JP6605721B2 - 燃料電池の製造方法および燃料電池 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池の製造方法および燃料電池に関する。
従来、燃料電池が知られている。国際公開第2011/148769号には、一対のインターコネクタと、一対のインターコネクタの間に設けられる、セル本体と、セル本体の外縁部の上面に接合して、空気流路と燃料流路とを遮断するセパレータとを備える燃料電池が開示されている。また、セパレータの空気極側と燃料極側とには、それぞれ、板形状のガスシール部が設けられている。また、ガスシール部は、たとえば、マイカ(雲母)により構成されている。
また、特開2013−20886号公報に記載の燃料電池にも、一対のインターコネクタと、一対のインターコネクタの間に設けられる、シール部材および電解質電極接合体とを備える燃料電池が開示されている。また、シール部材は、たとえば、マイカにより構成されている。
国際公開第2011/148769号 特開2013−20886号公報
ここで、国際公開第2011/148769号および特開2013−20886号公報に記載のような従来の燃料電池において、燃料電池がシャットダウンされた際、燃料電池の温度が低下する。このため、燃料電池内の空気の体積が小さくなる。そして、ガスシール部(シール部材)をマイカにより構成した場合、マイカはケイ素塩が積層された層状構造を有するため、劈開しやすい。このため、燃料電池内の空気の体積が小さくなり、燃料電池内の気圧が小さくなることに起因して、燃料電池の外部から薄いマイカの層の間の隙間を介して、空気が燃料電池内に侵入するという不都合がある。このため、シャットダウン時、たとえば400度以上の高温状態で空気がスタック内に侵入することによりセルが酸化して劣化するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、シャットダウン時に外部から侵入する空気に起因するセルの劣化を抑制することが可能な燃料電池の製造方法および燃料電池を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による燃料電池の製造方法は、一方の表面にアノードが形成され他方の表面にカソードが形成されたセルと、セルの外側を取り囲むように設けられ、アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤とが混合するのを抑制する、セラミック粒子と非晶質であるガラスとを有する絶縁部材と、セルのアノード側に設けられる金属製の厚み調整部材と、を含む発電ユニットを、複数積層する工程と、積層された複数の発電ユニットを第1の温度に昇温するとともに、積層方向に隣接する複数の発電ユニットに、互いに近接する方向に第1の荷重を加えることにより、絶縁部材の厚みを調整する工程と、積層された複数の発電ユニットを第1の温度に昇温するのに先立って、第1の温度よりも低い第2の温度に昇温するとともに、第1の温度に昇温前の絶縁部材からバインダを取り除くことにより、バインダを取り除く工程後の絶縁部材に含まれるセラミック粒子の重量%を、5重量%以上30重量%以下にする工程とを備える。
この発明の第1の局面による燃料電池の製造方法では、上記のように、セルの外側を取り囲むように設けられ、アノードに供給される燃料ガスと、カソードに供給される酸化剤とが混合するのを抑制する、セラミック粒子と非晶質であるガラスとを有する絶縁部材とを含む発電ユニットを、複数積層する工程を備える。これにより、絶縁部材がセラミック粒子と非晶質であるガラスとを有するように構成されているので、絶縁部材がマイカから構成されている場合と異なり、絶縁部材が劈開することがない。その結果、燃料電池のシャットダウン時に、燃料電池内の温度が低下することにより、燃料電池内の空気の体積が小さくなった場合でも、燃料電池の外部から絶縁部材を介して、空気が燃料電池内に侵入することはない。その結果、シャットダウン時に外部から侵入する空気に起因するセルの劣化を抑制することができる。
また、絶縁部材がセラミック粒子を有しているので、絶縁部材の厚みが、所定の厚みよりも小さくなることが抑制される。これにより、絶縁部材の厚みが小さくなることに起因して絶縁性が確保できなくなるのを抑制することができるとともに、発電ユニットの厚みが小さくなり過ぎないように厚みを確保することができる。また、発電ユニットを昇温させることにより、ガラスが軟化した場合でも、ガラスの過度な流動をセラミック粒子により抑制することができる。また、絶縁部材が非晶質であるガラスを有しているので、絶縁部材にクラックが生じている場合でも、発電ユニットを昇温することにより、ガラスが融解することによって、クラックを修復することができる。その結果、クラックをなくすことができる。
また、積層された複数の発電ユニットを第1の温度に昇温するのに先立って、第1の温度よりも低い第2の温度に昇温するとともに、第1の温度に昇温前の絶縁部材からバインダを取り除く工程をさらに備える。これにより、積層された複数の発電ユニットを第2の温度に昇温することで、バインダが焼失あるいは熱分解するので、容易に、非晶質であるガラスとセラミック粒子とを有する絶縁部材を形成することができる。
