JP4405736B2 - データベースシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動的な事象変化に対応可能なデータベースシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータシステムおよびコンピュータネットワークの発達にともない、電子化された大量のデータを蓄積および管理するデータベースが広く利用されるようになっている。これらのデータベースにおいては、事象を記述したデータを2次元のテーブルで表現し、テーブル間のリレーションを定義するリレーショナルデータベース(RDB;Relational DataBase)が主に使用されている。RDBにおいては、データベース操作を効率化するためにデータ構造は正規化されることが多い。
【0003】
しかし、正規化されたデータ構造を有するRDBには、データの局所操作が困難であり、事象の変化に柔軟に対応できないという欠点がある。このため、事象の変化に柔軟に対応するための様々な技術が検討されてきた。
【0004】
事象の変化に柔軟に対応するための技術としては、大きく分けてふたつの技術があげられる。すなわち、データ構造を事象の変化にあわせて柔軟に変化させる技術と、データベースへのアクセス方法を事象の変化にあわせて柔軟に変化させる技術とが存在する。
【0005】
上述のデータ構造を事象の変化にあわせて柔軟に変化させる技術としては、データおよびアルゴリズムを一体化しており、局所的なデータ操作が可能なオブジェクト指向データベース(OODB;Object Oriented DataBase)の技術が提案されている(特許文献1)。また、階層型データ構造を有する階層型データベースを用いる技術も提案されている(特許文献2)。特許文献2に開示されている技術は、データ構造の変化履歴を保存しておき、データ構造変化があった場合でも変化前の構造にアクセス可能な点を特徴としている。
【0006】
また、データベースへのアクセス方法を事象の変化にあわせて柔軟に変化させる技術としては、ユーザのデータベース操作履歴を記述したユーザプロファイルを補助的に利用して、データベースアクセス効率を向上する技術が提案されている(特許文献3および4)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−331315号公報
【特許文献2】
特開平11−296544号公報
【特許文献3】
特開平11−53394号広報
【特許文献4】
特開2002−230021号広報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1および2の技術によれば、単発的な事象の変化には柔軟に対応可能ではあるものの、時間とともに継続的に変化してゆく動的な事象変化には十分に対応できないという問題がある。
【0009】
また、特許文献3および4の技術によれば、事象の変化にも対応可能ではある。しかし、これらの技術は、アクセス対象となるデータベースのデータが特定のデータ構造で規定されていることを前提としている。そして、このデータ構造が事象を適切に反映していなければ、これらの技術は十分に機能しない。このため、データベース使用開始直後にこれらの技術が有効の場合であっても、事象の変化によりデータ構造が最適な状態でなくなれば非効率的なデータベースアクセスを強いられることになる。すなわち、これらの技術は、時間とともに継続的に変化してゆく動的な事象変化には必ずしも有効な技術ではない。
【0010】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、時間とともに継続的に変化してゆく動的な事象変化に対応可能なデータベースシステムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、データベースシステムであって、データ群を格納するデータストアと、データ検索における論理的指針を前記データ群の具体的データ内容とは独立して表現した論理モデルを保持する論理モデル保持手段と、検索要求の入力を受け付ける入力手段と、前記検索要求に対応した検索論理を前記論理モデルに基づいて生成し、前記検索論理に従って前記データ群を検索することにより、前記検索要求に対応した検索出力を得る検索論理適用手段と、前記データ群の情報の対象となっている事象群での既知の条件とそれに対応した既知の結果とを結ぶ論理経路を解析して前記論理モデルの更新の基礎となる情報である更新情報を生成する生成手段と、前記更新情報に応じて前記論理モデルを更新する論理モデル更新手段とを備え、前記条件と前記結果との新たな組合せが与えられるごとに当該組合せに対応する論理経路の解析を行い、当該組合せが前記論理モデルには含まれていない組合せであるときには当該組合せの論理経路を追加するように前記論理モデルを修正することによって前記論理モデルを進化させるとともに、前記組合せの論理経路を追加した後の前記論理モデルに基づいて特定される情報について、前記データベースシステムのユーザに対して当該情報の利用を推奨する表示形式のガイダンスを生成して、当該ガイダンスを表示装置に表示させる生成手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るデータベースシステムにおいて、前記論理モデルが前記データベースシステムのユーザまたはユーザ群と対応づけられて設けられており、前記論理モデルの更新が上記の対応づけられたユーザまたはユーザ群ごとに行われる。
【0017】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係るデータベースシステムにおいて、前記ガイダンスが、前記データベースシステムの操作に関するガイダンスを含む。
【0018】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明に係るデータベースシステムにおいて、前記データ群が、前記データベースシステムの外部において生起した事象の情報を蓄積しており、前記ガイダンスが、前記事象に関するガイダンスを含む。
【0019】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係るデータベースシステムにおいて、前記論理モデルが、他のデータベースシステムにエクスポート可能である。
【0020】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係るデータベースシステムにおいて、前記論理モデルが、他のデータベースシステムからインポート可能である。
【0021】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係るデータベースシステムにおいて、前記論理モデル保持手段が、複数の論理モデルを保持可能である。
【0022】
また、請求項8の発明は、請求項6または請求項7の発明に係るデータベースシステムにおいて、前記複数の論理モデルを結合する結合手段をさらに備える。
【0023】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に係るデータベースシステムにおいて、前記論理モデルが複数のデータ群に適用可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
<基本概念>
まず、本発明のデータベースシステム1の基本概念を図1の概念的ブロック図を参照しながら説明する。
【0025】
このデータベースシステム1は、ユーザの検索要求3に対して検索論理2を適用し、データ群5から検索要求3に応じた検索出力4を選択するように構成されている。検索論理2は検索要求3の具体的内容に依存して特定されるが、この検索論理2を特定する際の上位の指針としての論理モデル(論理パターンを構成する基本原理)6がデータベースシステム1内に保持されている。
【0026】
この論理モデル6は、データ群5に蓄積されている情報の対象となっている事象群中に関する条件7から結果8を導く一般的関係である。論理モデル6も検索論理2もともに「論理」であるという点では類似しているが、数学的アナロジーで言えば、論理モデル6は、検索要求3と検索結果4とを結ぶ「一般解」に相当し、検索論理2は、データ群5および検索要求3が具体的に特定されたときに検索結果4を与えるための「特殊解」ないしは「数値解」に相当する。換言すれば、論理モデル6は、「関数的な」関係ないしは「写像」をモデルとして表現していることによってその適用範囲が広いグローバルなルールであり、検索論理2は、論理モデル6を状況に応じて具体化することにより、時点の検索要求3から検索結果4を得るためのローカルかつテンポラリなルールである。
【0027】
そして、本発明のデータベースシステム1は、データ群の情報の対象となっている事象群における条件と結果とを結ぶ論理経路を解析し、その解析結果に基づいて論理モデル6を更新する。それ以後に新たな検索要求3があったときに適用される検索論理2は、更新された論理モデル6に基づいて特定される新たな論理内容を持つ。ここにおいて、論理モデル6がデータベースの検索そのもののルールを規定するモデルである場合は、典型的には、検索要求3の内容が「条件」であり、検索出力4の中からユーザが最終的に選択したデータが「結果」である。
【0028】
このようにして、本発明のデータベースシステム1は、論理モデル6が時間とともに継続的に進化し、それに応じて検索論理2もまた継続的に進化する点において主たる特徴を有する。
【0029】
また、論理モデル6は、データ群5に蓄積された具体的なデータ内容には依存しないモデルとして構成される。上記と同じく数学的アナロジーで言えば、これは次のように説明できる。
【0030】
すなわち、検索要求xと検索出力yの関係を関数y=f(x)のように表現した場合、検索要求xと検索出力yとが具体的数値としてたとえばf(1)=5、f(3)=10、のような関係を定めておいてもそれはそのデータ群限りの関係であって、他のデータ群についての入出力の具体的値を得ることはできない。つまりこのような具体的な検索論理はデータ群の具体的内容に依存し、データ群から切り離して適用はできない。これに対してy=f(x)の「関数形」ないしはそれを導くためのルールをモデルとして保持しておけば、他のデータ群についてもそのモデルを適用して具体的な検索論理を特定できる。論理モデル6がこのようなモデルであり、その「進化」は、たとえば関数f(x)に含まれるパラメータを、検索の条件と結果との関係の解析によって継続的に変更することに相当する。
【0031】
特に、論理モデル6が、条件と結果とを結ぶそれぞれのルートの単なる「無機的な」集合ではなく、事象群の「傾向」を反映していることによって、そのような「傾向」が共通に期待される他のデータ群ないしは他のユーザにも利用可能となる。つまり検索の条件と結果との関係を「意味」として解析し、それを論理モデル6に反映させることによって、論理モデル6は自立的発展性を持つ有機的存在となる。
【0032】
また、このデータベースシステム1では、論理モデル6に基づいてデータ構造9を最適化する。つまり、データ構造9は固定的なものではなく、論理モデル6のひとつの作用として動的に進化する。これにより、データベースシステム1では、検索論理2による検索が効率的に実行されるようになる。
【0033】
このように、広く適用できる論理モデルを、データ群5の具体的内容と独立して、換言すればデータ群5とは分離可能にかつ可変に保持しておくことによって、論理モデル6の拡張性が高まり、論理モデル6を他のデータベースシステムに移植するようなことが可能になる。
【0034】
論理モデル6の適用対象となる事象群は、データベースシステム1の検索操作に関する事象群であってもよいし、それ以外の事象群、たとえばこのシステムの外部で生じる自然現象、人的現象、社会的現象などであってもよい。各種の適用例は後述する。データベースシステム1そのものに関する事象群(典型的にはその検索操作の関する事象群)以外の場合には、事象群における条件7と結果8との論理的関係の基礎となる経験的情報はデータベースシステム1の外部で生じる。たとえば、後に具体例として詳述する教育教材データベースシステムにおいて、ある生徒に対して特定の教材を与えたときの学習効果がどうであったかという、原因と結果との関係はデータベースシステム1の外部で生じる事項である。このため、そのような外部で生じた因果関係の情報は、マニュアルでデータベースシステム1に入力することによって条件7と結果8とが特定され、そのその対応関係の解析結果を論理モデル6(したがって以後の検索論理2)に反映させることができる。すなわち、論理モデル6の進化は、データベースシステム1の内部のみならず、外部で生じる事象によっても進行可能である(論理モデル6の成長)。また、自然現象などを事象群としている場合には、センサなどの検知手段を用いてオンライン的に外部の情報を入力することも可能である。
【0035】
