JP6610106B2 - 凍結保存容器、凍結保存容器キット、及び凍結保存容器用基材 - Google Patents

凍結保存容器、凍結保存容器キット、及び凍結保存容器用基材 Download PDF

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Description

本発明は、内容物を凍結させて保存するための凍結保存容器、凍結保存容器キット、及び凍結保存容器用基材に関する。
従来から、例えば、血液バッグや輸液バッグのようなプラスチック容器外面に貼着された粘着ラベルが凍結保存時の極低温化や結露などで生じた水の影響等で容易に剥がれないようにしたプラスチック容器が知られている(下記特許文献1を参照)。
特許文献1に記載された凍結保存用プラスチックバッグは、凍結保存用プラスチック外面に熱溶着された繊維シート上に、粘着ラベルが貼着されてなるものである。繊維シートは、凍結保存用プラスチックバッグの材料と相溶性のある熱可塑性樹脂を用いたプラスチック繊維や紙からなる。この紙からなる繊維シートは、凍結保存用プラスチックバッグの材料と相溶性のある熱可塑性樹脂を片面あるいは両面にコーティングさせたものである。
特許文献1には、繊維シートがプラスチック容器に化学的に接着されるため、水分や液体窒素中で容易に剥がれないこと、粘着ラベルを繊維シートに貼り付けると、粘着ラベルの粘着層が繊維シートの繊維の絡まりに食い込むため、水分や液体窒素中で容易に剥がれる虞がなく、確実にプラスチック容器の表面に貼着させておくことが可能であること等が記載されている。
特許3301074号公報
前記のような凍結保存容器は、例えば、血液や輸液を長期間安定的に保存するための容器として用いることができる。しかし、前記従来の凍結保存用プラスチックバッグは、容器の外面に繊維シートを熱溶着させる必要がある。このような繊維シートは、発塵源となる虞があり、再生医療、細胞含有医薬品、不妊治療等、高度な清浄度が要求される細胞医療分野では使用できない場合がある。また、材料費や製造工程の複雑さから製造コストが増大する虞がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、ラベルの剥離を防止することができ、従来よりも高度な清浄度が要求される分野での使用が可能で、従来よりも製造コストを低減することができる凍結保存容器、凍結保存容器キット、及び凍結保存容器用基材を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の凍結保存容器は、基材層と粘着層とを有するラベルが貼付される容器を備えた凍結保存容器であって、前記容器の少なくとも一部に、前記容器の素材よりも高い撥水性又は断熱性を有し、前記ラベルが貼付されるラベル貼付部を有することを特徴とする。
本発明の凍結保存容器において、前記ラベル貼付部は、水接触角が90°以上の撥水面を有することが好ましい。
上記の場合、前記撥水面は、シリコーン系又はフッ素系の撥水層の表面であってもよい。
また、前記撥水面は、ロータス効果を発現する微細な凹凸を有してもよい。
本発明の凍結保存容器において、前記ラベル貼付部は、前記容器の素材よりも熱伝導率が低い断熱層を有することが好ましい。この場合において、前記ラベル貼付部は、前記断熱層の表面に前記断熱層よりも熱伝導率が高い被覆層を有していてもよい。
本発明の凍結保存容器は、凍結保存される内容物が充填されて密閉されていてもよい。
本発明の凍結保存容器は、前記ラベル貼付部に前記ラベルが貼付されていてもよい。
本発明の凍結保存容器キットは、基材層と粘着層とを有するラベルと、該ラベルが貼付される容器とを備えた凍結保存容器キットであって、前記容器の少なくとも一部に、前記容器の素材よりも高い撥水性又は断熱性を有し、前記ラベルが貼付されるラベル貼付部を有することを特徴とする。
本発明の凍結保存容器用基材は、基材層と粘着層とを有するラベルが貼付される凍結保存容器用の基材であって、前記基材の少なくとも一部に、撥水性又は断熱性を有し、前記ラベルが貼付されるラベル貼付部を有することを特徴とする。
本発明の凍結保存容器、凍結保存容器キット、及び凍結保存容器用基材によれば、ラベル貼付部に貼付したラベルの剥離を防止することができ、従来よりも高度な清浄度が要求される分野での使用が可能で、従来よりも製造コストを低減することができる。
本発明の実施形態1に係る凍結保存容器の平面図。 図1に示す容器のラベル貼付部とラベルの拡大断面図。 図2に示すラベルをラベル貼付部に貼付した状態を示す拡大断面図。 本発明の実施形態2に係る凍結保存容器の図2に相当する拡大断面図。 本発明の実施形態3に係る凍結保存容器の図2に相当する拡大断面図。
