JP6601832B2 - シールガス供給制御方法、シールガス供給制御装置、回転機械 - Google Patents
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Description
この発明に係るシールガス供給制御方法は、ケーシング内に回転可能な回転軸と、前記回転軸と一体に回転するインペラとを有する遠心圧縮機における前記ケーシングの内部と外部とをシールガスによってシールするドライガスシール部に対するシールガス供給制御方法であって、前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの内部側の圧力である機内圧力と前記ドライガスシール部に対する前記シールガスの供給圧力との差圧を検知するステップと、検知した前記機内圧力と前記供給圧力との差圧に基づいて、前記ドライガスシール部の内部に前記シールガスを供給するシールガス供給弁の開度を調整するステップと、前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの外部側で前記ドライガスシール部から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部の圧力を検知するステップと、を備え、検知した前記ベント圧力と前記シールガスの前記供給圧力との差圧が所定の閾値未満となるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させる。
を備え、検知した前記ベント圧力が、所定の閾値を超えるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させる
このように構成することで、ベント圧力とシール供給圧力との差圧を検出することなく、ベント圧力が所定の閾値を超えさえすれば、シールガス供給弁が全開となる。
また、この発明に係るシールガス供給制御装置は、ケーシング内に回転可能な回転軸と、前記回転軸と一体に回転するインペラとを有する遠心圧縮機における前記ケーシングの内部と外部とをシールガスによってシールするドライガスシール部に対するシールガス供給制御装置であって、前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの内部側の圧力である機内圧力と前記ドライガスシール部に対する前記シールガスの供給圧力との差圧を検知するシールガス差圧検知手段と、検知した前記機内圧力と前記供給圧力との差圧に基づいて、前記ドライガスシール部の内部に前記シールガスを供給するシールガス供給弁の開度を調整するシールガス圧調整手段と、前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの外部側で前記ドライガスシール部から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部の圧力を検知するベント圧力検知手段と、を備え、検知した前記ベント圧力が、所定の閾値を超えるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させる。
また、この発明に係る回転機械は、ケーシングの内外を貫通し、回転自在に設けられた回転軸と、前記回転軸と一体的に回転する回転環と、前記ケーシングに設けられ、前記回転軸の停止時に前記回転環と全周で突き当たり、前記回転軸の回転時に前記回転環との間にシール隙間を形成する静止環と、前記シール隙間に対しシールガスを供給するシールガス供給路と、前記回転環および前記静止環に対して前記ケーシングの外部側で前記シール隙間から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部と、前記シールガス供給路における前記シールガスの供給圧力を調整するシールガス供給弁と、前記シールガス供給弁の開度を調整する制御部と、を備え、前記制御部は、前記シール隙間から排出される前記シールガスを外部に放出するベント圧力を検知し、検知した前記ベント圧力が、所定の閾値を超えるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させる。
(第一実施形態)
図1は、本実施形態における回転機械の一例としての遠心圧縮機の構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の回転機械である遠心圧縮機(回転機械)10は、遠心圧縮機10を回転させる駆動機11と同軸上で接続されている。遠心圧縮機10は、ドライガスシール部60と配管で接続されている。遠心圧縮機10は、駆動機11やシールガス圧力調整部(シールガス供給制御装置)80Aとともに台板1上に配置されている。
図2に示すように、ドライガスシール部60は、回転環61と、静止環62と、機内側ラビリンスシール63と、を備える。
