JP6605585B2 - 薬剤注射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤を生体に注入する際に用いられる薬剤注射装置に関する。
薬剤注射装置は、針管を有する注射針組立体と、薬剤を収容するシリンジとを、備えて構成されている。注射針組立体に設けられた針管は、生体に穿刺可能な針先を有している。この針管の針先は、常に露出しているため、薬剤の投与後や薬剤注射装置の廃棄時に針管の針先が誤って使用者に穿刺されるおそれがある。
このような不具合を解消するため、例えば、特許文献1には、回動可能なプロテクタ本体と、回動支持部とを備えた技術が記載されている。そして、特許文献1に記載された技術では、針管を生体に穿刺した後に、プロテクタ本体を回動させて、針管の針先をプロテクタ本体で覆っている。これにより、使用後の針管の針先が誤って使用者に穿刺されることを防いでいる。
国際公開第2013/046857号
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、プロテクタ本体の回動操作は、使用者の手によって行われていた。そのため、使用者がプロテクタ本体の回動操作を忘れるおそれがあるだけでなく、プロテクタ本体を回動させる際に、誤って使用者の手指等が針管の針先に穿刺されるおそれがあった。
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、使用後の針管の針先を確実に覆うことができ、安全性の向上を図ることができる薬剤注射装置を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の薬剤注射装置は、生体に穿刺可能な針先を有する針管と、針管を保持する針ハブと、シリンジ本体と、ガスケットと、プランジャ本体と、蓋部材と、押圧部材と、を備えている。シリンジ本体は、針ハブに着脱可能に装着される。ガスケットは、シリンジ本体内に摺動可能に配置される。プランジャ本体は、ガスケットを摺動させる。蓋部材は、本体部と、連結部と、を有している。本体部は、針管の針先から離間して針管の針先を露出させる第1の位置と、針管の針先を覆う第2の位置に移動可能となっている。連結部は、本体部を針ハブに回動可能に連結する。押圧部材は、プランジャ本体に接続され、プランジャ本体と共に移動する。そして、蓋部材は、本体部に設けられ、弾性変形した際に本体部を第1の位置から第2の位置に向けて付勢する付勢部を有している。また、押圧部材は、プランジャ本体が移動した際に付勢部を押圧し、蓋部材の本体部を第1の位置から第2の位置に向けて回動させる。
本発明の薬剤注射装置によれば、使用後の針管の針先を確実に本体部によって覆うことができ、使用後の針管の針先が誤って使用者に穿刺されることを防ぐことができる。そのため、安全性の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置を示す斜視図である。 図1に示すM−M線断面図である。 図1に示すN−N線断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置の注射針組立体を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置における穿刺中の状態を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置における穿刺後の状態を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置における穿刺後の状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態例にかかる薬剤注射装置を示す断面図である。
以下、本発明の薬剤注射装置の実施形態例について、図1〜図8を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態例
1−1.薬剤注射装置の構成例
1−2.薬剤注射装置の使用方法
2.第2の実施の形態例
<1.第1の実施の形態例>
1−1.注射針組立体及び薬剤注射装置の構成例
まず、図1〜図4を参照して本発明の第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる薬剤注射装置について説明する。
図1は本例の薬剤注射装置を示す斜視図、図2は図1のM−M線断面図、図3は図1のN−N線断面図である。
薬剤注射装置1は、針先を皮膚の表面に穿刺し、皮膚上層部に薬剤を注入する場合に用いる。
ここで、皮膚は、表皮と、真皮と、皮下組織の3部分から構成される。表皮は、皮膚表面から50〜200μm程度の層であり、真皮は、表皮から続く1.5〜3.5mm程度の層である。インフルエンザワクチンは、一般的に皮下投与もしくは筋肉内投与であるため、皮膚の下層部もしくはそれよりも深い部分に投与されている。
一方、免疫担当細胞が多く存在する皮膚上層部を標的部位として、インフルエンザワクチンを投与することにより、ワクチンの投与量を減少させることが検討されている。なお、皮膚上層部とは、皮膚のうちの表皮と真皮を指す。本例の薬剤注射装置1は、このような皮膚上層部を標的部位とした皮内注射用の薬剤注射装置1である。
図1に示すように、薬剤注射装置1は、注射針組立体2と、この注射針組立体2に着脱可能に装着されるシリンジ103と、押し子部材104と、シリンジ103を保持するシリンジホルダ105と、を有している。