以下、本発明の凍結保存容器、凍結保存容器キット、及び凍結保存容器用基材の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[凍結保存容器:実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る凍結保存容器10の平面図である。本実施形態の凍結保存容器10は、例えば、再生医療、細胞含有医薬品、不妊治療等の細胞医療分野において、細胞等を長期間安定的に凍結保存するための容器として用いることができる。凍結保存容器10は、細胞等の内容物を容器に収容した状態で、0℃以下の温度、より具体的には、−150℃から−196℃程度の液体窒素等によって冷却され、容器内の内容物を凍結させた状態で保存する。
本実施形態の凍結保存容器10は、基材層と粘着層を有するラベルが貼付される容器11を備え、該容器11の一部に、該容器11の素材の外表面11fよりも高い撥水性を有し、前記ラベルが貼付されるラベル貼付部11aを備えることを特徴としている。ここで、容器11の素材とは、容器11を構成する材料を意味する。なお、凍結保存容器10は、容器11の外表面11fの全体をラベル貼付部11aにすることも可能である。
容器11は、ラベルを貼付するためのラベル貼付部11aと、細胞等の内容物を収容する収容部11bと、収容部11bに内容物を充填したり、収容部11bから内容物を送出したりするためのチューブ11c及びポート11dと、を備えている。チューブ11cは、例えば、収容部11bに内容物を充填した後に溶断されることで、端部が溶着されて密閉される。ポート11dは、開閉弁11eを有し、開閉弁11eの操作によって開放又は密閉される。
容器11は、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)等の柔軟な樹脂シートよって形成されている。容器11は、樹脂シートの間に内容物を収容する収容部11bを有し、該収容部11bの周囲のシートが閉じられた樹脂製のバッグである。なお、容器11は、凍結保存する細胞や組織等の内容物を収容するものであれば、バッグに限定されず、チューブ状、フラスコ状、ディッシュ状等、任意の形状を採用することができる。
図2は、図1に示す容器11の外表面11fの一部のラベル貼付部11aと、該ラベル貼付部11aに貼付されるラベル20の拡大断面図である。図3は、図2に示すラベル20を凍結保存容器10の容器11のラベル貼付部11aに貼付した状態を示す拡大断面図である。ラベル20は、前述のように、基材層21と粘着層22とを備えている。ラベル20の基材層21を構成する主な材料は、例えば白色のポリエステル等の樹脂材料であり、粘着層22を構成する主な材料は、例えばアクリル系粘着剤である。
ラベル20の基材層21の表面には、容器11の収容部11bに充填される内容物の識別情報等が印字される。ラベル20の基材層21の裏面には、ラベル20を容器11のラベル貼付部11aに貼付するための粘着層22が設けられている。ラベル20は、例えば30μmから100μm程度の厚さを有し、基材層21は、例えば20μmから90μm程度の厚さを有し、粘着層22は、例えば10μmから80μm程度の厚さを有している。
容器11のラベル貼付部11aは、水接触角が90°以上の撥水面12aを有している。より詳細には、撥水面12aは、シリコーン系又はフッ素系のコーティング剤を容器11の外表面11fに塗布することによって形成された撥水層12の表面である。また、容器11の外表面11fの少なくとも一部に結露防止フィルムや結露防止シートを貼付してラベル貼付部11aに撥水面12aを有する撥水層12を形成してもよい。なお、撥水面12aの水接触角は、110°以上であることがより好ましく、120°以上であることがさらに好ましい。水接触角は、例えば、市販の自動接触角計を用いて液滴法によって測定することができる。
撥水面12aは、ロータス効果を発現する微細な凹凸、すなわち微細な凸部12bと微細な凹部12cとを有してもよい。このような微細な凸部12bや凹部12cは、例えばコーティング剤を適切に選定することによって、例えば数nmから数十nm程度の高さで、かつ数nmから数十nm程度のピッチで、周期的に形成することができる。
シリコーン系のコーティング剤としては、例えば、ファインケミカルジャパン株式会社製のファインRTVシリコーンスプレー、呉工業株式会社製のシリコングリースメイト、株式会社和光ケミカル製のシリコンルブリカントSL等を用いることができる。また、フッ素系のコーティング剤としては、例えば、株式会社和光ケミカル製のフッソオイル105、株式会社スリーボンド製の液状ガスケット1119、株式会社野田スクリーン製のINTシリーズ又はNOシリーズ等を用いることができる。
