JP6603476B2 - ポリカルボン酸系共重合体及びそれからなる分散剤 - Google Patents

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本発明は新規なポリカルボン酸系共重合体に関する。より詳しくは、アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物と不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られるポリカルボン酸系共重合体に関する。
近年、コンクリート用材料としての骨材は、たとえば川砂等の良質な細骨材の枯渇に伴い、従来積極的には使用されていなかった低品質の骨材が使用される機会が増えてきている。そのような低品質の細骨材を用いた水硬性組成物は、一般的な水粉体比(W/B)であってもフレッシュ時の粘性が高くなり、作業性が低下する傾向にある。このような問題は、特に骨材中に含まれる不純物(例:粘土等)の量が多い場合に発生し易い。
また、水硬性組成物用材料として使用される骨材は、天然物であるがゆえに不純物の含有量が変動する。そのため、従来のポリカルボン酸系分散剤を使用した場合、一定の流動性を得るために必要とされる分散剤の使用量が使用骨材の種類やその由来等によって種々変動することから、水硬性組成物の実際の製造においては分散剤の使用量をその都度調節する必要があり、様々に作業が煩雑となる。また、上述の低品質な骨材を多く使用する場合、一定の流動性を確保するために分散剤の添加量を増大することが必要とされる場合が多く、これは製造コストの上昇を引き起こす。
このような問題に対しては、従来のポリカルボン酸系分散剤とその他の成分を併用する方法や、あるいはポリカルボン酸系分散剤自体の構造を最適化する方法などで流動性を改善し、ポリカルボン酸系減水剤としての有効性を高めんとするいくつかの先行技術例が開示されている。
上述の他の成分の併用による例としては、膨潤性粘土(例えばスメクタイト、モンモリロナイト等)を含む低品質な骨材を使用する際に、粘土活性変更物質として、無機カチオンを含んでなる物質(例えば硝酸カルシウム等)、有機カチオンを含んでなる物質(例えば臭化テトラブチルアンモニウム等)、極性有機分子(例えばポリエチレングリコール、ヘキサメタリン酸ナトリウム等)をEO/PO可塑剤(すなわちポリカルボン酸系減水剤)と併用することで、ポリカルボン酸系減水剤の有効性の改善を図った提案がある(特許文献1)。また、品質の高くない細骨材を用いる際、第4級窒素を含むカチオン性ポリマー(例えばポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)塩等)を高性能減水剤又は高性能AE減水剤(ポリカルボン酸系減水剤)と併用することで、コンクリート粘性や流動保持性などのフレッシュ状態の改善を図った提案(特許文献2)、粘土含有骨材を使用する場合、ポリ−カチオン性化合物(例えばポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド等)及び、ポリ−ヒドロキシルもしくはヒドロキシルカルボキシレート成分(例えばグルコン酸ナトリウム等)をポリカルボキシレート系分散剤と併用することで、該分散剤がセメントモルタル中で示す用量効率の維持に関して改善を経った提案(特許文献3)がある。
さらに、ポリカルボン酸系分散剤自体の構造を改良した提案としては、主炭化水素鎖と、カルボキシ基及びポリオキシアルキレン基に加えgem−ビスホスホネート基を含む側鎖とを含む櫛型コポリマーを鉱物粒子の懸濁物の流動化剤として採用することにより、該懸濁物の流動性の改善を経った提案(特許文献4)などがある。
特許第4491078号公報 特許第4381923号公報 特開2011−136844号公報 特許第5623672号公報
しかし、これまでの提案では、使用骨材の種類や不純物量に大きく影響されずに満足な流動性を達成するには至っていない。
そこで、今、使用骨材の変遷に伴い、骨材品質の良否によらず、添加量をほぼ変えることなく、一定の流動性を発現できる新たな水硬性組成物用分散剤が求められている。
一方、分子内に2つの不飽和結合を有するアルカジエノール類は、医薬の中間体として、あるいは、香料原料、高分子原料、高分子変性剤などに使用されるアルコールまたはそのエステル等を製造するための中間体として工業的に有用な化合物であるが、該アルカジエノール類及びその誘導化合物を水硬性組成物用添加剤の原料として用いたとする提案はこれまでにない。
本発明はかかる従来の技術背景の下、水硬性組成物用分散剤の性能を改良すべくなされたものであって、骨材中の不純物の含有量によらず安定した分散性を有し、骨材の種類によって添加量を実質変えなくとも所定の流動性が得られる水硬性組成物用分散剤、並びに斯様な水硬性組成物用分散剤として有用な新規なポリカルボン酸系共重合体を提供することを課題とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、これまで水硬性組成物用添加剤の材料として検討がなされてこなかったアルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物をポリカルボン酸系共重合体のモノマー成分として用いることにより、即ち、アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物由来の構造単位をポリカルボン酸系共重合体の構造中に組み入れ、そのポリカルボン酸系共重合体を水硬性組成物用の添加剤として用いることにより、骨材に含まれ得る粘土等の不純物の種類及び量の多少によらず、所望の流動性を有する水硬性組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、炭素原子数5乃至30のアルカジエノール化合物1モルに1乃至200モルの炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドが付加したアルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物、及び不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られる、ポリカルボン酸系共重合体に関する。
上記ポリカルボン酸系共重合体は、前記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物と前記不飽和カルボン酸系単量体を、アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物:不飽和カルボン酸系単量体=50〜99質量部:50〜1質量部の割合にて含むものであることが好ましい。
