JP6603192B2 - 学習モデル構築装置、故障予測システム、学習モデル構築方法及び学習モデル構築プログラム - Google Patents
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Description
しかしながら、目視検査を行う個々人の能力は相違している。また、同じ人間であったとしても疲労等によりその能力は一定ではない。結果として、人間による目視検査では、精度の高い品質の確認は困難であった。
具体的には、特許文献1には、回路基板パッド上の半田ブリックを光学的に計測して、その計測値に基づいて、半田の品質状態を判定する、という技術が開示されている。
また、特許文献2には、入力された波形を統計処理して理想的な波形を決定して採取しておき、この理想的な波形と、判定対象とする回路の波形とに基づいて、異常の発生の有無を検知する波形評価装置が記載されている。例えば、コンデンサの出力波形に基づいて、コンデンサが適切な種類のものでないという異常や、コンデンサが劣化して出力特性が変化しているという異常が発生していることを検知する。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示の技術はあくまで現時点の品質状態を判定するものに過ぎない。そのため、これらの技術を用いても、今後どの程度の期間が経過すると、上述したような破断等の故障が発生するのかといったことを予測することはできない。また、プリント基板等が実際にどのような環境で使用されるかも考慮されていない。
そのため、1つのケースだけに基づいて、半田接合部が破断するのかを予測することは容易ではない。例えば、或る1つのケースだけに基づいて、数値制御装置の製品寿命内に、BGA部品が破断するか否かを予測することは容易ではない。
以上が本発明の実施形態の概略である。
かかる加工に伴い振動が発生するが、かかる振動は工作機械150に据え付けられていたり、あるいは工作機械150の近傍に設置されていたりする数値制御装置100にも伝播する。そして、数値制御装置100に伝播した振動は、上述したように、数値制御装置100内部のBGA部品等の破損の原因となる。
また、例えば、実験室等にて教師データを作成するようにしてもよい。例えば、実験室で、意図的に振動を加えることにより通常の3倍の頻度で数値制御装置100が振動するようにする。そして、この数値制御装置100の所定の部品が1年で故障したならば、3年で故障したというラベルを組にして教師データを作成するようにするとよい。
また、故障予測部310に入力される判定データは、学習部230に入力される特徴量と同等のデータであり、故障予測の対象とする数値制御装置100の測定部110により取得したアナログ波形信号をデジタル化したデータから抽出した特徴量である。
判定データは、学習モデル構築装置200の特徴量抽出部210から入力されるようにしてもよい。また他にも、故障予測装置300内部に特徴量抽出部210と同等の機能ブロックを設けておき、数値制御装置100が出力する入力データから、この特徴量抽出部210と同等の機能ブロックが特徴量を抽出するようにしてもよい。
これらの機能ブロックを実現するために、数値制御装置100、学習モデル構築装置200及び故障予測装置300の何れも、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備える。また、数値制御装置100、学習モデル構築装置200及び故障予測装置300の何れも、各種の制御用プログラムを格納したHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置や、演算処理装置がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)といった主記憶装置を備える。
そして、上述したように、入力データである波形から抽出した特徴量と、ラベルとの組み合わせを教師データとして機械学習を行い、複数の教師データを用いて学習モデルを構築する。
以上が、本実施形態における機械学習に関しての基本的な考え方である。
まず、図5を参照して前提となる入力データについて説明をする。図5には、入力データとして、数値制御装置100の測定部110が測定した、時系列に沿って変化する加速度の波形の例を示す。入力データとする波形は、一定期間測定したものであるが、本説明では、一定期間を一例として9:00〜21:00とする。そして、数値制御装置100は、毎日同じように継続して利用されることを想定する。例えば、数値制御装置100は、毎朝同じような時間に電源が投入され、所定の周期で所定の加工が行われ、毎夕同じような時間に電源が遮断される、ということを繰り返すということを想定する。
なお、毎日同じように繰り返されるのであれば、例えば午前中は第1の加工方法での加工を行い、午後には第2の加工方法での加工を行うというような時間帯によって異なる利用のされかたであってもよい。
つまり本例では、ユーザによる判断で入力データを選別することなく、なるべく多くの入力データを用いて機械学習を行うことが好ましいとの考えに基づいて、12時間等の長い時間を一定期間として機械学習を行うこととしている。
そこで、上述の一定期間の長さの決定の仕方における考え方と同様に、ユーザが何れの軸の振動が重要であるか等を選別するのではなく、三軸全ての振動を利用して機械学習を行うこととしている。これにより、より適切な学習モデルを構築できることが期待できる。
本実施形態では一例として図6に示すように、入力データに対して、分解能16bit、サンプリング周期1msでサンプリングをすることにより特徴量の抽出をする。
この場合に抽出されるデータ量であるが、一定時間が12時間であり,サンプリング周期1msであり,16bit=2byteであるので、下記の[数式1]に示すように、約82Mbyteが1軸分のデータ量となる。
1000[ms]×60[sec]×60[min]×12[hour]×2[byte]≒82[Mbyte]
本実施形態では、パーセプトロンを組み合わせて構成したニューラルネットワークにより、機械学習を行う。具体的には、教師データに含まれる特徴量とラベルの組をニューラルネットワークに与え、ニューラルネットワークの出力がラベルと同じとなるように、各パーセプトロンについての重み付けを変更しながら学習を繰り返す。このようにして、教師データの特徴を学習し、入力から結果を推定するための学習モデルを帰納的に獲得する。
