JP6610666B2 - 斜面評価装置、判定システム、斜面評価方法及びプログラム - Google Patents

斜面評価装置、判定システム、斜面評価方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、斜面の安定解析に関する。
斜面の安定解析において、安全率を用いた判定が知られている。例えば、特許文献1は、評価対象斜面の実測データ(斜面形状、土質係数など)を用いて作成された力学モデルに基づいて破壊確率を算出し、この破壊確率に基づいて当該斜面の危険度を判定する技術を開示している。ここにおいて、破壊確率は、安全率と相関を有する指標である。
特開2002−070029号公報
特許文献1に記載された技術は、実測データを用いて力学モデルを事前に作成することを要する。
本発明の目的の一つは、特定の斜面の安全性を判定するためのモデルを、当該斜面の性質をあらかじめ実測しなくても決定できるようにすることにある。
本発明の一態様に係る斜面評価装置は、評価対象の斜面の振動特徴量データを取得する取得手段と、前記取得された振動特徴量データと、複数のモデル毎にあらかじめ得られた振動特徴量データを示す参照データとに基づいて、前記斜面に適用するモデルを決定する決定手段とを備える。
本発明の一態様に係る判定システムは、前記斜面評価装置と、前記決定手段により決定されたモデルを用いた安定解析式を用いて前記斜面の安全性を判定する判定手段とを備える。
本発明の一態様に係る斜面評価方法は、評価対象の斜面の振動特徴量データを取得し、前記取得された振動特徴量データと、複数のモデル毎にあらかじめ得られた振動特徴量データを示す参照データとに基づいて、前記斜面に適用するモデルを決定する。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、評価対象の斜面の振動特徴量データを取得するステップと、前記取得された振動特徴量データと、複数のモデル毎にあらかじめ得られた振動特徴量データを示す参照データとに基づいて、前記斜面に適用するモデルを決定するステップとを実行させる

本発明によれば、特定の斜面の安全性を判定するためのモデルを、当該斜面の性質をあらかじめ実測しなくても決定することが可能である。
図1は、斜面評価装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、モデルデータの一例を示す模式図である。 図3は、斜面評価装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、判定システムの全体構成を示すブロック図である。 図5は、判定装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図6は、判定装置における動作の概略を示すフローチャートである。 図7は、モデル化フェーズにおける動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、評価フェーズにおける動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、判定フェーズにおける動作の一例を示すフローチャートである。 図10は、斜面評価装置又は判定装置を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
[序説]
本発明の発明者は、斜面の安定解析式に必要な変数と可観測量とを試験環境において計測し、当該変数を特定の可観測量から算出可能なモデルを構築し、監視対象斜面において計測された可観測量と当該モデルとに基づいて安全率を算出する発明について特許出願をした(PCT/JP2014/004303)。しかし、この発明は、試験環境が監視対象斜面と同一(又は略同一)の種類、乾燥密度及び締固め度であることを要する。換言すれば、この発明は、監視対象斜面と同一(又は略同一)の条件下で変数等を実測し、モデルをあらかじめ構築しておく必要がある。
一方、本発明の特徴の一つは、評価対象の斜面について、計測を事前に実施したり、当該斜面そのもののモデルを事前に作成したりする必要がない点にある。本発明は、あらかじめ定義された複数のモデルに基づいて、斜面の安全性を評価するためのモデルを決定できるように構成された点に特徴を有する。本発明の特徴は、以下の実施形態及び変形例において詳述される。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る斜面評価装置10の構成を示すブロック図である。斜面評価装置10は、斜面安定解析のために斜面を評価する情報処理装置である。斜面評価装置10は、取得部11と、決定部12とを少なくとも備える。
取得部11は、評価対象の斜面における振動特徴量データを取得する。ここにおいて、振動特徴量データは、斜面を構成する土壌に与えられた振動に対する応答の特徴を表すデータである。例えば、振動特徴量データは、加振(より望ましくはインパルス加振)に対する応答のパワースペクトル密度(以下単に「パワースペクトル密度」ともいう。)を表すデータである。取得部11は、例えば、振動センサからの出力に基づいてパワースペクトル密度を算出する外部装置から振動特徴量データを取得する。
なお、取得部11は、振動特徴量データに加え、他のデータを取得するように構成されてもよい。例えば、取得部11は、評価対象の斜面の水分量を示すデータを振動特徴量データとともに取得してもよい。
