JP6610166B2 - ハブユニット軸受 - Google Patents

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本発明は、エンコーダシール及びパックシールを備えるハブユニット軸受に関する。
従来、ハブ軸受には、小型で耐泥水性能に優れるパックシールが両端部に装着されていた。一方、ABSやトラクションコントロールの普及によりエンコーダ機能が要求されるようになり、パックシールのスリンガにエンコーダを取り付けたエンコーダ付きパックシールが普及してきている。
このようなハブユニット軸受としては、一端部にパックシールが装着され、他端部に回転を検出するためのエンコーダを備えるエンコーダシールが装着されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、このようなハブユニット軸受では、形状が類似する2種類のシールが装着され、エンコーダシールとパックシールで、内輪に対するスリンガの圧入長さが、エンコーダの厚さ分だけ異なっている。このため、エンコーダシールとパックシールの製造用金型(スリンガや芯金のプレス型やリップ部の加硫成形金型)を共通化することができず、個別の製造用金型が必要だった。
また、従来の他のハブユニット軸受として、パックシールのスリンガの円輪部にエンコーダと同じ厚さ寸法を有する弾性材をダミーとして全周に亘って添着して、エンコーダシールとパックシールの製造用金型などの共通化を図り、シール性能を確保しつつ、製造コストの低減を図ったものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−234006号公報 特開2007−085478号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のハブユニット軸受では、形状が類似するにも係わらず、スリンガ、芯金、成形金型などが異なる2種類のシールが装着されることとなり、特に生産量が少ない場合、製造コストが増加してしまっていた。また、上記特許文献2に記載のハブユニット軸受では、パックシール側のスリンガにエンコーダと同じ厚さ寸法を有する弾性材を添着することでエンコーダシールとの寸法的な共通化が図られているが、加硫工程が増加すると共に、余分な材料が必要になるため、コスト削減効果が十分ではなかった。また、エンコーダシール及びパックシールの両者ともスリンガ側面部がゴムで覆われ、外観的に区別が付き難くなるので、ハブユニット軸受の両端部にエンコーダシールを組み付けてしまう、或いは、パックシールを組み付けてしまうといった、誤組み付けの虞もあった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンコーダシール及びパックシールの芯金とスリンガを共通化すると共に、成形金型の主要部を共通化して、製造コストを抑制し、更に、エンコーダシール及びパックシールの誤組み付けを防止することができるハブユニット軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)回転検出可能なエンコーダを備えて軸受内部を封止するエンコーダシールと、軸受内部を封止するパックシールと、を備え、前記エンコーダシール及び前記パックシールは、シールリングをそれぞれ備え、前記シールリングは、芯金と、前記芯金に取り付けられて複数のシールリップを有するシール部と、を備えるハブユニット軸受であって、前記エンコーダシール及び前記パックシールの前記芯金は、共通化され、前記エンコーダシール及び前記パックシールの前記シール部は、前記各シールリップの形状が共通化された共通部分を有し、前記パックシールの前記シールリップの共通部分と前記芯金との軸方向距離は、前記エンコーダシールの前記シールリップの共通部分と前記芯金との軸方向距離より、前記エンコーダの肉厚分だけ長く設定され、前記エンコーダシールの前記シール部の体積と、前記パックシールの前記シール部の体積とが同じであることを特徴とするハブユニット軸受。
)前記エンコーダシール及び前記パックシールは、共通化されたスリンガをそれぞれ備え、前記エンコーダシールの前記シールリングの軸方向外端面と前記エンコーダの軸方向外端面とが面一であると共に、前記パックシールの前記シールリングの軸方向外端面と前記スリンガの軸方向外端面とが面一であり、前記両シール部は、前記スリンガの側面に摺接するシールリップであるサイドリップをそれぞれ有し、前記パックシールの前記シール部が、前記エンコーダシールの前記シール部と比較して、前記サイドリップの根元部であるサイドリップ根元部の軸方向幅が大きく設定されると共に、前記サイドリップ根元部より径方向外側の部分の軸方向幅が小さく設定される事により、前記両シール部の体積が同じであることを特徴とする()に記載のハブユニット軸受。
