JP2014067405A - ピークシフト送水計画方法、ピークシフト送水計画装置および貯蔵可能な資源の送出計画方法 - Google Patents

ピークシフト送水計画方法、ピークシフト送水計画装置および貯蔵可能な資源の送出計画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】節電要請に応えることができるピークシフト送水計画方法、ピークシフト送水計画装置および貯蔵可能な資源の送出計画方法を提供する。
【解決手段】1日の送水量を電力料金が最も安い時間帯である夜間時にピークが来るように計画する。このとき最安単価開始時刻と水需要のピークがほぼ等しくなるため、最低水位を下回らずデマンドを越えないようにピークシフトの送水量を決定する。その後水位を基準に最安単価終了時刻やその他の送水量を決定する。ただし、最大単価時間帯は送水しなければ水位を維持できない場合は送水を行う。
【選択図】図9

Description

開示の実施形態は、ピークシフト送水計画方法、ピークシフト送水計画装置および貯蔵可能な資源の送出計画方法に関する。
従来、浄水場において、送水ポンプを用い、浄水池から配水池への送水を行う上水道システムが知られている。かかる上水道システムにおける配水池への送水は、主に配水池の水位に基づいて計画される。
水道のあらまし,日本水道協会,p175,2008 第4回水道ビジョン検討会資料6,厚生労働省,p3,2007 日本経済新聞2012年6月28日,「10%節電で「悪影響」57% 省エネ投資が負担に九州・沖縄100社に聞く」 経済産業省,『「次世代エネルギー・社会システム実証」のマスタープランを公表』,2010年8月 横川勝也他: 水道広域化に対応する水運用最適化システム, 環境システム計測制御学会, Vol.8, No.2, pp.37−41 (2003) 堂上 悠介: 環境負荷を考慮する水運用計画支援システムの提案,環境システム計測制御学会, Vol.11, No.2, pp.111−114 (2006) 黒川 太: プラント運転計画参照型ファジィ制御を摘用した浄水場送水制御システム, 環境システム計測制御学会, Vol.2, No.4, pp.33−40 (1998)
しかしながら、従来の浄水場における送水計画方法には、昨今の節電要請に応えるうえで更なる改善の余地がある。すなわち、上述のように従来技術では、浄水池から配水池への送水は主に配水池の水位に基づいて計画されるものであったため、電力料金の高い時間帯に配水池への送水が行われる場合があった。このため、節電要請に応えるうえでは不十分であった。
なお、かかる課題は水に限らず、貯蔵可能な資源を、電力を用いて貯蔵庫へ送出する場合に共通する課題である。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、節電要請に応えることができるピークシフト送水計画方法、ピークシフト送水計画装置および貯蔵可能な資源の送出計画方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るピークシフト送水計画方法は、ピークシフト工程を含む。前記ピークシフト工程は、浄水池から配水池への送水における電力消費を、電力料金および前記配水池の水位に基づき、節電要請のある時間帯からシフトさせる。
実施形態の一態様によれば、節電要請に応えることができる。
The electricity fraction of water purifying plant The electrical power charge of the summer and the other seasons The temporal transition of the standard housing area The system flow of Water conveyance plan for Peak-shift The conveying flow of an intended water purifying plant The temporal transition of water demand, original water conveyance, and proposal water conveyance at the day that the most water is demanded in a day. The temporal transition of water demand, original water conveyance, and proposal water conveyance in the week in September 図8は、実施形態に係るピークシフト送水計画装置の概念図である。 図9は、実施形態に係るピークシフト送水計画装置のブロック図である。 図10Aは、電力料金テーブルの一例を示す図である。 図10Bは、最大送水時間帯の算出処理の説明図である。 図11は、時間帯情報の一例を示す図である。 図12は、ピークシフト送水計画装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。 図13は、第1の計画工程において実行される処理手順を示すフローチャートである。 図14Aは、図13の補足説明図(その1)である。 図14Bは、図13の補足説明図(その2)である。 図15は、第2の計画工程において実行される処理手順を示すフローチャートである。 図16Aは、図15の補足説明図(その1)である。 図16Bは、図15の補足説明図(その2)である。 