なお、容器11の外表面11fにコーティング剤によって撥水層12を形成することなく、容器11の外表面11fの少なくとも一部に直接、ロータス効果を発現する微細な凹凸を形成することで、ラベル貼付部11aを形成することも可能である。例えば、金型に微細な粒子を付着させるめっき加工や、2軸切削加工等を施すこと等によって周期構造を形成し、その金型によって容器11を成型することができる。
これにより、容器11のラベル貼付部11aに、図2に示す撥水面12aと同様の微細な凹凸を有する撥水面を形成することができる。この場合、例えば、金型に算術平均粗さRaが0.2μm以下で周期が10μm程度の微細な周期構造を形成することで、算術平均粗さRaが0.2μm以下で周期が10μm程度のロータス効果を発現する微細な凹凸を、ラベル貼付部11aの撥水面に形成することができる。算術平均粗さRaは、例えば、レーザ顕微鏡を用いて測定した撥水面の表面形状に基づいて算出することができる。
以下、本実施形態の凍結保存容器10の作用について説明する。
本実施形態の凍結保存容器10は、例えば、再生医療、細胞含有医薬品、不妊治療等の細胞医療分野で使用される細胞や組織等を収容し、長期間安定的に保存するための容器11を備えている。凍結保存容器10は、細胞等の内容物を容器11に収容した状態で、0℃以下の温度、より具体的には、−150℃から−196℃程度の液体窒素等によって冷却され、容器11内の内容物を凍結させた状態で保存する。容器11のラベル貼付部11aには、内容物の識別情報等が記載されたラベル20が貼付される。
凍結保存容器10は、例えば、低温で凍結保存された容器11の内容物を室温に戻して解凍するときなどに、容器11の内容物と外気との温度差によって容器11の外表面11fに結露する場合がある。容器11の外表面11fに結露した水分が膜状に拡がって容器11の外表面11fに留まると、ラベル20の粘着層22と容器11の外表面11fとの間に水分が介在して粘着層22の粘着力を確保することが困難になり、容器11の外表面11fへのラベル20の貼付が困難になり、ラベル20が容器11の外表面11fから剥離する虞がある。
そこで、本実施形態の凍結保存容器10は、容器11の少なくとも一部、具体的には、容器11の外表面11fの一部に、容器11の素材の外表面11fよりも高い撥水性を有し、ラベル20が貼付されるラベル貼付部11aを有する。容器11の一部に、容器11の素材の外表面11fよりも高い撥水性を有するラベル貼付部11aを備えることで、図2に示すように、ラベル貼付部11aに結露した水分Mは、容器11の外表面11fよりも水滴になりやすい。そのため、例えば、水分Mは、重力等の影響によって鉛直方向Vに沿って容易に移動し、ラベル貼付部11aから除去される。
これにより、図3に示すように、凍結保存容器10の容器11にラベル20を貼付するときに、ラベル20の粘着層22と容器11のラベル貼付部11aとの間の水分Mが除去された状態で、ラベル20を容器11のラベル貼付部11aに貼付することができる。したがって、本実施形態の凍結保存容器10によれば、ラベル貼付部11aに結露した水分Mを除去し、ラベル20の粘着層22とラベル貼付部11aとの間の接着力を維持し、ラベル貼付部11aに貼付されるラベル20の剥離を防止することができる。
また、本実施形態の凍結保存容器10は、前記従来の凍結保存用プラスチックバッグのように、発塵源となり、製造工程の複雑さから製造コストを増加させる要因となり得る繊維シートを含まない。したがって、本実施形態の凍結保存容器10によれば、従来よりも高度な清浄度が要求される分野での使用が可能で、従来よりも製造コストを低減することができる。
また、本実施形態の凍結保存容器10において、容器11のラベル貼付部11aは、水接触角が90°以上の撥水面12aを有している。これにより、ラベル貼付部11aに結露した水分Mをより球形に近い水滴にして、ラベル貼付部11aから除去しやすくすることができる。また、撥水面12aの水接触角が110°以上である場合には、ラベル貼付部11aに結露した水分Mをより除去しやすくすることができる。さらに、撥水面12aの水接触角が120°以上である場合には、ラベル貼付部11aに結露した水分Mを、より一層、除去しやすくすることができる。
また、本実施形態の凍結保存容器10において、撥水面12aは、シリコーン系又はフッ素系のコーティング剤によって容器11の外表面11fの一部に形成された撥水層12の表面である。これにより、容器11の外表面11fの少なくとも一部に、シリコーン系又はフッ素系のコーティング剤を塗布することで、撥水面12aを有するラベル貼付部11aを容易に形成することができる。