[シリンジ]
図1及び図2に示すように、シリンジ103は、予め薬剤が充填されているプレフィルドシリンジである。このシリンジ103は、シリンジ本体111と、シリンジ本体111の軸方向の一端部に形成された排出部121と、排出部121に設けられたロック機構112と、ガスケット113とを有している。
シリンジ本体111は、中空の略円筒状に形成されている。また、シリンジ本体111の筒孔内には、ガスケット113が摺動可能に配置されている。ガスケット113は、略円柱状に形成されており、シリンジ本体111の筒孔の内周面に液密に密着している。そして、ガスケット113は、シリンジ本体111の内部空間を2つに仕切っている。シリンジ本体111内におけるガスケット113よりも排出部121側の空間は、薬剤Pが充填される液室114となる。一方、シリンジ本体111内におけるガスケット113よりも他端側の空間には、後述する押し子部材104のプランジャ本体116が挿入される。
ガスケット113の材質は、特に限定されないが、シリンジ本体111との液密性を良好にするために弾性材料で構成することが好ましい。この弾性材料としては、例えば、天然ゴム、イソブチレンゴム、シリコーンゴムなどの各種ゴム材料や、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等を挙げることができる。
シリンジ本体111の外径及び内径は、薬剤注射装置1を使用する用途や、液室114に収容する薬剤Pの容量に応じて適宜設定されるものである。例えば、汎用の高速充填機を用いて収容する薬剤Pの容量を0.5mLにする場合は、シリンジ本体111の内径を4.4〜5.0mmに設定し、シリンジ本体111の外径を6.5〜8.4mmに設定することが好ましい。また、容量を1mLにする場合は、シリンジ本体111の内径を6.1〜9.0mmに設定し、シリンジ本体111の外径を7.9〜12.5mmに設定することが好ましい。
薬剤Pとしては、例えば、インフルエンザ等の各種の感染症を予防する各種のワクチンが挙げられるが、ワクチンに限定されるものではない。なお、ワクチン以外の薬剤Pとしては、例えば、ブドウ糖等の糖質注射液、塩化ナトリウムや乳酸カリウム等の電解質補正用注射液、ビタミン剤、抗生物質注射液、造影剤、ステロイド剤、蛋白質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、抗癌剤、麻酔薬、ヘパリンカルシウム、抗体医薬等が挙げられる。
シリンジ本体111の軸方向の他端部には、フランジ部115が形成されている。フランジ部115は、後述するシリンジホルダ105に設けた係止部105aに係止される。また、シリンジ本体111の軸方向の一端部には、排出部121が連続して形成されている。
排出部121は、シリンジ本体111と同軸の略円筒状に形成されている。また、排出部121の筒孔は、シリンジ本体111の筒孔に連通している。排出部121は、軸方向の一端部に向かうにつれて径が連続的に小さくなるテーパ状に形成されている。シリンジ103に注射針組立体2を取り付けた際に、排出部121の先端部は、後述する注射針組立体2の弾性部材61の端面に液密に当接する。
排出部121には、ロック機構112が設けられている。ロック機構112は、固定機構の一例を示すルアーロック部である。ロック機構112は、排出部121を同軸で取り囲む筒状に形成されている。また、ロック機構112は、その内周が円形であり、外周は六角形状に形成されている。このロック機構112の内周面には、雌ねじ部112aが形成されている。雌ねじ部112aは、注射針組立体2に設けられた雄ねじ部35と螺合可能に形成されている。
シリンジ本体111の材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられる。その中でも、成形が容易であるという点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂を用いることが好ましい。なお、シリンジ本体111の材質は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であることが好ましい。
なお、本例では、シリンジ103として予め薬剤Pが充填されたプレフィルドシリンジを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、薬剤Pを予めシリンジ本体内に充填しないシリンジを適用してもよい。
[シリンジホルダ]
次に、シリンジホルダ105について説明する。
シリンジホルダ105は、略円筒状に形成されている。シリンジホルダ105は、シリンジ103におけるシリンジ本体111の外周面及びロック機構112の外周面を覆う。そして、シリンジホルダ105は、シリンジ103に注射針組立体2を取り付ける際に、使用者によって把持可能に構成されている。
シリンジホルダ105における軸方向の一端部には、視認窓118が形成されている。視認窓118は、シリンジホルダ105にシリンジ103を装着した際に、シリンジ103の液室114がシリンジホルダ105の外側から視認可能な位置に設けられている。これにより、シリンジ103にシリンジホルダ105を装着しても、内部の視認性を確保することができる。