図17Aは、日最大配水量日におけるシミュレーション結果を示す図(その1)である。 図17Bは、日最大配水量日におけるシミュレーション結果を示す図(その2)である。 図18Aは、夏季1週間を例としたシミュレーション結果を示す図(その1)である。 図18Bは、夏季1週間を例としたシミュレーション結果を示す図(その2)である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するピークシフト送水計画方法、ピークシフト送水計画装置および貯蔵可能な資源の送出計画方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下では、まず第1章〜第5章において本実施形態の概要について述べた後、第6章以降において本実施形態をより具体的に説明する。
1.はじめに
1.1 背景
水道事業は国内の電力消費量の0.9%を占めている(非特許文献1)。図1に水道事業における使用電力の割合を示す。図1を見ると、約9割がポンプで使用されており、省エネ効果が大きい(非特許文献2)。さらに東日本大震災を契機に一変した国内の電力事情により、省エネ・節電への社会的要請が強くなっている(非特許文献3)。その中で、電力の最適化を目指しダイナミックプライシングやデマンドレスポンス(非特許文献4)といった電力の逼迫の程度を電力料金に換算する制度があり、省エネ・節電がますます重要になってくる。
本発明では浄水場で使用電力の割合が高いポンプの中でも特に電力消費が多い送水ポンプに着目し、ピーク時の電力をシフトさせることで電力が逼迫する時間帯の消費を抑えて節電要請に対応するポンプの運転方法を検討した。配水池の水位条件を満たしつつ、ピークシフトが可能か検討し、実浄水場のデータを基に節電要請への効果度を論じる。
従来の送水計画は、切替台数や消費電力に着目してポンプの運転計画を立案していた。その手法については遺伝的アルゴリズム(非特許文献5)や多目的計画法(非特許文献6)を用いて計画を立案する方法がある。またファジィ制御を用いた送水計画(非特許文献7)でもピークカット時刻を設定し、送水制御を行う手法もある。
本発明では電力ピークとなる時刻をシフトさせることを目的とし、電力料金テーブルをベースに料金が最小となる送水計画を立案する。
1.2 目的
送水ポンプに着目したピークシフトによる節電を目的とし、つまり節電要請となる電力が逼迫する13時から16時のピーク時間に極力電力を消費しない運転を目指す。電力の逼迫具合が電力料金に比例するとし、電力料金を基に解析を行う。
2.電力料金について
2.1 電力料金について
電力料金については、北海道電力を除いた電力会社においても季別時間別料金を設けている。配水池がある浄水場では季別時間別料金を採用しているところが多い。時間帯別の料金の変化を図2に示す。全電力会社の時間帯別料金は大きく3つの価格帯に分かれており、最大と最小の差は平均して5〜6[円/kWh]となっている。
2.2 電力料金の分析
前節に示した時間別料金体系のとき、どのように運用すれば基本料金と電力料金が安くなるか解析する。年間最大日使用電力量の日にデマンドが決定されるため、年間最大日使用電力量の日について解析する。
1日の消費電力量が同じの場合、デマンドを低くするためには電力の波形が平坦になるようにピークカットをする必要がある。また、電力料金が高い時間帯に電力を使用することは電力逼迫時に使用することとなり、節電要請と相反する。以上の2点を踏まえると、電力料金単価が安いときに平均的に電力を使用すれば最も安価に電力を使用できる。
そこで以下の仮定で年間最大日使用電力量の日電気代が最安になる条件を算出した。1日の使用電力量は一定で、電力料金単価が等しい時間帯では電力は一定とすることでピークカットを行う。また、基本料金を1日当たりに換算し、評価する。
1ヶ月あたりの基本料金単価をα、電力料金単価をβ、料金単価βである時間をh・消費電力をpとする。基本料金を電力料金単価へ変換し直すことで、二つの料金体系を評価する。基本料金を変換したものは
Figure 2014067405
となる。βが最小であるi料金帯とある任意の料金帯jを比較した際、
Figure 2014067405
となる2つの時間帯のみで考える。仮に不等号が逆の場合は、電力料金が最小の時間帯ですべての電力を消費すればよいとなる。電気代を考えると
Figure 2014067405
の3通りが考えられる。Σpが一定とする。
よって、C’−C’’’を計算すると
Figure 2014067405
となり、C’>C’’’である。
よって、同様にC’’−C’’’について計算を行うとC’’>C’’’となり、2つの時間帯で同じ電力で運転が可能であれば、同一の電力で運転するのがよい。
では2つの時間帯で同じ電力にしたときの平均電力料金単価を考えると式(1)のβが平均したものと変わる。つまり同様のことを実施し、式(2)が成り立たない料金帯が出てきたとき、初めてその料金帯では電力を消費しないという結論が出される。
2.3 現在の電力会社の電力料金体系における解析
前節の解析を踏まえて、現在の電力会社の料金体系について解析する。電力会社の高圧受電、特高受電の料金体系の平均を(表1)に示す。(表1)に基づいて、解析するとピーク時刻を除いた時間帯で平均的に電力を消費するのがよい。
Figure 2014067405
3.ピークシフト送水計画について
3.1 ピークシフト送水計画の概要
前章の電力料金の解析結果を踏まえてピークシフトを行う配水池に送水する流量の計画を立案する。ここで電力逼迫の程度は電力料金によって決まっており、節電要請に対するピークシフト、ピークシフトさせる時間帯が電力料金によって決定されているとする。
