JP5454021B2 - 加振力の測定方法 - Google Patents
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Description
ゴルフクラブヘッドの解析においては、フェースの厚さ、形状、材質等を設計パラメータとして解析がなされている。これにより、例えば、スイングスピード毎に、フェースの最適化がなされる。
ゴルフボールにおいては、例えば、2層構造、3層構造等の構造、各層の厚さ、ゴルフボールの材質等を設計パラメータとして、解析がなされている。これにより、例えば、スイングスピード毎に、ゴルフボールの各層の厚さ、ゴルフボールの材質等の最適化がなされる。
また、ゴルフボールについてFEM解析を行う場合においても、構造、材質等により、加振力が一定であるとは限らない。このため、フェースの衝突した後のゴルフボールの跳ね返り等のゴルフボールの特性を正確に解析する場合、設計するゴルフボールの構造、材質等に応じて、各ゴルフボール毎に、フェース面との衝突により生じる衝撃力(加振力)を正確に求める必要がある。
また、本発明において、例えば、前記第1の応答信号および前記第2の応答信号は、音圧計を用いて測定された音圧レベルを表す信号(音圧信号)である。
また、本発明において、前記第1の加振力は、インパルスハンマにより与えられることが好ましい。
図1は、本発明の実施形態の加振力の測定方法に用いられる測定装置を示す模式図である。
図1に示す測定装置10は、所定の加振力をゴルフクラブヘッド20に加えるインパルスハンマ12と、FFTアナライザ14と、加速度センサ16と、アンプ18と、コンピュータ(以下、PCという)19とを有する。
加速度センサ16はアンプ18を介してFFTアナライザ14に接続されており、インパルスハンマ12はFFTアナライザ14に接続されている。
この加速度センサ16は、例えば、ゴルフクラブヘッド20のホーゼル部24の下方に取り付けられる。この加速度センサ16が取り付けられる位置を取付位置Dという。
加速度センサ16には、例えば、軽量加速度ピックアップが用いられる。この軽量加速度ピックアップは、加速度信号を電荷の形態で出力する。なお、加速度ピックアップは超軽量のものが好ましい。例えば、質量が0.6gのものを用いるとよい。これは、質量が大きいとフェース面22の振動に対する影響が大きくなるためである。
さらに、FFTアナライザ14は、加速度センサ16による加速度の時系列データ(時間波形)、およびインパクトハンマ12による加振力の時系列データ(時間波形)に基づいて、周波数応答関数を求める機能を有する。その他、FFTアナライザ14は、一般的なFFTアナライザが備える機能を有する。
また、FFTアナライザ14でなされたFFTの結果、逆FFTの結果および求められた周波数応答関数についてもPC19に出力される。
ゴルフクラブヘッド20の取付位置Dに、加速度センサ16が取り付けられている。
まず、ゴルフクラブヘッド20のフェース面22の中心点Pにインパクトハンマ12で打撃する。この打撃時に、インパクトハンマ12から加振力信号がFFTアナライザ14に出力される。この打撃によりゴルフクラブヘッド20に生じた加速度(第1の応答信号)が加速度センサ16で測定されて、その加速度の加速度信号がFFTアナライザ14にアンプ18を介して出力される。
これらのゴルフクラブヘッドの加速度の時系列データ、およびインパクトハンマ12による加振力の時系列データならび周波数応答関数はPC19に出力され、PC19のメモリ、ハードディスク等に記憶される。
本実施形態において、周波数応答関数をHとするとき、この周波数応答関数Hは、下記数式1により表される。
また、ゴルフボール26を、例えば、フェース面22の中心点Pに衝突させたときに発生する加振力(第2の加振力)の加振力信号の複素フーリエスペクトルをF1(f)とし、ゴルフボール26を、例えば、フェース面22の中心点Pに衝突させたときにゴルフクラブヘッド20に発生する加速度(第2の応答信号)の加速度信号の複素フーリエスペクトルをA1(f)とするとき、この加振力信号の複素フーリエスペクトルF1(f)は、下記数式2により求めることができる。