また本発明のポリカルボン酸系共重合体は、好ましくは、2,7−オクタジエノールのアルキレンオキサイド付加物と不飽和カルボン酸系単量体を共重合させて得られる共重合体である。
また、流動性の相乗的向上効果を発揮し得る場合があることから、上記ポリカルボン酸系共重合体は、前記単量体混合物において、二種以上の前記不飽和カルボン酸系単量体を含むことが好ましい。
さらに、上記ポリカルボン酸系共重合体は、前記単量体混合物において、前記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物及び不飽和カルボン酸系単量体以外の、その他の単量体を含むものであってよい。
また本発明は、
式(a1)で表される構造単位及び式(a2)で表される構造単位を含むか、
式(a1)で表される構造単位、並びに、式(a3−1)及び(a3−2)で表される構造単位のうち少なくとも一方の構造単位を含むか、又は
式(a1)で表される構造単位、式(a2)で表される構造単位、並びに、式(a3−1)及び(a3−2)で表される構造単位のうち少なくとも一方の構造単位を含む、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系構造単位(A)、及び
式(b)で表される不飽和カルボン酸系構造単位(B)を含み、
重量平均分子量が5,000乃至100,000である、ポリカルボン酸系共重合体に関する。
Figure 0006603476
(式中、
、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、
及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1乃至10のアルキレン基を表し、
Oは炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイド基を表し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表す。)
Figure 0006603476
(式中、
、R10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至22の炭化水素基を表し、
11、R12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22の炭化水素基、−COOH、−COOM、−R13−COOH、若しくは−R13−COOMを表し、但し、R11又はR12のうち少なくとも1つは−COOH、−COOM、−R13−CO
OH、若しくは−R13−COOMを表すか、またR11とR12は一緒になって酸無水物を形成し、R13は炭素原子数1乃至22の二価の炭化水素基を表す。
Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンを表す。)
上記ポリカルボン酸系共重合体は、前記式(a1)、式(a2)、式(a3−1)及び式(a3−2)中、R乃至R、R、R及びRが水素原子であり、Rがn−プロピレン基であり、Rがメチレン基であり、AOがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基であることが好ましい。
さらに、上記ポリカルボン酸系共重合体は、前記構造単位(A)と構造単位(B)の合計を100質量%としたとき、前記構造単位(A):構造単位(B)=50〜99質量%:50〜1質量%であることが好ましい。
また、流動性の相乗的向上効果を発揮し得る場合があることから、上記ポリカルボン酸系共重合体は、二種以上の構造単位(B)を含みてなることが好ましい。
そして、上記ポリカルボン酸系共重合体は、前記構造単位(A)及び前記構造単位(B)とは異なるその他の構造単位(C)を含むものであってよい。
さらに本発明は、前述のポリカルボン酸系共重合体を含有する、水硬性組成物用分散剤も対象とするものである。
そして本発明は、ポリカルボン酸系共重合体からなる分散剤の製造における単量体化合物の用途に用いる、炭素原子数5乃至30のアルカジエノール化合物1モルに1乃至200モルの炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドが付加したアルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物も対象とするものである。
本発明により、骨材中の不純物の種類及びその含有量の多少によらず添加量を大きく変えることなく、水硬性組成物に対して優れた分散安定性を発現することができ、それだけでなく、減水性が高く、水硬性組成物を流動状態とするまでの練り混ぜ時間を短縮でき、経時安定性が良好で、コンクリート粘性が低く、かつ凝結遅延性も少ないといった施工性も良好である水硬性組成物用分散剤並びに該分散剤として好適に用いるポリカルボン酸系共重合体を提供することができる。
図1は、例2等において使用したアルカジエノールアルキレンオキサイド付加物:TD−40EO(2,7−オクタジエノールにエチレンオキサイドを平均40モル付加してなる化合物)のH NMRスペクトル及び該スペクトルにおける各ピークの化学シフト並びにその帰属を示す図である。 図2は、例2で調製したポリカルボン酸系共重合体(X−1)のH NMRスペクトル及び該スペクトルにおける各ピークの化学シフト並びにその帰属を示す図である。 図3は、例2で調製したポリカルボン酸系共重合体(X−1)における不飽和ポリアルキレングリコール系構造単位(A)の化学構造式を示す図である。
本発明のポリカルボン酸系共重合体は、前述したとおり、粘土やベントナイト等のクレイといった不純物が存在した場合に懸念される水硬性組成物の流動性の悪化を抑制できる、水硬性組成物用添加剤として有用なポリカルボン酸系共重合体である。
本発明のポリカルボン酸系共重合体が適用される水硬性組成物において、不純物とは、粘土及びクレイなどが挙げられる。
本明細書において、粘土とは、JIS Z 8801−1で規定される呼び寸法75μm金属製ふるい通過分として定義される採集微粒分を指す。
また本明細書において、クレイとは、層状構造を有する粘土鉱物の他、イモゴライトやアロフェン等の層状構造を有しない粘土鉱物も含むものとする。層状構造を有する粘土鉱物としては、スメクタイト、バーミキュライト、モンモリロナイト、ベントナイト、イライト、ヘクトライト、ハロイサイト、雲母、脆雲母等の膨潤性鉱物;カオリン鉱物(カオリナイト)、サーペンティン、パイロフィライト、タルク、クロライト等の非膨潤性鉱物が挙げられる。
<ポリカルボン酸系共重合体>