水の需要は住宅が多い地域では朝の時間帯8時から10時や夕方の17時から20時に最も多く使われる(非特許文献7)。このことを考慮すると、ピークシフトすべき時間帯13時から16時には水の需要は多くない。朝の水需要が高い時間帯になるまでに配水池を満水にし、ピーク時は送水しない程度に他の時間帯で送水することで、最も単価が安くなり始める時間20時に配水池が水位下限になればよい。本稿では住宅が多い地域かつ配水池が存在し、送水ポンプはインバータ方式であるとし、送水量は自由に設定できることとする。
3.2 ピークシフト送水計画のシステムフロー
ピークシフト送水計画のシステムフローを図4に示す。まずデマンドの決定を行うために日最大水需要の日の送水量を計画する。その後、各1日の送水量を計画する。各1日の時間単位計画は、電力料金が最も安い時間帯である夜間時にピークが来るように計画する。このとき最安単価開始時刻と水需要のピークがほぼ等しくなるため、最低水位を下回らずデマンドを越えないようにピークシフトの送水量を決定する。その後水位を基準に最安単価終了時刻やその他の送水量を決定する。ただし、最大単価時間帯は送水しなければ水位を維持できない場合は送水を行う。
4.実データによる効果の検証
4.1 対象処理場の処理フロー
送水ポンプの使用電力の割合が多く、配水池のある浄水場を対象として、検証を行う。
浄水池以降の対象浄水場の処理フローは図5に示す。3つの送水ポンプを用いて主幹線へ送水し、その後5つの配水池へ送水される。
4.2 検証範囲と検証方法
本稿は主幹線までの送水を考え、その後の配水池への分配は考慮しない。
電力料金を指標として効果の度合いを検証する。その際に送水量と電力量が比例すると仮定して、計算を行う。つまり対象浄水場の原単位を基に消費電力量を計算し、電力料金を算出する。
4.3 効果の確認
年間最大日使用電力量の日の水需要について、従来の送水量推移と本稿で提案する送水計画による送水量推移を図6に示す。また夏季のある1週間分の従来の送水量推移と本稿で提案する送水計画による送水量推移を図7に示す。ここで従来とは対象浄水場で行っている運転のことを示す。
図6を見ると、夜間時間帯に入る時刻の従来のピークが平坦になると共に提案手法はポンプの切替回数も少なくなっている。デマンドは従来と変化しないが、対象処理場の送水ポンプに対する原単位が0.526[m/kWh]であるのに対し、この日の電力量料金は提案手法では115,468[円]となり、従来手法では118,276[円]と2%低下した。
図7を見ると、従来手法もピークはシフトされていたが、提案手法はより平滑化されたのと同時にピーク時に送水をとめているため、節電要請が起こりえる時間帯の電力消費を抑えることができている。電力量料金で見てみると、1週間の合計で提案手法では732,070[円]、従来は766,782[円]となり、1週間の電力量料金は約5%低下することができた。
また他機器もあるため一概には言えないが、提案手法ではピーク時間に消費電力を抑えており節電要請へ対応できた。
5.まとめ
5.1 結果と課題
本稿では簡易的に節電要請にあわせた送水計画を導き出した。電力料金を解析し、その解析結果を用いて送水計画を立案した。本稿で対象とした処理上では結果的にピーク時間帯に送水せずとも1日の送水が可能であり、その結果電力料金が5%低下を達成できた。ただし、送水ポンプを停止することによる起動・終了の電力や手間が除かれている。
5.2 今後について
本稿ではインバータ方式での送水に留まっている。また、ポンプのモデルも導入していないため浄水場の原単位を基に電力量を算出している。この2点を今後追加していく。また取水ポンプの電力消費量も多いため、取水まで含めた節電対策を今後考慮していく必要がある。
6.具体的な説明
以下、これまで説明した本実施形態の内容をより具体的に説明する。なお、以下では、実施形態に係るピークシフト送水計画方法を、ピークシフト送水計画装置10が実行するものとして説明を行う。
図8は、実施形態に係るピークシフト送水計画装置10の概念図である。図8に示すように、上水道システム1では、浄水池2からポンプ井3、送水ポンプ4、調整弁5を経て配水池6への送水が行われる。そして、配水池6へ送水され、貯水された水は、各一般家庭等のいわゆる需要家7へ配水され、使用されることとなる。なお、図8は、浄水池2から配水池6への送水に必要となる構成要素のみを示しており、上水道システム1の構成要素を限定するものではない。また、ポンプ井3は、必ずしもなくともよい。
そして、かかる浄水池2から配水池6への送水は、ピークシフト送水計画装置10によって立案される送水量の計画値に基づいて行われる。ここで、送水量の計画値とは、たとえば、1日における送水量のタイムテーブルである。
かかるピークシフト送水計画装置10のブロック構成について、図9を用いて説明する。図9は、実施形態に係るピークシフト送水計画装置10のブロック図である。なお、図9では、本実施形態の説明に必要な構成要素のみを示しており、その他の構成要素についての記載を省略している。
図9に示すように、ピークシフト送水計画装置10は、制御部11と、記憶部12とを備える。制御部11は、電力料金テーブル取得部11aと、電力料金テーブル解析部11bと、計画値演算部11cと、調整部11dと、出力制御部11eとを備える。
制御部11は、ピークシフト送水計画装置10の全体制御を行いつつ、浄水池2から配水池6への送水における電力消費を、電力料金および配水池6の水位に基づき、節電要請のある時間帯からシフトさせるピークシフト工程を実行する。すなわち、制御部11は、ピークシフト部の一例である。
