JP6604364B2 - 剛性特性計測方法および剛性特性計測システム - Google Patents

剛性特性計測方法および剛性特性計測システム Download PDF

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Description

本発明は、被衝突体の剛性特性を計測する剛性特性計測システムに関する。
従来、ゴルフクラブヘッド等の打撃具に関して、その反発性能に影響を与える指標として、剛性特性値であるCT値を計測する技術が知られている。
特に競技用のゴルフクラブにおいては、USGA(全米ゴルフ協会)が定めたペンデュラム試験によってCT値が計測される。ペンデュラム試験の手順等は、下記非特許文献1に詳細に記載されている。
下記特許文献1は、上記ペンデュラム試験を実施するための装置であり、ヘッドとシャフトが一体となった状態のゴルフクラブを固定して、金属性の球体を振り子によりフェース面に衝突させる。球体には加速度センサが取り付けられており、その検出値から剛性特性を示すパラメータを算出する。
また、下記特許文献2は、インパクトハンマにより、ゴルフクラブヘッドのフェース面を打撃し、このときのインパクトハンマの加速が打撃直後に最初に0になる時間をコンピュータにより測定する。そして、測定された時間を各測定位置において求め、その時間の分布を求めることにより、ゴルフクラブヘッドの剛性分布を求めており、これにより、ゴルフクラブヘッドの剛性分布を簡易に、かつ高精度に測定することが可能である、と記載されている。
米国特許第6837094号明細書 特開2004−33626号公報
「Technical Description of the Pendulum Test(Revised Version)」,The Royal and Ancient Golf Club of St Andrews and United States Golf Association,2003年11月
競技用のゴルフクラブにはCT値の適合範囲(より詳細には上限値)が定められている。あるゴルフクラブのCT値が適合範囲内あるかを計測する際には、複数の衝突速度(一般に3つの速度水準)で計測したCT値に基づいて、そのゴルフクラブヘッドの代表CT値を算出し、代表CT値が適合範囲内にあるかを判断する必要がある。
しかしながら、例えばゴルフクラブの製造段階において全数検査を行う場合などでは、複数の衝突速度で計測を行うと検査に時間がかかるという課題がある。
また、ゴルフクラブの製造段階における検査では、検査対象が出荷を控えた製品であるため、製品にキズ等が生じるのを可能な限り回避する必要がある。しかしながら、上記複数の衝突速度での計測のうち、特に高速での衝突時において、ゴルフクラブにキズ等が生じる可能性があるという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、被衝突体の剛性特性を短時間に計測することにある。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかる剛性特性計測方法は、被衝突体に衝突体を衝突させた際に前記衝突体に生じる加速度に基づいて、前記被衝突体の剛性特性値を計測する剛性特性計測方法であって、前記衝突体の衝突速度を変更して複数回計測した前記剛性特性値に基づいて、前記被衝突体の代表特性値を算出する代表特性値算出工程と、前記衝突速度を所定の試験速度にした際の前記剛性特性値である試験速度特性値を計測する試験速度特性値計測工程と、前記剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群に属する複数の被衝突体について、前記代表特性値算出工程と前記試験速度特性値計測工程とをそれぞれ行い、前記代表特性値と前記試験速度特性値との相関関係を算出する相関関係算出工程と、前記被衝突体群に属する他の被衝突体について、前記試験速度特性値を計測する本計測工程と、前記本計測工程で計測された前記試験速度特性値と、前記相関関係算出工程で算出された前記相関関係とに基づいて、前記他の被衝突体の前記代表特性値を推定する代表特性値推定工程と、を含んだことを特徴とする。
請求項2の発明にかかる剛性特性計測方法は、前記被衝突体は量産製品であり、前記剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群は同一モデルの製品であり、前記相関関係算出工程では、前記同一モデルの製品毎に前記相関関係を算出する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる剛性特性計測方法は、前記剛性特性値は、前記被衝突体に対する前記衝突体の衝突位置毎に異なる値を取ることが予測され、前記相関関係算出工程では、前記同一モデルの製品毎に定められた基準衝突位置毎に前記相関関係を算出する、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる剛性特性計測方法は、前記代表特性値は、所定の適合範囲が設定されており、前記代表特性値推定工程で推定された前記他の被衝突体の前記代表特性値が、前記適合範囲内か否かを判定する適合判定工程を更に含む、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる剛性特性計測方法は、前記適合判定工程における判定結果を計測者に提示する判定結果提示工程を更に含む、ことを特徴とする。
請求項6の発明にかかる剛性特性計測方法は、前記試験速度は、上限速度および下限速度を有する試験速度帯として規定されており、前記本計測工程では、前記衝突速度が前記試験速度帯に含まれるように計測を行う、ことを特徴とする。
請求項7の発明にかかる剛性特性計測方法は、前記剛性特性値の計測は剛性特性値計測装置を用いて行い、前記代表特性値算出工程では、第1の種類の剛性特性値計測装置を用いて前記剛性特性値を計測し、前記試験速度特性値計測工程および前記本計測工程では、前記第1の種類の剛性特性値計測装置と異なる第2の種類の剛性特性値計測装置を用いて前記剛性特性値を計測する、ことを特徴とする。
請求項8の発明にかかる剛性特性計測方法は、前記被衝突体はゴルフクラブヘッドであり、前記剛性特性値は、前記ゴルフクラブヘッドのCT値である、ことを特徴とする。
請求項9の発明にかかる剛性特性計測システムは、被衝突体に衝突体を衝突させた際に前記衝突体に生じる加速度に基づいて、前記被衝突体の剛性特性値を計測する剛性特性計測システムであって、前記衝突体の衝突速度を変更して複数回計測した前記剛性特性値に基づいて算出される前記被衝突体の代表特性値と、前記衝突速度を所定の試験速度にした際の前記剛性特性値である試験速度特性値と、を、前記剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群に属する複数の被衝突体についてそれぞれ計測して算出した相関関係データと、前記被衝突体群に属する他の被衝突体について、前記試験速度特性値を計測する剛性特性計測部と、前記剛性特性計測部で計測された前記試験速度特性値と、前記相関関係データとに基づいて、前記他の被衝突体の前記代表特性値を推定する代表特性値推定部と、を備えたことを特徴とする。
請求項10の発明にかかる剛性特性計測システムは、前記被衝突体は量産製品であり、前記剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群は同一モデルの製品であり、前記相関関係データは、前記製品のモデル毎に算出されている、ことを特徴とする。
請求項11の発明にかかる剛性特性計測システムは、前記剛性特性値は、前記被衝突体に対する前記衝突体の衝突位置毎に異なる値を取ることが予測され、前記相関関係データは、前記モデル毎に定められた基準衝突位置毎に算出されている、ことを特徴とする。
請求項12の発明にかかる剛性特性計測システムは、前記代表特性値は、所定の適合範囲が設定されており、前記代表特性値推定部で推定された前記他の被衝突体の前記代表特性値が、前記適合範囲内か否かを判定する適合判定部を更に備える、ことを特徴とする。
