<本発明の実施形態>
<構成>
図1は、本発明の実施形態における録画装置100のブロック図である。図1に示すように、録画装置100は、ストリーム抽出部102と、操作認識部131と、録画部140と、第1、第2の記憶部107a,107bと、表示信号出力部112と、録画モード提示部111とを備える。
ストリーム抽出部102は、放送番組を受信して放送ストリームを抽出する。操作認識部131は、録画装置100に対する使用者の操作を認識する。録画部140は、複数の録画モードのうち、使用者によって操作認識部131を介して選択された録画モードで放送ストリームを第1の記憶部107aに記憶させる。
第2の記憶部107bは、第1の記憶部107aに記憶された放送ストリームを記憶可能である。また、第2の記憶部107bにおいて記録媒体が交換可能である。表示信号出力部112は、表示部150に表示するための表示信号を出力する。
録画モード提示部111は、第1の記憶部107aに記憶される予定の放送ストリームの録画に適用可能な複数の録画モードを表示部150に表示させる。録画モード提示部111は、複数の録画モードを表示する際に、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードが識別可能に表示部150に表示されるように、表示信号出力部112に表示信号を出力させる。
図2は、録画装置100の詳細なブロック図である。図2に示すように、録画装置100は、ストリーム抽出部102と、ストリーム制御部106と、記憶部107とを備える。ストリーム抽出部102は、チューナ部102aとトランスポートストリームデコーダ部102b(以降、TSデコーダ部102bとも記載する)を備える。
録画装置100はさらに、デコーダ部108と、エンコーダ部110とを備える。また、録画装置100はさらに、制御部120と、ROM(Read Only Memory)部121と、RAM(Random Access Memory)部122とを備える。また、録画装置100はさらに、外部の操作部130(例えばリモコン等)からの信号を受信する操作認識部131を備える。各部はバスライン123により制御部120と接続されている。
図1における録画部140は、図2における制御部120、ROM部121、RAM部122、ストリーム制御部106、デコーダ部108およびエンコーダ部110によって実現される。
チューナ部102aは、外部アンテナ101から複数のデジタル放送チャンネルを含むRF(Radio Frequency)信号を受信し、任意の放送電波周波数に対する同調処理と復調処理を行い、録画用トランスポートストリーム(以降、録画用TSと記載)を抽出する。録画用TSは、TSデコーダ部102bに入力される。TSデコーダ部102bは、録画用TSから再生に必要な情報(映像情報、音声情報など)のみを含んだ録画用パーシャルトランスポートストリーム(以降、第1の放送ストリームと記載する)を抽出する。第1の放送ストリームは、ストリーム制御部106に入力される。ストリーム制御部106は、第1の放送ストリームを記憶部107にストリーム直接録画する。記憶部107は、第1、第2の記憶部107a,107bを備える。第1の記憶部107aは、例えばハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)である。また、第2の記憶部107bは、例えば記憶媒体(光ディスク)を交換可能な光ディスク・ドライブである。
また、ストリーム制御部106は、TSデコーダ部102bから入力される第1の放送ストリームを、デコーダ部108に対して出力することも可能である。デコーダ部108は、デコードした映像および音声信号を、エンコーダ部110に出力することもできる。エンコーダ部110は、受信した映像および音声信号をエンコードして再エンコード録画用パーシャルトランスポートストリーム(以降、第2の放送ストリームと記載する)を生成することができる。第2の放送ストリームは、ストリーム制御部106を介して記憶部107に録画される。
ストリーム制御部106は、番組視聴時にはTSデコーダ部102bから受信した第1の放送ストリームをデコーダ部108に対して出力する。デコーダ部108は、第1の放送ストリームをデコードし、映像信号および音声信号を生成する。映像信号は表示信号出力部112から外部の表示部150に出力される。音声信号は音声信号出力部113から外部のスピーカー160等に出力される。
また、ストリーム制御部106は、番組再生時には記憶部107から読み出した第1または第2の放送ストリームを、デコーダ部108に対して出力する。デコーダ部108は、第1または第2の放送ストリームをデコードし、映像信号および音声信号を生成する。映像信号は表示信号出力部112から外部の表示部150に出力される。音声信号は音声信号出力部113から外部のスピーカー160等に出力される。