1000[ms]×60[sec]×60[min]×12[hour]=43200000[個]
つまり、隠れ層や出力層に含まれる各パーセプトロンの出力は、前の層の各パーセプトロンの出力に各パーセプトロンに対応する重み付け値を乗算した値の総和となる。
ここで、これら二文字の添字は、同じ二文字の添字が添えられたパーセプトロンに対応する値であることを意味する。例えばW11は、P11に対応する重み付けの値であることを表す。また、例えばX11は、P11に対応する入力であることを表す。更に、例えばY13は、P13に対応する入力であることを表す。
そして、今回のラベルは、20年以上で故障というラベルであることから、適切な出力がなされていることが分かる。
具体的には、各出力Yとラベルとの誤差を算出し、算出した誤差を小さくするように、隠れ層と出力層との間の重み付け値を修正する。更に、隠れ層と出力層との間の重み付け値を修正量に基づいて、隠れ層と入力層との間の重み付け値を修正する。
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
あるいは、学習モデル構築装置200と数値制御装置100が一体の装置として実現されるようにしてもよい。
110 測定部
150 工作機械
200 学習モデル構築装置
210 特徴量抽出部
220 ラベル取得部
230 学習部
240 学習モデル記憶部
250 学習モデル
251 ニューラルネットワーク
252 重み付け値
300 故障予測装置
310 故障予測部
320 故障予測結果出力部
1000 故障予測システム
Claims (11)
- 所定の部品に対して与えられる振動を表す情報から前記振動の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量と、前記所定の部品が使用開始されてから故障するまでの時間の長さが所定の時間単位により表される複数の長さの内の何れの長さに該当するのかを示したラベルとの組を教師データとして受け付け、該受け付けた教師データによる機械学習を行うことにより、前記所定の部品が使用開始されてから故障するまでの時間の長さが前記複数の長さの内の何れに該当するのかを予測するための学習モデルを構築する学習手段と、
を備える学習モデル構築装置。 - 前記学習手段は、前記学習モデルとして、前記所定の部品が使用開始されてから故障するまでの時間の長さの予測結果を、前記複数の長さのそれぞれに分類された度合いを示す値で出力する学習モデルを構築する、
を備える請求項1に記載の学習モデル構築装置。 - 前記故障とは、前記振動によって前記所定の部品が破損することにより生じる故障である請求項1又は2に記載の学習モデル構築装置。
- 前記所定の部品は半田付けによる接合部分を有しており、前記所定の部品の破損とは、前記半田付けによる接合部分の破損である請求項3に記載の学習モデル構築装置。
- 前記学習手段は、前記特徴量及びラベルに加えて、前記所定の部品の周辺の温度情報を含む教師データを受け付け、該受け付けた温度情報を含む教師データによる機械学習を行うことにより前記学習モデルを構築する請求項1乃至4の何れか1項に記載の学習モデル構築装置。
- 前記特徴量は、前記振動を測定装置で測定することにより得た波形データを、所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより得たデータである請求項1乃至5の何れか1項に記載の学習モデル構築装置。
- 前記振動は、工作機械の利用に関連して発生する振動である請求項1乃至6の何れか1項に記載の学習モデル構築装置。
- 請求項1乃至7の何れか1項に記載の学習モデル構築装置と、故障予測装置と備える故障予測システムであって、
前記故障予測装置が、
故障予測の対象とする前記所定の部品に対して与えられる振動の特徴量と、前記学習モデル構築装置が構築した前記学習モデルとに基づいて、前記故障予測の対象とする前記所定の部品が故障するまでの時間の長さを予測する予測手段と、
を備える故障予測システム。 - 前記故障予測装置を複数備えており、
前記複数の故障予測装置のそれぞれが、1つの前記学習モデル構築装置が構築した共通の学習モデルを取得し、
前記複数の故障予測装置の予測手段それぞれが、故障予測の対象とする前記所定の部品に対して与えられる振動の特徴量と、前記取得した共通の学習モデルとに基づいて、前記故障予測の対象とする前記所定の部品が故障するまでの時間の長さを予測する請求項8に記載の故障予測システム。 - 所定の部品に対して与えられる振動を表す情報から前記振動の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
前記特徴量と、前記所定の部品が使用開始されてから故障するまでの時間の長さが所定の時間単位により表される複数の長さの内の何れの長さに該当するのかを示したラベルとの組を教師データとして受け付け、該受け付けた教師データによる機械学習を行うことにより、前記所定の部品が使用開始されてから故障するまでの時間の長さが前記複数の長さの内の何れに該当するのかを予測するための学習モデルを構築する学習ステップと、
を有する学習モデル構築方法。 - 学習モデル構築装置としてコンピュータを機能させるための学習モデル構築プログラムであって、
所定の部品に対して与えられる振動を表す情報から前記振動の特徴を表す特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量と、前記所定の部品が使用開始されてから故障するまでの時間の長さが所定の時間単位により表される複数の長さの内の何れの長さに該当するのかを示したラベルとの組を教師データとして受け付け、該受け付けた教師データによる機械学習を行うことにより、前記所定の部品が使用開始されてから故障するまでの時間の長さが前記複数の長さの内の何れに該当するのかを予測するための学習モデルを構築する学習手段と、
を備える学習モデル構築装置として前記コンピュータを機能させる学習モデル構築プログラム。
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