また、シリンジホルダ105の軸方向の他端には、ホルダ鍔部119が形成されている。ホルダ鍔部119は、シリンジホルダ105の外周面の一部から略垂直に突出している。ホルダ鍔部119を設けたことにより、使用者がシリンジホルダ105を把持し、薬剤Pを投与する際に、シリンジホルダ105を把持する指が軸方向の他端部に向けて滑ることを防止することができる。また、薬剤注射装置1を机や台等に載置した際に、薬剤注射装置1が転がることを防ぐことができる。
さらに、シリンジホルダ105における軸方向の中途部には、係止部105aが設けられている。係止部105aは、シリンジホルダ105の外壁を貫通する開口部である。この係止部105aには、シリンジ103のフランジ部115が係止される。
シリンジホルダ105をシリンジ103に装着することで、薬剤注射装置1の径を太くでき、薬剤注射装置1を把持し易くなる。これにより、押し子部材104を操作する際の操作性が向上する。
[押し子部材]
図2に示すように、押し子部材104は、プランジャ本体116と、プランジャ本体116を操作する操作部117と、押圧部材123とを有している。プランジャ本体116は、棒状に形成されている。プランジャ本体116は、シリンジ本体111の軸方向の他端部に形成された開口部からシリンジ本体111の筒孔内に挿入される。そして、プランジャ本体116の軸方向の一端部は、ガスケット113に当接する。
操作部117は、プランジャ本体116の軸方向の他端部に形成されている。操作部117は、略円盤状に形成されている。薬剤注射装置1を使用する際に、操作部117は、使用者によって押圧される。これにより、プランジャ本体116の軸方向の一端部がガスケット113に当接し、ガスケット113を排出部121に向けて摺動させる。
押圧部材123は、棒状に形成されている。押圧部材123は、接続部124を介してプランジャ本体116における軸方向の他端部に接続されている。接続部124は、プランジャ本体116をシリンジ本体111の筒孔内に挿入した際に、シリンジ103のフランジ部115よりも軸方向の他側に配置される。
なお、本例では、接続部124は、プランジャ本体116と一体的に成形されているが、これに限定されるものではない。例えば、接続部の中心にプランジャ本体116が挿通される孔を有し、プランジャ本体116と一体的に成形されたフランジにより操作部117側への移動が規制されるものでよい。
また、押圧部材123は、その軸方向がプランジャ本体116の軸方向と略平行となるように配置される。図3に示すように、押圧部材123は、シリンジホルダ105内における、シリンジホルダ105の筒孔と、シリンジ103のシリンジ本体111との間に形成された隙間130に配置されている。
図1及び図2に示すように、押圧部材123の軸方向の一端部は、シリンジホルダ105の軸方向の一端から突出する。そして、押圧部材123の軸方向の一端部は、後述する注射針組立体2に設けた蓋部材40の付勢部43に対向する。使用者によって操作部117が押圧されると、押圧部材123は、プランジャ本体116と共に軸方向に沿って移動する。
また、押し子部材104の材質としては、シリンジ本体111の材質として挙げた各種樹脂を適用することができる。
[注射針組立体]
次に、図1、図2及び図4を参照して注射針組立体2について説明する。
図4は、注射針組立体2を示す断面図である。
図1、図2及び図4に示すように、注射針組立体2は、針孔を有する中空の針管5と、この針管5が固定される針ハブ6とを有している。
図4に示すように、針管5は、ISOの医療用針管の基準(ISO9626:1991/Amd.1:2001(E))で26〜33ゲージのサイズ(外径0.2〜0.45mm)のものを使用し、好ましくは30〜33ゲージのものを使用する。なお、33ゲージより細い針を使用してもよい。
針管5の一端には、刃面5aを有する針先5Aが設けられている。以下、針先5Aとは反対側である針管5の基端という。刃面5aにおける針管5の軸方向の長さ(以下、「ベベル長B」という)は、後述する皮膚上層部の最薄の厚さである1.4mm(成人)以下であればよく、また、33ゲージの針管に短ベベルを形成したときのベベル長である約0.5mm以上であればよい。つまり、ベベル長Bは、0.5〜1.4mmの範囲に設定されるのが好ましい。
さらに、ベベル長Bは、皮膚上層部の最薄の厚さが0.9mm(小児)以下、すなわち、ベベル長Bが0.5〜0.9mmの範囲であればなおよい。なお、短ベベルとは、注射用針に一般的に用いられる、針の長手方向に対して18〜25°をなす刃面を指す。
針管5の材料としては、例えば、ステンレス鋼を挙げることができるが、これに限定されるものではなく、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金その他の金属を用いることができる。また、針管5は、ストレート針だけでなく、少なくとも一部がテーパー状となっているテーパー針を用いることができる。テーパー針としては、針先端部に比べて基端部が大きい径を有しており、その中間部分をテーパー構造とすればよい。また、針管5の断面形状は、円形だけでなく、三角形等の多角形であってもよい。
次に、針ハブ6について説明する。