制御部120は例えばマイクロコンピュータにより実現される。制御部120は、ROM部121に格納されたプログラムコードに従って動作し、RAM部122をワーク領域として使用する。チューナ部102a、TSデコーダ部102b、ストリーム制御部106、デコーダ部108およびエンコーダ部110は、バスライン123を介して制御部120から制御される。
操作認識部131は、リモコン、赤外線送信機等を含む操作部130から、使用者の操作命令を受信する。操作認識部131は、バスライン123を介して制御部120に接続されている。
図3は、録画装置100のハードウェア構成図である。操作認識部131および表示信号出力部112は、入出力インターフェースHW3により実現される。入出力インターフェースHW3は、例えばリモコン等の操作部からの信号を受信可能なインターフェースを備える。また、入出力インターフェースHW3は、表示部としてのディスプレイを接続可能なインターフェースを備える。
第1の記憶部107aは、第1の記憶装置HW4により実現される。第1の記憶装置HW4は、例えばハードディスク・ドライブである。また、第2の記憶部107bは、第2の記憶装置HW5により実現される。第2の記憶装置HW5は、例えば、光ディスクを交換可能な光ディスク・ドライブである。
ストリーム抽出部102、録画部140および録画モード提示部111は、処理回路HW1によって実現される。処理回路HW1は、専用のハードウェアであっても、メモリHW2に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であってもよい。
処理回路HW1が専用のハードウェアである場合、処理回路HW1は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路HW1がCPUの場合、ストリーム抽出部102、録画部140および録画モード提示部111の機能はソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリHW2に格納される。処理回路HW1は、メモリHW2に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、ストリーム抽出部102、録画部140および録画モード提示部111の機能を実現する。また、このプログラムは、ストリーム抽出部102、録画部140および録画モード提示部111の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリHW2とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
なお、ストリーム抽出部102、録画部140および録画モード提示部111の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
<番組視聴時の動作>
録画装置100を使用して、デジタル放送番組の視聴を行う場合について説明する。使用者が操作部130の電源キーを押下すると、相当するキーコードが操作認識部131を経由して制御部120に送信される。制御部120は、チューナ部102aを制御して、任意の(一般的には前回視聴した際に最後に選局していた)チャンネル周波数に同調させ、復調処理を開始する。復調処理が完了すると、制御部120は、TSデコーダ部102bを制御して、録画用TSの中からPSI(Program Specific Information)情報と呼ばれる番組を特定するための情報を抽出して解析し、放送番組の映像信号、音声信号などのデータパケットをフィルタリングして第1の放送ストリームを生成する。また、制御部120は、番組タイトルや番組ジャンルなどの番組属性を格納するSI(Service Information)情報と呼ばれる番組配列情報も抽出して解析を行う。
次に、制御部120は、ストリーム制御部106を制御して、第1の放送ストリームをそのままデコーダ部108に送信する。デコーダ部108は、第1の放送ストリームから映像信号および音声信号を生成する。デジタル放送の映像信号は、MPEG−2方式、H.264方式(MPEG4−AVC方式とも呼ばれる)等の符号化方式によって符号化されている。デジタル放送の音声信号は、MPEG−2 AAC(Advanced Audio Coding)方式、Dolby Digital方式等の符号化方式を使用してデータ圧縮されている。制御部120は、デコーダ部108に内蔵されたMPEG2/H.264デコーダ、MPEG−2 AACデコーダ等を使用して、第1の放送ストリームを非圧縮の映像信号および音声信号に復号する。復号された映像信号は表示信号出力部112から外部の表示部150に出力される。復号された音声信号は音声信号出力部113から外部のスピーカー160等に出力される。
