JP6606000B2 - 水運用計画システムおよび水運用計画方法 - Google Patents

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本発明は、水運用計画システムおよび水運用計画方法に関するものである。
卸市場価格の高騰時または系統信頼性の低下時において、電気料金価格の設定またはインセンティブの支払に応じて、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させる、いわゆるデマンドレスポンス(DR:Demand Response)の実証実験が進んでいる。
そこで、こうしたデマンドレスポンスに関する従来技術として、以下の技術が提案されている。
すなわち、節電要請に応えられるピークシフト送水計画の提供を目的として、浄水池から配水池への送水における電力消費を、電力料金および前記配水池の水位に基づき、節電要請のある時間帯からシフトさせるピークシフト工程を含むピークシフト送水計画方法(特許文献1参照)などが提案されている。この技術においては、1日の送水量を電力料金が最も安い時間帯である夜間時にピークが来るよう電力料金テーブルに基づいて計画する。このとき、最低水位を下回らずデマンドを超えないようにピークシフトの送水量を決定する。その後水位を基準に最安単価終了時刻やその他の送水量を決定する。最大単価時間帯は送水しなければ水位が維持できない場合は送水する。
特開2014−67405号公報
浄水場と水需要家とを結ぶ配水システムにおける配水池は、浄水場からポンプ圧送されてくる水を一旦蓄え、これを下流の配水対象に向けポンプを介して供給する、いわゆるバッファ機能を果たすものである。こうした配水池は、大規模災害に伴う一部機能停止など非常時の給水に備えるべく、容量に余裕を持たせた仕様となっているケースが多い。そのため、従来技術の如く送水時間帯の変更を行うとしても水位維持が図りやすく、節電要請に応えやすい施設の一つとされる。
ところが従来においては、予め定められた電力料金テーブルに基づいて計画を決定しているため、ごく短時間しか猶予がない急なもので、かつ、任意の時間帯の節電要請に対し、柔軟に対応することは困難である。
また、電力コストなどを目的関数として計画問題として定式化し、解法するものではないので、上下限水位、送水可能量など様々な制約の下での最適な運用計画値、すなわち、電力コストを最大限削減可能な計画を導出できないという問題がある。
また、時間帯別料金を考慮した運用計画策定は可能であるが、節電要請に対するインセンティブまで考慮してコストを削減する運用計画を策定できないという問題もある。
そこで本発明の目的は、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能とする技術を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の水運用計画システムは、送水ポンプにより配水池に浄水を送水する水道システムに関して、前記送水ポンプによる前記配水池への送水量または前記送水ポンプの運転台数、の運用計画を生成する複数のアルゴリズムを保持する記憶装置と、前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、当該運用計画の策定対象となる時間帯、および前記水道システムに電力を供給する電気事業者からのデマンドレスポンス要請に関する情報に基づき、前記デマンドレスポンス要請があった場合、前記デマンドレスポンス要請に関する情報が示す、前記デマンドレスポンス要請の受付時からデマンドレスポンスの開始予定時までの猶予時間が所定基準時間以上であるか判定し、前記判定の結果、前記猶予時間が前記基準時間以上であった場合、前記策定対象となる時間帯のうち、当該時間帯の開始時刻から、前記デマンドレスポンスの開始予定時よりも前記基準時間だけ遡った所定時刻までの時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記水道システムでの通常時の運用計画策定に利用しているアルゴリズムを使用し、前記所定時刻から前記デマンドレスポンスの開始予定時までの時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成するアルゴリズムを使用し、前記デマンドレスポンスの対象時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成するアルゴリズムを使用し、前記策定対象となる時間帯に関する運用計画を生成する演算装置と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の水運用計画方法は、送水ポンプにより配水池に浄水を送水する水道システムに関して、前記送水ポンプによる前記配水池への送水量または前記送水ポンプの運転台数、の運用計画を生成する複数のアルゴリズムを保持する記憶装置を備えた情報処理システムが、前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、当該運用計画の策定対象となる時間帯、および前記水道システムに電力を供給する電気事業者からのデマンドレスポンス要請に関する情報に基づき、前記デマンドレスポンス要請があった場合、前記デマンドレスポンス要請に関する情報が示す、前記デマンドレスポンス要請の受付時からデマンドレスポンスの開始予定時までの猶予時間が所定基準時間以上であるか判定し、前記判定の結果、前記猶予時間が前記基準時間以上であった場合、前記策定対象となる時間帯のうち、当該時間帯の開始時刻から、前記デマンドレスポンスの開始予定時よりも前記基準時間だけ遡った所定時刻までの時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記水道システムでの通常時の運用計画策定に利用しているアルゴリズムを使用し、前記所定時刻から前記デマンドレスポンスの開始予定時までの時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成するアルゴリズムを使用し、前記デマンドレスポンスの対象時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成するアルゴリズムを使用し、前記策定対象となる時間帯に関する運用計画を生成する、ことを特徴とする。
本発明によれば、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
本実施形態の水運用計画手法の適用対象である水道システム例を示す図である。 本実施形態における水運用計画システムの構成例を示す図である。 本実施形態における需要データベースの構成例を示す図である。 本実施形態における気象情報データベースの構成例を示す図である。 本実施形態における設備情報データベースの構成例を示す図である。 本実施形態における運用計画策定手段の詳細構成例1を示す図である。 本実施形態における水運用計画方法のフロー例1を示す図である。 本実施形態における通常運用時の運用計画立案結果の一例を示す図である。 本実施形態におけるDR要請時の運用計画立案結果の一例を示す図である。 本実施形態における運用計画立案手段の詳細構成例2を示す図である。 本実施形態における水運用計画方法のフロー例2を示す図である。 本実施形態における水位一定運用時における運用計画立案結果の一例を示す図である。 本実施形態における水位一定運用とDR対応運用を組み合わせた運用における運用計画立案結果の一例を示す図である。 本実施形態における通常運用と水位一定運用とDR対応運用を組み合わせた運用における第1の運用計画立案結果を示す図である。 本実施形態における通常運用と水位一定運用とDR対応運用を組み合わせた運用における第2の運用計画立案結果を示す図である。 本実施形態におけるテーブルの構成例を示す図である。