また、本実施形態の凍結保存容器10において、撥水面12aは、ロータス効果を発現する微細な凹凸を有している。これにより、シリコーン系又はフッ素系のコーティング剤によって形成された撥水層12による撥水効果をより向上させることができる。また、コーティング剤を使用することなく、容器11の外表面11fの少なくとも一部に直接、ロータス効果を発現する微細な凹凸を有する撥水面を形成する場合には、凍結保存容器10をコーティング剤が使用できない分野に使用することが可能になる。
凍結保存容器10は、凍結保存される内容物が予めチューブ11c又はポート11dを介して収容部11bに充填され、チューブ11cを溶断したりポート11dの開閉弁11eを閉鎖したりすることによって密閉されていてもよい。これにより、凍結保存容器10又はその内容物を使用する使用者が、凍結保存容器10に内容物を充填する必要がなくなり、内容物を充填する際の汚染等を防止することができる。
凍結保存容器10は、容器11のラベル貼付部11aに予めラベル20が貼付されていてもよい。これにより、凍結保存容器10又はその容器11の内容物を使用する使用者が、容器11にラベル20を貼付する必要がなくなり、使用者の手間を省き、使用者によるラベル20の貼付ミスをなくすことができる。
以上説明したように、本実施形態の凍結保存容器10によれば、ラベル20の剥離を防止することができ、従来よりも高度な清浄度が要求される分野での使用が可能で、従来よりも製造コストを低減することができる。
[凍結保存容器:実施形態2]
以下、本発明の実施形態2に係る凍結保存容器について、図1を援用し、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態2に係る凍結保存容器10Aが備える容器11のラベル貼付部11a’とラベル20の拡大断面図である。
本実施形態の凍結保存容器10Aは、容器11の少なくとも一部に、容器11の素材よりも高い断熱性を有し、ラベル20が貼付されるラベル貼付部11a’を有する点で、前述の実施形態1に係る凍結保存容器10と異なっている。本実施形態の凍結保存容器10Aのその他の点は、前述の実施形態1の凍結保存容器10と同一であるため、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
凍結保存容器10Aは、容器11の外表面11fの一部にラベル20が貼付されるラベル貼付部11a’を有している。ラベル貼付部11a’は、容器11の素材よりも熱伝導率が低い断熱層13を有している。具体的には、容器11の外表面11fの一部であるラベル貼付部11a’において、容器11の外表面11fに断熱層13が接合されている。
容器11は、例えば、素材がEVAである場合の熱伝導率が0.17[W/(m・K)]程度であり、素材がPVCである場合の熱伝導率が0.16[W/(m・K)]から0.29[W/(m・K)]程度であり、素材がPEである場合の熱伝導率の場合の熱伝導率が0.46[W/(m・K)]から0.50[W/(m・K)]程度である。
断熱層13としては、例えば、熱伝導率が容器11よりも低い断熱シートを用いることができる。断熱シートとしては、例えば、熱伝導率が0.014[W/(m・K)]から0.023[W/(m・K)]程度のポリマテック・ジャパン株式会社製のFUY−80、又は、熱伝導率が0.031程度の東レ株式会社製のポリオレフィン発泡体トーレペフ(登録商標)等を用いることができる。断熱層13としてこのような断熱シートを用いる場合、例えば、接着剤によって容器11の外表面11fに断熱層13を接合することができる。
本実施形態の凍結保存容器10Aは、容器11の少なくとも一部、すなわち容器11の外表面11fの全体又は一部に、容器11の素材よりも高い断熱性を有するラベル貼付部11a’を有している。そのため、ラベル貼付部11a’に対する結露を防止してラベル貼付部11a’に水分が付着するのを防止できる。すなわち、容器11の内容物と外気との温度差によって、外気中の水蒸気が容器11の外表面11fに結露する場合でも、ラベル貼付部11a’の断熱性によって、ラベル貼付部11a’と外気との温度差を低減し、ラベル貼付部11a’への結露を防止することができる。
より具体的には、凍結保存容器10Aがラベル貼付部11a’に容器11よりも熱伝導率が低い断熱層13を備えることで、容器11の内容物の温度が外気の露点以下の場合でも、断熱層13の外表面の温度を外気の露点よりも高い温度に維持することができる。これにより、断熱層13の外表面に対する結露を防止し、ラベル貼付部11a’に水分が付着するのを防止できる。
