JP6608731B2 - 対価設定装置及び対価設定方法 - Google Patents

対価設定装置及び対価設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、対価設定装置及び対価設定方法に関する。
近年、インターネットを通じて不特定多数の人に仕事等の作業を依頼するクラウドソーシングが注目されている。例えば、作業場所及び作業時間が限定される地図情報の更新作業や交通量の調査作業は、作業を依頼された作業者が特定の日時に特定の場所に出向いて作業を行う必要があり、多くのコストがかかっていたものの、クラウドソーシングによって、特定の日時において特定の場所から近い位置にいるユーザにこれらの作業を依頼することができる。
作業を依頼する場合には、安価に作業を依頼することが望まれており、例えば、需要と供給の関係に基づいて、対価を調整することが好ましい。例えば、特許文献1には、オンラインでコンテンツを販売する際に、事前に予測したコンテンツの需要に対する実際の販売量に基づいてコンテンツの価格を調整するシステムが開示されている。
特開2004−185053号公報
ところで、クラウドソーシングを利用して作業を依頼する場合、作業の実施場所や実施時間によっては、作業者が多く集まることによって必要以上に作業が実施されたり、作業者が集まりにくいことで、必要とされる量の作業が実施されなかったりするという問題がある。
このような問題に対して、作業に対する作業候補者の集まり具合を需要と見立てるとともに、必要な作業実施量を供給と見立て、特許文献1に示すように、需要と供給の関係に基づいて、作業の対価を調整することが考えられる。しかしながら、作業の実施場所や実施時間に対して、実際に作業を実施可能な候補者の割合は常に一定ではなく、作業者の状況や作業の対価の大きさ等によって変化するため、作業を実施可能な候補者がどのくらい集まるのか予測するのが困難であり、作業の対価を適切に調整することができないという問題があった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、作業の実施場所や実施時間に応じて適切な対価を設定することができる対価設定装置及び対価設定方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る対価設定装置は、作業の実施場所及び実施時間を示す情報を含む作業情報を取得する作業情報取得部と、前記作業を実施する可能性がある複数の候補者のそれぞれの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得部と、前記作業情報と前記状況情報とに基づいて、複数の前記候補者のそれぞれの前記作業の実施のしやすさを示す指標を算出する指標算出部と、複数の前記候補者のそれぞれに対して算出された前記指標に基づいて、前記作業の対価を設定する設定部と、を備える。
前記対価設定装置は、前記指標に基づいて、複数の前記候補者のそれぞれの前記作業を実施する確率を算出する確率算出部をさらに備え、前記設定部は、前記指標に基づいて複数の前記候補者のそれぞれに対して算出された前記確率に基づいて、前記対価を設定してもよい。
前記確率算出部は、前記候補者の指標と、当該候補者の過去の作業実績と、過去の前記指標とに基づいて、当該候補者の前記確率を算出してもよい。
前記確率算出部は、複数の前記候補者のそれぞれについて、過去の作業実績と、過去の前記指標と、過去の作業に対して設定された作業の対価のレートとに基づいて、複数のレートのそれぞれにおける前記作業の受け入れやすさを示す受容度を算出し、前記指標と前記受容度とに基づいて、複数のレートのそれぞれに対応する前記確率を算出し、前記設定部は、複数のレートのそれぞれについて、複数の前記候補者の前記確率の合計値を算出し、当該合計値に基づいて前記対価を設定してもよい。
前記確率算出部は、前記受容度として、前記指標に対応する前記作業の受け入れやすさを示す第1受容度と、前記指標を構成する要素のそれぞれに対応する前記作業の受け入れやすさを示す第2受容度とを算出し、前記指標と、前記第1受容度と、前記第2受容度とに基づいて、複数のレートのそれぞれに対応する前記確率を算出してもよい。
前記作業情報取得部は、前記作業の実施件数をさらに含む前記作業情報を取得し、前記設定部は、複数のレートのそれぞれについて算出した前記合計値と、前記実施件数とに基づいて、前記対価を設定してもよい。
前記対価設定装置は、複数のレートのそれぞれについて、当該レートに対応する対価と、前記合計値とを関連付けた情報を出力する出力部をさらに備えてもよい。