)前記エンコーダシール及び前記パックシールは、共通化された第二シールリングをそれぞれ備え、前記エンコーダシールの前記第二シールリングの軸方向外端面と前記エンコーダの軸方向外端面とが面一であると共に、前記パックシールの前記シールリングの軸方向外端面と前記第二シールリングの軸方向外端面とが面一であり、前記エンコーダシールの前記シール部が、径方向内側にフラッシュランドを設ける事により、前記両シール部の体積が同じであることを特徴とする()に記載のハブユニット軸受
本発明によれば、エンコーダシール及びパックシールの芯金とスリンガが、それぞれ共通化され、エンコーダシール及びパックシールのシール部が、略共通化された加硫成形金型で成形され、パックシールを成形する加硫成形金型は、エンコーダシールを成形する加硫成形金型にアタッチメント金型を付加して構成され、エンコーダシール及びパックシールが、同一寸法の圧入治具により軸受に圧入されるため、ハブユニット軸受の製造コストを大幅に抑制することができる。
また、本発明によれば、エンコーダシール及びパックシールのシール部は、各シールリップの形状が共通化された共通部分を有し、パックシールのシールリップの共通部分と芯金との軸方向距離は、エンコーダシールのシールリップの共通部分と芯金との軸方向距離より、エンコーダの肉厚分だけ長く、エンコーダシールでは、シール部材の軸方向外端面とエンコーダの軸方向外端面とが面一であると共に、パックシールでは、シール部の軸方向外端面とスリンガの軸方向外端面とが面一である。これにより、ハブユニット軸受の製造コストを大幅に抑制することができる。
本発明に係るハブユニット軸受の第一実施形態を説明する断面図である。 図1に示すエンコーダシールの拡大断面図である。 図1に示すパックシールの拡大断面図である。 図1に示すエンコーダシールとパックシールのシール部材の形状を比較する概略断面図である。 図2に示すエンコーダシールを成形する成形金型の構成を説明する断面図である。 図3に示すパックシールを成形する成形金型の構成を説明する断面図である。 パックシールの変形例を説明する拡大断面図である。 図7に示すパックシールを成形する成形金型の構成を説明する断面図である。 本発明に係わるエンコーダシールの第二実施形態の拡大断面図である。 本発明に係わるパックシールの第二実施形態の拡大断面図である。 図9に示すエンコーダシールとパックシールのシール部材の形状を比較する概略断面図である。 図9示すエンコーダシールを成形する成形金型の構成を説明する断面図である。 図10に示すパックシールを成形する成形金型の構成を説明する断面図である。
[第一実施形態]
以下、本発明に係るハブユニット軸受の第一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、図3及び図7のパックシールに関する図面は、エンコーダシールとの形状比較を容易にするために左右を反転させている。
本実施形態のハブユニット軸受10は、図1に示すように、内周面に複列の外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面に内輪軌道面12aをそれぞれ有する一対の内輪12と、外輪軌道面11aと内輪軌道面12aとの間に転動自在に配置される複数の玉13と、複数の玉13を周方向に略等間隔に保持する一対の保持器14と、外輪11と内輪12の軸方向一端部(図1の右端部)に装着されて軸受内部を封止するエンコーダシール20と、外輪11と内輪12の軸方向他端部(図1の左端部)装着されて軸受内部を封止するパックシール30と、を備える。なお、図1中の符号15は外輪11を支持するナックルハウジングであり、符号16は内輪12に係止されたエンコーダ26の回転を検出するセンサーである。
エンコーダシール20は、図2に示すように、シールリング21と、エンコーダ26を有するスリンガ25と、を備える。
シールリング21は、断面略L字形状の円環状の芯金22と、芯金22の内周面に接着されるゴムやエラストマーなどの弾性体からなるシール部23と、を有する。
芯金22は、外輪11の内周面に内嵌固定される円筒部22aと、円筒部22aから径方向内側に延びるフランジ部22bと、を有し、断面略L字形状の円環状に形成されている。