また、バインダを取り除く工程は、第1の温度に昇温前の絶縁部材からバインダを取り除くことにより、バインダを取り除く工程後の絶縁部材に含まれるセラミック粒子の重量%を、5重量%以上30重量%以下にする。ここで、セラミック粒子の重量%が少な過ぎると、発電ユニットを昇温させてガラスが軟化した場合に、ガラスの流動が大きくなり過ぎる。すなわち、絶縁部材が荷重に耐えることができずに絶縁部材が潰れてしまうので、セルのアノードの下方に配置される厚み調整部材も過度に潰れてしまう。また、セラミック粒子の重量%が多過ぎると、発電ユニットを昇温させてガラスを軟化させても、ガラスの流動が少ないので、クラックが生じるとともに、絶縁部材の厚みを調整しにくくなる。そこで、上記のように、絶縁部材に含まれるセラミック粒子の重量%を、5重量%以上30重量%以下にすることにより、ガラスの過度な流動が抑制されるので、絶縁部材が潰れることに起因する厚み調整部材の過度の潰れを抑制することができる。また、ガラスの流動が少な過ぎることに起因する、クラックの発生と、絶縁部材の厚みの調整が困難になることとを抑制することができる。
この場合、好ましくは、バインダを取り除く工程は、ガラスが軟化する温度よりも低い第2の温度を維持することにより、昇温前の絶縁部材に含まれるバインダを取り除く工程を含む。このように構成すれば、第2の温度が、ガラスが軟化する温度よりも低いので、ガラスが軟化する前にバインダを取り除くことができる。
上記バインダを取り除く工程を備える燃料電池の製造方法において、好ましくは、バインダの熱分解開始温度または焼失開始温度は、ガラスが軟化する温度よりも低い。このように構成すれば、容易に、ガラスが軟化する前にバインダを取り除くことができる。
上記バインダを取り除く工程を備える燃料電池の製造方法において、好ましくは、絶縁部材の厚みを調整する工程とバインダを取り除く工程との間に設けられ、積層された複数の発電ユニットを昇温させながら、第1の荷重よりも小さい第2の荷重を、積層方向に隣接する複数の発電ユニットに、互いに近接する方向に加えることにより、絶縁部材の収縮を抑制する工程をさらに備える。このように構成すれば、絶縁部材の両側から第2の荷重が加えられるので、発電ユニットを昇温させることによるガラスの軟化に起因する、絶縁部材の変形を効果的に抑制することができる。
この場合、好ましくは、絶縁部材の収縮を抑制する工程は、絶縁部材に含まれるガラスが軟化する前に、第2の荷重を複数の発電ユニットに加える工程を含む。このように構成すれば、ガラスが軟化する前に第2の荷重が加えられるので、発電ユニットを昇温させることによるガラスの軟化に起因する、絶縁部材の変形を確実に抑制することができる。
上記バインダを取り除く工程を備える燃料電池の製造方法において、好ましくは、バインダを取り除く工程の後、第2の温度よりも高くかつ第1の温度よりも低い第3の温度に昇温するとともに、還元性ガスの雰囲気下に厚み調整部材を配置することにより、酸化した状態の厚み調整部材を還元することによって、厚み調整部材の硬さを小さくする工程をさらに備える。このように構成すれば、厚み調整部材の硬さが小さくなるので、第1の荷重を加えることにより、絶縁部材の厚みを調整する際に、厚み調整部材の厚みも調整することができる。すなわち、厚み調整部材を含む発電ユニットの厚みを調整することができる。
上記第1の局面による燃料電池の製造方法において、好ましくは、昇温前の絶縁部材に含まれるセラミック粒子の粒径は、10μm以下である。このように構成すれば、セラミック粒子の粒径が大き過ぎることに起因して、絶縁部材の厚みの調整が困難になるのを抑制することができる。すなわち、厚みを小さくすることができなくなるのを抑制することができる。
この発明の第2の局面による燃料電池は、積層された複数の発電ユニットを備え、発電ユニットは、一方の表面にアノードが形成され、他方の表面にカソードが形成されたセルと、セルの外側を取り囲むように設けられ、アノードに供給される燃料ガスと、カソードに供給される酸化剤とが混合するのを抑制する、セラミック粒子と非晶質であるガラスとを有する絶縁部材と、セルのアノード側に設けられる金属製の厚み調整部材と、を含絶縁部材は、5重量%以上30重量%以下のセラミック粒子を含む
この発明の第2の局面による燃料電池では、上記のように、発電ユニットは、セルの外側を取り囲むように設けられ、アノードに供給される燃料ガスと、カソードに供給される酸化剤とが混合するのを抑制する、セラミック粒子と非晶質であるガラスとを有する絶縁部材とを含む。これにより、絶縁部材がセラミック粒子と非晶質であるガラスとを有するように構成されているので、絶縁部材がマイカから構成されている場合と異なり、絶縁部材が劈開することがない。その結果、燃料電池のシャットダウン時に、燃料電池内の温度が低下することにより、燃料電池内の空気の体積が小さくなった場合でも、燃料電池の外部から絶縁部材を介して、空気が燃料電池内に侵入することはない。その結果、シャットダウン時に外部から侵入する空気に起因するセルの劣化を抑制することが可能な燃料電池を提供することができる。
また、絶縁部材がセラミック粒子を有しているので、発電ユニットの厚みの確保、ガラスの過度な流動の抑制、および、クラックの修復を図ることができる。
また、絶縁部材は、5重量%以上30重量%以下のセラミック粒子を含む。これにより、ガラスの過度な流動が抑制されるので、絶縁部材が潰れることに起因する厚み調整部材の潰れを抑制することができる。また、ガラスの流動が少な過ぎることに起因する、クラックの発生と、絶縁部材の厚みの調整が困難になることとを抑制することができる。
また、発電ユニットは、セルのアノード側に設けられる金属製の厚み調整部材をさらに含む。これにより、容易に、セル間の導通を金属製の厚み調整部材により確保しながら、発電ユニットの厚みを調整することができる。