決定部12は、取得部11により取得された振動特徴量データを用いて、評価対象の斜面に適用するモデル(以下「土壌モデル」という。)を決定する。決定部12は、土壌モデルの決定に参照データを用いる。決定部12は、参照データを所定の記憶媒体から取得するように構成される。この記憶媒体は、斜面評価装置10の外部に設けられても、斜面評価装置10の一部として構成されてもよい。
参照データは、複数の土壌モデル毎の振動特徴量データを示すデータである。振動特徴量データは、斜面の土質又は土種(土の種類)によって変わり得る。すなわち、振動特徴量データは、ある土質と別の土質とでは異なる特徴(すなわち値)を示す。また、振動特徴量データは、土質や土種が同一であっても、土壌の水分量によって変化する。本実施形態において、参照データは、モデルデータの一部を構成する。
図2は、モデルデータの一例を示す模式図である。図2に示すモデルデータは、モデル1〜nのn種類の土壌モデルについて、参照データとパラメータモデルとを含んで構成されている。本実施形態の参照データは、ある水分量に調整された土壌のサンプル(試料)にインパルス加振を与えたときに示した応答のパワースペクトル密度を数値化したデータである。また、パラメータモデルは、斜面の安定解析式に含まれる変数のモデルを表す。パラメータモデルは、例えば、入力された水分量に応じた変数の値を返す関数によって表される。
なお、参照データは、同一の土壌モデルに関して複数の振動特徴量データを含み得る。例えば、参照データは、異なる水分量に対応する複数の振動特徴量データを含んでもよい。この場合、振動特徴量データは、あるサンプルについて水分量を変えながら複数回計測することで得られる。このようにして同一のサンプルから得られた複数の振動特徴量データは、いずれも同一のパラメータモデルに対応付けられる。
本実施形態において、モデルデータは、個々の土壌モデル毎に事前に用意されている。ただし、モデルデータは、ある斜面の安全性を判定する前に用意されていればよく、例えば斜面評価装置10の出荷時から用意されている必要はない。また、モデルデータは、適当なタイミングで新しいデータに更新されてもよい。
なお、モデルデータの数(n)は、特に限定されない。モデルデータの数は、斜面の安全性をより正確に判定するためには、より多い方が望ましいといえる。しかし、モデルデータの数が多いと、モデルデータを用意する事前の作業や、斜面の評価に要する計算量が増大する。したがって、モデルデータは、このような事情を考慮して適当な数が用意されればよい。例えば、モデルデータの数は、5〜20程度でもよい。
斜面評価装置10の構成は、以上のとおりである。斜面評価装置10は、この構成の下、評価対象の斜面の振動特徴量データを取得すると、当該斜面に適用される土壌モデルを決定する。換言すれば、斜面評価装置10は、取得した振動特徴量データに対応する斜面がどのような性質(特徴)を有しているか(すなわち、どの土壌モデルに近いか)を評価することができる。ユーザは、斜面評価装置10によって決定された土壌モデルを用いて、当該斜面の安全性を判定することが可能である。
本実施形態において、斜面の安全性は、所定の安定解析式を用いて判定される。斜面の安定解析式は、安全率の定義式であるともいえる。本実施形態において、安定解析式は、特定の式に限定されない。例えば、本実施形態においては、フェレニウス法(簡易分割法、スウェーデン法ともいう。)や修正フェレニウス法に従った安定解析式が利用可能である。
フェレニウス法による安全率Fsは、例えば、以下の(1)式で表すことができる。ここにおいて、c、W、u、φは、それぞれ、土塊の粘着力、重量、間隙水圧、内部摩擦角を表す変数である。また、αは、斜面の傾斜角を表す。また、lは、斜面を垂直方向に分割した分割片(スライス)のすべり面の長さを表す。説明の便宜上、傾斜角α及びすべり面長lは、ここでは定数とする。
Figure 0006610666
また、修正フェレニウス法による安全率Fsは、例えば、以下の(2)式で表すことができる。ここにおいて、bは、スライスの幅を表す。スライス幅bは、ここでは定数とする。
Figure 0006610666
ここで、粘着力c、重量W、間隙水圧u及び内部摩擦角φは、いずれも、土中の水分量と相関を有する。したがって、これらの変数は、いずれも水分量の関数として表すことができる。この例の場合、パラメータモデルは、これらの変数の関数である。例えば、(1)式は、粘着力c、重量W、間隙水圧u及び内部摩擦角φを、それぞれ水分量mの関数c(m)、W(m)、u(m)及びφ(m)に置換すると、以下の(3)式で表される。このような置換は、(2)式においても同様に可能である。
Figure 0006610666
なお、本実施形態において、斜面の安全性は、斜面評価装置10によって判定される必要はない。斜面の安全性は、斜面評価装置10によって判定されてもよいが、斜面評価装置とは別の外部装置によって判定されてもよい。斜面評価装置10は、斜面の安全性の判定に必要なデータ、すなわちパラメータモデルを提供できれば、一定の効果を奏することができる。
図3は、斜面評価装置10が実行する処理を示すフローチャートである。図3に示すように、斜面評価装置10は、取得処理(ステップS1)と、決定処理(ステップS2)とを実行する。
ステップS1において、取得部11は、評価対象の斜面の振動特徴量データを取得する。取得部11は、実地(すなわち現場)において測定された振動の振動特徴量データを取り込む。このとき、評価対象の斜面の水分量は、所定の数値になるように調整されているか、あるいは水分量センサなどによって計測されているものとする。つまり、取得部11は、斜面における水分量が既知である振動特徴量データを取得する。