次に、周波数応答関数Hを測定したのと同じゴルフクラブヘッド20に対して、例えば、インパクトハンマ12で打撃を加えた中心点Pに、所定の速度でゴルフボール26を衝突させる。このとき、加速センサ16でゴルフクラブヘッド20に生じた加速度(第2の応答信号)が測定され、アンプ18を介してFFTアナライザ14に出力される。このFFTアナライザ14では、ゴルフクラブヘッド20の加速度の時系列データが取得される。
次に、PC19で記憶しておいた周波数応答関数H、加速度の複素フーリエスペクトルA1(f)をFFTアナライザ14に出力し、このFFTアナライザ14において、上記数式2を用いて、ゴルフボール26を衝突させたときにゴルフクラブヘッド20に発生した加振力の複素フーリエスペクトルF1(f)を求める。
FFTアナライザ14において、この逆フーリエ変換で得られた加振力の時系列データにおける最大の加振力の値が抽出される。この加振力の最大値を、ゴルフボール26がフェース面に衝突したときの加振力F1として、FFTアナライザ14からPC19に出力し、PC19で記憶される。このようにして、ゴルフボール26を衝突させたときにゴルフクラブヘッド20に発生した加振力を求めることができる。
この結果、図2に示すグラフ30のように、計算で求めたインパクトハンマ12の加振信号の時系列データを示す曲線32と、インパクトハンマ12による加振信号の時系列データを示す曲線34とでは、ピーク値が略一致した。このように、インパルスハンマ12を用いて、加振力が分かるようにして、周波数応答関数を予め求めておけば、ゴルフボール26を衝突させたときのような加振力印加時の加速度の時系列データから、加振力を求めることができる。
図3は、加振力の測定に用いられる落下試験装置を示す模式図である。
図3に示す落下試験装置(以下、単に試験装置という)40は、ロードセル42と、筒44と、アンプ18aと、FFTアナライザ14と、PC19と、モニタ19aとを有する。
ロードセル42は、ゴルフボール26による加振力を測定するものであり、水平面Bに載置されている。このロードセル42は、アンプ18aに接続されている。このアンプ18aにより、加振力に応じてロードセル42で発生した出力信号が所定倍に増幅される。この増幅された出力信号がFFTアナライザ14に出力される。
この筒44の上方の開口44bからゴルフボール26が落下されて、筒44の内部を通り、ロードセル42に衝突する。このゴルフボール26の落下によりロードセル42に生じる加振力が測定される。
図4(a)、(b)に示すモデル化したゴルフクラブヘッド46は、フェースに相当する部分50と、ソールに相当する部分52とを有する。ソールに相当する部分52は、フェースに相当する部分50の反対側に肉厚部52aが形成されている。
さらに、モデル化したゴルフクラブヘッド46には、フェースに相当する部分50の両側に、裏面50bからソールに相当する部分52の肉厚部52aに達する略三角形状のリブ54が設けられている。
なお、フェースに相当する部分50の表面50aは、フェース面に相当する。
また、図3に示す試験装置40において、ロードセル42にかえて、モデル化したゴルフクラブヘッド46を配置した。このとき、モデル化したゴルフクラブヘッド46のフェースに相当する部分の表面50aの高さを、ロードセル42でゴルフボールが衝突する部分と同じ高さにする。ロードセル42と同様に、ボール1〜ボール3の3種類のゴルフボールを用いて落下試験を行った。このときの加振力をそれぞれ測定した。
落下試験における試験条件は、ロードセルと、モデル化したゴルフクラブヘッドとでは同じであり、ゴルフボールの衝突時におけるゴルフボールと加振部分との接触時間も同程度である。
また、加振力を正確に求めることができるため、加振力を与える加振源となるゴルフボールの速度、またはゴルフボールの種類等の違いよる加振力の違いについても測定でき、更には評価することができる。