請求項13の発明にかかる剛性特性計測システムは、前記適合判定部における判定結果を計測者に提示する判定結果提示部を更に備える、ことを特徴とする。
請求項14の発明にかかる剛性特性計測システムは、前記試験速度は、上限速度および下限速度を有する試験速度帯として規定されており、前記剛性特性計測部は、前記衝突速度が前記試験速度帯に含まれるように計測を行う、ことを特徴とする。
請求項15の発明にかかる剛性特性計測システムは、前記被衝突体はゴルフクラブヘッドであり、前記剛性特性値は、前記ゴルフクラブヘッドのCT値である、ことを特徴とする。
請求項1または9の発明によれば、予め代表特性値と試験速度特性値との相関関係を算出しておき、本計測時には試験速度特性値のみを計測することにより代表特性値を推定するので、本来であれば衝突速度を変えて複数計測する必要がある代表特性値を、1つの試験速度での計測で推定することができ、短い時間で代表特性値を計測することができる。
請求項2または10の発明によれば、同一モデルの製品毎に相関関係を算出しておくので、量産製品を全数検査する場合など、大量の被衝突体の代表特性値を効率的に計測する上で有利となる。
請求項3または11の発明によれば、同一モデルの製品毎に定められた基準衝突位置毎に相関関係を算出しておくので、1つのモデルに複数の管理点(適合範囲外となる可能性が高い箇所)がある場合などに有利である。
請求項4または12の発明によれば、計測対象の被衝突体の代表特性値が適合範囲内か否かを判定するので、被衝突体の品質管理を行う上で有利となる。
請求項5または13の発明によれば、代表特性値が適合範囲内か否かの判定結果を提示するので、被衝突体の品質管理を行う上で有利となる。
請求項6または14の発明によれば、試験速度が上限速度および下限速度を有する試験速度帯として規定されているので、衝突体の衝突速度に対して一定の誤差を許容しつつ、当該誤差が相関関係が使用可能な範囲を超えるのを抑える上で有利となる。
請求項7または15の発明によれば、代表特性値は第1の種類の剛性特性値計測装置を用いて、試験速度特性値は第2の種類の剛性特性値計測装置を用いて、それぞれ計測するので、例えば第1の種類の剛性特性値計測装置として計測が煩雑ではあるが高精度な装置を用い、第2の種類の剛性特性値計測装置として計測が容易な装置を用いることにより、代表特性値の計測を効率的に行うことができる。
請求項8または15の発明によれば、ゴルフクラブヘッドの評価指標として重要なCT値を短時間で計測することができる。
剛性特性計測システム10の構成を示すブロック図である。 剛性特性計測方法の手順を示すフローチャートである。 剛性特性計測方法の手順を示すフローチャートである。 ゴルフクラブヘッド30のCT値計測結果を示すグラフの一例である。 図4の各グラフに対応する計測結果を示す表である。 代表CT値と試験速度CT値との対応を回帰式で示したグラフである。 回帰式から算出した代表CT値と実際の代表CT値との比較を示す表である。 コンピュータ16のディスプレイ66の表示例を示す説明図である。 第1の種類の剛性特性値計測装置の原理を示す側面図である。 第2の種類の剛性特性値計測装置20の構成を示す説明図である。 衝突ロッド240の拡大図である。 計測時における衝突ロッド240の挙動を模式的に示す図である。 第2の種類の剛性特性値計測装置20の計測手順を示すフローチャートである。 ゴルフクラブヘッド30の構造を示す説明図である。 加速度センサから出力される加速度データの一例である。 速度Vの時系列データを示すグラフである。 衝突速度を変更して複数回計測したCT値の一例を示すグラフである。 図17を変換したグラフである。 コンピュータ16の構成を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる剛性特性計測方法および剛性特性計測システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、被衝突体はゴルフクラブヘッド30であり、剛性特性値としてゴルフクラブヘッド30のCT値を計測するものとする。
また、本実施の形態では、ゴルフクラブヘッド30は量産製品であり、これら量産された多数のゴルフクラブヘッド30の代表CT値(代表特性値)を計測し、それぞれの代表CT値が所定の適合範囲(ルール適合範囲)にあるかを評価するものとする。
一般に、同一モデル(型番)の製品は略同一の性能を有すると予測される。すなわち、同一モデルのゴルフクラブヘッドは、略同一の代表CT値を有すると予測される。しかしながら、量産製品には品質バラつきがあり、実際の代表CT値は正規分布的にバラつく。特に、予測される代表CT値が適合範囲の上限値または下限値に近い場合は、1つ1つのゴルフクラブヘッド30について代表CT値を確認したいというニーズがある。
このように、本実施の形態では、量産製品の全数検査のような多数のゴルフクラブヘッド30について代表CT値を計測することを前提としている。
ここで、本実施の形態で計測するCT値には速度依存性があることが知られている。すなわち、後述する図4等に示すように、衝突体の衝突速度によってCT値が異なるとともに、衝突速度とCT値との間には一定の相関関係がある。
本実施の形態では、同一モデルのゴルフクラブヘッドは、同一の計測位置で計測した場合、代表CT値そのものはバラつきがあるものの、CT値の速度依存性(図4の各グラフの傾き)は略同一であることに着目して、1つの試験速度での計測値から、本来であれば衝突速度を変えて複数計測する必要がある代表CT値を推定する。
<ゴルフクラブヘッド30の構成>
まず、ゴルフクラブヘッド30の構成について説明する。
図14に示すように、ゴルフクラブヘッド30は、フェース面32、クラウン部33、ソール部34と、サイド部35とを備えて中空構造を呈している。
フェース面32はゴルフボールを打撃するフェース面を形成する。
クラウン部33はフェース面32に接続される。
ソール部34はフェース面32およびクラウン部33に接続される。
サイド部35はクラウン部33およびソール部34に接続されフェース面32に対向する。
ゴルフクラブヘッド30は、例えば金属製であり、チタン合金やアルミニウム合金などの高強度の低比重金属が好ましく用いられる。
また、クラウン部33には、フェース面32側でかつヒール36寄りの位置にシャフト39に接続するホーゼル38が設けられている。
また、フェース面32を正面から見てゴルフクラブヘッド30のヒール36と反対側がトウ37である。
<CT値の算出方法>
つぎに、CT値および代表CT値の算出方法について説明する。
ゴルフクラブヘッド30のCT値の計測は、インパクトハンマ等の衝突体をゴルフクラブヘッド(被衝突体)のフェース面32に衝突させ、このときに衝突体に生じる加速度を計測することによって行う。CT値の計測に用いる剛性特性値計測装置の構成は後述するが、衝突体には加速度センサが取り付けられており、加速度センサの検出値をコンピュータに読み込む。
図15は、加速度センサから出力される加速度データの一例である。
加速度センサで検出される加速度データは、所定のサンプリング間隔で検出される時系列データである。図15に示すように、元データはノイズが大きいので、コンピュータでフィルタ処理により平滑化する。
そして、加速度データを積分し、図16に示すような速度Vの時系列データに変換する。
図16は、速度Vの時系列データを示すグラフである。
コンピュータは、以下のようにゴルフクラブヘッド30の剛性特性を示すCT値を算出する。
速度Vの時系列データにおける最高速度をVmaxとする。
速度VがV1(V1=Vmaxのα%)に達する時間を開始時間tsとする。
速度VがV2(V2=Vmaxのβ%)に達する時間を終了時間teとする。
αを0〜99%とし、βを1〜100%とし、α<βとする。
CT値はte−tsによって求められる。
なお、一般的にはα%=5%、β%=95%とされる。
このような計測を衝突速度を変更しながら複数回行う。例えば、3つの速度水準毎に3回ずつ計測を行うなどである。ここで、速度水準とは、上限速度および下限速度を有する速度帯である。後述するように、剛性特性値計測装置は重力を利用して衝突体を移動させるため、厳密に同じ速度で計測を行うことが困難である。よって、所定の試験速度を中心として一定の幅を有する速度帯を設定し、この範囲で計測を行うようにしている。