ステップS2において、決定部12は、取得部11が取得した振動特徴量データを参照データと比較する。異なる水分量に対応する複数の振動特徴量データを参照データが含んでいる場合、決定部12は、当該複数の振動特徴量データのうち、取得部11が取得した振動特徴量データの計測時点の水分量に対応する振動特徴量データを当該取得した振動特徴量データと比較する。また、取得部11が取得した振動特徴量データの水分量が複数の振動特徴量データに対応する水分量のいずれとも一致しない場合、決定部12は、当該複数の振動特徴量データのうち、取得部11が取得した振動特徴量データの計測時点の水分量に最も近い水分量に対応する振動特徴量データを当該取得した振動特徴量データと比較する。なお、参照データに含まれる振動特徴量データが特定の水分量に対応する振動特徴量データのみである場合、取得部11は、評価対象の斜面の水分量が当該特定の水分量になった状態で計測された振動特徴量データを取得すればよい。
決定部12は、このような振動特徴量データの比較を複数のモデルデータのそれぞれについて実行する。決定部12は、比較対象の振動特徴量データと参照データとの類似度を判断し、最も類似していると判断した土壌モデルを評価対象の斜面に適用する。類似度の判断は、例えば、それぞれ多次元のベクトルで表現された振動特徴量データの単位周波数毎のパワースペクトル密度と参照データの単位周波数毎のパワースペクトル密度とのユークリッド距離を算出することで行われる。この場合、決定部12は、振動特徴量データのユークリッド距離が最小となった土壌モデルを評価対象の斜面に適用する。
斜面の安全性を外部装置が判定する場合、決定部12は、評価対象の斜面に適用する土壌モデルを決定した後、当該土壌モデルを表すデータを外部装置に出力する。決定部12は、例えば、当該土壌モデルのパラメータモデルを外部装置に供給する。あるいは、土壌モデル毎のパラメータモデルを外部装置が記憶している場合、決定部12は、パラメータモデルに代えて、土壌モデルの識別情報を当該外部装置にしてもよい。
以上のとおり、本実施形態によれば、複数の土壌モデル毎にあらかじめ得られた振動特徴量データに基づいて斜面に適用する土壌モデルを決定することにより、評価対象の斜面の性質(土質等)をあらかじめ実測しなくても当該斜面の安全性を判定することが可能になる。本実施形態の場合、評価対象の斜面、すなわち実地においては、水分量が既知の振動特徴量データを計測すれば足りる。
振動特徴量データは、それぞれの土壌の性質に応じて異なる値を示す。振動特徴量データの類似性は、土壌としての類似性を意味する。斜面評価装置10は、このような振動特徴量データを参照データとして用いることで、妥当性のある土壌モデルの決定(すなわち斜面の評価)を可能にしている。
[第2実施形態]
図4は、本発明の別の実施形態に係る判定システム20の全体構成を示すブロック図である。判定システム20は、判定装置100と、試験装置200と、計測装置300、400と、モニタ装置500とを備える。なお、判定システム20を構成するこれらの装置は、図4においては1つずつ図示されているが、実際の数は限定されない。
判定システム20は、斜面の安全性を判定するためのコンピュータシステムである。判定システム20は、大別すると、上述したモデルデータを作成する機能と、監視対象の斜面の土壌モデルを決定する機能と、決定された土壌モデルを用いて斜面の安全性を判定する機能とを有する。
試験装置200及び計測装置300は、モデルデータの作成に用いられる。試験装置200は、試料(土塊、供試体)に対して三軸圧縮試験を実施する装置である。試験装置200は、応力センサ210、220を含む。応力センサ210、220は、垂直応力、せん断応力をそれぞれ計測するセンサである。
計測装置300は、試料から各種データを計測する装置である。計測装置300は、水分計310と、振動センサ320と、間隙水圧計330とを含む。計測装置300は、プランター等の所定の容器に収容された試料の水分量、振動特徴量及び間隙水圧を計測する。この計測は、試料の水分量を変更(増加)させながら繰り返し実行される。この一連の計測作業のことを、以下においては「プランター試験」という。なお、ここでいう水分量は、体積含水率と重量含水率のいずれであってもよい。
計測装置400は、斜面の土壌モデルの決定に用いられる。計測装置400は、監視対象の斜面において振動特徴量及び水分量を計測する。計測装置400は、水分計410と振動センサ420とを含む。水分計410、振動センサ420は、水分計310、振動センサ320と同種のセンサでよいが、計測対象が異なる。
判定装置100は、試験装置200及び計測装置300、400に接続され、これらの装置からデータを受信する。判定装置100は、受信したデータに基づいてモデルデータを作成したり、斜面の安全性を判定したりすることができる。判定装置100は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバ装置によって実現することができる。判定装置100は、本発明に係る斜面評価装置の一例に相当する。
モニタ装置500は、判定装置100による判定結果に応じた情報を出力する。モニタ装置500は、例えば液晶ディスプレイである。また、モニタ装置500は、判定装置100の一部として構成されてもよい。さらに、モニタ装置500は、スピーカを備え、必要に応じて警報音等を発してもよい。また、モニタ装置500は、移動通信網を介して判定装置100と通信する携帯電話機やスマートフォンであってもよい。
