JP6601590B1 - 放射線検出器の製造方法および放射線検出器の製造装置 - Google Patents

放射線検出器の製造方法および放射線検出器の製造装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、簡便かつ精度良くアライメントを行い、輝度や解像度、また、シンチレータの利用効率を高めることのできる放射線検出器の製造装置および製造方法を提供することを課題とし、撮像手段によって取得された情報に基づいて発光体パネルに形成された格子状の隔壁および光電変換パネルに形成された光電変換素子に下記を満たす基準点を少なくとも2つ設定し、当該基準点の情報を利用した演算を行い、演算結果に基づいて発光体パネルおよび/または光電変換パネルが載置された架台を稼働させる位置調整工程を実行しての放射線検出器の製造、および、これを可能足らしむ装置を提供することを本旨とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、医療診断装置、非破壊検査装置等に用いられる放射線検出器の製造方法およびその製造装置に関する。
従来、医療現場において、フィルムを用いたX線画像が広く用いられてきた。しかし、フィルムを用いたX線画像はアナログ画像情報であるため、近年、コンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)や平板X線検出装置(flat panel detector:FPD)等のデジタル方式の放射線検出装置が開発されている。
FPDにおいては、放射線を可視光に変換する発光体パネルであるシンチレータパネルが使用される。シンチレータパネルは、ヨウ化セシウム(CsI)等のX線蛍光体を含み、照射されたX線に応じて、該X線蛍光体が可視光を発光して、その発光をTFT(thin film transistor)やCCD(charge−coupled device)で電気信号に変換することにより、X線の情報をデジタル画像情報に変換する。しかしながら、FPDは、画像解像度が低いという問題があった。これは、X線蛍光体が発光する際に、蛍光体自体によって、可視光が散乱してしまうこと等に起因する。この光の散乱の影響を小さくするために、隔壁で仕切られたセル内に蛍光体を充填する方法が提案されてきた(特許文献1〜4)。
しかしながら、そのような隔壁を形成するための方法としては、シリコンウェハをエッチング加工する方法が知られているが、この方法では、形成できるシンチレータパネルのサイズがシリコンウェハのサイズによって限定され、500mm角のような大サイズのものを得ることはできなかった。一方で、ガラス粉末含有ペーストを用いて、アルカリ金属酸化物を2〜20質量%含有する低軟化点ガラスを主成分とする隔壁を大面積に高精度で加工してシンチレータパネルを製造する技術も知られている(特許文献4)。
特開平5−60871号公報 特開平5−188148号公報 特開2011−7552号公報 国際公開WO2012/161304パンフレット
隔壁によりセル構造を構成したシンチレータパネルの利点を最大限発揮させるためにはシンチレータパネルに対向する受光基板に配列された光電変換素子の各素子と格子状の隔壁により形成された画素をズレなく位置合わせして貼り合わせることが重要となる。隔壁の開口部すなわちシンチレーションによる発光部分と光電変換素子の位置ズレが生じると受光エリアに発光しない隔壁が存在することになり、受光効率が低下する。また、隣接する光電変換素子に発光光が漏れこむため本来の画像鮮鋭度が得られないといった弊害を生じる。これを避けるためシンチレータパネルと光電変換素子をアライメントして正確に貼りわせる技術が必要となる。このためにそれぞれ表示領域外にアライメントマークを設け、これを同軸上で一致させて貼り合わせる手法が用いられることがある。
しかしながら、表示領域の画素と高精度に位置関係を保ったアライメントマークを形成するにはフォトリソ法などに手法が限定され、加工法に制約が生じる。また、隔壁の厚みが厚い場合はマーク同士の間隔が離れた状態でアライメントする必要があり、カメラの光軸ズレの影響を受け、アライメントの精度が低下する。貼り合わせた後に位置ズレを確認することができないことも課題である。
また、アライメントマークを用いずに位置合わせする手法としてセル構造の1部に蛍光体および基材を有さない貫通隔壁部を設け、この貫通隔壁を通して光電変換素子をカメラで視認し、アライメントする手法もある。この場合、貫通隔壁部分が非表示領域となってしまい放射線検出器の有効面積が小さくなってしまう課題があった。
そこで、本発明は簡便かつ精度良くアライメントを行い、輝度や解像度、また、シンチレータの利用効率を高めることのできる放射線検出器の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
この課題は次の技術手段の何れかによって達成することができる。
(1)シート状の基材上に同一ピッチでマトリクス状に形成された格子状の隔壁(係る格子状の隔壁によって区画されたセルがマトリクス状に配列されている領域を隔壁形成領域という)と該格子状の隔壁で囲まれたセルに放射線の照射によって可視光を発光する材料が配置されている発光体パネル(前記セル内に前記発光材料が配置された構成を単に画素という)を第1の架台上に載置する工程、
シート状の透明基材上に可視光を検出する光電変換素子が同一ピッチでマトリクス状に配列(係る光電変換素子がマトリクス状に配列されている領域を素子形成領域という)されている光電変換パネルを第2の架台上に載置する工程、
前記第1の架台上の発光体パネルの隔壁が設けられた側の面から隔壁が含まれるように少なくとも2箇所を撮像する第1の撮像工程、
前記第2の架台上の光電変換パネルの光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から透明基材を介して、または光電変換素子が設けられた面の側から、光電変換素子が含まれるように少なくとも2箇所を撮像する第2の撮像工程、
前記第1の撮像工程および第2の撮像工程で撮像した発光体パネル及び光電変換パネルの像に基づいて演算処理を行う第1の演算処理工程、
前記第1の演算処理の結果に基づいて、前記第1の架台および/または第2の架台を稼働させて前記発光体パネルと前記光電変換パネルを対向位置に平行に配置せしめる第1の位置調整工程、および、
水平面での相対位置を保ったまま前記発光体パネルと前記光電変換パネルを重ね合わせて貼り合わせる貼り合わせ工程、を有する放射線検出器の製造方法であって、
ここで、前記隔壁で区画されたセルのピッチと前記光電変換素子のピッチは、発光体パネルにあっては隔壁で区画されたセルが、光電変換パネルにあっては光電変換素子が配列する、対向配置時に重なり合う少なくとも2つの方向で等しいか一方が他方の整数倍の関係にあり、
前記第1の撮像工程と前記第2の撮像工程で撮像される領域は、前記2つの方向が対向配置時に重なり合うよう配置されたときには対向位置にあり、かつ、隔壁形成領域内または素子形成領域内での配置情報が既知である画素または素子が含まれている、隔壁形成領域および素子形成領域の各々で少なくとも2つの領域であり、
前記第1の演算工程は、
a)各撮像領域において画素または光電変換素子を選択する工程、但し、選択される格子または光電変換素子の相対的な配置情報は一致させるものとする。
b)選択された画素または光電変換素子内に基準点を設定する工程、但し、基準点の格子または光電変換素子内における絶対的な位置は一致させるものとする。
c)各対向する領域における基準点間の距離の和が最小となるように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算する工程、