本発明のポリカルボン酸系共重合体は、炭素原子数5乃至30のアルカジエノール化合物1モルに、1乃至200モルの炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドが付加したアルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物、及び不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られる。
[アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物]
前記炭素原子数5乃至30のアルカジエノール化合物としては、2,5−ヘキサジエノール、2,6−ヘプタジエノール、3,6−ヘプタジエノール、2,7−オクタジエノール、3,7−オクタジエノール、4,7−オクタジエノール、2,8−ノナジエノール、3,8−ノナジエノール、4,8−ノナジエノール、5,8−ノナジエノール、2,9−デカジエノール、3,9−デカジエノール、4,9−デカジエノール、5,9−デカジエノール、または、6,9−デカジエノール、ウンデカジエノール、ドデカジエノール、イコサジエノール、ヘンイコサジエノール、ドコサジエノール等が挙げられ、これらはシス−トランス幾何異性体を含む。
特に2,7−オクタジエノールを好適なものとして挙げることできる。
また前記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物とは、前記炭素原子数5乃至30のアルカジエノール化合物1モルに対して、1乃至200モルの炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドが付加した化合物である。
炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドが挙げられ、これらアルキレンオキサイドは単独付加又は混合付加することができ、二種以上のアルキレンオキサイドを用いる場合にはブロック付加、ランダム付加何れの形態であってもよい。
また前記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物は一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
[不飽和カルボン酸系単量体]
前記不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸並びにこれらの塩が挙げられ、中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸並びにそれらの塩からなる群から選択される化合物が好ましい。
上記不飽和カルボン酸の塩としては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などが挙げられる。
上記不飽和カルボン酸系単量体は一種を単独で、また二種以上を混合して用いることができる。二種以上を混合して使用した場合は、練り混ぜ時間が短時間で水硬性組成物を流動状態にすることが出来る。そのような二種以上の組み合わせとしては特に限定されないが、例えば、アクリル酸とマレイン酸、アクリル酸と無水マレイン酸、アクリル酸とイタコン酸、マレイン酸とフマル酸など、不飽和モノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸を種々組み合わせて用いることができる。
前記単量体混合物中において、前記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物と
不飽和カルボン酸系単量体の混合比率は、好ましくは50〜99質量部:50〜1質量部の割合であり、さらに好ましくは80〜95質量部:20〜5質量部の割合とすることが望ましい。
前記単量体混合物には、前記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物及び不飽和カルボン酸系単量体以外の、その他共重合可能な単量体を含んでいてもよい。
その他共重合可能な単量体としては、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル、不飽和カルボン酸のエステル化合物、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、スチレンスルホン酸(塩)、スチレン、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
このうち、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルとしては、ポリアルキレングリコールと炭素原子数3〜8のアルケニルエーテルより形成されるアルケニルエーテル類が挙げられ、具体的には、2−プロペン−1−オール(アリルアルコール)のアルキレンオキサイド付加物や2−メチル−2−プロペン−1−オール(メタリルアルコール)のアルキレンオキサイド付加物、3−メチル−3−ブテン−1−オールのアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
不飽和カルボン酸のエステル化合物としては、炭素原子数1乃至22の部分エステル又は全エステル化合物、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールの部分エステル又は全エステル化合物などが挙げられる。
これらその他共重合可能な単量体は、本発明の効果を損なわない範囲において任意の割合で含むことができるが、例えば単量体混合物全体の総質量に基づいて1〜30質量%の割合にて用いることができる。
本発明のポリカルボン酸系共重合体は、下記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系構造単位(A)(以下、単に構造単位(A)とも称する)と、不飽和カルボン酸系構造単位(B)(以下、単に構造単位(B)とも称する)とを含み、且つ重量平均分子量が5,000乃至100,000である共重合体である。
[不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系構造単位(A)]
上記構造単位(A)は、
式(a1)で表される構造単位及び式(a2)で表される構造単位を含むか、
式(a1)で表される構造単位、並びに、式(a3−1)及び(a3−2)で表される構造単位のうち少なくとも一方の構造単位を含むか、又は
式(a1)で表される構造単位、式(a2)で表される構造単位、並びに、式(a3−1)及び(a3−2)で表される構造単位のうち少なくとも一方の構造単位を含む、構造単位である。
Figure 0006603476
上記式中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1乃至10のアルキレン基を表し、AOは炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイド基を表し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表す。