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の適用対象である水道システム10の例を示す系統図である。ここで例示する水道システム10は、送水ポンプ1により、浄水が、送水管2とバルブ6、7、8を経て3つの配水池3、4、5に送水される構成となっている。
このうち送水ポンプ1は、並列に配置された固定速ポンプ3台で構成される。送水ポン
プ1における固定速ポンプの運転台数と各バルブ6、7、8の開度により、送水管2における送水量が調整できるようになっている。
また、送水管2には、各バルブ6、7、8を通過する浄水の流量を計測する、流量計17、18、19が設置されている。また、バルブ6、7、8の開度は、後述の監視制御システム(図2参照)からの指令値である目標流量が計測流量に一致するよう制御されるようになっている。
各配水池3、4、5に貯留された浄水は、配水管11、12、13を経て需要家に配られる。各配水池3、4、5には、その水位を計測するセンサ14、15、16が設置されている。ここで計測された水位の情報は、広域ネットワーク(図2参照)を通じて、監視制御システム(図2参照)に取り込まれる構成となっている。勿論、この図1で示す系統図はあくまで一例であり、配水池や送水ポンプの設置数は図1の例と異なるとしてもよい。
上述した水道システム10に関して、送水管流量や送水ポンプの運転計画といった運用計画を生成するのが本実施形態の水運用計画システム2000である。図2に、本実施形態の水運用計画システム200の全体構成例を示す。
この水運用計画システム2000は、水道システム10の送水ポンプ1の運転やバルブ6〜8の制御、配水池3〜5の水位計測を行う監視制御システム211と、LAN210で接続されている。この監視制御システム211は、広域ネットワーク212とも接続している。監視制御システム211は、この広域ネットワーク212を通じて、センサ14〜16から水位情報を受信し、また、送水ポンプ1やバルブ6〜8へ制御信号を出力する。
本実施形態の水運用計画システム2000は、ハードウエアとしては通信機能を備えた一般的なコンピュータとして構成されている。すなわち、CPU等の演算装置であるプロセッサ200、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の記憶デバイスであるメモリ201、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスを含むデータ入力手段202、表示モニタ、プリンタ等の出力デバイスを含む出力手段205、及び、ネットワークインターフェースカード等の通信モジュールなどを含む通信手段209を備える。
このうちプロセッサ200は、メモリ201に格納されているデータ及びプログラムを用いて水運用計画システム2000の機能を実現する。メモリ201には、演算処理に利用されるデータを格納している需要量データベース206、気象情報データベース207、および設備情報データベース208と、プロセッサ200によって実行されるプログラムである需要予測手段203、運用計画立案手段204が備えられている。
なお、水運用計画の計画立案者は、上述のデータ入力手段202を用いて、運用計画(ポンプ運転計画)の策定対象となる時間帯(例えば、翌日の0時から24時)や、ポンプ運転計画の時間刻み(例えば、30分ごと、1時間ごとなど)、水需要の予測期間(翌日の0時から24時までなど)や予測周期(例えば、15分ごと、1時間ごとなど)、デマンドレスポンス(以下、DR)の要請有無や、DR時間帯(例えば、17時から19時など)を指定する。
また、上述の需要量データベース206は、配水池3、4、5からの過去の配水量を示す履歴データを記憶しているデータベースである。そのデータ構成は、図3にて例示するように、過去の年月日をキーに、当該年月日における各時刻の配水量を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、上述の気象情報データベース207は、過去の気象データ(例えば、ある日時の天気、最高気温、最低気温、平均気温、湿度など)を示す履歴を記憶しているデータベースである。そのデータ構成は、図4にて例示するように、過去の年月をキーに、当該年月における各日の気象データを対応付けたレコードの集合体となっている。
また、上述の設備情報データベース208は、上述の水道システム10における各配水池3〜5の運用上下限水位、配水池断面積、導水管、送水管2、配水管11〜13の流量の上下限、送水ポンプ1の性能情報(定格電力、定格流量、揚程、ポンプ動作時の流量、消費電力など)といった各項目に関する情報が格納されたデータベースである。そのデータ構成の具体例は、図5にて例示するとおりである。
続いて、本実施形態の水運用計画システム2000が備える需要予測手段203および運用計画立案手段204について説明する。
このうち需要予測手段203は、データ入力手段202で得た入力情報、需要量データベース206、および、気象情報データベース207に格納されている各情報を用いて、指定期間の各配水池3〜5からの配水量時系列を予測する処理を行う。この水需要量予測の処理には、パターンマッチング法、重回帰法、ニューラルネットワーク法など既知の予測手法を用いることができる。
また、運用計画立案手段204は、上述の需要予測手段203が予測した予測需要量時系列、設備情報データベース208に格納されている各配水池3〜5の運用上下限水位情報、送水ポンプ1の消費電力情報、通信手段210を経て監視制御システム211から得た水道システム10の配水池3〜5の最新水位、送水ポンプ1の運転台数の情報、データ入力手段202から得た運転計画立案対象の時間帯や送水ポンプ1の運転計画の刻みの情報を用いて、将来の運用計画値(送水管流量や送水ポンプの運転台数の計画値)を算出するものである。
ここで運用計画立案手段204について更に詳細に説明する。図6に、本実施形態における運用計画立案手段204の詳細構成を示す。
図6で例示するように、本実施形態の運用計画立案手段204は、運用モード選択手段61、通常運用計画立案手段62、およびDR時運用計画策定手段63を少なくとも備えている。
このうち通常運用計画立案手段62は、DR要請がない通常時の運用計画を策定するものである。当該通常運用計画立案手段62は、次の計画問題を解くことで、送水管2の各部位の目標流量を算出する。
具体的には、以下の数2から数6の制約を満たしつつ、数1の値が最小となるようポンプ運転計画xと流量目標u_total,u3,u4,u5の計画値を算出する。これは、水位や流量制約を満たしつつ、各送水量の変動が少なくなる(すなわち、ポンプ運転台数やバルブ開度の変動が小さくなる)運用計画を算出するものである。ここでトータル流量u_totalを離散値とするのは、なるべく効率良い流量領域でポンプを運転し、省エネを実現するためである。
−−通常時運用計画問題−−