上記第2の局面による燃料電池において、好ましくは、積層された複数の発電ユニットの積層方向の一方の端部側に配置され、セルを積層方向の他方の端部側に向けて押圧する弾性部材をさらに備える。このように構成すれば、積層された複数の発電ユニットにそれぞれ含まれるセルとセパレータ(隣接する発電ユニットにそれぞれ含まれるセルの間に配置される部材)との接触不良が抑制されるので、セルとセパレータとの接触抵抗が大きくなるのを抑制することができる。
上記第2の局面による燃料電池において、好ましくは、絶縁部材は、セルの外側を取り囲むように枠形状を有する。このように構成すれば、容易に、セルの外側を取り囲むように絶縁部材を配置することができる。
本発明によれば、上記のように、燃料電池のシャットダウン時に外部から侵入する空気に起因するセルの劣化を抑制することができる。
本発明の一実施形態による燃料電池の分解斜視図である。 本発明の一実施形態による発電ユニットの分解斜視図である。 本発明の一実施形態によるセパレータの分解斜視図である。 本発明の一実施形態による燃料電池の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による絶縁部材の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による昇温前の絶縁部材の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態による燃料電池(セルスタック)の製造方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態]
(燃料電池の構成)
図1〜図5を参照して、本実施形態による燃料電池100の構成について説明する。なお、燃料電池100は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。また、燃料電池100は、発電ユニット10を複数積層することにより構成されている。なお、発電ユニット10は、燃料ガスと酸化剤(空気)とが対向するように流れる(カウンタフロー)ように構成されている。
図2に示すように、発電ユニット10では、下方側(Z2方向側)から、セパレータ20と、絶縁部材30と、金属多孔体である発泡ニッケル40と、セル50と、セル押さえ60とが、この順で積層されている。なお、発泡ニッケル40は、特許請求の範囲の「厚み調整部材」の一例である。
図3に示すように、セパレータ20では、下方側(Z2方向側)から、集電プレート21と、カソードプレート22と、セパレータ本体23と、アノードプレート24と、セルホルダ25とが、この順で積層されている。
集電プレート21は、セル50のカソード53に接触する(図4参照)ように構成されている。また、集電プレート21には、燃料ガスが流通する孔部21aと、酸化剤が流通する孔部21bおよび孔部21cとが設けられている。また、集電プレート21には、酸化剤をカソード53に導くための複数の孔部21dが設けられている。
カソードプレート22には、燃料ガスが流通する孔部22aと、酸化剤が流通する孔部22bおよび孔部22cとが設けられている。また、カソードプレート22には、X方向に沿って、酸化剤の流路22dが設けられている。具体的には、酸化剤は、流路22dの下面側(Z2方向側)を流通する。
また、セパレータ本体23には、燃料ガスが流通する孔部23aと、酸化剤が流通する孔部23bおよび孔部23cとが設けられている。また、セパレータ本体23の表面は、平坦面状に形成されている。
また、アノードプレート24には、燃料ガスが流通する孔部24a(および孔部24d)と、酸化剤が流通する孔部24bおよび孔部24cとが設けられている。また、アノードプレート24には、X方向に沿って、燃料ガスの流路24eが設けられている。燃料ガスは、流路24eの上面側を流通する。なお、集電プレート21、カソードプレート22、セパレータ本体23およびアノードプレート24は、導電性の部材により形成されている。これにより、セパレータ20の上面側に配置されるセル50と、下面側に配置されるセル50とが導通する。すなわち、セパレータ20の上面側に配置されるセル50と、下面側に配置されるセル50とが電気的に接続される。
また、セルホルダ25には、燃料ガスが流通する孔部25aと、酸化剤が流通する孔部25bおよび孔部25cとが設けられている。また、セルホルダ25の中央部には、開口部25dが設けられている。
また、絶縁部材30には、燃料ガスが流通する孔部30eと、酸化剤が流通する孔部30bおよび孔部30cとが設けられている。また、本実施形態では、絶縁部材30は、セル50の外側を取り囲むように(図4参照)、枠形状を有する。そして、絶縁部材30の中央部には、開口部30dが設けられている。絶縁部材30は、孔部30e(開口部30d)を流通してアノード51に供給される燃料ガスと、孔部30bおよび孔部30cを流通してカソード53に供給される酸化剤とが混合するのを抑制するように構成されている。また、絶縁部材30は、積層方向に隣接するセル50間を絶縁するように構成されている。
また、図4に示すように、本実施形態では、発泡ニッケル40は、セル50のアノード51側(Z2方向側)に設けられている。また、発泡ニッケル40は、略矩形形状を有し、セル50の後述するアノード51および固体電界質層52と略同じ大きさ(面積)を有する。
図4に示すように、セル50は、アノード51、固体電界質層52、カソード53を含む。なお、セル50は、Z1方向側の面にカソード53が形成され、カソード53が形成される面とは反対側の面(Z2方向側の面)にアノード51が形成されている。また、アノード51は、固体電界質層52のZ2方向側表面の略全面上に設けられている。カソード53は、固体電界質層52のZ1方向側の表面の一部上に設けられている。