シール部23は、径方向内側に延設されるメインリップ(シールリップ)23a及びグリースリップ(シールリップ)23bと、軸方向外側に延設されるサイドリップ(シールリップ)23cと、を有する。そして、メインリップ23a及びグリースリップ23bは、後述するスリンガ25の円筒部25aの外周面に摺接し、サイドリップ23cは、後述するスリンガ25のフランジ部25bの内側面に摺接する。また、シール部23は、芯金22のフランジ部22bの外側面に形成され、エンコーダ貼り付きを防ぐ突起部23dを有する。
スリンガ25は、内輪12の外周面に外嵌固定される円筒部25aと、円筒部25aから径方向外側に延びるフランジ部25bと、を有し、断面略L字形状の円環状に形成されている。スリンガ25は、例えば、エンコーダ26の隣接する極(N極とS極)の背面側を磁気ショートさせ、隣接する極を馬蹄形磁石として機能させることで磁気特性を向上しつつ、且つ耐食性を有するフェライト系ステンレス製の板材をプレス加工することで形成される。
エンコーダ26は、円周方向に交互にN極とS極が着磁された多極磁石であり、インサート成形によりスリンガ25のフランジ部25bの外側面に取り付けられている。また、エンコーダ26は、インサート成形によって硬化反応が進む接着剤を塗工したスリンガ25をコアにしたインサート成形により、エンコーダ26の成形とスリンガ25への接着と
を同時に行ってフランジ部25bに取り付けられる。
パックシール30は、図3に示すように、シールリング31と、スリンガ35と、を備え、エンコーダの有無以外はエンコーダシール20と同様の構成である。
シールリング31は、断面略L字形状の円環状の芯金32と、芯金32の内周面に接着されるゴムやエラストマーなどの弾性体からなるシール部33と、を有する。
芯金32は、外輪11の内周面に内嵌固定される円筒部32aと、円筒部32aから径方向内側に延びるフランジ部32bと、を有し、断面略L字形状の円環状に形成されている。そして、芯金32は、エンコーダシール20の芯金22と同一部品であり共通化されている。
シール部33は、径方向内側に延設されるメインリップ(シールリップ)33a及びグリースリップ(シールリップ)33bと、軸方向外側に延設されるサイドリップ(シールリップ)33cと、を有する。そして、メインリップ33a及びグリースリップ33bは、後述するスリンガ35の円筒部35aの外周面に摺接し、サイドリップ33cは、後述するスリンガ35のフランジ部35bの内側面に摺接する。また、シール部33は、芯金32のフランジ部32bの外側面に形成され、エンコーダシール20においてはエンコーダ貼り付きを防ぐ突起部33dを有する。
そして、図4に示すように、メインリップ33a、グリースリップ33b、及びサイドリップ33cの形状は、エンコーダシール20のメインリップ23a、グリースリップ23b、及びサイドリップ23cと同一形状であり共通化されている。
さらに、パックシール30の各シールリップ33a,33b,33cの共通部分と芯金32との軸方向距離は、エンコーダシール20の各シールリップ23a,23b,23cの共通部分と芯金22との軸方向距離より、エンコーダ26の肉厚分だけ長くなるように設定されている。即ち、図4に示すように、共通部分の任意の位置をxとすると、パックシール30の各シールリップ33a,33b,33cの共通部分と芯金32との軸方向距離Aと、エンコーダシール20の各シールリップ23a,23b,23cの共通部分と芯金22との軸方向距離Bとの差は、エンコーダ26の肉厚となる。
また、パックシール30のシール部33は、エンコーダシール20のシール部23と比較して、サイドリップ33cの根元部であるサイドリップ根元部33eの軸方向幅が大きく設定され、且つサイドリップ根元部33eより径方向外側の部分の軸方向幅が小さく設定されていることだけが異なっている。
そして、この場合、エンコーダシール20では、シールリング21の軸方向外端面とエンコーダ26の軸方向外端面とが面一であると共に、パックシール30では、シールリング31の軸方向外端面とスリンガ35の軸方向外端面とが面一である。
スリンガ35は、内輪12の外周面に外嵌固定される円筒部35aと、円筒部35aから径方向外側に延びるフランジ部35bと、を有し、断面略L字形状の円環状に形成されている。そして、スリンガ35は、エンコーダシール20のスリンガ25と同一部品であり共通化されている。
次に、図5及び図6を参照して、エンコーダシール20及びパックシール30のシール部23,33を加硫成形する金型について説明する。
