以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった配置や向き等は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。装置、器具、部品等の構成について、その材質、形状、大きさ等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態1.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態の効果を順番に説明する。
***構成の説明***
図1及び図2及び図3を参照して、本実施の形態に係る装置である照明装置100の構成を説明する。
照明装置100は、光源ユニット200と、光源ユニット200に点灯電力を供給する照明用の電源ユニット300とを備える。
光源ユニット200は、光源基板210と、板状部材220と、絶縁シート230と、反射板240と、拡散板250とを有する。
光源基板210には、LEDである発光素子211が実装される。即ち、光源基板210には、発光素子211を含む光源回路が配置される。発光素子211の個数は、任意の個数でよいが、本実施の形態では26個である。なお、発光素子211は、有機EL又はレーザといったLED以外の固体発光素子であってもよい。また、発光素子211は、光源基板210に実装されていなくてもよく、発光素子211を含む光源回路が光源ユニット200に配置されていればよい。
板状部材220は、それぞれオモテ面とウラ面となる2つの板面221,222を有する。一方の板面221には、光源基板210が固定される。即ち、一方の板面221には、発光素子211を含む光源回路が配置される。他方の板面222は、電源ユニット300に連結される。
本実施の形態において、板状部材220の一方の板面221には、絶縁シート230、光源基板210、反射板240、拡散板250が順番に重ねて取り付けられる。板状部材220、絶縁シート230、反射板240、拡散板250には、対応する複数の位置にネジ穴が設けられる。ネジが拡散板250、反射板240、絶縁シート230のそれぞれのネジ穴を順番に貫通して板状部材220のネジ穴に挿入されて締められることで、絶縁シート230、反射板240、拡散板250が板状部材220に固定される。光源基板210は、絶縁シート230と反射板240との間に挟み込まれることで固定される。なお、光源基板210にもネジ穴が設けられてよい。その場合、ネジが拡散板250、反射板240、光源基板210、絶縁シート230のそれぞれのネジ穴を順番に貫通して板状部材220のネジ穴に挿入される。
板状部材220は、熱伝導性材料により形成される。本実施の形態では、板状部材220は、金属材料により一体成形される。
絶縁シート230は、板状部材220と光源基板210との間に挟み込まれ、光源基板210を板状部材220から電気的に絶縁する。
反射板240には、発光素子211を露出させるための円形の開口部241が設けられる。反射板240は、発光素子211からの光を開口部241の内周面で反射する。
拡散板250は、透光性材料により形成される。拡散板250は、発光素子211から直接放射された光と反射板240で反射された光とを拡散しながら透過させる。
電源ユニット300は、電源基板310と、出力電線320と、筐体330と、蓋体340と、端子台350と、入力電線360と、収容体370と、筒状のヒートシンク390とを備える。
電源基板310には、点灯回路311が配置される。
出力電線320は、電源基板310と光源基板210とを電気接続することで、点灯回路311から発光素子211を含む光源回路への点灯電力の出力経路となる。即ち、出力電線320は、電源基板310に配置された点灯回路311と光源基板210に配置された光源回路とを電気接続することで、点灯回路311から光源回路への点灯電力の出力経路となる。
筐体330は、円筒状の周壁部331と、底壁部332とを有する。底壁部332は、周壁部331と一体成形される。底壁部332は、周壁部331の一端を塞ぐ。筐体330の内側には、電源基板310が収容される収容空間が形成される。筐体330は、光源ユニット200を外側から底壁部332に取り付けることができるように構成されている。底壁部332には、出力電線320が筐体330の内側から筐体330の外側に挿通される貫通孔333が設けられる。本実施の形態では、底壁部332には、光源ユニット200が筐体330の外側から連結される。具体的には、底壁部332には、板状部材220の他方の板面222が連結される。