図17は、同一のゴルフクラブヘッド30について、衝突速度を変更して複数回計測したCT値の一例を示すグラフである。
図17において、横軸は衝突速度[m/s]、縦軸はCT値[μs]である。
図17のグラフに示すように、CT値は衝突速度が遅いほど大きく、衝突速度が速いほど小さくなっている。
図18は、図17の横軸を−0.329乗した値(V−0.329)に変換したグラフである。
このような変換を行うと、CT値は直線上に並ぶ。この直線とY軸との交点(y切片)を当該ゴルフクラブヘッド30の代表CT値とする。図18の例では、各衝突速度におけるCT値はT=248.6+13.73V−0.329の直線上に並んでおり、代表CT値は248.6となる。
<剛性特性計測システムの構成>
つづいて、実施の形態にかかる剛性特性計測システムについて説明する。
図1は、実施の形態にかかる剛性特性計測システム10の構成を示すブロック図である。
剛性特性計測システム10は、相関関係データ12、剛性特性値計測装置(剛性特性計測部)14、コンピュータ16(代表特性値推定部)を備え、ゴルフクラブヘッド30(被衝突体)に衝突体を衝突させた際に衝突体に生じる加速度に基づいて、ゴルフクラブヘッド30の剛性特性値(CT値)を計測する。
相関関係データ12は、衝突体の衝突速度を変更して複数回計測したCT値に基づいて算出されるゴルフクラブヘッド30の代表CT値と、衝突速度を所定の試験速度にした際のCT値である試験速度CT値と、を、同一モデルの複数のゴルフクラブヘッド30(CT値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群に属する複数の被衝突体)についてそれぞれ計測して算出されている。相関関係データ12は、具体的には図6に示すようなデータである。
相関関係データは、ゴルフクラブヘッド30のモデル毎に作成される。また、同一モデルであっても、CT値の計測位置(衝突体の衝突位置)が異なる場合には得られるCT値が異なることから、それぞれ別個の相関関係データが作成される。すなわち、相関関係データ12は、モデル毎に定められた計測位置毎(基準衝突位置毎)に作成されている。
剛性特性値計測装置14は、CT値を計測するための装置であり、本実施の形態では例えば図10に示すような装置である。なお、剛性特性値計測装置14として、例えば上記特許文献1または2で示すような従来公知の装置を用いてもよい。
本実施の形態では、剛性特性値計測装置14を用いて計測対象のゴルフクラブヘッド30(被衝突体群に属する他の被衝突体)について、衝突速度を試験速度にした際のCT値(試験速度CT値)を計測する。
コンピュータ16は、剛性特性値計測装置14での計測で得られたデータ(加速度データ)を処理するための装置であり、剛性特性値計測装置14で計測された試験速度CT値と、相関関係データ12とに基づいて、計測対象のゴルフクラブヘッド30(他の被衝突体)の代表CT値を推定する。
図19は、コンピュータ16の構成を示すブロック図である。
コンピュータ16は、CPU52と、不図示のインターフェース回路およびバスラインを介して接続されたROM54、RAM56、ハードディスク装置58、ディスク装置60、キーボード62、マウス64、ディスプレイ66、プリンタ68、入出力インターフェース70などを有している。
ROM54は制御プログラムなどを格納し、RAM56はワーキングエリアを提供するものである。
ハードディスク装置58は、加速度センサの検出値に基づいてゴルフクラブヘッド30(被衝突体)の剛性特性(本実施の形態ではCT値)を算出するCT値算出プログラムを格納している。
ディスク装置60はCDやDVDなどの記録媒体に対してデータの記録および/または再生を行うものである。
キーボード62およびマウス64は、操作者による操作入力を受け付けるものである。
ディスプレイ66はデータを表示出力するものであり、プリンタ68はデータを印刷出力するものであり、ディスプレイ66およびプリンタ68によってデータを出力する。
入出力インターフェース70は、剛性特性値計測装置14など外部機器との間でデータの授受を行うものである。
なお、相関関係データ12はコンピュータ16内のハードディスク装置58に記憶されていてもよいし、例えば他の場所にある記憶装置からネットワークを介して読み込んでもよい。
つぎに、剛性特性計測システム10における処理について説明する。
図2および図3は、実施の形態にかかる剛性特性計測方法の手順を示すフローチャートである。
以下に説明する剛性特性計測方法は、1)事前に代表CT値と試験速度CT値との相関関係を算出するステップと、2)試験速度でCT値を計測し、相関関係を用いて代表CT値を推定するステップと、に大きく分かれる。
<相関関係データの算出方法>
図2を参照して、1)事前に代表特性値と試験速度特性値との相関関係を算出するステップについて説明する。
図2の処理は、必ずしも図1に示した剛性特性計測システム10で行う必要はなく、例えば他のコンピュータ等を用いて算出した相関関係を相関関係データ12として配布を受けてもよい。
まず、同一モデルのゴルフクラブヘッド30を複数用意する(ステップS100)。同一モデルのゴルフクラブヘッド30は、剛性特性値(CT値)の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群であり、これら複数のゴルフクラブヘッド30は、上記被衝突体群に属する複数の被衝突体である。
用意するゴルフクラブヘッド30の数は任意であるが、後述する相関関係の精度を向上させるためには、例えば十個から数十個程度のゴルフクラブヘッド30を用意することが好ましい。
また、予めゴルフクラブヘッド30のフェース面32上の計測位置を決定しておく。計測位置しては、例えばゴルフクラブヘッド30の構造上、CT値が高いと予測される点が好ましい。
ゴルフクラブヘッド30のフェース面32は、その内側が偏肉構造となっており、位置によってCT値が異なる。一方、競技用のゴルフクラブにおいては、規則により代表CT値の上限値が決められており、フェース面32上の全ての箇所の代表CT値が上限値以下であることが求められる。よって、CT値が高いと予測される位置を計測位置(管理点)とし、上限値を超えていないか評価することが望まれる。
なお、計測位置は1つのモデルのゴルフクラブヘッド30に対して複数設定してもよいが、その場合、それぞれの計測位置に対応する相関関係データを作成する。
つぎに、複数のゴルフクラブヘッド30の中の1つについて、衝突体の衝突速度を変更して複数回CT値を計測する(ステップS102)。本実施の形態では、3つの速度水準毎に3回ずつ計測を行った。上述のように、速度水準とは、上限速度および下限速度を有する速度帯であり、例えば高速度水準VHはαkm/s±βkm/s、中速度水準VMはγ(<α)km/s±δkm/s・・のように定める。
そして、ステップS102で計測したCT値に基づいて、当該ゴルフクラブヘッド30の代表CT値を算出する(ステップS104)。
すなわち、ステップS102およびS104は、衝突体の衝突速度を変更して複数回計測した剛性特性値(CT値)に基づいて、被衝突体(ゴルフクラブヘッド30)の剛性特性値の代表値である代表特性値(代表CT値)を算出する代表特性値算出工程に対応する。
図4は、ゴルフクラブヘッド30のCT値計測結果を示すグラフの一例である。
図4には、No.1からNo.10まで計10個のゴルフクラブヘッド30のCT値を示している。図4の各グラフの縦軸はCT値、横軸は衝突速度Vの−0.329乗(V−0.329)である。
No.1のグラフに示すように、3つの速度水準(高速側から順にVH、VM、VL)について、それぞれ3回計測を行い、それぞれの計測で算出されたCT値を回帰分析する。例えば、No.1のゴルフクラブヘッド30のグラフはy=5.2529x+247.32(相関係数R=0.9921)と近似でき、ゴルフクラブヘッド30の代表CT値は247.32と算出することができる。
図5は、図4の各グラフに対応する計測結果を示す表である。