以上では本発明のデータベースシステム1について一般的な基本概念を説明したが、以下ではより具体的な例をあげて本発明のデータベースシステム1に対応する実施形態と、それらの適用の具体例について説明する。
【0036】
<ハードウエア構成>
この実施形態に係るデータベースシステムのハードウエア構成を図2のブロック図を参照しながら説明する。
【0037】
データベースシステム1は、ネットワーク上に構成されたクライアント・サーバ型のデータベースシステムである。データベースシステム1は、データベースサーバ10、クライアント20およびルータ30を備える。データベースサーバ10、クライアント20およびルータ30は、ネットワーク40によって接続され、相互に通信可能である。ネットワーク40は、有線LAN(Local Area Network)および無線LANのいずれであってもよいし、無線LANと有線LANとが混在していてもよい。また、ネットワーク40の一部あるいは全部が公衆電話回線を利用して構築されていてもよい。
【0038】
データベースサーバ10は、データを記憶する記憶媒体を備えたコンピュータである。データベースサーバ10には、データベース管理システム(DBMS)およびミドルウエアがインストールされる。これにより、データベースサーバ10は、データベースシステム1の本体部として機能する。データベースサーバ10は、ネットワーク40を介して得られたクライアント20の指示に応答可能である。
【0039】
クライアント20は、CRTディスプレイ等の表示装置21およびキーボード等の入力装置22を備えたコンピュータである。クライアント20には、データベース用アプリケーションがインストールされる。これにより、クライアント20は、ネットワーク40を介してデータベースサーバ10へ指示を送信可能である。また、送信した指示に対するデータベースサーバ10からの応答(検索出力等)を表示装置21に表示可能である。これらにより、クライアント20は、データベースシステム1の入出力端末(ユーザインターフェース)として機能する。
【0040】
ルータ30は、ネットワーク40と外部ネットワークであるインターネット50とを接続する。ルータ30により、データベースシステム1は外部のデータソースからもデータを取得可能となる。
【0041】
上述のデータベースシステム1においては、データベースサーバ10、クライアント20およびルータ30が各々ひとつずつ設けられた単純な場合について説明したが、本発明に係るデータベースシステムはこのような態様に制限されない。すなわち、データベースサーバ、クライアントおよびルータが各々複数設けられてもよい。また、これらの一部または全部が一体化されていてもよい。さらに、データベースサーバおよびクライアントに異なるプラットフォームのコンピュータが混在していてもよい。
【0042】
<機能>
次に、データベースシステム1の機能を、サブシステム間の関係を説明するブロック図(図3)を参照しながら各サブシステムごとに説明する。
【0043】
○ユーザインターフェース110;
データベースシステム1には、ユーザがデータベースシステム1を操作する手段となるユーザインターフェース110が設けられる。ユーザインターフェース110は、ユーザの検索要求をエクゼキュートコンポジション120へ出力可能である。また、ユーザインターフェース110は、ユーザによって入力された追加データをデータストア130へ出力可能である。また、ユーザの検索要求に対するデータベースシステム1の応答を表示可能である。
【0044】
○エクゼキュートコンポジション部120;
データベースシステム1には、検索要求をクエリに変換するエクゼキュートコンポジション部120が設けられ、このエクゼキュートコンポジション部120は図1の「検索論理2」の要部に対応する。エクゼキュートコンポジション部120は、ユーザインターフェース110から出力された検索要求をクエリに変換する。このクエリは、クエリ構造モデル121によって規定されるクエリ構造を備える。さらに、変換したクエリをクエリエンジンマイニング部150へ出力する。また、エクゼキュートコンポジション部120は、クエリエンジンマイニング部150が抽出したデータを取得してユーザインターフェース110へ出力する。このとき、エクゼキュートコンポジション部120は、後述するリアライゼーションストア160に格納された知識・構造・発見(KSD;Knowledge Structure Discovery)モデル161を出力するデータに反映可能である。換言すれば、KSDモデルを検索論理に反映可能である。具体的には、ユーザが必要としているデータをKSDモデル161から推測して、優先的にユーザインターフェース110へ出力したり、データをより適切に抽出できる検索要求の方法をユーザインターフェース110へ出力したり等の処理が可能である。さらに、エクゼキュートコンポジション部120は、ユーザインターフェース110との間の入出力内容を、ユーザの一連のデータベース操作の間保持して、リアライゼーションストア160へ出力可能である。
【0045】
○データストア130;
データベースシステム1には、データ群132が格納されるデータストア130が設けられる。データストア130には、データ構造モデル131によって規定されるデータ構造と整合性を保った状態でデータ群132が格納されている。なお、データ構造モデル131は、後述するリストラクチャエンジン170によって更新可能である。
【0046】
○トランスレータ140;
データベースシステム1には、外部データソースからデータを取得するトランスレータ140が設けられる。トランスレータ140は、外部データソース180から得られるデータを解析して、データ構造モデル131と整合性を持つデータへ変換可能である。変換されたデータは、データストア130に出力され、データ群132に追加される。
【0047】
図4のブロック図に示すように、トランスレータ140には、データソースやデータフォーマットの種類ごとにコンポーネント141〜144が実装される。具体的には、外部データソース180の外部データベース181、WWW(World Wide Web)182、ファイル183および画像・動画184にそれぞれ対応した、データベースコンポーネント141、WWWコンポーネント142、ファイルコンポーネント143および画像・動画コンポーネント144が実装される。トランスレータ140は、新規のデータソースやデータフォーマットに対応したコンポーネントを追加することにより、新規のデータソースやデータフォーマットのデータ変換も可能になる。
【0048】
また、印刷物などの非電子化データ185は、スキャナやOCR等のデジタル化手段を使用してデジタル電子データに変換されてからトランスレータ140で処理される。
【0049】
○クエリエンジンマイニング部150;
データベースシステム1には、クエリとマッチングするデータをデータ群132から抽出するクエリエンジンマイニング部150が設けられる。クエリエンジンマイニング部150は、エクゼキュートコンポジション部120から入力されたクエリと、データストア130に格納されたデータ群132との間でパターンマッチングを行い、クエリとパターンが一致するデータを抽出する。また、エクゼキュートコンポジション部120から入力されたクエリの末端要素をキーワードとして全文検索を行い、キーワードを含むデータを抽出する。さらに、クエリエンジンマイニング部150は、抽出したデータをエクゼキュートコンポジション部120へ出力する。
【0050】
○リアライゼーションストア160;
データベースシステム1には、リアライゼーションストア160が設けられる。リアライゼーションストア160には、データベースシステム1が対象としている事象群中の未知事象に関する条件から結果を導く論理モデルであるKSDモデル161が格納されている。このリアライゼーションストア160は、図1の「論理モデル6」を保持するとともに、それを進化させる要素に対応する。KSDモデル161は、既知事象に関する条件と結果との間の論理経路を解析し、その論理経路の特性を論理モデルとして特定するKSDモデル構築部162によって随時更新可能である。すなわち、KSDモデル構築部162は、特定事象群の中の既知事象から上述の条件と結果との間の相関の分析および因果関係の特定を行う。さらに、KSDモデル構築部162は、その特定結果に基づいてKSDモデル161を更新可能である。これにより、リアライゼーションストア160は、未知の事象に関して条件が与えられた場合に、特定した因果関係を利用して結果を推測することが可能になる。
【0051】
上述の条件と結果とは、ユーザのデータベース操作に関するものであってもよいし、それ以外のものであってもよい。ユーザのデータベース操作に関する事象としては、たとえば、ユーザが検索要求に用いたキーワードが条件であり、データベースシステムからの検索出力の中からユーザが選択した情報が結果となる場合があげられる。ユーザのデータベース操作以外に関する事象としては、たとえば、学校の教育教材データベースにおいて、ユーザの検索要求に対してデータベースシステム1から出力された教材が条件であり、その教材による教育成果が結果となる場合があげられる。この教育成果は所定の手順でデータベースシステム1に入力される。
【0052】
さらに、リアライゼーションストア160は、単に特定の時点までに得られた条件と結果との相関を算出する計算手段ではなく、時間の経過(データベース使用履歴の蓄積)にしたがって進化する動的な学習装置である。したがって、同じ条件と結果とが繰り返された場合、単に同じ論理モデルを繰り返し特定するのではなく、繰り返しの回数が増加するにつれて結果予測能力が向上するように構成される。すなわち、継続的に学習を続けることによって、条件と結果との間の意味理解を深めることが可能なように構成される。換言すれば、追加学習が可能なように構成される。これにより、条件から結果への論理経路が経時的に変化する場合、リアライゼーションストア160は論理経路の変化に合わせて論理モデルを少しづつ(すなわち段階的ないしは連続的に)変化させて結果予測能力を絶えず維持および向上可能である。この意味において、リアライゼーションストア160は、単に相関を計算する計算機ではなく、動的判断が可能なインテリジェントな人工知能である。
【0053】
なお、上述の追加学習の結果予測能力への寄与の大きさは、データベースシステムに応じて様々に設計可能である。すなわち、遠い過去よりも近い過去の学習の方が重要であるデータベースシステム(たとえば、小売業において季節的な流行や売れ筋商品を調査するために設計されたデータベースシステム)の場合は、追加学習の寄与を大きくして古い学習を少しづつ「忘れる」ようにリアライゼーションストア160を構成する。また、遠い過去および近い過去の学習が同程度に重要であるデータベースシステム(たとえば、成熟技術分野の文献検索のために設計されたデータベースシステム)の場合は、追加学習の寄与を比較的小さくして、古い学習結果の結果予測能力への寄与を長期間維持できるようにリアライゼーションストア160を構成する。
【0054】
次に、リアライゼーションストア160における「論理経路」「論理モデル」についてより具体的に説明する。まず、条件(例:検索における「キーワード」)が条件A(i)(i=1,2,・・・,n)であり、この条件A(i)に対応する結果(例:ユーザが選択した情報)が結果B(i)であるとする。このときの条件A(i)→結果B(i)の各々の対応が「論理経路」に相当する。そして、i=1,2,・・・,nの複数の論理経路を包含する一般的な関係(写像)f:条件群A→結果群Bが「論理モデル」であり、ここで、
条件群A={A(1),A(2),・・・,A(n)},
結果群B={B(1),B(2),・・・,B(n)}
である。条件A(i)および結果B(i)が数値である場合、写像fは数学的な関数である。写像fは、一般的な関係であるから、新たな条件A(j)に対する結果B(j)を推測するのに使用可能である。実際のデータベースシステムにおいては、写像fは、完全に正しい結果を与える場合だけでなく、近似的に正しい結果を与える近似関係をも含むが、サンプル数nが増加するにしたがって写像fの精度ないしは近似度は向上する。すなわち、データベースシステム1の使用頻度が深まるほど、リアライゼーションストア160はより正確に結果を予測可能になる。この意味で、リアライゼーションストア160は、自律的に「学習」を行う「進化するデータベース」であると言える。
【0055】
さらに、写像fは経時的に変化可能でもある。すなわち、時間が経過して上述したn個の条件A(i),結果B(i)に、それぞれ新たにk個の条件:
A’={A(n+1),A(n+2),・・・,A(n+k)}
およびk個の結果
B’={B(n+1),B(n+2),・・・,B(n+k)}
が追加された場合、写像fは、
・複数の条件群を結合した集合すなわち条件群A+A’と、
・複数の結果群を結合した集合すなわち結果群B+B’と、
の関係を反映したものに進化する。このため、写像f’:A’→B’が写像fと異なる場合、写像fは写像f’を考慮して修正される。これが、上述した追加学習に相当する。もちろん、写像f’が写像fと同じである場合は、写像fは修正されない。