筐体330は、上記のように構成されているため、発光素子211の点灯中に光源ユニット200から発生する熱を底壁部332と光源ユニット200との連結箇所から底壁部332を介して周壁部331に伝導させて放熱する。本実施の形態では、周壁部331と底壁部332とが一体成形されているため、周壁部331と底壁部332との間に熱抵抗が生じにくい。よって、LEDに生じた熱を光源ユニット200から底壁部332、周壁部331へと効率よく伝えることができる。
蓋体340は、周壁部331の他端を塞ぐ。蓋体340は、熱伝導性材料により形成される。本実施の形態では、蓋体340は、金属材料により一体成形される。
端子台350は、図示していない商用電源等の外部電源に接続される。端子台350は、筐体330の外側から蓋体340に固定される。
入力電線360は、電源基板310と端子台350とを電気接続することで、外部電源から点灯回路311への点灯電力の入力経路となる。
筐体330は、前述した周壁部331と底壁部332とのほかに、フランジ部334を有する。フランジ部334は、底壁部332と同じように、周壁部331と一体成形される。フランジ部334は、周壁部331の他端から周壁部331の中心軸方向に対して垂直に突出する。即ち、フランジ部334は、周壁部331の他端から周壁部331の半径方向に突出する。周壁部331には、入力電線360を筐体330の外側から筐体330の内側に通す切り欠き335が設けられる。フランジ部334には、蓋体340が連結される。なお、入力電線360を通すために、切り欠き335の代わりに、貫通孔が周壁部331に設けられてもよい。フランジ部334の位置及び個数は、任意の位置及び個数でよいが、本実施の形態では周壁部331の半径方向に沿って対向する2つの位置にフランジ部334が設けられている。よって、フランジ部334の個数は2個である。
筐体330は、上記のように構成されているため、発光素子211の点灯中に光源ユニット200から発生する熱を底壁部332と光源ユニット200との連結箇所から底壁部332と周壁部331とフランジ部334とを介してフランジ部334と蓋体340との連結箇所まで伝導させて放熱する。本実施の形態では、周壁部331とフランジ部334とが一体成形されているため、周壁部331とフランジ部334との間に熱抵抗が生じにくい。よって、LEDに生じた熱を光源ユニット200から底壁部332、周壁部331、フランジ部334、蓋体340へと効率よく伝えることができる。
筐体330は、熱伝導性材料により形成される。本実施の形態では、筐体330は、金属材料により一体成形される。具体的には、筐体330は、1枚の金属板を絞り加工してコップ状に成形される。なお、筐体330は、ダイキャスト加工等、絞り加工以外の方法で製造されてもよい。
本実施の形態の変形例として、底壁部332と周壁部331又は蓋体340とのそれぞれに通気孔が設けられてもよい。その場合、通気孔の一方から他方までつながる通気経路が筐体330の内側に形成される。これにより、対流が発生し、筐体330の放熱性が向上する。なお、底壁部332に設けられた貫通孔333が通気孔を兼ねてもよい。また、周壁部331に設けられた切り欠き335が通気孔を兼ねてもよい。
収容体370は、筐体330の内側に収納される。収容体370は、電源基板310を収容する。このように、本実施の形態では、電源基板310が、筐体330の内側に形成された収容空間に直接収容されるのではなく、収容体370を介して収容される。そのため、筐体330の中に収容体370を設置するスペースがあればよく、余分なスペースを確保しておく必要はない。
収容体370は、絶縁性材料により形成される。本実施の形態では、収容体370は、樹脂材料により一体成形される。
ヒートシンク390は、筐体330の外側から周壁部331に固定される。そのため、本実施の形態では、筐体330の仕様を変更することなく、照明装置100の用途に合わせてヒートシンク390の仕様のみを変更するといったことが可能である。
ヒートシンク390は、周壁部331が圧入されることで周壁部331に固定されてもよいが、本実施の形態では周壁部331に連結されることで周壁部331に固定される。具体的には、ヒートシンク390は、周壁部331にカシメ止めされる。そのため、筐体330は、発光素子211の点灯中に光源ユニット200から発生する熱を底壁部332と光源ユニット200との連結箇所から底壁部332と周壁部331とを介して周壁部331とヒートシンク390との連結箇所まで伝導させて放熱する。本実施の形態では、周壁部331とヒートシンク390との連結箇所を多くすることで、LEDに生じた熱を光源ユニット200から底壁部332、周壁部331、ヒートシンク390へと効率よく伝えることができる。
本実施の形態において、照明装置100は、天井に埋め込んで使用されるダウンライト型の照明装置である。そのため、照明装置100は、さらに、環状の枠400と、複数の板バネ500とを備える。