なお、図5では代表CT値の値を小数第二位で四捨五入している。また、傾きとは近似式の傾き、CT(VL)は低速度水準VLにおけるCT値の平均値、CT(VM)は中速度水準VMにおけるCT値の平均値、CT(VH)は高速度水準VHにおけるCT値の平均値である。
No.1〜No.10の代表CTを比較すると、同一モデルのゴルフクラブヘッド30であってもその数値にバラつきがあるものの、CT値の速度依存性を示す「傾き」の値は近い範囲にある。
図1の説明に戻り、つづいて、同じゴルフクラブヘッド30について、衝突速度を所定の試験速度にしてCT値を計測する(ステップS106)。すなわち、ステップS106は、衝突速度を所定の試験速度にした際の剛性特性値(CT値)である試験速度特性値(試験速度CT値)を計測する試験速度特性値計測工程に対応する。
なお、本ステップにおける試験速度についても、上限値と下限値とを有する試験速度帯として設定する。
試験速度の具体的数値は任意であるが、例えば代表CT値を算出した際に計測した3つの速度水準のうち、最も低速な速度帯(図3におけるVL)に合わせてもよい。これは、ゴルフクラブヘッド30が出荷を控えた製品である場合に、計測による衝撃でフェース面32にキズ等が生じるのを回避するためである。
ここで、本実施の形態では、代表特性値算出工程で用いる剛性特性値計測装置と、試験速度特性値計測工程で用いる剛性特性値計測装置とを、異なる種類の装置としている。
すなわち、代表特性値算出工程では第1の種類の剛性特性値計測装置を用いて剛性特性値(CT値)を計測し、試験速度特性値計測工程では第1の種類の剛性特性値計測装置と異なる第2の種類の剛性特性値計測装置を用いて剛性特性値(CT値)を計測する。
また、後述する本計測工程(図3参照)も、第2の種類の剛性特性値計測装置を用いて行う。すなわち、図1に示す剛性特性値計測装置14は、第2の種類の剛性特性値計測装置である。
剛性特性値計測装置の詳細については後述するが、本実施の形態では、第1の種類の剛性特性値計測装置は、上記非特許文献1に沿った振り子式の装置であり、第2の種類の剛性特性値計測装置は、図10に示すような衝突体を鉛直方向に落下させる装置である。
仮に、代表特性値算出工程で用いる剛性特性値計測装置と、試験速度特性値計測工程で用いる剛性特性値計測装置とが同一種類の装置(特に同一の装置)である場合、代表CT値を算出する過程で衝突速度とCT値との関係式(図17または図18参照)を算出できるため、試験速度特性値計測工程は行う必要がないと考えられる。
しかしながら、本実施の形態のように、両工程で用いる装置が異なる種類の場合、計測方法の違いにより数値にずれが生じる可能性がある。また、例えば両工程で用いる剛性特性値計測装置が同じ種類の場合であっても、装置の個体誤差によって数値にずれが生じる可能性がある。
このため、本計測工程で用いる剛性特性値計測装置と同種の剛性特性値計測装置を使用して試験速度特性値計測工程を更に行い、代表特性値算出工程で得られた代表CT値と試験速度CT値との相関関係を算出している。
ステップS100で用意したゴルフクラブヘッド30を全て計測するまで(ステップS108:No)、ステップS102に戻り、以降の処理をくり返す。
用意したゴルフクラブヘッド30を全て計測すると(ステップS108:Yes)、それぞれのゴルフクラブヘッド30で得られた代表CT値と試験速度CT値との相関関係を算出する(ステップS110:相関関係算出工程)。
なお、このとき算出する相関関係(相関関係データ)は、例えば代表CT値と試験速度CT値との対応を示す参照テーブル、または代表CT値と試験速度CT値との対応を示す関数など、従来公知の様々な手法を適用可能である。
図6は、代表CT値と試験速度CT値との対応を回帰式で示したグラフである。
図6の縦軸は代表CT値、横軸は試験速度CT値である。
代表CT値をy、試験速度CT値をxとすると、y=0.9771x−8.2774(相関係数R=0.9217)と近似できる。すなわち、この回帰式(相関関係)を用いることによって、試験速度CT値の計測のみで代表CT値を推定することができる。
図7は、図6の回帰式から算出した代表CT値と実際の代表CT値との比較を示す表である。例えば、No.1のゴルフクラブヘッド30について検討すると、実際の計測により算出した代表CT値が247.3であるのに対して、上述した回帰式に試験速度CT値(260.3)を代入して得られるCT値(換算代表CT値)は246.1であり、誤差は−1.2である。
他のゴルフクラブヘッド30においても、誤差は最大1.9(絶対値)となっており、例えば後述する適合範囲の数値は、この程度の誤差を見込んで設定すればよい。
<相関関係を用いた代表CT値の推定方法>
つぎに、図3を参照して、2)試験速度でCT値を計測し、相関関係を用いて代表CT値を推定するステップについて説明する。
図3の処理は、図1に示した剛性特性計測システム10を用いて行う。
計測に先立って、代表CT値の適合範囲を設定しておく(ステップS200)。より詳細には、計測者がコンピュータ16のCT値計測プログラムを立ち上げて上記適合範囲を設定する。
本実施の形態では、例えば代表CT値の上限値を255μs、下限値を250μsとする。上限値を255μsとしたのは、ゴルフ規則で定められた代表CT値の上限値257μsに対して、上述した換算代表CT値と実際の代表CT値との誤差(最大1.9程度)を考慮して設定したものである。また、ゴルフ規則では上限値のみが定められているのに対して下限値を設定しているのは、同モデルのゴルフクラブヘッド30の剛性性能(反発性能)として期待される代表CT値を保証するためであり、また、著しく低い代表CT値が算出された場合は、ヘッドの製造上で何らかの問題がある可能性がある(例えば肉厚が規定範囲外など)ためである。
つぎに、図1で使用したゴルフクラブヘッド30と同一モデルのゴルフクラブヘッド30(計測対象ゴルフクラブヘッド)を用意する(ステップS201)。この計測対象ゴルフクラブヘッド30が、剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群に属する他の被衝突体に対応する。
つづいて、剛性特性値計測装置14において、ゴルフクラブヘッド30のフェース面32に衝突体を衝突させ、衝突時の加速度データを計測する(ステップS202)。加速度データはコンピュータ16に出力され、コンピュータ16は、加速度を積分することにより衝突体の衝突速度を算出する。
衝突速度が試験速度帯内である場合には(ステップS204:Yes)、得られた加速度データは有効であるものとして、ステップS206に進む。一方、衝突速度が試験速度帯内から外れている場合には(ステップS204:No)、得られた加速度データでは無効であるものとして、コンピュータ16はエラー表示等を行う。エラー表示を確認した計測者は、ステップS202に戻り再度計測を行う。
加速度データを得たコンピュータ16は、CT値計測プログラムにより試験速度におけるCT値、すなわち試験速度CT値を算出する(ステップS206)。すなわち、ステップS202からS206は、衝突速度を試験速度にした際の剛性特性値(試験速度CT値)を計測する本計測工程に対応する。また、ステップS204に示すように、本計測工程では、衝突体の衝突速度が試験速度帯に含まれるように計測を行う。
なお、代表CT値の推定精度を向上させるため、試験速度CT値の計測を複数回行ってもよい。この場合、複数算出される試験速度CT値の平均値を、代表CT値の推定に用いる。
つづいて、コンピュータ16は、相関関係データ12を読み出し、ステップS206で算出した試験速度CT値に対応する代表CT値を推定する(ステップS208)。すなわち、ステップS208は、本計測工程で計測された剛性特性値(試験速度CT値)と、相関関係算出工程で算出された相関関係とに基づいて、他の被衝突体(計測対象のゴルフクラブヘッド30)の代表特性値(代表CT値)を推定する代表特性値推定工程に対応する。
コンピュータ16は、ステップS208で推定した代表CT値が、ステップS200で設定した適合範囲内か否かを判断する(ステップS210)。