針ハブ6は、針管5を保持する第1部材11と、シリンジ103の排出部121が嵌入される第2部材12と、弾性部材61とを備えている。第1部材11と、第2部材12は、別部材として形成されているが、一体に形成することもできる。これら第1部材11及び第2部材12の材質としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を挙げることができる。
第1部材11は、ベース部15と、調整部16と、安定部17と、ガイド部18を備えている。ベース部15は、略円柱状に形成されており、軸方向に垂直な端面15a,15bを有している。調整部16は、ベース部15の端面15aの中央部に設けられており、ベース部15の軸方向に突出する円柱状の凸部からなっている。この調整部16の軸心は、ベース部15の軸心に一致している。
ベース部15及び調整部16の軸心には、針管5が貫通する貫通孔21が設けられている。そして、ベース部15には、貫通孔21に接着剤20(図3参照)を注入するための注入用孔22(図2及び図4参照)が設けられている。この注入用孔22は、ベース部15の外周面に開口されており、貫通孔21に連通している。すなわち、注入用孔22から貫通孔21へ注入された接着剤20により、針管5がベース部15に固着される。
針管5の基端側は、ベース部15の端面15bから突出する。ベース部15は、端面15b側から第2部材12内に挿入され、針管5の基端側が弾性部材61の挿通孔に挿通される。そして、ベース部15の端面15bが弾性部材61に当接される。
ベース部15の外周面には、接続片24が設けられている。この接続片24は、ベース部15の半径方向に突出するリング状のフランジとして形成されており、ベース部15の軸方向に対向する平面24a,24bを有している。接続片24の平面24bには、第2部材12が接続される。また、接続片24の先端部は、ガイド部18になっている。このガイド部18については、後で詳しく説明する。
調整部16の端面は、針管5の針先5A側が突出する針突出面16aになっている。針突出面16aは、針管5の軸方向に直交する平面として形成されている。この針突出面16aは、針管5を皮膚上層部に穿刺するときに、皮膚の表面に接触して針管5を穿刺する深さを規定する。つまり、針管5が皮膚上層部に穿刺される深さは、針突出面16aから突出する針管5の長さ(以下、「突出長L」という。)によって決定される。
皮膚上層部の厚みは、皮膚の表面から真皮層までの深さに相当し、概ね、0.5〜3.0mmの範囲内にある。そのため、針管5の突出長Lは、0.5〜3.0mmの範囲に設定することができる。
ところで、ワクチンは一般的に上腕部に投与されるが、皮膚上層部への投与の場合には、皮膚が厚い肩周辺部、特に三角筋部が好ましい。そこで、小児19人と大人31人について、三角筋の皮膚上層部の厚みを測定した。この測定は、超音波測定装置(NP60R−UBM 小動物用高解像度用エコー、ネッパジーン(株))を用いて、超音波反射率の高い皮膚上層部を造影することで行った。なお、測定値が対数正規分布となっていたため、幾何平均によってMEAN±2SDの範囲を求めた。
その結果、小児の三角筋における皮膚上層部の厚みは、0.9〜1.6mmであった。また、成人の三角筋における皮膚上層部の厚みは、遠位部で1.4〜2.6mm、中央部で1.4〜2.5mm、近位部で1.5〜2.5mmであった。以上のことから、三角筋における皮膚上層部の厚みは、小児の場合で0.9mm以上、成人の場合で1.4mm以上であることが確認された。したがって、三角筋の皮膚上層部における注射において、針管5の突出長Lは、0.9〜1.4mmの範囲に設定することが好ましい。
突出長Lをこのように設定することで、針先5Aの刃面5aを皮膚上層部に確実に位置させることが可能となる。その結果、刃面5aに開口する針孔(薬剤排出部)は、刃面5a内のいかなる位置にあっても、皮膚上層部に位置することが可能である。なお、薬剤排出部が皮膚上層部に位置しても、針先5Aが皮膚上層部よりも深く刺されば、針先5A端部の側面と切開された皮膚との間から薬剤Pが皮下に流れてしまうため、刃面5aが確実に皮膚上層部にあることが重要である。
なお、26ゲージよりも太い針管では、ベベル長Bを1.0mm以下にすることは難しい。したがって、針管5の突出長Lを好ましい範囲(0.9〜1.4mm)に設定するには、26ゲージよりも細い針管を使用することが好ましい。
針突出面16aは、周縁から針管5の外周面までの距離Sが1.4mm以下となるように形成し、好ましくは0.3〜1.4mmの範囲で形成する。この針突出面16aの周縁から針管5の周面までの距離Sは、皮膚上層部へ薬剤Pを投与することで形成される水疱に圧力が加わることを考慮して設定している。つまり、針突出面16aは、皮膚上層部に形成される水疱よりも十分に小さく、水疱の形成を妨げない大きさに設定している。その結果、針突出面16aが針管5の周囲の皮膚を押圧しても、投与された薬剤Pが漏れることを防止することができる。
安定部17は、ベース部15に設けた接続片24の平面24aから突出する筒状に形成されている。安定部17の筒孔には、針管5及び調整部16が配置されている。つまり、安定部17は、針管5が貫通する調整部16の周囲を覆う筒状に形成されており、針管5の針先5Aから半径方向に離間して設けられている。
図3に示すように、安定部17の端面17aは、調整部16の針突出面16aよりも針管5の基端側に位置している。針管5の針先5Aを生体に穿刺すると、まず、針突出面16aが皮膚の表面に接触し、その後、安定部17の端面17aに接触する。このとき、安定部17の端面17aが皮膚に接触することで薬剤注射装置1が安定し、針管5を皮膚に対して略垂直な姿勢に保つことができる。