図5は、判定装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。判定装置100は、第1算出モジュール110、第1モデル化モジュール120、第2算出モジュール130、第2モデル化モジュール140、データベース150、評価モジュール160及び判定モジュール170を実現する。
第1算出モジュール110は、粘着力(c)及び内部摩擦角(φ)を算出する。第1算出モジュール110は、応力センサ210及び220から出力された垂直応力及びせん断応力を示すデータに基づいて、粘着力及び内部摩擦角を算出することができる。
第1モデル化モジュール120は、第1算出モジュール110により算出された粘着力及び内部摩擦角に基づき、粘着力及び内部摩擦角の水分量(m)に対するモデルを生成する。第1算出モジュール110は、同一の試料の粘着力及び内部摩擦角を、水分量を異ならせて複数回算出する。第1モデル化モジュール120は、それぞれの粘着力及び内部摩擦角が算出されたときの水分量の入力を受け付け、粘着力及び内部摩擦角の水分量に対するモデルを算出することができる。この水分量は、ユーザによって入力されてもよいが、図示されない水分計で実測されてもよい。
以下においては、粘着力の水分量に対するモデルをc(m)、内部摩擦角の水分量に対するモデルをφ(m)とそれぞれ表記する。モデルc(m)及びφ(m)は、水分量の関数として記述可能である。この場合、第1モデル化モジュール120は、実際には計測されていない水分量における粘着力及び内部摩擦角の値を適当な補間法により補う。
第2算出モジュール130は、振動特徴量の一例であるパワースペクトル密度を算出する。第2算出モジュール130は、振動センサ320から出力されたデータに基づいて、所定の水分量毎のパワースペクトル密度を算出することができる。この水分量は、ユーザによって入力されてもよいが、水分計310で実測されてもよい。
第2モデル化モジュール140は、重量(W)及び間隙水圧(u)の水分量に対するモデルを生成する。第2モデル化モジュール140は、例えば、プランター試験の実施前に計測された試料の重量(湿潤重量)及び含水比に基づいて、試料の乾燥重量(試料中の土粒子の重量)と試験開始時の水分量(試料中の水分の重量)とを特定する。第2モデル化モジュール140は、これらの重量にプランター試験において試料に添加した水分の重量を加算することで、試料の重量を算出することができる。なお、プランター試験において添加された水分量は、ユーザにより入力され、又は水分計310により実測される。
以下においては、重量の水分量に対するモデルをW(m)、間隙水圧の水分量に対するモデルをu(m)とそれぞれ表記する。第2モデル化モジュール140も、第1モデル化モジュール120と同様に、適当な補間によってモデルW(m)及びu(m)を算出することが可能である。
データベース150は、モデルデータを記憶する。データベース150は、第1モデル化モジュール120及び第2モデル化モジュール140により生成されたモデルc(m)、φ(m)、W(m)及びu(m)をパラメータモデルとして記憶する。また、データベース150は、第2算出モジュール130により算出されたパワースペクトル密度を振動特徴量データとして記憶する。本実施形態の参照データは、異なる水分量に対応する複数の振動特徴量データを含む。
データベース150は、モデルデータを土壌モデル毎に記憶する。データベース150は、特定の土壌モデルのパラメータモデルを抽出したり、特定の水分量に対応する各モデルの振動特徴量データを抽出したりすることができるように構成されている。
評価モジュール160は、第1実施形態の斜面評価装置10に相当する機能を有する。評価モジュール160は、水分計410により計測可能な水分量と振動センサ420により計測可能なパワースペクトル密度とに基づき、監視対象の斜面に適用する土壌モデルを決定する。具体的には、評価モジュール160は、水分計410により計測された水分量に対応する各モデルの振動特徴量データをデータベース150から読み出し、それぞれを振動センサ420の出力から算出されるパワースペクトル密度と比較する。評価モジュール160は、参照データに含まれる複数の振動特徴量データのうち、監視対象の斜面において計測されたパワースペクトル密度との類似度が最も高い振動特徴量データに対応するモデルを当該斜面に適用する。なお、類似度の判断方法は、第1実施形態と同様でよい。
判定モジュール170は、監視対象の斜面の安全性を判定する。判定モジュール170は、評価モジュールにより決定されたモデルのパラメータモデルを読み出し、当該パラメータモデルを用いた安定解析式に対して水分計410により計測された水分量を代入する。これにより、判定モジュール170は、安全率(Fs)を算出することができる。なお、上述した(1)式又は(2)式を安全率に用いる場合、傾斜角αは、実地においてユーザによって計測される。監視対象の斜面の傾斜角が一定でない場合、傾斜角αは、スライス毎に異なる値としてもよいが、適当な代表値(平均値、中央値、最大値など)が用いられてもよい。
判定モジュール170は、判定結果に応じたデータをモニタ装置500に出力する。一般に、安全率が1未満であると、斜面が不安定で崩壊のおそれがあるとされている。よって、判定モジュール170は、例えば、安全率が1未満になった場合には、注意を喚起するメッセージをモニタ装置500に表示させる。