【0056】
また、写像fは、データ群132とは分離されて生成される。このため、特定のユーザまたはユーザ群(以下、単にユーザと略記する)にのみ適用可能な属人的なものではなく、拡張利用可能である。より具体的には、特定のユーザについて得られた写像fを他のユーザに適用可能である。さらに、複数の写像f1,f2を結合して新たな写像、たとえば
線形結合写像: c11+c22、(c1およびc2は定数)
を作成して利用することも可能である。
【0057】
なお、上述した学習には、ニューラルネットワークやルールベースが好適に用いられる。後述する実施例において、データベースシステムにおける学習にニューラルネットワークやルールベースを適用する方法について単純な例をあげて説明する。
【0058】
○リストラクチャエンジン170;
データベースシステム1には、データ構造を最適化するリストラクチャエンジン170が設けられる。リストラクチャエンジン170は、図5のブロック図に示すように、構造変化判断部171とリファクタリング部172とを備える。構造変化判断部171は、KSDモデル161とデータ構造モデル131とを対比して、データ構造モデル131がKSDモデル161を反映しているかどうかの判断を行う。さらに、構造変化判断部171は、データ構造モデル131がKSDモデル161を反映していない場合に、構造変化指示信号をリファクタリング部172へ出力する。リファクタリング部172は、この構造変化指示信号に応答して、データ構造モデル131をKSDモデル161が反映されたものに変更する。さらに、変更後のデータ構造モデル131に適合するようにトランスレータ140を更新する。
【0059】
ここで、データ構造モデル131の変更について、より具体的な例をあげて説明する。ここでは、データ構造モデル131が階層型のデータ構造を有している場合を例にあげる。KSDモデル161によって高頻度で出力されると予測される複数のデータ要素C(i)(i=1,2,3)が、図6の階層図に示すように離れたノードに分散して記述されている場合、データの検索効率が低い。このため、このような場合は、構造変化判断部171によってデータ構造モデル131がKSDモデル161を反映していないことを示す構造変化指示信号がリファクタリング部172へ出力される。構造変化指示信号を受けたリファクタリング部172は、データ構造モデル131を変更して、図7の階層図に示すようにデータ要素C(i)(i=1,2,3)を近接したノードに集中させる。これは、KSDモデル161に対して最適化されていないデータ構造モデル131をより最適化された状態に近づけるデータ構造操作である。これにより、データの検索効率を向上でき、KSDモデル161の検索支援機能をより有効に機能させることができる。
【0060】
上述のデータ構造変更例は単純化した一例であって、データ構造変更方法はこれに限定されない。たとえば、新たなノードを追加して適切なデータを記述するデータ構造変更やデータ中の構造化されていない部分を新たに構造化するデータ構造変更であってもよい。これらの具体例のいくつかは後述する実施例で説明するが、データ構造変更方法はこれらの実施例によっても制限されるものではなく、定義されたデータ構造をなんらかの形で変更する方法は全て許容される。
【0061】
<データ構造>
上述したように、データストア130に格納されたデータ群132や検索要求を変換して得られたクエリは特定のデータ構造を有している。以下の説明においては、データ構造の例として階層型の例を説明するが、本発明におけるデータ構造はこれに限定されない。たとえば、リレーショナル型やネットワーク型のデータ構造も使用可能である。
【0062】
本実施形態におけるクエリ構造モデル121およびデータ構造モデル131は、階層型のデータ構造を備える。階層構造は各要素にデータが記述されたグラフによって表現される。該表現にはXML(eXtended Markup Language)が用いられ、RDF(Resource Description Framework)が表現形式として採用される。なお、データ構造の表現手段はこれに限られることなく、データ構造を特定可能な様々表現形式を利用可能である。
【0063】
クエリ構造モデル121の階層構造を図8にグラフで示す。図8に示すクエリ構造モデル121は学術論文データベースの検索クエリを例としている。この場合、クエリ構造モデル121は、ルート要素"root"に"query-id","query","keyword"の予約属性を持つ。"query-id"には、クエリを識別する固有の自然数が記述される。該自然数はクエリ作成時に作成され変更されることはない。"query"には、ユーザが入力した検索内容が記述される。"keyword"には、ユーザが入力したキーワードが記述される。この例の場合、ふたつのキーワードがあるため、ふたつの"keyword"ノードが作成されている。なお、必要に応じて上述の予約属性以外の属性を追加することも可能である。図8では学術論文データベースの検索クエリの場合を例としてあげたが、属性の内容はデータベースの目的に応じて様々に変更可能である。
【0064】
次に、データ構造モデル131の階層構造を図9にグラフで示す。図9に示すデータ構造モデルは学術論文データベースのデータを例としている。この場合、データ構造モデル131は、ルート要素"root"に"data-id","data"の予約属性を持つ。"data-id"には、データを識別する固有の自然数が記述される。該自然数はデータストア130への登録時に作成され、変更されることはない。"data"には、オリジナルデータへのポインタがURL(Uniform Resource Locator)で記述される。予約属性以外の任意属性である"field"には、学術論文の分野が記述される。なお、必要に応じて属性を追加してもよい。図9では、学術論文データベースのデータ構造の場合を例としてあげたが、クエリ構造モデル121の場合と同様に属性の内容はデータベースの目的に応じて様々に変更可能である。
【0065】
<その他>
以上の実施形態においては、本発明に係るデータベースシステムについて一般化して説明したが、以下の実施例ではより具体的なデータベースシステムを例にあげて説明する。なお、上述のデータベースシステムで説明した構成が各実施例の各々に全て含まれているとは限られない。また、一部の構成が変形されている実施例も存在する。これらは、データベースシステムの具体的な特徴に合わせた設計事項に過ぎない。
【0066】
【発明の実施例】
<<第1実施例 学術論文検索用データベースシステム>>
第1実施例に係るデータベースシステム1は、医療分野の学術論文(以後、単に「論文」と略記する)検索用のデータベースシステムである。
【0067】
<1.1 データ構造>
○論文のXML文書化;
検索対象となる論文は、トランスレータ140によってXML文書に変換されてデータストア130に格納される。XML文書に変換前後の論文の例をそれぞれ図10および図11の模式図に示す。
【0068】
図10および図11に示すように、論文200の「タイトル」「著者」「キーワード」等の書誌項目は、各書誌項目名を要素名とする要素としてXML文書201に記述される。たとえば、論文200の「著者」である「山田太郎」は、XML文書201の「著者」という要素に記述される。また、論文200の本体部の内容は、各セクション名を要素名とする要素としてXML文書201に記述される。たとえば、論文200の「はじめに」というセクションの内容は、XML文書201の「はじめに」という要素に記述される。
【0069】
○データ構造モデル;
XML文書201の要素間の関係すなわちXML文書201の構造は、RDFにより表現される。第1実施例の初期状態においては、XML文書201の構造は図12の階層図に示すような階層型のデータ構造210となっている。具体的には、ルートセグメントから派生して、論文200の分野を示すセッションセグメント211(図12中にはひとつのセグメントしか記載されていないが実際は複数存在する)が設けられ、各セッションセグメントから派生してタイトルセグメント212が設けられ、各タイトルセグメントから派生して著者セグメント213、はじめにセグメント214、キーワードセグメント215、本文セグメント216、まとめセグメント217が設けられる。もちろん、このような階層型は一例であって他の階層型が採用されてもよい。また、一部の要素が構造化されない状態であってもよい。たとえば、「本文」を「理論」「計算」「実験方法」「実験結果」等にさらに階層化可能であっても、階層化しないで「本文」セグメントにそのまま記述している半構造化の状態であってもよい。
【0070】
上述の構造はデータ構造モデル131としてデータストア130に格納される。格納されたデータ構造モデル131は、後述するようにデータベースシステム1の進化にともなって継続的に更新される。換言すれば、データ構造モデル131がデータ本体部132と同様にデータベースシステム1の客体(処理対象)となっている。この点で、本データベースシステム1は、データ構造モデル131がデータベースシステム1を規定しているため、継続的な進化を実現することが困難な従来のデータベースシステムとは異なる。このような特徴により、本データベースシステム1は、データ構造が完全に構造化されていない半構造化データの処理が容易であり、ユーザの使用状況に合わせてデータ構造モデル131を動的に進化させることができる。
【0071】
<1.2 データベース操作>
○ユーザインターフェース;
データベースシステム1とユーザとの間の情報入出力はユーザインターフェース110を用いて行われる。ユーザインターフェース110には周知の各種GUI(Graphical User Interface)を採用可能である。ユーザのデータベース操作はクライアント20にインストールされたデータベース用アプリケーションを使用して行われる。以下では、GUIの画面表示例を参照しながらデータベース操作について説明する。
【0072】
○認証;
第1実施例のデータベースシステム1は、ユーザごとにKSDモデル161を保持するため、ユーザを特定する必要がある。したがって、使用開始前に認証手続きが行われる。より具体的には、図13に示すように、データベースシステム1使用前にユーザはログイン画面230でユーザID欄231およびパスワード欄232の入力を行った後にOKボタン233を押下する。入力したユーザIDおよびパスワードが、データベースシステム1内に事前に登録されたユーザIDおよびパスワードと一致する場合、ログイン処理が完了しユーザはデータベースシステム1を使用可能になる。ユーザは、終了ボタン234を押下することによりデータベース操作を終了することもできる(以下の画面表示例においても、終了ボタンは同様の機能を有する)。
【0073】
○検索;
第1実施例のデータベースシステム1では、ユーザが日常使用する自然文を入力して論文検索を実行可能である。検索は、図14に示すように、検索画面240の検索入力欄241に検索に使用する自然文を入力して、検索ボタン242を押下することにより行う。たとえば、ユーザが胃がんの臨床例について調べる場合は、「胃がんの臨床例が記述された論文」を検索入力欄241に入力する。
【0074】
○検索結果表示;
第1実施例のデータベースシステム1の検索結果表示画面250を図15に示す。検索結果には、出力された論文数を示す該当件数251、出力順序を示すNO252、出力された論文のセッション名253、タイトル254、データベースシステムが推測した検索入力との関連の強さを示すパラメータであるスコア255が表示される。ここで、スコア255は、0%〜100%の数値範囲をとり、数値が大きいほど検索入力との関連が強いことを意味する。また、論文の出力順序はスコア255の降順となる。
【0075】
表示された論文のタイトル254には、アンダーライン254aが引かれており、詳細情報へのリンクが埋め込まれていることが示されている。ユーザは、マウスポインタを当該アンダーライン254aにあわせてマウスボタンをクリックすることにより次に説明する詳細表示画面260を閲覧可能である。また、ユーザは、戻るボタン256を押下することにより、検索画面240を再度表示させることもできる。
【0076】
○詳細表示;
上述した詳細表示画面260を図16に示す。詳細表示画面260には、検索結果表示画面250で選択した論文の詳細が表示される。具体的には、タイトル261に加えて、はじめに262,本文263、まとめ264が表示される。ユーザは、ダウンロードボタン265を押下することにより、当該論文を所定のファイル形式でダウンロードして閲覧および印刷等を行うことも可能である。また、戻るボタン266を押下すれば、検索結果表示画面250を再度表示させて他の論文の詳細を選択可能である。
【0077】
<1.3 クエリ>
○検索処理の最適化;
