周波数変調信号を復調する。また、受信信号処理装置20は、RFフロントエンド部等からのアナログ信号をAD(Analog-to-Digital)変換させたデジタル信号に基づいて、デジタル信号処理を行う。
バンドパスフィルタ21は、入力信号に対し、所定の周波数帯域の周波数をもつ信号を通過させ、所定の周波数帯域外の周波数をもつ信号を遮断させる。バンドパスフィルタ21には、FM受信信号が入力される。FM受信信号は、送信信号処理装置10が出力するFM送信信号に、信号処理の過程で発生する熱雑音(暗ノイズ)やクロック信号に起因するクロック雑音等の雑音が混入された信号に相当する。バンドパスフィルタ21は、FM受信信号に対し、例えば、搬送帯域の中心周波数を中心とした所定の帯域幅の周波数をもつ信号を通過させ、それ以外の周波数をもつ信号を遮断する。こうすることで、バンドパスフィルタ21は、周波数復調を行うために必要な周波数帯域をもつ信号のみを出力する。
直交復調部22は、発振器220と、位相90°シフト部221と、乗算器222、223と、ローパスフィルタ224、225と、を備える。直交復調部22は、バンドパスフィルタ21からの信号に対し、直交復調を行う。直交復調は、送信側の直交変調部13が行う処理に対応する処理である。また、直交復調部22は、直交復調により生じた高周波成分(例えば、中間周波数の逓倍に相当する信号)を遮断して出力する。これにより、直交復調部22は、送信側のFM変調部12から出力される信号に相当する信号を出力する。
発振器220と、位相90°シフト部221と、乗算器222、223と、のそれぞれは、直交変調部13が備える発振器130と、位相90°シフト部131と、乗算器132、123と同等の機能であるため、その説明を省略する。
ローパスフィルタ224は、所定の周波数より低い周波数をもつ信号を通過させ、所定の周波数より高い周波数をもつ信号を遮断する。ローパスフィルタ224には、乗算器223からのI信号が入力される。ローパスフィルタ224は、直交復調した後のI信号に含まれる高周波成分(例えば、中間周波数の逓倍に相当する信号)を遮断して出力する。
ローパスフィルタ225は、ローパスフィルタ224と同等の機能であるため、その説明を省略する。ローパスフィルタ224には、乗算器222からのQ信号が入力される。
ノイズ低減部23は、直交復調部22からの信号に対し、信号に含まれるノイズ成分を低減する。信号に含まれるノイズ成分については、図3〜図5を用いて後で説明する。ノイズ低減部23の構成については、図6を用いて後で説明する。
FM複調部24は、入力信号に対し、周波数復調を行う。周波数復調は、入力信号の周波数の周波数偏移量に相当する値を信号振幅として出力する。FM複調部24は、ノイズ低減部23からのI信号、およびQ信号が入力される。FM複調部24は、I信号、およびQ信号から位相を演算する。また、FM複調部24は、演算した位相と、一つ前にサンプリングした信号、およびQ信号から演算した位相との差分を演算する。この位相の差分が周波数偏移量である。FM複調部24は、係る演算により求めた周波数偏移量を、必要に応じて振幅調整を行い、ベースバンド信号として出力する。
ベースバンド受信処理部25は、ローパスフィルタ250と、遅延部251と、加算器252と、バンドパスフィルタ253、257、および259と、サブキャリア復調部254と、減算器256と、逓倍部258とを備える。ベースバンド受信処理部25は、送信側のベースバンド送信処理部11が行った変調処理に対応する復調処理を行う。ベースバンド受信処理部25には、FM複調部24からのベースバンド信号が入力される。ベースバンド受信処理部25は、Lチャネルのステレオ音声、およびRチャネルのステレオ音声のそれぞれに相当する音信号を出力する。
ローパスフィルタ250には、FM複調部24からのベースバンド信号が入力される。ローパスフィルタ250は、ベースバンド信号に含まれるメイン信号(L+R)が有する帯域の上限の周波数(例えば、15[kHz])より低い周波数をもつ信号を通過させ、メイン信号が含まれる帯域より高い周波数をもつ信号を遮断する。これにより、ローパスフィルタ250は、メイン信号を出力する。