判定モジュール170は、安全率に応じた処理を段階的に実行してもよい。例えば、判定モジュール170は、安全率が第1の閾値(例えば1.2)を下回った場合には、モニタ装置500に画像を表示させて視覚的に注意を喚起する一方、安全率が第2の閾値(例えば1.0)を下回った場合には、モニタ装置500に画像を表示させるだけでなく警告音も発生させ、視覚的のみならず聴覚的にも注意を喚起してもよい。
図6は、判定装置100における動作の概略を示すフローチャートである。判定装置100における動作は、モデル化フェーズ(ステップSA)、評価フェーズ(ステップSB)及び判定フェーズ(ステップSC)に大別することができる。
図7は、モデル化フェーズにおける動作の一例を示すフローチャートである。ユーザは、モデル化フェーズにおいて、上述した三軸圧縮試験及びプランター試験を実施する。第1算出モジュール110、第2算出モジュール130及び第2モデル化モジュール140は、これらの試験において計測されたデータを取得する(ステップSA1、SA2)。
第1モデル化モジュール120及び第2モデル化モジュール140は、ステップSA1、SA2において取得されたデータに基づいて、安定解析式に必要な変数をモデル化する(ステップSA3)。具体的には、第1モデル化モジュール120は、応力センサ210、220から取得したデータに基づき、粘着量のモデルc(m)と内部摩擦角のモデルφ(m)とを算出する。また、第2モデル化モジュール140は、水分計310、振動センサ320及び間隙水圧計330から取得したデータに基づき、重量のモデルW(m)と間隙水圧のモデルu(m)とを算出する。
第1モデル化モジュール120、第2算出モジュール130及び第2モデル化モジュール140は、算出したデータ、すなわちモデルデータをデータベース150に格納する(ステップSA4)。具体的には、第1モデル化モジュール120及び第2モデル化モジュール140は、パラメータモデル、すなわちモデルc(m)、φ(m)、W(m)及びu(m)をデータベース150に格納する。また、第2算出モジュールは、複数の水分量毎の振動特徴量データをデータベース150に格納する。
なお、図7に示す処理は、土壌モデル毎、すなわち試料毎に実行される。また、判定装置100は、同一の場所から採取された試料の密度等を変化させ、密度の変更前後の試料を異なる土質の試料として扱ってもよい。このようにすれば、同一の試料から複数の土壌モデルを得ることが可能である。
モデル化フェーズが終了すると、判定装置100は、監視対象の斜面の評価、すなわち当該斜面に対して適用する土壌モデルの決定が可能な状態になる。この状態において計測装置400からデータが送信されると、判定装置100の状態は、評価フェーズに移行する。
図8は、評価フェーズにおける動作の一例を示すフローチャートである。なお、図8において、破線で示すステップ(ステップSB5、SB6)の処理は、必ずしも判定装置100が実行するものではない。これらの処理は、ユーザによる手作業で実行されてもよい。
なお、ここでは、説明の便宜上、モデルデータの数(すなわち土壌モデルの種類の数)を「n1」とし、それぞれのモデルに含まれる振動特徴量データの数を「n2」とする。n2個の振動特徴量データは、それぞれ、異なる水分量m1、m2、…、mn2(ただし、m1<m2<…<mn2)において計測されたパワースペクトル密度を表す。
評価モジュール160は、水分計410により計測された水分量(すなわち斜面における実測値)を示す水分量データを取得する(ステップSB1)。この実測値のことを、以下においては「m」と表記する。評価モジュール160は、ステップSB1において取得した実測値mを水分量m1〜mn2と比較し、実測値mが水分量m1〜mn2と一致し、又は水分量m1〜mn2との差分が所定の数値範囲(許容範囲)内にあるか否かを判断する(ステップSB2)。
実測値mがステップSB2の条件を満たさない場合(ステップSB2:NO)、評価モジュール160は、実測値mが水分量mn2より多いか否かを判断する(ステップSB3)。評価モジュール160は、実測値mが水分量mn2よりも多ければ(ステップSB3:YES)、所定のエラー処理を実行する(ステップSB4)。エラー処理は、例えば、斜面の安全性の判定に適した土壌モデルが存在しないことをユーザに通知するための処理である。
一方、実測値mが水分量mn2よりも少ない場合は(ステップSB3:NO)、実測値mに値を加算することでステップSB2の条件を満たし得ることを意味する。そこで、このときユーザは、監視対象の斜面に注水することで当該斜面の水分量mを増加させる(ステップSB5)。例えば、ユーザは、実測値mが水分量m1よりも少ない場合であれば、実測値mが水分量m1になるように斜面に水分を導入する。その後、評価モジュール160は、注水後の実測値mをステップSB1において取得する。注水量が十分でなければ、評価モジュール160は、上述した処理を繰り返す。
以下においては、説明の便宜上、実測値mと一致し、又は実測値mとの差分が所定の数値範囲内になった水分量のことを「m」と表記する。すなわち、mは、許容範囲を±Thとした場合、m=m±Thを満たす。なお、mは、m1〜mn2のいずれかである。
水分量m1〜mn2のいずれかがステップSB2の条件を満たす場合(ステップSB2:YES)、ユーザは、加振試験を実施する(ステップSB6)。加振試験とは、具体的には、監視対象の斜面に振動を与え、その応答を計測する試験のことである。評価モジュール160は、振動センサ420により計測された振動データを取得し(ステップSB7)、パワースペクトル密度を算出する(ステップSB8)。