上記炭素原子数1乃至10のアルキル基としては、分岐構造、環状構造を有していてもよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、1−アダマンチル基等が挙げられる。
また上記炭素原子数1乃至10のアルキレン基としては上述の炭素原子数1乃至10のアルキル基から水素原子を一つ除いた基が挙げられる。
上記炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドが挙げられる。これらアルキレンオキサイドは、一種のみであっても二種以上であってもよく、二種以上の場合にはブロック付加、ランダム付加の何れの形態であってもよい。
中でも、式(a1)、式(a2)、式(a3−1)及び式(a3−2)中、R乃至R、R、R及びRが水素原子であり、Rがn−プロピレン基であり、Rがメチレン基であり、またAOがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基であることが好ましい。
またアルキレンキサイドの付加モル数を表すnは、例えば1乃至100とすることができる。
また上記式(a1)、式(a2)、式(a3−1)及び式(a3−2)の割合は特に限
定されないが、例えばそれぞれモル比にて、式(a1)で表される構造単位:式(a2)で表される構造単位:式(a3−1)及び(a3−2)で表される構造単位のうち少なくとも一方の構造単位=0〜30:0〜20:100〜50、好ましくは0〜20:0〜10:100〜70とすることができる。
上記構造単位(A)は、例えば上述のアルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物に由来する単位であり、これら化合物のうち単独あるいは複数の組合せに由来する構造単位であってよい。
[不飽和カルボン酸系構造単位(B)]
上記構造単位(B)は、下記式(b)で表される。
Figure 0006603476
上記式中、R、R10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至22の炭化水素基を表し、R11、R12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22の炭化水素基、−COOH、−COOM、−R13−COOH、若しくは−R13−COOMを表し、但し、R11又はR12のうち少なくとも1つは−COOH、−COOM、−R13−COOH、若しくは−R13−COOMを表すか、またR11とR12は一緒になって酸無水物を形成し、R13は炭素原子数1乃至22の二価の炭化水素基を表す。
上記Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンを表す。
上記構造単位(B)は、例えば上述の不飽和カルボン酸系単量体に由来する単位であり、これら化合物のうち単独あるいは複数の組合せに由来する構造単位であってよい。
上記構造単位(B)において酸(−COOH)及び/または酸塩(−COOM)が含まれる場合、これらは酸の形態でも中和された形態でもよいが、部分中和又は完全中和された形態が製品形態として好ましい。
上記式中、AOである炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドが挙げられる。これらアルキレンオキサイドは、一種のみであっても二種以上であってもよく、二種以上の場合にはブロック付加、ランダム付加何れの形態であってもよい。
中でも、式(b)中、R乃至R11が水素原子又はメチル基を表し、R12が−COOHを表すか、R及びR10が水素原子又はメチル基を表し、R11とR12は一緒になって酸無水物を形成してなる構造単位(B)が好ましい。
前記構造単位(A)と構造単位(B)の割合は、構造単位(A)と構造単位(B)の合計を100質量%としたとき、構造単位(A):構造単位(B)=50〜99質量%:50〜1質量%であることが好ましく、より特に80〜95質量%:20〜5質量%とすることが望ましい。
[その他の構造単位(C)]
本発明のポリカルボン酸系共重合体には、前記構造単位(A)及び構造単位(B)以外の、その他の構造単位を含んでいてもよく、例えば、下記式(c)に示す構造単位(C)を含んでいてもよい。
Figure 0006603476
上記式中、R14、R16は水素原子を表し、R15は水素原子又はメチル基を表し、R17は−COOY、−(CHO−(AO)−R20を表し、
Yは炭素原子数1乃至24の炭化水素基または−(AO)m−R19を表し、AOは炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイド基を表し、mはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至100の数を表し、R19は水素原子または炭素原子数1乃至5の炭化水素基を表し、
aは0乃至5の整数を表し、AOは炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイド基を表し、bはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって0乃至200の数を表し、R20は水素原子又は炭素原子数1乃至5の炭化水素基を表す。
上記式(c)に示す構造単位(C)は、例えば上述の不飽和カルボン酸のエステル化合物に由来する単位であり、これら化合物のうち単独あるいは複数の組合せに由来する構造単位であってよい。
前記構造単位(C)は、本発明の効果を損なわない範囲において任意の割合で含むことができるが、例えば共重合体を構成する全ての構造単位[構造単位(A)、構造単位(B)及び構造単位(C)]の総質量に対して1〜30質量%の割合にて含むことができる。
[ポリカルボン酸系共重合体の製造方法]
本発明のポリカルボン酸系共重合体を得るにあたり、構造単位(A)の由来の一例となるアルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物の製造方法、及びポリカルボン酸系共重合体を得る重合方法は特に限定されない。
ただし、上記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物製造時のアルキレンオキサイド付加反応においては、重合活性基(不飽和基)がその重合活性を失わない、重合活性基の位置を転移させない、及び、副生するジオール分を低減することなどに留意して製造する必要がある。なお、これら重合活性基を有するアルコールのポリアルキレンオキサイド付加物は、製造後に精製過程の有無に係わらず重合用原料とし使用することができる。