遠心圧縮機10が運転している回転軸30の回転時では、シールガスを、シールガス供給路72を介してシールガス供給ポート71からケーシング20の軸挿通孔20hと回転軸30との間の空間である供給部Cに導入する。遠心圧縮機10が作動し、回転軸30が回転すると、回転環61の表面61fに形成された螺旋状の溝により、回転環61の外周側から回転環61と静止環62との間にシールガスが導入される。このシールガスの圧力により、静止環62が、コイルバネ68の付勢力に抗して回転軸30の軸方向に沿って機外B側に押圧されると、回転環61と静止環62との間に微少なシール隙間Sが形成される。シールガスは、シール隙間Sを通り、機外B側に向かって流れる。このようにして、機内A側から機外B側に向けてシールガスを流すことで、回転軸30とケーシング20との間のシールがなされる。
シールガス圧力調整部80Aは、機内圧差圧計(シールガス差圧検知手段)81と、ベント圧差圧計(ベント圧力検知手段)82と、圧力調整弁(シールガス供給弁)83と、制御部(シールガス圧調整手段)84と、を備える。
ベント圧差圧計82は、ベント部74内におけるベント圧力P3と供給圧力P2との差圧であるベント差圧PDT2(=P2−P1)を検出する。
この図3に示すように、制御部84は、シール隙間Sから排出されるシールガスをベント部74からフレア75を介して外部に放出するベント圧力P3を検知し、検知したベント圧力P3が所定の条件を満たしたとき、圧力調整弁83を全開させる。第一実施形態の制御部84では、所定の条件として、ベント差圧PDT2が所定の閾値未満となる場合に、圧力調整弁83を全開させる。制御部84は、遠心圧縮機10が作動したら、機内圧差圧計81で検出した機内差圧PDT1と、ベント圧差圧計82で検出したベント差圧PDT2とを取得する(ステップS101)。
判定の結果、ベント差圧PDT2が、予め定めた設定値を越えた場合、そのまま運転を続行し、次に処理を実行する。
また、ベント差圧PDT2が、予め定めた設定値未満であれば、圧力調整弁83の開度を全開にする(ステップS103)。
その結果、機内差圧PDT1が、予め定めた下限閾値以上であり、シールガスの供給圧力P2が、機内A側の機内圧力P1よりも十分に高ければ、圧力調整弁83の開度は変動させず、そのまま運転を続行する。
なおここで、機内差圧PDT1が予め定めた下限閾値未満であった場合に、圧力調整弁83の開度を増大させるが、その開度の変化量は、例えば機内差圧PDT1の大きさに応じて予め定めた設定開度変化量としてもよいし、一回の演算ごとに、圧力調整弁83の開度を一定量だけ増大させるようにしてもよい。
その結果、機内差圧PDT1が予め定めた上限閾値を越えていた場合、シールガスの供給圧力P2が、機内A側の機内圧力P1よりも高くなりすぎており、機内Aに流れ込むシールガス流量が増え、遠心圧縮機10で圧縮する作動流体の流量が減少してしまう。そこで、制御部84は、機内差圧PDT1に基づいて圧力調整弁83の開度を減少させる(ステップS107)。
また、ステップS106で機内差圧PDT1が、予め定めた上限閾値未満であれば、圧力調整弁83の開度は変動させず、そのまま運転を続行し、上記処理を繰り返し実行する。
次に、本発明にかかるシールガス供給制御方法、シールガス供給制御装置、回転機械の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の遠心圧縮機10は、上記第1の実施形態と同様の構成を有している。図1に示したように、遠心圧縮機10の回転軸30の吸込口23側の端部には、ケーシング20との間に、ドライガスシール部60が設けられている。図4に示すように、ドライガスシール部60は、回転環61と、静止環62と、機内側ラビリンスシール63と、を備える。
遠心圧縮機10が運転している状態では、回転環61の表面61fに形成された螺旋状の溝により、回転環61の外周側から回転環61と静止環62との間にシールガスが導入される。このシールガスの圧力により、静止環62が回転軸30の軸方向に沿って機外B側に押圧されると、回転環61と静止環62との間に微少なシール隙間Sが形成される。このシールガスは、シール隙間Sを通り、機外B側に向かって流れる。
シールガス圧力調整部80Bは、機内圧差圧計81と、ベント圧センサ(ベント圧力検知手段)85と、圧力調整弁83と、制御部(シールガス圧調整手段)86と、を備える。
ベント圧センサ85は、ベント部74内におけるベント圧力P3を検出する。
この図5に示すように、第二実施形態の制御部84では、所定の条件として、ベント圧力P3が所定の閾値を超える場合に、圧力調整弁83を全開させる。制御部84は、遠心圧縮機10が作動したら、機内圧差圧計81で検出した機内差圧PDT1と、ベント圧センサ85で検出したベント圧力P3とを取得する(ステップS201)。
判定の結果、ベント圧力P3が、予め定めた設定値未満であれば、そのまま運転を続行し、次の処理を実行する。
また、ベント圧力P3が、予め定めた設定値を越えた場合、圧力調整弁83の開度を全開にする(ステップS203)。