エンコーダシール20のシール部23を加硫成形する成形金型40は、図5に示すように、パックシール30のシール部33を加硫成形する成形金型50と共通化された第1〜第5金型D1〜D5と、第2金型D2と第5金型D5との間に配置されるスペーサ金型D6と、を組み合わせることにより構成されている。なお、第4金型D4と第5金型D5は、メインリップ33a、グリースリップ33b、及びサイドリップ33cを成形する加硫金型である。
スペーサ金型D6は、エンコーダ26の軸方向幅と同じ厚さに設定されている。これにより、第2金型D2と第5金型D5との間には、エンコーダ26の軸方向幅と同じ幅の隙間Sが形成されている。
パックシール30のシール部33を加硫成形する成形金型50は、図6に示すように、成形金型40と共通化された第1〜第5金型D1〜D5と、第3金型D3と第4金型D4との間に配置されるスペーサ金型D7と、第5金型D5に取り付けられるアタッチメント金型D8と、を組み合わせることにより構成されている。また、成形金型50には、上記スペーサ金型D6は使用されない。
スペーサ金型D7は、エンコーダ26の軸方向幅と同じ厚さに設定されている。これにより、第4金型D4と第5金型D5が、エンコーダ26の軸方向幅の分だけ第2金型D2側に移動する。従って、エンコーダシール20のシール部23と比較して、パックシール30のシール部33のサイドリップ根元部33eが、エンコーダ26の軸方向幅の分だけ厚く成形されると共に、メインリップ33a、グリースリップ33b、及びサイドリップ33cが、エンコーダ26の軸方向幅の分だけ第2金型D2側にずれて成形されることとなる。
アタッチメント金型D8は、エンコーダシール20のシール部23の体積とパックシール30のシール部33の体積が同じになるような体積に設定されている。このため、シール部23,33を成形する材料の量も同じとなる。これにより、予備成形ゴム(未加硫ゴムを計量して成形金型に入る形に成形したもの)を共通化することができる。また、成形金型50にアタッチメント金型D8を配置することにより、シール部33のサイドリップ根元部33eより径方向外側の部分が薄く(軸方向幅が小さく)成形される。
そして、このように構成されたハブユニット軸受10では、図1に示すように、エンコーダシール20のシールリング21の軸方向外端面とエンコーダシール20のエンコーダ26の軸方向外端面とが面一になるように、シールリング21及びスリンガ25を外輪11及び内輪12にそれぞれ圧入することにより、シールリング21のサイドリップ23cがスリンガ25のフランジ部25bに所定の締め代で接触する。また、パックシール30のシールリング31の軸方向外端面とパックシール30のスリンガ35の軸方向外端面とが面一になるように、シールリング31及びスリンガ35を外輪11及び内輪12にそれぞれ圧入することにより、シールリング31のサイドリップ33cがスリンガ35のフランジ部35bに所定の締め代で接触する。さらに、エンコーダシール20及びパックシール30の外輪11及び内輪12への圧入寸法は同一寸法である。これらにより、エンコーダシール20及びパックシール30の外輪11及び内輪12への圧入を同一寸法の圧入治具(不図示)で行うことができる。
また、例えば、パックシール30の構造をエンコーダ26を除いてエンコーダシール20の構造と共通化した場合、パックシール30のスリンガ35をエンコーダ26の軸方向幅の分だけ奥に圧入するようにすれば、圧入治具を別途用意するだけでよいのであるが、この場合、スリンガ35を奥に圧入するため、圧入時にスリンガ35の円筒部35aの内周面に軸方向の貫通傷が生じて、耐泥水性能が低くなってしまう。しかし、本実施形態では、パックシール30のスリンガ35を奥に圧入する必要がないため、貫通傷の発生を防止することができる。
以上説明したように、本実施形態のハブユニット軸受10によれば、エンコーダシール20及びパックシール30の芯金22,32とスリンガ25,35が、それぞれ共通化され、エンコーダシール20及びパックシール30のシール部23,33が、略共通化された加硫成形金型40,50で成形され、パックシール30を成形する加硫成形金型50は、エンコーダシール20を成形する加硫成形金型40にアタッチメント金型D8を付加して構成され、エンコーダシール20及びパックシール30が、同一寸法の圧入治具により軸受10に圧入されるため、ハブユニット軸受10の製造コストを大幅に抑制することができる。
また、本実施形態のハブユニット軸受10によれば、加硫成形金型40,50の形状の複雑な金型である第1〜第5金型D1〜D5が共通化されているため、加硫成形金型40,50の製造コストを大幅に抑制することができる。