ポリカルボン酸系共重合体の製造方法に於いては、溶剤重合、水溶液重合、連続式、バッチ式の何れの方法においても同様の重合物を得ることができるが、一般的に水溶液重合で行われることが多い。
最終的に得られる本発明のポリカルボン酸系共重合体は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(以下「GPC法」と呼ぶ)、ポリエチレングリコール換算)で5,000〜100,000の範囲が適当であり、より好ましくは、重量平均分子量が10,000〜80,000の範囲であることが、優れた分散性能を発現するため望ましい。また水溶液重合においてラジカル重合開始剤等の種類及び/又は使用量を調整することにより、分子量を制御することが可能であるが、連鎖移動剤等を併用すれば分子量分布の制御を行うことも可能である。
なお本発明において、「ポリカルボン酸系共重合体」とは、共重合体のみからなるもの
でもよいが、一般に、各々の重合工程、アルキレンオキサイド付加工程等で発生した未反応成分、副反応物も含めた成分も包含されている。
<ポリカルボン酸系共重合体の用途>
本発明のポリカルボン酸系共重合体は、各種固形粉体の水性分散液における分散剤として、広くその性能を発揮することができる。また、本発明のポリカルボン酸系共重合体は、そのまま(何も添加することなく)上述の分散剤として用いることができ、また、各種用途に応じて、公知公用の添加剤を適宜採用して組合せた混和剤の形態にて用いることもできる。
<水硬性組成物用分散剤>
上記用途の中でも、特に上記ポリカルボン酸系共重合体を含有する水硬性組成物用分散剤の形態として好適に用いることができる。
なお上記水硬性組成物とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体(水硬性粉体)、例えばセメント、石膏、フライアッシュ等を含有する組成物を指す。なお、水硬性粉体がセメントである場合、水硬性組成物をセメント組成物ともいう。
本発明の水硬性組成物用分散剤には、各種用途に応じて、公知公用の水硬性組成物用の添加剤を適宜採用して組合せた混和剤の形態にて用いることもできる。具体的には、本発明のポリカルボン酸系共重合体以外のセメント分散剤、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、減水剤、空気連行剤(AE剤)、起泡剤、消泡剤、凝結遅延剤、凝結促進剤、分離低減剤、増粘剤、収縮低減剤、養生剤、撥水剤等からなる群から選択される少なくとも一種の他の添加剤を配合することができる。
なお、本発明のポリカルボン酸系共重合体を含む水硬性組成物用分散剤とは、上述の本発明のポリカルボン酸系共重合体からなる形態、本発明のポリカルボン酸系共重合体及びそれ以外の公知公用の混和剤を配合し水硬性組成物用混和剤とした形態、又はコンクリート等の水硬性組成物の製造時に上述のポリカルボン酸系共重合体と公知公用の混和剤が別々に添加され最終的に水硬性組成物中で混合される形態の何れをも含む。
一般にセメント分散剤は、コンクリートの製造条件及び性能要求等に応じて、適宜組み合わされ使用される。本発明のセメント分散剤の場合も同様であり、セメント分散剤として単独、あるいは主剤として使用されるものであるが、スランプロスの大きいセメント分散剤の改質助剤として、或いは、初期減水性が高いセメント分散剤として併用して使用され得るものである。
本発明以外の公知のセメント分散剤としては、特公昭59−18338号公報、特許2628486号公報、特許第2774445号公報、特許第3235002号公報、特許第3336456号公報、特許第3780456号公報などのポリカルボン酸系共重合体の塩があり、またナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、リグニンスルホン酸塩、グルコン酸ソーダ、糖アルコールも挙げられる。本発明のセメント分散剤と本発明以外のセメント分散剤との配合割合は1:99〜99:1質量%である。
空気連行剤を具体的に例示すると、アニオン系空気連行剤、ノニオン系空気連行剤、及び両性系空気連行剤が挙げられる。
凝結遅延剤を例示すると、無機質系凝結遅延剤、有機質系凝結遅延剤が挙げられる。
促進剤としては、無機系促進剤、有機系促進剤が挙げられる。
増粘剤・分離低減剤を例示すると、セルロース系水溶性高分子、ポリアクリルアミド系水溶性高分子、バイオポリマー、非イオン系増粘剤などが挙げられる。
消泡剤を例示すると非イオン系消泡剤類、シリコーン系消泡剤類、高級アルコール類、これらを主成分とした混合物などが挙げられる。
本発明の水硬性組成物用分散剤が、例えばセメント組成物に適用される場合、該セメント組成物を構成する成分は、従来慣用のコンクリート用成分であり、セメント(例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、低熱・中庸熱ポルトランドセメント又は高炉セメント等)、骨材(すなわち細骨材及び粗骨材)、混和材(例えばシリカフューム、炭酸カルシウム粉末、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ等)、膨張材及び水を挙げることができる。
また本発明の水硬性組成物用分散以外の混和剤で調合時に別に添加できる混和剤としては、前記の公知公用の空気連行剤、凝結遅延剤、促進剤、分離低減剤、増粘剤、消泡剤、収縮低減剤等があり、これらも適宜配合し得る。それら各成分の配合割合は選択された成分の種類や使用目的に応じて適宜決定され得る。
本発明の水硬性組成物用分散剤は上述のコンクリートの材料を含めた配合条件によりその添加量が変わるが、セメント質量に対し固形分換算で通常0.05〜5.0質量%程度添加される。減水性、スランプフロー保持性を得るためには添加量が多いほどよいが、多過ぎると凝結遅延を起こし、場合によっては硬化不良を引き起こし得る。
使用方法は一般のセメント分散剤の場合と同様であり、コンクリート混練時に原液添加するか、予め混練水に希釈して添加する。あるいはコンクリート又はモルタルを練り混ぜた後に添加し、再度均一に混練してもよい。
以下実施例により本発明を説明する。ただし本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら制限されるものではない。
なお、実施例において、試料の物性測定は、下記の条件のもとで下記の装置を使用して行った。
(1)GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定条件>
カラム:OHpak SB−802.5HQ、OHpak SB−803HQ、OHpak SB−804HQ(昭和電工(株)製)