遅延部251は、入力信号に対し、所定のサンプル数だけ遅延させた信号を出力する。遅延部251は、後述する加算器252において、メイン信号と、後述するサブキャリア復調部254からのサブ信号(L−R)とを加算する際の、信号のタイミングを調整するために、所定のサンプル数だけ信号を遅延させる処理を行う。遅延部251が信号を遅延させるサンプル数(遅延量)は、例えば、ローパスフィルタ250、および後述するバンドパスフィルタ253のフィルタ次数や、サブキャリア復調部254が行う処理により生じる処理遅延量等に基づいて決定される。
加算器252には、遅延部251からのメイン信号(L+R)、およびサブキャリア復調部254からのサブ信号(L−R)がそれぞれ入力される。加算器252は、これら二つの入力信号を加算した信号、つまり、Lチャネルのステレオ信号を出力する。
バンドパスフィルタ253には、FM複調部24からのベースバンド信号が入力される。バンドパスフィルタ253は、ベースバンド信号に含まれるサブ信号(L−R)が有する帯域(例えば、38[kHz]を中心とした±15[kHz]の帯域、つまり23[kHz]〜53[kHz])の周波数をもつ信号を通過させ、サブ信号が含まれる帯域外の周波数をもつ信号を遮断する。これにより、バンドパスフィルタ253は、サブ信号を出力する。
サブキャリア復調部254は、送信側のサブキャリア変調部114が行う変調処理に対応する復調処理を行う。具体的には、サブキャリア復調部254は、振幅変調されたサブ信号を振幅復調した信号を出力する。ここで、上記においては、サブキャリア復調部254から出力される信号がサブ信号(L−R)であるとして説明したが、サブキャリア変調部114は、サブ信号を振幅変調することから、より正確には、サブキャリア復調部254から出力される信号は、振幅変調されたサブ信号である。サブキャリア復調部254には、バンドパスフィルタ253からの振幅変調されたサブ信号と、後述するバンドパスフィルタ259からの基準信号(例えば、38[kHz]の正弦波)とが入力される。サブキャリア復調部254は、振幅変調されたサブ信号を、基準信号で振幅復調したサブ信号(L−R)を出力する。
減算器256には、遅延部251からのメイン信号(L+R)、およびサブキャリア復調部254からのサブ信号(L−R)がそれぞれ入力される。加算器252は、これら二つの入力信号を減算した信号、つまり、Rチャネルのステレオ信号を出力する。
バンドパスフィルタ257には、FM複調部24からのベースバンド信号が入力される。バンドパスフィルタ257は、ベースバンド信号に含まれるステレオパイロット信号((例えば、19[kHz]の周波数をもつ正弦波)の周波数をもつ信号を通過させ、その帯域外の周波数をもつ信号を遮断する。これにより、バンドパスフィルタ253は、ステレオパイロット信号を出力する。
逓倍部258、およびバンドパスフィルタ259のそれぞれは、送信側の逓倍部115、およびバンドパスフィルタ116と同様の機能であるため、その説明を省略する。
ここで、受信された信号に含まれるノイズ成分について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号の周波数特性を示す第1図である。図3は、受信されたFM放送信号の周波数特性の一例を示す。図3の横軸は、周波数[Hz]、縦軸は信号振幅[dB]をそれぞれ示す。
図3に示すように、FM放送信号の周波数が、中心周波数±100000[Hz]〜±150000[Hz]の間に分布している。このうち、FM放送信号の信号振幅が、−20[dB]〜−60[dB]程度となる信号が、中心周波数±100000[Hz]程度の範囲に分布している。また、中心周波数から+4000[Hz]の箇所に、クロックノイズが混入されている。クロックノイズの信号振幅は、−10[dB]程度である。
図3に示すように、受信された信号には、デジタル信号処理を行う際に動作するクロック周波数に起因するクロックノイズが混入される場合がある。このようなクロックノイズはクロック周波数、あるいはクロック周波数の逓倍の周波数をもつ場合がある。
図4は、実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号を復調した信号の周波数特性を示す第1図である。図4の例では、ノイズ低減部23はノイズを低減する処理を行っていない。
図4は、400[Hz]の正弦波トーン信号(音信号)が周波数変調された信号が受信された場合に、受信信号処理装置20により当該信号が復調された場合の復調信号(音信号)の周波数特性を示す。図4(a)は、受信された信号に、図3に示すクロックノイズが含まれていない場合、図4(b)は、受信された信号にクロックノイズが含まれている場合、をそれぞれ示す。図4(a)、(b)それぞれの横軸は周波数[Hz]、縦軸は信号振幅[dB]を示す。
