JP5736983B2 - 同時同量制御システム、その購入電力計画生成装置 - Google Patents

同時同量制御システム、その購入電力計画生成装置 Download PDF

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Description

本発明は、需要家側において実際の電力使用量を計画量にほぼ一致させる制御に関する。
ビルや工場では、電気や熱を消費する設備が大量に設けられている。電気に関しては発電事業者から購入することになるが、一般に30分単位で事前申告どおり購入する必要があり、このための制御を同時同量制御という。熱に関しては、遠方から購入することができないので、ビルや工場の設備内に熱源設備を備えて、この熱源設備から熱を供給している。
一般に熱の消費とは、空調の熱の場合が多い。ビルや工場など大規模設備の空調は、一般的にガスや電気を用いる熱源機器によって温水や冷水を生産し、これら温水等を配管で空調対象の部屋まで供給することで実現される(勿論、水は循環しており熱源機器に戻される)。制御方法としては、例えば、熱源機器の出口部分などの任意地点の冷水や温水の温度が一定になるように、台数制御(起動停止)が行われる。尚、台数制御では事前に設定した優先順位に従って1台ずつ起動・停止される。勿論、これだけでなく、例えば起動中の熱源機器の出力調整(消費電力量調整/消費ガス量調整など)も行うようにしてもよい。
尚、熱源機器が生成する熱には冷熱も含まれており、冷熱によって冷水が生成されることになる。
同時同量制御を実現するために、
(1)蓄電池を用いることにより、電力量不足時は放電し、電力量過剰時は充電する方法をとることにより、電力量を調整する方法がある。
また、同時同量ではないが、
(2)畜熱装置によるエネルギーを用いて電力の使用時間をシフトさせる方法がある。
尚、本説明における「同時同量制御」とは、需要家側において購入電力量に関して30分単位で実際の使用量と計画量とを±3%以内に一致させる制御を意味する。ここでいう計画量とは、電力供給側から指定された供給可能電力量等をもとに、需要家側で作成した30分単位の未来の電力消費計画データである。但し、必ずしも30分単位に限るものではなく、1時間単位等であってもよい。また、±3%以内に限るものでもない。従って、「同時同量制御」は、広義には例えば、実際の電力使用量を、計画量にほぼ一致させる制御を意味するものと見做してもよい。尚、計画量は事前に電力供給側(発電事業者)に申告しておく。上記の通り、需要家側はこの事前申告通りに電力購入する必要がある。
また、例えば、特許文献1,2記載の従来技術が存在している。
特許文献1の従来技術は、自己が有するコージェネレーション装置で発電した電力及び電力取引所で売買する電力によって電力需要をまかなう各需要家、及び個々の需要家の代わりに複数の分散電源を統括して管理・運用する特定規模電気事業者において、電力コストを最小化する電力取引及びコージェネレーション装置の運用管理を行うものである。
例えば、電力管理装置が、まず、消費電力量を予測し、コージェネレーション装置の供給能力及びコストを算出し、熱需要を予測して排熱利用価値を電力価格に換算する。換算した電力価格をコストから減算し、電力取引価格を予測する。上記予測した消費電力量から系統電力を差し引いた電力量を計算し、需要家への電力供給を最小コストで行えるように、売買電力の応札量及び価格並びにコージェネレーション装置の発電量を計算する。この計算は、予測消費電力量、排熱メリットを含んだコスト及び予測電力取引価格に基づいて行う。そして、この計算結果を電力取引所に送信することによって応札する。
その後、電力管理装置は、落札結果を受信し、落札結果に応じて、コージェネレーション装置の運転計画を決定し、実際の電力需要に応じて、運転修正、売買電又は負荷制御を行う。
また、特許文献2には、エネルギー需要を満たし、かつ購入コストを最小にするように管理でき、また供給側からのエネルギー削減要求に対応できると共に、需要側の自家発電に対応した料金体系を設定できるようなエネルギー管理装置等が開示されている。
特開2006−158189号公報 特開2003−319557号公報
上記定義の同時同量制御を実現するためには、事前に消費電力を予測し、予測消費電力通りに電力を購入する必要がある。しかし、消費電力の予測値を正確に予測するのは困難であるため、従来技術のとおり、蓄電池で制御する方法がある。
しかしながら従来の技術では、次のような課題がある。
従来技術(1)の場合は、電気の設備の応じた蓄電池設備が必要でありイニシャルコストが多くかかる。従来技術(2)の場合は、あくまでも電力料金の安い時間に熱源機器の消費電力をシフトさせることが目的であり、同時同量制御を達成させる技術ではない。
また、上記設備がなければ、電気を消したり、無駄に消費したりするため、快適性を損なったり、無駄が発生する。
ところで、ここで、上記従来技術で述べたように、需要家(ビルや工場など)においては、電気によって動作する電気機器と、“燃料(ガス等)を用いる熱源機器”や“電気を用いる熱源機器”等が設置されている。電気機器は、例えば、照明、エレベータ、モータ等であり、これらを動作させる為に必要となる電力を、発電事業者から供給してもらうことになる。一方、熱源機器によって生成すべき熱を、電気と燃料(ガス等)とによって発生させることになる。従って、需要家における全消費電力は、「電気機器に係る消費電力+熱源機器に係る消費電力」となる。
本発明の課題は、電気機器の消費電力を予測すると共に熱源機器によって生成すべき熱量を予測し、熱量発生の為の消費電力計画値を電気と燃料の使用バランスを考慮して決定することで、全消費電力計画値を求め、その後の運用時には熱量発生の為の使用電力量を調整することにより、ほぼ確実に同時同量制御を実現するシステム等を提供することである。
本発明の同時同量制御システムは、電気を用いる熱源機器である電気熱源機器と、燃料を用いる熱源機器である燃料熱源機器と、電気を用いる機器であって熱源機器以外の機器である電気機器とを備える需要家システムにおいて、事前に任意の所定期間における前記需要家システム全体の購入電力計画値を求める購入電力計画生成装置と、該購入電力計画値に基づいて同時同量制御を行う制御装置とを有し、前記購入電力計画生成装置は、前記所定期間に関して、事前に、熱需要の予測値と前記電気機器に係る電力需要の予測値を求める需要予測手段と、前記所定期間に関して、事前に、所定の目的関数を所定の制約条件に従って最小化する問題に対する解として、前記熱需要に対して電気優先で熱を生産するケースの前記電気熱源機器に係る消費電力計画値を第1の解として求めると共に、前記熱需要に対して燃料優先で熱を生産するケースの前記電気熱源機器に係る消費電力計画値を第2の解として求める基準解算出手段と、前記第1の解と第2の解とに基づいて、前記所定期間における前記電気熱源機器に係る購入電力計画値を求める電気熱源機器電力計画算出手段と、該電気熱源機器電力計画算出手段で求めた前記電気熱源機器に係る購入電力計画値と、前記需要予測手段で求めた前記電気機器に係る電力需要予測値とに基づいて、前記所定期間における前記需要家システム全体の購入電力計画値を求める購入電力計画算出手段とを有し、前記制御装置は、前記購入電力計画算出手段で求めた前記需要家システム全体の購入電力計画値に基づいて、前記電気機器及び前記電気熱源機器による全消費電力を計画値と略一致させる制御である前記同時同量制御を実現させるものである。
上記システムにおいて、例えば、前記電気熱源機器電力計画算出手段は、前記第1の解と第2の解との平均値を、前記所定期間における前記電気熱源機器に係る購入電力計画値とするものである。