また、図3に示すように、セル押さえ60には、燃料ガスが流通する孔部60aと、酸化剤が流通する孔部60bおよび孔部60cとが設けられている。また、セル押さえ60の中央部には、開口部60dが設けられている。
そして、図4に示すように、セルホルダ25の開口部25d、および、絶縁部材30の開口部30d内にセル50が配置されている。また、セル押さえ60は、絶縁部材30と固体電界質層52とに跨るように配置されている。これにより、カソード53は、セル押さえ60の開口部60dから露出している。そして、カソード53は、上方側の集電プレート21に電気的に接続されている。
また、図2に示すように、最も上方に配置される発電ユニット10の上面上には、トッププレートを含む一方アノードプレートは含まないセパレータ20aが設けられている。また、最も下方に配置される発電ユニット10の下面上には、ボトムプレートを含む一方カソードプレートは含まないセパレータ20bが設けられている。
図3に示すように、セル50のアノード51に供給される燃料ガスは、セパレータ本体23のX1方向側の孔部23aから、アノードプレート24の孔部24dを介して、アノードプレート24の上面側(Z1方向側面側)に流入する。また、反応後の燃料ガスは、アノードプレート24のX2方向側の孔部24aを介して流出する。また、セル50のカソード53に供給される酸化剤(空気)は、カソードプレート22のX2方向側の孔部22bから、集電プレート21の上面側(カソードプレート22の下面側)に流入する。また、反応後の酸化剤は、集電プレート21のX1方向側の孔部21cを介して流出する。
また、図1に示すように、積層された複数の発電ユニット10により、セルスタック70が構成されている。また、燃料電池100では、セルスタック70が、複数積層されている。そして、本実施形態では、セルスタック70(積層された複数の発電ユニット10)の積層方向の一方の端部側に配置され、セル50を積層方向の他方の端部側に押圧する弾性部材80が設けられている。具体的には、弾性部材80は、平面視において、発電ユニット10のセル50に重なるように、積層されるセルスタック70(複数の発電ユニット10)の間に配置されている。また、弾性部材80は、平面視において、略矩形形状を有する。また、弾性部材80は、セラミックファイバーマットを含む。なお、弾性部材80は、後述する燃料電池100(セルスタック70)の製造時ではなく、セルスタック70が完成した後、燃料電池100が実際に使用される際に、セル50を押圧する。
また、平面視において、セル50の外周側に弾性部材80と重ならないように、積層されるセルスタック70(複数の発電ユニット10)の間に配置され、弾性部材80よりも硬い部材からなる中間プレート81が設けられている。また、中間プレート81は、弾性部材80よりも硬い金属製(たとえば、SUS:Stainless steel)である。中間プレート81は、額縁形状を有しており、弾性部材80は、額縁形状の中間プレート81の開口部81a内に配置されている。
また、中間プレート81と、下方に配置されるセルスタック70との間には、絶縁性の中間絶縁プレート82が設けられている。中間絶縁プレート82は、たとえば、結晶化ガラスからなる。なお、結晶化ガラスとは、ガラスを再加熱して、結晶を析出させることにより形成されたガラスである。中間絶縁プレート82は、額縁形状を有しており、弾性部材80は、額縁形状の中間絶縁プレート82の開口部82a内に配置されている。すなわち、中間プレート81の開口部81aと、中間絶縁プレート82の開口部82aとは連通するように設けられており、弾性部材80は、開口部81aと開口部82aとに跨るように配置されている。
また、弾性部材80、中間プレート81および中間絶縁プレート82の組は、複数の箇所(セルスタック70の間)に配置されている。また、最上段のセルスタック70の上面上と、弾性部材80、中間プレート81および中間絶縁プレート82の組との間には、エンドプレート83が設けられている。また、最上段の弾性部材80、中間プレート81および中間絶縁プレート82の組の上面上に、絶縁部材84が設けられている。絶縁部材84は、たとえば、マイカにより構成されている。
また、絶縁部材84の上面上に押圧プレート90が設けられている。また、押圧プレート90は、弾性部材80よりも硬い金属製(たとえば、SUS:Stainless steel)である。
また、押圧プレート90の上面上に、押圧プレート90を加圧する加圧部材91が設けられている。具体的には、加圧部材91は、セラミックから形成されている複数(本実施形態では5個)のばね部材91aからなる。そして、4個のばね部材91aにより、略矩形形状の押圧プレート90の4隅が加圧され、1個のばね部材91aにより、略矩形形状の押圧プレート90の中央部が加圧されている。また、押圧プレート90には、ばね部材91aが配置される凹部90aが設けられている。
また、加圧部材91の上方(Z1方向側)には、加圧部材91(ばね部材91a)を押圧するばね押圧プレート92が配置されている。ばね押圧プレート92には、複数の棒状部材93が挿入される複数の貫通孔92aが設けられている。棒状部材93の下方端は、図示しない剛体プレートなどに固定されるように構成されている。そして、複数の棒状部材93が、ばね押圧プレート92の貫通孔92aに挿入され、下方端が固定されるとともに、上方端にナット94が締結されることにより、ばね押圧プレート92が下方に押圧される。これにより、ばね部材91aが押圧されて、押圧プレート90および弾性部材80を介して、セル50が押圧される。