適合範囲内の場合(ステップS210:Yes)、コンピュータ16は、ディスプレイ66に適合範囲内であることを示す表示(OK表示)を行う(ステップS212)。
一方、適合範囲外の場合(ステップS210:No)、コンピュータ16は、ディスプレイ66に適合範囲外であることを示す表示(NG表示)を行う(ステップS214)。このとき、代表CT値が上限値を超えている場合は「OVER」、下限値を下回っている場合は「UNDER」と表示するなど、どのような理由で適合範囲外であるかを表示してもよい。
すなわち、ステップS210は、代表特性値推定工程で推定された他の被衝突体(計測対象のゴルフクラブヘッド30)の代表特性値(代表CT値)が適合範囲内か否かを判定する適合判定工程に対応する。また、ステップS212およびS214は、適合判定工程における判定結果を計測者に提示する判定結果提示工程に対応する。
図8は、コンピュータ16のディスプレイ66の表示例を示す説明図である。
図8では、ディスプレイ66(図示略)上にCT値計測プログラムのインターフェース80が表示されている。なお、図8の例では、試験速度CT値の計測を3回行うものとする。
画面上段には、計測開始前に設定する各種パラメータ82が表示されている。モデル名802には、計測対象のゴルフクラブヘッド30のモデルを特定する識別子を入力する。モデル名802を適宜指定することによって、今回用いる相関関係データの種類を指定することができる。
計測対象番号804には、今回の一連の計測で計測対象となるゴルフクラブヘッド30の通し番号を入力する。
許容CT下限806には、上記適合範囲の下限値を入力する。
許容CT上限808には、上記適合範囲の上限値を入力する。
速度下限810には、試験速度帯の下限速度を入力する。
速度上限812には、試験速度帯の上限速度を入力する。
なお、上記許容CT下限806、許容CT上限808、速度下限810、速度上限812の各値を、ゴルフクラブヘッド30のモデルごとに(上記モデル名802と関連付けて)ファイル等に保存し、相関データとセットで管理してよい。すなわち、例えば上記モデル名802を指定した時点で、許容CT下限806、許容CT上限808、速度下限810、速度上限812の各値が自動的に特定され、画面上に表示されるようにしてもよい。
計測者は、剛性特性値計測装置14に今回の計測対象のゴルフクラブヘッド30をセットし、各種パラメータ82の入力を完了すると、計測ボタン814をクリックする。そして、剛性特性値計測装置14を操作して、ゴルフクラブヘッド30のフェース面32に衝突体を衝突させる。コンピュータ16には、衝突時の加速度データが入力される。コンピュータ16は、加速度データを積分して衝突速度を算出する。
衝突速度が試験速度帯の範囲内にある場合、コンピュータ16は、速度判定欄832に「OK」を表示し、1回目の計測結果表示欄823に衝突速度822およびCT値820を表示する。
また、衝突速度が試験速度帯の範囲内にない場合には、速度判定欄832に「NG」(または「OVER」や「UNDER」)を表示する。計測者は、必要があれば剛性特性値計測装置14を調整した上で、再度計測ボタン814を押して計測を行う。
3回の計測が完了するまで、計測者は計測をくり返す。2回目、3回目の計測結果は、それぞれ計測結果表示欄824、825に表示される。
そして、3回の計測が完了すると、コンピュータ16は、平均結果表示欄826に衝突速度の平均値およびCT値の平均値を表示する。
さらに、コンピュータ16は、3回計測したCT値の平均値が適合範囲内か否かを判断し、適合範囲の場合はCT値判定欄834に「OK」を表示し、適合範囲外の場合には、CT値判定欄834に「NG」(または「OVER」や「UNDER」)を表示する。
計測が終了すると、計測者は保存ボタン815をクリックし、今回の計測結果を保存する。
以降計測者は、計測対象番号804を変更して、剛性特性値計測装置14に次のゴルフクラブヘッド30をセットし、上記の作業をくり返す。
なお、上記保存ボタン815の押下と連動して、自動的に計測対象番号804に追番(次の計測対象ゴルフクラブヘッドに対応する通し番号の入力)が行われるようにしてもよい。
<剛性特性値計測装置の構成>
つぎに、剛性特性計測システム10で用いる剛性特性値計測装置の詳細について説明する。
上述のように、本実施の形態では、代表特性値算出工程(図2のステップS102およびS104)は、第1の種類の剛性特性値計測装置を用いてCT値を計測し、試験速度特性値計測工程(図2のステップS106)および本計測工程(図3のステップS202からS206)は、第2の種類の剛性特性値計測装置を用いてCT値を計測している。
<第1の種類の剛性特性値計測装置>
第1の種類の剛性特性値計測装置は、上記非特許文献1に沿った振り子式の装置である。第1の種類の剛性特性値計測装置の構成は広く知られているので、本明細書では概要のみを説明する。
図9は、第1の種類の剛性特性値計測装置の原理を示す側面図である。
計測装置は、軸心を水平方向に向けた支軸2と、支軸2に上端が揺動可能に支持されたアーム4と、アーム4の下端に固定された半球状の金属材料からなる衝突体6と、衝突体6に取り付けられた加速度センサ8と、ゴルフクラブ31のシャフト28を固定する不図示のチャックとを備えている。
フェース面32に衝突体6が衝突する際の衝突体6の移動方向がフェース面32に対して直交するように、フェース面32の向きが調整され、この状態が保持されるようにシャフト28が前記のチャックにより固定される。
試験手順は次のとおりである。
まず、アーム4と鉛直線とがなす角度が所定角度となるまで衝突体6が持ち上げられたのち、アーム4が振り下ろされる。このアーム4と鉛直線とがなす角度を調整することにより、衝突体6とフェース面32との衝突速度を調整することができる。
これにより、アーム4が支軸2を支点として下方に揺動され衝突体6がフェース面32に衝突する。
衝突時における加速度センサ8の検出値は不図示のコンピュータに出力される。コンピュータでは、加速度センサ8の検出値を用いてCT値を算出する。
<第2の種類の剛性特性値計測装置>
図10は、第2の種類の剛性特性値計測装置20の構成を示す説明図である。
第2の剛性特性値計測装置20は、ヘッド固定用治具120、XYステージ140、台座160、支柱180、アーム200、リニアブッシュ220、衝突ロッド240、加速度センサ260を備える。
ヘッド固定用治具120は、被計測面を上面に向けて被衝突体を保持する保持機構として機能する。本実施の形態では、ヘッド固定用治具120は直方体状を呈し、上方に配置された衝突ロッド2400と面する上面1202、XYステージ140と接する下面(図示なし)、紙面左右方向(X方向)に面する側面1204、紙面奥行方向(Y方向)に面する側面1206を有する。
上面1202には、ゴルフクラブヘッド30が嵌合する嵌合孔1208が形成されている。嵌合孔1208は、ゴルフクラブヘッド30のサイド部35側と同型に形成されており、フェース面32(被計測面)を上方に向けてゴルフクラブヘッド30を嵌め込み可能となっている。嵌合孔1208に嵌め込まれた状態のゴルフクラブヘッド30は、フェース面32を上面に向けてヘッド固定用治具120により保持される。このとき、フェース面32は略水平となるように(フェース中心の法線が鉛直方向となるように)嵌合孔1208の形状が形成されている。なお、異なる型番(形状)のゴルフクラブヘッド30を計測する際は、当該ゴルフクラブヘッド30の形状に合わせて形成されたヘッド固定用治具120と交換する。
ヘッド固定用治具120は、例えばシリコン等の制振素材で形成されている。これは、後述する衝突ロッド240がフェース面32に衝突した際に生じるゴルフクラブヘッド30の振動を減衰させ、加速度センサ260の計測ノイズを軽減するためである。すなわち、保持機構であるヘッド固定用治具120は、被衝突体であるゴルフクラブヘッド30の振動を減衰する制振素材を含んで形成されている。
XYステージ1400は、移動台1402、X軸方向調整部1404、Y軸方向調整部1406、基台1408を備える。
移動台1402には、ヘッド固定用治具120が載置される。