本発明の同時同量制御システム、その購入電力計画生成装置等によれば、電気機器の消費電力を予測すると共に熱源機器によって生成すべき熱量を予測し、熱量発生の為の消費電力計画値を電気と燃料の使用バランスを考慮して決定することで、全消費電力計画値を求め、その後の運用時には熱量発生の為の使用電力量を調整することにより、ほぼ確実に同時同量制御を実現することができる。また、既存設備の改造なく、イニシャルコストを抑えた制御をおこなうことを可能とする。
本例の需要家システム全体の構成図である。 演算装置、制御装置の機能ブロック図である。 (a)は電力需要、(b)は熱需要の予測結果の一例を示す図である。 熱源機器に係る購入電力計画の求め方の一例を示す図である。 システム全体での購入電力計画の求め方の一例を示す図である。 同時同量制御の為の5分単位での制御の具体例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本例の需要家システムの構成図である。
まず、制御対象(消費設備)6は、各種設備機器の集合である。ここで、例えば、不図示の設備A1、設備A2、設備P1、設備P2、設備F1、設備F2の6つの設備機器があるものとする。そして、これら各設備機器は、以下の3種類に分類されるものとする。
・電気を用いる機器であって、熱源機器以外の機器(照明、エレベータ等); 設備A1、設備A2
・電気を用いる熱源機器(スクリュー冷凍機など); 設備P1、設備P2
・電気を用いない(燃料を使う)熱源機器(ガス冷温水機など); 設備F1、設備F2
尚、ここでは、上記“電気を用いる機器であって、熱源機器以外の機器”を「電気機器」、“電気を用いる熱源機器”を「電気熱源機器」、“電気を用いない(燃料を使う)熱源機器”を「燃料熱源機器」等と呼ぶものとする。
また、これより、上記設備A1、設備A2を、「電気機器」A1、「電気機器」A2と記す場合もあるものとする。同様に、上記設備P1、設備P2を、「電気熱源機器」P1、「電気熱源機器」P2と記す場合もあるものとする。同様に、上記設備F1、設備F2を、「燃料熱源機器」F1、「燃料熱源機器」F2と記す場合もあるものとする。
上記“電気を用いない(燃料を使う)熱源機器”(「燃料熱源機器」)が、課題などで説明した“燃料(ガス等)を用いる熱源機器”に相当する。尚、本説明では、燃料としてガスを例にして説明するが(よって、「燃料熱源機器」の代わりに「ガス熱源機器」等と呼ぶ場合もあるものとする)、燃料はこの例に限らず、例えば灯油等であってもよい。
制御装置10は、これら各種設備機器を制御する。例えば、運転/停止を制御する。更に、運転中の設備機器に対しては消費電力量/消費ガス量等を調整・制御する。
計測装置5は、上記各種制御対象6の状態(消費電力量、消費ガス量等)を計測する。すなわち、計測装置5は、消費電力量、熱量(消費ガス量)などを計測するセンシング装置・モニタリング装置である。
データ収集装置3は、制御装置10からのデータ、計測装置5からのデータを、定周期で収集する装置である。尚、制御装置10からのデータは、各種設備機器の運転/停止や制御指示内容(運転中の設備機器に対する電力量/ガス量の指示等)などである。計測装置5からのデータは、上記計測データ(消費電力量、消費ガス量等)である。また、データ収集装置3には、更に、演算装置20によって求められた購入電力計画値(後述するa3等)が記憶されるものであってもよい。
データ収集装置3は、例えば後述するデータベース3aを有し、上記各種計測装置5からネットワーク7を介して計測データ等を収集してデータベース3aに格納する。データベース3aには、後述する目的関数や制約条件や、需要予測部22による予測結果等が更に格納されてもよい。
演算装置20は、データベース3aに格納される各種データに基づいて、上記購入電力計画値を求める。これは、例えば、最適化計算を利用して、例えば30分単位で未来の所定期間分(ここでは2日分)の購入電力計画値を、事前に求めるものである。求めた購入電力計画値は、例えばデータベース3aに格納される。また、求めた購入電力計画値は、事前に(この購入電力計画値に基づく制御装置10による同時同量制御が開始される前に)、電力供給側(例えば電力会社等)に通知される。
制御装置10は、上記データベース3aに格納される購入電力計画値を入力し、最適化計算単位(購入電力計画値の算出単位;本例では30分単位;以下、所定の時間単位という場合もあるものとする)よりも短い周期(例えば5分周期)で、少なくとも「電気熱源機器」の制御を行うことで、同時同量制御を実現させる装置である。
尚、本説明では、演算装置20においては、上記最適化計算単位に限らず、基本的には全て30分単位で処理するものとするが、この例に限るものではなく、例えば1時間単位等であってもよい。下記の「同時同量制御」も、30分単位に限らず、例えば1時間単位などであってもよい。
尚、既に従来等で述べたように、ここでは「同時同量制御」とは、電力量に関して実際の使用量を計画量(上記購入電力計画値)にほぼ一致させる制御であり、本例では30分単位で実際の電力使用量を「計画量±3%以内」とする制御を行うものとするが、この例に限らない。
そして、30分単位で実際の電力使用量を「計画量±3%以内」とする為に、本手法では上記のように(そして詳しくは後に図6を参照して説明するように)、30分よりも短い周期で(例えば5分周期)電気熱源機器等の電力使用量を調整制御することで(多ければ減らし、少なければ増やす等)、30分単位では実際の電力使用量をほぼ計画値通りとすることができる。
ここでいう計画量とは、電力供給側から指定された供給可能電力量(契約購入電力)や熱需要予測結果や「電気機器」による電力需要予測結果等の各種条件をもとに、需要側で作成した(例えば30分単位の)未来の電力消費計画データ(上記購入電力計画値に相当する)である。
上記演算装置20及び制御装置10は、本システムの主要部分であり、PC(パソコン)上などにおいて動作する。その機能構成と動作は後述する。
入力装置1は、キーボード/マウスなどであり、ユーザが任意の情報(目的関数や各種制約条件など)の入力作業を行うための装置である。出力装置2は、例えばディスプレイやプリンタなどである。尚、入力装置1、出力装置2、演算装置20、データ収集装置3は、バス4に接続されている。
上記のように、本例の需要家システムは、“電気を用いる熱源機器”である「電気熱源機器」と、“燃料を用いる熱源機器”である「燃料熱源機器」と、“電気を用いる機器であって熱源機器以外の機器”である「電気機器」とを備えるシステムである。そして、演算装置20によって事前に任意の所定期間における前記需要家システム全体の購入電力計画値を求める。その後、所定期間に入ったら、制御装置10が、上記購入電力計画値に基づいて、同時同量制御を行う。
図2は、本システムの主要構成の機能構成図である。すなわち、上記演算装置20及び制御装置10の詳細を示している。
演算装置20は、最適化計画部21、需要予測部22、制約設定部23、電気・熱配分設定部24、目的関数計算部25の各種機能部を有する。演算装置20は、不図示の例えばCPUや記憶部(メモリ等)を有しており、記憶部には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。不図示のCPUがこのアプリケーションプログラムを読出し・実行することによって、上記各種機能部の後述する処理が実現される。詳しくは後述する。
演算装置20は、任意の所定期間(例えば2日間)の需要家システム全体の購入電力計画値を、この所定期間の前に(事前に;例えば前日に)、演算により求めるものである。
その為に、まず、上記需要予測部22が、所定期間に関して、事前に、熱需要の予測値と“電気機器に係る電力需要”の予測値を求める。この予測値も30分単位である。
また、事前に、制約設定部23によってユーザ等に任意の制約条件を設定させておく。