ピークシフト工程は、電力料金テーブル解析部11b、計画値演算部11cおよび調整部11dにおいて実行される第1の計画工程と、第1の計画工程による立案に基づいて計画値演算部11cおよび調整部11dにおいて実行される第2の計画工程とを含む。
第1の計画工程では、第1の所定周期における送水量の計画値を立案する。また、第2の計画工程では、第1の計画工程による立案に基づいて第2の所定周期における送水量の計画値を立案する。
なお、本実施形態では、第1の所定周期は、年間の日最大配水量日(すなわち、送水において年間で最大の電力消費が見込まれる日)であり、第2の所定周期は、日最大配水量日を除く各1日であるものとする。したがって、立案される計画の切替周期は1日である。
これら第1の計画工程および第2の計画工程において実行される具体的な処理手順については、図10A以降を用いた説明で詳述する。
記憶部12は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスであり、電力料金テーブル12aと、時間帯情報12bと、配水量予測値12cと、送水ポンプ情報12dと、配水池情報12eと、水位実績値12fと、配水量実績値12gと、切替目標水位12hとを記憶する。
電力料金テーブル取得部11aは、電力会社100から電力料金テーブルを取得し、電力料金テーブル12aとして記憶部12に記憶させる。なお、かかる取得についてはその手法を問わない。たとえば、電力会社100との間で情報伝達可能に形成されたネットワークを介してでもよいし、オペレータによる直接入力でもよい。
電力料金テーブル解析部11bは、電力料金テーブル12aを解析し、電力料金単価が最安となる最安時間帯に基づいて最大送水時間帯を算出する。ここで、最大送水時間帯とは、配水池6の水位の増加量を最大とするための送水の時間帯であり、言い換えれば、1日のうちで電力消費が最大となる時間帯である。
本実施形態は、かかる最大送水時間帯を1日のうちで電力料金単価のより安い時間帯に設け、その最大送水時間帯の中でより平均的に電力を使用する(すなわち、より平均的に送水を行う)ことで節電要請に応えようとするものである。
なお、本実施形態では、最大送水時間帯は、少なくとも最終的に上記最安時間帯に重なるように調整される。したがって、送水における主たる電力消費を、経済活動等の活発化により電力使用がピークを示す傾向にある日中の時間帯、すなわち節電要請のある時間帯からシフトさせることができるので、節電要請に応えることが可能となる。
また、電力料金テーブル解析部11bは、1日のうちで電力料金単価が最高となる最高時間帯、いわば電力の使用を極力避けるべき時間帯を算出する。
かかる電力料金テーブル解析部11bにおける電力料金テーブル解析処理について具体的に説明する。図10Aは、電力料金テーブル12aの一例を示す図である。また、図10Bは、最大送水時間帯の算出処理の説明図である。なお、図10Aおよび図10Bともに、縦軸は電力料金を示す。
図10Aに示すように、従量分の電力料金が、(a)〜(c)の3つに区分けされているものとする。なお、図10Aに示すように、(a)〜(c)は、(a)<(b)<(c)の関係にあり、(a)の時間帯が従量分の最安時間帯である。
電力料金テーブル解析部11bは、まず、かかる(a)の時間帯に対し、上記の式(1)を用いて、固定分の基本料金を電力料金単価換算で足し込む。図10Bは、かかる(a)の時間帯に基本料金を変換して足し込んだ場合を示している。
ここで、基本料金を足し込んでも上記の式(2)が成立しない場合、すなわち、変わらず(a)<(b)の関係にある場合、電力料金テーブル解析部11bは、かかる(a)の時間帯を基本料金込みの最安時間帯とみなし、かかる(a)の時間帯を最大送水時間帯とする。
一方、基本料金を足し込んで上記の式(2)が成立した場合、すなわち、図10Bに示すように(a)>(b)の関係となる場合、上記の式(3)および(4)によれば、(a)および(b)の2つの時間帯で同一電力を使用するのがよい。
そこで、電力料金テーブル解析部11bは、次に(a)および(b)の2つの時間帯に基本料金を電力料金単価換算で足し込んで(c)との関係を評価する。そして、電力料金テーブル解析部11bは、このような評価を上記の式(2)が成立しない時間帯が出てくるまで再帰的に繰り返し、かかる上記の式(2)が成立しない時間帯を最高時間帯とみなす。
なお、図10Bに示す例では最終的に、(c)の時間帯が最高時間帯となり、かかる最高時間帯を除く(a)および(b)の時間帯が最大送水時間帯となる。
そして、電力料金テーブル解析部11bは、このように算出した各時間帯に関する情報を時間帯情報12bとして記憶部12に記憶させる(図9参照)。かかる時間帯情報12bの一例を図11に示す。
図11は、時間帯情報12bの一例を示す図である。なお、説明を分かりやすくするため、以下では、図11に示すように、最安時間帯が22:00〜8:00であり、最高時間帯が12:00〜16:00であり、最大送水時間帯が16:00〜12:00であるものとする。
なお、電力料金テーブル解析部11bにおいて算出される最大送水時間帯は、この段階ではいわば概算値であって、後述する後工程において適宜調整されてゆくこととなる。
図9の説明に戻り、次に計画値演算部11cについて説明する。計画値演算部11cは、時間帯情報12bに基づき、最大送水時間帯における最大送水量を含む送水量の計画値を演算する。ここで、最大送水量は、送水における最大電力消費量に対応する。