を含むことを特徴とする放射線検出器の製造方法。
(2)第1の位置調整の後、貼り合わせ工程よりも前に、
前記光電変換パネルの光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から光電変換素子および発光体パネル上の隔壁を撮像する第3の撮像工程、
前記第3の撮像工程で撮像された光電変換素子の像および隔壁の像に基づいて演算処理を行う第2の演算処理工程、
前記第2の演算処理工程の演算結果に基づき前記第1の架台および/または第2の架台を稼働させて前記発光体パネルと前記光電変換パネルの相対位置を調整する第2の位置調整工程、を含み、
前記第2の演算処理工程は隔壁の像と光電変換素子の列間の像のズレ量を検出してそのズレ量を最小化するように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算することを特徴とする、前記(1)記載の放射線検出器の製造方法。
(3)前記貼り合わせ工程は、粘着シートを介し、前記発光体パネルと前記光電変換パネルとを弾性ローラーまたはパッドを用いて加圧することにより貼り合わせが行われる前記(1)または(2)記載の放射線検出器の製造方法。
(4)弾性ローラーまたはパッドを用いての加圧が減圧雰囲気下で行われることを特徴とする前記(3)記載の放射線検出器の製造方法。
(5)前記貼り合わせ工程は、熱または紫外線により硬化する接着剤を介し、前記発光体パネルと前記光電変換パネルとの貼り合わせが行われる前記(1)または(2)記載の放射線検出器の製造方法。
(6)第1のパネルを載置する第1の架台、
第2のパネルを載置する第2の架台、
撮像時には前記第1の架台に対向配置され、また、前記第2の架台の背面側に配置されて前記第1のパネルおよび第2のパネルを撮像する第1の撮像デバイス、
前記第1の撮像デバイスにより撮像した第1のパネルおよび第2のパネルの像に基づいて演算処理を行う演算手段、
前記第1の演算処理の結果に基づいて、前記第1の架台および/または第2の架台を稼働させて前記第1のパネルと前記第2のパネルを対向位置に平行に配置せしめる位置調整手段、および、
水平面での相対位置を保ったまま前記第1のパネルと前記第2のパネルを重ね合わせて貼り合わせる貼り合わせ手段、を有するパネルの貼り合わせ装置であって、
前記第2の架台は前記第2のパネルが第1の撮像装置によって観察可能に構成されており、
前記第1のパネルがシート状の基材上に同一ピッチでマトリクス状に形成された格子状の隔壁と該格子状の隔壁で囲まれたセルに放射線の照射によって可視光を発光する材料が配置されている発光体パネル(前記セル内に前記発光材料が配置された構成を単に画素という)であり、前記第2のパネルがシート状の透明基材上に可視光を検出する光電変換素子が同一ピッチでマトリクス状に配列されている光電変換パネルであり、前記隔壁で区画されたセルのピッチと前記光電変換素子のピッチは、対向配置時に重なり合う少なくとも2つの方向で等しいか一方が他方の整数倍の関係にあり、前記第1の撮像デバイスにより撮像される発光体パネルおよび光電変換パネルの領域は、前記2つの方向が対向配置時に重なり合うよう配置されたときには対向位置にあり、かつ、配置情報が既知である画素または素子が含まれている領域であったときには、
A.前記第1の撮像デバイスは、前記第1のパネルの隔壁が含まれるように少なくとも2箇所、また、前記第2の架台の背面側から光電変換パネルの光電変換素子が含まれるように少なくとも2箇所撮像可能とされ、かつ、
B.前記演算手段は、入力された撮像データを用いて、少なくとも、
a)各撮像領域において画素または光電変換素子を選択し(但し、選択される格子または光電変換素子の相対的な配置情報は一致させるものとする。)、
b)選択された画素または光電変換素子内に基準点を設定し(但し、基準点の格子または光電変換素子内における絶対的な位置は一致させるものとする。)、
c)各対向する領域における基準点間の距離の和が最小となるように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算して、出力するものである
ことを特徴とする放射線検出器の製造装置。
(7)第1のパネルを載置する第1の架台、
第2のパネルを載置する第2の架台、
前記第1の架台に対向配置され、前記第1のパネルを撮像する第1の撮像デバイス、
前記第2の架台に対向配置され、第2のパネルを撮像する第2の撮像デバイス、
前記第1の撮像デバイスおよび第2の撮像デバイスにより撮像した第1のパネルおよび第2のパネルの像に基づいて演算処理を行う演算手段、
前記演算処理の結果に基づいて、前記第1の架台および/または第2の架台を稼働させて前記第1のパネルと前記第2のパネルを対向位置に平行に配置せしめる位置調整手段、および、
水平面での相対位置を保ったまま前記第1のパネルと前記第2のパネルを重ね合わせて貼り合わせる貼り合わせ手段、を有するパネルの貼り合わせ装置であって、
前記第1のパネルがシート状の基材上に同一ピッチでマトリクス状に形成された格子状の隔壁と該格子状の隔壁で囲まれたセルに放射線の照射によって可視光を発光する材料が配置されている発光体パネル(前記セル内に前記発光材料が配置された構成を単に画素という)であり、前記第2のパネルがシート状の透明基材上に可視光を検出する光電変換素子が同一ピッチでマトリクス状に配列されている光電変換パネルであり、前記隔壁で区画されたセルのピッチと前記光電変換素子のピッチは、対向配置時に重なり合う少なくとも2つの方向で等しいか一方が他方の整数倍の関係にあり、
前記第1の撮像デバイスおよび第2の撮像デバイスにより撮像される発光体パネルおよび光電変換パネルの領域は、前記2つの方向が対向配置時に重なり合うよう配置されたときには対向位置にあり、かつ、配置情報が既知である画素または素子が含まれている領域であったときには、
A.前記第1の撮像デバイスは、前記第1のパネルの隔壁が含まれるように少なくとも2箇所、前記第2の撮像デバイスは、光電変換パネルの光電変換素子が含まれるように少なくとも2箇所撮像可能とされ、かつ、
B.前記演算手段は、入力された撮像データを用いて、少なくとも、
a)各撮像領域において画素または光電変換素子を選択し(但し、選択される格子または光電変換素子の相対的な配置情報は一致させるものとする。)、
b)選択された画素または光電変換素子内に基準点を設定し(但し、基準点の格子または光電変換素子内における絶対的な位置は一致させるものとする。)、
c)各対向する領域における基準点間の距離の和が最小となるように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算して、出力するものであることを特徴とする放射線検出器の製造装置。
(8)前記貼り合わせ手段は、前記第1のパネルと前記第2のパネルとを加圧する弾性ローラーまたはパッドを有する前記(6)または(7)記載の放射線検出器の製造装置。
本発明によれば隔壁で形成されるセル構造を有するシンチレータパネルと光電変換パネルを互いの画素を高精度に一致させて貼り合わせることができる。また、専用のアライメントマークを設けなくとも互いの画素同士をアライメントして貼り合わせることができるとともに光電変換素子の画素全面を放射線検出器の有効表示エリアとして利用することができる。
シンチレータパネルと光電変換パネルの配置関係を模式的に表した斜視図である。 シンチレータパネルと光電変換パネルの構成を模式的に表した正面図である。 シンチレータパネルと光電変換パネルの配置関係を模式的に表した断面図である。 シンチレータパネルと光電変換パネルにおける基準点の設定を説明するための正面図である。 アライメントおよび貼り合わせ装置の例を示す外観図である。 本発明によるアライメントおよび貼り合わせの工程の例を視覚的に説明するフロー図である。