そして、目的関数計算部25が、この制約条件に従って所定の目的関数を最小化する問題に対する解を求める。これは、少なくとも、「電気熱源機器」と「燃料熱源機器」とによって上記予測された熱需要を満たすことが、最低限の制約条件となる。これに加えて更に、「電気機器」によって上記予測された“電気機器に係る電力需要”を満たしつつ、且つ、電気を用いる全ての機器(つまり全「電気機器」及び全「電気熱源機器」)による上記所定期間全体でのトータルの電力使用量が、予め契約によって決められている上限を越えないようにすることが、制約条件に加わっても良い。更に他の条件が加わっても良い。
ここで、目的関数計算部25は、2つのケースについて上述した所定の目的関数を最小化する問題に対する解を求める(つまり、2つの解を求める)。
すなわち、予測される熱需要に対して電気優先で熱を生産するケース(換言すれば、燃料の使用量を最小にするケース;第1のケースという場合もある)の解を求める。この解には、第1のケースにおける各「電気熱源機器」毎の消費電力計画値が含まれる。
同様に、予測される熱需要に対して燃料優先で熱を生産するケース(換言すれば、電気の使用量を最小にするケース;第2のケースという場合もある)の解を求める。この解には、第2のケースにおける各「電気熱源機器」毎の消費電力計画値が含まれる。
最適化計画部21は、上記目的関数計算部25によって得られた解に基づいて、特に上記第1のケース、第2のケースそれぞれのケースにおける上記“各「電気熱源機器」毎の消費電力計画値”に基づいて、各ケースにおける全「電気熱源機器」に係る消費電力計画値(後述するr1、r2)を求める。すなわち、熱需要に対して電気優先で熱を生産するケースにおける上記所定期間内の“「電気熱源機器」に係る消費電力計画値”(後述するr1;第1の解というものとする)を求める。同様に、熱需要に対して燃料(ガス)優先で熱を生産するケースにおける上記所定期間内の“「電気熱源機器」に係る消費電力計画値”(後述するr2;第2の解というものとする)を求める。
更に、最適化計画部21は、上記第1の解と第2の解とに基づいて、上記所定期間内における“「電気熱源機器」に係る購入電力計画値”を求める(例えば後述する“a2”を求める)。これは、後述するように、例えば一例としては、第1の解と第2の解との平均値{(第1の解+第2の解)÷2}を、“「電気熱源機器」に係る購入電力計画値”a2とするものであるが、この例に限らない。
「電気・熱配分設定部」24は、“「電気熱源機器」に係る購入電力計画値”と、上記需要予測部22で求めた“「電気機器」に係る電力需要”の予測値とに基づいて、上記所定期間における上記需要家システム全体の購入電力計画値(後述するa3など)を求める。
制御装置10は、同時同量制御部11、出力部12を有する。出力部12は、例えば各制御対象6に接続しており、同時同量制御部11は出力部12を介して各制御対象6を制御する。詳しくは後述する。また、同時同量制御部11は、その処理実行の為に、データベース3aに格納された各種データを参照する場合がある。制御装置10も、不図示の例えばCPUや記憶部(メモリ等)を有しており、記憶部には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。不図示のCPUがこのアプリケーションプログラムを読出し・実行することによって、上記同時同量制御部11等の後述する処理機能が実現される。詳しくは後述する。
以下、上記各種機能部の処理機能について説明する。
(1)需要予測部22による予測処理(事前(前日)段階)
事前に(本例では上記所定期間の前日に)、需要予測部22によって、所定期間(2日間;本例では翌日と翌々日)における電力需要、熱需要の予測を行う(例えば30分単位)。但し、需要予測部22によって予測する電力需要は、上記「電気機器」による電力需要であり、従って本例では“設備A1+設備A2”による電力需要を意味する。よって、需要家システム全体の電力消費量は、全ての「電気機器」(設備A1+設備A2)による電力消費量に、全ての「電気熱源機器」(設備P1+設備P2)による電力消費量が加算された値となることになる。
本予測処理に関して、まず電力需要予測に関して説明する。
電力需要予測における入力データは、“設備A1+設備A2”の過去の電力消費量の実績値(例えば30分単位で計測している)である。出力データは、本例では翌日、翌々日の電力需要予測値(本例ではこれも30分単位とする)である。
電力需要の予測手法としては、様々な既存の方法が知られているが、本実施形態では、そのなかでも簡単な方法を用いるものとする。すなわち、予測対象日と同じ曜日の過去の“設備A1+設備A2”の電力消費量実績値を、そのまま予測対象日の“設備A1+設備A2”の電力需要予測値とした。これは、例えば、翌日と同じ曜日の直近の日の電力消費量実績値(例えば翌日が土曜日であれば、先週の土曜日の電力消費量実績値)を、そのまま翌日の電力需要予測値とする(翌々日についても同様)。
あるいは、例えば、所定期間分の同じ曜日の平均値等としてもよい(例えば、翌日が土曜日であれば、例えば1ヶ月前までの各土曜日の電力消費量実績値を平均したものなど;翌々日についても同様)。勿論、この様な一例に限らず、既存の予測手法のうちの任意の方法を用いればよい。
出力データ例としては、本例では翌日、翌々日の2日分(48時間分)について30分単位のデータであるから、96点のデータとなる。
図3(a)に、電力需要の予測結果の一例を示す。
図3(a)において、横軸は所定期間内の各時間(30分単位;96点)、縦軸は電力消費量予測値である。
図示のグラフの“a1”が、上記「電気機器」による電力需要の予測結果を表す。尚、図示の“a1”は、上記96点のデータを線で繋いだものである。尚、“a1”は、各時間帯i毎(本例では30分単位)のデータであるので、“a1(i)”と記すことが望ましい。
熱需要に関しても、上記電力需要の場合と略同様にして、予測を行う。すなわち、この場合には、本例では設備P1、P2、F1、F2の4つの設備による熱量の過去の実績データ(4つの設備の合計値;30分単位)に基づいて、熱需要の予測値を得る。これも、上記電力需要の場合と同様に、例えば簡単な例では、予測対象日と同じ曜日の過去日の熱量実績値を、そのまま熱需要予測値にするが、この例に限らない。
尚、設備P1、P2、F1、F2の4つの設備による熱量の過去の実績データは、例えば、これら4つの設備の過去の消費電力量/消費ガス量と、後述する設備能力係数W1,W2,S1,S2とによって、予め求められているものとする。
図3(b)に、熱需要の予測結果の一例を示す。
図3(b)において、横軸は所定期間内の各時間(30分単位;96点)、縦軸は熱需要予測値である。
図示のグラフの“b1”が、熱需要の予測結果を表す。尚、図示の“b1”は、上記96点のデータを線で繋いだものである。尚、“b1”も、各時間帯i毎(本例では30分単位)のデータであるので、“b1(i)”と記すものとする。
(2)購入計画電力を求める(事前(前日)段階)
(a) 事前に(例えば上記所定期間の前日に)、下記の(i)、(ii)の2つのケースそれぞれにおける電力消費予測の計算(上記購入電力計画値を求める為の基準になるものの計算)を行う。
すなわち、(i)熱を電気優先で生産するケース、及び、(ii)熱をガス優先で生産するケースの、2つのケースそれぞれにおける電気負荷(電力消費量)を計算する(30分単位、最大2日先まで)。
すなわち、下記の“(基本的な)目的関数”に基づいて、上記(i)熱を電気優先で生産するケース、(ii)熱をガス優先で生産するケースの各ケースに対応する各目的関数(後述する)を決定して、これら各目的関数を最小にする購入電力計画値(30分単位、最大2日先まで)を求める。
尚、“任意の評価関数(目的関数)Jを任意の制約条件のもとで最小化する問題を解く”処理(minJ)は、一般的な既存技術であり、製品も存在している。実際の製品としては、例えば以下に列挙するものがある。