その結果、機内差圧PDT1が、予め定めた下限閾値以上であり、シールガスの供給圧力P2が、機内A側の機内圧力P1よりも十分に高ければ、圧力調整弁83の開度は変動させず、そのまま運転を続行する。
その結果、機内差圧PDT1が予め定めた上限閾値を越えていた場合、シールガスの供給圧力P2が、機内A側の機内圧力P1よりも高すぎ、機内Aに流れ込むシールガス流量が増え、遠心圧縮機10で圧縮する作動流体の流量が減少してしまう。そこで、制御部86は、圧力調整弁83の開度を減少させる(ステップS207)。
また、ステップS206で機内差圧PDT1が、予め定めた上限閾値未満であれば、圧力調整弁83の開度は変動させず、そのまま運転を続行し、上記処理を繰り返し実行する。
なお、本発明のシールガス供給制御方法、シールガス供給制御装置、回転機械は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
また、ドライガスシール部60の構成は、適宜変更することが可能である。
これ以外にも、例えば遠心圧縮機10の全体構成は、いかなる構成であってもよい。
20 ケーシング
20a 一端部
20b 他端部
20h 軸挿通孔
21 内部空間
22 リング部材
23 吸込口
24 排出口
25,26 支持孔
27 ジャーナル軸受
28 スラスト軸受
29 インペラ収容部
29a,29b 凹部
30 回転軸
30a 一端側
40 インペラ
41 ディスク部
42 ブレード部
43 カバー部
50 ケーシング側流路
51 ディフューザ部
52 リターンベンド部
53 戻り流路
55 インペラ側流路
60 ドライガスシール部
61 回転環
61f 表面
62 静止環
63 機内側ラビリンスシール
65 シャフトスリーブ
65a 端部
66 ホルダー部
66a 保持凹部
67 リテーナ
67a 保持凹部
68 コイルバネ
71 シールガス供給ポート
72 シールガス供給路
73 フレア排出ポート
74 ベント部
75 フレア
80A、80B シールガス圧力調整部(シールガス供給制御装置)
81 機内圧差圧計(シールガス差圧検知手段)
82 ベント圧差圧計(ベント圧力検知手段)
83 圧力調整弁(シールガス供給弁)
84 制御部(シールガス圧調整手段)
85 ベント圧センサ(ベント圧力検知手段)
86 制御部(シールガス圧調整手段)
A 機内
B 機外
G ガス
O 中心軸
P1 機内圧力
P2 供給圧力
P3 ベント圧力
PDT1 機内差圧
PDT2 ベント差圧
S 隙間
Claims (6)
- ケーシング内に回転可能な回転軸と、前記回転軸と一体に回転するインペラとを有する遠心圧縮機における前記ケーシングの内部と外部とをシールガスによってシールするドライガスシール部に対するシールガス供給制御方法であって、
前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの内部側の圧力である機内圧力と前記ドライガスシール部に対する前記シールガスの供給圧力との差圧を検知するステップと、
検知した前記機内圧力と前記供給圧力との差圧に基づいて、前記ドライガスシール部の内部に前記シールガスを供給するシールガス供給弁の開度を調整するステップと、
前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの外部側で前記ドライガスシール部から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部の圧力を検知するステップと、
を備え、
検知した前記ベント圧力と前記シールガスの前記供給圧力との差圧が所定の閾値未満となるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させるシールガス供給制御方法。 - ケーシング内に回転可能な回転軸と、前記回転軸と一体に回転するインペラとを有する遠心圧縮機における前記ケーシングの内部と外部とをシールガスによってシールするドライガスシール部に対するシールガス供給制御方法であって、
前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの内部側の圧力である機内圧力と前記ドライガスシール部に対する前記シールガスの供給圧力との差圧を検知するステップと、
検知した前記機内圧力と前記供給圧力との差圧に基づいて、前記ドライガスシール部の内部に前記シールガスを供給するシールガス供給弁の開度を調整するステップと、
前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの外部側で前記ドライガスシール部から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部の圧力を検知するステップと、
を備え、