図4を参照して、照明装置100の設置例を説明する。図4では、天井材600の断面と、天井材600に設けられた埋め込み穴601に嵌め込まれた照明装置100の側面とを示している。
枠400の外径R1は、埋め込み穴601の外径R2よりも大きい。
板バネ500は、枠400を天井の埋め込み穴601の周囲に固定するために、枠400の円周方向に沿って枠400に複数取り付けられる。なお、板バネ500の本数は、図2及び図3に示したように、本実施の形態では3本であるが、2本又は4本以上でもよい。
本実施の形態では、光源ユニット200と、電源ユニット300の蓋体340以外の部分が、埋め込み穴601の開孔径以下の範囲内に配置され、開孔中心に軸心が揃う形状としたので、大きく傾けることなく照明装置100を埋め込み穴601に挿入することができる。
本実施の形態の変形例として、スポットライト型、フランジライト型、シーリングライト型、ブラケットライト型、ペンダントライト型といった、ダウンライト型とは異なる種類の照明装置に、本実施の形態と同じ光源ユニット200及び電源ユニット300が備えられてもよい。
以下では、電源ユニット300の筐体330、ヒートシンク390、収容体370の詳細について順番に説明する。
図5及び図6を参照して、筐体330の詳細について説明する。
筐体330は、発光素子211が配置可能な構成であり、発光素子211の動作熱を外部空間に伝達する放熱経路であるとともに、内部に電源基板310を収納して類焼防止壁として機能する。放熱経路の外に設けた筐体に電源基板を収納した構成と比較して、大幅な小型化と軽量化とを達成することができる。小型化と軽量化は、包装の簡素化、物流効率、施工性の改善、即ち、施工効率の向上に寄与する。軽量化は、落下リスクを低減させるとともに、天井材600の強度緩和に寄与するため、コストダウンにつながる。本実施の形態の変形例として、壁に設置される照明装置に、本実施の形態と同じ光源ユニット200及び電源ユニット300が備えられる場合、軽量化は、壁材の強度緩和に寄与する。
なお、前述した蓋体340も、筐体330を塞いで類焼防止壁及び放熱経路として機能する。
筐体330は、板状の不燃性材料を用いて形成される。筐体330は、板状の金属材料を用いてプレス成形によって有底筒状に形成される。筐体330は、底壁部332と周壁部331とが一体であり、一様の熱抵抗であって、即ち、熱抵抗の不連続点がなく、熱伝導性に優れている。つまり、筐体330は、熱的に一体の構造である。
筐体330の開口端部には、外側に向かって張り出すフランジ部334が一体形成される。フランジ部334は、蓋体340をネジ止めするための取り付け片として用いられる。筐体330は、フランジ部334と周壁部331とが一体であり、一様の熱抵抗であって、即ち、熱抵抗の不連続点がなく、熱伝導性に優れている。つまり、筐体330は、熱的に一体の構造である。
筐体330は、周壁部331と底壁部332とフランジ部334とが一体に形成されたので、部品員数が少なく、優れた組み立て性と堅牢性とを備える。
本実施の形態では、周壁部331と底壁部332とのつながる部分である連続部336の外径が底壁部332から周壁部331に向かって徐々に大きくなる。即ち、筐体330の縦断面において、周壁部331の外周面と底壁部332の外側の表面とが直角につながるのではなく、湾曲しながらつながっている。そのため、底壁部332の外側の表面付近を流れる空気が、連続部336の外側の表面に沿って周壁部331の外周面まで流れやすくなり、筐体330の放熱性が向上する。
また、本実施の形態では、連続部336の内径も底壁部332から周壁部331に向かって徐々に大きくなる。即ち、筐体330の縦断面において、周壁部331の内周面と底壁部332の内側の表面とが直角につながるのではなく、湾曲しながらつながっている。そのため、収容体370の底が筐体330と同じような形状になっていない限り、収容体370と周壁部331との間、或いは、収容体370と底壁部332との間に隙間が形成される。これにより、筐体330から収容体370への伝熱を抑制することができる。
前述したように、蓋体340と底壁部332とに通気用の貫通孔が設けられてもよい。その場合、筐体330と収容体370との間の隙間に空気を流入させて、発光素子211及び電源基板310の温度上昇を抑制させることができる。
入力電線360を通す切り欠き335は、蓋体340の貫通孔に代えて通気孔を兼ねることができる。
図7及び図8及び図9を参照して、ヒートシンク390の詳細について説明する。図7及び図8では、空気の流れを矢印で示している。
発光素子211から発生する動作熱に応じて、筐体330の外周部には、ヒートシンク390を選択的に装着できる。