ユーザによって入力された検索文は、エクゼキュートコンポジション部120で解析されて、クエリエンジンマイニング部150の検索処理が最適になるようなクエリに変換される。図17は、第1実施例に係るエクゼキュートコンポジション部120の機能を説明するブロック図である。以下では、「胃がんの臨床例が記述された論文」という自然文271が検索入力された場合を例として、エクゼキュートコンポジション部110の詳細を図17を参照しながら説明する。
【0078】
まず、ユーザインターフェース280から入力された「胃がんの臨床例が記述された論文」という自然文271は、形態素解析部274によって文節ごとに分解される。すなわち、「胃がん」「の」「臨床例」「が」「記述された」「論文」の7つの文節272に分解される。文節272に分解された検索入力は、クエリ生成部276に出力される。クエリ生成部276は、医療分野で使用される専門用語が記載された医療分野辞書275を参照して、入力された文節の中から専門用語のみを抽出する。この例の場合、「胃がん」「臨床例」のふたつの専門用語273が抽出されることになる。さらに、クエリ生成部276は、クエリ構造モデル121を参照して、抽出された専門用語273をクエリ構造モデル121と整合性を持つ形式に変換して、クエリエンジンマイニング部150へ出力する。
【0079】
なお、エクゼキュートコンポジション部120に、「胃がん」「胃ガン」のような同義語で同等の検索出力が得られるように検索入力の多義性を解消する機能を搭載してもよい。
【0080】
○検索処理と検索結果出力;
エクゼキュートコンポジション部120から入力されたクエリを用いて、クエリエンジンマイニング部150はクエリの「胃がん」「臨床例」を含む論文を全文検索によりデータストア130から抽出する。抽出された論文はエクゼキュートコンポジション部120に出力される。出力された論文は、先述した検索結果表示画面250に表示される。なお、検索結果表示画面250のスコア255は、第1実施例のデータベースシステム1の拡張機能によって与えられるものであり、詳細は後述の拡張機能欄で説明する。
【0081】
<1.4 KSDモデルの構築>
KSDモデル161の構築には様々な態様が考えられるが、ここでは次のような事例をあげて説明する。すなわち、ユーザの検索入力から生成したクエリのキーワード(以下、「ユーザキーワード」と略記する)と、ユーザがダウンロードした論文の著者が論文に付したキーワード(以下、「1次キーワード」と略記する)との関係をニューラルネットワークに学習させてKSDモデル181として蓄積する場合を考える。この場合、ユーザの一連のデータベース操作で得られた「ユーザキーワード」と「1次キーワード」とが、エクゼキュートコンポジション部120からリアライゼーションストア160に出力されてKSDモデル161の構築に利用される。
【0082】
本事例では、ユーザキーワードおよび1次キーワードは、それぞれ、発明の実施の形態で説明した条件Aおよび結果Bに相当する。この場合、原理的には、医療分野辞書275に記載された全ての専門用語が条件Aに、データストア130に格納されている全ての論文に付された全ての1次キーワードが結果Bとなりうる。本項では説明を簡潔にするために、医療分野辞書275に「胃がん」「臨床例」「骨折」の3語のみが、1次キーワードに「抗がん剤」「転移」「ギブス」の3語のみが含まれる単純なニューラルネットワークを例にあげて説明する。
【0083】
第1実施例のニューラルネットワーク300の模式図を図18に示す。ニューラルネットワーク300は、ニューロンを3個ずつ備える入力層I、中間層M、出力層Oの3層からなるパーセプトロンである。ここでは、「胃がん」「臨床例」「骨折」の各語をそれぞれ入力X1,X2,X3に対応づける。入力X1,X2,X3は、それぞれ「0」または「1」の値をとり、ユーザキーワードに含まれる語を「1」で、含まれない語を「0」で表現する。つまり、ユーザキーワードに「胃がん」「臨床例」が含まれる場合は、入力は(X1,X2,X3)=(1,1,0)となる。同様に、「抗がん剤」「転移」「ギブス」の各語をそれぞれ、出力Y1,Y2,Y3に対応づける。出力Y1,Y2,Y3は、それぞれ「0」または「1」の値をとり、1次キーワードに含まれる語を「1」で、含まれない語を「0」で表現する。つまり、1次キーワードに「抗がん剤」「転移」が含まれる場合に対応する出力は(Y1,Y2,Y3)=(1,1,0)となる。
【0084】
入力(X1,X2,X3)は、それぞれ入力層のニューロンI1,I2,I3に入力される。また、ニューロンI1,I2,I3の各出力は中間層のニューロンM1,M2,M3全てに入力される。さらに続けて、ニューロンM1,M2,M3の各出力は出力層のニューロンO1,O2,O3全てに入力される。ニューロンO1,O2,O3の出力は、それぞれ、出力Y1,Y2,Y3となる。
【0085】
ここで、ニューロンについて説明する。図19に示すように、一般にニューロン310は入力x1,x2,・・・,xN(本事例ではN=3)に応じて、出力yを決定可能である。入力x1,x2,・・・,xNには、それぞれ、各入力の重みである結合加重w1,w2,・・・,wNが定められている。ニューロン310に入力が与えられた場合、入力x1,x2,・・・,xNと結合加重w1,w2,・・・,wNとから算出されるネット値u(数1)および結合関数F(数2)によって出力yが決定される。
【0086】
【数1】
Figure 0004405736
【0087】
【数2】
Figure 0004405736
【0088】
数2におけるθは、結合関数Fのしきい値である。つまり、ネット値uがしきい値θを超えると出力が「0」から「1」へ変化することを示す。なお、上述の結合加重w1,w2,・・・,wNはニューラルネットワーク300の学習によって変化する。また、上述の結合関数Fは一例であって、データベースシステムの特徴によって様々に変更されうる。
【0089】
次に、ニューラルネットワーク300の学習について説明する。ニューラルネットワーク300は、エクゼキュートコンポジション部120からリアライゼーションストア160が取得した1次キーワードを、対応するユーザキーワードに対する教師信号として学習を行う。すなわち、ニューラルネットワーク300において、入力信号ベクトルvi=(X1,X2,X3)=(1,1,0)に対するニューラルネットワーク300の出力信号ベクトルvo=(Y1,Y2,Y3)=(1,0,1)が、教師信号となる1次キーワードベクトルvkey=(Y1’,Y2’,Y3’)=(1,1,0)に近づくように、ニューロンの結合加重を変化させるプロセスを実行する(これらの関係を図20に一覧表にして示す)。学習は、たとえば標準デルタ則に基づいて行われる。具体的には、ニューロンMjからニューロンOiへの学習前の結合加重がVijであるとき、数3で定められるVij’をニューロンMjからニューロンOiへの新たな結合加重として採用することによって、ニューラルネットワーク300に学習させる。
【0090】
【数3】
Figure 0004405736
【0091】
ただし、εは正の実数であり、直近の学習の寄与度を示すパラメータである。ajはニューロンMjの出力である。
【0092】
数3より明らかなように、教師信号と出力信号とが等しい場合は、結合加重の変化はなく学習は行われない。ある出力に対応するニューロンの出力信号が「0」で教師信号が「1」の場合は、ニューロンの出力が大きくなるように結合加重が増加させられる。逆に、ある出力に対応するニューロンの出力信号が「1」で教師信号が「0」の場合は、ニューロンの出力が小さくなるように結合加重が減少させられる。これらにより、特定の入力信号に対する出力信号を教師信号に近づけるように結合加重は変化してゆくことになる。
【0093】
なお、上述の学習プロセスにおいては中間層Mの結合加重は変化しないが、実際のデータベースシステムにおいては、バックプロパゲーション等のより高度な学習則により中間層Mの結合加重を変化させることもできる。
【0094】
これらの学習を繰り返すことにより(すなわち、ユーザが検索入力とダウンロードを繰り返せば繰り返すほど)、リアライゼーションストア160における条件(ユーザキーワード)から結果(1次キーワード)への写像の近似度を向上することが可能である。近似度が向上すれば、ユーザがデータベース操作を行うために新たに検索入力を行った場合に、リアライゼーションストア160はユーザが必要とする論文に含まれる1次キーワードをより正確に推測可能になる。この推測能力向上は、次節以降で説明するデータベース構造の変更や拡張機能等のユーザに有用な諸機能を提供するのに利用可能である。
【0095】
また、ユーザの検索入力やダウンロードする論文の傾向が経時的に変化しても(たとえば、学部学生→大学院生→教官と進むにつれて、ありふれた病気から難病に関する論文を検索することが多くなるような場合)、KSDモデル161はそのような変化に対応して変化することができるので、ユーザにとってのデータベースシステム1の有用性は維持される。
【0096】
<1.5 データ構造モデルの進化>
第1実施例においては、KSDモデル161が追加学習を行うたびにデータ構造モデル131が変化する例を説明する。つまり、この例ではKSDモデル161のデータ予測能力向上と並列的にデータ構造モデル131が変化する。
【0097】
○構造変化判断;
ユーザの一連のデータベース操作においてユーザキーワードおよび1次キーワードが決定されると、1次キーワードがユーザキーワードを反映しているかどうかを構造変化判断部171が判断する。より具体的には、全てのユーザキーワードが1次キーワードに含まれている場合は1次キーワードがユーザキーワードを反映していると判断し、1次キーワードに含まれていないユーザキーワードが存在する場合は1次キーワードがユーザキーワードを反映していないと判断する。
【0098】
○構造変更プロセス;
1次キーワードがユーザキーワードを反映していないと構造変化判断部171が判断した場合、構造変化指示信号が構造変化判断部171からリファクタリング部172に出力される。構造変更指示信号が入力されたリファクタリング部172は、構造変更プロセス(データ構造の再構築)を実行する。この構造変更プロセスについて、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
【0099】
まず、ステップS201では現時点のデータ構造モデル131を確認して分岐処理を行う。すなわち、リファクタリング部172は、対応する論文のキーワードセグメント215の下層に1次キーワードセグメント322およびユーザキーワードセグメント323(図22の階層図にて示すデータ構造320参照)が存在するかどうかを確認する。これらのセグメントが存在する場合はステップS203へ移行する。これらのセグメントが存在しない場合はステップS202へ移行する。
【0100】
ステップS202においては、キーワードセグメント321の下層に1次キーワードセグメント322およびユーザキーワードセグメント323を新たに作成する。さらに、データ構造210のキーワードセグメント215に記述されているキーワードを1次キーワードセグメント322に複製して記述する。これらの処理が終了した後に、ステップS203へ移行する。
【0101】
ステップS203では、ユーザキーワードのうち、1次キーワードに含まれないキーワードをユーザキーワードセグメント323に追記して今回の構造変更プロセスを終了する。
【0102】
以上の構造変更プロセスにより、著者が論文に与えたキーワード以外のユーザキーワードが追加される。
【0103】
検索処理は全文検索により行われるので、追加されたユーザキーワードは論文のいずれかの箇所に含まれていた専門用語である。つまり、論文の著者があらかじめ予想しなかったものの論文には含まれていた専門用語によって、当該論文がユーザによって抽出されたということになる。
【0104】
第1実施例のデータベースシステム1では、以後のデータベース操作において、このようにして追加されたユーザキーワードを1次キーワードと同等のものとして取り扱う。すなわち、以後のデータベース操作において、ニューラルネットワーク300の教師信号となる1次キーワードに「胃がん」や「抗がん剤」をも含めて取り扱う。これにより、論文のキーワードにユーザが使用するキーワード(より正確にはユーザが検索入力する自然文に含まれる専門用語)が論文の特徴を表現するキーワードとして追加されるだけでなく、ニューラルネットワーク300の出力もこのようなキーワードを出力する傾向が強くなるように学習が行われる。そして、新たな検索処理が行われるごとにこのような構造変更プロセスが実行されるため、データベースシステム1が活用されればされるほど、ユーザは自分が必要とする論文を検索する作業が容易になる。この容易性は蓄積される性質を有しており、従来のデータベースシステムでは実現が難しいものである。
【0105】
以上の構造変更プロセスにより、データ構造210にはKSDモデル161に蓄積される論理モデル6に対応する構造が与えられることになる。これは、リアライゼーションストア160によるデータベース進化をより促進するものである。このため、以上のような構造変更プロセスを備えることにより、データベースシステム1におけるデータ群132へのアクセス効率が向上し、ユーザのデータベース操作をより強力に支援できる。