図4(a)に示すように、送信側で変調された周波数と同じ周波数の400[Hz]に復調信号のピークが確認される。復調信号の信号振幅は、−15[dB]程度である。一方、フロアノイズの信号振幅は、−100[dB]程度である。つまり、復調信号のSINAD(Signal-to-noise and distortion ratio、信号対ノイズ及び歪み成分比)は約85[dB]である。一般に、SINADが65[dB]以上ある場合、信号に含まれるノイズは、人の知覚によってはほとんど認識することができない。つまり、送信側で変調された正弦波トーン信号は、品質が劣化することなく受信側で復調されている。
図4(b)に示すように、送信側と同じ周波数の400[Hz]に復調信号のピークが確認されるものの、他の周波数においても復調信号のピークが確認される。400[Hz]をもつ復調信号の信号振幅は、−15[dB]程度である。400[Hz]以外の周波数をもつ復調信号で、信号振幅が−40[dB]程度であるものが少なくとも複数ある。この場合、復調信号のSINADは約25[dB]となり、人の知覚によって明確に認識されるノイズが復調信号に混入している。これでは、送信側で生成した400[Hz]の正弦波トーン信号が受信側で再生されていないことになる。
図5は、実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号を復調した信号の周波数特性を示す第2図である。図5の例では、ノイズ低減部23はノイズを低減する処理を行っていない。
図5は、1000[Hz]の正弦波トーン信号(音信号)が周波数変調された信号が受信された場合に、受信信号処理装置20により当該信号が復調された場合の復調信号(音信号)の周波数特性を示す。図5(a)は、受信された信号に図3に示すクロックノイズが含まれていない場合、図5(b)は、受信された信号にクロックノイズが含まれている場合、をそれぞれ示す。図5(c)は、受信された信号にクロックノイズが含まれていたが、受信信号処理装置20が行う復調の過程においてクロックノイズを取り除いた場合を示す。図5(a)〜(c)それぞれの横軸は周波数[Hz]、縦軸は信号振幅[dB]を示す。
図5(a)に示すように、送信側で変調された周波数と同じ周波数の1000[Hz]に復調信号のピークが確認される。図5(a)では、復調信号のSINADは十分に確保されており、送信側で変調された正弦波トーン信号は、品質が劣化することなく受信側で復調されている。
図5(b)に示すように、送信側と同じ周波数の1000[Hz]に復調信号のピークが確認されるものの、他の周波数においても復調信号のピーク(ひずみ)が確認される。図5(b)では、1000[Hz]の逓倍の周波数にひずみが生じており、人の知覚によって明確に認識されるノイズが復調信号に混入している。
図5(c)の例では、周波数復調の処理を行う前に、図3に示すクロックノイズをノッチフィルタで低減させている。ノッチフィルタの周波数特性は、例えば、信号レベルが−3[dB]以上減衰する帯域が、+4000[Hz]±1000[Hz]の範囲である。
図5(c)に示すように、送信側と同じ周波数の1000[Hz]に復調信号のピークが確認されるものの、他の1000[Hz]の逓倍の周波数においてひずみが確認される。このように、ノッチフィルタによりクロックノイズに相当する周波数をもつ信号成分を低減させた場合でも、ノイズが復調信号に混入してしまう。これは、ノッチフィルタによりクロックノイズだけでなく、クロックノイズと同じ周波数をもつ変調信号が除去されてしまうためである。つまり、ノッチフィルタにより復調に必要な音信号の情報が除去されてしまう結果、復調した復調信号にひずみが発生してしまう。
ここで、ノイズ低減部23の構成について、図6を用いて説明する。
図6は、実施形態に係るノイズ低減部23の構成を示す第1構成図である。
図6に示すように、ノイズ低減部23は、遅延部235−I、235−Qと、加算器236−I、236−Qと、ノイズ特定部237と、無音判定部238と、ノイズ信号記憶部239とを備える。