以下、図を用いて本発明について説明するが、本発明はこの図に示された態様に限定して解釈されるものではない。
発光体パネルの発光に用いられる放射線としてはX線、γ線などの電磁放射線とα線、β線、中性子線などの粒子放射線を用いることができるが、なかでもX線が好ましく用いられる。
図1は、発光体パネルであるシンチレータパネルと光電変換パネルの配置関係を模式的に表した斜視図である。シンチレータパネル1は蛍光体を有したシンチレータ層を含み、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、波長が300〜800nmの範囲の電磁波、すなわち、可視光線を中心に、紫外光から赤外光にわたる範囲の電磁波(光)を放射する。光電変換パネル2は透明基板上に光電変換素子が平面的に配列されている。シンチレータパネル1と光電変換パネル2とは接着剤などを介して貼り合わされる。シンチレータパネルと光電変換パネルは一般的にはそれぞれ矩形のシート状であり、また、シンチレータパネルの発光面と光電変換パネルの配列された光電変換素子群は対向するように貼り合わされる。一般的には光電変換パネルの周囲には各素子に接続した電極が引き出し配線として複数ブロックに分けて形成されており、後にFPD化する際にフレキシブル配線部材などを接着して回路基板と接続する。
図2は発光体パネルであるシンチレータパネルと光電変換パネルの構成を模式的に表した正面図である。シンチレータパネル1はシート状の基材3上に、その延在する方向に同一ピッチで、隔壁によって区画されたセルがマトリックス状に形成されており(係る格子状の隔壁によって区画されたセルがマトリクス状に配列されている領域を隔壁形成領域という)、区画されたセル内には蛍光体8が充填されている。ここでセルを延在させる方向としては、例えば、矩形のセルの場合には2方向、正六角形または正三角形のセルの場合には3方向を想定することができるが、セルが延在する全ての方向で同一ピッチであることが望ましいことはいうまでもない。また、光電変換パネル2は透明基板12上に、その延在する方向に同一ピッチで、光電変換素子、この図ではフォトダイオード14とTFT15とからなる、がマトリックス状に形成されている(係る光電変換素子がマトリクス状に配列されている領域を素子形成領域という)。光電変換素子が延在する全ての方向で同一ピッチであることが望ましいことはいうまでもない。
本発明において、前記隔壁で区画されたセルのピッチと前記光電変換素子のピッチは、発光体パネルにあっては隔壁で区画されたセルが、光電変換パネルにあっては光電変換素子が配列する、対向配置時に重なり合う少なくとも2つの方向で等しいか一方が他方の整数倍の関係にある。例えば、発光体パネル上の隔壁によって区画されたセルと光電変換パネル上の光電変換素子とが、その形状及び大きさにおいて同じであり、かつ、同一パターンで配列されている場合には隔壁で区画されたセルが延在する及び光電変換素子が延在する全ての方向で一致させることができ、また、1つの延在方向において一方のピッチが他方のピッチの整数倍である場合には複数個のセルまたは光電変換素子が1つの光電変換素子またはセルに対応させることができる。このような方向を少なくとも2つとることで、平面的に隔壁で区画されたセルと光電変換素子の対応関係を構築することができる。
典型的な例としては、図2に示すとおり、隔壁で区画されたセルと光電変換素子は共に矩形であり、かつ、その形状および大きさは同一である。また、そのようにすることが基板の利用効率を高め、また、蛍光等の発光から光電変換に到る効率を高めることが可能であるので好ましい。ここで、隔壁の幅と光電変換素子間の距離は必ずしも一致させる必要は無く、隔壁で区画されたセルおよび光電変換素子の大きさは隔壁の中央線、光電変換素子間の間隙の中央線で囲まれるものとして理解することができる。隔壁の幅と光電変換素子間の距離は等しいか後者の方が短いことが発光される光の利用効率を高める上では好ましい。
光電変換パネルは透明基板上に光電変換素子が形成されているため素子形成領域より外側は光を透過することができる。また、パネルの裏面からも光電変換素子を観察することができる。
図3は図1のa-b方向断面図である。この例によるシンチレータパネル1は平板状の基材3と隔壁6を含むシンチレータ層とを接着層4を介して貼り合わせた構成となっている。隔壁6により区画された空間でセル構造を形成し、セル内に蛍光体8が充填されている。隔壁6の表面には反射層7が形成されており、隔壁6と接着層4の間には隔壁補強層5が設けられている。シンチレータパネル1と光電変換パネル2は透明接着層9によって接着されている。光電変換パネル2は、透明基板12上に光電変換素子10と出力層11を2次元状に配列されてなり、電源部13に接続される。放射線により発光した光が光電変換素子10に到達すると、出力層11を通じて電気信号が出力される。図3に示すようにこのシンチレータパネルは隔壁の格子でシンチレータの画素を形成しており、画素ピッチは隣り合う隔壁の間隔である隔壁ピッチとなる。この隔壁ピッチを光電変換素子10により形成される素子のピッチと同一寸法で設計することでパネル内の画素同士を1対1対応させて貼り合わせることができる。これにより、放射線で発光した光が隣接する画素に拡散することなく各セルに対応する光電変換素子に伝達させることができ、高鮮鋭度の画像が得られる。図示しないが画素ピッチの関係を一方が他方の整数倍にすることもできる。一般的に画素ピッチが小さいほど高鮮鋭度の画像を得ることができるが、明るさの指標である感度は低くなる。例えば光電変換素子の画素ピッチの整数倍となる隔壁ピッチを設計して貼り合わせることで鮮鋭度は同一ピッチよりも劣るが感度の高いパネルを作製することもできる。
以下に本発明に使用する発光体パネルであるシンチレータパネル1の製造方法の一例を記載する。平板上のガラス基板などの基材表面にスクリーン印刷法などを用いてガラス粉末含有ペーストAを一面に塗布、乾燥し塗布膜Aを得る。塗布膜A上にガラス粉末含有ペーストBをスクリーン印刷法などを用いて一面に塗布、乾燥し塗布膜Bを得る。塗布膜Bは塗布膜Aを完全に覆い隠すように形成することが好ましい。これらを焼成し、有機成分を除去する。ガラス粉末含有ペーストAは焼成温度以上の融点を持つ無機粉末を主成分とし、ガラス粉末含有ペーストBは焼成温度以下の融点を持つ低融点ガラス粉末を主成分とすることで、焼成により塗布膜Aは非焼結層、これを覆う塗布膜Bは焼結層とすることができる。塗布膜Aを非焼結層とすることで後工程にて実施する層剥離のための剥離補助層とすることができる。焼結層である塗布膜Bは強固であるため格子状の隔壁を安定形成するための隔壁補強層5とすることができる。塗布膜B上にスリットダイコーターなどを用いてガラス粉末含有ペーストCをシート状に塗布、乾燥し塗布膜Cを得る。塗布膜Cをフォトリソ法などでパターン加工して格子状の隔壁パターンを得る。これを焼成し、有機成分を除去することで隔壁6を得る。形成した隔壁の表面を覆うように反射層7を形成し、さらに隔壁で区画されたセル内部に蛍光体8を充填する。次に基材の塗布膜Aを含む隔壁パターンの外周部をカットすることで剥離補助層である塗布膜Aを起点として基材と塗布膜Bで形成した隔壁補助層より上のシンチレータ層を剥離することができる。これをフィルムなど放射線吸収の小さい材料からなる基材3に接着層4を用いて貼り合わせることでシンチレータパネル1を製造することができる。
本発明の放射線検出器の製造方法においては、次の各工程が含まれている。
(1)発光体パネルを第1の架台上に載置する工程
(2)光電変換パネルを第2の架台上に載置する工程