評価モジュール160は、モデルjの参照データのうち、水分量がmである振動特徴量データをデータベース150から読み出す(ステップSB9)。ここにおいて、jの初期値は、「1」である。すなわち、評価モジュール160は、最初にモデル1の振動特徴量データを取得する。
次いで、評価モジュール160は、ステップSB8において算出したパワースペクトル密度とステップSB9において取得した振動特徴量データが示すパワースペクトル密度とを比較する(ステップSB10)。具体的には、評価モジュール160は、両者のパワースペクトル密度を単位周波数(例えば1Hz)毎の値で比較し、ユークリッド距離を算出する。
評価モジュール160は、ステップSB10において算出したユークリッド距離の大小を判断し(ステップSB11)、当該算出したユークリッド距離がこれまでに算出したユークリッド距離の中で最小である場合に(ステップSB11:YES)、jの値を所定の記憶領域に格納する(ステップSB12)。ただし、j=1(すなわち初期値)の場合、評価モジュール160は、値「1」を記憶領域に格納する。
また、評価モジュール160は、直前に算出したユークリッド距離が最小でない場合には(ステップSB11:NO)、ステップSB2の処理をスキップする。例えば、j=2の場合、評価モジュール160は、j=1の場合のユークリッド距離とj=2の場合のユークリッド距離とを比較し、後者の値の方が小さければ値を「2」に更新し、そうでなければ値を更新しない。
評価モジュール160は、このような処理をjがn1になるまで(すなわち全モデルを比較するまで)繰り返す。すなわち、評価モジュール160は、j=n1であるか否かを判断し(ステップSB13)、j≠n1であれば(ステップSB13:NO)、jをインクリメントする(ステップSB14)。そして、評価モジュール160は、ステップSB9以降の処理を再度実行する。すなわち、評価モジュール160は、別のモデルの振動特徴量データを読み出し、パワースペクトル密度の比較等を実行する。
全モデルの比較が終了した場合、すなわちステップSB13においてj=n1と判断した場合(ステップSB13:YES)、評価モジュール160は、その時点で記憶領域に格納されているjの値を参照することにより、監視対象の斜面に適用する土壌モデルを決定する(ステップSB15)。例えば、記憶領域に格納されているjの値が「2」であれば、評価モジュール160は、監視対象の斜面に「モデル2」を適用する。評価モジュール160がステップSB15の処理を実行したら、評価フェーズは終了する。
なお、評価モジュール160は、ステップSB2の条件(すなわち水分量)を変えて図8に示す処理を複数回実行してもよい。この場合、評価モジュール160は、類似度が最高(例えばユークリッド距離が最小)となるモデルを複数の水分量について得ることができる。評価モジュール160は、このようにして得られた複数の比較結果を総合的に判断して土壌モデルを決定してもよい。例えば、評価モジュール160は、類似度が最高となった回数が最も多いモデルを土壌モデルとして用いてもよい。
図9は、判定フェーズにおける動作の一例を示すフローチャートである。まず、判定モジュール170は、評価フェーズにおいて決定された土壌モデルのパラメータモデルをデータベース150から取得する(ステップSC1)。そして、判定モジュール170は、水分量を示すデータを水分計410から取得する(ステップSC2)。判定モジュール170は、ステップSC1において取得したパラメータモデルを用いた安定解析式にステップSC2において取得したデータが示す水分量を代入することにより、斜面の安全率を算出する(ステップSC3)。
そして、判定モジュール170は、ステップSC3において算出した安全率に応じた処理を実行する(ステップSC4)。判定モジュール170は、例えば、モニタ装置500に所定の処理(警告表示等)を実行させるデータを出力する。
以上のとおり、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、特定の水分量における振動特徴量データのみを用いて土壌モデルを決定することができる。また、本実施形態によれば、監視対象の斜面における計測を評価フェーズより前に実行する必要がない。換言すると、本実施形態においては、監視対象の斜面そのもののモデルデータは不要である。
また、本実施形態によれば、異なる水分量に対応する複数の振動特徴量データのうち、監視対象の斜面の水分量に最も近い水分量に対応する振動特徴量データを振動特徴量データの実測値と比較することが可能である。したがって、ユーザは、参照データに複数の振動特徴量データが含まれない場合に比べ、監視対象の斜面における労力を少なくすることが可能である。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。本発明は、上述した実施形態に対して、いわゆる当業者が理解し得る多様な変更を適用することが可能である。例えば、本発明は、以下の変形例に示す形態によっても実施することができる。また、本発明は、複数の変形例を組み合わせたり、実施形態の一部の構成を他の実施形態の構成と置換したりして実施されてもよい。
(1)変形例1