ノイズ低減部23の各構成要素のうち、符号に「−I」が付されているものは、I信号を、符号に「−Q」が付されているものは、Q信号をそれぞれ処理する構成要素である。符号の数値が同じで末尾に「−I」、または「−Q」が付されている構成要素は互いに同等の機能を有するため、以下では、末尾に「−I」が付されている構成要素のみ、その機能について説明し、末尾に「−Q」が付されている構成要素については、その機能の説明を省略する。また、符号の数値が同じで末尾に「−I」、または「−Q」が付されている構成要素を互いに区別しない場合には、単に符号の数値だけを記載する。例えば、遅延部235−I、235−Qを互いに区別しない場合には、単に、遅延部235と記載する。
遅延部235−Iは、入力信号に対し、所定のサンプル数であるMサンプルだけ遅れた信号を出力する。遅延部235−Iには、直交復調後のI信号が入力される。遅延部235−Iは、後述するノイズ特定部237において、特定されたノイズ成分を、後述する加算器236−Iにおいて入力信号から減算させる際の信号のタイミングを調整するために、Mサンプル数だけ信号を遅延させる処理を行う。遅延量は、例えば、ノイズ特定部237の遅延量等に基づいて決定される。
加算器236−Iには、遅延部235−Iからの信号、および後述するノイズ特定部237が特定したノイズ成分を反転させた信号がそれぞれ入力される。加算器236−Iは、これら二つの信号を加算した信号、つまり直交復調後のI信号に対しノイズ成分を減算した信号を出力する。
遅延部235−Qには、直交復調後のQ信号が入力される。
加算器236−Qには、遅延部235−Qからの信号、および後述するノイズ特定部237が特定したノイズ成分を反転させた信号がそれぞれ入力される。加算器236−Qは、これら二つの信号を加算した信号、つまり直交復調後のQ信号に対しノイズ成分を減算した信号を出力する。
ノイズ特定部237は、入力信号に含まれるノイズ成分を特定する。ノイズ特定部237は、後述する無音判定部238が判定した判定結果に基づいて、入力信号に含まれるノイズ成分を特定する処理を行う。
ノイズ特定部237は、無音判定部238からの判定結果が、音信号が無音であることを示す場合、入力信号に含まれるノイズ成分を特定する。また、ノイズ特定部237は、無音判定部238からの判定結果が、音信号が無音であることを示す場合、特定したノイズ成分を、後述するノイズ信号記憶部239に出力する。
ノイズ特定部237には、直交復調後のI信号、および直交復調後のQ信号がそれぞれ入力される。ノイズ特定部237は、ノイズ成分I信号、およびノイズ成分Q信号をそれぞれ出力する。ノイズ特定部237が行う処理については、後で詳しく説明する。
無音判定部238は、入力信号に含まれる音信号が無音であるか有音であるかを判定する。無音判定部238には、直交復調後のI信号、および直交復調後のQ信号がそれぞれ入力される。直交復調後のI信号、および直交復調後のQ信号は周波数変調された信号である。
無音判定部238は、例えば入力信号の中心周波数が偏移する場合、入力信号に含まれる音信号が有音の状態であると判定する。また、無音判定部238は、入力信号の中心周波数が偏移しない場合、入力信号に含まれる音信号が無音の状態であると判定する。無音判定部238は、例えば、直交復調後のI信号、および直交復調後のQ信号から、これらの信号の位相を演算する。そして、無音判定部238は、演算した位相と、一つ前にサンプリングした直交復調後のI信号、および直交復調後のQ信号から演算した位相との差分をそれぞれ演算する。無音判定部238は、差分が0(ゼロ)でない、または所定の範囲以上である場合には、中心周波数が偏移していることから、音信号が有音の状態であると判定する。一方、無音判定部238は、差分が0(ゼロ)、または所定の範囲未満である場合には、中心周波数が偏移していないことから、音信号が無音の状態であると判定する。
無音判定部238は、上述した無音の状態が所定の時間間隔(例えば、1[sec])継続した場合に、音信号が無音であると判定する。無音判定部238は、判定した判定結果をノイズ特定部237に出力する。
ノイズ信号記憶部は、適応フィルタ232−I、および232−Qがそれぞれ特定したノイズ成分を記憶する。ノイズ信号記憶部は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)などにより実現される。
ノイズ特定部237は、ハイパスフィルタ230−I、230−Qと、遅延部231と、適応フィルタ232−I、232−Qと、加算器233−I、233−Qと、バンドパスフィルタ234−I、234−Qとを備える。