例えば、これらの各製品のうちの任意の製品に対して、以下の目的関数と制約条件を入力することで、目的関数を制約条件のもとで最小化する問題に対する解が得られることになる。すなわち、最小化されたときの目的関数の値(コスト)と後述する“E(i,1)”、“E(i,2)”、“E(i,3)”、“E(i,4)”、“F(i,5)”、“F(i,6)”(i=1〜96)が、上記(i)、(ii)の各ケース毎に得られることになる。
そして、上記(i)、(ii)の各ケース毎に、“E(i,3)+E(i,4)” (i=1〜96)を求めることで、上記購入電力計画値を求める為の基準になるもの(後述する図4に示すr1、r2)が得られることになる。これは、例えば、熱に係る電力消費量の略上限値・略下限値が得られるものと見做すこともできる。
・製品名:LINDO (LINDO社)
http://www.lindo.jp/LindoJ_Products/LindoJ_ProdLG.html
・製品名:CPLEX(ILOG社)
http://www-06.ibm.com/software/jp/websphere/ilog/optimization/core-products-technologies/cplex/
・製品名:NUOPT(数理システム);http://www.msi.co.jp/nuopt/
尚、目的関数を最小化する計算は、図2の目的関数計算部25の機能に対応する。
[(基本的な)目的関数]
コスト(料金) = Cpw+Cgs
=Σ(購入電力料金)+Σ(使用ガス料金)
上記目的関数を後述する各種制約条件のもとで最小化する解を求めるものである。
但し、本手法では、後述するように、Σ(購入電力料金)、Σ(使用ガス料金)それぞれのコスト算出を、目的関数とすることで、2種類の解を求める。すなわち、電気優先としたケースの解と、ガス優先としたケースの解とを求める。そして、これら2種類の解に基づいて、購入電力計画値を求める。
このような本手法については後に説明するものとし、ここではまず、上記“(基本的な)目的関数”におけるΣ(購入電力料金)、Σ(使用ガス料金)の具体例と、上記各種制約条件の具体例について、以下に説明するものとする。
(A)Σ(購入電力料金)
電力会社による電力種別・契約種別等に応じて、当該需要家システムに対する電力料金単価Cwが予め決まっているので、この電気料金単価Cwの値を予め設定しておく。そして、以下に示すように上記Cpwは、上記電力を使用する全ての設備(設備A1、設備A2、設備P1、設備P2)毎に、時間単位電力コスト(各時間帯i毎の電力コスト;本例では30分単位の電力コスト)を算出して、これらの合計値(i=1〜96までの合計値;電力コスト合計値)を求める計算、更に全ての設備(A1,A2,P1,P2)の電力コスト合計値の和(総計値;需要家システム全体の2日分の電気料金)を求める計算を行う式となる。
Cpw = ΣE(i,j)×Cw,(i=1,96、j=1,4)
ここで、
Cpw:需要家システム全体の2日間の電力料金合計[円]
E(i,j):各設備j毎の時間帯i毎の電力消費量[kWh]
Cw:電力料金単価[円/kWh]
i:時間(30分単位)
j:電気を使用する機器の識別用の番号(ここでは、設備A1(j=1)、設備A2(j=2)、設備P1(j=3)、設備P2(j=4)とする)。
尚、上記(i=1,96)は、i=1〜96、すなわち、i=1,2,3,・・・95,96を意味する。同様に、(j=1,4)も、j=1〜4、すなわち、j=1,2,3,4を意味する。他も同様である。
(B)Σ(使用ガス料金)
ガス料金単価Cfも、予め分かっているので、その値は予め設定しておく。
そして、以下に示すように上記Cgsは、各「燃料熱源機器」(設備F1、設備F2)毎に、時間単位燃料コスト(各時間帯i毎の燃料コスト;本例では30分単位の燃料コスト)を算出して、これらの合計値(i=1〜96までの合計値;燃料コスト合計値)を求める計算、更に全ての「燃料熱源機器」(設備F1及び設備F2)の燃料コスト合計値の和(総計値;需要家システム全体の2日分のガス料金)を求める計算を行う式となる。
Cgs = ΣF(i,j)×Cf,(i=1,96、j=5,6)
Cgs:需要家システム全体の2日間のガス料金合計[円]
F(i,j):各設備j毎の時間帯i毎のガス消費量[Nm3/h]
Cf:ガス料金単価[円/Nm3]
i:時間(30分単位)
j:ガスを使う熱源機器の識別用の番号(ここでは、設備F1(j=5)、設備F2(j=6)とする)。
上記目的関数に係わる制約条件を下記に示す。
尚、下記の各種制約条件は、例えば予め制約設定部23によってユーザが任意に設定しておくものである。制約設定部23は、例えば不図示の制約条件設定画面を、出力装置2(ディスプレイ等)に表示する。ユーザは、入力装置1を操作して、この制約条件設定画面上で任意の制約条件を入力する。制約設定部23は、入力された制約条件を、例えばデータベース3aに格納する。
尚、下記の制約条件の説明では、分かり易くする為に、上記目的関数を最小化する解として求めるものには[計画値]、上記需要予測部22による予測結果データには[予測値]を付してある。よって、下記のE(i,j)[計画値]は上記目的関数におけるE(i,j)を意味している。
また、これより、本処理実行の際には当然、上記需要予測部22による予測結果データを参照することになる。そして、下記の“使用電力(i)[予測値]”が上記“a1(i)”に相当し、下記の“熱量(i)[予測値]”が上記“b1(i)”に相当するものである。
以下のように、制約条件は大別して等式制約と不等式制約とがあり、上記目的関数の最小化の際には、当然、全ての制約条件を満たす必要がある。
[等式制約]
・電力等式制約
使用電力(i)[予測値]=E(i,1)[計画値]+E(i,2)[計画値]
(i=1,96)
尚、E(i,1)は上記「電気機器」A1による各時間帯i毎の電力消費量である。同様に、E(i,2)は上記「電気機器」A2による各時間帯i毎の電力消費量である。
・熱等式制約
熱量(i)[予測値]=E(i,3)[計画値]×W1+E(i,4)[計画値]×W2+F(i,5)[計画値]×S1+F(i,6)[計画値]×S2
(i=1,96)
但し、
W1: 設備P1の設備能力係数 (J/kW)
W2: 設備P2の設備能力係数 (J/kW)
S1: 設備F1の設備能力係数 (J/Nm3)
S2: 設備F2の設備能力係数 (J/Nm3)
である。
また、当然、上記E(i,3)は上記「電気熱源機器」P1による各時間帯i毎の電力消費量、上記E(i,4)は上記「電気熱源機器」P2による各時間帯i毎の電力消費量である。各時間帯i毎に、各電気熱源機器毎に、その電力消費量に対してその設備固有の設備能力係数を乗算することで、その電気熱源機器によって生じる熱量が算出されることになる。
同様に、上記F(i,5)は上記「燃料熱源機器」F1による各時間帯i毎のガス消費量、上記F(i,6)は上記「燃料熱源機器」F2による各時間帯i毎のガス消費量である。各時間帯i毎に、各燃料熱源機器毎に、そのガス消費量に対してその設備固有の設備能力係数を乗算することで、その燃料熱源機器によって生じる熱量が算出されることになる。
上記熱等式制約は、各時間帯i毎に、熱生成に係る全ての設備P1,P2,F1,F2によって生じる総熱量を、その時間帯iに係る熱需要予測値(b1(i))と同一の値とさせるという制約条件を意味している。
尚、上記W1,W2,S1,S2の各値は、各機器毎のカタログデータ、あるいは実測データ等によって、予め分かっているものであり、これら各値は予め設定しておくものとする。
[不等式制約]
最低購入電力≦ΣE(i,j)≦契約購入電力(j=1,4)
0≦ΣF(i,j)≦使用ガス流量((j=5,6)
0≦E(i,j)≦各設備毎の使用電力上限(j=1,4)
0≦F(i,j)≦各設備毎の使用ガス流量上限(j=5,6)
(i=1,96)