以上により、使用者は任意のチャンネルで現在放送されている番組の映像と音声を視聴することができる。
<番組録画動作>
録画装置100を使用して、現在受信中のデジタル放送番組の録画を行う動作について説明する。使用者が操作部130に設けられた録画キーを押下することにより、相当するキーコードが操作認識部131を経由して制御部120に送信される。すると制御部120は、放送番組の録画処理を開始する。視聴を開始した段階でストリーム制御部106には、既に第1の放送ストリームが入力されているので、制御部120は、ストリーム制御部106を制御して、記憶部107に第1の放送ストリームを録画する。以上の動作により、受信中のデジタル放送番組が「ストリーム直接録画」される。
また、録画を開始した段階でストリーム制御部106は、TSデコーダ部102bから受信した第1の放送ストリームを、デコーダ部108に対して出力している。デコーダ部108は、第1ストリームから映像信号および音声信号を生成している。制御部120は、この動作に加え、デコーダ部108を制御して、デコードした映像信号および音声信号を、エンコーダ部110に出力することも可能である。制御部120は、エンコーダ部110を制御して、映像信号および音声信号をエンコードして第2の放送ストリームを生成する。次に、制御部120は、ストリーム制御部106を制御して、第2の放送ストリームを記憶部107に録画する。以上の動作により、受信中のデジタル放送番組が「再エンコード録画」される。
使用者が操作部130に設けられた停止キーを押下すると、相当するキーコードが操作認識部131を経由して制御部120に送信される。すると制御部120は、現在実行中の番組録画動作の停止処理を開始する。制御部120は、ストリーム制御部106を制御して記憶部107への第1または第2の放送ストリームの録画を停止する。
デコーダ部108とエンコーダ部110を使用して、例えば符号化方式がH.264方式で符号化された第1ストリームを、符号化方式がMPEG−2方式で符号化された第2の放送ストリームに再エンコードすることにより、ストリームの仕様(録画モード)を変更することができる。具体的には、第1の放送ストリームの符号化方式を変更したり、解像度やフレームレートを変更したりすることで、第2の放送ストリームの仕様を変更することが可能である。ストリーム仕様変更により、例えばH.264符号化方式に対応していない記憶媒体(例えばDVD等)にストリームをコピー(ダビング)することが容易になる。
なお、上述の「ストリーム直接録画」と「再エンコード録画」はいずれか一方だけ行われてもよいし、同時に行われてもよい。また、上記の番組視聴動作と番組録画動作においては、使用者が操作部130を操作することにより動作を開始した。一方、予約録画などのように、あらかじめ指定された番組の放送時刻に自動的に録画装置100を起動させて、番組録画動作を開始することも可能である。使用者が、番組録画動作を事前に録画装置100に設定する(以降、録画予約と記載する)手順については後述する。
<番組ダビング動作>
録画装置100を使用して、第1の記憶部107aに記憶されたデジタル放送番組(放送ストリーム)を第2の記憶部107bの記憶媒体にダビング(コピー)する動作について説明する。ダビングを行う場合、「再エンコードダビング」と「高速ダビング」の2つの方法がある。
再エンコードダビングを行う場合、制御部120は、ストリーム制御部106を制御して、第1の記憶部107aに記憶されている第1の放送ストリームを読み出し、デコーダ部108に出力する。ここで、例えば第1の放送ストリームは、解像度が2Kで符号化方式がMPEG2方式で録画されているものとする。
次に、制御部120は、デコーダ部108を制御して、デコードした映像信号および音声信号をエンコーダ部110に出力する。次に、制御部120は、エンコーダ部110を制御して、受信した映像信号および音声信号をエンコードして第2の放送ストリームを生成する。ここで、第2ストリームは、解像度を標準画質とし、符号化方式はMPEG2方式のままとする。そして、制御部120は、ストリーム制御部106を制御して、第2の放送ストリームを第2の記憶部107bに出力する。第2の記憶部107bにおいて、装填された記憶媒体に第2の放送ストリームが書き込まれる。
以上の動作により、第1の記憶部107aに録画済みのデジタル放送番組が、第2の記憶部107bに「再エンコードダビング」される。