(3)第1の架台上のシンチレータパネルの隔壁が設けられた側の面から隔壁が含まれるように少なくとも2箇所を撮像する第1の撮像工程
(4)第2の架台上の光電変換パネルの光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から透明基材を介して、または光電変換素子が設けられた面の側から、光電変換素子が含まれるように少なくとも2箇所を撮像する第2の撮像工程
(5)第1の撮像工程および第2の撮像工程で撮像した発光体パネル及び光電変換パネルの像に基づいて演算処理を行う第1の演算処理工程
(6)第1の演算処理の結果に基づいて、第1の架台または第2の架台を稼働させて発光体パネルと光電変換パネルを対向位置に平行に配置する第1の位置調整工程
(7)水平面での相対位置を保ったまま発光体パネルと光電変換パネルを重ね合わせて貼り合わせる工程。
本発明において、発光体パネルおよび光電変換パネルはそれぞれ好ましく水平方向、高さ方向、回転軸方向に稼働可能な架台の上に載置され、その相対的位置を調整可能としている。なお、両架台は発光体パネルおよび光電変換パネルの相対位置の調整が可能であれば十分である。また、載置前に予め発光体パネルと光電変換パネルとが貼り合わされるパネルの向きを一致させるよう載置することは余計な架台の稼働を避ける上で好ましい。
次に、第1の撮像工程と第2の撮像工程で撮像される領域は、パネルを重ね合わせた際に対向位置にあり、かつ、隔壁形成領域内または素子形成領域内での配置情報が既知である、すなわち実物から画素または素子の情報が取得可能である、画素または素子が含まれている少なくとも2つの領域である必要がある。後述する第1の演算工程では撮像された領域内において基準点の設定を行うが、撮像された領域が対向する配置となるよう選択されていることによって、当該対向する領域内の基準点間の距離の最小化演算の結果に基づく発光体パネルと光電変換パネルとの位置合わせ精度を高めることが可能である。
第1の撮像工程および第2の撮像工程に用いる撮像デバイスには特に制限は無いが、CCDカメラが一般的である。また、第2の撮像工程においては光電変換パネルが透明の基材を用いて作製されているので、光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から透明基材を介しての撮像も可能であり、また、光電変換素子が設けられた面の側からの撮像も可能であるが、同じカメラを用いての撮像が可能となることから光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から透明基材を介しての撮像を行うことが望ましい。
次に、第1の演算工程について、本発明を容易に理解できるよう発光体パネル上の隔壁で区画されたセルと光電変換パネル上の光電変換素子が同じ大きさの正方形で形成されている例を挙げて図4を用いて説明する。
まず、撮像された領域の中から基準点を設定する発光体パネルにあっては画素、また、光電変換パネルにあっては光電変換素子の選択を行う。この画素または光電変換素子の選択は予め判っている画素または光電変換素子の座標情報に基づいて選択する。例えば、図4のような方形の画素または光電変換素子が配列された場合ではm行目、n列目(ここで、mとnは整数)の画素として画素または光電変換素子の座標を特定することができる。係る選択を可能とするためには撮像エリアの中には固有の特徴を持った画素または光電変換素子が含まれていることが望ましく、該固有の特徴を持った画素または光電変換素子の座標情報をもとに選択する素子を決定可能である。そのような固有の特徴を持った画素または光電変換素子としては、隣接する画素または光電変換素子の数が異なっていることを特徴とする画素または光電変換素子が挙げられる。例えば、図4のような隔壁形成領域または素子形成領域が方形の場合では角の位置の画素または光電変換素子がそのような画素または光電変換素子にあたる。そして、例えば、方形の隔壁形成領域における4隅の座標情報は、隔壁パネルを作製したときに固有の情報として把握でき、光電変換パネルにおいても同様である。
図4を用いて具体的に説明する。図4はシンチレータパネルは隔壁が設けられた面のコーナー部、光電変換パネルは光電変換素子が設けられた面とは反対側の面のコーナー部の模式図を示している。これらのコーナー部は両パネルを重ね合わせる際に対向する位置関係にあり、第1の撮像工程および第2の撮像工程で図4に図示された領域が撮像される。なお、図では1つのコーナー部のみ示すが各パネルにおいて2か所以上実施される。シンチレータパネルの隔壁形成領域を撮像した像から基準となる画素を設定例として、コーナー部の画素または光電変換素子を固有の特徴を持った画素または光電変換素子として、発光体パネルの側ではパネル中央へ向かってX方向(図では横方向)へ3画素、Y方向(図では縦方向)へ3画素目の画素が選択されている。一方、光電変換パネルの側ではX方向へ1画素、Y方向へ1画素の光電変換素子が選択されている。
基準点を設定する画素は、発光体パネルおよび光電変換パネルにおいて、少なくとも2箇所ずつ求められるが、これらの画素または光電変換素子は相対的な配置情報が一致されるように選択される。相対的配置情報が一致するとは、選択された画素間の座標情報上の距離と選択された光電変換素子間の座標情報上の距離とを一致させるよう選択することをいう。これを具体的に前記設例(図4のような、発光体パネル上の隔壁で区画されたセルと光電変換パネル上の光電変換素子が同じ大きさの正方形で形成されている例)を元に説明すると、発光体パネルで選択された画素の座標情報をα(a,b)およびβ(c,d)、光電変換パネルで選択された画素の座標情報をγ(A,B)およびδ(C,D)と表したとき、(式1)および(式2)の関係が成り立つことをいう。なお、α(a,b)はゼロ点とした画素からX方向にa画素目、Y方向にb画素目の画素を意味する。
(a−c)=(A−C) (式1)
(b−d)=(B−D) (式2)
なお、この例では発光体パネル上の隔壁で区画されたセルと光電変換パネル上の光電変換素子が同じ大きさの正方形で形成されている例を用いたが、例えば、発光体パネルの画素のX方向のピッチが光電変換パネルの光電変換素子のX方向のピッチの2倍であれば(式1)は(式1’)のように表されることとなる。
1/2×(a−c)=(A−C) (式1’)
なお、いうまでもないが、撮像する領域に含まれている固有の特徴を持った画素または光電変換素子の座標情報は既知のものとして演算手段に入力可能であるから、全ての撮影領域に前記のゼロ点が映っている必要は無い。
本発明においては、好ましく後述する第2の演算処理工程を行うことが可能であるが、発光体パネルと光電変換パネルと重ね合わせたときに隔壁形成領域が光電変換パネルの側からみて光電変換素子に隠されないで観察できるよう素子形成領域の外にはみ出る形で重ね合わせることが望ましい。これを具体的に前記設例(図4のような、発光体パネル上の隔壁で区画されたセルと光電変換パネル上の光電変換素子が同じ大きさの正方形で形成されている例)を元に説明すると、発光体パネルの画素がm行、n列で配列され、光電変換パネルの光電変換素子がM行,N列で配列され、発光パネル側の基準点が設定された画素の座標情報をε(e,f)、光電変換パネルの対応する光電変換素子の座標情報をζ(E,F)(但し、e,f,E,Fは正の整数)としたときに、
(e−E)≧1、 (f−F)≧1
が成立していることが好ましく、また、その場合、隔壁形成領域の方が素子形成領域よりもサイズが大きいことが望ましく、そして、有効な画素数を多くする観点では、
m>M、 n>N、
m−e≧M、 n−f≧N、
が成立していることが好ましい。