ここで、上記「契約購入電力」は、予め電力供給側(電力会社等)との契約等によって決められている、所定期間における(ここでは2日分の)需要家システム全体での使用電力量の上限を意味する。尚、契約によって需要家システム全体での毎日の使用電力量の上限が決められているならば、本例の場合にはこの上限×2(二日分)を上記「契約購入電力」とすればよい。上記制約条件では、所定期間(2日間)における全電気熱源機器による全消費電力が、予め電力供給側との間で決められた所定期間における上記「契約購入電力」を越えないことが、条件の1つとなる。
同様に、上記「最低購入電力」は、予め電力供給側(電力会社等)との契約等によって決められている、所定期間における(ここでは2日分の)需要家システム全体での使用電力量の下限を意味する。但し、「契約購入電力」の契約は行っても「最低購入電力」の契約が行わない場合もあるので、この場合には「最低購入電力」=0に設定することになる。上記制約条件では、所定期間(2日間)における全電気熱源機器による全消費電力が、予め電力供給側との間で決められた所定期間における上記「最低購入電力」未満とならないことが、条件の1つとなる。
また、上記「使用ガス量」は、上記「契約購入電力」と略同様であり、予めガス供給側(ガス会社等)との契約等によって決められている、所定期間における(ここでは2日分の)需要家システム全体での使用ガス量の上限を意味する。但し、この様な契約が行われない場合も少なくないので、この場合には上記不等式制約から上記“0≦ΣF(i,j)≦使用ガス流量”の制約は除外される。
上記「契約購入電力」に係る制約条件によれば、後述する“電気優先としたケース”の場合でも、設備A1,設備A2,設備P1,設備P2の4つの設備機器全てによる2日間のトータル電力使用量が、予め契約で決められた上限を越えないようにすることを条件として、目的関数を最小化する解が求められることになる。勿論、他の制約条件があれば、更に他の制約条件も満たすようにして、目的関数を最小化する解が求められることになる。
同様に、例えば上記「最低購入電力」及び「使用ガス量」に係る制約条件によれば、後述する“ガス優先としたケース”の場合でも、設備A1,設備A2,設備P1,設備P2の4つの設備機器全てによる2日間のトータル電力使用量が、予め契約で決められた下限未満とならないように、且つ、設備F1,設備F2の2つの設備機器全てによる2日間のトータルのガス使用量が、予め契約で決められた上限を越えないようにすることを条件として、目的関数を最小化する解が求められることになる。
また、上記[不等式制約]に、更に下記の不等式制約を追加してもよい。
上記不等式制約によれば、例えば後述する図4に示すr1,r2のような96点の購入電力計画値を決定する元となるE(i,3)とE(i,4)(i=1,96)(解の一部;これらも96点の各点の値である)が、それぞれ、96点の各点の相互に隣接する点同士の差が、予め任意に設定されている上記所定の変化値上限P,V以下となるようにすることも条件として、解が求められることになる。
よって、上記不等式制約によれば、後述する図4に示すr1,r2のように、少なくとも急激な変化が生じない(変化が緩らかな)解が得られることになる。
目的関数計算部25は、以下の各ステップによる処理を実行する。
・ステップS1;上記需要予測部22による予測結果を取得する。すなわち、上記“使用電力(i)[予測値]”、“熱量(i)[予測値]”(i=1,96)を取得する。
・ステップS2;目的関数を「コスト(料金)=Σ(使用ガス料金)」とする。そして、上記各種制約条件のもとで上記需要予測結果を用いてこの目的関数を最小にする解を求める。すなわち、熱生成に関して、ガスの使用量を最小とし、残りは、電気を使用するものとして最適化計算をする。換言すれば、電気優先で熱生成するものとしたケースの最適解を求める。
解としては、上記コスト(料金)(=Σ(使用ガス料金))の最小値と、E(i,j)(i=1,96;j=1,4)と、F(i,j)(i=1,96;j=5,6)が得られることになる。すなわち、ガスのコスト最小値と、当該ガスコスト最小化のための、各「電気機器」毎の消費電力計画値と、各「電気熱源機器」毎の消費電力計画値と、各「燃料熱源機器」毎の消費電力計画値とが、得られることになる。
後に、最適化計画部21が、この解に基づいて図4に示すr1を求めることになる。すなわち、上記解から“各「電気熱源機器」毎の消費電力計画値”に相当するE(i,j)(i=1,96;j=3,4)すなわちE(i,3)とE(i,4)(i=1,96)を取得して、これに基づいて後述するr1を求めることになる。
尚、最適化計画部21は、更に、目的関数計算部25による後述するガス優先としたケースの解に基づいて、図4に示すr2を求めることになる。そして、最適化計画部21は、更に、これらr1、r2に基づいて、後述する図4に示す“a2”を求めることになる。
ここで、r1、r2や“a2”は、図4では点線や実線で示すが、実際には図3に示すa1,b1等と略同様に、各時間帯i毎の値であるので、r1(i)、r2(i)、a2(i)(i=1,96)等と表記することが望ましいと考えられるので、以降、主にこの様な表記を用いるものとする。
そして、r1(i),r2(i)は、何れも、上記解におけるE(i,3)とE(i,4)(i=1,96)に基づいて求めることになる。すなわち、各時間帯i毎に“E(i,3)+E(i,4)”を求めることで、r1(i),r2(i)が求められる。
すなわち、各時間帯i(i=1,96)毎に、
r1(i)=“E(i,3)+E(i,4)”
r2(i)=“E(i,3)+E(i,4)”
が求められることになる。
但し、r1(i)を求める際にはステップS2の解としてのE(i,3)とE(i,4)(i=1,96)を用いて計算することになる。同様に、r2(i)を求める際には後述するステップS3の解としてのE(i,3)とE(i,4)(i=1,96)を用いて計算することになる。
尚、上記各時間帯i毎の“E(i,3)+E(i,4)”は、各時間帯i毎の全「電気熱源機器」による消費電力計画値を意味する。つまり、本例では、設備P1の消費電力計画値と設備P2の消費電力計画値との合計値(各時間帯i毎に算出)を意味する。
・ステップS3;目的関数を「コスト(料金)=Σ(購入電気料金)」とする。そして、上記各種制約条件のもとで上記需要予測結果を用いてこの目的関数を最小にする解を求める。すなわち、熱生成に関して、電気の使用量を最小とし、残りは、ガスを使用するものとして最適化計算をする。換言すれば、ガス優先で熱生成するものとしたケースの最適解を求める。
解としては、上記コスト(料金)(=Σ(購入電気料金))の最小値と、E(i,j)(i=1,96;j=1,4)と、F(i,j)(i=1,96;j=5,6)が得られることになる。すなわち、電気のコスト最小値と、当該電気コスト最小化のための、各「電気機器」毎の消費電力計画値と、各「電気熱源機器」毎の消費電力計画値と、各「燃料熱源機器」毎の消費電力計画値とが、得られることになる。
そして、既に述べたように、最適化計画部21によって、この解のうちのE(i,3)とE(i,4)(i=1,96)に基づいて、r2(i)が求められることになる。
以下、最適化計画部21の処理について説明する。
既に述べたように、最適化計画部21は、上記目的関数計算部25の処理によって求められた上記解(そのうちのE(i,3)とE(i,4);(i=1,96))に基づいて、上記の通りr1(i)、r2(i)(i=1,96)を求める。尚、r1(i)(i=1,96)は、電気優先とした場合の熱源機器(電気熱源機器)に係る購入計画電力(熱発生のための消費電力計画値)を意味する。r2(i)(i=1,96)は、燃料(ガス)優先とした場合の熱源機器(電気熱源機器)に係る購入計画電力(熱発生のための消費電力計画値)を意味する。