再エンコードダビングは、デコーダ部108とエンコーダ部110を使用して、ストリームを再エンコードすることでストリームの仕様(録画モード)を変更する。これにより、第2の記憶部107bに装填された記憶媒体に適した仕様に、放送ストリームの仕様を変更することが可能である。しかしながら、再エンコードダビングは、録画したデジタル放送番組の放送時間と同じだけの時間をダビングに要するため、多くの電力を消費してしまう。さらに、デコードおよびエンコードの処理回数が増えるため、画質も劣化してしまう。
一方、高速ダビングの場合、制御部120は、ストリーム制御部106を制御して、第1の記憶部107aに記憶された第1の放送ストリームを読み出して、暗号化、復号化等の最小限の処理をしたのちに、第2の記憶部107bに出力する。第2の記憶部107bにおいて、装填された記憶媒体に、最小限の処理がなされた第1の放送ストリームが書き込まれる。高速ダビングは再エンコードの処理を必要としないため、ダビングに要する時間を大幅に短縮することができる。
ただし、高速ダビングを行うためには、第1の記憶部107aに録画されている第1の放送ストリームの録画モード(符号化方式や解像度などの仕様)が、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードである必要がある。つまり、第1の記憶部107aに録画されている第1の放送ストリームの録画モードが第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードでない場合は、上述した再エンコードダビングを行う必要がある。
<番組再生動作>
録画装置100を使用して、記憶部107に録画済みのデジタル放送番組を再生する動作について説明する。使用者が操作部130に設けられた再生キーを押下することにより、相当するキーコードが操作認識部131を経由して制御部120に送信される。すると制御部120は、放送番組の再生処理を開始する。
制御部120は、ストリーム制御部106を制御して、記憶部107に記憶された第1または第2の放送ストリーム、すなわち録画済み番組ストリームを読み出して、デコーダ部108に送信する。次に、制御部120は、デコーダ部108を制御して第1または第2の放送ストリームから映像信号および音声信号を生成する。以降の動作は番組視聴動作と同様であるため、説明を省略する。
<録画予約動作>
録画装置100を使用して、放送予定のデジタル放送番組を録画予約する動作について説明する。使用者が操作部130に設けられた番組表キーを押下することにより、相当するキーコードが操作認識部131を経由して制御部120に送信される。すると制御部120は、デコーダ部108に内蔵されたグラフィック表示機能を使用して、表示信号出力部112から表示部150に対して番組表画面を表示させる。番組表は制御部120が解析したSI情報などを元に生成される。使用者は番組表に表示された番組の一覧から、操作部130に設けられた上下左右キー、決定キー等を使用して録画を希望する任意の番組を選択し、録画予約設定画面を表示する。
図4は、本実施形態における録画予約設定画面の模式図である。また、図5は、本実施形態の比較例としての録画予約設定画面の模式図である。
まず、図5を用いて、本実施形態の比較例としての録画予約設定画面について説明する。図5に示すように、録画予約設定画面には、録画チャンネル設定ウィンドウ201、録画日付設定ウィンドウ202、開始時刻設定ウィンドウ203、終了時刻設定ウィンドウ204、録画先メディア設定ウィンドウ205、録画モード設定ウィンドウ206、予約確定ボタン207が表示されている。フレーム208は、現在どのウィンドウ又はボタンが操作対象として選択されているかを示す。
使用者は、操作部130に設けられた左右キーなどを操作して、フレーム208を移動させることにより、設定を行うウィンドウを選択する。そして、使用者は操作部130に設けられた上下キーなどを操作して、選択したウィンドウに対して設定を行う。
録画チャンネル設定ウィンドウ201においては、録画予約を行う番組が放送されるチャンネルの設定が行われる。録画日付設定ウィンドウ202においては、録画を予約する日付の設定が行われる。開始時刻設定ウィンドウ203においては、録画を開始する時刻が設定される。終了時刻設定ウィンドウ204においては、録画を終了する時刻が設定される。
録画先メディア設定ウィンドウ205においては、録画先の記憶装置(第1の記憶部107aに録画するか、第2の記憶部107bに録画するか)が選択される。
図5に示すように、録画モード表示領域209には、録画先メディア設定ウィンドウ205において選択された録画先への録画に適用可能な録画モードの一覧が表示される。図5においては、HD画質(高精細度ビデオ画質)で録画可能な録画モードとして、「DR」、「AF」、「AN」、「AE」が選択可能に表示されている。また、録画モード表示領域209には、標準画質で録画可能な録画モードとして「XP」、「SP」、「LP」、「EP」が選択可能に表示されている。上記合計8個の録画モードの中から録画に適用する録画モードが使用者によって選択される。使用者は操作部130に設けられた上下キーなどを操作して、カーソル210を移動させることにより録画に適用する録画モードを選択する。