したがって、本実施形態の凍結保存容器10Aによれば、ラベル貼付部11a’に対する結露を防止して、ラベル20の粘着層22とラベル貼付部11a’との間の接着力を維持し、ラベル貼付部11a’に貼付されるラベル20の剥離を防止することができる。
また、本実施形態の凍結保存容器10Aは、従来の凍結保存用プラスチックバッグのように、発塵源となり、製造工程の複雑さから製造コストを増加させる要因となり得る繊維シートを含まない。したがって、本実施形態の凍結保存容器10Aによれば、従来よりも高度な清浄度が要求される分野での使用が可能で、従来よりも製造コストを低減することができる。
[凍結保存容器:実施形態3]
以下、本発明の実施形態3に係る凍結保存容器について、図1を援用し、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施形態3に係る凍結保存容器10Bが備える容器11のラベル貼付部11a”とラベル20の拡大断面図である。
本実施形態の凍結保存容器10Bは、容器11のラベル貼付部11a”において、断熱層13の外表面に被覆層14を有している点で、前述の実施形態2に係る凍結保存容器10Aと異なっている。本実施形態の凍結保存容器10Bのその他の点は、前述の実施形態2の凍結保存容器10Aと同一であるため、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
被覆層14は、例えば、容器11の外表面11fに接合された断熱層13に積層され、断熱層13を覆っている。被覆層14の素材としては、例えば、断熱層13よりも熱伝導率が高い材料を用いることができる。具体的には、例えば、容器11と同様の樹脂材料、又は、熱伝導率が常温で236[W/m・K]程度のアルミニウム等の金属フィルムを被覆層14の素材として用いることができる。
なお、被覆層14の素材が容器11の素材と同様の樹脂材料である場合には、容器11を二重構造にすることで被覆層14を形成し、その間に断熱層13を設けてもよい。この場合、断熱層13に替えて空気層を設けてもよい。すなわち、容器11の一部又は全体において、容器11を構成する樹脂フィルムを二重にして、その間に常温での熱伝導率が0.0241[W/(m・K)]程度の空気を封入することができる。これにより、容器11の少なくとも一部に、断熱層13として空気層を備え、被覆層14として容器11を構成する樹脂フィルムを備え、断熱層13を有しない容器11よりも断熱性が高いラベル貼付部11a”を形成することができる。
本実施形態の凍結保存容器10Bは、前述の実施形態2の凍結保存容器10Aと同様に容器11のラベル貼付部11a”に断熱層13を有している。そのため、容器11の内容物の温度が外気の露点よりも低い場合でも、断熱層13の表面の被覆層14の温度が外気の露点以下の温度に低下するのを防止することができる。
また、本実施形態の凍結保存容器10Bは、容器11のラベル貼付部11a”の断熱層13の表面に、断熱層13よりも熱伝導率が高い被覆層14を有している。そのため、凍結保存容器10Bが低温で保管され、被覆層14の温度が外気の露点以下になった場合でも、被覆層14の温度を外気の熱によって瞬時に上昇させ、外気の露点よりも高い温度にすることができる。
したがって、本実施形態の凍結保存容器10Bによれば、容器11のラベル貼付部11a”に対する結露を防止して、ラベル20の粘着層22とラベル貼付部11a”との間の接着力を維持し、ラベル貼付部11a”に貼付されるラベル20の剥離を防止することができる。
また、本実施形態の凍結保存容器10Bは、従来の凍結保存用プラスチックバッグのように、発塵源となり、製造工程の複雑さから製造コストを増加させる要因となり得る繊維シートを含まない。したがって、本実施形態の凍結保存容器10Bによれば、従来よりも高度な清浄度が要求される分野での使用が可能で、従来よりも製造コストを低減することができる。
[凍結保存容器キット]
次に、本発明の実施形態に係る凍結保存容器キット100,100A,100Bについて説明する。本実施形態の凍結保存容器キット100,100A,100Bは、図2、図4及び図5に示す基材層21と粘着層22とを有するラベル20と、該ラベル20が貼付される容器11とを備えている。容器11は、図1に示すように、容器11の外表面11fの少なくとも一部に、容器11よりも高い撥水性又は断熱性を有し、ラベル20が貼付されるラベル貼付部11a,11a’,11a”を有している。