−−制約条件式−−

Li(t+1)=Li(t)+k・(ui(t)−Di(t))――――――(数2)
(i=3,4,5)

u_total(t)=u3(t)+u4(t)+u5(t)―――――――(数3)

u_total(t)=u0・x(t) ――――――――――――――――(数4)

Li_min≦Li(t)≦Li_max ―――――――――――――――(数5)

ui_min≦ui(t)≦ui_max ―――――――――――――――(数6)

ここに、t:時刻(0時から24時の1時間おきの時間)、P:目的関数値、u_total(t):時刻tのトータル送水量(離散変数)、ui(t):時刻tの配水池i向けの送水量(連続変数)、Di(t):時刻tの配水池iの配水量(需要量)、Li(t):時刻tの配水池iの水位(Li(0)は初期水位)、k、k3、k4、k5、u0:定数、x(t):時刻tのポンプ運転台数(0,1,2,3のいずれかの値をとる)、Li_min:配水池iの運用下限水位、Li_max:配水池iの運用上限水位、ui_min:配水池i向け送水流量下限(通常は0)、ui_max:配水池i向けの送水流量上限である。
一方、DR時運用計画立案手段63は、DR要請を受けた時、DR時間帯の運用計画を策定するものである。当該DR時運用計画立案手段63が解く計画問題は以下のようになる。
すなわち、当該DR時運用計画立案手段63は、数8から数12の制約を満たしつつ、数7の目的関数を最小にする、流量目標u_total,u3,u4,u5の計画値を算出する。ここで、時刻はDR時間帯(時刻t1から時刻t2)とし、その時間帯の各時刻の電力E(t)の最大値と流量変動項の和で目的関数を与えている。
これにより流量変動を抑えつつDR時間帯の最大電力を最小化する計画値を得えることができる。これによりDRによって獲得するインセンティブを最大化できる。ここでは、トータル流量も連続変数として与えて、電力を極力最小化できるようにしている。
−−DR時運用計画問題−−

−−制約条件式−−

E(t)=k2・u_total(t) ――――――――――――――――(数8)

Li(t+1)=Li(t)+k・(ui(t)−Di(t))――――――(数9)(i=3,4,5)

u_total(t)=u3(t)+u4(t)+u5(t)――――――(数10)

Li_min≦Li(t)≦Li_max ――――――――――――――(数11)

ui_min≦ui(t)≦ui_max ――――――――――――――(数12)
ここに、t:時刻(DR開始時刻t1時からDR終了時刻t2時までの1時間おきの時間)、P:目的関数値、E(t):時刻tのポンプ消費電力、u_total(t):時刻tのトータル送水量(連続変数)、ui(t):時刻tの配水池i向けの送水量(連続変数)、Di(t):時刻tの配水池iの配水量(需要量)、Li(t):時刻tの配水池iの水位(Li(0)は初期水位)、k、k1、k2、k3、k4、k5、u0:定数(k1は0でも良い)、Li_min:配水池iの運用下限水位、Li_max:配水池iの運用上限水位、ui_min:配水池i向け送水流量下限(通常は0)、ui_max:配水池i向けの送水流量上限である。
上述のDR時運用計画問題では、DR時間帯で流量は一定であるとして、問題を簡素化して高速解法することもできる。この場合の計画問題は以下となる。すなわち、当該DR時運用計画立案手段63は、目的関数はDR時間帯の消費電力であり、これを最小にする流量目標u_total,u30,u40,u50の計画値を算出する。
この方法では、決定変数の数を大幅に削減できるので解法を高速化できる。但し、近似解になるという欠点はある。
−−DR時運用計画問題2−−

P=E=k2・u_total0 ―――――――――――――――――(数13)

−−制約条件式−−

Li(t+1)=Li(t)+k・(ui0−Di(t) ―――――――(数14)(i=3,4,5)

u_total0=u30+u40+u50 ―――――――――――――(数15)

Li_min≦Li(t)≦Li_max ――――――――――――――(数16)