なお、安定部17の端面17aは、針突出面16aと同一平面上に位置させたり、また、針突出面16aよりも針管5の針先5A側に位置させたりしても、針管5を皮膚に対して略垂直な姿勢に保つことができる。なお、安定部17を皮膚に押し付けた際の皮膚の盛り上がりを考慮すると、安定部17の端面17aと針突出面16aにおける軸方向の距離は、1.3mm以下に設定することが好ましい。
また、安定部17の内径dは、皮膚に形成される水疱の直径と同等であるか、それよりも大きい値に設定されている。具体的には、安定部17の内壁面から針突出面16aの周縁までの距離Tが4mm〜15mmの範囲となるように設定されている。これにより、安定部17の内壁面から水疱に圧力が印加されことによって水疱形成が阻害されることを防止することができる。
安定部17の内壁面から針突出面16aの周縁までの距離Tは、4mm以上であれば、特に上限はない。しかしながら、距離Tを大きくすると、安定部17の外径が大きくなるため、小児のように細い腕に針管5を穿刺する場合に、安定部17の端面17a全体を皮膚に接触させることが難しくなる。そのため、距離Tは、小児の腕の細さを考慮して15mmを最大と規定することが好ましい。
針突出面16aの周縁から針管5の外周面までの距離Sが0.3mm以上であれば、調整部16が皮膚に進入することはない。したがって、安定部17の内壁面から針突出面16aの周縁までの距離T(4mm以上)及び針突出面16aの直径(約0.3mm)を考慮すると、安定部17の内径dは9mm以上に設定することができる。
なお、安定部17の形状は、円筒状に限定されるものではなく、例えば、中心に筒孔を有する四角柱や六角柱等の角筒状に形成してもよい。
ガイド部18は、接続片24における安定部17よりも先端側の部分である。このガイド部18は、皮膚と接触する接触面18aを有している。接触面18aは、接続片24における平面24aの一部であり、安定部17の端面17aと略平行をなす平面である。ガイド部18の接触面18aが皮膚に接触するまで安定部17を押し付けることにより、安定部17及び針管5が皮膚を押圧する力を常に所定値以上に確保することができる。これにより、針管5の針突出面16aから突出している部分(突出長Lに相当)が確実に皮膚内に穿刺される。
ガイド部18の接触面18aから安定部17の端面17aまでの距離(以下、「ガイド部高さ」という。)Yは、針管5及び安定部17が適正な押圧力で皮膚を押圧し穿刺することができるようにその長さが設定されている。これにより、針管5及び安定部17による皮膚への押圧力をガイド部18が案内し、針管5の針先5A(刃面5a)を皮膚上層部に確実に位置させることができると共に、使用者に安心感を与えることができる。なお、針管5及び安定部17の適正な押圧力は、例えば、3〜20Nである。
ガイド部高さYは、安定部17の内径dの範囲が11〜14mmの場合、ガイド部18の先端面から安定部17の外周面までの長さ(以下、「ガイド部長さ」という。)Xに基づいて適宜決定される。例えば、安定部17の内径dが12mmであり、ガイド部長さXが3.0mmのとき、ガイド部高さYは、2.3〜6.6mmの範囲に設定される。
[第2部材]
次に、第2部材12について説明する。第2部材12は、筒状に形成されている。この第2部材12の軸方向の一端部は、第1部材11のベース部15を挿入する挿入部31になっており、他端部は、シリンジ103の排出部121が嵌入する嵌入部32(図2参照)になっている。挿入部31の筒孔31aは、第1部材11のベース部15に対応した大きさに設定されている。
挿入部31における第2部材12の軸方向の一端部の外周面には、固定片34が設けられている。固定片34は、挿入部31の先端に連続して半径方向の外側に向けて突出するリング状のフランジとして形成されている。固定片34には、第1部材11に設けた接続片24の平面24bが当接し、固着される。固定片34と接続片24の固着方法としては、例えば、接着剤、超音波溶着、レーザ溶着、固定ねじ等を挙げることができる。
嵌入部32の外径は、挿入部31の外径よりも小さく設定されている。さらに、嵌入部32の筒孔は、シリンジ103の排出部121に対応した大きさに設定されており、挿入部31側に向かうにつれて連続的に径が小さくなっている。また、嵌入部32の外周面には、シリンジ103のロック機構112と螺合させるための雄ねじ部35が設けられている(図1参照)。また、図2に示すように、挿入部31の筒孔31aと嵌入部32の筒孔の間には、弾性部材61が配置されている。
[弾性部材]
次に、弾性部材61について説明する、弾性部材61は、弾性変形可能な部材からなっている。この弾性部材61の材質としては、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、イソブチレンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、或いはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