検知した前記ベント圧力が、所定の閾値を超えるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させるシールガス供給制御方法。 - ケーシング内に回転可能な回転軸と、前記回転軸と一体に回転するインペラとを有する遠心圧縮機における前記ケーシングの内部と外部とをシールガスによってシールするドライガスシール部に対するシールガス供給制御装置であって、
前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの内部側の圧力である機内圧力と前記ドライガスシール部に対する前記シールガスの供給圧力との差圧を検知するシールガス差圧検知手段と、
検知した前記機内圧力と前記供給圧力との差圧に基づいて、前記ドライガスシール部の内部に前記シールガスを供給するシールガス供給弁の開度を調整するシールガス圧調整手段と、
前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの外部側で前記ドライガスシール部から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部の圧力を検知するベント圧力検知手段と、を備え、
検知した前記ベント圧力と前記シールガスの前記供給圧力との差圧が所定の閾値未満となるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させるシールガス供給制御装置。 - ケーシング内に回転可能な回転軸と、前記回転軸と一体に回転するインペラとを有する遠心圧縮機における前記ケーシングの内部と外部とをシールガスによってシールするドライガスシール部に対するシールガス供給制御装置であって、
前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの内部側の圧力である機内圧力と前記ドライガスシール部に対する前記シールガスの供給圧力との差圧を検知するシールガス差圧検知手段と、
検知した前記機内圧力と前記供給圧力との差圧に基づいて、前記ドライガスシール部の内部に前記シールガスを供給するシールガス供給弁の開度を調整するシールガス圧調整手段と、
前記ドライガスシール部に対して前記ケーシングの外部側で前記ドライガスシール部から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部の圧力を検知するベント圧力検知手段と、を備え、
検知した前記ベント圧力が、所定の閾値を超えるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させるシールガス供給制御装置。 - ケーシングの内外を貫通し、回転自在に設けられた回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転する回転環と、
前記ケーシングに設けられ、前記回転軸の停止時に前記回転環と全周で突き当たり、前記回転軸の回転時に前記回転環との間にシール隙間を形成する静止環と、
前記シール隙間に対しシールガスを供給するシールガス供給路と、
前記回転環および前記静止環に対して前記ケーシングの外部側で前記シール隙間から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部と、
前記シールガス供給路における前記シールガスの供給圧力を調整するシールガス供給弁と、
前記シールガス供給弁の開度を調整する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記シール隙間から排出される前記シールガスを外部に放出するベント圧力を検知し、検知した前記ベント圧力と前記シールガスの前記供給圧力との差圧が所定の閾値未満となるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させる回転機械。 - ケーシングの内外を貫通し、回転自在に設けられた回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転する回転環と、
前記ケーシングに設けられ、前記回転軸の停止時に前記回転環と全周で突き当たり、前記回転軸の回転時に前記回転環との間にシール隙間を形成する静止環と、
前記シール隙間に対しシールガスを供給するシールガス供給路と、
前記回転環および前記静止環に対して前記ケーシングの外部側で前記シール隙間から排出される前記シールガスを外部に放出するベント部と、
前記シールガス供給路における前記シールガスの供給圧力を調整するシールガス供給弁と、
前記シールガス供給弁の開度を調整する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記シール隙間から排出される前記シールガスを外部に放出するベント圧力を検知し、検知した前記ベント圧力が、所定の閾値を超えるという条件を満たしたとき、前記シールガス供給弁を全開させる回転機械。
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