なお、録画モード表示領域209において、録画モードの表示の横には「画質優先」、「時間優先」など録画モードの特徴が表示されている。また、説明表示領域211には、現在選択されている録画モードに関する説明が表示される。
録画モード「DR」は、ダイレクトレコーディングを意味し、映像信号の圧縮を行わずに第1の放送ストリームの録画を行うモードである。即ち、「DR」は放送波そのままのビットレートで録画を行うモードである。「DR」の音声符号化方式はMPEG−2 AAC方式である。
また、録画モード「AF」、「AN」、「AE」のそれぞれは、H.264の映像符号化方式で映像信号の圧縮を行うモードである。「AF」、「AN」、「AE」のビットレートはそれぞれ、約13Mbps、約8.5Mbps、約5.5Mbpsである。つまり、「AF」、「AN」、「AE」の順に画質が高い。言い換えると、「AF」、「AN」、「AE」の順に圧縮率が高くなり、より長時間の録画が可能となる。「AF」、「AN」、「AE」の音声符号化方式はMPEG−2 AAC方式である。
また、録画モード「XP」、「SP」、「LP」、「EP」のそれぞれは、MPEG−2の映像符号化方式で映像信号の圧縮を行うモードである。「XP」、「SP」、「LP」、「EP」の順に画質が高い。言い換えると、「XP」、「SP」、「LP」、「EP」の順に圧縮率が高くなり、より長時間の録画が可能となる。「XP」、「SP」、「LP」、「EP」の音声符号化方式はDolby Digital方式である。
また、録画モード「DR」、「AF」、「AN」、「AE」、「XP」、「SP」、「LP」、「EP」の順に映像信号の解像度およびフレームレートも小さくなる。
使用者にとっては、第1の記憶部107aに放送番組を一旦録画した後、第1の記憶部107aに録画した番組を第2の記憶部107bにダビングする場合に、高速ダビングを行えることが好ましい。高速ダビングを可能とするためには、第1の記憶部107aに放送番組を録画する際に、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードを選択する必要がある。
しかしながら、図5で示す比較例としての録画予約設定画面においては、録画モード表示領域209に表示されている録画モードのうち、どの録画モードが第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードであるか、使用者は識別することができなかった。
次に、図4を用いて、本実施形態における録画予約設定画面について説明する。本実施形態における録画予約設定画面は、比較例(図5)に対して、ダビング先ディスク設定ウィンドウ301、ダビング先ディスク表示領域302をさらに備える。また、本実施形態における録画予約設定画面は、比較例(図5)に対して録画モード表示領域209における録画モードの一覧の表示が異なる。
ダビング先ディスク設定ウィンドウ301においては、ダビング先の記録媒体(第2の記憶部107bに装填される記録媒体)の種類が選択される。図4に示すように、ダビング先ディスク表示領域302には、第2の記憶部107bに装填可能な記憶媒体の一覧が表示される。図4においては、第2の記憶部107bに装填可能であり、HD画質で記憶可能な記憶媒体として「ブルーレイディスク」、「DVD(AVCREC)」が選択可能に表示されている。また、ダビング先ディスク表示領域302には、第2の記憶部107bに装填可能であり、標準画質で記憶可能な記憶媒体として「DVD(VR)」、「DVD(Video)」が選択可能に表示されている。ここで、DVD(VR)は、VR(Video Recording)フォーマットのDVDディスクを示している。
上記合計4個の記憶媒体の種類の中からダビング先となる記憶媒体の種類が使用者によって選択される。使用者は操作部130に設けられた上下キーなどを操作して、カーソル303を移動させることによりダビング先の記憶媒体の種類を選択する。ここでは、使用者が「DVD(VR)」を選択したものとする。
次に使用者は、操作部130に設けられた左右キーなどを操作して、カーソル208を移動させ、録画モード設定ウィンドウ206を選択する。そして、使用者は操作部130に設けられた上下キーなどを操作して、カーソル210を移動させ、録画モード表示領域209に表示された録画モードを選択する。
本実施形態において、録画モード提示部111は、録画モード表示領域209に録画モードの一覧を表示する際に、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードが識別可能に表示部150に表示されるように、表示信号出力部112に表示信号を出力させる。