また、最も下方に位置するセルスタック70の下方には、たとえば、結晶化ガラスからなる絶縁部材95が配置されている。絶縁部材95は、たとえば結晶化ガラスから構成されている。
(絶縁部材の詳細な構造)
次に、絶縁部材30の詳細な構造について説明する。
本実施形態では、図5に示すように、絶縁部材30は、セラミック粒子32と非晶質であるガラス33とを有する。具体的には、絶縁部材30は、5重量%以上30重量%以下のセラミック粒子32を含んでいる。また、セラミック粒子32は、たとえば、ジルコニア(二酸化ジルコニウム:ZnO)からなる。なお、図5では、セラミック粒子32の大きさが強調されて、実際よりも大きく記載されている。
(燃料電池の製造方法)
次に、図1、図2および、図5〜図7を参照して、燃料電池100(セルスタック70)の製造方法について説明する。なお、図7では、セラミック粒子32およびバインダ34の大きさが強調されて、実際よりも大きく記載されている。
まず、図1に示すように、発電ユニット10が、複数積層されることにより、セルスタック70が構成される。図2に示すように、発電ユニット10は、セパレータ20と、絶縁部材30と、発泡ニッケル40と、セル50と、セル押さえ60とが、この順で積層されている。また、絶縁部材30は、セラミック粒子32と非晶質であるガラス33とを有する。
具体的には、図6に示すように、絶縁部材30(昇温前の絶縁部材30a)には、セラミック粒子32、ガラス33およびバインダ34が含まれている。ここで、本実施形態では、昇温前の絶縁部材30aに含まれるセラミック粒子32の粒径pは、10μm以下である。また、バインダ34は、たとえば、アクリル共重合体からなる。
次に、図7に示すように、時刻t0〜時刻t1の間において、セルスタック70(複数積層された発電ユニット10)が昇温(加熱)される。セルスタック70は、空気雰囲気下において昇温される。なお、時刻t0から、後述する時刻t4まで、空気雰囲気下においてセルスタック70が昇温される。
そして、本実施形態では、積層された複数の発電ユニット10(セルスタック70)を後述する温度T4に昇温するのに先立って、温度T4よりも低い温度T1に昇温するとともに、温度T4に昇温前の絶縁部材30aのうちのバインダ34を取り除く。具体的には、時刻t1において、セルスタック70は、温度T1に昇温される。そして、時刻t1〜時刻t2の間において、セルスタック70の温度は、T1に維持される。これにより、絶縁部材30aに含まれるバインダ34が取り除かれる。なお、温度T4は、特許請求の範囲の「第1の温度」の一例である。また、温度T1は、特許請求の範囲の「第2の温度」の一例である。
また、本実施形態では、ガラス33が軟化する温度T2よりも低い温度T1を維持することにより、昇温前の絶縁部材30aに含まれるバインダ34が取り除かれる。具体的には、バインダ34が熱分解されることにより、絶縁部材30aから取り除かれる。また、バインダ34の熱分解開始温度または焼失開始温度温は、ガラス33が軟化する温度T2よりも低い。これにより、時刻t2では、ガラス33は軟化していない。
また、本実施形態では、温度T4に昇温前の絶縁部材30aからバインダ34を取り除くことにより、バインダ34を取り除く工程後の絶縁部材30に含まれるセラミック粒子32の重量%を、5重量%以上30重量%以下にする。すなわち、バインダ34が取り除かれた後の絶縁部材30の重量(セラミック粒子32の重量+ガラス33の重量)に対するセラミック粒子32の重量が、5%以上30%以下となる。
次に、本実施形態では、後述する絶縁部材30の厚みtを調整する工程とバインダ34を取り除く工程との間に、積層された複数の発電ユニット10を昇温させながら、後述する荷重F2よりも小さい荷重F1を、積層方向に隣接する複数の発電ユニット10に、互いに近接する方向に加える。これにより、絶縁部材30の収縮が抑制される。具体的には、時刻t2において、複数の発電ユニット10が温度T1より昇温される。そして、時刻t2において、複数の発電ユニット10に、荷重F1が加えられる。なお、荷重F1が加えられた状態は、時刻t2から後述する時刻t5まで維持される。なお、荷重F2および荷重F1は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の荷重」および「第2の荷重」の一例である。
時刻t2から昇温された複数の発電ユニット10の温度は、時刻t3において、ガラス33が軟化する温度T2に達する。これにより、時刻t3において、絶縁部材30に含まれるガラス33が軟化し始める。ここで、ガラス33が軟化することにより、ガラス33が流動して、絶縁部材30が変形する。そこで、本実施形態では、絶縁部材30に含まれるガラス33が軟化する前(時刻t2)に、荷重F1を複数の発電ユニット10に加えることにより、絶縁部材30の変形が抑制される。
次に、本実施形態では、バインダ34を取り除く工程の後、複数の発電ユニット10(セルスタック70)が、温度T1よりも高くかつ後述する温度T4よりも低い温度T3に昇温されるとともに、還元性ガス(Hガス、流量M1)の雰囲気下に配置される。これにより、発泡ニッケル40が還元性ガス(Hガス)の雰囲気下に配置されることにより、酸化した状態の発泡ニッケル40が還元される。そして、発泡ニッケル40の硬さを小さくなる。なお、温度T3は、特許請求の範囲の「第3の温度」の一例である。