ハイパスフィルタ230−Iは、入力信号に対し、所定の周波数より高い周波数をもつ信号を通過させ、所定の周波数より低い周波数をもつ信号を遮断する。ハイパスフィルタ230−Iには、直交復調後のI信号が入力される。ハイパスフィルタ230−Iは、直交復調後のI信号に対し、中心周波数より高い周波数をもつ信号を通過させ、中心周波数より低い周波数をもつ信号を遮断する。中心周波数は、例えば、0[Hz]である。これにより、ハイパスフィルタ230−Iは、直交復調後のI信号に含まれる中心周波数をもつ信号成分を低減させた信号を出力する。
遅延部231は、入力信号に対し、所定のサンプル数であるDサンプルだけ遅れた信号を出力する。遅延部231には、ハイパスフィルタ230−Iからの信号が入力される。例えば、遅延部231は、ハイパスフィルタ230−Iからの信号をDサンプル毎にまとめて出力する。
適応フィルタ232−Iは、入力信号群に対し、入力信号群に含まれるノイズ成分を特定する。適応フィルタ232−Iは、例えば最適化アルゴリズムに従ってその伝達関数を自己適応させるフィルタである。適応フィルタ232−Iには、例えば適応フィルタALE(Adaptive Line Enhancer)アルゴリズムが用いられる。適応フィルタ232−Iには、例えば、遅延部231からの信号がDサンプル毎にまとめて信号群として入力される。適応フィルタ232−Iは、アルゴリズムに従って生成した伝達関数を用いて、遅延部231からの信号群から、当該信号群に含まれるノイズ成分を特定する。適応フィルタ232−Iは、特定したノイズ成分を、加算器233−I、およびバンドパスフィルタ234−Iにそれぞれ出力する。
加算器233−Iには、適応フィルタ232−Iからのノイズ成分を反転させた信号、およびハイパスフィルタ230−Iからの信号がそれぞれ入力される。加算器233−Iは、これらの二つの信号を加算した信号、つまりハイパスフィルタ230−Iからの信号からノイズ成分を減算させた信号を出力する。
また、適応フィルタ232−Iには、図6の点線で示すように、加算器233−Iからの信号が入力される。加算器233−Iからは、ハイパスフィルタ230−Iからの信号からノイズ成分を減算させた信号が出力される。適応フィルタ232−Iは、例えばハイパスフィルタ230−Iからの信号に基づいて、ノイズ成分を減算させた信号に、残留するノイズ成分がある場合等には、再度、残留するノイズ成分を考慮して生成した伝達関数を用いて、信号群に含まれるノイズ成分を特定する。
バンドパスフィルタ234−Iには、適応フィルタ232−Iからのノイズ成分が入力される。バンドパスフィルタ234−Iは、ノイズ成分に対し、所定の正弦波成分を低減させる。所定の正弦波成分は、例えば、ステレオパイロット信号がもつ周波数成分である。バンドパスフィルタ234−Iにより低減させる所定の正弦波成分については、後で説明する。バンドパスフィルタ234−Iは、ノイズ成分に含まれる所定の正弦波成分を低減させた信号を、ノイズ成分I信号として加算器236−Iに出力する。
ハイパスフィルタ230−Qには、直交復調後のQ信号が入力される。ハイパスフィルタ230−Qは、直交復調後のQ信号から中心周波数より高い周波数をもつ信号を後述する加算器233−Qに出力する。
加算器233−Qには、適応フィルタ232−Qからのノイズ成分を反転させた信号、およびハイパスフィルタ230−Qからの信号がそれぞれ入力される。加算器233−Qは、これらの二つの信号を加算した信号、つまりハイパスフィルタ230−Qからの信号からノイズ成分を減算させた信号を出力する。
適応フィルタ232−Qには、図6の点線で示すように、加算器233−Qからの信号が入力される。適応フィルタ232−Qは、例えばハイパスフィルタ230−Qからの信号に基づいて、ノイズ成分を減算させた信号に、残留するノイズ成分がある場合等には、再度、残留するノイズ成分を考慮して生成した伝達関数を用いて、信号群に含まれるノイズ成分を特定する。
ここで、バンドパスフィルタ234−Iにより低減させる所定の正弦波成分について図7を用いて説明する。
図7は、実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号の周波数特性を示す第2図である。図7は、受信されたFM放送信号に含まれる音信号が無音である場合の、FM放送信号の周波数特性の一例を示す。図7の横軸は、周波数[Hz]、縦軸は信号振幅[dB]をそれぞれ示す。