評価モジュール160は、複数のモデルを組み合わせて斜面に適用する土壌モデルを決定してもよい。例えば、単一のモデルのみを用いただけでは、いずれのモデルを用いても類似度(例えばユークリッド距離)が一定の基準(類似しているとみなせる範囲)を満たさない場合が考えられる。この場合、既存のいずれのモデルも、監視対象の斜面に適していないといえる。このような場合、評価モジュール160は、複数のモデルを類似度が一定の基準を満たすように組み合わせた土壌モデルを新たに生成してもよい。
ここで、複数のモデルの組み合わせについて、パラメータモデルの具体例を挙げて説明する。ここでは、重量の関数W(m)が単一のモデルのみによって記述される場合にmの1次関数になると想定する。この場合、パラメータモデルは、1次関数の傾きと切片によって記述することができる。以下においては、モデルnの傾き及び切片をそれぞれan、bnと表記する。
この例において、「モデル1」を斜面に適用する場合、関数W(m)は、
W(m)=a1m+b1
である。同様に、「モデル2」を斜面に適用する場合の関数W(m)は、
W(m)=a2m+b2
である。
これらのモデルを組み合わせる場合、評価モジュール160は、各モデルに対する重み付け係数Cを算出し、例えば以下のような関数を斜面に適用する。この場合、重み付け係数Cは、類似度が一定の基準を満たすように設定される。
W(m)=C(a1m+b1)+(1−C)(a2m+b2
あるいは、評価モジュール160は、監視対象の斜面の振動データを、水分量を異ならせながら複数回取得してもよい。例えば、評価モジュール160は、水分量m1〜mn2のそれぞれに対応するn2個の振動データを取得してもよい。この場合、評価モジュール160は、それぞれのパワースペクトル密度を算出する。
評価モジュール160は、このn2個のパワースペクトル密度をモデルのパワースペクトル密度のそれぞれと比較する。そうすると、ユークリッド距離が最小となるモデルは、水分量の大小によって異なる可能性がある。例えば、ユークリッド距離が最小となるモデルは、水分量がある値(以下「m0」と表記する。)までは「モデル1」である一方、水分量がm0よりも多くなると「モデル3」に切り替わる、といった場合が想定され得る。
この場合、評価モジュール160は、水分量がm0以下のときには「モデル1」のパラメータモデルに従い、水分量がm0より多くなると「モデル3」のパラメータモデルに従う土壌モデルを新たに生成し、生成した土壌モデルを監視対象の斜面に適用してもよい。なお、評価モジュール160は、3以上のモデルを組み合わせて土壌モデルを生成してもよい。
(2)変形例2
本発明の実施形態における振動特徴量は、パワースペクトル密度のみに限定されない。例えば、本発明の実施形態における振動特徴量は、土壌の共振周波数、固有振動数、振動波形の減衰率(又は減衰比)などであってもよい。ただし、パワースペクトル密度は、共振周波数、固有振動数、減衰率などに比べ、情報量が多く高精度な比較を実行しやすいという利点がある。また、振動特徴量データは、複数の振動特徴量を含むデータであってもよい。
(3)変形例3
本発明の実施形態における安定解析式は、特定の方法の式に限定されない。安定解析式としては、フェレニウス法や修正フェレニウス法のほかにも、ビショップ法、ヤンブ法なども適用可能である。これらの安定解析式も、必要な変数を水分量の関数として記述することが可能である。
(4)変形例4
本発明の実施形態において、水分量は、他のパラメータに置き換えることが可能である。例えば、水分量は、土壌中の振動波形の減衰率と相関を有する。したがって、水分量と減衰率の相関関係を求めることができれば、パラメータモデルを減衰率の関数として記述することも可能になる。この場合、水分量が減衰率から推定可能であるため、実地には水分計に代えて振動センサがあればよい。
(5)変形例5
本発明の実施形態において、斜面の構成要素は、土壌のみに限定されない。例えば、斜面は、コンクリート、モルタル、樹木根系などを含み得る。
(6)変形例6
斜面評価装置10及び判定装置100の一部又は全部は、コンピュータが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
図10は、斜面評価装置10又は判定装置100を実現するコンピュータ600のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コンピュータ600は、プロセッサ610と、メモリ620と、ストレージ630と、インタフェース640とを備える。
プロセッサ610は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。メモリ620は、主記憶装置に相当する。ストレージ630は、補助記憶装置に相当する。ストレージ630は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリによって構成される。また、ストレージ630は、光ディスクやフレキシブルディスクなどの着脱可能な記録媒体のリーダ・ライタを含んで構成されてもよい。インタフェース640は、外部装置(試験装置200、計測装置300、400など)とデータを送受信する。
プロセッサ610は、ストレージ630に記憶されたプログラムを実行することにより、斜面評価装置10の取得部11及び決定部12として機能することができる。あるいは、プロセッサ610は、ストレージ630に記憶されたプログラムを実行することにより、判定装置100の第1算出モジュール110、第1モデル化モジュール120、第2算出モジュール130、第2モデル化モジュール140、データベース150、評価モジュール160及び判定モジュール170として機能することができる。なお、データベース150は、プロセッサ610とストレージ630の協働により実現されてもよいし、ネットワークを介して接続される別の装置によって実現されてもよい。