具体的には、時刻t4において、発電ユニット10(セルスタック70)の温度がT3となり、時刻t5まで、温度T3の状態が維持される。そして、時刻t3において、Nで雰囲気を置換するとともに、発電ユニット10が還元性ガス(Hガス)の雰囲気下に配置される。ここで、還元性ガス(Hガス)の雰囲気下に配置される前の発泡ニッケル40は酸化しており、還元性ガス(Hガス)により、発泡ニッケル40に含まれる酸化した状態のニッケルが、金属のニッケルに還元される。これにより、発泡ニッケル40の硬さが小さくなる。
次に、本実施形態では、積層された複数の発電ユニット10を昇温するとともに、積層方向に隣接する複数の発電ユニット10に、互いに近接する方向に荷重F2を加えることにより、絶縁部材30の厚みtを調整する。具体的には、時刻t5では、複数の発電ユニット10の温度は、T3である。また、時刻t5において、還元性ガス(Hガス)の流量がM1からM2に減少される。そして、時刻t5から、複数の発電ユニット10(セルスタック70)に、荷重F2が加えられる。そして、荷重F2が加えられた状態で、複数の発電ユニット10が昇温され、時刻t6において、複数の発電ユニット10の温度が、T4となる。その後、時刻t7まで、荷重F2が加えられた状態で、複数の発電ユニット10の温度がT4に維持される。温度T4は、ガラス33が軟化する温度T2よりも大きいため、荷重F2が加えられ始めた時刻である時刻t5から、時刻t7までは、ガラス33は軟化したままの状態である。これにより、絶縁部材30の厚みtが調整可能になる。
具体的には、絶縁部材30の厚みtが、図7の厚みt1の状態から、図5の厚みt2の状態に小さくされる。なお、発泡ニッケル40が還元されることにより、硬さが小さくされているため、荷重F2により、発泡ニッケル40の厚みも調整される。すなわち、荷重F2により、複数の発電ユニット10の全体の厚みが調整される。つまり、各々の発電ユニット10の厚みが調整される。
そして、時刻t7以降、複数の発電ユニット10が降温される。具体的には、複数の発電ユニット10の温度は、時刻t7から時刻t8の間で、段階的に降温される。これにより、複数の発電ユニット10(セルスタック70)が完成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、セル50の外側を取り囲むように設けられ、アノード51に供給される燃料ガスと、カソード53に供給される酸化剤とが混合するのを抑制する、セラミック粒子32と非晶質であるガラス33とを有する絶縁部材30とを含む発電ユニット10を、複数積層する工程を備える。これにより、絶縁部材30がセラミック粒子32と非晶質であるガラス33とを有するように構成されているので、絶縁部材30がマイカから構成されている場合と異なり、絶縁部材30が劈開することがない。その結果、燃料電池100のシャットダウン時に、燃料電池100内の温度が低下することにより、燃料電池100内の空気の体積が小さくなった場合でも、燃料電池100の外部から絶縁部材30を介して、空気が燃料電池100内に侵入することはない。その結果、シャットダウン時に外部から侵入する空気に起因するセル50の劣化を抑制することができる。
また、絶縁部材30がセラミック粒子32を有しているので、絶縁部材30の厚みtが、所定の厚みよりも小さくなることが抑制される。これにより、絶縁部材30の厚みtが小さくなることに起因して絶縁性が確保できなくなるのを抑制することができるとともに、発電ユニット10の厚みが小さくなり過ぎないように厚みを確保することができる。また、発電ユニット10を昇温させることにより、ガラス33が軟化した場合でも、ガラス33の過度な流動をセラミック粒子32により抑制することができる。また、絶縁部材30が非晶質であるガラス33を有しているので、絶縁部材30にクラックが生じている場合でも、発電ユニット10を昇温することにより、ガラス33が融解することによって、クラックを修復することができる。その結果、クラックをなくすことができる。
また、本実施形態では、上記のように、積層された複数の発電ユニット10を温度T4に昇温するのに先立って、温度T4よりも低い温度T1に昇温するとともに、温度T4に昇温前の絶縁部材30aのうちのバインダ34を取り除く工程を備える。これにより、積層された複数の発電ユニット10を温度T1に昇温することで、バインダ34が焼失または熱分解するので、容易に、非晶質であるガラス33とセラミック粒子32とを有する絶縁部材30を形成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ガラス33が軟化する温度T2よりも低い温度T1を維持することにより、昇温前の絶縁部材30aに含まれるバインダ34を取り除く。これにより、温度T1が、ガラス33が軟化する温度T2よりも低いので、ガラス33が軟化する前にバインダ34を取り除くことができる。
また、本実施形態では、上記のように、バインダ34の熱分解開始温度または焼失開始温度は、ガラス33が軟化する温度T2よりも低い。これにより、容易に、ガラス33が軟化する前にバインダ34を取り除くことができる。