また、本実施形態のハブユニット軸受10によれば、パックシール30のシール部33は、エンコーダシール20のシール部23と比較して、サイドリップ根元部33eの軸方向幅が大きく設定され、且つ、パックシール30のシール部33は、その体積が、エンコーダシール20のシール部23の体積と同じであるように、エンコーダシール20のシール部23と比較して、サイドリップ根元部33eより径方向外側の部分の軸方向幅が小さく設定されるため、エンコーダシール20とパックシール30の予備成形ゴムを共通化することができ、製造コストを更に抑制することができる。
なお、本実施形態の変形例として、図7に示すように、パックシール30のシール部33から突起部33dを削除してもよい。この場合、図8に示すように、パックシール30のシール部33を加硫成形する成形金型50において、第3金型D3のみを非共通の金型D9に変更する。
本変形例によれば、パックシール30のシール部33から突起部33dを省略しているため、エンコーダシール20とパックシール30で外観的及び触覚的に差を設けることができ、エンコーダシール20とパックシール30との間における誤組を防止することができる。
なお、ハブユニット軸受に使用されるシールは、高い耐泥水性能を要求されるため、シール部にカーボンブラックなどの強化材が使用されており、通常は黒色である。従って、成形後のシール部材の単体は、エンコーダシール用かパックシール用かの見分けが付き難い。また、スリンガと組み合わされた後は、全く見分けが付かなくなり、誤組を検出することができなくなる。しかし、本変形例によれば、パックシール30のシール部33に外観的及び触覚的に差を設けたので、エンコーダシール用のシールリング21かパックシール用のシールリング31かを容易に見分けることができ、誤組を防止することができる。
また、本変形例においては、突起部33dを省略することによるシール部33の体積減少分に合わせて、アタッチメント金型D8の体積を減少してもよい。これにより、上記実施形態と同様に、エンコーダシール20とパックシール30の予備成形ゴムを共通化することができる。
[第二実施形態]
図9〜13は、本発明の第二実施形態を示している。なお、図10のパックシールに関する図面も、エンコーダシールとの形状比較を容易にするために左右を反転させている。
本実施形態のエンコーダシール60は、図9に示すように、外径側シールリング61と、エンコーダ68を有する内径側シールリング65を組み合わせて構成している。
外径側シールリング61は、断面略L字形状の円環状の芯金62と、芯金62の内径部に接着されるシール部63と、を有している。
芯金62は、外輪11の内周面に内嵌固定される円筒部62aと、円筒部62aから径方向内側に延びるフランジ部62bと、を有している。シール部63は、径方向内側に延設される第三リップ63a(シールリップ)有している。
内径側シールリング65は、断面略L字形状の円環状の芯金66と、芯金66の外径部に接着されるシール部67と、エンコーダ68と、を有している。
芯金66は、フェライト系ステンレス製の板材をプレス加工することで、内輪12の外周面に外嵌固定される円筒部66aと、円筒部66aから径方向外側に延びるフランジ部66bと、を有している。シール部67は、径方向外側に延設される第一リップ67a(シールリップ)と、軸方向内側に延設される第二リップ(シールリップ)67bと、ローレット部67cと、内径側にフラッシュランド67dと、を有している。ローレット部67cは、シール部67を軸方向に貫通して芯金66に開口する貫通孔であり、周方向に関して等間隔に複数設けられている。 エンコーダ68は、円周方向に交互にN極とS極が着磁された多極磁石であり、インサート成形により芯金66のフランジ部66bの外側面に取り付けられている。
外径側シールリング61と内径側シールリング65を組み合わせた状態で、第一リップ67aは、外径側シールリング61の円筒部62aの内周面に摺接し、第二リップ67bは、外径側シールリング61のフランジ部62bの外側面に摺接し、第三リップ63aは、内径側シールリング65の円筒部66aの外周面に摺接する。
パックシール70は、図10に示すように、外径側シールリング61と、内径側シールリング75を組み合わせて構成され、エンコーダの有無以外はエンコーダシール60と同様の構成である。外径側シールリング61は、エンコーダシール60を構成する外径側シールリングと61と同一部品であり共通化されている。
内径側シールリング75は、断面略L字形状の円環状の芯金76と、芯金76の外径部に接着されるシール部77と、を有している。