尚、r1(i)、r2(i)は、後述する“電気熱源機器に係る購入計画電力”a2(i)を決定する為の基準となる購入電力計画と見做すこともできる。よって、これらを例えば基準計画r1(i)、r2(i)などと記す場合もあるものとする。
そして、最適化計画部21は、これら基準計画r1(i)、r2(i)に基づいて、熱源機器(電気熱源機器)に係る購入計画電力a2(i)を求める。これは、熱量発生の為の電力計画値a2(i)を、電気と燃料の使用バランスを考慮して決定するものであり、例えば一例としては、図4に示すように、基準計画r1(i)とr2(i)との平均値によって、“電気熱源機器に係る購入計画電力”a2(i)を求める。すなわち、
a2(i)=(r1(i)+r2(i))÷2 (i=1,96)
を求める。
例えば上記のように平均値を用いることにより、電気優先とガス優先とで調整をする場合、上下の調整は範囲が広くなる。
すなわち、上記基準計画r1(i)は、電気優先であるので、各「電気熱源機器」毎の性能上の上限や契約上の上限を守りつつ、出来るだけ「電気熱源機器」を用いて(換言すれば出来るだけ「燃料熱源機器」は用いずに)熱を生産しようとした場合の、全「電気熱源機器」によるトータルの消費電力を意味することになる。よって、全「電気熱源機器」による実際の各時間帯i毎の消費電力を、基準計画r1(i)よりも大きくすることは、困難である(上記上限を守れなくなる等)と考えられる。
同様にして、基準計画r2(i)に関しては上記基準計画r1(i)の場合とは逆に、全「電気熱源機器」による実際の各時間帯i毎の消費電力を、基準計画r2(i)よりも小さくすることは、困難であると考えられる。
一方、上記例のa2(i)の場合、図4に示すように基準計画r1(i)とr2(i)のちょうど中間に位置するので、全「電気熱源機器」による実際の各時間帯i毎の消費電力を、a2(i)よりも大きくすることも小さくすることも容易であり、且つ、その変動量も大きくすることができる。
尚、その意味で、a2(i)は、上記のように基準計画r1(i)とr2(i)のちょうど中間に位置する例に限るものではなく、基準計画r1(i)とr2(i)の間であれば構わないことになる(但し、基準計画r1(i)に非常に近くすること、または基準計画r2(i)に非常に近くすることは、上記の理由から望ましくない)。
この様に、電気熱源機器に係る購入計画電力a2(i)に関しては、典型例としては基準計画r1(i)とr2(i)との平均値を用いることが想定できるが、例えば電気を優先にする場合は平均値よりも大きい値を購入計画電力a2(i)とし、ガスを優先にする場合は平均値よりも小さい値を“電気熱源機器に係る購入計画電力”a2(i)とする等、運用者の意図を反映することも可能である。
すなわち、例えば、
a2(i)={(r1(i)+r2(i))÷2}+α ;(i=1,96)
等としてもよいし、あるいは
a2(i)={(r1(i)+r2(i))÷2}−α ;(i=1,96)
(但し、αは予め設定される所定値)
等としてもよい。
上記のようにa2(i)を決定したら、例えば図5に示すようにして、“需要家システム全体での購入電力計画値”a3(i)を求める。すなわち、
a3(i)=a1(i)+a2(i) ;(i=1,96)
を求める。
尚、購入電力計画値a3(i)を求める機能は、図2の「電気・熱配分設定部」24の機能に対応する。求めた“需要家システム全体での購入電力計画値”a3(i)は、例えば図2のデータベース3aに格納する。
その後、この“需要家システム全体での購入電力計画値”a3(i)を、事前に、電力会社等に提出する。
そして、当日は、制御装置10が、上記データベース3aに格納された購入電力計画値a3(i)を参照しながら、需要家システム全体の実際の消費電力(設備A1,A2,P1,P2の各消費電力の合計)が、「a3(i)±3%以内」となるように、制御が行われることになる。これについては、後に図6を参照して説明する。
ここで、上記図3(a)に示す「電気機器」に係る電力需要予測a1(i)(i=1,96)も、上記図3(b)に示す熱需要予測b1(i)(i=1,96)も、何れも予測が的中するとは限らず、むしろ予測が外れる場合が多いと見做してよい。予測が外れた場合には、例えば「電気熱源機器」による実際の消費電力を、大きく/小さくする等して調整することで、需要家システム全体の実際の消費電力が、ほぼ計画通り(「計画量a3(i)±3%以内」)となるように制御する必要がある。
ここで、上記のようにa2(i)を決定しておけば、購入電力計画値a3(i)に関しても調整幅が大きくなるので(調整余力が大きい)、調整困難となることなく、需要家システム全体の実際の消費電力が、ほぼ計画通り(「計画量a3(i)±3%以内」)となるように制御することが可能となる。
一方、仮に上記r1(i)を上記a2(i)とした場合、購入電力計画値a3(i)は実質的に以下の通りとなる。
a3(i)=a1(i)+r1(i)
しかしながら、この場合、予測が外れると調整困難となる可能性が高くなる。
例えば、仮にi=4の場合に、a1(4)=100(kWh)、r1(4)=200(kWh)であった場合には、a3(4)=300(kWh)となっていることになる。更に、仮に、上記[不等式制約]における“各設備毎の使用電力上限”が、「電気熱源機器」P1、P2の両方とも100(kWh)であったものとする。これは、r1(i)が上記の通り電気優先である以上、全ての「電気熱源機器」をその能力の上限一杯まで使用することは、十分に有り得ることであり、その結果上記の通りr1(4)=200(kWh)であったとする。
以上の例において、全「電気機器」による実際の消費電力(“設備A1+設備A2”の消費電力)が、予測が外れて70(kWh)であったとすると、上記予測値a1(4)=100(kWh)との差は30(kWh)となる。
しかし、上記の例ではこの差を埋めることはできない。すなわち、「電気熱源機器」P1,P2による総消費電力を、上限一杯の200(kWh)にしても、結局、需要家システム全体の実消費電力は200+70=270(kWh)となり、「300(kWh)±3%以内」にならないことになる。
一方、仮にr2(4)=100(kWh)であったとするならば、上記平均値を用いる例では、a2(4)={r1(4)+r2(4)}÷2={(200+100)÷2}=150(kWh)となり、よってa3(4)=100+150=250(kWh)となる。
この場合、上記と同様に全「電気機器」による実際の消費電力(“設備A1+設備A2”の消費電力)が70(kWh)であったとしても、「電気熱源機器」P1,P2は、“250−70=180(kWh)”を担当すればよく、上記の通り上限一杯は200(kWh)であるので、20(kWh)の余裕を持って担当することができる。つまり、需要家システムにおける全消費電力を、上記計画値(250(kWh))通りとすることは、容易に・余裕を持って、行うことができる。
勿論、この例(平均値の例)に限らず、例えば上記
a2(i)={(r1(i)+r2(i))÷2}+α
の例の場合でも、例えばα=10(kWh)としたならば、a1(4)={(200+100)÷2}+10=160となり、これよりa3(4)=100+160=260(kWh)となる。
よって、この場合でも、「“設備A1+設備A2”の消費電力」が70(kWh)であったとしても、需要家システムにおける全消費電力を、上記計画値(260(kWh))通りとすることができる。
制御装置10は、上記データベース3aに格納された購入電力計画値a3を参照しながら、需要家システム全体の実際の消費電力(設備A1,設備A2,設備P1,設備P2の各消費電力の合計)が、「a3±3%以内」となるように制御する。すなわち、例えば以下に説明する同時同量制御(逐次)を実行する。
基本的には、各時間帯iが始まる直前に、その時間帯iに関する購入電力計画値a3(i)を取得して、これに基づいて制御を実行する。つまり、ある時間帯iにおける制御が購入電力計画値a3(i)に基づいて行われて制御完了したら、購入電力計画値a3(i+1)を取得して、これに基づいて次の時間帯“i+1”における制御を実行することになる。