図4においては、ダビング先ディスク設定ウィンドウ301においては、ダビング先の記憶媒体の種類として「DVD(VR)」が選択されている。そのため、録画モード提示部111は、録画モード表示領域209に表示される録画モードの一覧において、DVD(VR)で受け付け可能な録画モードが視覚的に識別可能に表示されるように表示信号出力部112を制御する。
DVD(VR)では標準画質の録画モード(「XP」、「SP」、「LP」、「EP」)が受け付け可能であり、HD画質の録画モード(「DR」、「AF」、「AN」、「AE」)は受け付け不可能である。そのため、例えば、録画モード提示部111は、録画モード表示領域209において「XP」、「SP」、「LP」、「EP」を使用者にとって目立つ色(例えば背景色が白の場合、黒)で表示する。一方、「DR」、「AF」、「AN」、「AE」は使用者にとって目立たない色(例えば背景色が白の場合、灰色)で表示する。
また、録画モード提示部111は、図5に示すように文字の太さを変えることにより第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードを識別可能に表示させてもよい。この場合、例えば、受け付け可能な録画モードである「XP」、「SP」、「LP」、「EP」は目立つように太字で表示される。一方、受け付け不可能な録画モード「DR」、「AF」、「AN」、「AE」は目立たないように細字で表示される。また、文字の色、文字の太さ、文字の大きさ等を組み合わせて録画モードを識別可能にしてもよい。また、例えば、録画モードの横に「ダビングにおすすめ」等の文字を表示させることで識別可能にしてもよい。
DVD(VR)は、VR(Video Recording)フォーマットのDVDディスクを示しており、標準画質の録画モードでしか録画することができない。すなわち、デジタル放送番組を第1の記憶部107aに録画する際に、HD(High Definition)画質で録画すると、第2の記憶部107bに装填されたDVD(VR)ディスクにダビングする場合に再エンコードダビングが必要となり、録画したデジタル放送番組の放送時間と同じだけの時間をダビングに要し、多くの電力を消費してしまうと共に、画質も劣化してしまう。
本実施の形態では、カーソル303で選択した記憶媒体の種類に基づいて、録画モード表示領域209に表示される録画モードの一覧において、高速ダビングが可能な録画モードと、可能でない録画モードが識別可能に表示される。これにより、使用者が意図せずにダビングに適していない、即ち高速ダビングができない録画モードで録画予約を行うことを防止できる。
なお、上述した実施例において、録画モード表示領域209に表示される録画モードのうち、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードのみが、使用者によって選択可能としてもよい。これにより、使用者は、高速ダビングが可能な録画モードを確実に選択することが可能となる。
なお、上述した実施例においては、ダビング先ディスク表示領域302に表示されている記憶媒体の一覧から使用者自身が記憶媒体の種類を選択することによって、ダビング先ディスク設定ウィンドウ301にダビング先の記憶媒体の種類が設定された。ダビング先の記憶媒体の種類の設定方法はこれに限らない。例えば、第2の記憶部107bに実際に装填されている記憶媒体に基づいて、ダビング先ディスク設定ウィンドウ301にダビング先の記憶媒体の種類が設定されてもよい。これにより、使用者がダビングに用いる記憶媒体を予め第2の記憶部107bに装填しておけば、使用者が記憶媒体の種類(ディスクの種類)に関する知識が乏しい場合でも正確に記憶媒体の種類を設定することができる。
また、録画予約設定画面における録画モード提示部111の動作を説明したが、録画予約に限らず、通常録画において録画モードを選択する際にも録画モード提示部111が同様の動作を行ってもよい。
<効果>
本発明の実施形態における録画装置100は、放送番組を受信して放送ストリームを抽出するストリーム抽出部102と、使用者の操作を認識する操作認識部131と、第1の記憶部107aと、複数の録画モードのうち、使用者によって操作認識部131を介して選択された録画モードで放送ストリームを第1の記憶部107aに記憶させる録画部140と、第1の記憶部107aに記憶された放送ストリームを記憶可能で、記録媒体が交換可能な第2の記憶部107bと、表示部150に表示するための表示信号を出力する表示信号出力部112と、第1の記憶部107aに記憶される予定の放送ストリームの録画に適用可能な複数の録画モードを表示部150に表示させる録画モード提示部111と、を備え、録画モード提示部111は、複数の録画モードを表示する際に、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードが識別可能に表示部150に表示されるように、表示信号出力部112に表示信号を出力させる。