ヒートシンク390は、熱伝導性材料からなる。ヒートシンク390は、波状に折れ曲がることでヒートシンク390の中心軸から離れる方向に凸の山部391とヒートシンク390の中心軸に近づく方向に凸の谷部392とを交互に形成しながら1周延びる金属板により形成される。即ち、ヒートシンク390は、折り曲げ可能な環状の板材を波状に折り曲げて筒状に加工されている。つまり、ヒートシンク390は、波状に折り曲げられて山部391と谷部392とが交互に形成された金属板からなり、山部391を外側(外方)に谷部392を内側(内方)にそれぞれ向けて1周回する。山部391の個数は、任意の個数でよいが、本実施の形態では18個である。
周壁部331には、ヒートシンク390が筐体330の外側から固定される。具体的には、周壁部331の外側に、ヒートシンク390の谷部392が取り付けられる。周壁部331と山部391との間には、山部391の両端を出入口とする通気経路が形成される。即ち、周壁部331とヒートシンク390との間には、ヒートシンク390の筒軸方向の両端部が開口された通気経路が形成される。そのため、筐体330及びヒートシンク390の放熱性が向上する。
本実施の形態では、ヒートシンク390の内側稜部がカシメ止めによって周壁部331に強固に取り付けられている。これにより、熱伝導効果と強度とが向上する。カシメの位置及び個数は、任意の位置及び個数でよいが、本実施の形態ではヒートシンク390の円周方向に沿って等間隔に3個の谷部392を選び、それら3個の谷部392の1個ずつでヒートシンク390の中心軸方向に沿って等間隔に4箇所カシメを設けている。よって、ヒートシンク390を周壁部331に連結するカシメの総数は12個である。
なお、ヒートシンク390の内側稜部に沿って筐体330が圧入されることで筐体330にヒートシンク390が取り付けられてもよい。その場合、ヒートシンク390は、バネ性を有している必要がある。
筐体330の管軸を含む断面において、ヒートシンク390は、蓋体340に近い側が縮径している。即ち、ヒートシンク390は、窄んでいる。
筐体330の管軸を含む断面において、ヒートシンク390は、底壁部332に近い側が拡径している。
本実施の形態では、山部391の両端が斜めに切り欠かれることで、山部391の長さがヒートシンク390の中心軸から離れるにつれて徐々に短くなる。即ち、筐体330の管軸を含む断面において、ヒートシンク390は、蓋体340に近い側の端部である上端部と底壁部332に近い側の端部である下端部とがR状に切り欠かれている。上端部の切り欠きは、天井材600への取り付け性を向上させ、下端部の切り欠きは、空気の取り込み性を向上させる。よって、山部391の両端の少なくとも一方が斜めに切り欠かれていれば、少なくともいずれかの効果を得ることができる。
山部391の両端の少なくとも一方が切り欠かれる大きさは、枠400の円周方向において板バネ500と重なる位置にあるもののほうが他の位置にあるものよりも大きいことが望ましい。即ち、板バネ500と重なる位置にある山部391の両端のいずれかに形成される通気経路の入口は、空気が入りにくいため、他の位置にある山部391の両端のいずれかに形成される通気経路の入口よりも大きく開いていることが望ましい。
本実施の形態では、山部391の長さ方向の中央付近に開口部393が設けられる。開口部393から空気が出入りすることで、筐体330及びヒートシンク390の放熱性がより一層向上する。
ヒートシンク390は、照明装置100としての組み立てに必要な構造、照明装置100を天井に取り付ける際に必要な構造を考慮して部分的に切り欠かれてもよい。
ヒートシンク390は、図示した形状以外に、放射状に立設させた形状、ピン形状、コルゲート形状等でもよく、押し出し又は絞り等、折り曲げ以外の成形法で製造されてもよい。ヒートシンク390の形状に応じて、周壁部331の形状も適宜変更することができる。即ち、周壁部331は、筒状であれば、円筒状に限らず、他の形状でもよい。
図10及び図11及び図12及び図13及び図14を参照して、収容体370の詳細について説明する。図10では、出力電線320及び入力電線360の配線例を示している。図14では、収容体370、筐体330、板状部材220、絶縁シート230、光源基板210の位置合わせの仕組みを示している。
収容体370は、有底筒状に形成されている。
収容体370は、第1収容部371と、第2収容部372とを有する。第1収容部371は、電源基板310を収容する。第2収容部372は、隔壁373により第1収容部371と隔てられる。
出力電線320は、第1収容部371から隔壁373を越えて第2収容部372に入り、第2収容部372から第2収容部372の底壁に設けられた貫通孔374と底壁部332に設けられた貫通孔333とを通って収容体370と筐体330との外側に出る。