また、本実施形態では、上記のように、温度T4に昇温前の絶縁部材30aからバインダ34を取り除くことにより、バインダ34を取り除く工程後の絶縁部材30に含まれるセラミック粒子32の重量%を、5重量%以上30重量%以下にする。ここで、セラミック粒子32の重量%が少な過ぎると、発電ユニット10を昇温させてガラス33が軟化した場合に、ガラス33の流動が大きくなり過ぎる。すなわち、絶縁部材30が荷重に耐えることができずに潰れてしまうので、セル50のアノード51の下方に配置される発泡ニッケル40も過度に潰れてしまう。また、セラミック粒子32の重量%が多過ぎると、発電ユニット10を昇温させてガラス33を軟化させても、ガラス33の流動が少ないので、クラックが生じるとともに、絶縁部材30の厚みtを調整しにくくなる。そこで、上記のように、絶縁部材30に含まれるセラミック粒子32の重量%を、5重量%以上30重量%以下にすることにより、ガラス33の流動が大きくなり過ぎることが抑制されるので、絶縁部材30が潰れることに起因する発泡ニッケル40の過度の潰れを抑制することができる。また、ガラス33の流動が少な過ぎることに起因する、クラックの発生と、絶縁部材30の厚みtの調整が困難になることとを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、絶縁部材30の厚みtを調整する工程とバインダ34を取り除く工程との間に設けられ、積層された複数の発電ユニット10を昇温させながら、荷重F2よりも小さい荷重F1を、積層方向に隣接する複数の発電ユニット10に、互いに近接する方向に加えることにより、絶縁部材30の収縮を抑制する工程を備える。これにより、絶縁部材30の両側から荷重F1が加えられるので、発電ユニット10を昇温させることによるガラス33の軟化に起因する、絶縁部材30の変形を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、絶縁部材30に含まれるガラス33が軟化する前に、荷重F1を複数の発電ユニット10に加える。これにより、ガラス33が軟化する前に荷重F1が加えられるので、発電ユニット10を昇温させることによるガラス33の軟化に起因する、絶縁部材30の変形を確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、バインダ34を取り除く工程の後、温度T1よりも高くかつ温度T4よりも低い温度T3に昇温するとともに、還元性ガスの雰囲気下に発泡ニッケル40を配置することにより、酸化した状態の発泡ニッケル40を還元することによって、発泡ニッケル40の硬さを小さくする工程を備える。これにより、発泡ニッケル40の硬さが小さくなるので、荷重F2を加えることにより、絶縁部材30の厚みtを調整する際に、発泡ニッケル40の厚みも調整することができる。すなわち、発泡ニッケル40を含む発電ユニット10の厚みを調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、昇温前の絶縁部材30に含まれるセラミック粒子32の粒径pは、10μm以下である。これにより、セラミック粒子32の粒径pが大き過ぎることに起因して、絶縁部材30の厚みtの調整が困難になるのを抑制することができる。すなわち、厚みtを小さくすることができなくなるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、発電ユニット10は、セル50のアノード51側に設けられる金属製の発泡ニッケル40を含む。これにより、容易に、セル50間の導通を金属製の発泡ニッケル40により確保しながら、発電ユニット10の厚みを調整することができる。
また、本実施形態では、上記のように、積層された複数の発電ユニット10の積層方向の一方の端部側に配置され、セル50を積層方向の他方の端部側に押圧する弾性部材80を備える。これにより、積層された複数の発電ユニット10にそれぞれ含まれるセル50とセパレータ20(隣接する発電ユニット10にそれぞれ含まれるセル50の間に配置される部材)との接触不良が抑制されるので、セル50とセパレータ20との接触抵抗が大きくなるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、絶縁部材30は、セル50の外側を取り囲むように枠形状を有する。これにより、容易に、セル50の外側を取り囲むように絶縁部材30を配置することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、燃料電池が、固体酸化物形燃料電池(SOFC)である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、燃料電池が、固体酸化物形燃料電池以外の燃料電池である、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)、りん酸形燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)などでもよい。
また、上記実施形態では、絶縁部材に、セラミック粒子としてジルコニアが含まれる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、絶縁部材に、セラミック粒子として、たとえば、アルミナ(酸化アルミニウム)などのジルコニア以外の物質が含まれていてもよい。
また、上記実施形態では、酸化した状態の発泡ニッケルを還元することによって、発泡ニッケルの硬さを小さくする工程が行われる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、発泡ニッケルの硬さを小さくする必要がなければ、この工程を行わなくてもよい。