次に、選択された画素または光電変換素子において基準点を設定する。ここで、基準点は画素の中での絶対位置とおよび光電変換素子の中での絶対位置が一致するよう選択される。最も簡便な設定の例は格子点、すなわち、他の画素または光電変換素子との接触が最も多い場所(点)を選択することである。これを具体的に前記設例(図4のような、発光体パネル上の隔壁で区画されたセルと光電変換パネル上の光電変換素子が同じ大きさの正方形で形成されている例)を元に説明すると、図4では格子の左下隅(図4ではシンチレータパネル基準点16)とそれに対応する光電変換素子上の左下隅(図4では光電変換パネル基準点17)が選択されている。またこれを、例えば、左下隅から1μm上方の点という定め方をしても構わない。
このようにして決めた基準点を基に第1の演算工程が実施される。第1演算工程での演算は各対向する領域における基準点間の距離の和を最小となるような発光体パネルまたは光電変換パネルの載置された架台の稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算する。例をあげて説明すると、発光体パネル上の基準点および光電変換パネル上の基準点が各々2つの場合は発光体パネルの基準点間を結ぶ線分と光電変換パネル上の基準点を結ぶ線分がこれらを対向させてみたときに重なり合い(すなわち、両線分はねじれの関係に無く平行であり、かつ、線分間の距離が最小(但し、発光体パネルと光電変換パネルの間の距離は変えない)、かつ、重ならない部分(すなわち、はみ出る線分の部分)の長さを最小にする位置を求めることである。
なお、基準点が3つ以上の場合においては基準点間を結んで形成される多角形の重なりの最小化(例えば、重なった2個の多角形における頂点間距離を最小化する変移、重なる面積を最大とする変移を演算)を求めることになる。
続いて、第1の演算工程の結果に基づき、発光体パネルおよび光電変換パネルが載置された架台を稼働させ、アライメント、すなわち、第1の位置調整が完了する。なお、両方の架台を稼働させても良いし、何れか一方の架台のみを稼働させても良い。
また、本発明は好ましく、第1の位置調整工程のあと、後述する貼り合わせ工程よりも前に、
前記光電変換パネルの光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から光電変換素子および発光体パネル上の隔壁を撮像する第3の撮像工程、
前記第3の撮像工程で撮像された光電変換素子の像および隔壁の像に基づいて演算処理を行う第2の演算処理工程、
前記第2の演算処理工程の演算結果に基づき前記第1の架台及び第2の架台を稼働させて前記発光体パネルと前記光電変換パネルの相対位置を調整する第2の位置調整工程、
を実行することができ、ここで、前記第2の演算処理工程は隔壁の像と光電変換素子の列間の像のズレ量を検出してそのズレ量を最小化するように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算するものである。
すなわち、第1の位置調整工程のあとは、高い精度でのアライメントができているが、画素の列と光電変換素子の列に僅かなねじれ関係が発生している可能性がある。
そこで、第3の撮像工程は光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から光電変換素子の列と隔壁とを撮像し、第2の演算処理工程では各々が延在する方向を求めてねじれの程度を演算し、第2の位置調整工程で演算結果に基づいてねじれを補正する。第2の演算工程では画像処理によって、発光体パネルにあっては隔壁の延在方向を求めるが、光電変換素子パネルにあっては光電変換素子間の間隙部分を検出して光電変換素子の延在方向を求めると精度良く演算を行うことができる。
次に、貼り合わせ工程について説明する。
発光体パネルと光電変換パネルを貼り合わせる方法としては公知の方法が採用できる。例えば、接着シートを介在させ、弾性ローラーやパッドなどを用いて押圧することにより強固に接着することができる。また、熱または紫外線により硬化する接着剤を介して接着することができる。接着シートまたは接着剤を付与する領域としては隔壁形成領域または素子形成領域の全面であってもよいし、1部分であってもよい。1部分の場合はパネルの外周部に付与することで発光体パネルと光電変換パネルの間隙を限りなく小さくすることができる。位置あわせされた貼り合わせにおいては発光体パネルと光電変換パネルの位置がずれないように貼り合わせる、すなわち水平面での相対位置を保った状態で貼り合わせるべきである。
本発明の実施形態をより具体的に以下説明するが、本発明は係る具体例に限定して解釈されるものではない。
図5に本発明を実施できるアライメント貼り合わせ装置の構成の一例を模式的に示す。パネル吸着面を対向させた2つの吸着ステージ、下ステージ18(第2の架台に対応)と上ステージ20(第1の架台に対応)が設けられている。下ステージ18は左右方向(X方向)にスライドする機構を有しており、上ステージの直下まで移動できるとともに鉛直方向(Y方向)、回転方向(θ方向)、上下方向(Z方向)にも移動できる。この機構(位置調整手段に対応)により下ステージ18に吸着固定されたパネルは上ステージ20との間に挟むように移動させた後、上ステージ20に受け渡すことができる。上ステージにパネルを受け渡した後、下ステージに別のパネルを吸着させ、同様に移動させることで2枚のパネルを重ね合わせることができる。また、下ステージには所定の位置に貫通穴19が設けられ、上ステージの対面に設置された2台のカメラ21(第1の撮像デバイスに対応)によりこの貫通穴19を通して吸着したパネル(第2のパネルに対応)を裏面から撮像することができる。上ステージ20に吸着したパネル(第1のパネルに対応)の撮像は下ステージが対面から退避した状態で実施できるとともに下ステージに吸着したパネルが透明である場合は貫通穴19を利用して下ステージのパネル越しに撮像することもできる。このような装置構成とすることで貫通穴に対応するパネルの位置に貼り合わせの基準となる基準点を配置するとパネルの位置測定および位置合わせすなわちアライメントが可能となる。カメラを固定した状態で貼り合わせる2枚のパネルの基準点を撮像すると同一の座標系でパネル位置を測定できるので高精度にアライメントできるとともに装置構成も簡易となり好ましい。ゴムローラー22は下ステージに貼り合わされた2枚のパネルをのせた状態でパネルの表面を押圧でき、下ステージをX方向に移動させることで両者を均一に接着することができる。これ以外に下ステージの対面にカメラ21’(図示しない)を設置することで上下のステージに吸着されたそれぞれのパネルをその表面側から撮像する構成も可能である。この場合、下ステージ越しにパネルの裏面を撮像する必要はないため下ステージに設ける貫通穴19は必ずしも必要がない。ただし、パネル同士を高精度にアライメントして貼り合わせるためにはカメラ21とカメラ21’の位置関係が予め精度よく設定・設置され、演算手段での演算で用いるカメラの位置情報との間でずれが生じないよう設置することが必要である。それぞれのカメラで撮像した画像をもとに演算し、その結果に基づいてパネルの位置調整を行うことから、カメラの位置ずれが貼り合わせた際の位置ずれにつながるためである。
次に、図5に示した装置を例に挙げ、シンチレータパネルと光電変換パネルを貼り合わせる好ましい手法について説明する。図6に工程の1例を模式的に示した。
工程1では下ステージを上ステージから最も離れた位置(以降、待機位置)に移動させる。待機位置の下ステージ上にシンチレータパネルを置き、吸着固定する。パネルを載置する向きは隔壁形成領域および隔壁で形成された画素の形状をあらかじめ考慮するものとする。貼り合わせ面である隔壁形成面を下にし、位置合わせを実施する。ここでは後の工程4でカメラを用いて撮像した際にカメラの視野内にパネルコーナー部の隔壁形成領域が収まる位置に合わせる。ステージに基準となるマーキングをするかパネルを当て止めできる基準ピンを設けることが好ましい。