ui_min≦ui0≦ui_max ――――――――――――――――(数17)
ここに、t:時刻(DR開始時刻t1時からDR終了時刻t2時までの1時間おきの時間)、P:目的関数値、E:DR時間帯のポンプ消費電力、u_total0:DR時間帯のトータル送水量(連続変数)、ui0:DR時間帯の配水池i向けの送水量(連続変数)、Di(t):時刻tの配水池iの配水量(需要量)、Li(t):時刻tの配水池iの水位(Li(0)は初期水位)、k、k2、u0:定数、Li_min:配水池iの運用下限水位、Li_max:配水池iの運用上限水位、ui_min:配水池i向け送水流量下限(通常は0)、ui_max:配水池i向けの送水流量上限である。
上述した2つのDR対応の計画問題は、数7を評価関数とする問題の解法が長時間になる場合、その解法時間を計測して、それが所定値を超えた場合、自動的に数13を評価関数にする計画問題に切り替えるようにしても良い。
また、運転モード選択手段61は、DR要請の有無やDR要請ありの場合のDR時間帯などの情報に基づいて、運用計画立案手段62、63を適宜に組み合わせて最終的な計画案を導くものである。
例えば、DR要請がない場合は、通常運用計画立案手段62を選択使用して通常時運用計画問題だけを解いて求めたポンプ運転台数や流量目標の計画値を最終出力とする。一方、DR要請があった場合は、まず、現時点からDR開始までは通常運転計画立案手段62により運用計画を策定し、次にDR時間帯でDR時運用計画立案手段63により運用計画を策定し、最後にDR終了後の時間帯の運用計画を通常運転計画立案手段62により策定するようにする。各運用計画立案手段62、63による運用計画立案には、初期水位の情報が必要であり、この情報を受け渡しながら計画を順次立案してゆくことになる。これらの動作の詳細を図7から図9、および図16に基づいて説明する。
図7は、本実施形態の水運用計画方法のフロー例1であり、具体的には、運用計画立案手段204をブログラムで動作させた場合のフローチャートである。なお、説明の簡明化のため、当該フローを含め、各フローの実行主体は水運用計画システム2000として説明する。
当該フローにおいて、水運用計画システム2000は、ステップ901において、初期水位、ポンプ運転台数、計画立案範囲、DR要請有無、DR時間帯、需要データ、および設備データ等の入力データを、データ入力手段202から得てメモリ201に読み込む。
次に、水運用計画システム2000は、ステップ902において、上述した需要予測手段203により、配水池3〜5ごとに配水量(需要量)予測を行う。
次に、水運用計画システム2000は、ステップ903において、ステップ901で得ている入力データに基づき、DR要請の有無を判定する。
この判定の結果、DR要請無しであることが判明した場合(ステップ903:N)、水運用計画システム2000は、ステップ904に処理を遷移させ、通常運用計画立案手段62による運用計画立案の処理を実行する。またこれに続き、水運用計画システム2000は、ステップ906において、ステップ904で立案した運用計画を出力手段205に表示し、当該フローを終了する。上述のように立案した、通常時の運用計画策定例を図8に示す。ここには、ポンプ運転計画値を示していないが、この計画値は、トータル送水量71と相似の波形になる。また、当該運用計画は、各配水池への送水量72〜74、各配水池の水位76〜78、および、送水ポンプ1の電力消費量75(図1の場合、3台分)、を含んでいる。
他方、上述のステップ903において、DR要請ありと判定した場合(ステップ903:Y)、水運用計画システム2000は、ステップ905の処理に遷移する。
ここでは、前述の通り、水運用計画システム2000は、通常運転計画立案手段62およびDR時運用計画立案手段63を利用し、現時点以降の運用計画を算出する。この運用計画の一例を図9に示す。
図9で例示する運用計画においては、現時点(DR要請時)が16時で、DR要請時間
帯が17時から19時となっている。また、16時以降のDR時間帯以外では通常運用計画立案手段62により、DR時間帯ではDR時運用計画立案手段63により運用計画が立案されている。DR時間帯の17時〜19時でトータル送水量81、トータル電力消費電力85が小さくなっており、この時間帯で電力が削減できているのがわかる。
なお、水運用計画システム2000のDR時運用計画立案手段63は、トータル送水量を図16のトータル送水量・ポンプ運転台数換算テーブル1600に適用することで、DR時間帯のポンプ運転台数を算出するものとする。
こうして水運用計画システム2000によって算出された送水管2の目標送水量、ポンプ運転台数の計画値、すなわち水運用計画の情報が、監視制御システム211に入力され、この水運用計画の情報に基づいた、送水管2のバルブ6〜8の開度や送水ポンプ1におけるポンプ運転台数が当該監視制御システム211により制御される。
本実施形態の水運用計画システム2000は、上述した運用計画立案手段204の形態に加え、図10のごとく、水位一定運用計画立案手段102を備える構成を採用することも出来る。こうした形態に関して、図10から図16に基づいて説明する。
この形態における水位一定運用計画立案手段102は、配水池3〜5の水位が所定の上限付近にほぼ一定に保たれるよう計画を立案する(あるいは、流量調整のバルブ6〜8を制御する)ものである。具体的には、運用計画立案者が定めた水位目標とセンサ14〜16による計測水位の差が0になるよう流量調整用のバルブ6〜8をPID制御則などによって制御するものである。
PID制御則としては、以下の一般式を用いることができる。具体的には、水位一定運用計画立案手段102は、以下の数18から数20を用いて、流量調整バルブの流量目標ui(t)を算出できる。水位一定運用計画立案手段102は、これらの式と数2を用いて流量や水位変化をシミュレーションできる。なお、ポンプ運転台数は、トータル送水量の目標(u3(t)+u4(t)+u5(t))と図16の換算テーブルを用いて算出できる。

e(t)=Li0−Li(t) (i=3,4,5) ―――――――――(数18)

ui(t)=ui(t−1)+Δui(t) ―――――――――――――(数19)