図7に示すように、音信号が無音である場合のFM放送信号には、キャリア信号を示す中心周波数(図7において「Carier」と記載)をもつ正弦波、ステレオパイロット信号がもつ中心周波数±19[kHz]をもつ正弦波、サブキャリアを変調する際に用いられた基準信号がもつ中心周波数±(19×2)[kHz]をもつ正弦波のそれぞれが確認される。音信号が無音である場合には、このような周波数特性が定常的に確認される。
また、図7に示すように、音信号が無音である場合にも図3と同様なクロック周波数に起因するクロックノイズが、中心周波数から+4000[Hz]の箇所に確認される。これにより、音信号が無音である場合、FM放送信号から、キャリア信号、ステレオパイロット信号、および基準信号といった放送の制御信号がそれぞれもつ周波数成分を取り除いた後の信号が、クロックノイズであるということができる。
本実施形態の受信信号処理装置20では、クロックノイズを特定するために、音信号が無音である場合に、適応フィルタ232により特定されたノイズ成分から、例えばステレオパイロット信号がもつ周波数(例えば、19[kHz])を、バンドパスフィルタ234により低減させる。これにより、クロックノイズを主成分としたノイズ成分を抽出することができる。
ここで、無音判定部238からの判定結果が、音信号が有音であることを示す場合の処理について、図8を用いて説明する。
図8は、実施形態に係るノイズ低減部23の構成を示す第2構成図である。
図8に示すように、音信号が有音である場合、ノイズ低減部23では、ノイズ信号記憶部239に記憶させたI信号のノイズ成分がバンドパスフィルタ234−Iに入力される。また、音信号が有音である場合、ノイズ信号記憶部239に記憶させたQ信号のノイズ成分がバンドパスフィルタ234−Qに入力される。ノイズ信号記憶部239には、音信号が無音である場合に、適応フィルタ232−Iが特定したI信号のノイズ成分、および適応フィルタ232−Qが特定したQ信号のノイズ成分がそれぞれ記憶されている。
音信号が有音である場合に、音信号が無音であるときに特定したノイズ成分を用いてノイズ成分を特定させることにより、音信号をノイズ成分として特定してしまうという誤った処理を抑制することができる。
ここでは、ノイズ低減部23が行うノイズを低減させる処理の流れについて、図9を用いて説明する。
図9は、実施形態に係るノイズ低減部23が行う処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ノイズ低減部23は、周波数変調された所定の放送信号を受信したか否かを判定する(ステップS1)。ノイズ低減部23は、例えば、直交復調後のI信号、または直交復調後のQ信号のいずれか一方または双方において、一定の時間間隔における振幅の平均値が所定の値以上である場合に、放送信号を受信したと判定する。
ノイズ低減部23は、放送信号を受信したと判定した場合(ステップS1、Yes)、放送信号に含まれる音信号が無音であるか否かを判定する(ステップS2)。
ノイズ低減部23は、音信号が無音であると判定した場合(ステップS2、Yes)、放送信号に含まれる所定の周波数成分を低減する(ステップS3)。
そして、ノイズ低減部23は、所定の周波数成分を低減した放送信号に含まれるノイズ成分を特定する(ステップS4)。
ノイズ低減部23は、特定したノイズ成分を記憶させる(ステップS5)。
ノイズ低減部23は、特定したノイズ成分に基づいて、放送信号に含まれるノイズ成分を低減する(ステップS6)。
一方、ノイズ低減部23は、ステップS2において、音信号が有音であると判定した場合(ステップS2、No)、無音時に特定したノイズ成分が記憶されているか否かを判定する(ステップS7)。そして、ノイズ低減部23は、無音時に記憶させたノイズ成分に基づいて、放送信号に含まれるノイズ成分を低減する(ステップS8)。
一方、ノイズ低減部23は、ステップ1において、放送信号を受信したと判定しない場合(ステップS1、No)、再度、ステップS1に戻り、放送信号を受信したか否かを判定する処理を行う。