弾性部材61は、第2部材12内に配置され、第1部材11とシリンジ103の間に介在される。そして、第1部材11から突出した針管5の基端側の外周面と第2部材12の間に生じる間隙を埋める。そして、シリンジ103の排出部121を第2部材12に嵌入した際に、弾性部材61は、弾性変形することで、針管5の外周面に液密に密着する。これにより、シリンジ103内に充填された薬剤Pが針管5と弾性部材61との間に浸透して、第1部材11側へ漏れ出ることを防止することができる。
[蓋部材]
次に、蓋部材40について説明する。図4に示すように、蓋部材40は、針ハブ6におけるガイド部18の半径方向の外側の外縁部に設けられている。蓋部材40は、本体部41と、連結部42と、付勢部43とを有している。
本体部41は、略円筒状に形成されている。本体部41は、円形状の天板44と、天板44の縁部から略垂直に屈曲し、天板44の周方向に沿って連続して形成された側壁部45とを有している。
天板44の直径は、安定部17の外径よりも大きく設定されている。また、側壁部45の長さ、すなわち本体部41の軸方向の長さは、ガイド部高さY及び調整部16から突出する針管5の長さよりも長く設定されている。すなわち、本体部41は、針管5の針先5A側、調整部16及び安定部17の全体を覆い囲むことが可能な大きさに形成されている(図7参照)。また、本体部41は、連結部42を介して針ハブ6に連結されている。
連結部42は、ガイド部18の外縁部に設けられている。連結部42におけるガイド部18に接続する箇所は、他の箇所よりも厚みが薄い薄肉部42aとなっている。そして、連結部42は、薄肉部42aを支点にして本体部41を回動可能に支持している。また、連結部42と針ハブ6との間には、付勢部43が配置されている。
付勢部43は、弾性を有する板ばねによって形成されている。付勢部43は、断面を示す図2において複数の直線的な部分と、その間に設けられている屈曲部位とからなる。なお、本例では、直線的な部位は、3箇所設けられ、屈曲部位は、2箇所設けられている。そして、付勢部43は、直線的な部位が歪んだり、屈曲部位の屈曲角度が変化したりすることで、付勢力が蓄積される。付勢部43の長手方向の一端部は、本体部41の天板44に固定されている。また、付勢部43の長手方向の他端部は、針ハブ6における第2部材12の挿入部31に固定されている。
なお、付勢部43を固定する箇所は、これに限定されるものではない。例えば、付勢部43の長手方向の一端部を本体部41の側壁部45に固定し、付勢部43の長手方向の他端部を第2部材12の固定片34に固定してもよい。すなわち、付勢部43の長手方向の一端部が本体部41に固定されて、付勢部43の長手方向の他端部は針ハブ6のいずれかの部品に固定されればよい。また、付勢部43は、直線的な部位と屈曲部位とを有するものではなく、全体的に曲線状のもの(C字状やU字状等)や、これらを組み合わせたものであっても良い。
また、付勢部43の長手方向の中途部は、押し子部材104の押圧部材123の軸方向の一端部と対向する。この付勢部43は、押圧部材123に押圧されることで、弾性変形する(図5参照)。
なお、本例では、本体部41を円筒状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、中心に筒孔を有する四角柱や六角柱等の角筒状に形成してもよい。また、針管5の針先5Aを覆うことができればよいため、本体部を平板状に形成し、針管5の針先5Aの一部が穿刺又は折れ曲がるような形状でもよい。
1−2.薬剤注射装置の使用方法
次に、図1〜図7を参照して上述した構成を有する薬剤注射装置1の使用方法について説明する。
図5は、穿刺中の薬剤注射装置1の要部を示す断面図、図6及び図7は、穿刺後の薬剤注射装置1の要部を示す断面図である。
まず、図1及び図2に示すように、注射針組立体2にシリンジ103を装着する。具体的にはシリンジ103の排出部121を第2部材12の嵌入部32に挿入し、ロック機構112の雌ねじ部112aを雄ねじ部35に螺合させる。これにより、シリンジ103に対する注射針組立体2の装着が完了する。
図2及び図4に示すように、蓋部材40の本体部41は、針管5の針先5Aから離間しており、針管5の針先5Aは、露出している。このときの本体部41の位置を第1の位置とする。
このとき、図2に示すように、ガスケット113の先端部から排出部121までの距離Wと、押圧部材123の軸方向の一端部から蓋部材40の天板44まで、すなわち押圧部材123が付勢部43に接触する箇所までの距離Rは、ほぼ同じ長さに設定されている。なお、距離Rは、距離Wよりも短く設定することが好ましい。
次に、安定部17の端面17aを皮膚に対向させる。これにより、針管5の針先5Aが、穿刺する皮膚に対向される。そして、薬剤注射装置1を皮膚に対して略垂直に移動させ、針先5Aを皮膚に穿刺すると共に安定部17の端面17aを皮膚に押し付ける。このとき、針突出面16aが皮膚に接触して皮膚を平らに変形させることができ、針管5の針先5A側を突出長Lだけ皮膚に穿刺することができる。
次に、ガイド部18の接触面18aが皮膚に接触するまで安定部17の端面17aを押し付ける。ここで、ガイド部高さYは、針管5及び安定部17が適正な押圧力で皮膚に穿刺することができるようにその長さが設定されている。そのため、安定部17によって皮膚を押圧する力が所定の値になる。
その結果、安定部17の適正な押圧力を使用者に認識させることができ、針管5の針先5A及び刃面5aを確実に皮膚上層部に位置させることができる。このように、ガイド部18が安定部17の適正な押圧力を認識させる目印となることで、使用者が安心して薬剤注射装置1を使用することができる。