Δui(t)=kc[(e(t)−e(t−1))+1/T・(e(t)+e(t−1))/2+Td(e(t)−2e(t−1)+e(t−2)) ―――――(数20)
ここに、Li0:目標水位、Li(t):時刻tの配水池iの水位、ui(t):時刻tの配水池i向けの送水量(流量目標)、kc、T、Td:定数、Δui(t):流量変化を表す変数である。
ここでの運用モード選択手段101は、3つの運用計画立案手段、すなわち通常運用計画立案手段62、水位一定運用計画立案手段102、およびDR時運用計画立案手段63を適宜に組み合わせ、状況に応じた適切な運用計画を策定する。この処理の詳細を図11のフローチャートに基づいて説明する。
この場合、水運用計画システム2000は、ステップ1501において、図7のフローにて示したステップ901で得る入力情報のほか、電力需給の逼迫判定に必要となる、当
該水道システム10に電力供給を行っている電気事業者での、前日、1週間前の最大電力(例:当該水道システム10の所在地域全体での最大消費電力)、当日から1週間前の気象情報(最高気温、最低気温、最小湿度、天気)、週末フラグ(土曜日、日祝日)の各情報を、データ入力手段202から得て、これをメモリ201に読み込む。
続いて、水運用計画システム2000は、ステップ1502において、上述した需要予測手段203により配水量(需要量)の予測を行う。
また、水運用計画システム2000は、ステップ1503において、電力の需給逼迫の可能性があるか判定する。ここでは、上述のステップ901で得ている、電力需給逼迫判定に必要となる、前日、1週間前の最大電力、当日から1週間前の気象情報(最高気温、最低気温、最小湿度、天気)、および週末フラグ(土曜日、日祝日)の各情報と、重回帰手法やニューラルネット等のアルゴリズムを用い、(例えば、当該水道システム10の所在地域での)電力の最大需要量を予測し、その値が所定値以上である場合に需給逼迫と予測する。
上述の予測の結果、電力の需給逼迫が予想される場合(ステップ1503:Y)、水運用計画システム2000は、配水池3〜5の水位を上限一定に保ちDRに備える(ステップ15031)。
次に、水運用計画システム2000は、ステップ1504において、上述のステップ1503、15031の以降、現時点までにDR要請を受けた否か判定する。DR要請有無の情報は、データ入力手段202から与えられるとしてもよいし、監視制御システム211から得るとしてもよい。
上述の判定の結果、DR要請がないことが判明した場合(ステップ1504:N)、水運用計画システム2000は、ステップ1505に進む。水運用計画システム2000は、このステップ1505において、水位一定運用計画立案手段102による運用計画立案を行う。
図12に、水位一定運用計画立案手段102により生成した運用計画の一例を示す。この運用計画において、各配水池3〜5の配水量(需要量)を満足するような送水が行われ、その水位は上限付近に保たれている。この場合の運用計画は、トータル送水量111、各配水池への送水量112〜114、各配水池の水位116〜118、および、送水ポンプ1の電力消費量115(図1の場合、3台分)、を含んでいる。
他方、上述の判定の結果、DR要請のあることが判明した場合(ステップ1504:Y)、水運用計画システム2000は、ステップ1506に進む。
水運用計画システム2000は、当該ステップ1506において、DR時運用計画立案手段63を用いて、DR対応の運用計画を生成する。ここで生成したDR対応の運用計画の例を図13において、破線にて示す。なお、この運用計画において、現時点(DR要請があった時)を16時、DR時間帯を17時から19時としている。
このケースでは、既に上述のステップ1503で需給逼迫と判定されているため、ベース運用として、各配水池3〜5の水位を上限に向けて維持すべく水位一定運用(図中の(3)の時間帯)が実施されている。その結果、DR開始時点の17時の時点で、各配水池3〜5の水位116〜118が上限付近で十分高くなっている。そのため、DR時間帯の17時〜19時の間で、各配水池3〜5への送水量142〜144のように0としても、当該配水池3〜5の各水位146〜148は下限を割っていない。
このように水位一定運用をDR時間帯の前に設定することで、DR時間帯での電力消費量145を0にできる。その結果、当該水道システム10の運用組織は、DR要請を行ってきた電気事業者から、相応のインセンティブを受け取ることができる。
なお、こうした図13の運用計画のケースと異なり、図9の運用計画例では、DR開始時点の17時で配水池3〜5の各水位が下限近くまで低下している。そのため、各配水池3〜5への送水量82〜84は0にできていない。
他方、上述の予測の結果、電力の需給逼迫が予想されない場合(ステップ1503:N)、水運用計画システム2000は、ステップ1508に移る。
水運用計画システム2000は、当該ステップ1508において、上述のステップ1503以降、現時点までにDR要請を受けた否か判定する。DR要請有無の情報は、データ入力手段202から与えられるとしてもよいし、監視制御システム211から得るとしてもよい。
上述の判定の結果、DR要請がないことが判明した場合(ステップ1508:N)、水運用計画システム2000は、ステップ1509に進む。水運用計画システム2000は、このステップ1509において、通常運用計画立案手段62による運用計画立案を行う。その結果は、前述の図8にて示した運用計画の通りである。このケースでは、需給逼迫なし、DR要請なしなのでのモードでの計画立案になる。
他方、上述の判定の結果、DR要請があることが判定した場合(ステップ1508:Y)、水運用計画システム2000は、ステップ1510において、現時点が、DR開始予定の所定時間以上前(例えば5時間以上前)であるか判定する。なお、この判定の基準となる「所定時間」としては、例えば、配水池3〜5の各水位を上限付近(例:上限の8割など)まで回復させるために必要な時間、を想定出来る。この時間は、例えば、各配水池3〜5の水位を、現水位から水位上限までアップさせる場合の水の体積を、送水ポンプ1および送水管2の仕様に基づく定格流量(時間当たりの送水量)で除算して算定出来る。
上述の判定の結果、現時点がDR開始予定時刻の所定時間以上前であることが判明した場合(ステップ1510:Y)、水運用計画システム2000は、ステップ1511において、通常運用計画立案手段62、水位一定運用計画立案手段102、およびDR対応運用計画立案手段63を組み合わせて運用計画の立案処理を実行する。
この場合、DR開始予定時刻の到来まで、水位一定運用によって配水池3〜5の各水位を回復する余裕時間が残されているため、通常運用→水位一定運用→DR対応運用の順に運用計画を立案することとなる。
こうして生成した運用計画の一例を、図14において破線にて示す。なお、この運用計画において、DR要請を受けた現時点が現在日の17時、DR時間帯は翌日の17時から19時としている。つまり1日先の日時に関してDR要請があったことになる。
この場合、水運用計画システム2000は、現在日の0時から12時の時間帯について通常運用計画立案手段62により運用計画を立案し、その後、12時(DR開始の5時間前)から翌日の17時の時間帯について水位一定運用計画立案手段102により運用計画を立案し、翌日17時から19時の時間帯についてDR対応運用計画立案手段63により運用計画を立案する。また、水運用計画システム2000は、その後、速やかに水位回復するためDR時間帯の終わる19時から水位一定運用計画立案手段102により運用計画