【0106】
<1.6 拡張機能>
第1実施例に係るデータベースシステム1は、KSDモデル161を利用してユーザに検索機能以外の様々な拡張機能を提供することが可能である。本節では、そのような拡張機能の具体例について説明する。
【0107】
○検索結果表示順序;
検索結果表示画面250(図15)で説明したように、検索結果にはスコア255が付加され、出力された論文はスコア255の降順に表示される。このスコア255は、対応する論文の1次キーワードベクトルvkeyと出力信号ベクトルvoとのなす角φの余弦cosφ(図23参照)と正の相関を有する量として与えられる。つまり、エクゼキュートコンポジション部120は、値φが小さくなるほど高いスコア255を算出するように構成される。出力信号ベクトルvoは、リアライゼーションストア160が推測した必要な論文に含まれるキーワードであるから、当該キーワードを実際に1次キーワードとして含んでいる論文が高いスコア255を得て、検索結果の上位に表示されることになる。
【0108】
また、検索入力を繰り返せば繰り返すほど、リアライゼーションストア160の推測能力は向上するので、出力されるスコア255もより的確な数字に変化することになる。これにより、ユーザは、必要とする論文をより効率的に検索することが可能になる。
【0109】
○非熟練ユーザへのガイダンス;
第1実施例のデータベースシステム1は、KSDモデル161を利用して非熟練ユーザにガイダンスを行うことができる。ここでは、クエリエンジンマイニング部150が論文を絞り込むのにほとんど役立たない抽象的な検索入力を行う非熟練ユーザに、より適切な検索を行うガイダンスを行う例を例示する。
【0110】
たとえば、非熟練ユーザが「薬」という漠然とした検索入力を行った場合を考える。この場合に、図24の検索結果表示画面330に示すように多数の検索結果が出力されたものの、出力された論文のスコアは極めて低く検索結果から有用な情報は得られなかったとする。これは、「薬」という専門用語が多数の論文で使用されている一方で、ニューラルネットワーク300上で強く結合している1次キーワードが少ない、すなわち、多くの1次キーワードと弱く結合していることを示している。このような場合、ニューラルネットワーク300上で相対的に強く結合している、すなわち「薬」という入力を与えたときに比較的大きなネット値uが得られる出力層Oのニューロンに対応する1次キーワードを推奨キーワード331として、検索結果表示画面330に出力する。図24には、推奨キーワード331として、「合成抗菌剤」「副作用」が表示された例を示す。つまり、「薬」という漠然としたキーワードが入力されたときであっても、それ以前の多数回の検索プロセスの解析によって、このデータベースを使用する一群のユーザは「合成抗菌剤」「副作用」に関連する論文を必要としている場合が多いということがニューラルネットワーク300上で学習されているために、その学習結果によって特定された推奨キーワード331がユーザに提供される。これらの推奨キーワード331には、リンクが埋め込まれていることを示すアンダーライン332が引かれており、タイトル254についての説明時に述べたのと同様の方法でGUIの操作を行うことにより、クリックしたキーワードの検索を自動的に実施することが可能である。
【0111】
○KSDモデルのエクスポート、インポート;
先述したKSDモデル161は、データストア130に格納されたデータ群132とは分離しているので、このデータベースシステム1と同様の構造を有する他のデータベースシステム(以下「同種データベース」)に対してエクスポート可能である。たとえば、医療分野の学術論文検索用のデータベースシステム1におけるKSDモデル161を、医薬製造分野の学術論文検索用のデータベースシステムへエクスポートしてKSDモデルとして利用することも可能である。エクスポートは、たとえば、結合加重を所定形式のファイルに記述して異なるデータベースシステムへ複製することにより行う。
【0112】
これらのデータベースシステムが相互に類似の機能構成を持つために、医薬製造分野の学術論文検索用のデータベースシステムのKSDモデルを、医療分野の学術論文検索用のデータベースシステムへインポートする逆の操作も同様の方法で可能である。
【0113】
これにより、新規のデータベースシステムを立ち上げる場合でも、KSDモデルを初期状態から学習させることなく、新規データベースシステム使用開始直後から高度に学習が進行したKSDモデルを使用可能になる。また、使用者が少なくKSDモデルの学習が進行しにくいような場合でも、高度に学習が進行したKSDモデルをインポートすることにより、ユーザの検索作業を強力に支援できる。
【0114】
すなわち、図1の論理モデル6に相当する図3のKSDモデル161は、データストア130の内容とは分離可能に構築されかつ進化するため、KSDモデル161(論理モデル6)は複数のデータベースシステム間で汎用となっており、それらのデータベースの間で論理モデル6のインポートもエクスポートも可能である。換言すれば、論理モデル6(KSDモデル161)は各データベースに固有のデータ蓄積内容とは独立した自己完結性を持つために、複数のデータベース間で移植可能である。
【0115】
○KSDモデルの結合;
また、第1実施例ではKSDモデル161はユーザごとに設けられるが、複数のユーザのKSDモデルを結合して新たなKSDモデルを作成することも可能である。
【0116】
すなわち、複数のユーザと複数のデータベースとが存在する場合、それらに利用される論理モデルの種類として、
1) 各ユーザごとに固有であるが、複数のデータベースに共通に利用できる論理モデル(以下「データベース汎用型の論理モデル」);
2) 各データベースごとに固有であるが、複数のユーザに共通に利用できる論理モデル(以下「ユーザ汎用型の論理モデル」);
3) 各ユーザと各データベースとどの組合せにも共通の論理モデル(以下「全汎用型の論理モデル」);
4) ユーザとデータベースとの組合せごとに異なる論理モデル(以下「固有論理モデル」)、
の4種類が存在し得る。前項で説明した医療分野と医薬製造分野とのそれぞれの学術論文検索用のデータベース間で移植されるの論理モデル6は、上記4種のうちの「データベース汎用型の論理モデル」に対応するものである。この場合には、個々のユーザの論理モデルはそのユーザの性格や能力(ユーザグループであればそのグループの特質)を反映した「属人的」なものであるため、その論理モデルはそのユーザに対しては他の同種データベースにも利用可能であることが多いとの原理に立脚した態様である。
【0117】
これに対して、上記4種のうちの「ユーザ汎用型の論理モデル」は、同じデータベースについての各ユーザの論理モデルを結合することによって、そのデータベースについて、各ユーザに共通でかつ高度の論理モデルを構築することか可能としている。たとえば類似の論文検索傾向を有する(たとえば、循環器系の外科医同士)ユーザUおよびVのKSDモデル161を結合することによってこのような進化を達成可能である。
【0118】
このような場合には、ユーザUおよびVの結合加重をそれぞれWU,WVとする。また、ユーザUおよびVのデータベース使用頻度をそれぞれPU,PV(PU+PV=1)とする。このとき、使用頻度PU,PVを重みとした結合加重WU,WVの加重和(PUU+PVV)を新たな結合加重として算出して、この新たな結合加重を含むKSDモデル161(論理モデル6)をユーザUおよびVに共通の論理モデルとして提供する。これにより、各ユーザのそれぞれについて単独に進化させたKSDモデル161よりも高度に学習が進行したKSDモデル161を利用可能となり、各ユーザの検索効率を高めることができる。
【0119】
<1.7 変形例>
上述の第1実施例では、ユーザキーワードと1次キーワードとの間に存在する論理モデルをニューラルネットワークで特定して保持し、データ構造変更に利用する場合を説明したが、KSDモデル161はこれ以外にも様々な態様が考えられる。たとえば、ユーザキーワードが含まれる数を各セクションごとに累積記憶して、累積記憶数が大きいセクションを構造化するような場合が考えられる。たとえば、図25の階層図に示すように、構造化されていない本文中のサブセクションにおいて、ユーザキーワードの累積含有数が大きい「実験方法」「実験結果」「実験装置」を新たに構造化するような場合が考えられる。このような構造変更を行った場合、トランスレータ140も同時に更新して、新たに追加される論文があらかじめこのようなデータ構造モデル131と整合性を保持している状態にする。
【0120】
<<第2実施例 学校の教育教材データベースシステム>>
データベースシステム1の第2実施例は、学校の教育教材(以下、単に「教材」と略記する)を管理するデータベースシステムとして構築される。このデータベースシステム1は、特に、入力された教育成果から生徒に最適化された教材を決定して、教師が生徒を指導するときに使用する教材選択を支援するために用いられる。以下で、当該データベースシステム1について説明を行うが、第1実施例と同様の点については詳細説明を省略する。
【0121】
<2.1 データ構造>
第2実施例のデータベースシステム1のデータストア130には、教材データ、教育成果データ、生徒特徴データと、そのデータ構造モデル131とが格納されている。
【0122】
○教材データ;
教材データは、第1実施例の論文50と同様にXML文書として記述される。XML文書には、指導に用いられる教材の内容が科目、単元、指導方法別に記述されている。記述内容は、図26の階層図に示すようなデータ構造400を有する。すなわち、教材セグメント401から派生して汎用の教材を意味する基本教材セグメント402が設けられ、基本教材セグメント402から科目セグメント403〜405が設けられ、各科目セグメントから単元セグメント406〜408が設けられ、各単元セグメントから派生して講義中心型、バランス型、演習中心型等の教材セグメント409〜411が設けられる。教材セグメント409〜411には、教材の具体的内容、その教材を使用する場合の指導上の注意事項、テスト問題の雛形が記述されている。すなわち、教師が参照する教材が複数記述されている。ここで、講義中心型および演習中心型は、それぞれ講義および演習の比率を標準より高めた教材である。一方、バランス型は講義と演習との比率が標準的な教材である。
【0123】
○教育成果データ;
教育成果データは、生徒、科目、単元別に、使用した教材と教育成果がXML文書として記述される。当該XML文書のデータ構造420を図27の階層図に示す。図27からわかるように、教育成果セグメント421から派生して、生徒セグメント422〜423が設けられ、各生徒セグメントから派生して科目セグメント424〜426が設けられ、各科目セグメントから派生して単元セグメント427〜429が設けられる。単元セグメント427〜429には、使用した教材と教育成果(A,B,C)が記述されている。教育成果は、たとえば、テスト結果等の生徒の理解度を示す情報であり、所定の分類基準にしたがってA〜Cの3段階にランク分けされる。
【0124】
○生徒特徴データ;
生徒特徴データには、生徒の入学時学力、性格、希望進路が生徒ごとにXML文書として記述される。当該XML文書のデータ構造430を図28の階層図に示す。図28からわかるように、生徒特徴セグメント431から派生して、生徒セグメント432〜433が設けられ、各生徒セグメントから派生して入学時学力セグメント444、性格セグメント445、希望進路セグメント446等の特徴項目のセグメントが設けられる。入学時学力セグメント444、性格セグメント445、希望進路セグメント446には、入学時学力、性格、希望進路が所定の分類基準に基づいて記述される。
【0125】
上記の教材データのデータ構造モデル131は、第1実施例と同様にデータベースシステム1の進化にともなって継続的に更新される。すなわち、後述するように、教材選択(条件)→教育成果(結果)確認を繰り返して得られたKSDモデル161を利用して、生徒の個性に対して最適化された教材を的確に提供できるように構造が変化してゆく。したがって、図26に示すデータ構造400は初期状態であり、データベースシステム1の運用実績が増加するにつれて変化する。
【0126】
<2.2 データベース操作>
○ユーザインターフェース;
第2実施例のデータベースシステム1は第1実施例と同様にGUIを採用している。ユーザは、教材問い合わせ画面450で所定の項目を入力することにより、データストア130に格納された教材を閲覧可能であるとともに、使用した教材による教育成果を教育成果画面470で登録可能である。以下では、教材問い合わせおよび教育成果登録の方法について、GUIの画面表示例を参照しながら説明する。
【0127】
○教材問い合わせ;