本実施形態における録画装置100は、第1の記憶部107aに対して録画を行う録画モードの一覧(即ち複数の録画モード)を表示する際に、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードを識別可能に表示する。これにより、使用者は、第2の記憶部107bに対して高速ダビング(即ち、再エンコード処理を必要としないダビング)が可能な録画モードを容易に選択することが可能となる。
第1の記憶部107aに高速ダビングが可能な録画モードで放送ストリームが記憶されることにより、録画番組(放送ストリーム)を第2の記憶部107bにダビングする際に、ダビングに要する時間が短縮され、使用者の利便性が向上する。また、画質および音質の劣化を抑えたダビングが可能となる。ダビングに要する時間が短縮されることにより、録画装置100の消費電力量を抑制する効果も得られる。
また、本発明の実施形態における録画装置100において、録画モード提示部111は、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードが、第2の記憶部107bで受け付け不可能な録画モードよりも目立って表示部150に表示されるように表示信号出力部112に表示信号を出力させる。
従って、録画モード提示部111が、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードを、第2の記憶部107bで受け付け不可能な録画モードよりも目立たせて表示することにより、使用者は、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードを識別することが可能である。
また、本発明の実施形態における録画装置100において、録画モード提示部111が表示する複数の録画モードのうち、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードのみが、使用者によって操作認識部131を介して選択可能としてもよい。
従って、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードのみを選択可能とすることにより、高速ダビングが可能な録画モードを確実に使用者に選択させることが可能となる。
また、本発明の実施形態における録画装置100において、録画モード提示部111は、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードを、使用者が操作認識部131を介して選択した記録媒体の種類に基づいて決定する。
従って、録画モード提示部111は、まず、使用者にダビング先の記憶媒体を選択させることにより、その記憶媒体で受け付け可能な録画モードを識別可能に表示することが可能である。
また、本発明の実施形態における録画装置100において、録画モード提示部111は、第2の記憶部107bで受け付け可能な録画モードを、第2の記憶部107bに装填されている記録媒体に基づいて決定してもよい。
従って、使用者がダビングに用いる記憶媒体を予め第2の記憶部107bに装填しておけば、使用者が記憶媒体の種類(ディスクの種類)に関する知識が乏しい場合でも正確に記憶媒体の種類を設定することができる。
また、本発明の実施形態における録画装置100において、前記録画モードとは、映像信号の解像度、映像符号化方式、映像信号のフレームレート、映像信号のビットレート、音声符号化方式の1つ又は複数を規定するモードである、
従って、録画装置100において録画モードを選択することにより、例えば、映像符号化方式(H.264方式又はMPEG2方式)、音声符号化方式(MPEG−2 AAC方式又はDolby Digital方式)等が規定される。
また、本発明の実施形態における録画装置100において、第1の記憶部107aはハードディスク・ドライブである。
録画装置100において、第1の記憶部107aをハードディスク・ドライブとすることにより長時間の番組録画が可能である。
また、本発明の実施形態における録画装置100において、第2の記憶部107bは、光ディスクを交換可能な光ディスク・ドライブである。
録画装置100において、第2の記憶部107bを光ディスク・ドライブとすることにより、複数の種類(即ち複数のフォーマット)の光ディスクを利用することが可能となる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。