を立案し、この運用計画による水位回復後、通常運用計画立案手段62による運用計画、すなわち通常運用に移行している。
この例でもDR開始時の17時における配水池3〜5の各水位126〜128は、上限付近であって十分に高い。そのためDR時間帯の17時〜19時において、送水量121〜124および電力消費量125を0にできている。また、DR終了後の水位一定運用で速やかに水位回復を図れている。
他方、上述の判定の結果、現時点がDR開始予定時刻の所定時間以上前でないことが判明した場合(ステップ1510:N)、水運用計画システム2000は、ステップ1512において、現時点からDR時間帯開始までについて水位一定運用計画立案手段102による運用計画の立案を行い、その後のDR時間帯についてはDR時運用計画立案手段63による運用計画の立案、更にDR時間帯の終了後については水位回復を図るべく水位一定運用計画立案手段102による運用計画の立案を行う。
こうして得た運用計画の例を、図15において破線で示す。このケースでは、現時点(DR要請を受けた時点)が16時、DR時間帯が17時から19時である。この運用計画では、DR要請を受けた16時からDR時間帯開始の17時までの間、配水池3〜5の各水位86〜88を出来る高めるべく、送水量131〜134を増大させる水位一定運用を行い、その後に到来するDR時間帯の17時から19時までの間はDR対応運用、このDR時間帯の終了後は水位一定運用を行って配水池3〜5の各水位を回復させ、そののち通常運用に移行している。
このように、DR時間帯開始まで猶予時間が少ないケースでも、直前期の水位一定運用によって配水池3〜5の各水位を相応に回復させたため、DR時間帯における送水量131〜134および電力消費量135を0に維持できている。
以上、本実施形態においては、状況に応じて適切に運用モードを選択することで、DR時間帯の電力削減を効果的に実施することができる。そのため、多くのインセンティブを獲得できることとなる。
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。こうした本実施形態によれば、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の水運用計画システムにおいて、前記記憶装置は、前記アルゴリズムとして、前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成する第1のアルゴリズムを保持するものであり、前記演算装置は、前記外部環境の情報が、前記ピーク電力の抑制に影響を与えうるものである場合に、前記第1のアルゴリズムを用いて前記将来の運用計画を生成するものである、としてもよい。
これによれば、ピーク電力抑制、すなわちデマンドレスポンスの要請を電気事業者から受けた状況に対応し、水道システムにおける消費電力を適宜なものとする運用計画を策定可能となる。ひいては、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
また、本実施形態の水運用計画システムにおいて、前記記憶装置は、前記アルゴリズムとして、前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成
する第1のアルゴリズムと、前記水道システムでの前記浄水の流量変動を抑制する運用計画を作成する第2のアルゴリズムとを保持するものであり、前記演算装置は、前記外部環境の情報が、前記ピーク電力の抑制と前記流量変動の抑制の少なくともいずれかに影響を与えうるものである場合に、当該影響の有無に応じて前記第1または前記第2の各アルゴリズムの少なくともいずれかを用いて前記将来の運用計画を生成するものである、としてもよい。
これによれば、ピーク電力抑制すなわちデマンドレスポンスの要請を電気事業者から受けた状況、および、通常運用時の状況の双方に対応し、水道システムにおける消費電力を適宜なものとする運用計画を策定可能となる。ひいては、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
また、本実施形態の水運用計画システムにおいて、前記記憶装置は、前記アルゴリズムとして、前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成する第1のアルゴリズムと、前記水道システムでの前記浄水の流量変動を抑制する運用計画を作成する第2のアルゴリズムと、前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成する第3のアルゴリズムとを保持するものであり、前記演算装置は、前記外部環境の情報が、前記ピーク電力の抑制と前記流量変動の抑制と前記配水池の水位の少なくともいずれかに影響を与えうるものである場合に、当該影響の有無に応じて前記第1、前記第2、および前記第3の各アルゴリズムの少なくともいずれかを用いて前記将来の運用計画を生成するものである、としてもよい。
これによれば、ピーク電力抑制すなわちデマンドレスポンスの要請を電気事業者から受けた状況、通常運用時の状況、および、デマンドレスポンス開始までの猶予時間が少ない状況などのいずれにも対応し、水道システムにおける消費電力を適宜なものとする運用計画を策定可能となる。ひいては、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
また、本実施形態の水運用計画システムにおいて、前記演算装置は、前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、前記水道システムに電力を供給する電気事業者における電力需給の逼迫状況の情報に基づき、将来の所定時間帯ごとに前記アルゴリズムを選択して将来の運用計画を生成するものである、としてもよい。
これによれば、電力需要の逼迫有無に応じて、後に予想されるデマンドレスポンスの要請に備え、前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を策定可能となる。ひいては、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
また、本実施形態の水運用計画システムにおいて、前記演算装置は、前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、前記水道システムに電力を供給する電気事業者からのデマンドレスポンス要請の有無情報に基づき、将来の所定時間帯ごとに前記アルゴリズムを選択して将来の運用計画を生成するものである、としてもよい。
これによれば、デマンドレスポンスの要請有無に応じ、水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成する第1のアルゴリズムと、水道システムでの前記浄水の流量変動を抑制する運用計画を作成する第2のアルゴリズムと、配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成する第3のアルゴリズムとを、選択的に使用し運用計画を策定可能となる。ひいては、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