このように、本実施の形態では、電源基板310が収容されるスペースと、出力電線320が収容されるスペースとが別々に確保されているため、電源基板310の設置及び配線の作業が効率よく行える。
収容体370は、さらに、中空の柱部375を有する。柱部375は、第2収容部372の底壁の貫通孔が設けられた箇所から突出し、底壁部332に設けられた貫通孔333に嵌る。
出力電線320は、第2収容部372の底壁に設けられた貫通孔374から柱部375の中を通って収容体370と筐体330との外側に出る。
隔壁373の一端には、出力電線320を通す凹部376が設けられる。
収容体370は、さらに、中空のボス部377を有する。ボス部377は、第2収容部372の底壁と一体成形される。第2収容部372の底壁には、ボス部の中につながるネジ穴378が設けられる。底壁部332には、第2収容部372の底壁に設けられたネジ穴378を介して収容体370がネジ止めされる。
収容体370は、さらに、橋部379を有する。橋部379は、第1収容部371の周壁の一端から突出し、周壁部331に設けられた切り欠き335に嵌る。切り欠き335の代わりに、貫通孔が周壁部331に設けられる場合、橋部379は、その貫通孔に嵌る。
入力電線360は、収容体370と筐体330との外側から橋部379に設けられた溝380を通って第1収容部371に入る。即ち、入力電線360は、周壁部331に設けられた切り欠き335を通って筐体330の外側から筐体330の内側に入る。なお、入力電線360を通すために、溝380の代わりに、穴が橋部379に設けられてもよい。
本実施の形態では、収容体370の外周面381が周壁部331の中心軸方向に対して斜めに延びることで収容体370と周壁部331との間に隙間が形成される。これにより、筐体330から収容体370への伝熱を抑制することができる。
収容体370の外周面381と周壁部331の中心軸とのなす角度は、0.1度以上であることが望ましい。
なお、収容体370の外周面381が周壁部331の中心軸方向に対して斜めに延びる構成を採用するかどうかに関わらず、周壁部331の内周面が周壁部331の中心軸方向に対して斜めに延びる構成を採用することで収容体370と周壁部331との間に隙間を形成してもよい。
図示していないが、本実施の形態において、光源ユニット200は、筐体330の外側からカシメ又はネジによって底壁部332に連結される。そして、カシメ又はネジの筐体330の内側に突出する部分によって収容体370の底面が押し上げられることで収容体370と底壁部332との間にも隙間が形成される。これにより、筐体330から収容体370への伝熱を抑制することができる。
第1収容部371には、収容体370の管軸方向に沿って内部空間を仕切るための仕切り壁382が設けられている。仕切り壁382は、隔壁373と同じように、第1収容部371の底壁及び周壁につながっている。
隔壁373と仕切り壁382との間には、第1収納室383が形成され、電源基板310が収納される。
第1収納室383には、樹脂材料からなる硬化性の充填材料が必要量充填され、電源基板310を第1収納室383内に固定するとともに電源基板310の動作熱を収容体370の外部へ放散させる放熱経路となる。充填材料は、電源基板310に配置される点灯回路311の構成要素であるアルミニウム電解コンデンサを覆わないように充填される。
第1収納室383の底壁には、開口側に隆起する隆起部384が形成されている。隆起部384は、第1収納室383を形成する隔壁373と仕切り壁382とともに、充填材料の使用量を削減する効果を併せ持つ。
第1収納室383を形成する隔壁373と仕切り壁382とには、開口部が形成されていないため、充填材料が第1収納室383から漏れ出るおそれがない。即ち、充填材料が収容体370から漏れ出るおそれがない。
第1収納室383の周壁には、収容体370の管軸方向に沿って基板挿入ガイド385が形成されている。
隔壁373の第1収納室383と反対側には、第2収容部372が形成されている。
第2収容部372には、1対の出力電線320が配置される。
第2収容部372の底壁には、2つの開口部が形成されている。
一方の開口部は、収容体370を筐体330にネジ止めするためのネジ穴378である。ネジ穴378は、収容体370の管軸方向に沿って第2収容部372の底壁から立設させたボス部377の中につながっており、収容体370の外部と第2収容部372とを連通させている。
他方の開口部は、電源基板310から発光素子211に点灯電力を供給するための出力電線320を挿通させる貫通孔374である。貫通孔374は、収容体370の管軸方向に沿って第2収容部372の底壁から収容体370の外側に立設させた柱部375の中につながっている。柱部375は、収容体370の管軸方向における収容体370、筐体330、板状部材220、絶縁シート230、光源基板210の位置を相互に合わせるための位置決め構造としての機能を併せ持つ。