X軸方向調整部1404は、X軸方向操作機構とX軸方向移動機構とを備え、X軸方向操作機構を構成するつまみ1404Aの回転操作でX軸方向移動機構を介して移動台1402はX軸方向に移動する。
Y軸方向調整部1406は、Y軸方向操作機構とY軸方向移動機構とを備え、Y軸方向操作機構を構成するつまみ1406Aの回転操作で移動台1402はY軸方向移動機構を介してY軸方向に移動する。
それらY軸方向調整部1406、X軸方向調整部1404、移動台1402は、基台1408の上面に配置される。また、基台1408の下面には、後述する台座160のレール1604と嵌合するレール受け(図示なし)が形成されている。
なお、XYステージ140の機構は、上記に限らず従来公知の様々な機構を採用可能である。
本実施の形態では、XYステージ140によりヘッド固定用治具120(保持機構)を水平方向(XY方向)に移動可能とし、ゴルフクラブヘッド30(被衝突体)のフェース面32(被計測面)上における衝突ロッド240(衝突体)の落下位置を調整可能としている。
なお、後述するリニアブッシュ220(落下機構)を水平方向(XY方向)に移動可能とすることにより、ゴルフクラブヘッド30(被衝突体)のフェース面32(被計測面)上における衝突ロッド240(衝突体)の落下位置を調整可能としてもよい。
台座160は、底板部1602およびレール1604を備える。
底板部1602は、作業台など安定した水平面に配置される。
レール1604は、底板部1602上にY軸方向に沿って配置され、その上にXYステージ140の基台1408が配置される。XYステージ140の基台1408は、レール1604上を紙面奥行方向(Y軸方向)に移動可能である。
レール1604の紙面奥側(支柱180側)の終端部には、図示しない磁石(位置固定機構)が取り付けられている。本実施の形態では、XYステージ140の基台1408がステンレス等の金属で形成されており、基台1408がレール1604の紙面奥側の終端部(計測位置)まで移動すると、基台1408が磁石に吸着されることによりXYステージ140の位置が固定される。
支柱180は、底板部1602の端部から上方に向かって垂直方向(Z軸方向)に立設されている。
アーム200は、アーム本体2002および位置固定機構2006を備える。なお、アーム本体2002と位置固定機構2006とは連結されている。
アーム本体2002は、支柱180から装置前面(XYステージ140等が配置されている側)に向かって水平方向(Y軸方向)に延在している。
位置固定機構2006は、支柱180に設けられた溝1802に嵌合する突起2006Aとボルト2006Bを有している。
突起2006Aは溝1802に上下に移動可能に結合され、アーム本体2002および位置固定機構2006を支柱180に沿って上下方向(Z軸方向)に移動させる。
ボルト2006Bは、回転操作されることで支柱180の側面に圧接され、これによりアーム本体2002および位置固定機構2006は、支柱180に対して移動不能に固定され、ボルト2006Bの支柱180の側面への圧接を解除することで、アーム本体2002および位置固定機構2006は、支柱180に沿って上下方向に移動可能となる。
位置固定機構2006によりアーム本体2002が上下方向に移動可能であることによって、アーム本体2002に接続されたリニアブッシュ220も上下方向に移動可能となり、後述する衝突ロッド240(衝突体)の落下開始位置とゴルフクラブヘッド30(被衝突体)のフェース面32(被衝突面)との上下方向(鉛直方向)に沿った距離を調整可能である。すなわち、位置固定機構2006は、落下距離調整機構として機能する。
このように衝突ロッド240の落下開始位置とフェース面32との上下方向に沿った距離を調整可能とするのは、この距離によって衝突ロッド240のフェース面32への衝突速度が変化するためである。本実施の形態で計測するCT値には速度依存性があることが知られている。このため、衝突ロッド240のフェース面32への衝突速度を予め決定し、その衝突速度で計測を行う必要がある。落下距離調整機構を設けることにより、衝突ロッド240のフェース面32への衝突速度を任意に調整することが可能となる。
リニアブッシュ220は、アーム200のアーム本体2002の先端に取り付けられ、後述する衝突ロッド240(衝突体)をゴルフクラブヘッド30(被衝突体)に向けて鉛直方向(柱状の衝突ロッド240の長手方向)に落下させる落下機構として機能する。
リニアブッシュ220は、本体部2202および挿通孔2204を備える。挿通孔2204は、本体部2202の上面2206から下面2208(図12参照)を貫通している。本体部2202内の挿通孔2204の内周面には鋼球が配置されており、挿通孔2204に挿入された衝突ロッド240を鉛直方向下方に案内する。
リニアブッシュ220を用いることにより、衝突ロッド240の落下方向が規制され、ゴルフクラブヘッド30に対する落下位置を高精度に調整することができる。
衝突ロッド240(衝突体)は、図11にも示すように、ロッド本体2404、上方ストッパ2406、下方ストッパ2408、操作レバー2410を備える。
ロッド本体2404は、円柱状の棒状部材であり、ステンレス等の金属によって形成されている。なお、ロッド本体2404は、円柱以外の柱形状(例えば角柱状など)であってもよい。ロッド本体2404の一方の底面2412(使用状態においてゴルフクラブヘッド30(被衝突体)に衝突する側の底面)は、球面形状に形成されている。ロッド本体2404の直径は、リニアブッシュ220の挿通孔2204から落下可能な寸法で形成されている。
上方ストッパ2406は、ロッド本体2404の上端部(底面2412と反対側の端部)に取り付けられている。上方ストッパ2406は、リニアブッシュ220の挿通孔2204の内径よりも大きな外径を有しているため、上方ストッパ2406はリニアブッシュ220の挿通孔2204内には移動できない。よって、衝突ロッド240の落下時には上方ストッパ2406がリニアブッシュ220の上面2206に当接した位置より下方には衝突ロッド240は移動できない。すなわち、上方ストッパ2406は、リニアブッシュ220の挿通孔2204内に位置する衝突ロッド240の最下点位置を規制する。
なお、実際の使用時には、図10および図12に示すように上方ストッパ2406とリニアブッシュ220の上面2206との間にばね28を挟むため、上方ストッパ2406と上面2206とが直接接することはない。ばね28は、例えば圧縮コイルばねであり、その内径側に衝突ロッド240のロッド本体2404が挿通される。
詳細は後述するが、ばね28は、衝突ロッド240(衝突体)がフェース面32(被計測面)に衝突した後、衝突ロッド240をフェース面32より上方に保持し、衝突ロッド240がフェース面32に再度衝突するのを防止する再衝突防止機構として機能する。
下方ストッパ2408は、ロッド本体2404の底面2412寄りに取り付けられている。
下方ストッパ2408は、可撓性部材で形成され、例えばゴムによって形成されている。
下方ストッパ2408もリニアブッシュ220の挿通孔2204の内径よりも大きな外径を有しているため、下方ストッパ2408はリニアブッシュ220の挿通孔2204内には移動できない。よって、衝突ロッド240を上方に移動させた際には、下方ストッパ2408がリニアブッシュ220の下面2208に接した位置より上方には衝突ロッド240は移動できない。すなわち、下方ストッパ2408は、挿通孔2204内に位置する衝突ロッド240の最上点位置を規制する。
なお、下方ストッパ2408はロッド本体2404から着脱可能である。衝突ロッド240をリニアブッシュ220から取り外す際は、下方ストッパ2408をロッド本体2404から外した上でロッド本体2404を上方に向かって移動させ、挿通孔2204から引き抜く。そして、衝突ロッド240をリニアブッシュ220に取り付ける際は、下方ストッパ2408を外した状態のロッド本体2404を挿通孔2204内に挿入し、ばね28で規制される位置まで下方に移動させる。その後、ロッド本体2404に下方ストッパ2408を取り付ける。