なお、計画値演算部11cは、かかる計画値の演算につき、配水量予測値12c、送水ポンプ情報12d、配水池情報12e、水位実績値12fを適宜参照する。
配水量予測値12cは、配水量の予測値を含む情報であり、図示略の配水量予測システム等からの情報に基づいて適宜更新される。送水ポンプ情報12dは、送水ポンプ4の仕様を含む情報であり、あらかじめ記憶部12に記憶される。配水池情報12eは、配水池6の仕様を含む情報であり、これもあらかじめ記憶部12に記憶される。水位実績値12fは、水位の実績値を含む情報であり、配水池6からの情報に基づいて適宜更新される。
計画値演算部11cは、これらの情報12b〜12fに基づき、配水池6の最低水位で極小値になるように最大送水量を決定する。具体的には、最安時間帯の始まりに配水池6の水位が最低水位と略等しくなるように、最大送水量を含む計画値を演算する。
そして、計画値演算部11cは、演算した計画値を調整部11dへ渡す。調整部11dは、計画値演算部11cから渡された計画値を、配水量実績値12gおよび切替目標水位12hを参照しつつ調整する。
なお、配水量実績値12gは、配水量の実績値を含む情報であり、配水池6からの情報に基づいて適宜更新される。切替目標水位12hは、1日の切替時における目標水位を含む情報である。
具体的には、調整部11dは、最高水位で極大値になるように、言い換えれば、最安時間帯の終わりに配水池6の水位が最高水位と略等しくなるように、最大送水時間帯の調整およびその他の時間帯の送水量の調整を行う。
また、調整部11dは、1日の切替時において配水池6が目標水位となるように、その他の時間帯の送水量を調整する。また、調整部11dは、最高時間帯の終わりに配水池6の水位が最低水位と略等しくなるように計画値を調整する。
すなわち、調整部11dは、最高時間帯では極力送水しないように、配水池6の水位をベースとした送水量の調整を行う。具体的には、調整部11dは、最高時間帯における送水量が0に近づくように計画値を調整する。ただし、調整部11dは、例外的に、最高時間帯における配水池6の水位が最低水位を下回らないように計画値を調整する。
なお、調整部11dによって調整された計画値は、計画値演算部11cに対してフィードバックされ、計画値演算部11cによる再演算が必要であれば適宜再演算が行われることが好ましい。
ここまで説明した計画値演算部11cおよび調整部11dにおける各処理は、後述する第1の計画工程および第2の計画工程における処理説明の際に、図13以降にあらためて示すこととする。
出力制御部11eは、立案された計画値を結果出力部20へ出力するための制御を行う。なお、結果出力部20は、ディスプレイやプリンタといった出力デバイスである。
一例として、出力制御部11eは、結果出力部20へ出力される電力料金の演算および出力形式への変換を行う。また、一例として、出力制御部11eは、立案された計画に基づく送水ポンプ4の運転方法の演算および出力形式への変換を行う。また、一例として、出力制御部11eは、配水池6の状態の演算および出力形式への変換を行う。
そして、かかる出力制御部11eの出力制御処理を経て結果出力部20へ出力された出力結果に基づき、オペレータ等によって実際に送水ポンプ4の操作が行われることとなる。なお、ここでオペレータ等の操作を介することなく、ピークシフト送水計画装置10自体が、立案した計画に基づいて送水ポンプ4等を制御し、送水を行うようにしてもよい。
次に、ピークシフト送水計画装置10が実行する処理手順について、図12を用いて説明する。図12は、ピークシフト送水計画装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図12に示すように、ピークシフト送水計画装置10はまず、第1の計画工程を実行して、送水において年間で最大の電力消費が見込まれる日最大配水量日についての送水量の計画値を立案する(ステップS101)。かかる第1の計画工程においては、本ピークシフト送水計画方法における年間の最大電力消費量が、電力料金単価の最高時間帯を避けつつ決定される。
そして、ピークシフト送水計画装置10は、つづいて第2の計画工程を実行して、日最大配水量日を除く各1日についての送水量の計画値を立案する(ステップS102)。かかる第2の計画工程においては、第1の計画工程において決定された最大電力消費量を上回らないように各1日の送水量の計画値が立案される。
これにより、少なくとも電力料金単価の最高時間帯における電力消費を従来よりも抑えることが可能となる。
次に、ステップS101の第1の計画工程について、図13〜図14Bを用いて具体的に説明する。図13は、第1の計画工程において実行される処理手順を示すフローチャートである。
また、図14Aおよび図14Bは、図13の補足説明図(その1)および(その2)である。なお、説明を分かりやすくするため、図14Aにおいては、図13に示す各ステップの符号を、かかる各ステップに対応する矢印等にあえて同一符号を付している。
図13に示すように、第1の計画工程においてはまず、電力料金テーブル解析部11bにより電力料金テーブル12aが解析され、かかる解析に基づく最大送水時間帯の決定が行われる(ステップS201)。
すなわち、図14Aに示すように、ステップS201では、最高時間帯である12:00〜16:00を避けた16:00以降の時間帯が最大送水時間帯の概算値として決定される。