上記各時間帯i(i=1,96)(30分間)毎の制御は、その時間帯iに関する購入電力計画値a3(i)に基づいて、この時間帯iを複数に分割してなる各分割時間帯毎の制御を行う(ここでは、6分割するものとし、よって5分単位の制御を行うものとする)。
制御装置10は、各設備A1,A2,P1,P2、F1,F2の状態データ(消費電力量または消費ガス量)を、計測装置5を介して収集する。また、制御装置10は、各設備P1,P2、F1,F2に対しては、任意の熱需要に応じた熱量生成の為の指示を出力する。これについては、基本的には既存技術であるので特に詳細には説明しないが、例えば一例としては以下に説明するように「電気熱源機器」(設備P1,P2)に係る指示値を決定して指示を出した後、熱需要に対して不足する分については「燃料熱源機器」(設備F1,F2)で生成させる為の指示を出す(その為の指示値を決定して設備F1,F2へ指示を出す)。
尚、制御装置10は、「電気機器」(設備A1,A2)の消費電力量については、基本的には制御できないものとする。「電気機器」(設備A1,A2)の消費電力量は、基本的に、需要家のユーザによる「電気機器」の使用状況によって決まる為、指示を送って制御できるようなものではない。
制御装置10は、本例では例えば、各設備A1,A2,P1,P2、F1,F2の状態データ(5分単位の消費電力量または消費ガス量)を、計測装置5を介して5分周期で収集する。そして、データ収集する毎に、後述する累積値Qと累積値Rとの比較・判定を行う等した後、この判定結果に応じた指示を、各設備P1,P2、F1,F2に対して出力する。
当該5分単位の制御では、例えば下記の(a)、(b)の2つのパターンによって最終的には、その時間帯iにおける需要家システム全体の実際の消費電力(30分間トータルの値)が、その時間帯iに関する購入電力計画値a3(i)とほぼ一致するように(±3%以内となるように)、制御をかけることになる(例えば、優先モードを切り換えることによる同時同量制御を行う)。この処理機能は、図2の「同時同量制御部」11の機能に対応する。
(a)システム全体の使用電力が購入電力計画値を超えそうになったら、熱源機器をガス優先にし、消費電力量を減少させるように制御装置10にてコントロールする(極端に言えば、例えば、設備P1でなく、設備F1を使用するように変える)。
(b)システム全体の使用電力が購入電力計画値を下回りそうなら、熱源機器を電気優先にし、消費電力量を増加させるように制御装置10にてコントロールする(極端に言えば、例えば、設備F1でなく、設備P1を使用するように変える)。
この例では、上述した“超えそうになったら”、”下回りそうなら”という判断方法は、例えばまず30分単位の購入電力計画値a3(i)を、5分単位に換算しておく(5分単位での購入電力計画値を求めておく。例えば、仮にa3(i)=60(kWh)であったとするならば、“5分単位での購入電力計画値”は10(kWh)となる。
そして、全「電気機器」及び全「電気熱源機器」によるトータルの消費電力量、すなわち需要家システム全体の実際の消費電力量を、5分単位で計測装置5にてモニタリングする(5分単位で、設備A1,設備A2,設備P1,設備P2の4つの設備機器の各消費電力量を取得すると共にこれらの合計値を「需要家システム全体の“5分単位での消費電力量”」として算出する)。そして、5分毎に、“5分単位での消費電力量”の累積値Qが、“5分単位での購入電力計画値”の累積値Rと、同じか、大きいか、小さいかを判定する(Q=Rか、Q>Rか、Q<Rかを判定する)。
Q>Rの場合、そのままではその時間帯iの30分間の全消費電力量が、その時間帯iに関する購入電力計画値a3(i)を越える可能性があると見做せる。すなわち、「システム全体の使用電力が購入電力計画値を超えそうになる」ものと見做せるので、上記(a)のパターンでの対応を行うことになる。
その逆に、Q<Rの場合、そのままではその時間帯i全体(30分間)の需要家システム全体の全消費電力量が、その時間帯iに関する購入電力計画値a3(i)を下回る可能性があると見做せる。すなわち、「システム全体の使用電力が購入電力計画値を下回りそうになる」ものと見做せるので、上記(b)のパターンでの対応を行うことになる。
但し、この例に限らず、例えば上記のように±3%のマージンがあるので、これに応じて、QがR±3%以内であるか(“R×0.97”≦Q≦“R×0.97”であるか)、Q>“R×1.03”であるか、あるいはQ<“R×0.97”であるかを判定するようにしてもよい。尚、この様な手法を、±3%のマージンを考慮した判定を行うものと言うものとする。
上記の例の場合には、“消費電力量”累積値Qが、“計画値”累積値Rより大きい場合には(Q>Rの場合)、上記(a)のパターンで対応する。すなわち、次の5分間に関しては、例えば一例としては、「電気熱源機器」に対する熱生成量(もしくは熱生成の為の消費電力量)に係る指示値を、現在よりも減少させた値とする(新たな指示値=現在の指示値−α)。尚、各時間帯i毎の当該指示値の初期値は、例えば上記a2(i)もデータベース3aに格納しておくことで、このa2(i)に基づいて決定すればよいが、この例に限らない。
一方、“消費電力量”累積値Qが、“計画値”累積値Rより小さい場合には(Q<Rの場合)、上記(b)のパターンで対応する。すなわち、次の5分間に関しては、例えば一例としては、「電気熱源機器」への上記指示値を、現在よりも増加させた値とする(新たな指示値=現在の指示値+α)。
上記のように、本例の制御装置10では、所定の時間単位i(ここでは30分)を分割した複数の分割時間単位(ここでは5分)で少なくとも「電気熱源機器」の制御を行うものであって、該各分割時間単位毎に、所定の時間単位iでの需要家システム全体の全消費電力が、購入電力計画値a3(i)と略一致しそうか否かを判定し、該判定結果に応じて「電気熱源機器」の制御量(上記指示値など)を増減する。これによって、結果的に、30分間での需要家システム全体の全消費電力を、購入電力計画値a3(i)と略一致させることができる。
尚、上記αの値は、予め任意に決めて設定しておくものとする。また、尚、上記の例では増加量と減少量は同じ値(すなわちα)としたが、この例に限らず、増加量と減少量とが異なるようにしてもよい。
尚、Q=Rの場合には、例えば、指示値の変更無し(新たな指示値=現在の指示値)とすればよい(これを(c)のパターンと呼ぶものとする)。
ここで、一例として上記a3(i)=60(kWh)の例を用いて説明するならば、まず5分経過時点で、この時間帯iのスタートから5分経過時点までの各「電気機器」及び各「電気熱源機器」の消費電力量を取得して、これら消費電力量の合計値を求める。すなわち、設備A1、設備A2、設備P1、設備P2の4つの設備それぞれの5分経過時点での消費電力量(5分間の消費電力量)を取得して、これら4つの消費電力量の合計値を求める。この合計値が上記“消費電力量”累積値Qに相当する。
一方、上記“計画値”累積値Rは、本例ではこの時点では10(kWh)ということになる(例えば、上記6分割して成る各分割時間帯をk=1,2,3,4,5,6で識別するものとし、各分割時間帯kに対応する“計画値”累積値Rは、R=k×10(kWh)で求めるものとする。よって、最初はk=1であるので、ここではR=1×10(kWh)=10(kWh)となる)。
これより、ここでは、Q=10か、Q>10か、あるいはQ<10であるかを判定して、判定結果に応じて、次の5分間(分割時間帯k=2)に関して、上記(a)〜(c)何れかのパターンで対応することになる。
次に、10分経過時点で(分割時間帯k=2)、スタートから10分経過時点までの各「電気機器」及び各「電気熱源機器」の消費電力量を取得して、これら消費電力量の合計値(“消費電力量”累積値Q)を求める。