(7)変形例7
本発明の実施形態は、斜面評価装置や判定システムのほか、斜面に適用するモデルを決定する評価方法、斜面の安全性を判定する判定方法が考えられる。また、本発明の実施形態は、コンピュータを斜面評価装置として機能させるためのプログラムや、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなど)といった形態も考えられる。かかるプログラムは、ある装置にネットワークを介してダウンロードされ、当該装置を斜面評価装置として機能させるものであってもよい。
この出願は、2015年7月23日に出願された日本出願特願2015−145425を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 斜面評価装置
11 取得部
12 決定部
20 判定システム
100 判定装置
110 第1算出モジュール
120 第1モデル化モジュール
130 第2算出モジュール
140 第2モデル化モジュール
150 データベース
160 評価モジュール
170 判定モジュール
200 試験装置
300、400 計測装置
500 モニタ装置
600 コンピュータ
610 プロセッサ
620 メモリ
630 ストレージ
640 インタフェース

Claims (10)

  1. 斜面の安全性を判定するためのモデルである複数の土壌モデルと、前記土壌モデルに対する斜面を構成する土壌に与えられた振動に対する応答の特徴を表す振動特徴量データとを、異なる水分量に対応づけて記憶する記憶手段と、
    評価対象の斜面において計測された振動特徴量データ及び評価対象の斜面の水分量を取得する取得手段と、
    前記取得された水分量に最も近い前記記憶された水分量に対応する前記記憶された振動特徴量データを前記記憶手段から抽出し、前記抽出された振動特徴量データと前記取得された振動特徴量データとを比較し、最も類似する前記記憶されている振動特徴量データに対応する前記記憶された土壌モデルを、前記斜面に適用する土壌モデルに決定する決定手段と
    を備える斜面評価装置。
  2. 前記記憶手段は、異なる水分量に対応する複数の振動特徴量データを前記複数の土壌モデル毎に含み、
    前記決定手段は、前記取得された振動特徴量データと、前記抽出された振動特徴量データとを比較して当該斜面に適用するモデルを決定する
    請求項1に記載の斜面評価装置。
  3. 前記決定手段は、前記複数の土壌モデルを組み合わせて前記斜面に適用する土壌モデルを決定する
    請求項1又は請求項2に記載の斜面評価装置。
  4. 前記決定手段は、前記斜面の水分量に応じて異なる土壌モデルを当該斜面に適用する
    請求項3に記載の斜面評価装置。
  5. 前記振動特徴量データは、前記斜面を構成する土壌に与えられた振動に対する応答のパワースペクトル密度を示す
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の斜面評価装置。
  6. 前記取得手段は、前記振動特徴量データと、前記斜面の水分量を示す水分量データとを取得する
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の斜面評価装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の斜面評価装置と、
    前記決定手段により決定された土壌モデルを用いた安定解析式を用いて前記斜面の安全性を判定する判定手段と
    を備える判定システム。
  8. 前記斜面において振動特徴量及び水分量を計測する計測装置を備える
    請求項7に記載の判定システム。
  9. 斜面の安全性を判定するためのモデルである複数の土壌モデルと、前記土壌モデルに対する斜面を構成する土壌に与えられた振動に対する応答の特徴を表す振動特徴量データとを、異なる水分量に対応づけて記憶し、
    評価対象の斜面において計測された振動特徴量データ及び評価対象の斜面の水分量を取得し、
    前記取得された水分量に最も近い前記記憶された水分量に対応する前記記憶された振動特徴量データを抽出し、前記抽出された振動特徴量データと前記取得された振動特徴量データとを比較し、最も類似する前記記憶されている振動特徴量データに対応する前記記憶された土壌モデルを、前記斜面に適用する土壌モデルに決定する
    斜面評価方法。
  10. コンピュータに、
    斜面の安全性を判定するためのモデルである複数の土壌モデルと、前記土壌モデルに対する斜面を構成する土壌に与えられた振動に対する応答の特徴を表す振動特徴量データとを、異なる水分量に対応づけて記憶するステップと、
    評価対象の斜面において計測された振動特徴量データ及び評価対象の斜面の水分量を取得するステップと、
    前記取得された水分量に最も近い前記記憶された水分量に対応する前記記憶された振動特徴量データを抽出し、前記抽出された振動特徴量データと前記取得された振動特徴量データとを比較し、最も類似する前記記憶されている振動特徴量データに対応する前記記憶された土壌モデルを、前記斜面に適用する土壌モデルに決定するステップと
    を実行させるためのプログラム。
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