また、安定部17が皮膚に当接することで、薬剤注射装置1の姿勢が安定し、針管5を皮膚に対して真っ直ぐに穿刺することができる。また、穿刺後に針管5に生じるブレを防止することができ、薬剤Pの安定した投与を行うことができる。
更に、例えば0.5mm程度のごく短い突出長の針管では、針先を皮膚に当接させても皮膚に刺さらない場合がある。しかし、安定部17に押し付けられた皮膚が垂直方向に押し下げられることにより、安定部17の内側の皮膚が引っ張られて皮膚に張力が加わった状態となる。そのため、針管5の針先5Aに対して皮膚が逃げ難くなる。したがって、安定部17を設けることにより、皮膚に針先5Aをより刺さり易くするという効果を得ることもできる。
針管5の針先5A側を皮膚に穿刺した後、押し子部材104(図2参照)を押してガスケット113を排出部121側に移動させる。これにより、シリンジ103の液室114に充填された薬剤Pは、排出部121から押し出され、針管5の針孔を通って針先5Aから皮膚上層部に注入される。このとき、排出部121の先端と針管5の基端との間に空間が形成されていないため、薬剤Pの残存量を少なくすることができる。
また、押圧部材123もプランジャ本体116と共に、軸方向の一側へ移動する。上述したように、ガスケット113の先端部から排出部121までの距離Wと、押圧部材123が付勢部43に接触する箇所までの距離Rが、ほぼ同じ長さに設定されている。
そのため、図5に示すように、蓋部材40の付勢部43は、押圧部材123により押圧されて、弾性変形する。その結果、付勢部43は、直線的な部位が歪んだり、屈曲部位の屈曲角度が変化したりし、付勢部43に付勢力が蓄積される。
次に、図6に示すように、薬剤注射装置1を皮膚から離反させ、安定部17の端面17a、針突出面16a及び本体部41の端面41aを皮膚から離す。このとき、付勢部43には、付勢力が蓄積されている。そのため、本体部41は、付勢部43の復元力(付勢力)に押圧されて、連結部42の薄肉部42aを支点にして針管5の針先5Aに接近する方向に回動する。
そして、図7に示すように、本体部41の端面41aが接触面18aに当接することで、本体部41の回動動作が停止する。これにより、針管5の針先5A側、調整部16及び安定部17は、本体部41によって覆い囲まれる。この本体部41が最も針管5の針先5Aに接近した位置を、第2の位置とする。そして、本体部41により穿刺後の針管5の針先5Aに手指等が触れることが防止される。
その結果、使用後に針管5の針先5Aを安全な状態に保つことができ、使用者の意図に反して使用後の針管5の針先5Aが穿刺されることを防止することができる。さらに、使用後の針管5の針先5Aは、本体部41によって覆われるため、針先5Aに付着した血液の飛散を防ぐことができ、血液による感染を防ぐこともできる。
また、本例の蓋部材40は、プランジャ本体116と連動する押圧部材123により付勢部43が押圧される。そのため、薬剤注射装置1を皮膚から離反させると、付勢部43に蓄積された付勢力により、本体部41が自動的に回動する。その結果、本体部41の閉め忘れを防ぐことができると共に、本体部41を回動する際に誤って手指等が針管5の針先5Aに触れることを防ぐこともできる。
穿刺後、回動した蓋部材40の付勢部43は、本体部41の端面41aを接触面18aに押し付ける方向に、本体部41を付勢している。これにより、使用者の意図に反して本体部41が針管5の針先5Aから離反する方向に回動し、針管5の針先5Aが露出することを防ぐことができる。その結果、安全性の向上を図ることができる。
2.第2の実施の形態例
次に、図8を参照して第2の実施の形態例にかかる薬剤注射装置について説明する。
図8は、第2の実施の形態例にかかる薬剤注射装置を示す断面図である。
この第2の実施の形態例にかかる薬剤注射装置が、第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置1と異なるところは、押し子部材の押圧部材の構成である。そのため、ここでは、主に押し子部材ついて説明し、第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置1と共通する部分には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図8に示すように、押し子部材104Aは、プランジャ本体116Aと、プランジャ本体116Aを操作する操作部117Aと、押圧部材123Aとを有している。押圧部材123Aは、接続部124Aを介してプランジャ本体116Aに接続されている。
押圧部材123Aは、棒状の部材により形成されている。また、押圧部材123Aは、直線部123aAと、屈曲部123bAと、先端部123cAとを有している。直線部123aAは、プランジャ本体116Aの軸方向と略平行となるように形成されている。直線部123aAは、シリンジホルダ105内における、シリンジホルダ105の筒孔と、シリンジ103のシリンジ本体111との間に形成された隙間130に配置されている。直線部123aAの軸方向の一端部は、シリンジホルダ105の軸方向の一端から突出している。
屈曲部123bAは、直線部123aAの軸方向の一端に連続して設けられている。屈曲部123bAは、直線部123aAの軸方向と直交する方向に向けて所定の長さで延在している。また、屈曲部123bAにおける直線部123aAと連続する端部と反対側の端部には、先端部123cAが連続して設けられている。