工程2では下ステージを上ステージの直下までX方向に移動させる。その後、下ステージを上昇(Z方向)させ、シンチレータパネルを上ステージの吸着面に接触させる。上ステージの吸着をONにした後、下ステージの吸着をOFFすることでシンチレータパネルを上ステージ側に移載できる。
工程3では下ステージを下降(Z方向)させ、待機位置まで移動させる。
工程4ではカメラでシンチレータパネルの隔壁形成領域のコーナー部分を撮像する。2か所以上を撮像することが好ましく、アライメント精度の観点から対角のコーナー部を含めることがより好ましい。カメラの倍率はコーナー部の隔壁形成領域を視野に入れるための数十倍程度の低倍率と高精度な位置測定に用いる数百倍程度の高倍率を2段階で切り替え、または連続的に変化させられるものが好ましい。また、カメラの画素分解能は1μm以下であることが好ましい。低倍率での撮像において隔壁形成領域のコーナー部を視野に入れ、視野内から特定の画素を選択する。選択する画素は隔壁形成領域において設計上の位置情報の分かっているものとし、あらかじめコーナー部の画素からの距離を装置に設定しておくことで自動検出もできる。自動検出しない場合はコーナー部の画素を基準に画素ピッチから測定し、手動で選択してもよい。次に選択した画素の中から貼り合わせ基準点を選択する。カメラの拡大機能が使える場合は選択した画素を中心に拡大撮像する。基準点は格子の1部で1つの角や1つの辺の中心、格子の中心などパネルにおける位置座標を特定できる点を選択する。この基準点の位置測定により、装置とのシンチレータパネルの位置関係を求めることができる。
工程5では待機位置にある下ステージに光電変換パネルを置き、吸着固定する。載置する向きは工程1でシンチレータを置いた向きから、両パネルを貼り合わせた際に位置関係が適正になるよう考慮する。また、貼り合わせ面である光電変換素子を形成した面を上向きにし、位置合わせを実施する。シンチレータパネルと同様に後の工程7のカメラで撮像した際にカメラの視野内にパネルコーナー部の素子形成領域が収まる位置に合わせる。カメラは下ステージが上ステージ直下まで移動した位置で下ステージの貫通穴の位置に相当するのでこの貫通穴を通して光電変換パネルの透明基板側(パネル裏面)から素子形成領域を撮像することができる。
工程6では光電変換パネルにあらかじめ貼られた透明接着シートの離型フィルムをはがし、接着面を露出させる。透明接着シートの貼り付けは一般的なラミネート装置を用いて実施できる。この際に異物の噛みこみは欠点となるのでクリーンルームなどのクリーン環境、イオナイザーによる除電などの配慮が必要である。透明接着シートとしては接着を維持できる範囲で薄いことが好ましく、5〜30μm程度が好ましい。シンチレータで発した可視光のロスを小さく抑えるとともに隔壁と光電変換素子の間の光漏れを抑制するためである。本形態では光電変換パネルの素子形成領域全面に付与された透明接着シートを接着層に用いているが熱または紫外線により硬化する接着剤を接着層としてあらかじめ形成してもよい。接着剤はスクリーン印刷法やスリットコーター、ディスペンサーなどにより塗布することができる。また、接着層はパネルの外周部といった一部分に付与することもできる。
工程7では下ステージを上ステージの直下までX方向に移動させる。その後、下ステージを上昇(Z方向)させ、上ステージのシンチレータパネルと光電変換パネルを近接させる。パネル間のギャップは100〜500μm程度が好ましい。100μm以下の場合アライメントする前にパネルの1部が接触してしまう恐れがあり、500μm以上ではパネルの撮像面がカメラの焦点深度から外れる可能性が高く、Z方向移動時の位置ずれが無視できなくなるからである。パネルを近接させた状態で下ステージの貫通穴を通して光電変換パネルの透明基板側(裏面)からコーナー部の素子形成領域を撮像する。シンチレータパネルと同様に2か所以上のコーナー部を撮像することが好ましく、その位置関係は両パネルにおいて相対的に一致させる。低倍率での撮像において素子形成領域のコーナー部を視野に入れ、視野内から特定の光電変換素子を選択する。選択する素子は工程4で選択した格子と設計上重なる素子を選択することが好ましい。また、素子の選択ではシンチレータパネルの隔壁形成領域がパネルのすべての辺において光電変換パネルの素子形成領域よりも外側に位置するように設定することが好ましい。これにより光電変換パネルの透明基板側から見て、光電変換パネルの外周部の素子とシンチレータの隔壁を同時に視認でき、互いの位置ズレの有無を確認することができる。素子の選択はシンチレータパネルの場合と同様、あらかじめコーナー部の素子からの距離を設定しておくことで自動検出もできる。自動検出しない場合はコーナー部の素子を基準にピッチから計算し、手動で選択してもよい。次に選択した素子の中から貼り合わせ基準点を選択する。カメラの拡大機能が使える場合は選択した素子を中心に拡大撮像する。基準点は素子の1部で1つの角や1つの辺の中心、素子の中心などパネルにおける位置座標を特定できる点を選択する。この基準点の位置測定により、装置との光電変換パネルの位置関係を求めることができる。工程4で求めた基準点の座標と本工程で求めた基準点の座標についてパネルを対向させた状態で各基準点間の距離の和が最小となるように演算し、下ステージを稼働させることで画素と素子一致させるための位置合わせを実施する。
工程8ではアライメントした光電変換パネル外周部の素子と、これより外側に位置する隔壁を、下ステージの貫通穴を通して光電変換パネルの透明基板側から、透明基板を通して同一視野で撮像し、位置ずれの有無を確認する。正常にアライメントできていれば光電変換素子の延長線上に隔壁の格子が位置することになる。位置ずれの有無はパネルの対角で確認することが好ましい。位置ずれを生じていた場合は工程7の基準点の選択以降の工程を再度実施して再確認してもよいし、撮像した像をもとに演算処理を実施し、像のズレ量を検出してそのズレ量を最小化するように下ステージを稼働させてズレを補正することもできる。位置ずれが無いことを確認できた後に水平方向の位置関係を保ったまま下ステージをさらに上昇させ、シンチレータパネルと光電変換パネルとを透明接着シートを介して接触させる。これによりアライメント後の位置を保った状態で両パネルが貼り合わされた状態となる。
工程9では上ステージの吸着を解除し、下ステージを下降させる。その後、ゴムなどの弾性ローラーをシンチレータパネルの全幅に押し当てた状態で下ステージをX方向に移動させる。これによりパネル全体を均一に加圧、接着させることができる。ローラーの代わりにパネル全面を押す平面パッドを用いることもできる。弾性体のゴム硬度としては40〜70度が好ましい。40度以下ではパネルへの押し込み量を増加させてもゴムの変形量が大きくなり、必要な圧力伝えにくく、70度を超えると押し込んだ際にシンチレータパネルの隔壁が割れる可能性がある。接着の均一性を上げるために弾性体をパネルに押し当てる工程は複数回繰り返して実施してもよい。また、貼り合わせた際の気泡を抑制するために装置全体を真空チャンバー内に設置して減圧雰囲気化で工程8,9を実施することもできる。熱または紫外線により硬化する接着剤を接着層として用いる場合、工程9では接着剤硬化のためのプロセスである加熱や紫外線照射を実施することができる。
工程10では下ステージを待機位置に戻し、ステージの吸着を解除して貼り合わせたパネルを取り外す。以上のような工程でシンチレータパネルと光電変換パネルの互いの隔壁によって区画されたセルと光電変換素子を高精度に一致させて貼り合わせることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明の要旨はこの例に限定して解釈されるものではない。