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液とアセトニトリルの混合液(体積比80/20)検出器:示差屈折計、検量線:ポリエチレングリコール
(2)H NMRスペクトル
装置:FT−NMR AL−400(日本電子(株)製)、400MHz
溶媒:重水
基準ピーク:3−(トリメチルシリル)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム
[例1:アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物(以下、アルカジエノールAO付加物とも称する)の調製]
温度計、攪拌機、窒素および酸素導入管を備えたステンレス製高圧反応器に2,7−オクタジエノールを400g、96%水酸化カリウム4.4gを仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃まで加熱した。そして、安全圧下で100℃を保持したままエチレンオキサイド5593gを10時間で反応器内に導入し、その後2時間その温度を保持してアルキレンオキサイド付加反応を完結させ、2,7−オクタジエノールに平均40モルのエチレンオキサイドを付加した不飽和アルコール(以下、TD−40EOと称す)を得た。
なお本手順に倣い、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの平均付加モル数を種々変化させ、後述する表1に示す種々のアルカジエノールAO付加物を調製した。
[例2:ポリカルボン酸系共重合体(X−1)の調製]
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製反応容器にTD−40EOを380g、イオン交換水350gを仕込み、50℃へ昇温した後、35%過酸化水素水8.6gを仕込み、アクリル酸37.0g、無水マレイン酸15.0gをイオン交換水114gに溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。それと同時に、L−アスコルビン酸3.5gおよび3−メルカプトプロピオン酸2.2gをイオン交換水50gに溶解させた水溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行い、次に48%水酸化ナトリウム溶液でpH7.0になるように中和した。重量平均分子量が16,000のポリカルボン酸系共重合体X−1の46.1%濃度水溶液を得た。
[例3〜例10:ポリカルボン酸系共重合体(X−2)〜(X−9)の調製]
表1に示す通り、アルカジエノールAO付加物におけるアルキレンオキサイドの種類及び付加モル数並びにその使用量(質量%)、不飽和カルボン酸の種類並びにその使用量(質量%)、並びに、エステル化合物の種類及び使用量(質量%)を変化させた以外には、例2と同様の手順にて、本発明のポリカルボン酸系共重合体X−2乃至X−9を製造した。また得られた各共重合体の重量平均分子量Mwを表1に合わせて示す。
なお表1中、アルカジエノールAO付加物における略号は以下の化合物を示す。
TD−40EO2PO:2,7−オクタジエノールにエチレンオキサイドを平均40モル並びにプロピレンオキサイドを平均2モル付加してなる化合物
TD−65EO:2,7−オクタジエノールにエチレンオキサイドを平均65モル付加してなる化合物
TD−23EO:2,7−オクタジエノールにエチレンオキサイドを平均23モル付加してなる化合物
TD−60EO:2,7−オクタジエノールにエチレンオキサイドを平均60モル付加してなる化合物
TD−50EO:2,7−オクタジエノールにエチレンオキサイドを平均50モル付加してなる化合物
また表1中、エステル化合物における略号は以下の化合物を示す。
APG5:メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数5モル)
HEA:アクリル酸−2−ヒドロキシエチル
[調製したポリカルボン酸系共重合体の構造]
なお、例2〜例10で使用したアルカジエノールAO付加物において、エチレンオキサイドを平均40モル付加して得られたTD−40EOのH NMRスペクトルを図1に示す。図1には、さらに、TD−40EO構造中の水素原子に帰属されるピーク(化学シフト)及びその積分値を示す。
さらに、上記例2で調製したポリカルボン酸系共重合体(X−1)についてH NMRスペクトルを測定した結果、並びに、前述の図1の結果を踏まえて推定される、共重合体構造中の各水素原子に帰属されるピーク(化学シフト)及びその積分値を図2に示す。
そして、生成した共重合体(X−1)における不飽和ポリアルキレングリコール系構造単位(A)の化学構造式((est−a1)、(est−a2)、(est−a3−1)、(est−a3−2))を図3に示す。
なお、以下、「H(A)」や「H(D)」などの記載は、図1に示すTD−40EOの構造中の各水素原子とその位置を示すものである。
図2(ポリカルボン酸系共重合体(X−1))並びに図1(TD−40EO)のH NMRスペクトルを比較すると、5.8ppm付近のH(A)、H(C)に帰属されるピークと、5.7ppm付近のH(B)に帰属されるピークの積分値の比が、図1と図2で大きく異なることから、7位の二重結合部で不飽和カルボン酸反応との共重合反応が起こ
っていることが示唆され、すなわち、図3に示す(est−a1)または(est−a3−1)若しくは(est−a3−2)の構造で示される不飽和ポリアルキレングリコール系構造単位を有する共重合体が多く生成していることが推察される。
また、図2より(est−a1)、(est−a2)および(est−a3−1)若しくは(est−a3−2)の構造で示される不飽和ポリアルキレングリコール系構造単位(A)の生成比率を考察した。すなわち、図2において、5.0ppm付近のH(D)およびH(E)に帰属されるピークは、(est−a2)の構造で示される不飽和ポリアルキレングリコール系構造単位における7位の不飽和結合部のHを、5.7ppm付近のH(B)に帰属されるピークは(est−a1)の構造で示される不飽和ポリアルキレングリコール系構造単位における2位の不飽和結合部のHを反映しているとみられる。そしてこれらピークの積分値を基準とすると(est−a1)、(est−a2)、(est−a3−1)及び(est−a3−2)の生成比率はモル比にて、(est−a1)で表される構造単位:(est−a2)で表される構造単位:(est−a3−1)及び/又は(est−a3−2)で表される構造単位=9.0:5.0:86.0と推定された。
[例11:比較例のポリカルボン酸系共重合体の調製]
比較製造例1