先端部123cAは、屈曲部123bAが延在する方向と直交する方向、すなわち直線部123aAの軸方向と平行な方向に向けて突出している。そして、先端部123cAは、付勢部43における3つの直線的な部位の中間部と対向する。
押し子部材104Aが操作されると、押圧部材123Aの先端部123cAは、付勢部43の中間に位置する直線的な部位に当接する。押圧部材123Aは、付勢部43の中間に位置する直線的な部位が歪む。これにより、付勢部43に付勢力が蓄積される。そして、本体部41が皮膚から離反すると、本体部41は、付勢部43に蓄積された付勢力によって付勢されて、針管5の針先5Aに接近する方向に回動する。
その他の構成は、第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置1と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有する押し子部材104Aを薬剤注射装置に設けても、上述した第1の実施の形態例にかかる薬剤注射装置と同様の作用効果を得ることができる。
プランジャ本体116Aを押圧する際に、押圧部材123Aと蓋部材40との接触が、プランジャ本体116Aを押圧操作する際の抵抗となるおそれがある。そのため、屈曲部123bAに弾性を付与することが好ましい。これにより、プランジャ本体116Aがガスケット113を押圧して薬剤を排出中に、先端部123cAが蓋部材40に当接した場合、屈曲部123bAが弾性変形する。そして、押圧部材123Aと蓋部材40との接触する際に生じる抵抗力が屈曲部123bAの弾性変形に変換するため、プランジャ本体116Aの押圧操作が阻害されることを防ぐことができる。
また、本体部41が皮膚から離反すると、屈曲部123bAの復元力(付勢力)によって、蓋部材40の付勢部43が先端部123cAに押圧される。その結果、本体部41が針管5の針先5Aに接近する方向に回動し、本体部41で針管5の針先5Aを覆い囲むことができる。
上述した第1の実施の形態にかかる押圧部材123及び第2の実施の形態例にかかる123A押圧部材に示すように、付勢部43を押圧する箇所は、特に限定されるものではない。押圧部材が押圧する箇所は、少なくとも付勢部43を弾性変形させて付勢部43に付勢力を蓄積させることができる箇所であればよい。
以上、本発明の薬剤注射装置の実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の薬剤注射装置は、上述の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施の形態例では、ロック機構112としてルアーロック部を設けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、排出部121に雄ねじ部を設け、注射針組立体の第2部材12の筒孔に雌ねじ部を設けて螺合するようにしてもよい。
1…薬剤注射装置、 2…注射針組立体、 5…針管、 5A…針先、 5a…刃面、 6…針ハブ、 11…第1部材、 12…第2部材、 15…ベース部、 16…調整部、 16a…針突出面、 17…安定部、 17a…端面、 18…ガイド部、 18a…接触面、 40…蓋部材、 41…本体部、 41a…端面、 42…連結部、 42a…薄肉部、 43…付勢部、 44…天板、 45…側壁部、 103…シリンジ、 104,104A…押し子部材、 105…シリンジホルダ、 105a…係止部、
111…シリンジ本体、 112…ロック機構、 113…ガスケット、 114…液室、 115…フランジ部、 116,116A…プランジャ本体、 117,117A…操作部、 118…視認窓、 119…ホルダ鍔部、 121…排出部、 123,123A…押圧部材、 123aA…直線部、 123bA…屈曲部、 123cA…先端部、 124,124A…接続部、 130…隙間

Claims (2)

  1. 生体に穿刺可能な針先を有する針管と、
    前記針管を保持する針ハブと、
    前記針ハブに着脱可能に装着されるシリンジ本体と、
    前記シリンジ本体内に摺動可能に配置されるガスケットと、
    前記ガスケットを摺動させるプランジャ本体と、
    前記針管の前記針先から離間して前記針管の前記針先を露出させる第1の位置と、前記針管の前記針先を覆う第2の位置に移動可能な本体部及び、前記本体部を前記針ハブに回動可能に連結する連結部を有する蓋部材と、
    前記プランジャ本体に接続され、前記プランジャ本体と共に移動する押圧部材と、を備え、
    前記蓋部材は、前記本体部に設けられ、弾性変形した際に前記本体部を前記第1の位置から前記第2の位置に向けて付勢する付勢部を有し、
    前記押圧部材は、前記プランジャ本体が移動した際に前記付勢部を押圧し、前記蓋部材の前記本体部を前記第1の位置から前記第2の位置に向けて回動させる
    薬剤注射装置。
  2. 前記シリンジ本体を保持するシリンジホルダを更に備え、
    前記押圧部材は、前記シリンジホルダと前記シリンジ本体との間に形成された隙間に配置される
    請求項に記載の薬剤注射装置。
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