前記指標算出部は、前記候補者の前記実施場所への移動にかかる時間に基づいて前記指標を算出してもよい。
前記指標算出部は、前記候補者が、前記作業を実施するために変更する予定の量に基づいて前記指標を算出してもよい。
前記指標算出部は、前記候補者の忙しさの度合いに基づいて前記指標を算出してもよい。
前記指標算出部は、前記候補者の前記実施場所の認識度合いに基づいて前記指標を算出してもよい。
前記対価設定装置は、前記指標に基づいて、複数の前記候補者のそれぞれの前記作業を実施する確率を算出する確率算出部をさらに備え、前記設定部は、前記実施場所から所定範囲内に位置する前記候補者の前記確率に基づいて、前記対価を設定してもよい。
本発明の第2の態様に係る対価設定方法は、コンピュータにより実行される、作業の実施場所及び実施時間を示す情報を含む作業情報を取得するステップと、前記作業を実施する可能性がある複数の候補者のそれぞれの状況を示す状況情報を取得するステップと、前記作業情報と前記状況情報とに基づいて、複数の前記候補者のそれぞれの前記作業の実施のしやすさを示す指標を算出するステップと、複数の前記候補者のそれぞれに対して算出された前記指標に基づいて、前記作業の対価を設定するステップと、を備える。
本発明によれば、作業の実施場所や実施時間に応じて適切な対価を設定することができるという効果を奏する。
本実施形態に係るタスク管理システムの概要を示す図である。 本実施形態に係るタスク管理装置の構成を示す図である。 本実施形態に係るタスク情報の一例を示す図である。 本実施形態に係る状況情報の一例を示す図である。 本実施形態に係る実績情報の一例を示す図である。 第1行動変更量が算出された例を示す図である。 第2行動変更量が算出された例を示す図である。 第3行動変更量が算出された例を示す図である。 第4行動変更量が算出された例を示す図である。 作業者ID、作業IDごとの行動変更量と単価のレートと実施有無とを関連付けた情報の一例を示す図である。 複数のレートのそれぞれにおける単価と、推定実施数との関係を示す図である。 タスクの単価の設定に係る処理の流れを示すフローチャートの一例である。
[タスク管理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係るタスク管理システムSの概要を示す図である。タスク管理システムSは、対価設定装置としてのタスク管理装置1と、依頼者端末2と、作業者端末3とを備える。タスク管理システムSは、不特定多数の人に仕事等のタスクを依頼するクラウドソーシングを管理するシステムである。ここで、タスクは、インターネット等の通信ネットワークを介して不特定多数の作業者に依頼されるとともに、不特定多数の作業者が短時間で実施可能な作業であるマイクロタスク等である。また、マイクロタスクは、短時間で実施可能な作業であることから、実施に対して支払われる報酬が通常の労働に比べて少ないものとする。
タスク管理装置1は、依頼者端末2及び作業者端末3と通信ネットワークを介して接続されるサーバである。依頼者端末2は、タスクの実施を依頼する依頼者が使用するコンピュータであり、パーソナルコンピュータや、スマートフォン等である。作業者端末3は、依頼者から依頼されたタスクを実施する作業者が使用するコンピュータであり、スマートフォン等の携帯端末である。なお、図1では、依頼者端末2及び作業者端末3は、それぞれ1台ずつ表示されているが、依頼者端末2及び作業者端末3は、複数存在しているものとする。
本実施形態において、タスク管理装置1は、依頼者端末2から、タスクの実施場所及び実施時間を示す情報を含むタスク情報の登録を受け付ける(図1の(1))。タスク管理装置1は、作業者端末3を使用する作業者を、タスクを実施する可能性がある候補者とし、当該候補者の状況を示す状況情報を取得する(図1の(2))。タスク管理装置1は、登録されたタスク情報と、取得した状況情報とに基づいて、複数の候補者のそれぞれのタスクの実施のしやすさを示す指標を算出する(図1の(3))。
タスク管理装置1は、算出された指標に基づいて、複数の候補者のそれぞれがタスクを実施する確率である実施確率を算出し(図1の(4))、当該実施確率に基づいて、登録されたタスクの対価として、当該タスクの1件の実施に対して作業者に支払う単価を設定する(図1の(5))。タスク管理装置1は、設定された単価を含むタスクの情報を作業者端末3に通知する(図1の(6))。このようにすることで、タスク管理装置1は、タスクを実施する場所又は時刻に基づいて、適切な対価を算出することができる。
以下、タスク管理装置1の構成について説明する。
[タスク管理装置1の構成例]
図2は、本実施形態に係るタスク管理装置1の構成を示す図である。