本実施形態の凍結保存容器キット100,100A,100Bによれば、前述のようにラベル貼付部11aに結露した水分Mを除去し、又は、ラベル貼付部11a’,11a”に対する結露を防止することができる。したがって、ラベル20の粘着層22とラベル貼付部11a,11a’,11a”との間の接着力を維持し、ラベル貼付部11a,11a’,11a”に貼付されるラベル20の剥離を防止することができる。
また、凍結保存容器10,10A,10Bは、ラベル貼付部11aに発塵源やコスト増の要因となる繊維シートを含まない。したがって、従来の凍結保存用プラスチックバッグよりも高度な清浄度が要求される分野での使用が可能で、従来よりも製造コストを低減することができる。
[凍結保存容器用基材]
次に、本発明の実施形態に係る凍結保存容器用基材について説明する。図2、図4及び図5に示すように、本実施形態の凍結保存容器用基材1,1A,1Bは、基材層21と粘着層22とを有するラベル20が貼付される凍結保存容器10,10A,10Bを製造するための基材である。凍結保存容器用基材1,1A,1Bは、図1に示す容器11の製造前に、予め外表面の少なくとも一部にラベル20が貼付されるラベル貼付部11a,11a’,11a”を有している。ラベル貼付部11a,11a’,11a”は、前述のように、容器11の素材よりも高い撥水性又は断熱性を有している。
本実施形態の凍結保存容器用基材1,1A,1Bによれば、外表面の少なくとも一部に予めラベル貼付部11a,11a’,11a”が形成されているので、凍結保存容器10,10A,10Bの製造後にラベル貼付部11a,11a’,11a”を形成する工程を省略することができ、前述のように製造後の凍結保存容器10,10A,10Bのラベル貼付部11a,11a’,11a”にラベル20の粘着層22を強固に接着することができる。
したがって、凍結保存容器10,10A,10Bの容器11のラベル貼付部11a,11a’,11a”と、ラベル20の粘着層22との間の粘着力が結露した水分によって低下するのを防止して、ラベル20の剥離を防止することができる。また、凍結保存容器用基材1,1A,1Bは、ラベル貼付部11a,11a’,11a”に発塵源やコスト増の要因となる繊維シートを含まない。したがって、従来の凍結保存用プラスチックバッグよりも高度な清浄度が要求される分野での使用が可能で、従来よりも製造コストを低減することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1 凍結保存容器用基材
1A 凍結保存容器用基材
1B 凍結保存容器用基材
10 凍結保存容器
10A 凍結保存容器
10B 凍結保存容器
11 容器
11a ラベル貼付部
11a’ ラベル貼付部
11a” ラベル貼付部
12 撥水層
12a 撥水面
12b 凸部(凹凸)
12c 凹部(凹凸)
13 断熱層
20 ラベル
21 基材層
22 粘着層
100 凍結保存容器キット
100A 凍結保存容器キット
100B 凍結保存容器キット

Claims (7)

  1. 基材層と粘着層とを有するラベルが貼付される容器を備えた凍結保存容器であって、
    前記容器の少なくとも一部に、前記容器の素材よりも高い断熱性を有し、前記ラベルが貼付されるラベル貼付部を有し、
    前記ラベル貼付部は、繊維シートを含まないことを特徴とする凍結保存容器。
  2. 前記ラベル貼付部は、前記容器の素材よりも熱伝導率が低い断熱層を有することを特徴とする請求項1に記載の凍結保存容器。
  3. 前記ラベル貼付部は、前記断熱層の表面に前記断熱層よりも熱伝導率が高い被覆層を有することを特徴とする請求項に記載の凍結保存容器。
  4. 凍結保存される内容物が充填されて密閉されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の凍結保存容器。
  5. 前記ラベル貼付部に前記ラベルが貼付されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の凍結保存容器。
  6. 基材層と粘着層とを有するラベルと、該ラベルが貼付される容器とを備えた凍結保存容器キットであって、
    前記容器の少なくとも一部に、前記容器の素材よりも高い断熱性を有し、前記ラベルが貼付されるラベル貼付部を有し、
    前記ラベル貼付部は、繊維シートを含まないことを特徴とする凍結保存容器キット。
  7. 基材層と粘着層とを有するラベルが貼付される凍結保存容器用の基材であって、
    前記基材の少なくとも一部に、断熱性を有し、前記ラベルが貼付されるラベル貼付部を有し、
    前記ラベル貼付部は、繊維シートを含まないことを特徴とする凍結保存容器用基材。
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