つづいて、図13に示すように、第1の計画工程においては、計画値演算部11cにより、最低水位で極小値になるように最大送水量の決定が行われる(ステップS202)。具体的には、図14Aの閉曲線C1で囲まれた部分に示すように、配水池総配水量を示す波形と計画送水量を示す波形とが、最安時間帯の始まりである22:00頃で交わるように決定される。
これは、図14Bにおいては、閉曲線C1’で囲まれた部分に対応する。すなわち、閉曲線C1’で囲まれた部分に示すように、最安時間帯の始まり(22:00頃)に配水池6の水位が最低水位と略等しい計画貯水量となるように、最大送水量を含む計画値が演算され、決定される。
これにより、配水需要が少なく、かつ、電力料金単価の安い時間帯に、最大限に送水を行うことが可能となる。したがって、送水における主たる電力消費を、経済活動等の活発化により電力使用がピークを示す傾向にある日中の時間帯、すなわち節電要請のある時間帯からシフトさせることができるので、節電要請に応えることができる。
つづいて第1の計画工程においては、図13に示すように、調整部11dにより、最高水位で極大値になるように、最大送水時間帯の調整およびその他の時間帯の送水量の調整が行われる(ステップS203)。
具体的には、図14Aの閉曲線C2で囲まれた部分および矢印S203に示すように、配水池総配水量を示す波形と計画送水量を示す波形とが、最安時間帯の終わりである8:00頃でふたたび交わるように、最大送水時間帯の調整およびその他の時間帯の送水量の調整が行われる。
これは、図14Bにおいては、閉曲線C2’で囲まれた部分に対応する。すなわち、閉曲線C2’で囲まれた部分に示すように、最安時間帯の終わり(8:00頃)に配水池6の水位が最高水位と略等しい計画貯水量となるように、最大送水時間帯が調整される。また、その他の時間帯の送水量が調整される。
これにより、最安時間帯の終わりまでに配水池6を満水にして、配水需要の高まる日中に備えつつ、最高時間帯に極力送水を行わないための準備を整えることができる。すなわち、配水需要に対応しつつ、節電要請にも応えることができる。
そして、第1の計画工程においては、図13に示すように、さらに最大送水量を調整すべきか否かが判定される(ステップS204)。ここで、さらに最大送水量の調整を要するのであれば(ステップS204,Yes)、ステップS202からの処理が繰り返される。
一方、さらなる最大送水量の調整が不要であれば(ステップS204,No)、調整部11dが、1日切替の目標水位となるように、その他の時間帯の送水量を調整する(ステップS205)。
なお、図13では図示を略しているが、第1の計画工程においては、最高時間帯の終わりに配水池6の水位が最低水位と略等しくなるように計画値が調整される(図14B参照)。これにより、最高時間帯における送水を極力抑えることができる。すなわち、経済活動等の活発化により電力使用がピークを示す傾向にある日中の時間帯、言い換えれば節電要請のある時間帯に送水ポンプ4による電力消費を抑えることができるので、節電要請に応えることができる。
次に、ステップS102の第2の計画工程について、図15〜図16Bを用いて具体的に説明する。図15は、第2の計画工程において実行される処理手順を示すフローチャートである。
また、図16Aおよび図16Bは、図15の補足説明図(その1)および(その2)である。なお、既に示した図13および図14Aの場合と同様に、図16Aにおいては、図15に示す各ステップの符号を、かかる各ステップに対応する矢印等にあえて同一符号を付している。
なお、第2の計画工程では、前工程である第1の計画工程により、最大電力消費量が決定されている。このため、最安時間帯が最大送水時間帯となる。
図15に示すように、第2の計画工程においてはまず、計画値演算部11cにより、最安時間帯の始まりにおいて最低水位で極小値になるように最大送水量の決定が行われる(ステップS301)。
具体的には、図16Aの閉曲線C3で囲まれた部分に示すように、配水池総配水量を示す波形と計画送水量を示す波形とが、最安時間帯の始まりで交わるように決定される。
すなわち、これは、図16Bにおける閉曲線C3’で囲まれた部分に対応し、最安時間帯の始まり(22:00頃)に配水池6の水位が最低水位と略等しい計画貯水量となるように最大送水量が決定されることとなる。
これにより、配水需要が少なく、かつ、電力料金単価の安い時間帯に、最大限に送水を行うことが可能となる。したがって、送水における主たる電力消費を、経済活動等の活発化により電力使用がピークを示す傾向にある日中の時間帯、すなわち節電要請のある時間帯からシフトさせることができるので、節電要請に応えることができる。
つづいて第2の計画工程においては、図15に示すように、調整部11dにより、最安時間帯の終わりにおいて最高水位で極大値になるように、最大送水時間帯の調整およびその他の時間帯の送水量の調整が行われる(ステップS302)。
具体的には、図16Aの閉曲線C4で囲まれた部分および矢印S302に示すように、配水池総配水量を示す波形と計画送水量を示す波形とが、最安時間帯の終わりでふたたび交わるように、最大送水時間帯の調整およびその他の時間帯の送水量の調整が行われる。
これは、図16Bにおいては、閉曲線C4’で囲まれた部分に対応する。すなわち、閉曲線C4’で囲まれた部分に示すように、最安時間帯の終わり(8:00頃)に配水池6の水位が最高水位と略等しい計画貯水量となるように、最大送水時間帯が調整される。また、その他の時間帯の送水量が調整される。
そして、図15に示すように、さらに最大送水量を調整すべきか否かが判定される(ステップS303)。ここで、さらに最大送水量の調整を要するのであれば(ステップS303,Yes)、ステップS301からの処理が繰り返される。