タスク管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介して外部装置と通信を行う。通信部11は、依頼者端末2及び作業者端末3と通信を行う。
記憶部12は、例えば、ROM及びRAM等である。記憶部12は、タスク管理装置1を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部12は、タスク管理装置1の制御部13を、後述するタスク情報取得部131、状況情報取得部132、指標算出部133、確率算出部134、設定部135及び出力部136として機能させる対価設定プログラムを記憶する。また、記憶部12は、タスクの実施に対して作業者に支払う報酬金額の算出に用いられる各種情報を記憶する。
制御部13は、例えばCPUである。制御部13は、記憶部12に記憶されている各種プログラムを実行することにより、タスク管理装置1に係る機能を制御する。制御部13は、タスク情報取得部131と、状況情報取得部132と、指標算出部133と、確率算出部134と、設定部135と、出力部136とを備える。
タスク情報取得部131は、タスクの実施場所及び実施時間を示す情報を含むタスク情報を取得する。具体的には、タスク情報取得部131は、依頼者端末2から、タスクの内容、実施場所、実施日時、仮単価、及び実施件数を受け付けることにより、タスク情報の登録を受け付ける。
仮単価は、依頼者がタスクの実施工数に基づいて仮に設定した、タスクの実施に対して作業者に支払う報酬金額(対価)である。本実施形態において、タスク管理装置1は、依頼者が設定した仮単価に基づいて、最適な単価を算出する。タスクの内容は、例えば、交通量調査や、地図作成のための建築物確認、店舗調査、通信品質調査等である。タスク情報取得部131は、受け付けたタスクを示すタスク情報を記憶部12に記憶させる。図3は、本実施形態に係るタスク情報の一例を示す図である。図3に示すように、タスク情報には、タスクを識別するタスクID、タスクの内容、実施場所、実施日時、仮単価、及び実施件数が関連付けられて記憶されていることが確認できる。
状況情報取得部132は、タスクを実施する可能性がある複数の候補者のそれぞれの状況を示す状況情報を取得する。ここで、タスクを実施する可能性がある複数の候補者は、例えば、複数の作業者端末3のそれぞれを使用するユーザ(作業者)であり、状況情報取得部132は、複数の作業者端末3から、状況情報を取得する。
例えば、作業者端末3は、自身の状態を示す端末ログと、作業者端末3のユーザの予定を示すスケジュール情報とを自身の記憶部に記憶している。端末ログには、例えば、端末ログが生成された日時と、作業者端末3の位置を示す位置情報と、作業者端末3に設けられている加速度センサが検出した作業者端末3の加速度と、作業者端末3における他の通信機器の検出状況や接続状況を示す通信接続状況と、作業者端末3の操作ログとが含まれている。作業者端末3は、端末ログと、スケジュール情報と、作業者端末3のユーザを識別する作業者IDとを定期的にタスク管理装置1に送信する。なお、作業者端末3は、端末ログと、スケジュール情報とを異なるタイミングで送信するようにしてもよい。
状況情報取得部132は、通信部11を介して、複数の作業者端末3のそれぞれから、作業者ID、端末ログ、及びスケジュール情報を受信する。状況情報取得部132は、受信した作業者ID、端末ログ、及びスケジュール情報を関連付けて状況情報として記憶部12に記憶させる。図4は、本実施形態に係る状況情報の一例を示す図である。図4に示すように、状況情報には、作業者IDと、端末ログと、スケジュール情報とが関連付けられていることが確認できる。
また、状況情報取得部132は、過去にタスクの実施依頼を通知した候補者に、当該タスクを通知した際の候補者の状況、当該タスクに設定された単価のレート、当該候補者が当該タスクを実施したか否かを示す実施有無を含む実績情報を取得する。例えば、状況情報取得部132は、過去にタスクの実施依頼が作業者端末3に通知された際の、当該タスクの実施日時と、候補者の状況と、当該タスクに設定された単価のレートと、候補者の当該タスクの実施有無とを特定する。そして、状況情報取得部132は、これらの情報を関連付けて、実績情報として記憶部12に記憶させる。図5は、本実施形態に係る実績情報の一例を示す図である。図5に示すように、実績情報には、候補者(作業者)を識別する作業者IDと、タスクIDと、タスクの実施日時と、候補者の状況と、タスクに設定された単価のレートと、候補者のタスクの実施有無とが関連付けられていることが確認できる。