図29は教材問い合わせに使用されるGUIの画面表示例である。教材問い合わせ画面450には、生徒名欄451、科目欄452、単元欄453の記入欄が設けられている。ユーザ(主として教師を想定している)は、これらの記入欄に所定事項を入力して問い合わせボタン454を押下することにより、入力した科目・単元において、生徒名を入力した生徒に対して最適化された教材をGUIで閲覧可能である。また、終了ボタン455を押下することによりデータベース操作を終了することができる(以下の画面表示例においても、終了ボタン455は同様の機能を有する)。
【0128】
○教材表示画面;
次に、GUIで表示される教材表示画面460を図30に示す。図30は、最適化された教材として「講義中心型」が表示された場合である。もちろん、「演習中心型」が最適であると推測される生徒には、「演習中心型」の教材が表示される。また、データベース使用開始直後等で最適な教材が推測できない場合は、「講義中心型」「バランス型」「演習中心型」の全ての教材が表示される。このような場合、ユーザは表示された教材から適宜選択して生徒の指導を行うことになる。
【0129】
教材表示画面460には、生徒名、科目、単元の他に、教材の具体的内容、その教材を使用する場合の指導上の注意事項、テスト問題の雛形が表示されている。
【0130】
○教育成果登録;
図31は使用した教材による教育成果を登録する場合に使用されるGUIの教育成果登録画面470である。教育成果登録画面470には、生徒名欄471、教材欄472、理解度欄473、科目欄474、単元欄475の記入欄が設けられている。ユーザは、これらの記入欄に所定事項を入力して登録ボタン476を押下することにより、データストア130に格納された教育成果データに新規データを追加可能である。なお、この新規データの追加は、入力項目と同等の内容が含まれる別の電子データからトランスレータ140を使用して行うことも可能である。
【0131】
<2.3 クエリ>
○教材問い合わせと出力;
ユーザによって教材問い合わせが行われると、問い合わせはエクゼキュートコンポジション部120でクエリに変換されてクエリエンジンマイニング部150に出力される。クエリエンジンマイニング部150は、続いて、基本教材セグメントと同じ階層に、入力された生徒名に対応する生徒セグメントが存在するかどうかを確認する(図32のデータ構造480参照;なおデータ構造400からデータ構造480への構造変更については後述する)。対応する生徒セグメントが存在する場合、当該セグメントの下層に存在する、入力された科目・単元に対応する教材をクエリエンジンマイニング部150は抽出して、エクゼキュートコンポジション部120に出力する。対応するセグメントが存在しない場合、基本教材セグメントの下層に存在する、入力された科目・単元に対応する教材をクエリエンジンマイニング部150は抽出して、エクゼキュートコンポジション部120に出力する。
【0132】
エクゼキュートコンポジション部120は、入力された教材をHTML(Hyper Text Markup Language)形式等の閲覧に適した形式に変換して、ユーザインターエース110に出力する。この出力結果が図30の教材表示画面460に相当する。
【0133】
<2.4 KSDモデルの構築>
○分散分析;
第2実施例におけるKSDモデル161には、生徒の特徴と効果的な教材との関係が蓄積される。生徒の特徴としては、データストア130に蓄積された生徒特徴データに記述された項目を全て考慮可能であるが、ここでは入学時学力のみを考慮した場合を説明する。
【0134】
まず、KSDモデル構築部162は、単元ごとにおける、全ての生徒の入学時学力と使用された教材とが教育成果に与える影響を解析する。これにより、入学時学力(条件)ごとに教育成果を最大化できる教材(結果)を単元ごとに算出する。これは、発明の実施の形態で説明したA(i)→B(i)の論理経路を解析することに相当する。第2実施例における解析では、教材による教育成果の差はないという結果を得ることもありうるが、この場合は新たな知見は得られなかったものとして、後続するKSDモデル161の蓄積等の処理を行わないことにする。
【0135】
第2実施例の解析は、教育成果を目的変数、入学時学力および教材を説明変数として、分散分析によって行う。この手順を図33のフローチャートを参照しながら説明する。
【0136】
まず、ステップS1において、データ数が十分であるかどうかを確認する。すなわち、所定の閾値と現在のデータ蓄積数を比較し、分散分析処理に必要なデータがそろっているかどうかにより分岐処理を行う。現在のデータ蓄積数が閾値より小さくてデータ数が不十分の場合、処理を終了する。すなわち、KSDモデル161の更新は行われない。データ数が十分である場合、次のステップS2へ移行する。ここでの「データ数が十分」であるとは、データを繰り返しのある2元配置に配置できるという意味であるが、この基準は様々な統計処理方法に応じて変更されうる。
【0137】
ステップS2では、教育成果を目的変数、入学時学力および使用された教材を2元配置した説明変数として分散分析を行う。ここで、入学時学力はデータストア130に格納された生徒特徴データから、使用された教材はデータストア130に格納された教育成果データから読み込まれる。つまり、ふたつの異なるデータ体系を結合して解析が行われる。
【0138】
分散分析の結果、入学時学力および使用された教材に交互作用がある(入学時学力によって最適教材選択基準が異なる)と判断される場合は、ステップS3へ移行する。一方、分散分析の結果、入学時学力および使用された教材に交互作用がない(最適教材選択基準は入学時学力に影響されない)と判断される場合は、ステップS4へ移行する。
【0139】
ステップS3では、入学時学力ごとに使用された教材と教育成果との関係を解析する。すなわち、教育成果データを入学時学力別に層別して分散分析を行う。この分散分析は、使用された教材を説明変数、教育成果を目的変数とした1元配置の分散分析である。この分散分析において有意差があると判断される場合には、ステップS5へ移行する。有意差がないと判断される場合は処理を中止する。
【0140】
ステップS4では、交互作用項をプーリング(交互作用項を誤差項に含める)して再度分散分析を実施する。この分散分析において有意差があると判断される場合は、ステップS5へ移行する。有意差がないと判断される場合は処理を終了する。
【0141】
ステップS5では、入学時学力ごとの最適な教材をKSDモデル161に蓄積して、処理を終了する(蓄積方法は後述)。もちろん、入学時学力と最適教材選択基準とが無関係の場合は全ての生徒に対して同じ指導方法が登録されることになる。
【0142】
以上の処理により、有効性が統計的に有意な教材があれば、それをKSDモデル161に蓄積することが可能であり、有効な指導法がなければKSDモデル161は特に変化しないことになる。
【0143】
○KSDモデル;
KSDモデル構築部162は、上述の分散分析による解析によって得られた知見をKSDモデル161に蓄積する。知見は、第1実施例と同様にニューラルネットワークを使用して行われる。
【0144】
第2実施例で使用されるニューラルネットワークの模式図を図34に示す。第2実施例におけるニューラルネットワークは第1実施例と類似しているので、第1実施例と異なる点のみを説明し、残余の点の詳細説明は省略する。
【0145】
第2実施例のニューラルネットワークは、第1実施例と同様にニューロンを複数備える入力層I・中間層M・出力層Oの3層からなるパーセプトロンである。第2実施例では、「入学時学力A」「入学時学力B」「入学時学力C」をそれぞれ入力X1,X2,X3に対応づける。同様に、「講義中心型」「バランス型」「演習中心型」をそれぞれ出力Y1,Y2,Y3に対応づける。入力X1,X2,X3は、それぞれ「0」または「1」の値をとり、「入学時学力A」「入学時学力B」「入学時学力C」に対応する入力は、それぞれ、
(X1,X2,X3)=(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)
となる。出力Y1,Y2,Y3は、それぞれ「0」または「1」の値をとり、「講義中心型」「バランス型」「演習中心型」に対応する出力は、それぞれ、
(Y1,Y2,Y3)=(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)
となる。第1実施例の場合と異なり、X1〜X3は、ふたつ以上が同時に1の値をとることはない。たとえば、(X1,X2,X3)=(1,1,0)のような入力は存在しない。一方、出力要素Y1〜Y3は、それらのうちのふたつ以上が同時に「1」の値をとることも許可される。ふたつ以上が同時に「1」の値をとる場合は、効果的な指導方法が複数存在するとニューラルネットワークが推測していることを意味する。
【0146】
第2実施例のニューラルネットワークの教師信号は、前述した分散分析により得られた結果である。すなわち、各単元ごとに解析された入学時学力ごとの効果的な教材が解析されるが、これは実施形態の説明のインデックスiを単元として条件A(i)→結果B(i)が解析されたことに相当する。この条件A(i)→結果B(i)の解析結果から、一般的な写像f:A→Bを特定するのが、第2実施例のニューラルネットワークの役割である。なお、学習の方法は、第1実施例で説明したのと同様の手法が適用可能である。
【0147】
ニューラルネットワークが学習を繰り返すことにより(すなわち、教材選択→教育成果入力が繰り返されるほど)、リアライゼーションストア160における条件(入学時学力)から結果(最適教材)への写像の近似度を向上することが可能である。つまり、生徒の入学時学力がわかれば、最適教材をより正確に推測可能になる。また、入学時学力と最適教材との関係が少しづつ変化しても(たとえば、教育すべき内容が少しづつ抽象的になって、入学時学力が低い生徒も高い生徒も、演習中心の指導でなければ教育成果があげらなくなるような場合)、KSDモデル161は適切な推測を行うことができるので、データベースシステム1の有効性は維持される。つまり、第2実施例として構成されたデータベースシステム1は、教育環境の動的な変化に対しても対応可能である。この点で、第2実施例として構成されたデータベースシステム1は、従来から存在する、単に教材を電子データに置き換えて検索の手間を減少させる検索エンジンや、過去の学習成果を分析する統計処理装置とは異なる。
【0148】
なお、第2実施例のKSDモデル構築が第1実施例と異なる点のひとつは、論理モデルを特定するときに、教材データ、教育成果データ、生徒特徴データという複数の異なるデータ体系を参照している点である。このような複数のデータの参照、換言すれば多次元的な参照により、データベースシステム1はより高度な論理モデルの特定、すなわちKSDモデル161の構築が可能になる。
【0149】
<2.5 データ構造モデルの進化>
第2実施例では、構築されたKSDモデル161は、教材データのデータ構造モデル131を更新するために使用される。以下、データ構造モデル131の更新処理の方法を説明する。
【0150】
まず、構造変化判断部171は、所定の期間間隔ごとに、KSDモデル161から、入学時学力ごとの効果的な教材を取得する。つまり、入力(X1,X2,X3)をニューラルネットワークに与えたときに得られる出力を取得する。同時に、生徒特徴データに記述されている各生徒ごとの入学時学力を取得する。これらのデータから、各生徒ごとに効果的な指導方法を決定する。
【0151】
次に、構造変化判断部171は、教材データのデータ構造モデル131を参照して、基本教材セグメントと同じ階層に、最適教材を記述した生徒セグメントが存在するかどうかを確認する。存在しない場合、基本教材セグメントと同じ階層に生徒名を付した生徒セグメント481〜482を追加する。さらに、その生徒セグメントの下層に基本教材セグメントの下層の教材部分をその生徒に最適なものに変更した構造を追加する。一方、存在する場合は、最新のKSDモデル161の内容に基づいてデータ構造モデル131を更新する(図26および図32参照)。これにより、教材データには、各生徒に最適化された教材が随時更新されながら記述されることになる。
【0152】
この生徒別の生徒セグメント481〜482は、上述したようにユーザがデータベース操作で教材を問い合わせたときに使用される。すなわち、問い合わせた生徒用の教材が記述されている場合は、その内容を表示する。また、記述されていない場合は基本教材を表示する。
【0153】
このような構造変更により、ユーザは、生徒ごとに個別にKSDモデル161を参照する場合よりも、生徒に対して最適化された教材を高速に取得することが可能になる。またいったん決定された教材も教育環境の変化に応じて適切な内容に継続的に更新されてゆく。また、KSDモデル161の学習があまり進行していない初期状態では、複数の基本教材がそのまま出力される場合が多いと考えられるが、このような場合でも熟練した教師が教材選択、指導、教育成果登録を繰り返すことにより、熟練教師の教育ノウハウがKSDモデル161に内在するようになる。これにより、経験の少ない教師でも適切な教材選択をできるようになる。