収容体370の外側に立設させた柱部375の先端部には、貫通孔374から引き出された出力電線320を光源基板210のコネクタ212に誘導するための凹部386が形成されている。
第1収納室383と第2収容部372との境界の隔壁373の端部には、電源基板310から第2収容部372へ出力電線320を通過させる凹部376が形成されている。
仕切り壁382の第1収納室383と反対側には、第2収納室387が形成されている。即ち、第1収納室383を挟んで、第2収容部372の反対側には、第2収納室387が形成されている。図示していないが、第2収納室387には、点灯電力の出力を制御する制御回路が配置された制御基板等が適宜収納される。
仕切り壁382と同じように、第2収納室387の周壁及び底壁には、開口部が形成されていない。よって、第1収納室383と同じように、第2収納室387に、樹脂材料からなる硬化性の充填材料が必要量充填されてもよい。
第2収納室387の周壁には、第1収納室383の周壁と同じように、収容体370の管軸方向に沿って基板挿入ガイド388が形成されている。
第2収納室387の周壁には、外側に向かって断面が凹状の橋部379が形成されている。橋部379は、収容体370の外部から第2収納室387へ1対の入力電線360を通過させる。入力電線360は、金属材料からなる筐体330の周壁部331を跨ぐが、橋部379があることで、入力電線360が筐体330のシャープエッジに触れて断線したり、地絡したりすることが防止できる。
筐体330の周壁部331の開口端部には、橋部379が嵌合可能な凹部である切り欠き335が形成されている。橋部379は、筐体330の切り欠き335と嵌合することによって、収容体370の管軸方向における筐体330と収容体370との位置を相互に合わせるための位置決め構造としての機能を併せ持つ。
第1収納室383と第2収納室387との境界の仕切り壁382の端部には、橋部379及び制御基板等から第1収納室383へ入力電線360及び図示していない制御信号線等を通過させる凹部389が形成されている。
前述したように、筐体330と収容体370との間には、隙間が設けられている。断熱、空気対流、特に収容体370の熱収縮を吸収する等の効果がある。本実施の形態では、収容体370の成形時に必要となる抜きテーパによって隙間が形成されるが、隙間はこれ以外の方法で設けられてもよい。
以下では、光源ユニット200の板状部材220、反射板240の詳細について順番に説明する。
図15を参照して、板状部材220の詳細について説明する。図15では、電源ユニット300に板状部材220のみを取り付けた状態を示している。
筐体330の底壁部332の外側には、照明装置100の仕様に応じて板状部材220が適宜取り付けられる。熱伝導性を考慮する場合は、板状部材220は、ネジ止め、カシメ止め等の方法を用いて、底壁部332に対して強固に取り付けられる。ネジ止め、カシメ止めの位置について、(1)光源基板210から板状部材220への熱伝導を優先する場合は発光素子211と重ならない位置を選択し、(2)板状部材220から底壁部332への熱伝導を優先する場合は発光素子211と重なる位置を選択する。
つまり、(1)光源基板210から板状部材220への熱伝導を優先する場合には、底壁部332と板状部材220との連結箇所が周壁部331の中心軸方向において発光素子211と重ならない位置にあることが望ましく、(2)光源ユニット200から底壁部332への熱伝導を優先する場合には、底壁部332と光源ユニット200との連結箇所が周壁部331の中心軸方向において発光素子211と重なる位置にあることが望ましい。
図16及び図17及び図18及び図19を参照して、反射板240の詳細について説明する。図17では、電源ユニット300に光源ユニット200を取り付けた状態を示している。即ち、図17では、電源ユニット300に板状部材220を取り付けた後、さらに、絶縁シート230、光源基板210、反射板240、拡散板250を取り付けた状態を示している。図18及び図19では、それぞれ後述するフック244及びラッチ245による反射板240への枠400の取り付け手順を示している。
反射板240は、板状部材220にネジ止めされて取り付けられる。板状部材220と反射板240との間には、発光素子211が実装された光源基板210と光源基板210の絶縁を維持するための絶縁シート230とが挟持されている。