なお、上述したフローチャートでは、ノイズ低減部23は、ノイズ成分を特定するステップS4より前のステップS3において、放送信号に含まれる所定の正弦波成分を低減する処理を行っているが、ステップS4より後のステップ所定の正弦波成分を低減する処理を行ってもよい。また、ノイズ低減部23は、ステップS4より前のステップと後のステップの両方で所定の正弦波成分を低減する処理をそれぞれ行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の受信信号処理装置20は、受信信号に含まれる放送の音信号が有音であるか無音であるかを判定する無音判定部238と、無音判定部238により音信号が無音であると判定された場合に受信信号から前記放送の制御信号を低減させた信号に基づき抽出するノイズ成分を、受信信号から除去する、ノイズ特定部237、遅延部235、及び加算器236とを備える。
これにより、本実施形態の受信信号処理装置20は、放送を受信した際の受信品質の劣化を抑制することができる。受信信号に含まれる放送の音声が無音である期間を利用して、基準信号などの放送の制御信号を低減させた信号に含まれるクロックノイズ等のノイズ成分を特定することで、受信信号からノイズ成分を減算(除去)することができるためである。
また、本実施形態の受信信号処理装置20は、受信信号に含まれる音信号が有音であるか無音であるかを判定する無音判定部238と、無音判定部238により音信号が無音であると判定された場合に受信信号から所定の正弦波成分を低減させた信号に基づき抽出するノイズ成分を、受信信号から除去するノイズ特定部237、遅延部235、及び加算器236とを備える。
これにより、本実施形態の受信信号処理装置20は、受信品質の劣化を抑制することができる。受信信号に含まれる音声が無音である期間を利用して、基準信号などの所定の正弦波成分を低減させた信号に含まれるクロックノイズ等のノイズ成分を特定することで、受信信号からノイズ成分を減算(除去)することができるためである。
また、本実施形態の受信信号処理装置20は、ノイズ特定部237により特定されたノイズ成分に関する情報を記憶するノイズ信号記憶部239と、を備え、遅延部235、及び加算器236は、ノイズ特定部237により音信号が有音であると判定された場合、ノイズ信号記憶部239に記憶させたノイズ成分に関する情報に基づいて、受信信号からノイズ成分を除去する。これにより、本実施形態の受信信号処理装置20では、受信信号に含まれる音声が有音である場合には、音声が無音である場合に特定したノイズ成分を用いて、受信信号からノイズ成分を減算(除去)することができる。このため、音声が有音である場合にも復調に必要な信号成分を誤って除去することなく、受信品質の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態の受信信号処理装置20においては、所定の正弦波成分は、少なくとも受信信号のキャリア信号に対応する正弦波成分である。これにより、本実施形態の受信信号処理装置20では、少なくとも変調を行うために用いられるキャリア信号対応する正弦波成分を取り除いたノイズ成分を特定することができ、復調に必要な信号成分を誤って除去することなく、受信品質の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態の受信信号処理装置20においては、受信信号は、FM変調方式により変調された受信信号である。これにより、本実施形態の受信信号処理装置20では、FM変調方式に特有なステレオパイロット信号等の所定の正弦波成分を取り除いたノイズ成分を特定することができ、復調に必要な信号成分を誤って除去することなく、受信品質の劣化を抑制することができる。
ここでは、本実施形態の受信信号処理装置20により行われたノイズを低減する処理による効果を、図10を用いて説明する。
図10は、実施形態に係る受信信号処理装置20において受信された信号を復調した信号の周波数特性を示す第3図である。
図10は、クラシック音楽から出力される音信号を周波数変調した信号が受信された場合に、受信信号処理装置20において当該信号が復調された場合の復調信号の周波数特性を示す。図10(a)は、受信された信号に、図3に示すクロックノイズが含まれていない場合、図10(b)は、受信された信号にクロックノイズが含まれている場合、図10(c)は、受信された信号にクロックノイズが含まれており、ノイズ低減部23によりクロックノイズを含むノイズ成分が低減された場合をそれぞれ示す。図10(a)〜(c)それぞれの横軸は時間[sec]、縦軸は周波数[Hz]を示す。