この場合、ゴルフボール26を衝突させたときにゴルフクラブヘッド20に発生する加振力信号の複素フーリエスペクトルF1(f)は、下記数式4により求めることができる。この周波数応答関数H1を用いる場合でも、ゴルフクラブヘッド20について、周波数応答関数H1を予め求めておけば、上述のように、ゴルフボール26を衝突させたときの加振力を正確に求めることができる。
例えば、ゴルフクラブヘッドについてFEM解析を行う場合には、実際に作用する加振力を用いることができるため、解析精度を高くすることができる。また、加振力を正確に求めることができるため、加振力を与える加振源となるゴルフボールの速度、ゴルフボールの種類等による加振力の違いよる加振力の違いについても測定し、更には評価することができる。
ゴルフクラブヘッド20においては、フェース面22の場所毎に振動特性が異なることがあり、更には、加速度を測定する位置によっても、打撃により生じる加速度が異なることがあるためである。
12 インパルスハンマ
14 FFTアナライザ
16、16a 加速度センサ
18、18a アンプ
19 コンピュータ(PC)
20 ゴルフクラブヘッド
22 フェース面
24 ホーゼル部
26 ゴルフボール
40 落下試験装置(試験装置)
42 ロードセル
44 筒
46 モデル化したゴルフクラブヘッド
Claims (7)
- ゴルフクラブヘッドのフェース面の所定の位置に、既知の第1の加振力を付与し、このときの前記ゴルフクラブヘッドの所定の場所における第1の応答信号を測定し、前記既知の第1の加振力と前記第1の応答信号から応答関数を求め、前記応答関数を記憶する工程と、
前記応答関数を求めたのと同じゴルフクラブヘッドの前記フェース面の前記所定の位置にゴルフボールを衝突させ、このときの前記所定の場所における第2の応答信号を測定する工程と、
前記第2の応答信号と前記応答関数とを用いて、前記ゴルフボールを衝突させたときに前記ゴルフクラブヘッドに生じる第2の加振力を測定する工程とを有することを特徴とする加振力の測定方法。 - 前記第1の応答信号および前記第2の応答信号は、加速度センサを用いて測定された加速度信号であり、前記加速度センサの取付位置は前記第1の加振力を付与したときおよび前記ゴルフボールを衝突させたとき同じ位置である請求項1に記載の加振力の測定方法。
- 前記第1の応答信号は加速度であり、この加速度をAとし、前記応答関数をHとし、前記第1の加振力をFとするとき、前記応答関数Hが、H=A/Fで表されるものであり、
前記第2の応答信号は加速度であり、この加速度をA1とし、前記ゴルフボールによる第2の加振力をF1とするとき、前記ゴルフボールによる前記第2の加振力F1は、F1=A1/Hで求められる請求項2に記載の加振力の測定方法。 - 前記第1の応答信号は加速度であり、この加速度をAとし、前記応答関数をH1とし、前記第1の加振力をFとするとき、前記応答関数H1が、H1=F/Aで表されるものであり、
前記第2の応答信号は加速度であり、この加速度をA1とし、前記ゴルフボールによる第2の加振力をF1とするとき、前記ゴルフボールによる前記第2の加振力F1は、F1=A1・H1で求められる請求項2に記載の加振力の測定方法。 - 前記第1の応答信号および前記第2の応答信号は、歪ゲージを用いて測定された歪量を表す信号であり、前記歪ゲージの取付位置は前記第1の加振力を付与したときおよび前記ゴルフボールを衝突させたとき同じ位置である請求項1に記載の加振力の測定方法。
- 前記第1の応答信号および前記第2の応答信号は、音圧計を用いて測定された音圧レベルを表す信号である請求項1に記載の加振力の測定方法。
- 前記第1の加振力は、インパルスハンマにより与えられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の加振力の測定方法。
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