光電変換パネルとして素子のサイズ139×139μm、有効素子エリア302.464×249.088mm、有効素子数2176ピクセル×1792ピクセル、パネルサイズ311×258mmの透明ガラス基板に薄膜トランジスタ(TFT)とそれと接続されたフォトダイオードからなる光電変換素子をマトリクス状に配列したパネルを準備した。光電変換パネルの光電変換素子形成面の全面にはあらかじめ粘着層厚み25μmの透明粘着シートをラミネーターにより貼り付けた。シンチレータパネルとして格子状の隔壁で形成される画素のサイズ139×139μm、有効画素エリア303.298×249.922mm、有効画素数2182ピクセル×1800ピクセル(光電変換パネルよりX方向、Y方向ともに6画素分大きい)、パネルサイズ304.298×250.922mmの格子状の隔壁により区画されたセルに蛍光体が充填されたパネルを準備した。
アライメント、貼り合わせ装置は上下に対向して配置された2つの平板上の吸着ステージを有し、下側のステージは水平方向(XY)と上下方向(Z)および回転方向(θ)に移動軸を持ち、上側のステージは固定の構成とした。上ステージの対面に上ステージの対角の位置を撮像できる2台のアライメント用CCDカメラを設けた。カメラは位置固定で低倍率として50倍、高倍率として200倍の倍率切り替え可能なもので分解能が0.5μmのものを用いた。下側のステージは対角の位置に2か所の貫通穴を有しており、上ステージと対向した際に上記2台のカメラがこの貫通穴の位置に対応する構造とした。また、カメラで撮像した画像または素子の中に設定したエリアから所定のパターン自動認識し、位置を測定する位置測定機構と測定位置データをもとに演算し、ステージを演算結果に基づいて所定量移動させるアライメント機構を設けた。上下ステージを近接させて仮接着した2枚のパネルを均一に貼り合わせるためステージ全幅を加圧できるゴムローラーを設けた。ゴムローラーのゴム硬度は50度のものを使用した。
下ステージに上記シンチレータパネルを格子状の隔壁で形成した画素面を下にして吸着固定した。パネルの長辺方向を装置のX方向、短辺方向をY方向となるよう載置した。シンチレータパネルは下ステージ設けられたピンに2辺を当てて位置決めした。位置決め用のピンは下ステージを上ステージの直下に移動させた際にシンチレータパネルのコーナー部の隔壁形成領域が上記2台のアライメントカメラの視野おさまる位置に設定した。
下ステージを上ステージ直下まで移動させた後、下ステージを上昇し、シンチレータパネルを上ステージに接触させた。同時に上ステージでシンチレータパネルを吸着固定し、下ステージの吸着を解除することでパネルの受け渡しを行った。下ステージは下降させて待機位置まで移動させた。
2台のアライメントカメラで対角に位置するシンチレータパネルコーナー部の隔壁形成領域を含めて撮像を行い、この画像のコーナー部の画素からX、Y方向とも3画素分パネル内側に入った格子を選択した。この格子の中からパネル中心に近い1角をシンチレータパネル基準点とした。格子の選択はコーナー部の格子が視野に入る低倍率で実施し、基準点は選択した格子を中心として高倍率に切り替えてさらにあらかじめ登録した画像パターンを視野の像からサーチするパターンマッチングにより決定し、位置測定した。
次に下ステージに光電変換パネルの光電変換素子面を上にして吸着固定させた。方向はシンチレータパネルと合わせてパネルの長辺方向を装置のX方向、短辺方向をY方向となるよう載置した。位置決めも同様にピンを用いて実施し、パネル対角のコーナー部の素子形成領域がそれぞれ2台のアライメントカメラ視野に収まる位置に設定した。あらかじめ貼っておいた透明粘着シートの剥離フィルムをはがして接着面を露出させた後、下ステージを上ステージ直下まで移動した。下ステージを上昇させて光電変換パネルとシンチレータパネルの距離が0.3mmとなる位置で停止させた。
ここで2台のアライメントカメラを用いて光電変換パネルの対角に位置するコーナー部の素子形成領域を撮像した。撮像は下ステージに設けられた貫通穴から透明基板を通してパネル裏面から行った。ここで光電変換パネルの基準となる素子を選択するがこの素子はシンチレータパネルで選択した格子と設計上対向する位置にある最コーナー部の素子を選択した。この素子の中からもシンチレータパネル同様、パネル中心に近い1角を光電変換パネル基準点として設定した。素子の選択および基準点の選択と位置測定も2段階の撮像を用いて実施した。
それぞれのパネルにおいて2か所ずつ測定した基準点の位置測定結果をもとに対向する基準点間の距離の和が最小となるように演算処理し、下ステージをX、Y、θ方向に移動させた(すなわち、左右の移動と回転動作を行った)。ここでカメラの高倍率で光電変換素子の最外周部の素子とこれより外側に位置するシンチレータパネルの隔壁格子を同時に撮像し、モニターに映した像の目視で画素の位置ずれが生じていないことを確認した。
その後、水平方向の位置関係を保ったまま下ステージを上昇、両パネルを接触させて仮接着した。ここでも再度、位置ずれが発生していないことを高倍率カメラで確認した。
上ステージの吸着を解除し、下ステージを下降した状態で貼り合わせ用のゴムローラーを動作させ、シンチレータパネルにローラーを0.5mm押し込む位置まで移動させた。この押し込み量を保ったまま下ステージをX方向に移動させてパネル全面を均一に加圧して完全に貼り合わせた。その後、下ステージを待機位置まで移動させて吸着を解除、貼り合わせたパネルを取り外した。
このパネルに回路、電源等を接続してFPD化し、X線検出器を完成させた。これを用いてX線透視画像を撮像した。画像を評価したところ画素ピッチと同じ139μmの画像鮮鋭度が得られており、アライメントずれが生じた場合に特徴的なモアレ状のムラも観察されなかったことから正常にアライメント貼り合わせができていることを特性面からも確認できた。
1 シンチレータパネル(発光体パネル)
2 光電変換パネル
3 基材
4 接着層
5 隔壁補強層
6 隔壁
7 反射層
8 蛍光体
9 透明接着層
10 光電変換素子
11 出力層
12 透明基板
13 電源部
14 フォトダイオード
15 TFT
16 シンチレータパネル基準点
17 光電変換パネル基準点
18 下ステージ
19 貫通穴
20 上ステージ
21 カメラ
22 ゴムローラー
本発明の製造方法により製造される放射線検出器は、医療診断装置又は非破壊検査機器等に用いられる。

Claims (8)

  1. シート状の基材上に同一ピッチでマトリクス状に形成された格子状の隔壁(係る格子状の隔壁によって区画されたセルがマトリクス状に配列されている領域を隔壁形成領域という)と該格子状の隔壁で囲まれたセルに放射線の照射によって可視光を発光する材料が配置されている発光体パネル(前記セル内に前記発光材料が配置された構成を単に画素という)を第1の架台上に載置する工程、
    シート状の透明基材上に可視光を検出する光電変換素子が同一ピッチでマトリクス状に配列(係る光電変換素子がマトリクス状に配列されている領域を素子形成領域という)されている光電変換パネルを第2の架台上に載置する工程、
    前記第1の架台上の発光体パネルの隔壁が設けられた側の面から隔壁が含まれるように少なくとも2箇所を撮像する第1の撮像工程、
    前記第2の架台上の光電変換パネルの光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から透明基材を介して、または光電変換素子が設けられた面の側から、光電変換素子が含まれるように少なくとも2箇所を撮像する第2の撮像工程、