すなわち、上述したようにリニアブッシュ220(落下機構)は衝突ロッド240(衝突体)を鉛直方向に移動可能に保持するが、上方ストッパ2406および下方ストッパ2408は、リニアブッシュ220に挿通(保持)された状態における衝突ロッド240の最上点位置および最下点位置を規制するストッパ機構として機能する。
操作レバー2410は、上方ストッパ2406に取り付けられた棒状の部材であり、計測者により衝突ロッド240の位置を上方に移動させる際に用いられる(図12参照)。より詳細には、計測者は操作レバー2410をつまんで衝突ロッド240を上方に引き上げた後、操作レバー2410を離すことによって衝突ロッド240を下方に自由落下させる。
衝突ロッド240のサイズとしては、例えばロッド本体2404の直径は12mm以上20mm以下、長さ(上方ストッパ2406と加速度センサ26との境界から底面2412までの長さ)は60mm以上120mm以下、質量(ロッド本体2404、上方ストッパ2406、下方ストッパ2408、操作レバー2410を含む)は100g以上200g以下、底面2412の曲率半径は20mm以上30mm以下とするのが好ましい。
これは、上述した範囲にペンデュラム試験の手順(非特許文献1参照)に規定される衝突体のサイズが含まれるためである。
加速度センサ260は、衝突ロッド240(衝突体)の底面2412と反対側の面に取り付けられており、衝突ロッド240とフェース面32(被衝突体)とが衝突した際に生じる衝突ロッド240の加速度を計測する。
加速度センサ260は、配線2602により不図示のコンピュータに接続され、その検出値をコンピュータに出力する。なお、加速度センサ260とコンピュータとを無線通信により接続してもよい。
つぎに、図13のフローチャートを参照して、第2の種類の剛性特性値計測装置20による計測手順について説明する。
計測に先立って、剛性特性の計測位置(フェース面32上における衝突ロッド240の衝突位置)や衝突ロッド240の衝突速度などの計測パラメータを決定しておく(ステップS70)。
つぎに、ゴルフクラブヘッド30をヘッド固定用治具120にセットする(ステップS72)。
より詳細には、まず計測者はレール1604上のXYステージ140を手前方向に移動させる。これは、ゴルフクラブヘッド30をセットする際にリニアブッシュ220等と干渉しない位置にヘッド固定用治具120を移動させるためである。つぎに、ゴルフクラブヘッド30のフェース面32を上方に向けて、サイド部35側を嵌合孔1208に嵌め込む。そして、レール1604上のXYステージ140を奥方向(支柱180側)に移動させる。レール1604端部までXYステージ140が移動すると、磁石によりがXYステージ140の位置が固定される。
つぎに、フェース面32上の計測位置が衝突ロッド240の落下位置と一致するように、XYステージを操作して位置合わせを行う(ステップS74)。
また、支柱180に対するアーム200の位置を調整することにより、衝突ロッド240のフェース面32への衝突速度を調整する(ステップS76)。すなわち、衝突ロッド240はフェース面32に向けて自由落下するが、この時の衝突速度は、衝突ロッド240の落下開始位置によって異なる。よって、例えば実際に衝突ロッド24をフェース面32に衝突させて加速度を計測し、この加速度を積分することにより衝突速度を算出して、ステップS70で決定した衝突速度よりも速い場合にはアーム200の位置をより高く、遅い場合にはアーム200の位置をより低く調整する。
後述するように(図12参照)、衝突ロッド240はばね28を圧縮しながらフェース面32へと衝突する。アーム200の位置を高くして、衝突ロッド240の落下開始点とフェース面32との距離を長くすると、衝突時にばね280が大きく圧縮された状態となり、アーム200の位置変更前と比較して衝突ロッド240の衝突速度が遅くなる。なお、アーム200の位置を高くし過ぎると、衝突ロッド240とフェース面32が接触しなくなる。
また、アーム200の位置をより低くして、衝突ロッド24の落下開始点とフェース面32との距離を短くすると、ばね280の圧縮量が少ない状態(減速前)に衝突ロッド240とフェース面32が衝突することになり、アーム200の位置変更前と比較して衝突ロッド240の衝突速度が速くなる。なお、アーム200の位置を低くし過ぎると、無荷重時にも衝突ロッド240とフェース面32が接触してしまう。
つづいて、衝突ロッド240をフェース面32上に落下させ、衝突時の加速度を加速度センサ260で計測する(ステップS78)。そして、加速度センサ260の検出値をコンピュータに出力し(ステップS80)、本フローチャートの処理を終了する。
図12は、計測時における衝突ロッド240の挙動を模式的に示す図である。
計測時にはまず、図12Aに示すように、計測者が操作レバー2410をつまんで衝突ロッド240を上方に引き上げる。一定量引き上げると、下方ストッパ2408がリニアブッシュ220の下面2208に当接し、それ以上上方に移動できなくなる。
なお、計測時には衝突ロッド240のロッド本体2404にばね280が挿通される。ばね280はリニアブッシュ220の上面2206上に位置する。図12Aの状態では、ばね280に力がかかっていないため、ばね280の長さは自然長H0となっている。
つぎに、計測者は、加速度センサ260をオン(計測開始)するとともに、操作レバー2410を離して衝突ロッド240を鉛直方向に落下させる。図12Bに示すように、衝突ロッド240は自由落下し、重力加速度によって落下速度が加速する。
その後、上方ストッパ2406がばね280の上端位置まで落下すると、衝突ロッド240の荷重(質量×加速度)がばね280にかかる。この荷重により、ばね280は縮んで自然長H0より短い長さH1となる(図12C参照)。一方、衝突ロッド240にはばね280からの反力がかかり、落下速度は減速する。この減速の過程で、衝突ロッド240がフェース面32に所定の衝突速度で衝突する。
フェース面32と衝突した衝突ロッド240は、反力を受けて上方へと移動する。衝突ロッド240が上方に移動すると、ばね280にかかる荷重がなくなり、ばね280は自然長H0に戻る。衝突ロッド240は、一定距離上方に移動した後、重力により再度下方(フェース面32方向)へと落下する。しかしながら、最初の落下時と比較して落下開始位置が低いため、ばね280にかかる荷重は小さくなり、ばね280を縮ませる程度の荷重には至らない(または図12Cよりも縮み量が小さくなる)。
よって、図12Dに示すように、衝突ロッド240の底面2412はフェース面32よりも上方に保持される。すなわち、ばね280は、衝突ロッド240(衝突体)がフェース面32(被計測面)に衝突した後、衝突ロッド240をフェース面32より上方に保持し、衝突ロッド240がフェース面32に再度衝突するのを防止する再衝突防止機構として機能する。
このような再衝突防止機構を設けているのは、再衝突によって加速度センサ260の検出値のノイズが増大するのを防止するためである。
このように、第2の種類の剛性特性値計測装置20は、衝突体である衝突ロッド240を、被衝突体であるゴルフクラブヘッド30に向けて鉛直方向に落下させるので、衝突ロッド240の衝突位置や衝突角度を一定に保つことが容易となり、剛性特性の計測精度を向上させる上で有利となる。
特に、第1の種類の剛性特性値計測装置(図9参照)では、ヘッドとシャフトが一体となったクラブ形状での試験を前提としており、シャフト部を保持して試験を実施する必要がある。このため、ヘッドの製造工程において品質管理のために計測を行う場合などは、シャフトを取り付ける工程が必要になり、煩雑であるという課題がある。
また、シャフトは円柱形状であるため、周方向に回転し易く、試験中に衝突体との衝突角度を一定に保つように設定するのが難しい。また、シャフトの材質やクランプ位置、クランプ強さなどから来るシャフトの固有振動の影響を受け、剛性特性が変化する可能性がある。
さらに、第1の種類の剛性特性値計測装置のように振り子を使った衝突方法では、ヘッド形状(FP値の違いなど)の特性上、最下点で安定して打撃することは難しく、このずれにより打点位置や衝突角が変動する可能性があり、調整も難しい。
剛性特性計測システム10の剛性特性計測装置14として、第2の種類の剛性特性値計測装置20を用いることによって、短時間で精度よくゴルフクラブヘッドのCT値を計測することが可能となる。