反射板240は、環状の板状であって、オモテ側は光を反射させやすい形状及び色調で仕上げられており、ウラ側は強度維持のためのリブ242が放射状に形成されている。収容体370の柱部375の凹部386を通して光源基板210のコネクタ212まで引き延ばされる出力電線320の配線経路に位置するリブ242は、凹状に切り欠かれている。また、反射板240のウラ側には、円形状の開口部241の周縁から立ち上がる内周壁243が形成されている。これにより、柱部375から引き出されてコネクタ212に接続される出力電線320を、発光素子211からの光の出射を妨げないように反射板240のウラ側に配線することができる。リブ242の個数は、任意の個数でよいが、本実施の形態では11個であり、そのうち6個のリブ242が切り欠かれている。
反射板240の外周部には、枠400を取り付けるための取り付け機構が形成されている。取り付け機構は、1組のフック244及びラッチ245からなる。取り付け機構は、枠400が取り付けられた状態でストレスフリー状態を維持している。
***効果の説明***
本実施の形態では、電源ユニット300の筐体330の周壁部331と底壁部332とが一体成形される。よって、この電源ユニット300を照明装置100に適用することで、照明装置100の放熱性が向上する。
本実施の形態では、電源ユニット300のヒートシンク390が筐体330とは別体である。よって、筐体330の仕様を変更することなく、照明装置100の用途に合わせてヒートシンク390の仕様のみを変更するといったことが可能であり、多様なニーズに対応できる。
本実施の形態では、電源ユニット300の筐体330の内側に収納される収容体370に、電源基板310が収容されるスペースと、出力電線320が収容されるスペースとが別々に確保される。よって、この電源ユニット300を照明装置100に適用することで、照明装置100の小型化が可能となる。
本実施の形態では、電源ユニット300の筐体330の周壁部331とヒートシンク390の山部391との間に、山部391の両端を出入口とする通気経路が形成される。よって、筐体330及びヒートシンク390の放熱性が向上する。
実施の形態2.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態の効果を順番に説明する。主に実施の形態1との差異を説明する。
***構成の説明***
本実施の形態では、電源ユニット300の蓋体340の構成が、実施の形態1における電源ユニット300の蓋体340の構成と異なる。電源ユニット300のその他の構成については、実施の形態1における電源ユニット300の構成と同じである。照明装置100の電源ユニット300以外の構成についても、実施の形態1に係る照明装置100の構成と同じである。
図20及び図21を参照して、蓋体340の構成を説明する。
本実施の形態において、蓋体340は、円板部341と、固定部342とを有する。筐体330の底壁部332が、筐体330の周壁部331の一端を塞ぐのに対し、円板部341は、周壁部331の他端を塞ぐ。固定部342は、円板部341と一体成形される。固定部342には、端子台350が固定される。円板部341と固定部342とのつながる部分である連続部343の両側には、切り欠き344が設けられる。即ち、本実施の形態では、連続部343の両側が切り欠かれる。
蓋体340は、さらに、フランジ部345を有する。フランジ部345は、固定部342と同じように、円板部341と一体成形される。フランジ部345は、円板部341の外周部分から円板部341の中心軸方向に対して垂直に突出する。即ち、フランジ部345は、円板部341の外周部分から円板部341の半径方向に突出する。フランジ部345は、筐体330のフランジ部334に連結される。
***効果の説明***
筐体330の周壁部331とヒートシンク390の山部391との間には、山部391の両端を出入口とする通気経路が形成されるが、一部の通気経路では、出口付近に蓋体340が存在するため、空気が抜けにくくなる。本実施の形態では、蓋体340の周壁部331を塞ぐ部分が円板部341であり、また、円板部341と固定部342とのつながる部分の両側が切り欠かれているため、図21に示したように、実施の形態1に比べて、少数の通気経路でしか、出口付近に蓋体340が存在しない。よって、筐体330及びヒートシンク390の放熱性が向上する。また、本実施の形態では、通気促進のほかに、照明装置100の軽量化の効果もある。
実施の形態3.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態の効果を順番に説明する。主に実施の形態1との差異を説明する。