ここで、候補者の状況には、候補者のタスクの実施場所への移動にかかる時間に基づいて算出される第1行動変更量、候補者が作業を実施するために変更する予定の量に基づいて算出される第2行動変更量、候補者の忙しさの度合いに基づいて算出される第3行動変更量、及び候補者の実施場所の認識度合いに基づいて算出される第4行動変更量が含まれる。これらの行動変更量は、後述の指標算出部133によって算出される。また、単価のレートは、依頼者が設定したタスクの仮単価に対して、タスク管理装置1が最終的に設定した単価の割合を示す情報である。例えば、依頼者が設定した仮単価が100円で、タスク管理装置1が最終的に設定した単価が75円の場合には、レートは0.75となる。
指標算出部133は、記憶部12に記憶されているタスク情報に含まれるタスクのうち、実施日時が到来したタスクがある場合、当該タスクに対応するタスク情報と、状況情報取得部132が取得した状況情報とに基づいて、複数の候補者のそれぞれの、当該タスクの実施のしやすさを示す指標を算出する。
具体的には、指標算出部133は、候補者がタスクを実施するために、候補者が現在位置からタスクの実施場所への移動にかかる時間を算出し、当該時間に基づいて、指標を構成する要素である第1行動変更量を算出する。指標算出部133は、状況情報取得部132が取得し、記憶部12に記憶されている状況情報に含まれる作業者端末3の加速度に基づいて、候補者の移動手段を推定する。また、指標算出部133は、記憶部12に記憶されている状況情報に含まれる作業者端末3の位置を示す位置情報と、タスクの実施場所と、特定した移動手段とに基づいて、作業者端末3を使用する候補者が、タスクの実施場所に到着するまでの移動時間を算出する。そして、指標算出部133は、算出した時間及び移動手段に基づいて、第1行動変更量を算出する。
例えば、候補者の移動時間が短い場合、当該候補者が、タスクの単価が低くてもタスクを実施することが期待され、移動時間が長い場合、当該候補者が、タスクの単価を高くしないとタスクを実施しないと考えられることから、指標算出部133は、移動時間が短いほど第1行動変更量が低くなるように算出する。図6は、複数の候補者のそれぞれに対して第1行動変更量が算出された例を示す図である。なお、指標算出部133は、候補者がタスクの実施場所に到着するまでの移動時間を算出する場合、ナビゲーションを行うプログラム等を用いて移動時間を算出してもよい。
指標算出部133は、候補者がタスクを実施するために変更する予定の量に基づいて、指標を構成する要素である第2行動変更量を算出する。例えば、指標算出部133は、記憶部12に記憶されている状況情報に含まれるスケジュール情報を参照し、タスクの実施日時における候補者の予定、及び候補者の現在の状態を推定する。候補者の現在の状態は、例えば、候補者の予定と、作業者端末3の現在位置とに基づいて推定される候補者の状態(例えば、余暇状態、買い物状態、通勤状態等)である。また、指標算出部133は、状況情報に含まれる通信接続状況に基づいて、候補者に同伴者がいるか否かを判定する。例えば、指標算出部133は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信手段における他の通信機器の検出状況に基づいて、候補者に同伴者がいるか否かを判定するようにしてもよい。指標算出部133は、推定した候補者の予定、現在の状態、及び同伴者の有無に基づいて、第2行動変更量を算出する。
例えば、予定の変更が少ない場合、当該候補者が、タスクの単価が低くてもタスクを実施することが期待され、予定の変更が多い場合、当該候補者が、タスクの単価を高くしないとタスクを実施しないと考えられることから、指標算出部133は、候補者の予定が少なく、現在の状態が余暇又は余暇に近い状態の候補者の第2行動変更量が低くなるように算出する。例えば、指標算出部133は、予定の種別、現在の状態の種別、同伴者の有無のそれぞれについて変更量を関連付けておき、これらの変更量を合計することによって第2行動変更量を算出する。図7は、複数の候補者のそれぞれに対して第2行動変更量が算出された例を示す図である。図7に示すように、予定が登録されておらず、余暇状態である候補者の第2行動変更量が相対的に低く算出されていることが確認できる。