図10(a)に示すように、受信された信号にクロックノイズが含まれていない場合には、周波数4k[Hz]より高い周波数成分をもつ信号成分(例えば、楽器の音色等に相当する信号成分)の強弱が明確になっている。
一方、図10(b)に示すように、受信された信号にクロックノイズが含まれている場合には、周波数4k[Hz]より高い周波数成分をもつ信号成分の強弱が明確ではなく、周波数4k[Hz]より高い周波数をもつ信号が全体的に同程度の強度をもつ信号となっている。図10(b)の例では、周波数4k[Hz]より高い周波数成分に、クロックノイズが含まれていない場合と比較して、より多くのひずみ成分が含まれていると考えられる。
図10(c)に示すように、ノイズ低減部23によりノイズを低減させる処理を行わない場合には図10(b)に示すような多数のひずみが生じ得る信号であっても、当該処理を行ったことで、周波数4k[Hz]より高い周波数成分をもつ信号成分の強弱が明確となり、ひずみ成分の発生が抑制されていることが確認される。なお、実施形態のノイズを低減させる処理においては、処理を開始させてから実際にノイズ成分が低減されるまで所定の時間(例えば、0.15[sec]程度)が必要となる。このため、処理開始から所定の時間の間は、不要なノイズ成分に基づく雑音が出力されてしまう可能性がある。この対策として、例えば、送信側の音信号を周波数変調する際に、音の出だしの部分を所定の時間だけ強制的に無音とするようにしてもよい。一般に、音の出だしの部分を0.15[sec]程度の間、強制的に無音とした場合でも、当該無音とした部分が人の聴覚に違和感として認識されることはないと考えられる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
10…送信信号処理装置、20…受信信号処理装置、23…ノイズ低減部、235…遅延部(除去部)、236…加算部(除去部)、237…ノイズ特定部(除去部)、238…無音判定部(判定部)、239…ノイズ信号記憶部(記憶部)。

Claims (7)

  1. 受信信号に含まれる放送の音信号が有音であるか無音であるかを判定する判定部と、
    前記判定部により前記音信号が無音であると判定された場合に、前記受信信号に含まれるノイズ成分を特定し、特定した前記ノイズ成分から前記放送の制御信号を低減させた信号を前記受信信号から除去する除去部と、
    を備える受信信号処理装置。
  2. 受信信号に含まれる音信号が有音であるか無音であるかを判定する判定部と、
    前記判定部により前記音信号が無音であると判定された場合に、前記受信信号に含まれるノイズ成分を特定し、特定した前記ノイズ成分から所定の正弦波成分を低減させた信号を前記受信信号から除去する除去部と、
    を備える受信信号処理装置。
  3. 前記所定の正弦波成分は、少なくとも前記受信信号のキャリア信号に対応する正弦波成分である、
    請求項2に記載の受信信号処理装置。
  4. 前記ノイズ成分に関する情報を記憶する記憶部と、
    を更に備え、
    前記除去部は、前記判定部により前記音信号が有音であると判定された場合、前記記憶部に記憶させた前記ノイズ成分に関する情報に基づいて、前記受信信号から前記ノイズ成分を除去する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受信信号処理装置。
  5. 前記受信信号は、FM変調方式により変調された受信信号である、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受信信号処理装置。
  6. コンピュータが、
    受信信号に含まれる音信号が有音であるか無音であるかを判定し、
    前記音信号が無音であると判定した場合に、前記受信信号に含まれるノイズ成分を特定し、特定した前記ノイズ成分から所定の正弦波成分を低減させた信号を前記受信信号から除去する、
    受信信号処理方法。
  7. コンピュータに、
    受信信号に含まれる音信号が有音であるか無音であるかを判定させ、
    前記音信号が無音であると判定された場合に、前記受信信号に含まれるノイズ成分を特定させ、特定させた前記ノイズ成分から所定の正弦波成分を低減させた信号を前記受信信号から除去させる、
    プログラム。
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