また、本実施形態の水運用計画システムにおいて、前記演算装置は、前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、前記水道システムに電力を供給する電気事業者からのデマンドレスポンス要請の受付時からデマンドレスポンス開始予定時までの時間に関する情報に基づき、将来の所定時間帯ごとに前記アルゴリズムを選択して将来の運用計画を生成するものである、としてもよい。
これによれば、ピーク電力抑制すなわちデマンドレスポンスの要請を電気事業者から受けた際、そのデマンドレスポンス開始までの猶予時間の多少に応じて、水道システムにおける消費電力を適宜なものとする運用計画を策定可能となる。ひいては、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
また、本実施形態の水運用計画システムにおいて、前記演算装置は、前記アルゴリズムを用いることにより、前記配水池から各配水区に配る浄水の将来需要を予測し、将来の所定の時間帯における所定時間ごとの送水量を決定変数、前記所定の時間帯における所定時間ごとの各送水ポンプの消費電力の総和の最大値を目的関数とし、前記各配水区の将来需要の予測値と前記送水量とから計算される各配水池の水位予測値が所定の運用上下限に入るという制約条件を設けて、数理計画法を用いて前記目的関数を最小化する運用計画問題を解くことで前記所定の時間帯における送水量計画値を決定し、当該送水量計画値に基づき送水ポンプの運転台数を決定するものである、としてもよい。
これによれば、運用計画生成を、数理計画法を用いて効率的かつ精度良好に行うことが可能となる。ひいては、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
また、本実施形態の水運用計画システムにおいて、前記演算装置は、送水量とポンプ消費電力の対応関係を規定した所定のテーブルに、前記決定した送水量計画値を適用して前記送水ポンプの運転台数を決定するものである、としてもよい。
これによれば、運用計画生成を、数理計画法を用いて更に効率的かつ精度良好に行うことが可能となる。ひいては、所定の環境変化に応じた運用計画を決定し、デマンドレスポンスに対して効果的に電力需要を調整可能となる。
また、本実施形態の水運用計画方法において、前記情報処理システムが、前記記憶装置において、前記アルゴリズムとして、前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成する第1のアルゴリズムを保持し、前記外部環境の情報が、前記ピーク電力の抑制に影響を与えうるものである場合に、前記第1のアルゴリズムを用いて前記将来の運用計画を生成する、としてもよい。
また、本実施形態の水運用計画方法において、前記情報処理システムが、前記記憶装置において、前記アルゴリズムとして、前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成する第1のアルゴリズムと、前記水道システムでの前記浄水の流量変動を抑制する運用計画を作成する第2のアルゴリズムとを保持し、前記外部環境の情報が、前記ピーク電力の抑制と前記流量変動の抑制の少なくともいずれかに影響を与えうるものである場合に、当該影響の有無に応じて前記第1または前記第2の各アルゴリズムの少なくともいずれかを用いて前記将来の運用計画を生成する、としてもよい。
また、本実施形態の水運用計画方法において、前記情報処理システムが、前記記憶装置において、前記アルゴリズムとして、前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成する第1のアルゴリズムと、前記水道システムでの前記浄水
の流量変動を抑制する運用計画を作成する第2のアルゴリズムと、前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成する第3のアルゴリズムとを保持し、前記外部環境の情報が、前記ピーク電力の抑制と前記流量変動の抑制と前記配水池の水位の少なくともいずれかに影響を与えうるものである場合に、当該影響の有無に応じて前記第1、前記第2、および前記第3の各アルゴリズムの少なくともいずれかを用いて前記将来の運用計画を生成する、としてもよい。
また、本実施形態の水運用計画方法において、前記情報処理システムが、前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、前記水道システムに電力を供給する電気事業者における電力需給の逼迫状況の情報に基づき、将来の所定時間帯ごとに前記アルゴリズムを選択して将来の運用計画を生成する、としてもよい。
また、本実施形態の水運用計画方法において、前記情報処理システムが、前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、前記水道システムに電力を供給する電気事業者からのデマンドレスポンス要請の有無情報に基づき、将来の所定時間帯ごとに前記アルゴリズムを選択して将来の運用計画を生成する、としてもよい。
また、本実施形態の水運用計画方法において、前記情報処理システムが、前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、前記水道システムに電力を供給する電気事業者からのデマンドレスポンス要請の受付時からデマンドレスポンス開始予定時までの時間に関する情報に基づき、将来の所定時間帯ごとに前記アルゴリズムを選択して将来の運用計画を生成する、としてもよい。
また、本実施形態の水運用計画方法において、前記情報処理システムが、前記アルゴリズムを用いることにより、前記配水池から各配水区に配る浄水の将来需要を予測し、将来の所定の時間帯における所定時間ごとの送水量を決定変数、前記所定の時間帯における所定時間ごとの各送水ポンプの消費電力の総和の最大値を目的関数とし、前記各配水区の将来需要の予測値と前記送水量とから計算される各配水池の水位予測値が所定の運用上下限に入るという制約条件を設けて、数理計画法を用いて前記目的関数を最小化する運用計画問題を解くことで前記所定の時間帯における送水量計画値を決定し、当該送水量計画値に基づき送水ポンプの運転台数を決定する、としてもよい。
また、本実施形態の水運用計画方法において、前記情報処理システムが、送水量とポンプ消費電力の対応関係を規定した所定のテーブルに、前記決定した送水量計画値を適用して前記送水ポンプの運転台数を決定する、としてもよい。
1 送水ポンプ
2 送水管
3〜5 配水池
6〜8 バルブ
10 水道システム
11〜13 配水管
14〜16 センサ
17〜19 流量計
62 通常運用計画立案手段
63 DR時運用計画立案手段
101 運用モード選択手段
102 水位一定運用計画立案手段
200 プロセッサ
201 メモリ(記憶装置)
202 データ入力手段
203 需要予測手段
204 運用計画立案手段(アルゴリズム)
205 出力手段
206 需要量データベース
207 気象情報データベース
208 設備情報データベース
290 通信手段
210 LAN
211 監視制御システム
212 広域ネットワーク
1600 トータル送水量・ポンプ運転台数換算テーブル
2000 水運用計画システム