指標算出部133は、候補者の忙しさの度合いに基づいて、指標を構成する要素である第3行動変更量を算出する。例えば、指標算出部133は、記憶部12に記憶されている状況情報に含まれるスケジュール情報に基づいて、タスクの実施時間から所定時間前(例えば、3日前)までの予定の量を特定し、当該予定の量に基づいて、候補者の忙しさの度合いを推定する。また、指標算出部133は、状況情報に含まれている作業者端末3の操作ログに基づいて、候補者の睡眠時間を推定する。また、指標算出部133は、当該予定の量及び予定の種類に基づいて、候補者が疲労度を推定する。指標算出部133は、状況情報に含まれる作業者端末3の位置情報及び加速度に基づいて候補者の移動状況を推定し、当該移動状況に基づいて疲労度を推定してもよい。指標算出部133は、推定した忙しさの度合い、睡眠時間、疲労度に基づいて、第3変更量を算出する。図8は、複数の候補者のそれぞれに対して第3行動変更量が算出された例を示す図である。図8に示すように、忙しさや疲労度が小さい候補者の第3行動変更量が相対的に小さく算出されていることが確認できる。
また、指標算出部133は、候補者の実施場所の認識度合いに基づいて、指標を構成する要素である第4行動変更量を算出する。例えば、指標算出部133は、記憶部12に記憶されている状況情報に含まれる作業者端末3の位置情報と、タスクの実施場所とに基づいて、候補者の当該実施場所における滞留頻度及び滞留時間を算出する。例えば、指標算出部133は、状況情報に含まれる作業者端末3の位置情報に基づいて、候補者が、タスクの実施場所から所定範囲以内に存在した割合、及び存在した時間を算出することによって、タスクの実施場所における滞留頻度及び滞留時間を算出する。
例えば、候補者がタスクの実施場所について熟知している場合、タスクの単価が低くてもタスクを実施することが期待され、タスクの実施場所について熟知していない場合、当該候補者が、当該実施場所に行くことに対して抵抗感を感じ、タスクの単価を高くしないとタスクを実施しないと考えられることから、指標算出部133は、滞留頻度が小さい、又は滞留時間が短い候補者の第4行動変更量が低くなるように算出する。図9は、複数の候補者のそれぞれに対して第4行動変更量が算出された例を示す図である。図9に示すように、滞留頻度及び滞留時間が大きい候補者ほど第4行動変更量が小さく算出されていることが確認できる。なお、指標算出部133は、候補者が主に利用する移動手段を特定し、当該移動手段に基づいて、所定範囲を変化させるようにしてもよい。
指標算出部133は、第1行動変更量〜第4行動変更量の総和を算出し、当該総和を指標の値とする。
確率算出部134は、指標算出部133が算出した指標に基づいて、複数の候補者のそれぞれがタスクを実施する確率である実施確率を算出する。具体的には、確率算出部134は、実施日時が到来したタスクに対して指標算出部133が算出した候補者の指標と、候補者に過去に実施依頼が通知されたタスク(過去のタスク)に対する作業実績と、当該過去のタスクに対して指標算出部133が算出した当該候補者の指標とに基づいて、タスクの実施確率を算出する。
より具体的には、確率算出部134は、複数の候補者のそれぞれについて、過去のタスクに対する作業実績と、過去のタスクに対して算出された指標と、過去のタスクに対して設定されたタスクの単価のレートとに基づいて、複数のレートのそれぞれにおける、タスクの受け入れやすさを示す受容度を算出する。ここで、確率算出部134は、受容度として、指標に対応するタスクの受け入れやすさを示す第1受容度と、指標を構成する要素である第1行動変更量〜第4行動変更量のそれぞれに対応するタスクの受け入れやすさを示す第2受容度を算出する。第2受容度は、第1行動変更量〜第4行動変更量のそれぞれに対応して算出される。そして、確率算出部134は、複数のレートのそれぞれにおける、指標及び受容度に基づいて、複数の候補者のそれぞれのタスクの実施確率を算出する。
以下、タスクの実施確率の算出例について説明する。
まず、確率算出部134は、図10に示すように、過去に依頼者に提示したタスクに関する作業実績として、作業者IDごと、タスクIDごとに、第1行動変更量〜第4行動変更量、指標の値(第1行動変更量〜第4行動変更量の総和)、単価のレート、タスクの実施有無を特定する。続いて、確率算出部134は、複数の候補者のそれぞれの過去のタスクの作業実績を、過去のタスクに設定された単価のレートごとに分類する。確率算出部134は、複数の候補者のそれぞれについて、レートごとに、第1受容度及び第2受容度を算出する。過去のタスクに対して算出された指標の値、すなわち、第1行動変更量〜第4行動変更量の総和をSとし、当該過去のタスクの実施有無をH(実施有り:1、実施無し:0)とすると、第1受容度Bは、以下の式(1)に基づいて算出される。ここで、Cov(S,H)は、総和Sと実施有無Hとの共分散、σ(S)は、総和Sの分散、σ(H)は、実施有無Hの分散である。
B=Cov(S,H)/(σ(S)σ(H)) ・・・(1)