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製反応容器に3−メチル−3−ブテン−1−オール54EO付加物(以下、IPN−54EOと称す)400g、イオン交換水348g、硫酸鉄(II)七水和物40mgを仕込み、60℃へ昇温した後、35%過酸化水素水1.3gを仕込み、アクリル酸44.4gをイオン交換水120gに溶解させた水溶液を4時間かけて滴下した。それと同時に、L−アスコルビン酸0.5gおよび3−メルカプトプロピオン酸2.7gをイオン交換水50gに溶解させた水溶液を4.5時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を行い、次に48%水酸化ナトリウム溶液でpH7.0になるように中和した。重量平均分子量が23,000のポリカルボン酸系共重合体Y−1の45.0%濃度水溶液を得た。
比較製造例2
温度計、撹拌機、滴下ロ−ト、窒素導入管、及び還流冷却器付き四つ口フラスコに、水339gを仕込み撹拌しながらフラスコ内を窒素置換し、窒素雰囲気中で80℃まで加熱した。次いでメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイド平均付加モル数45モル)(以下、MPG45と称す)250g、メタクリル酸62.5gの混合物とチオグリコ−ル酸10%水溶液9.4g、過硫酸ソーダ10%液9.4gを120分要し滴下した後、同温度で4時間撹拌を行い、重合反応を完結させた。反応液を50℃まで冷却した後、48%水酸化ナトリウム溶液でpH7.0になるように中和した。重量平均分子量が26,000のポリカルボン酸系共重合体Y−2の37.0%濃度水溶液を得た。
得られた共重合体(Y−1〜Y−2)のMwをGPCにて測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006603476
Figure 0006603476
[試験1:フレッシュモルタル試験]
<モルタル配合>
太平洋セメント(株)製普通ポルトランドセメント500g、セメント強さ試験用標準砂(JIS R5201)1350g、水硬性組成物用分散剤として上記ポリカルボン酸系共重合体(X−1)〜(X−9)又は比較例のポリカルボン酸系共重合体(Y−1)〜
(Y−2)[セメント質量に対して各共重合体を固形分換算にて0.12質量%又は0.10質量%添加]を含むイオン交換水225g[水/セメント比(質量比)=0.45]、並びに、粘土(採集微粒分)又はクレイ(ベントナイト、カオリナイト)[上記標準砂に対して外割で表3に記載の量添加]を用いて、後述する手順にてモルタルを調製した(表2のモルタルの配合も参照)。
本試験で使用した粘土(採集微粒分)は、富津山砂より75μm以下の成分を採集した採集微粒分であり、JIS Z 8801−1で規定される呼び寸法75μm金属製ふるい通過分を粘土(採集微粒分)として用いた。
また、クレイは、次に示す市販品を使用した。
ベントナイト:試薬(和光純薬工業(株)製)
カオリナイト:RC−1(竹原化学工業(株)製)
Figure 0006603476
<モルタル組成物の調製、モルタル組成物作製時間の測定>
水硬性組成物用分散剤(ポリカルボン酸系共重合体1又は比較例のポリカルボン酸系共重合体)を予め加えて調製した練混ぜ水(イオン交換水)を、セメント及び砂に加え、さらに使用する場合には粘土(採集微粒分)又はクレイを表3の配合に従い加え、ハイパワーミキサー((株)丸東製作所製)を用いて、低速で60秒間練り混ぜた。低速での練り混ぜ時に、練り混ぜ開始から、モルタルが流動状態となるまでの時間を測定した。練り混ぜ中にモルタルの性状は粉末状態から流動状態へと変化する。ここでモルタルが流動状態となるまでの時間とは、電流プローブを用いてモルタルミキサーにかかる負荷応力を電流値として検知させ、その電流値が最大となる状態を経た後、電流値が一定となった時間(時点)をモルタルが流動状態となった時間として測定した。低速での練り混ぜ後、30秒間静置し、次いで高速で30秒間練り混ぜ、試験モルタルを作製した。
<モルタルフローの測定及び流動性変動率の算出>
これら練り上がり直後の試験モルタルについて、JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準拠したミニスランプコーン(上端内径50mm、下端内径100mm、高さ150mmの円錐筒)を用い、モルタルの広がり(フロー値)を測定した。
また、水硬性組成物用分散剤の使用量が同一の試験モルタルに関して、流動性変動率として、粘土又はクレイを加えていないモルタルのフロー値に対して、粘土又はクレイを加えた場合のモルタルのフロー値の変化率を、以下の式にて算出した。流動性変動率(%)が100%に近いほど、粘土又またはクレイが含まれることによる流動性の変化が少ない良好な結果であると評価できる。
流動性変動率(%)=[粘土又はクレイを添加した場合のフロー値/粘土又はクレイ未添加の場合のフロー値]×100
なお試験に用いたモルタルは、モルタル中の気泡がモルタルの流動性に及ぼす影響を避けるために、適宜市販の消泡剤(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル脂肪酸エステル系消泡剤)を併用し、この使用量を調節することで、練り上がり直後のモルタルの空気量が2.0%以下1.0±0.3%となるように調整した。
また水硬性組成物は、すべて水の一部として計量して試験に供した。
得られた結果を表4(表4−1、表4−2)に示す。
Figure 0006603476
Figure 0006603476
表4−1、表4−2に示すように、本発明のポリカルボン酸系共重合体(X−1)〜(X−9)を用いて調製した実施例1〜実施例9のモルタルは、比較例のポリカルボン酸系共重合体(Y−1)及び(Y−2)を使用した比較例1〜比較例2のモルタルと比べて、粘土又はクレイ等の不純物が存在しても流動性変動率が100%(不純物未添加の水準)に近く、これら不純物の存在に影響されることなくほぼ一定の流動性を保てることが確認された。
また、本発明のポリカルボン酸系共重合体体(X−1)〜(X−9)を用いた実施例1〜実施例9のモルタルは、比較例のポリカルボン酸系共重合体(Y−1)及び(Y−2)を使用した比較例1〜比較例2のモルタルに比べ、モルタルが流動化状態となるまでの時間が短く、すなわちモルタルの作製時間が短縮され、しかも優れた分散性を発揮することが確認された。更にこうしたモルタル作製時間短縮効果及び分散性の効果は、二種以上の
不飽和カルボン酸を混合して作製したポリカルボン酸系共重合体(X−1)、(X−4)〜(X−9)を使用したもの<実施例1、実施例4〜実施例9>が、一種のみの不飽和カルボン酸を使用して作製したポリカルボン酸系共重合体(X−2)及び(X−3)を使用したもの<実施例2、実施例3>と比べ、より優れる傾向であることが確認された。

Claims (9)