また、上記実施形態では、セルスタックに2段階の荷重(荷重F1および荷重F2)が加えられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1段階の荷重を加えることにより、絶縁部材の変形を抑制しながら、絶縁部材の厚みを調整してもよい。
また、上記実施形態では、厚み調整部材として、発泡ニッケルを用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、発泡ニッケル以外の厚み調整部材を用いてもよい。
また、上記実施形態では、弾性部材が、アルミナからなるセラミックファイバーマット(シート)から構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アルミナからなるセラミックファイバーマット(シート)以外の部材により弾性部材を構成してもよい。
また、上記実施形態では、ばね部材により、弾性部材を介してセルを押圧する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、クッション材、マットなどのばね部材以外の部材により、弾性部材を介してセルを押圧してもよい。
また、上記実施形態では、燃料電池(発電ユニット)が、燃料ガスと空気とが対向するように流れるカウンタフローの燃料電池である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、燃料ガスと空気とが交差するように流れるクロスフローの燃料電池にも、本発明を適用することが可能である。
10 発電ユニット
30 絶縁部材
32 ガラス
33 セラミック粒子
34 バインダ
40 発泡ニッケル(厚み調整部材)
50 セル
51 アノード
53 カソード
80 弾性部材
100 燃料電池
F1 荷重(第2の荷重)
F2 荷重(第1の荷重)
t 厚み
T1 温度(第2の温度)
T3 温度(第3の温度)
T4 温度(第1の温度)

Claims (10)

  1. 一方の表面にアノードが形成され他方の表面にカソードが形成されたセルと、前記セルの外側を取り囲むように設けられ、前記アノードに供給される燃料ガスと前記カソードに供給される酸化剤とが混合するのを抑制する、セラミック粒子と非晶質であるガラスとを有する絶縁部材と、前記セルの前記アノード側に設けられる金属製の厚み調整部材と、を含む発電ユニットを、複数積層する工程と、
    積層された前記複数の発電ユニットを第1の温度に昇温するとともに、積層方向に隣接する前記複数の発電ユニットに、互いに近接する方向に第1の荷重を加えることにより、前記絶縁部材の厚みを調整する工程と、
    積層された前記複数の発電ユニットを前記第1の温度に昇温するのに先立って、前記第1の温度よりも低い第2の温度に昇温するとともに、前記第1の温度に昇温前の前記絶縁部材からバインダを取り除くことにより、前記バインダを取り除く工程後の前記絶縁部材に含まれる前記セラミック粒子の重量%を、5重量%以上30重量%以下にする工程とを備える、燃料電池の製造方法。
  2. 前記バインダを取り除く工程は、前記ガラスが軟化する温度よりも低い前記第2の温度を維持することにより、昇温前の前記絶縁部材に含まれる前記バインダを取り除く工程を含む、請求項に記載の燃料電池の製造方法。
  3. 前記バインダの熱分解開始温度または焼失開始温度は、前記ガラスが軟化する温度よりも低い、請求項に記載の燃料電池の製造方法。
  4. 前記絶縁部材の厚みを調整する工程と前記バインダを取り除く工程との間に設けられ、積層された前記複数の発電ユニットを昇温させながら、前記第1の荷重よりも小さい第2の荷重を、積層方向に隣接する前記複数の発電ユニットに、互いに近接する方向に加えることにより、前記絶縁部材の収縮を抑制する工程をさらに備える、請求項に記載の燃料電池の製造方法。
  5. 前記絶縁部材の収縮を抑制する工程は、前記絶縁部材に含まれる前記ガラスが軟化する前に、前記第2の荷重を前記複数の発電ユニットに加える工程を含む、請求項に記載の燃料電池の製造方法。
  6. 記バインダを取り除く工程の後、前記第2の温度よりも高くかつ前記第1の温度よりも低い第3の温度に昇温するとともに、還元性ガスの雰囲気下に前記厚み調整部材を配置することにより、酸化した状態の前記厚み調整部材を還元することによって、前記厚み調整部材の硬さを小さくする工程をさらに備える、請求項に記載の燃料電池の製造方法。
  7. 昇温前の前記絶縁部材に含まれる前記セラミック粒子の粒径は、10μm以下である、請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
  8. 積層された複数の発電ユニットを備え、
    前記発電ユニットは、
    一方の表面にアノードが形成され、他方の表面にカソードが形成されたセルと、
    前記セルの外側を取り囲むように設けられ、前記アノードに供給される燃料ガスと、前記カソードに供給される酸化剤とが混合するのを抑制する、セラミック粒子と非晶質であるガラスとを有する絶縁部材と
    前記セルの前記アノード側に設けられる金属製の厚み調整部材と、を含
    前記絶縁部材は、5重量%以上30重量%以下の前記セラミック粒子を含む、燃料電池。
  9. 積層された前記複数の発電ユニットの積層方向の一方の端部側に配置され、前記セルを前記積層方向の他方の端部側に向けて押圧する弾性部材をさらに備える、請求項に記載の燃料電池。
  10. 前記絶縁部材は、前記セルの外側を取り囲むように枠形状を有する、請求項に記載の燃料電池。
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