一方、さらなる最大送水量の調整が不要であれば(ステップS303,No)、最高時間帯は極力送水しないように、配水池6の水位をベースとした送水量の決定が行われる(ステップS304)。
具体的には、調整部11dにより、最高時間帯では極力送水せずに徐々に配水池6の水位を減らし、最高時間帯における送水量が0に近づくように計画値が調整される(図16Aの閉曲線S304で囲まれた部分参照)。
ただし、最高時間帯でも送水しなければ水位を維持できない場合は例外的に送水を行う。すなわち、調整部11dは、最高時間帯における配水池6の水位が最低水位を下回らないように計画値を調整する。これにより、日中の配水需要へ対応しつつ、節電要請にも応えることができる。
つづいて、図15に示すように、調整部11dが、1日切替の目標水位となるように、最終時間帯の送水量を調整する(ステップS305)。
そして、図15に示すように、さらに送水量を調整すべきか否かが判定される(ステップS306)。ここで、さらに送水量の調整を要するのであれば(ステップS306,Yes)、ステップS304からの処理が繰り返される。
一方、さらなる送水量の調整が不要であれば(ステップS306,No)、立案された計画内容を結果出力部20に出力したうえで処理を終了する。
次に、既に示した図5の構成で実データを用いて検証したシミュレーション結果について、図17A〜図18Bを用いて説明する。なお、かかる検証結果については第4章で既に述べているが、図を分かりやすくしてあらためて説明する。
図17Aおよび図17Bは、日最大配水量日におけるシミュレーション結果を示す図(その1)および(その2)である。図18Aおよび図18Bは、夏季1週間を例としたシミュレーション結果を示す図(その1)および(その2)である。
なお、図17Aおよび図17Bは既に示した図6に、図18Aおよび図18Bは既に示した図7にそれぞれ対応するが、かかる図17A〜図18Bでは、本実施形態に係るピークシフト送水計画方法に基づく計画値の波形を実線で示し、分かりやすくしている。
図17Aおよび図17Bに示すように、本実施形態によれば、電力料金単価の最高時間帯(12:00〜16:00頃)における送水量を大幅に減少させ、最大送水時間帯が最安時間帯(22:00〜8:00頃)に重なるように送水することができている。また、送水量を減少させつつも、配水池6の最低水位は下回っていない。したがって、送水における主たる電力消費を、経済活動等の活発化により電力使用がピークを示す傾向にある日中の時間帯からシフトさせて節電要請に応えつつ、上水道システム1における配水需要にも確実に対応できることが分かる。
また、夜間時間帯に入る前の送水量のピークが従来よりも平坦化している。すなわちこれは、送水ポンプ4の切替回数を減少させることができるのを意味し、切替のたびに生じる無用な電力消費を抑えることを可能にする。すなわち、日中における無用な電力消費が避けられ、やはり節電要請に応えることができるのが分かる。
また、夜間時間帯に限らず、1日の流量変動頻度が従来よりも減少しているので、やはり無用な電力消費を抑えて、節電要請に応えることができるのが分かる。
また、図18Aおよび図18Bに示すように、夏季1週間の場合をみても、本実施形態によれば、従来においてシフトされていたピークをより平滑化してシフトさせることができているのが分かる。
また、本実施形態によれば、ピークを平滑化させるのにあわせ、電力料金の最高時間帯において極力送水を行わないようにしているため、最も節電要請を受けやすい日中の時間帯の電力消費を抑えることができている。また、最大送水時間帯が最安時間帯に重なるように送水することができている。すなわち、送水における主たる電力消費を、節電要請のある日中の時間帯からシフトさせて、節電要請に応えることができるのが分かる。
また、夏季1週間の場合であっても、配水池6の貯水量は最低水位を下回ることなく運用できている。したがって、上水道システム1において配水需要が多いと考えられる夏季であっても、節電要請に応えつつ、上水道システム1における配水需要にも確実に対応できることが分かる。
また、夏季1週間の場合であっても、本実施形態によれば、流量変動頻度が従来よりも減少しているので、送水ポンプ4による無用な電力消費を抑えて、節電要請に応えることができるのが分かる。
また、夏季1週間の場合であっても、日最大配水量日で決定された最大電力消費量を超えずに送水することが可能である。したがって、第1の計画工程において電力料金単価の最高時間帯を避けつつ決定された最大電力消費量に基づき、これを超えない計画を立案することで、少なくとも節電要請を受けやすい日中の時間帯における電力消費を従来よりも確実に抑えられることが分かる。
上述してきたように、実施形態に係るピークシフト送水計画方法は、ピークシフト工程を含む。上記ピークシフト工程は、浄水池から配水池への送水における電力消費を、電力料金および上記配水池の水位に基づき、節電要請のある時間帯からシフトさせる。
したがって、実施形態に係るピークシフト送水計画方法によれば、節電要請に応えることができる。
なお、上述した実施形態では、上水道システムにおいて浄水池から配水池へ送水する場合を例に挙げて説明を行ったが、貯蔵可能な資源を、電力を用いて送出する意味では送水に限られない。
すなわち、貯蔵可能な資源の貯蔵庫への送出における電力消費を、電力料金および上記貯蔵庫における上記資源の残量に基づき、節電要請のある時間帯からシフトさせる場合に適用することができる。