すなわち、設備A1、設備A2、設備P1、設備P2の4つの設備それぞれの10分経過時点での消費電力量(10分間の消費電力量)を取得して、これら4つの消費電力量の合計値を求める。この合計値が上記“消費電力量”累積値Qに相当する。
一方、上記“計画値”累積値Rは、本例ではこの時点では20(kWh)ということになる(ここではk=2であるので、R=2×10(kWh)=20(kWh)となる)。
これより、ここでは、Q=20か、Q>20か、あるいはQ<20であるかを判定して、判定結果に応じて、次の5分間(分割時間帯k=3)に関して、上記(a)〜(c)何れかのパターンで対応することになる。
ここで、図6には、上述した±3%のマージンを考慮した判定を行う例について、10分経過時点での判定のイメージを示す。この場合、R=20(kWh)となっており、±3%であるから±0.6(kWh)のマージンのもと、上記判定が行われることになる。すなわち、上記“消費電力量”累積値Qの値が「19.4≦Q≦20.6」の範囲内であればOKであるが、この範囲内に無い場合には、「電気熱源機器」などへの指示値の調整を行うことになる。図示の例では、Q>20.6となるので、次の5分間(10分経過〜15分経過までの5分間)に関しては、「電気熱源機器」への指示値を、現在よりも減少させた値とする(新たな指示値=現在の指示値−α)ことになる。
その後も同様にして、15分経過時点ではR=30、20分経過時点ではR=40として上記と同様の判定と対応を行うことになる。
尚、上記「電気熱源機器」への指示値は、本例では「設備P1への指示値+設備P2への指示値」を意味することになる。上記のように「電気熱源機器」への指示値を変更することで、各設備P1,P2への指示値も変更することになるが、どの様に変更するかについては特に言及しない(単純に、α/2ずつ変更してもよいが、この例に限らない)。「電気熱源機器」への指示値を変更することで、「燃料熱源機器」への指示値も変更することになるが、これについても特に具体的な制御方法は言及しない。単純に、「電気熱源機器」では指示値に応じた熱量が生成されるものとし、熱需要に対して足りない分を、「燃料熱源機器」によって生成させるように制御してもよいが、この例に限らない。
以上説明したように、本手法によれば、電気機器の消費電力を予測すると共に熱源機器によって生成すべき熱量を予測し、熱量発生の為の消費電力計画値を電気と燃料の使用バランスを考慮して決定することで、全消費電力計画値を求め、その後の運用時には熱量発生の為の使用電力量を調整することにより、ほぼ確実に同時同量制御を実現することができる。また、既存設備の改造なく、イニシャルコストを抑えた制御をおこなうことを可能とする。
1 入力装置
2 出力装置
3 データ収集装置
3a データベース
4 バス
5 計測装置
6 制御対象(設備)
7 ネットワーク
10 制御装置
11 同時同量制御部
12 出力部
20 演算装置
21 最適化計画部
22 需要予測部
23 制約設定部
24 電気・熱配分設定部
25 目的関数計算部

Claims (6)

  1. 電気を用いる熱源機器である電気熱源機器と、燃料を用いる熱源機器である燃料熱源機器と、電気を用いる機器であって熱源機器以外の機器である電気機器とを備える需要家システムにおいて、
    事前に任意の所定期間における前記需要家システム全体の購入電力計画値を求める購入電力計画生成装置と、該購入電力計画値に基づいて同時同量制御を行う制御装置とを有し、
    前記購入電力計画生成装置は、
    前記所定期間に関して、事前に、熱需要の予測値と前記電気機器に係る電力需要の予測値を求める需要予測手段と、
    前記所定期間に関して、事前に、所定の目的関数を所定の制約条件に従って最小化する問題に対する解として、前記熱需要に対して電気優先で熱を生産するケースの前記電気熱源機器に係る消費電力計画値を第1の解として求めると共に、前記熱需要に対して燃料優先で熱を生産するケースの前記電気熱源機器に係る消費電力計画値を第2の解として求める基準解算出手段と、
    前記第1の解と第2の解とに基づいて、前記所定期間における前記電気熱源機器に係る購入電力計画値を求める電気熱源機器電力計画算出手段と、
    該電気熱源機器電力計画算出手段で求めた前記電気熱源機器に係る購入電力計画値と、前記需要予測手段で求めた前記電気機器に係る電力需要予測値とに基づいて、前記所定期間における前記需要家システム全体の購入電力計画値を求める購入電力計画算出手段とを有し、
    前記制御装置は、前記購入電力計画算出手段で求めた前記需要家システム全体の購入電力計画値に基づいて、前記電気機器及び前記電気熱源機器による全消費電力を計画値と略一致させる制御である前記同時同量制御を実現させることを特徴とする同時同量制御システム。
  2. 前記電気熱源機器電力計画算出手段は、前記第1の解と第2の解との平均値を、前記所定期間における前記電気熱源機器に係る購入電力計画値とすることを特徴とする請求項1記載の同時同量制御システム。
  3. 前記電気熱源機器に係る購入電力計画値は、所定の時間単位で求められ、
    前記制御装置は、前記所定の時間単位を分割した複数の分割時間単位で少なくとも前記電気熱源機器の制御を行うものであって、該各分割時間単位毎に、前記所定の時間単位での前記電気熱源機器による全消費電力が前記購入電力計画値と略一致しそうか否かを判定し、該判定結果に応じて前記電気熱源機器の消費電力量を増減させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の同時同量制御システム。
  4. 前記所定の制約条件には、前記所定期間における全電気熱源機器による全消費電力が、予め電力供給側との間で決められた前記所定期間における契約購入電力を越えないことが含まれることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の同時同量制御システム。
  5. 前記所定の制約条件には、前記所定期間における全電気熱源機器による全消費電力が、予め電力供給側との間で決められた前記所定期間における最低購入電力未満とならないことが含まれることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の同時同量制御システム。
  6. 電気を用いる熱源機器である電気熱源機器と、燃料を用いる熱源機器である燃料熱源機器と、電気を用いる機器であって熱源機器以外の機器である電気機器とを備える需要家システムにおける、事前に任意の所定期間における前記需要家システム全体の購入電力計画値を求める購入電力計画生成装置であって、
    前記所定期間に関して、事前に、熱需要の予測値と前記電気機器に係る電力需要の予測値を求める需要予測手段と、
    前記所定期間に関して、事前に、所定の目的関数を所定の制約条件に従って最小化する問題に対する解として、前記熱需要に対して電気優先で熱を生産するケースの前記電気熱源機器に係る消費電力計画値を第1の解として求めると共に、前記熱需要に対して燃料優先で熱を生産するケースの前記電気熱源機器に係る消費電力計画値を第2の解として求める基準解算出手段と、
    前記第1の解と第2の解とに基づいて、前記所定期間における前記電気熱源機器に係る購入電力計画値を求める電気熱源機器電力計画算出手段と、
    該電気熱源機器電力計画算出手段で求めた前記電気熱源機器に係る購入電力計画値と、前記需要予測手段で求めた前記電気機器に係る電力需要予測値とに基づいて、前記所定期間における前記需要家システム全体の購入電力計画値を求める購入電力計画算出手段と、
    を有することを特徴とする購入電力計画生成装置。

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