芯金76は、内輪12の外周面に外嵌固定される円筒部76aと、円筒部76aから径方向外側に延びるフランジ部76bと、を有している。そして、芯金76は、エンコーダシール60の芯金66と同一部品であり共通化されている。
シール部77は、径方向外側に延設される第一リップ(シールリップ)77aと、軸方向内側に延設される第二リップ(シールリップ)77bと、内径側にローレット部77cと、を有している。そして、第一リップ77aは、外径側シールリング61の円筒部62aの内周面に摺接し、第二リップ77bは、外径側シールリング61のフランジ部62bの外側面に摺接する。
そして、図11に示すように、第一リップ77a及び第二リップ77bの形状は、エンコーダシール60の第一リップ67a及び第二リップ67bと同一形状であり、共通化されている。
さらに、パックシール70の各シールリップ77a,77bの共通部分と芯金76との軸方向距離は、エンコーダシール60の各シールリップ67a,67bの共通部分と芯金66との軸方向距離より、エンコーダ68の肉厚分だけ長くなるように設定されている。即ち、図11に示すように、パックシール70の各シールリップ77a,77bの共通部分と芯金76との軸方向距離A1と、エンコーダシール60の各シールリップ67a,67bの共通部分と芯金66との軸方向距離B1との差は、エンコーダ68の肉厚となる。
また、パックシール70のシール部77は、エンコーダシール60のシール部67と比較して、フラッシュランド67dが無いこと、及び各シールリップの根元部であるシールリップ根元部77eの軸方向幅が大きく設定されていることが異なっている。
そして、エンコーダシール60では、外径側シールリング61の軸方向外端面とエンコーダ68の軸方向外端面とが面一であると共に、パックシール70では、外径側シールリング61の軸方向外端面と内径側シールリング75を構成する芯金76の軸方向外端面とが面一である。
次に、図12,13を参照して、エンコーダシール60及びパックシール70のシール部67,77を加硫成形する金型について説明する。
エンコーダシール60のシール部67及びエンコーダ68を加硫成形する成形金型80は、図12に示すように、パックシール70のシール部77を加硫成形する成形金型81と共通化された第11〜第14金型D11〜D14と、第15金型D15と、を組み合わせて構成されている。なお、第11金型D11と第12金型D12と第14金型D14は、第一リップ67a、第二リップ67bを成形する加硫金型であり、第15金型D15は、エンコーダ68を成形する加硫金型である。
エンコーダ68を加硫成形する際のゴム流れ(フラッシュ)を防止する為に、芯金66のフランジ部66bを、第15金型D15と第12金型D12の櫛歯状部分で挟み込んでいる。従って、シール部67のうち、第一、第二リップ67a,67bとなる成形空間と、フラッシュランド67dとなる成形空間とは、成形後にローレット部67cとなる前記櫛歯状部分を介して、櫛歯状に間欠的に連結している。
パックシール70のシール部77を加硫成形する成形金型81は、図13に示すように、成形金型80と共通化された第11〜第14金型D11〜D14と、第18金型D18と、第14金型D14と第18金型D18との間に配置されるスペーサ金型D17と、第12金型D12に取り付けられるアタッチメント金型D16と、を組み合わせて構成されている。また、成形金型81には、上記第15金型D15は使用されない。
スペーサ金型D17は、エンコーダ68の軸方向幅と同じ厚さに設定されている。これにより、第11金型D11と第12金型D12と第14金型D14が、エンコーダ68の軸方向幅の分だけ芯金76から離れる方向に移動する。従って、エンコーダシール60のシール部67と比較して、パックシール70のシール部77のシールリップ根元部77eが、エンコーダ68の軸方向幅の分だけ厚く成形されると共に、第一リップ77a、第二リップ77bが、エンコーダ68の軸方向幅の分だけ芯金76から軸方向に離れて成形されることとなる。
アタッチメント金型D16は、断面が略L字状で、第12金型D12を軸方向に移設すると共に、エンコーダシール60のシール部67の体積とパックシール70のシール部77の体積が同じになるように、第12金型D12のフラッシュランド67dの成型空間を埋める状態で設置されている。これにより、両シール部67,77を成形するゴム材料の量を同じとし、予備成形材料を共通化することができる。また、アタッチメント金型D16の外径部は第12金型D12の前記櫛歯状部分と同形状に加工され、位相を合わせて取り付けられている。従って、ローレット部77cは、パックシール70では特に必要ではないが、成形金型を共通化する為に成形される。その他の構成及び作用効果は、前述した第一実施形態と同様である。