【0154】
また、第2実施例の上述の説明においては、生徒の入学時学力のみを考慮に入れたが、性格や希望進路を考慮に入れれば、より適切な構造化が可能である。
【0155】
<2.6 拡張機能>
第2実施例に係るデータベースシステムは、KSDモデル161を利用してユーザに検索機能以外の拡張機能を提供することが可能である。本節では、そのような拡張機能の具体例について説明する。
【0156】
○KSDモデルのエクスポート、インポート、結合
第2実施例におけるKSDモデル161は、教材データ、教育成果データ、生徒特徴データと分離されている。したがって、KSDモデル161は特定の学校にのみ適用可能なものではなく、他の学校における教育実践にも適用可能である。このため、第1実施例と同様の方法で他の学校のデータベースシステム(同種データベースシステム)との間で論理モデル6(KSDモデル161)のインポートおよびエクスポートが可能である。また、複数の学校間でKSDモデル161を結合可能である。これにより、過疎地の小規模学校でも最適な教材選択が可能になる。
【0157】
<<第3実施例 複写機のサービスマニュアルデータベースシステム>>
第3実施例に係るデータベースシステム1は、顧客の元に設置された複写機の定期保全を行うサービスマンの作業マニュアル(以下、単に「サービスマニュアル」と略記する)を管理するデータベースシステムである。第3実施例のデータベースシステム1は、サービスマンに複写機の定期保全方法を指示する。さらに、サービスマンが顧客元で実際に実行した作業内容を記録する。
【0158】
以下では、当該データベースシステム1について説明を行うが、第1実施例〜第2実施例と同様の点については詳細説明を省略する。
【0159】
<3.1 携帯情報端末>
○ハードウエア;
図35は、第3実施例として構成されたデータベースシステム1のハードウエア構成を説明する模式図である。
【0160】
サービスマンは、各複写機ごとの定期保全指示を携帯情報端末601によって受け取る。定期保全指示は、携帯情報端末601と通信可能なデータベースサーバ602から送信される。第3実施例に係るデータベースシステム1においては、携帯情報端末601とデータベースサーバ602との間の通信は公衆電話回線を介して行われる。
【0161】
次に、図36の外観図を参照しながら携帯情報端末601の詳細を説明する。携帯情報端末601は、定期保全指示が表示される液晶モニタ610を備える。液晶モニタ610はタッチパネルとなっている。このため、携帯情報端末601本体から着脱可能なスタイラス611で液晶モニタ610に触れることにより、液晶モニタ610上に表示されたGUIで携帯情報端末601における入力操作が可能である。また、携帯情報端末601は操作スイッチ群612を備える。サービスマンは、操作スイッチ群612の操作により電源ON/OFF等の操作を行うことができる。これらの操作手段では、様々な携帯情報端末で採用されている周知の操作体系を採用可能である。
【0162】
さらに、携帯情報端末601には、アンテナ613および図示しないRF(Radio Frequency)回路が内蔵されており、携帯情報端末601とデータベースサーバ602との間で公衆電話回線を介した無線通信が可能なように構成される。
【0163】
○定期保全指示画面;
携帯情報端末601の液晶モニタ610に表示された定期保全指示画面800を図37に示す。定期保全指示画面800には、機種、保全日、サービスマン等の保全作業情報801が表示される。さらに、定期保全指示画面800には、具体的な保全作業指示802が表示される。図37には、クリーナユニットに関して、クリーナブレード交換、モルトプレーン交換、トナー受け清掃等の保全作業指示802が表示されている。これらの保全作業指示802の各作業項目付近には、当該作業を実際に実行したかどうかを記録するラジオボタン803〜805が表示されている。サービスマンは、これらの保全作業を実際に実行した場合に、液晶モニタ610のラジオボタン803〜805付近を押下する。これにより、サービスマンは、ラジオボタンに保全作業を実際に実行したことを示すチェックを入れることが可能である。
【0164】
サービスマンは、表示された保全作業指示802を参照しながら複写機の保全作業を実行する。さらに、保全作業指示802以外の作業を実施した場合には、追加作業欄806に実施した作業の内容を入力する。具体的には、部品の交換を所定の交換期限より早く交換した場合等にその内容を入力する。さらに、定期保全指示画面800には、稼働時間欄807が設けられている。サービスマンは、複写機に設けられた稼働時間を示すカウンタを読み取って稼働時間欄807に入力する。
【0165】
上述の入力作業完了後、サービスマンは完了ボタン808を押下して定期保全に関する情報をデータベースサーバ602に送信する。
【0166】
○故障修理報告画面;
携帯情報端末601の液晶モニタ610に表示された故障修理報告画面810を図38に示す。故障修理報告画面810は、複写機の故障に対応して上述の定期保全とは別に実施した故障修理の結果を報告するために用いられる。
【0167】
故障修理報告画面810には、機種、修理日、サービスマン等の故障修理情報811が表示される。また、故障修理表示画面810には、故障場所記入欄812および稼働時間欄813が設けられている。サービスマンは、故障修理を終了後に、故障場所および稼働時間をそれぞれ故障場所記入欄812および稼働時間欄813に記入して完了ボタン814を押下する。これにより、故障修理報告はデータベースサーバ602に送信される。
【0168】
<3.2 データ構造>
データストア130には、サービスマニュアルデータ、定期保全データ、故障修理データが格納される。サービスマニュアルは、サービスマンの管理者によってデータベースサーバ602に入力される。また、サービスマニュアルのうち定期保全で実行すべき作業内容がサービスマンが携帯する携帯情報端末601に定期保全ごとに送信されて、定期保全指示画面800に表示される。
【0169】
定期点保全データおよび故障修理データは、上述したように各サービスマンに付与された携帯情報端末601を介してデータベースサーバ602に集められる。
【0170】
これらのデータは、データストア130に格納されたデータ構造モデル131と整合性を保った状態で保持される。以下では、このデータ構造モデル131について説明する。
【0171】
○サービスマニュアルデータ;
サービスマニュアルデータは、XML文書として記述される。XML文書には、給紙ユニット、現像器、クリーナユニット等の保全部位、クリーナブレード交換、モルトプレーン交換、トナー受け交換等の定期保全作業内容が機種別に記述されている。記述内容は、図39の階層図に示すデータ構造820を有する。すなわち、サービスマニュアルセグメント821から派生して機種セグメント822〜823が設けられ、各機種セグメントから派生して保全部位セグメント824〜826が設けられ、各保全部位セグメントから派生して定期保全作業セグメント827〜829が設けられる。定期保全作業セグメント827〜829には、定期保全作業の具体的な手順や実行間隔が記述される。データベースシステム1は、サービスマニュアルデータに記述されている内容に基づいて、各複写機ごとの実行すべき定期保全作業内容を携帯情報端末601に送信する。その内容が上述した定期保全指示画面800である。
【0172】
○定期保全データ;
定期保全データは、XML文書として記述される。XML文書には、定期保全時の複写機の稼働時間、クリーナブレード交換・モルトプレーン交換・トナー受け交換等の実行済の定期保全作業内容が複写機別に記述されている。記述内容は、図40の階層図に示すデータ構造830を有する。すなわち、定期保全セグメント831から派生して複写機セグメント832〜833が設けられ、各複写機セグメントから派生して稼働時間セグメント834〜836が設けられ、各稼働時間セグメントから派生して保全作業セグメント837〜839が設けられる。
【0173】
○故障修理データ;
故障修理データは、XML文書として記述される。XML文書には、故障が発生した複写機の稼働時間、クリーナブレード等の故障部品が複写機別に記述されている。記述内容は、図41の階層図に示すデータ構造840を有する。すなわち、故障修理セグメント841から派生して複写機セグメント842〜843が設けられ、各複写機セグメントから派生して稼働時間セグメント844〜846が設けられ、各稼働時間セグメントから派生して故障部品セグメント847が設けられる。
【0174】
<3.3 KSDモデルの構築>
第3実施例におけるKSDモデル161には、サービスマンの定期保全作業内容と故障との関係が蓄積される。以下では、その具体的な内容を例示する。これらは、第1実施例〜第2実施例のようなニューラルネットワークを用いて蓄積される。第2実施例のように統計処理が補助的に併用されてもよい。
【0175】
○事例1 故障時間の推定;
定期保全指示画面800でサービスマンは複写機の稼働時間を入力しているので、部品が実際に交換された稼働時間の間隔をKSDモデル構築部162は取得可能である。また、サービスマンは故障修理報告画面810で部品の故障が発生した稼働時間を入力しているので、KSDモデル構築部162は故障した部品の寿命を特定可能である。
【0176】
KSDモデル構築部162は、多数の故障部品の寿命から部品の「B10ライフ」(全ての部品のうち10%が故障する稼働時間)を推定してKSDモデル161に蓄積する。この推定には、打ち切りデータを配慮した累積ハザード解析等の方法が使用される。そして、各複写機の前回部品交換後の稼働時間がB10ライフに到達したときに、データベースシステム1は、当該部品の部品交換指示を定期保全指示画面800に表示する。
【0177】
KSDモデル161への蓄積にニューラルネットワークを使用すれば(入力を部品名、出力を寿命とする)、製造品質の向上によりB10ライフが少しづつ長くなっても、適正な稼働時間間隔で部品交換がなされる。これにより、必要以上に高い頻度で部品交換を行うことによる保全コストの向上や、初期故障の増加を防止することが可能になる。また、部品交換間隔が長すぎることによる故障の増加を防止することができる。すなわち、サービスマニュアル作成時点でフィールドでの寿命が適切に推定されなかった場合(たとえば、製品開発段階での加速試験で仮定した加速係数が妥当なものではなかった場合)や、品質向上により寿命が伸びた場合でも、データベースシステム1は状況の変化に柔軟に対応して適正な部品交換間隔を指示可能である。
【0178】
○事例2 優良サービスマンのノウハウの水平展開;
KSDモデル構築部162は、事例1の場合と同様に、担当サービスマンごとの複写機の平均故障時間と追加作業内容とを取得できる。このデータをニューラルネットワークに登録すれば、故障時間を短縮できる追加作業をKSDモデル161は推測可能である。このような追加作業を定期保全指示画面800にあわせて表示すれば、平均故障時間を短縮可能である。
【0179】
また、サービスマンの技能向上や人員の交代が少しづつ進行しても、KSDモデルはそれに対応できるので、環境の動的変化に対応してデータベースシステム1は適切な保全指示を出すことができる。
【0180】
<3.4 データ構造の変更>
上述の事例1で、最適化された部品交換間隔が決定された場合、サービスマニュアルデータに記述されている部品交換間隔をこの時間で更新する。また、事例2でわかった追加作業のセグメントをサービスマニュアルに追加する。これらのデータ構造の変更により、データベースシステム1は、データ群132へのアクセス効率が向上し、適切なデータを高速に出力可能となる。
【0181】
<3.5 拡張機能>
第3実施例に係るデータベースシステムもまた、KSDモデル161を利用してユーザに検索機能以外の拡張機能を提供することが可能である。すなわち、第1実施例〜第2実施例の場合と同様に、蓄積されたKSDモデル161は、別の機種や別のサービスマン群へも適用可能である。これにより、十分なKSDモデル161の蓄積ができない場合でも適切な保全を実行することができる。
【0182】
<第4実施例 デパートにおける売れ筋商品管理データベースシステム>
第4実施例に係るデータベースシステム1は、デパートにおける売れ筋商品を管理するデータベースシステムである。特に、第4実施例のデータベースシステム1は、顧客の購買傾向を解析し、顧客の購買傾向に合わせた商品宣伝を行うことが可能なデータベースシステムである。
【0183】
以下では、当該データベースシステム1について説明を行うが、第1実施例〜第3実施例と同様の点ついては詳細説明を省略する。
【0184】
<4.1 携帯情報端末>
○ハードウエア;