一例としては、電気を蓄電池に送出して蓄電する場合を挙げることができる。すなわち、かかる場合、電気は、送水における水に対応する。また、蓄電池は、送水における配水池に対応する。また、蓄電池の残量は、送水における配水池の水位に対応する。
また、上述した実施形態では、第1の所定周期および第2の所定周期が1日である場合を例に挙げたが、これに限られるものではない。たとえば、月単位であってもよい。
また、上述した実施形態では、電力料金テーブル解析部が最安時間帯および最高時間帯を算出する場合を例に挙げたが、あらかじめ電力料金テーブルに最安時間帯および最高時間帯が含まれるような場合には、単に抽出して取得するのみでもよい。
また、電力会社が、電力料金換算での最安時間帯または最高時間帯を提供可能であるような場合であれば、電力料金テーブル取得部が、これらを電力会社から直接に取得してもよい。
また、上述した実施形態では、配水池の最低水位または最高水位との表現を用いたが、かかる最低水位は下限値と言い換えてよい。また、最高水位は上限値と言い換えてよい。また、これら下限値または上限値はつねに一定値である必要はない。たとえば、周期や季節等に応じて変化するように規定された可変値であってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 上水道システム
2 浄水池
3 ポンプ井
4 送水ポンプ
5 調整弁
6 配水池
7 需要家
10 ピークシフト送水計画装置
11 制御部
11a 電力料金テーブル取得部
11b 電力料金テーブル解析部
11c 計画値演算部
11d 調整部
11e 出力制御部
12 記憶部
12a 電力料金テーブル
12b 時間帯情報
12c 配水量予測値
12d 送水ポンプ情報
12e 配水池情報
12f 水位実績値
12g 配水量実績値
12h 切替目標水位
20 結果出力部
100 電力会社

Claims (13)

  1. 浄水池から配水池への送水における電力消費を、電力料金および前記配水池の水位に基づき、節電要請のある時間帯からシフトさせるピークシフト工程
    を含むことを特徴とするピークシフト送水計画方法。
  2. 前記ピークシフト工程は、
    前記電力料金に基づいて取得された電力料金単価の最安時間帯または最高時間帯の少なくとも一方と前記水位の下限値とに基づき、第1の所定周期における前記配水池への送水量の計画値を立案する第1の計画工程と、
    前記第1の計画工程による立案に基づいて第2の所定周期における前記計画値を立案する第2の計画工程と
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のピークシフト送水計画方法。
  3. 前記第1の計画工程は、
    前記水位の増加量を最大とするための送水の時間帯が前記最安時間帯に重なるように前記計画値を調整すること
    を特徴とする請求項2に記載のピークシフト送水計画方法。
  4. 前記第1の計画工程は、
    前記最安時間帯の始まりに前記水位が前記下限値と略等しくなるように前記計画値を調整すること
    を特徴とする請求項2または3に記載のピークシフト送水計画方法。
  5. 前記第1の計画工程は、
    前記最高時間帯の終わりに前記水位が前記下限値と略等しくなるように前記計画値を調整すること
    を特徴とする請求項2、3または4に記載のピークシフト送水計画方法。
  6. 前記第2の計画工程は、
    少なくとも前記最安時間帯の始まりに前記水位が前記下限値と略等しくなるように前記計画値を調整すること
    を特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載のピークシフト送水計画方法。
  7. 前記第1の計画工程および前記第2の計画工程は、
    前記最安時間帯の終わりに前記水位が該水位の上限値と略等しくなるように前記計画値を調整すること
    を特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載のピークシフト送水計画方法。
  8. 前記第2の計画工程は、
    前記最高時間帯における前記送水量が0に近づくように前記計画値を調整すること
    を特徴とする請求項2〜7のいずれか一つに記載のピークシフト送水計画方法。
  9. 前記第2の計画工程は、
    前記最高時間帯において前記水位が前記下限値を下回らないように前記計画値を調整すること
    を特徴とする請求項8に記載のピークシフト送水計画方法。
  10. 前記第1の所定周期は、年間の日最大配水量日であり、
    前記第2の所定周期は、前記日最大配水量日を除く各1日であること
    を特徴とする請求項2〜9のいずれか一つに記載のピークシフト送水計画方法。
  11. 浄水池から配水池への送水における電力消費を、電力料金および前記配水池の水位に基づき、節電要請のある時間帯からシフトさせるピークシフト部
    を備えることを特徴とするピークシフト送水計画装置。
  12. 貯蔵可能な資源の貯蔵庫への送出における電力消費を、電力料金および前記貯蔵庫における前記資源の残量に基づき、節電要請のある時間帯からシフトさせるピークシフト工程
    を含むことを特徴とする貯蔵可能な資源の送出計画方法。
  13. 前記資源は電気であり、
    前記貯蔵庫は蓄電池であること
    を特徴とする請求項12に記載の貯蔵可能な資源の送出計画方法。
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