Claims (8)

  1. 送水ポンプにより配水池に浄水を送水する水道システムに関して、前記送水ポンプによる前記配水池への送水量または前記送水ポンプの運転台数、の運用計画を生成する複数のアルゴリズムを保持する記憶装置と、
    前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、当該運用計画の策定対象となる時間帯、および前記水道システムに電力を供給する電気事業者からのデマンドレスポンス要請に関する情報に基づき、前記デマンドレスポンス要請があった場合、前記デマンドレスポンス要請に関する情報が示す、前記デマンドレスポンス要請の受付時からデマンドレスポンスの開始予定時までの猶予時間が所定基準時間以上であるか判定し、前記判定の結果、前記猶予時間が前記基準時間以上であった場合、前記策定対象となる時間帯のうち、当該時間帯の開始時刻から、前記デマンドレスポンスの開始予定時よりも前記基準時間だけ遡った所定時刻までの時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記水道システムでの通常時の運用計画策定に利用しているアルゴリズムを使用し、前記所定時刻から前記デマンドレスポンスの開始予定時までの時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成するアルゴリズムを使用し、前記デマンドレスポンスの対象時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成するアルゴリズムを使用し、前記策定対象となる時間帯に関する運用計画を生成する演算装置と、
    を含むことを特徴とする水運用計画システム。
  2. 前記演算装置は、
    前記判定の結果、前記猶予時間が前記基準時間より短い場合、前記策定対象となる時間帯のうち、当該時間帯の開始時刻から、前記デマンドレスポンスの開始予定時までの時間帯について、前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成するアルゴリズムを使用するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の水運用計画システム。
  3. 前記演算装置は、
    前記アルゴリズムを用いることにより、
    前記配水池から各配水区に配る浄水の将来需要を予測し、将来の所定の時間帯における所定時間ごとの送水量を決定変数、前記所定の時間帯における所定時間ごとの各送水ポンプの消費電力の総和の最大値を目的関数とし、前記各配水区の将来需要の予測値と前記送水量とから計算される各配水池の水位予測値が所定の運用上下限に入るという制約条件を設けて、数理計画法を用いて前記目的関数を最小化する運用計画問題を解くことで前記所定の時間帯における送水量計画値を決定し、当該送水量計画値に基づき送水ポンプの運転台数を決定するものである、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の水運用計画システム。
  4. 前記演算装置は、
    送水量とポンプ運転台数の対応関係を規定した所定のテーブルに、前記決定した送水量計画値を適用して前記送水ポンプの運転台数を決定するものである、
    ことを特徴とする請求項記載の水運用計画システム。
  5. 送水ポンプにより配水池に浄水を送水する水道システムに関して、前記送水ポンプによる前記配水池への送水量または前記送水ポンプの運転台数、の運用計画を生成する複数のアルゴリズムを保持する記憶装置を備えた情報処理システムが、
    前記運用計画に影響を与えうる外部環境の情報である、当該運用計画の策定対象となる時間帯、および前記水道システムに電力を供給する電気事業者からのデマンドレスポンス要請に関する情報に基づき、前記デマンドレスポンス要請があった場合、前記デマンドレスポンス要請に関する情報が示す、前記デマンドレスポンス要請の受付時からデマンドレスポンスの開始予定時までの猶予時間が所定基準時間以上であるか判定し、前記判定の結果、前記猶予時間が前記基準時間以上であった場合、前記策定対象となる時間帯のうち、当該時間帯の開始時刻から、前記デマンドレスポンスの開始予定時よりも前記基準時間だけ遡った所定時刻までの時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記水道システムでの通常時の運用計画策定に利用しているアルゴリズムを使用し、前記所定時刻から前記デマンドレスポンスの開始予定時までの時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成するアルゴリズムを使用し、前記デマンドレスポンスの対象時間帯について、前記複数のアルゴリズムのうち前記水道システムで消費する所定時間帯のピーク電力を抑制する運用計画を生成するアルゴリズムを使用し、前記策定対象となる時間帯に関する運用計画を生成する、
    ことを特徴とする水運用計画方法。
  6. 前記情報処理システムが、
    前記判定の結果、前記猶予時間が前記基準時間より短い場合、前記策定対象となる時間帯のうち、当該時間帯の開始時刻から、前記デマンドレスポンスの開始予定時までの時間帯について、前記配水池における水位を所定基準に制御する運用計画を作成するアルゴリズムを使用する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の水運用計画方法。
  7. 前記情報処理システムが、
    前記アルゴリズムを用いることにより、
    前記配水池から各配水区に配る浄水の将来需要を予測し、将来の所定の時間帯における所定時間ごとの送水量を決定変数、前記所定の時間帯における所定時間ごとの各送水ポンプの消費電力の総和の最大値を目的関数とし、前記各配水区の将来需要の予測値と前記送水量とから計算される各配水池の水位予測値が所定の運用上下限に入るという制約条件を設けて、数理計画法を用いて前記目的関数を最小化する運用計画問題を解くことで前記所定の時間帯における送水量計画値を決定し、当該送水量計画値に基づき送水ポンプの運転台数を決定する、
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の水運用計画方法。
  8. 前記情報処理システムが、
    送水量とポンプ運転台数の対応関係を規定した所定のテーブルに、前記決定した送水量計画値を適用して前記送水ポンプの運転台数を決定する、
    ことを特徴とする請求項7記載の水運用計画方法。
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