***構成の説明***
本実施の形態では、電源ユニット300の蓋体340の構成が、実施の形態1における電源ユニット300の蓋体340の構成と異なる。電源ユニット300のその他の構成については、実施の形態1における電源ユニット300の構成と同じである。照明装置100の電源ユニット300以外の構成についても、実施の形態1に係る照明装置100の構成と同じである。
図22及び図23を参照して、蓋体340の構成を説明する。
本実施の形態において、蓋体340には、通気孔346が設けられている。筐体330の底壁部332が、筐体330の周壁部331の一端を塞ぐのに対し、蓋体340の一部分は、周壁部331の他端を塞ぐ。この周壁部331の他端を塞ぐ部分と端子台350が固定される部分とのつながる部分には、通気孔346が円弧状に並ぶように5個設けられている。それぞれの通気孔346は、ヒートシンク390の山部391に対応する箇所に配置されている。なお、通気孔346の位置及び個数は、ヒートシンク390の山部391の位置及び個数に応じて適宜変更することができる。
蓋体340は、さらに、フランジ部345を有する。フランジ部345は、周壁部331の他端を塞ぐ部分の外周部分から外側に垂直に突出する。フランジ部345は、筐体330のフランジ部334に連結される。
***効果の説明***
筐体330の周壁部331とヒートシンク390の山部391との間には、山部391の両端を出入口とする通気経路が形成されるが、一部の通気経路では、出口付近に蓋体340が存在するため、空気が抜けにくくなる。本実施の形態では、蓋体340の周壁部331を塞ぐ部分に通気孔346が設けられているため、通気孔346に対応する位置に出口がある通気経路から空気が抜けやすくなる。よって、筐体330及びヒートシンク390の放熱性が向上する。また、本実施の形態では、通気促進のほかに、照明装置100の軽量化の効果もある。
実施の形態4.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態の効果を順番に説明する。主に実施の形態1との差異を説明する。
***構成の説明***
図24を参照して、本実施の形態に係る装置である照明装置100の構成を説明する。
本実施の形態では、ヒートシンク390の構成が、実施の形態1における電源ユニット300のヒートシンク390の構成と異なる。電源ユニット300のその他の構成については、実施の形態1における電源ユニット300の構成と同じである。照明装置100の電源ユニット300以外の構成についても、実施の形態1に係る照明装置100の構成と同じである。
図25及び図26及び図27及び図28を参照して、ヒートシンク390の詳細について説明する。図27及び図28では、空気の流れを矢印で示している。
実施の形態1では、図7及び図8に示したように、ヒートシンク390の山部391の長さ方向の中央付近に開口部393が設けられるが、本実施の形態では、開口部393が設けられない。そのため、放熱面積が増え、放熱効率が向上する。
筐体330の周壁部331とヒートシンク390の山部391との間には、実施の形態1と同じように、山部391の両端を出入口とする通気経路が形成されるが、本実施の形態では、開口部393がないため、通気経路の途中で空気が出入りすることはない。そのため、筐体330とヒートシンク390との間に空気の乱流が発生せず、よりスムーズに空気を移動させることができるので、放熱効率が向上する。
ヒートシンク390は、実施の形態1と同じように、プレス加工で成形される。
***効果の説明***
本実施の形態では、特に、照明装置100の設置環境が、大量の空気の流れが発生しにくい環境である場合に、実施の形態1よりも照明装置100の放熱性が高まる。
実施の形態1では、照明装置100の外殻部であるヒートシンク390の山部391に開口部393を設けるので、2次加工等によって開口部393の周縁部にR面加工、C面加工等のエッジ処理を施すことが望ましい。また、実施の形態1では、開口部393の周縁部にバリが残存するおそれがあるので、バリ取りを施すことが望ましい。一方、本実施の形態では、こういった2次的な加工を施す必要がなくなる。このため、照明装置100の製造環境及び設置環境に加工屑を飛散させるおそれがなくなり、照明装置100の製造環境及び設置環境の絶縁性能を悪化させる要因も排除できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、いくつかを組み合わせて実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施しても構わない。例えば、これらの実施の形態の説明において「部」として説明するもののうち、いずれか1つのみを採用してもよいし、いくつかの任意の組み合わせを採用してもよい。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。