以上説明したように、実施の形態にかかる剛性特性計測システム10によれば、予め代表CT値と試験速度CT値との相関関係データ12を算出しておき、本計測時には試験速度CT値のみを計測することにより代表CT値を推定するので、本来であれば衝突速度を変えて複数計測する必要がある代表CT値を、1つの試験速度での計測で推定することができ、短い時間で代表CT値を計測することができる。
また、同一モデルの製品毎に相関関係データ12を算出しておくことにより、量産製品を全数検査する場合など、大量の被衝突体の代表特性値を効率的に計測する上で有利となる。
また、同一モデルの製品毎に定められた基準衝突位置毎に相関関係データ12を算出しておくようにすれば、1つのモデルに複数の管理点(適合範囲外となる可能性が高い箇所)がある場合などに有利である。
また、計測対象のゴルフクラブヘッド30の代表CT値が適合範囲内か否かを判定し、その判定結果を提示するので、被衝突体の品質管理を行う上で有利となる。
また、試験速度が上限速度および下限速度を有する試験速度帯として規定されているので、衝突体の衝突速度に対して一定の誤差を許容しつつ、当該誤差が相関関係が使用可能な範囲を超えるのを抑える上で有利となる。
特に、代表CT値は規定に沿った構造の第1の種類の剛性特性値計測装置を用いて、試験速度特性値は測定が容易な第2の種類の剛性特性値計測装置を用いて、それぞれ計測することにより、代表CT値の計測を効率的に行うことができる。
10 剛性特性計測システム
12 相関関係データ
14 剛性特性値計測装置(剛性特性値計測部)
16 コンピュータ(代表特性値推定部)
20 第2の種類の剛性特性値計測装置
30 ゴルフクラブヘッド

Claims (15)

  1. 被衝突体に衝突体を衝突させた際に前記衝突体に生じる加速度に基づいて、前記被衝突体の剛性特性値を計測する剛性特性計測方法であって、
    前記衝突体の衝突速度を変更して複数回計測した前記剛性特性値に基づいて、前記被衝突体の代表特性値を算出する代表特性値算出工程と、
    前記衝突速度を所定の試験速度にした際の前記剛性特性値である試験速度特性値を計測する試験速度特性値計測工程と、
    前記剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群に属する複数の被衝突体について、前記代表特性値算出工程と前記試験速度特性値計測工程とをそれぞれ行い、前記代表特性値と前記試験速度特性値との相関関係を算出する相関関係算出工程と、
    前記被衝突体群に属する他の被衝突体について、前記試験速度特性値を計測する本計測工程と、
    前記本計測工程で計測された前記試験速度特性値と、前記相関関係算出工程で算出された前記相関関係とに基づいて、前記他の被衝突体の前記代表特性値を推定する代表特性値推定工程と、
    を含んだことを特徴とする剛性特性計測方法。
  2. 前記被衝突体は量産製品であり、
    前記剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群は同一モデルの製品であり、
    前記相関関係算出工程では、前記同一モデルの製品毎に前記相関関係を算出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の剛性特性計測方法。
  3. 前記剛性特性値は、前記被衝突体に対する前記衝突体の衝突位置毎に異なる値を取ることが予測され、
    前記相関関係算出工程では、前記同一モデルの製品毎に定められた基準衝突位置毎に前記相関関係を算出する、
    ことを特徴とする請求項2記載の剛性特性計測方法。
  4. 前記代表特性値は、所定の適合範囲が設定されており、
    前記代表特性値推定工程で推定された前記他の被衝突体の前記代表特性値が、前記適合範囲内か否かを判定する適合判定工程を更に含む、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の剛性特性計測方法。
  5. 前記適合判定工程における判定結果を計測者に提示する判定結果提示工程を更に含む、
    ことを特徴とする請求項4記載の剛性特性計測方法。
  6. 前記試験速度は、上限速度および下限速度を有する試験速度帯として規定されており、
    前記本計測工程では、前記衝突速度が前記試験速度帯に含まれるように計測を行う、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の剛性特性計測方法。
  7. 前記剛性特性値の計測は剛性特性値計測装置を用いて行い、
    前記代表特性値算出工程では、第1の種類の剛性特性値計測装置を用いて前記剛性特性値を計測し、前記試験速度特性値計測工程および前記本計測工程では、前記第1の種類の剛性特性値計測装置と異なる第2の種類の剛性特性値計測装置を用いて前記剛性特性値を計測する、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の剛性特性計測方法。
  8. 前記被衝突体はゴルフクラブヘッドであり、
    前記剛性特性値は、前記ゴルフクラブヘッドのCT値である、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の剛性特性計測方法。
  9. 被衝突体に衝突体を衝突させた際に前記衝突体に生じる加速度に基づいて、前記被衝突体の剛性特性値を計測する剛性特性計測システムであって、
    前記衝突体の衝突速度を変更して複数回計測した前記剛性特性値に基づいて算出される前記被衝突体の代表特性値と、前記衝突速度を所定の試験速度にした際の前記剛性特性値である試験速度特性値と、を、前記剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群に属する複数の被衝突体についてそれぞれ計測して算出した相関関係データと、
    前記被衝突体群に属する他の被衝突体について、前記試験速度特性値を計測する剛性特性計測部と、
    前記剛性特性計測部で計測された前記試験速度特性値と、前記相関関係データとに基づいて、前記他の被衝突体の前記代表特性値を推定する代表特性値推定部と、
    を備えたことを特徴とする剛性特性計測システム。
  10. 前記被衝突体は量産製品であり、
    前記剛性特性値の速度依存性が略同一と予測される被衝突体群は同一モデルの製品であり、
    前記相関関係データは、前記製品のモデル毎に算出されている、
    ことを特徴とする請求項9記載の剛性特性計測システム。
  11. 前記剛性特性値は、前記被衝突体に対する前記衝突体の衝突位置毎に異なる値を取ることが予測され、
    前記相関関係データは、前記モデル毎に定められた基準衝突位置毎に算出されている、
    ことを特徴とする請求項10記載の剛性特性計測システム。
  12. 前記代表特性値は、所定の適合範囲が設定されており、
    前記代表特性値推定部で推定された前記他の被衝突体の前記代表特性値が、前記適合範囲内か否かを判定する適合判定部を更に備える、
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載の剛性特性計測システム。
  13. 前記適合判定部における判定結果を計測者に提示する判定結果提示部を更に備える、
    ことを特徴とする請求項12記載の剛性特性計測システム。
  14. 前記試験速度は、上限速度および下限速度を有する試験速度帯として規定されており、
    前記剛性特性計測部は、前記衝突速度が前記試験速度帯に含まれるように計測を行う、
    ことを特徴とする請求項9から13のいずれか1項記載の剛性特性計測システム。
  15. 前記被衝突体はゴルフクラブヘッドであり、
    前記剛性特性値は、前記ゴルフクラブヘッドのCT値である、
    ことを特徴とする請求項9から14のいずれか1項記載の剛性特性計測システム。
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