また、過去のタスクに対して算出された第1行動変更量〜第4行動変更量を、それぞれ、v1〜v4とすると、第2受容度Ci(ただし、i=1、2、3、4のいずれか)は、以下の式(2)に基づいて算出される。ここで、Cov(vi,H)は、第i行動変更量viと実施有無Hとの共分散、σ(vi)は、第i行動変更量viの分散である。
Ci=Cov(vi,H)/(σ(vi)σ(H)) ・・・(2)
なお、確率算出部134は、第1受容度及び第2受容度を任意のタイミングで算出し、算出した第1受容度及び第2受容度を記憶部12に記憶させるものとする。また、確率算出部134は、第1受容度及び第2受容度を定期的に算出し、記憶部12に記憶されている第1受容度及び第2受容度を更新するようにしてもよい。
確率算出部134は、実施日時が到来したタスクに対応して、複数の候補者のそれぞれについて指標算出部133が算出した第1行動変更量v1’〜第4行動変更量v4’の総和S’を算出し、総和S’と第1受容度Bとを乗算することにより、第1受容度Bに基づく当該タスクの実施確率Pbを算出する。また、確率算出部134は、総和S’と第2受容度Ciとを乗算することにより、第2受容度に基づく当該タスクの実施確率Pcを算出する。実施確率Pb、実施確率Pcは、それぞれ、以下の式(3)、(4)に基づいて算出される。
Pb=B*S’ ・・・(3)
Pc=C1*S’+C2*S’+C3*S’+C4*S’ ・・・(4)
そして、確率算出部134は、例えば、以下の式(5)に示されるように、実施確率Pbと、実施確率Pcとの調和平均を算出することによりタスクの実施確率Pを算出する。
P=2Pb*Pc/(Pb+Pc) ・・・(5)
設定部135は、受容度及び指標に基づいて複数の候補者のそれぞれに対して算出されたタスクの実施確率に基づいて、タスクの単価を設定する。具体的には、設定部135は、複数のレートそれぞれにおいて算出された複数の候補者のそれぞれの、実施日時が到来したタスクの実施確率の合計値を算出し、当該合計値と、タスク情報に含まれる当該タスクの実施件数とに基づいて、単価を設定する。例えば、設定部135は、算出した合計値をタスクの推定実施数とし、実施件数以上の推定実施数に関連するレートのうち、最も低いレートに対応する単価を、当該タスクの単価に設定する。
図11は、複数のレートのそれぞれにおける単価と、推定実施数との関係を示す図である。例えば、設定部135は、実施日時が到来したタスクの実施件数が「2」である場合には、推定実施数が2以上であるレートを特定する。そして、設定部135は、特定したレートのうち、最も低いレート「0.75」に対応する設定単価「75円」を、当該タスクの単価に設定する。
出力部136は、設定された単価を含むタスクの情報を作業者端末3に通知することにより、作業者端末3を使用する候補者に、タスクの実施依頼を行う。これにより、候補者は、設定された単価を参照して、タスクを実施するか否かを決定することができる。なお、設定部135は、推定実施数を算出する場合に、実施予定のタスクの実施場所から所定範囲内に位置する候補者に対応するタスクの実施確率の合計値を算出し、当該合計値に基づいて、当該タスクの単価を設定するようにしてもよい。そして、出力部136は、実施日時が到来したタスクの実施場所から所定範囲内に位置する作業者端末3に、設定された単価を含むタスク情報を通知してもよい。このようにすることで、タスク管理装置1は、実施場所にすぐに到着できる候補者に対してタスクを通知し、ユーザに予定通りにタスクを実施させることができる。
[単価設定の処理の流れ]
続いて、タスクの単価の設定に係る処理の流れについて説明する。図12は、タスクの単価の設定に係る処理の流れを示すフローチャートの一例である。なお、本フローチャートの開始時において、記憶部12に状況情報が予め記憶されており、定期的に更新されているものとする。また、確率算出部134によって第1受容度及び第2受容度が算出され、予め記憶部12に記憶されているものとする。
まず、指標算出部133は、記憶部12に記憶されているタスク情報に含まれるタスクのうち、実施日時が到来したタスクがあるか否かを判定する(S1)。指標算出部133は、実施日時が到来したタスクがあると判定すると、S2に処理を移し、実施日時が到来したタスクがないと判定すると、S1を再実行する。
続いて、指標算出部133は、記憶部12に記憶されている状況情報を参照して、タスクの実施場所から所定範囲に位置している候補者を特定する(S2)。
続いて、指標算出部133は、記憶部12に記憶されている状況情報を参照して、S2において特定された候補者のタスクの実施のしやすさを示す指標を算出する(S3)。
続いて、確率算出部134は、複数のレートのそれぞれに設定されている第1受容度及び第2受容度と、S3において算出された指標とに基づいて、複数のレートのそれぞれの候補者ごとのタスクの実施確率を算出する(S4)。