  1. 式(a1)で表される構造単位、式(a2)で表される構造単位、並びに、式(a3−1)及び(a3−2)で表される構造単位のうち少なくとも一方の構造単位を含む、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系構造単位(A)、及び
    式(b)で表される不飽和カルボン酸系構造単位(B)を含み、
    重量平均分子量が5,000乃至100,000である、ポリカルボン酸系共重合体。
    Figure 0006603476
    (式中、
    、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1乃至10のアルキレン基を表し、
    Oは炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイド基を表し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表す。)
    Figure 0006603476

    (式中、
    、R10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至22の炭化水素基を表し、
    11、R12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22の炭化水素基、−COOH、−COOM、−R13−COOH、若しくは−R13−COOMを表し、但し、R11又はR12のうち少なくとも1つは−COOH、−COOM、−R13−COOH、若しくは−R13−COOMを表すか、またR11とR12は一緒になって酸無水物を形成し、R13は炭素原子数1乃至22の二価の炭化水素基を表す。
    Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンを表す。)
  2. 前記式(a1)、式(a2)、式(a3−1)及び式(a3−2)中、
    乃至R、R、R及びRが水素原子であり、
    がn−プロピレン基であり、Rがメチレン基であり、
    Oがエチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基である、
    請求項1に記載のポリカルボン酸系共重合体。
  3. 前記構造単位(A)と構造単位(B)の合計を100質量%としたとき、前記構造単位(A):構造単位(B)=50〜99質量%:50〜1質量%であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の共重合体。
  4. 当該ポリカルボン酸系共重合体は、二種以上の構造単位(B)を含みてなる、請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の共重合体。
  5. 当該ポリカルボン酸系共重合体は、前記構造単位(A)及び前記構造単位(B)とは異なるその他の構造単位(C)を含む、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の共重合体。
  6. 炭素原子数5乃至30のアルカジエノール化合物1モルに1乃至200モルの炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドが付加したアルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物と、
    不飽和カルボン酸系単量体と、
    式(a1)で表される構造単位、式(a2)で表される構造単位、並びに、式(a3−1)及び(a3−2)で表される構造単位のうち少なくとも一方の構造単位を含む、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系構造単位(A)、及び
    式(b)で表される不飽和カルボン酸系構造単位(B)を含み、
    重量平均分子量が5,000乃至100,000である、ポリカルボン酸系共重合体
    とを含有し、
    前記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物と前記不飽和カルボン酸系単量体を、アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物:不飽和カルボン酸系単量体=50〜99質量部:50〜1質量部の割合にて含む、
    混合物。
    Figure 0006603476
    (式中、
    、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至10のアルキル基を表し、
    及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1乃至10のアルキレン基を表し、
    Oは炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイド基を表し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表す。)
    Figure 0006603476

    (式中、
    、R10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至22の炭化水素基を表し、
    11、R12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至22の炭化水素基、−COOH、−COOM、−R13−COOH、若しくは−R13−COOMを表し、但し、R11又はR12のうち少なくとも1つは−COOH、−COOM、−R13−COOH、若しくは−R13−COOMを表すか、またR11とR12は一緒になって酸無水物を形成し、R13は炭素原子数1乃至22の二価の炭化水素基を表す。
    Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミンを表す。)
  7. 前記混合物は、二種以上の不飽和カルボン酸系単量体を含みてなる、請求項6に記載の混合物。
  8. 前記混合物は、前記アルカジエノールのアルキレンオキサイド付加物及び不飽和カルボン酸系単量体以外の、その他の単量体を含む、請求項6又は請求項7に記載の混合物。
  9. 請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載のポリカルボン酸系共重合体、又は、請求項6乃至請求項8のうち何れか一項に記載の混合物を含有する、水硬性組成物用分散剤。
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