なお、本発明は上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ハブ1タイプのハブユニット軸受に本発明を適用する場合を例示したが、これに限定されず、外輪の外周面に取付用フランジが設けられる内輪回転のハブ2タイプのハブユニット軸受に本発明を適用してもよい。
10 ハブユニット軸受
20 エンコーダシール
21 シールリング
22 芯金
23 シール部
23a メインリップ(シールリップ)
23b グリースリップ(シールリップ)
23c サイドリップ(シールリップ)
25 スリンガ
26 エンコーダ
30 パックシール
31 シールリング
32 芯金
33 シール部
33a メインリップ(シールリップ)
33b グリースリップ(シールリップ)
33c サイドリップ(シールリップ)
33e サイドリップ根元部
35 スリンガ
40 成形金型(加硫成形金型)
50 成形金型(加硫成形金型)
60 エンコーダシール
61 外径側シールリング
62 芯金
63 シール部
63a 第三リップ(シールリップ)
65 内径側シールリング
66 芯金
67 シール部
67a 第一リップ(シールリップ)
67b 第二リップ(シールリップ)
67c ローレット部
67d フラッシュランド
68 エンコーダ
70 パックシール
75 内径側シールリング
76 芯金
77 シール部
77a 第一リップ(シールリップ)
77b 第二リップ(シールリップ)
77c ローレット部
77e シールリップ根元部
80,81 成形金型
D1 第1金型
D2 第2金型
D3 第3金型
D4 第4金型
D5 第5金型
D6 スペーサ金型
D7 スペーサ金型
D8 アタッチメント金型
D9 金型

Claims (3)

  1. 回転検出可能なエンコーダを備えて軸受内部を封止するエンコーダシールと、軸受内部を封止するパックシールと、を備え、
    前記エンコーダシール及び前記パックシールは、シールリングをそれぞれ備え、
    前記シールリングは、芯金と、前記芯金に取り付けられて複数のシールリップを有するシール部と、を備えるハブユニット軸受であって、
    前記エンコーダシール及び前記パックシールの前記芯金は、共通化され、
    前記エンコーダシール及び前記パックシールの前記シール部は、前記各シールリップの形状が共通化された共通部分を有し、
    前記パックシールの前記シールリップの共通部分と前記芯金との軸方向距離は、前記エンコーダシールの前記シールリップの共通部分と前記芯金との軸方向距離より、前記エンコーダの肉厚分だけ長く設定され、
    前記エンコーダシールの前記シール部の体積と、前記パックシールの前記シール部の体積とが同じであることを特徴とするハブユニット軸受。
  2. 前記エンコーダシール及び前記パックシールは、共通化されたスリンガをそれぞれ備え、
    前記エンコーダシールの前記シールリングの軸方向外端面と前記エンコーダの軸方向外端面とが面一であると共に、前記パックシールの前記シールリングの軸方向外端面と前記スリンガの軸方向外端面とが面一であり、
    前記両シール部は、前記スリンガの側面に摺接するシールリップであるサイドリップをそれぞれ有し、
    前記パックシールの前記シール部が、前記エンコーダシールの前記シール部と比較して、前記サイドリップの根元部であるサイドリップ根元部の軸方向幅が大きく設定されると共に、前記サイドリップ根元部より径方向外側の部分の軸方向幅が小さく設定される事により、前記両シール部の体積が同じであることを特徴とする請求項に記載のハブユニット軸受。
  3. 前記エンコーダシール及び前記パックシールは、共通化された第二シールリングをそれぞれ備え、
    前記エンコーダシールの前記第二シールリングの軸方向外端面と前記エンコーダの軸方向外端面とが面一であると共に、前記パックシールの前記シールリングの軸方向外端面と前記第二シールリングの軸方向外端面とが面一であり、
    前記エンコーダシールの前記シール部が、径方向内側にフラッシュランドを設ける事により、前記両シール部の体積が同じであることを特徴とする請求項に記載のハブユニット軸受。
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