続いて、設定部135は、S4において算出されたタスクの実施確率に基づいて、複数のレートのそれぞれのタスクの推定実施数を算出する(S5)。
続いて、設定部135は、候補者が定めたタスクの実施件数と、S5において算出された推定実施数とに基づいて、タスクの実施件数を上回る推定実施数に関連付けられているレートのうち、最も低いレートを特定することにより、当該タスクの単価を設定する(S6)。
[本実施形態における効果]
以上の通り、本実施形態に係るタスク管理システムSでは、タスク管理装置1は、タスクの実施場所及び実施時間を示す情報を含むタスク情報と、タスクを実施する可能性がある複数の候補者のそれぞれの状況を示す状況情報とに基づいて複数の候補者のそれぞれのタスクの実施のしやすさを示す指標を算出し、当該指標に基づいて算出される、複数の候補者のそれぞれのタスクを実施する確率に基づいてタスクの単価を設定する。このようにすることで、タスク管理装置1は、タスクの実施場所や実施時間に応じて、適切な金額を設定することができる。これにより、タスクの依頼者は、目標とする実施件数のタスクの実施を安価に実現することができる。また、タスクの依頼者は、設定した予算内で、より多くのタスクを複数の候補者に実施させることができる。
また、タスク管理装置1は、候補者の実施場所への移動時間、予定の変更量、忙しさの度合い、実施場所の認識度合いに基づいて指標を算出し、当該指標に基づいてタスク実施確率を算出する。このようにすることで、それぞれの要素が、タスクの実施に与える影響度を考慮して、タスクの実施に基づいて、タスクの実施確率を算出することができる。
また、タスク管理装置1は、第1受容度及び第2受容度をそれぞれ算出することにより、候補者の行動変更に対する特性に基づいて、精度良くタスクの実施確率を算出することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。例えば、上述の実施形態では、タスクの実施に対する対価として、金銭を支払うものとして説明したが、これに限らない。例えば、対価として、金銭の代わりにポイントや各種商品等が用いられてもよい。
また、上述の実施形態において、タスク管理装置1の設定部135は、実施日時が到来したタスクが実施される確率を算出し、当該確率に基づいてタスクの単価を設定したが、これに限らない。設定部135は、当該確率を算出せずに、指標算出部133が算出した指標に基づいて、タスクの単価を設定するようにしてもよい。
例えば、設定部135は、候補者に通知された過去のタスクに対応する単価のレートのそれぞれについて、指標及び行動変更量と、タスクの実施有無とを教師データとしてSVM(Support Vector Machine)等を用いた機械学習を行い、分類モデルを算出してもよい。そして、設定部135は、実施日時が到来したタスクに対応して指標算出部133が算出した複数の候補者のそれぞれの指標を、複数のレートのそれぞれの分類モデルに入力することにより、複数のレートのそれぞれにおいて、複数の候補者のそれぞれがタスクを実施するか否かを分類してもよい。そして、設定部135は、複数のレートのそれぞれについて、当該分類結果に基づいてタスクを実施する候補者の数を特定し、当該候補者の数と、依頼者が設定したタスクの実施件数との関係に基づいて、当該タスクの単価を設定してもよい。
また、タスク管理装置1は、タスクの実施日時になると、複数の候補者のそれぞれのタスクの実施のしやすさを示す指標を算出し、当該指標に基づいて実施確率を算出して、タスクの単価を設定したが、これに限らない。例えば、タスク管理装置1は、タスクの依頼日時になる前に、複数のレートのそれぞれについて当該タスクの推定実施数を算出し、複数のレートのそれぞれの推定実施数を依頼者端末2に提示してもよい。
この場合において、状況情報取得部132は、当該タスクの実施日時における複数の候補者の状況を予測し、指標算出部133は、当該状況に基づいて、当該実施日時における複数の候補者の指標を算出する。確率算出部134は、算出した指標と、受容度とに基づいて、複数のレートのそれぞれについて複数の候補者ごとの当該タスクの実施確率を算出する。設定部135は、当該実施確率に基づいて推定実施数を算出する。
そして、出力部136は、複数のレートのそれぞれについて、レートに対応するタスクの単価と、推定実施数(実施確率の合計値)とを関連付けた情報を依頼者端末2に出力するようにしてもよい。このようにすることで、依頼者は、複数のレートのそれぞれにおける推定実施数を確認しながら、目的とする実施件数のタスクが実施されるために必要となる金額を把握することができる。