第4実施例のデータベースシステム1は、第3実施例と同様のハードウエア構成を有している。デパートに入店した顧客には、デパートからの宣伝を受け取るための携帯情報端末601が配布される。デパートからの宣伝は、携帯情報端末601と通信可能なデータベースサーバ602から送信される。ただし、実施例3の場合と異なり、携帯情報端末601とデータベースサーバ602との通信は、公衆電話回線ではなく、無線LANによって行われる。また、第4実施例に係るデータベースシステム1においては、携帯情報端末601にカメラが設けられており、携帯情報端末601が配布された顧客の画像を取得可能である。取得された画像はデータベースサーバ602に送信され、データベースサーバ602を操作するオペレータによって、性別、年齢層、服装の特徴を特定される。特定されたこれらの情報はデータストア130に格納される。また、携帯情報端末601には、顧客の購買行動を把握するためにRFID(Radio Frequency IDentification)タグが内蔵されている。店内のレジにはRFIDタグの検出装置が設置されており、携帯情報端末601を携帯する顧客が購入した商品に関する情報を、RFIDタグによって特定されるIDとともにデータベースサーバ602に送信可能である。
【0185】
○宣伝画面;
携帯情報端末601の液晶モニタ610に表示された宣伝画面900を図42に示す。宣伝画面900には、顧客ごとに最適化された宣伝が実施される。すなわち、図42の宣伝画面900には、お勧め商品と売り場とが顧客ごとに表示されている。顧客はこの宣伝を参考にして買い物を行う。
【0186】
<4.2 データ構造モデル>
データストア130には、デパートの各売り場に陳列されている商品に関する情報を記述した商品データが格納される。商品データは、データストア130に格納されたデータ構造モデル131と整合性を保った状態で保持される。以下では、このデータ構造モデル131について説明する。
【0187】
○商品データ構造;
商品データは、XML文書として記述される。XML文書には、ワンピース・スカート等の商品種類、色合い・形状の商品特徴が商品売り場別に記述されている。記述内容は、図43の階層図に示すデータ構造910を有する。すなわち、商品データセグメント911から派生して売り場セグメント912〜913が設けられ、各売り場セグメントから派生して商品セグメント914〜915が設けられ、各商品セグメントから派生して商品特徴セグメント916〜917が設けられる。商品特徴セグメント916〜917には、商品の特徴に関する情報が具体的に記述される。データベースサーバ602は、商品データから適宜選択した情報を宣伝として携帯情報端末601に送信する。その内容が上述した宣伝画面900である。
【0188】
<4.3 KSDモデルの構築>
第4実施例におけるKSDモデル161には、顧客の属性と購入商品との関係が蓄積される。以下では、その具体的な内容を例示する。これらは、第1実施例〜第3実施例と同様に、ニューラルネットワークを用いて蓄積される。すなわち、顧客の属性を入力、購入商品を出力として、実際の購買行動を教師信号としたニューラルネットワークが用いられる。
【0189】
たとえば、30代で暖色系の服装をした女性客が来店して赤色のセータを購入したとする。この場合、ニューラルネットワークの顧客の属性(女性、30代、暖色系の服装)に対応する入力に対する教師信号として、購買行動(赤色のセータ)を与えて学習させる。したがって、同じ属性を持つ顧客が同じ購買行動を繰り返せば、KSDモデル161には、暖色系の服装をした30代の女性は赤色のセータを購入するという知見が内在される。もちろん、服装や年齢に関係なく多数の女性が赤色のセータを購入すれば、女性は赤色のセータを購入するという知見が内在されることになる。これにより、新たに30代で暖色系の服装をした女性が来店した場合、先述の宣伝画面900に赤色のセータとその売り場所を宣伝することができる。さらに、この顧客の属性と購買行動が流行とともに変化する場合でも、データベースシステム1は流行に対応して適切な宣伝を行うことができる。
【0190】
<4.4 データベース構造の変化>
上述のKSDモデル161に基づいて商品データ構造910を変化させることにより、データベースシステム1は宣伝を高速に表示することが可能になる。たとえば、図44に示すように、各売り場ごとに顧客属性セグメント921を追加して、顧客が購入する確率の高い商品をその下の階層のセグメント922に記述する。
【0191】
<4.5 拡張機能>
第4実施例に係るデータベースシステム1もまた、KSDモデル161を利用してユーザに検索機能以外の拡張機能を提供することが可能である。すなわち、第1実施例〜第3実施例の場合と同様に、蓄積されたKSDモデル161は別の店舗へも適用可能である。これにより、十分なKSDモデル161の蓄積ができない店舗でも適切な宣伝を実行することができる。
【0192】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項9の発明によれば、データ群の具体的な内容に依存しない形で論理モデルを構築する一方、そのデータ群の情報の対象となっている事象群での既知の条件とそれに対応した既知の結果とを結ぶ論理経路の解析結果を論理モデルに反映させることによって、時間とともに継続的に進化してゆく動的な事象に対応可能なデータベースシステムを実現可能である。
【0194】
また、そのような論理モデルに基づいてユーザに対するガイダンスを生成するため、データベースシステムのユーザは、より的確な検索出力を取得可能である。
【0195】
また、請求項5ないし請求項9の発明によれば、特定の事象群に対応する論理モデルをそれ以外の事象群に拡張利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータベースシステム1の基本概念を示す概念的ブロック図である。
【図2】本件発明の実施形態であるデータベースシステム1のハードウエア構成を説明するブロック図である。
【図3】データベースシステム1のサブシステム間の関係を説明するブロック図である。
【図4】トランスレータ140の詳細構成を説明するブロック図である。
【図5】リストラクチャエンジン170の詳細構成を説明するブロック図である。
【図6】データ構造モデルの階層構造を示す階層図である。
【図7】データ構造モデルの階層構造を示す階層図である。
【図8】クエリ構造モデル121の階層構造を示すグラフである。
【図9】データ構造モデル131の階層構造を示すグラフである。
【図10】XML文書に変換前の論文を示す模式図である。
【図11】XML文書に変換前の論文を示す模式図である。
【図12】XML文書201の階層構造を示す階層図である。
【図13】ログイン画面230を示す模式図である。
【図14】検索画面240を示す模式図である。
【図15】検索結果表示画面250を示す模式図である。
【図16】詳細表示画面260を示す模式図である。
【図17】エクゼキュートコンポジション部270の機能を説明するブロック図である。
【図18】ニューラルネットワーク300を説明する模式図である。
【図19】ニューロン310を説明する模式図である。
【図20】ニューロン310の結合加重を変化させるプロセスを説明する図である。
【図21】構造変更プロセスを説明するフローチャートである。
【図22】データ構造320の階層構造を示す階層図である。
【図23】論文の1次キーワードベクトルvkeyと出力信号ベクトルvoを示す図である。
【図24】検索結果表示画面330を示す模式図である。
【図25】XML文書の階層構造を示す階層図である。
【図26】教材データの階層構造を示す階層図である。
【図27】教育成果データの階層構造を示す階層図である。
【図28】生徒特徴データの階層構造を示す階層図である。
【図29】教材問い合わせ画面450を示す模式図である。
【図30】教材表示画面460を示す模式図である。
【図31】教育成果登録画面470を示す模式図である。
【図32】教材データの階層構造を示す階層図である。
【図33】入学時学力と指教材とが教育成果に与える影響を解析する方法を説明するフローチャートである。
【図34】ニューラルネットワークを説明する模式図である。
【図35】第3実施例に係るデータベースシステムのハードウエア構成を説明する模式図である。
【図36】携帯情報端末601の詳細を説明する外観図である。
【図37】定期保全指示画面800を示す模式図である。
【図38】故障修理報告画面810を示す模式図である。
【図39】サービスマニュアルの階層構造を示す階層図である。
【図40】定期保全データの階層構造を示す階層図である。
【図41】故障修理データの階層構造を示す階層図である。
【図42】宣伝画面900を示す模式図である。
【図43】商品データの階層構造を示す階層図である。
【図44】商品データの階層構造を示す階層図である。
【符号の説明】
121 クエリ構造モデル
131 データ構造モデル
230 ログイン画面
240 検索画面
250,330 検索結果表示画面
260 詳細表示画面
300 ニューラルネットワーク
310 ニューロン
450 教材問い合わせ画面
460 教材表示画面
470 教育成果登録画面
601 携帯情報端末
602 データベースサーバ
610 液晶モニタ
611 スタイラス
612 操作スイッチ群
613 アンテナ
800 定期保全指示画面
810 故障修理報告画面
900 宣伝画面

Claims (9)

  1. データベースシステムであって、
    データ群を格納するデータストアと、
    データ検索における論理的指針を前記データ群の具体的データ内容とは独立して表現した論理モデルを保持する論理モデル保持手段と、
    検索要求の入力を受け付ける入力手段と、
    前記検索要求に対応した検索論理を前記論理モデルに基づいて生成し、前記検索論理に従って前記データ群を検索することにより、前記検索要求に対応した検索出力を得る検索論理適用手段と、
    前記データ群の情報の対象となっている事象群での既知の条件とそれに対応した既知の結果とを結ぶ論理経路を解析して前記論理モデルの更新の基礎となる情報である更新情報を生成する生成手段と、
    前記更新情報に応じて前記論理モデルを更新する論理モデル更新手段と、
    を備え、
    前記条件と前記結果との新たな組合せが与えられるごとに当該組合せに対応する論理経路の解析を行い、当該組合せが前記論理モデルには含まれていない組合せであるときには当該組合せの論理経路を追加するように前記論理モデルを修正することによって前記論理モデルを進化させるとともに、
    前記組合せの論理経路を追加した後の前記論理モデルに基づいて特定される情報について、前記データベースシステムのユーザに対して当該情報の利用を推奨する表示形式のガイダンスを生成して、当該ガイダンスを表示装置に表示させる生成手段、
    をさらに備えることを特徴とするデータベースシステム。
  2. 請求項1に記載のデータベースシステムにおいて、
    前記論理モデルが前記データベースシステムのユーザまたはユーザ群と対応づけられて設けられており、
    前記論理モデルの更新が上記の対応づけられたユーザまたはユーザ群ごとに行われることを特徴とするデータベースシステム。
  3. 請求項1に記載のデータベースシステムにおいて、
    前記ガイダンスが、前記データベースシステムの操作に関するガイダンスを含むことを特徴とするデータベースシステム。
  4. 請求項1に記載のデータベースシステムにおいて、
    前記データ群が、前記データベースシステムの外部において生起した事象の情報を蓄積しており、
    前記ガイダンスが、前記事象に関するガイダンスを含むことを特徴とするデータベースシステム。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のデータベースシステムにおいて、
    前記論理モデルが、他のデータベースシステムにエクスポート可能であることを特徴とするデータベースシステム。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のデータベースシステムにおいて、
    前記論理モデルが、他のデータベースシステムからインポート可能であることを特徴とするデータベースシステム。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のデータベースシステムにおいて、
    前記論理モデル保持手段が、複数の論理モデルを保持可能であることを特徴とするデータベースシステム。
  8. 請求項6または請求項7に記載のデータベースシステムにおいて、
    前記複数の論理モデルを結合する結合手段、
    をさらに備えることを特徴とするデータベースシステム。
  9. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のデータベースシステムにおいて、
    前記論理モデルが複数のデータ群に適用可能であることを特徴とするデータベースシステム。
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