また、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
1・・・タスク管理装置、11・・・通信部、12・・・記憶部、13・・・制御部、131・・・タスク情報取得部、132・・・状況情報取得部、133・・・指標算出部、134・・・確率算出部、135・・・設定部、136・・・出力部、2・・・依頼者端末、3・・・作業者端末、S・・・タスク管理システム

Claims (8)

  1. 作業の実施場所及び実施時間を示す情報を含む作業情報を取得する作業情報取得部と、
    前記作業を実施する可能性がある複数の候補者のそれぞれの状況を示す状況情報を取得する状況情報取得部と、
    前記作業情報と前記状況情報とに基づいて、複数の前記候補者のそれぞれの前記作業の実施のしやすさを示す指標であって、前記候補者の前記実施場所への移動にかかる時間、前記候補者が前記作業を実施するために変更する予定の量、前記候補者の忙しさの度合い、及び前記候補者の前記実施場所の認識度合いの少なくともいずれかを示す指標を算出する指標算出部と、
    複数の前記候補者のそれぞれに対して算出された前記指標に基づいて、前記指標の値が低いほど、作業の対価が高くなるように当該作業の対価を設定する設定部と、
    を備える対価設定装置。
  2. 前記候補者の指標と、当該候補者の過去の作業実績と、当該候補者の過去の前記指標とに基づいて、複数の前記候補者のそれぞれの前記作業を実施する確率を算出する確率算出部をさらに備え、
    前記設定部は、複数の前記候補者のそれぞれに対して算出された前記確率に基づいて、前記対価を設定する、
    請求項1に記載の対価設定装置。
  3. 前記設定部は、前記実施場所から所定範囲内に位置する前記候補者の前記確率に基づいて、前記対価を設定する、
    請求項2に記載の対価設定装置。
  4. 前記確率算出部は、複数の前記候補者のそれぞれについて、過去の作業実績と、過去の前記指標と、過去の作業に対して設定された作業の対価のレートとに基づいて、複数のレートのそれぞれにおける過去の前記指標と、過去の作業の実施状況との相関関係を示し、前記作業の受け入れやすさを示す受容度を算出し、前記指標と前記受容度とに基づいて、複数のレートのそれぞれに対応する前記確率を算出し、
    前記設定部は、複数のレートのそれぞれについて、複数の前記候補者の前記確率の合計値を算出し、当該合計値に基づいて前記対価を設定する、
    請求項2又は3に記載の対価設定装置。
  5. 前記確率算出部は、前記受容度として、過去の複数の前記指標の総和と、過去の作業の実施状況との相関関係を示し、複数の前記指標が示す行動量に対応する前記作業の受け入れやすさを示す第1受容度と、過去の複数の前記指標のそれぞれと、過去の作業の実施状況との相関関係を示し、前記指標を構成する要素のそれぞれに対応する前記作業の受け入れやすさを示す第2受容度とを算出し、前記指標と、前記第1受容度と、前記第2受容度とに基づいて、複数のレートのそれぞれに対応する前記確率を算出する、
    請求項4に記載の対価設定装置。
  6. 前記作業情報取得部は、前記作業の実施件数をさらに含む前記作業情報を取得し、
    前記設定部は、複数のレートのそれぞれについて算出した前記合計値と、前記実施件数とに基づいて、前記対価を設定する、
    請求項4又は5に記載の対価設定装置。
  7. 複数のレートのそれぞれについて、当該レートに対応する対価と、前記合計値とを関連付けた情報を出力する出力部をさらに備える、
    請求項4から6のいずれか1項に記載の対価設定装置。
  8. コンピュータにより実行される、
    作業の実施場所及び実施時間を示す情報を含む作業情報を取得するステップと、
    前記作業を実施する可能性がある複数の候補者のそれぞれの状況を示す状況情報を取得するステップと、
    前記作業情報と前記状況情報とに基づいて、複数の前記候補者のそれぞれの前記作業の実施のしやすさを示す指標であって、前記候補者の前記実施場所への移動にかかる時間、前記候補者が前記作業を実施するために変更する予定の量、前記候補者の忙しさの度合い、及び前記候補者の前記実施場所の認識度合いの少なくともいずれかを示す指標を算出するステップと、
    複数の前記候補者のそれぞれに対して算出された前記指標に基づいて、前記指標の値が低いほど、作業の対価が高くなるように当該作業の対価を設定するステップと、
    を備える対価設定方法。
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