    前記第1の撮像工程および第2の撮像工程で撮像した発光体パネル及び光電変換パネルの像に基づいて演算処理を行う第1の演算処理工程、
    前記第1の演算処理の結果に基づいて、前記第1の架台および/または第2の架台を稼働させて前記発光体パネルと前記光電変換パネルを対向位置に平行に配置せしめる第1の位置調整工程、および、
    水平面での相対位置を保ったまま前記発光体パネルと前記光電変換パネルを重ね合わせて貼り合わせる貼り合わせ工程、を有する放射線検出器の製造方法であって、
    ここで、前記隔壁で区画されたセルのピッチと前記光電変換素子のピッチは、発光体パネルにあっては隔壁で区画されたセルが、光電変換パネルにあっては光電変換素子が配列する、対向配置時に重なり合う少なくとも2つの方向で等しいか一方が他方の整数倍の関係にあり、
    前記第1の撮像工程と前記第2の撮像工程で撮像される領域は、前記2つの方向が対向配置時に重なり合うよう配置されたときには対向位置にあり、かつ、隔壁形成領域内または素子形成領域内での配置情報が既知である画素または素子が含まれている、隔壁形成領域および素子形成領域の各々で少なくとも2つの領域であり、
    前記第1の演算工程は、
    a)各撮像領域において画素または光電変換素子を選択する工程、但し、選択される格子または光電変換素子の相対的な配置情報は一致させるものとする。
    b)選択された画素または光電変換素子内に基準点を設定する工程、但し、基準点の格子または光電変換素子内における絶対的な位置は一致させるものとする。
    c)各対向する領域における基準点間の距離の和が最小となるように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算する工程、
    を含むことを特徴とする放射線検出器の製造方法。
  2. 第1の位置調整の後、貼り合わせ工程よりも前に、
    前記光電変換パネルの光電変換素子が設けられた面とは反対側の面から光電変換素子および発光体パネル上の隔壁を撮像する第3の撮像工程、
    前記第3の撮像工程で撮像された光電変換素子の像および隔壁の像に基づいて演算処理を行う第2の演算処理工程、
    前記第2の演算処理工程の演算結果に基づき前記第1の架台および/または第2の架台を稼働させて前記発光体パネルと前記光電変換パネルの相対位置を調整する第2の位置調整工程、を含み、
    前記第2の演算処理工程は隔壁の像と光電変換素子の列間の像のズレ量を検出してそのズレ量を最小化するように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算することを特徴とする、請求項1記載の放射線検出器の製造方法。
  3. 前記貼り合わせ工程は、粘着シートを介し、前記発光体パネルと前記光電変換パネルとを弾性ローラーまたはパッドを用いて加圧することにより貼り合わせが行われる請求項1または2記載の放射線検出器の製造方法。
  4. 弾性ローラーまたはパッドを用いての加圧が減圧雰囲気下で行われることを特徴とする請求項3記載の放射線検出器の製造方法。
  5. 前記貼り合わせ工程は、熱または紫外線により硬化する接着剤を介し、前記発光体パネルと前記光電変換パネルとの貼り合わせが行われる請求項1または2記載の放射線検出器の製造方法。
  6. 第1のパネルを載置する第1の架台、
    第2のパネルを載置する第2の架台、
    撮像時には前記第1の架台に対向配置され、また、前記第2の架台の背面側に配置されて前記第1のパネルおよび第2のパネルを撮像する第1の撮像デバイス、
    前記第1の撮像デバイスにより撮像した第1のパネルおよび第2のパネルの像に基づいて演算処理を行う演算手段、
    前記演算処理の結果に基づいて、前記第1の架台および/または第2の架台を稼働させて前記第1のパネルと前記第2のパネルを対向位置に平行に配置せしめる位置調整手段、および、
    水平面での相対位置を保ったまま前記第1のパネルと前記第2のパネルを重ね合わせて貼り合わせる貼り合わせ手段、を有するパネルの貼り合わせ装置であって、
    前記第2の架台は前記第2のパネルが第1の撮像装置によって観察可能に構成されており、
    前記第1のパネルがシート状の基材上に同一ピッチでマトリクス状に形成された格子状の隔壁と該格子状の隔壁で囲まれたセルに放射線の照射によって可視光を発光する材料が配置されている発光体パネル(前記セル内に前記発光材料が配置された構成を単に画素という)であり、前記第2のパネルがシート状の透明基材上に可視光を検出する光電変換素子が同一ピッチでマトリクス状に配列されている光電変換パネルであり、前記隔壁で区画されたセルのピッチと前記光電変換素子のピッチは、対向配置時に重なり合う少なくとも2つの方向で等しいか一方が他方の整数倍の関係にあり、前記第1の撮像デバイスにより撮像される発光体パネルおよび光電変換パネルの領域は、前記2つの方向が対向配置時に重なり合うよう配置されたときには対向位置にあり、かつ、配置情報が既知である画素または素子が含まれている領域であったときには、
    A.前記第1の撮像デバイスは、前記第1のパネルの隔壁が含まれるように少なくとも2箇所、また、前記第2の架台の背面側から光電変換パネルの光電変換素子が含まれるように少なくとも2箇所撮像可能とされ、かつ、
    B.前記演算手段は、入力された撮像データを用いて、少なくとも、
    a)各撮像領域において画素または光電変換素子を選択し(但し、選択される格子または光電変換素子の相対的な配置情報は一致させるものとする。)、
    b)選択された画素または光電変換素子内に基準点を設定し(但し、基準点の格子または光電変換素子内における絶対的な位置は一致させるものとする。)、
    c)各対向する領域における基準点間の距離の和が最小となるように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算して、出力するものである
    ことを特徴とする放射線検出器の製造装置。
  7. 第1のパネルを載置する第1の架台、
    第2のパネルを載置する第2の架台、
    前記第1の架台に対向配置され、前記第1のパネルを撮像する第1の撮像デバイス、
    前記第2の架台に対向配置され、第2のパネルを撮像する第2の撮像デバイス、
    前記第1の撮像デバイスおよび第2の撮像デバイスにより撮像した第1のパネルおよび第2のパネルの像に基づいて演算処理を行う演算手段、
    前記演算処理の結果に基づいて、前記第1の架台および/または第2の架台を稼働させて前記第1のパネルと前記第2のパネルを対向位置に平行に配置せしめる位置調整手段、および、
    水平面での相対位置を保ったまま前記第1のパネルと前記第2のパネルを重ね合わせて貼り合わせる貼り合わせ手段、を有するパネルの貼り合わせ装置であって、
    前記第1のパネルがシート状の基材上に同一ピッチでマトリクス状に形成された格子状の隔壁と該格子状の隔壁で囲まれたセルに放射線の照射によって可視光を発光する材料が配置されている発光体パネル(前記セル内に前記発光材料が配置された構成を単に画素という)であり、前記第2のパネルがシート状の透明基材上に可視光を検出する光電変換素子が同一ピッチでマトリクス状に配列されている光電変換パネルであり、前記隔壁で区画されたセルのピッチと前記光電変換素子のピッチは、対向配置時に重なり合う少なくとも2つの方向で等しいか一方が他方の整数倍の関係にあり、
    前記第1の撮像デバイスおよび第2の撮像デバイスにより撮像される発光体パネルおよび光電変換パネルの領域は、前記2つの方向が対向配置時に重なり合うよう配置されたときには対向位置にあり、かつ、配置情報が既知である画素または素子が含まれている領域であったときには、
    A.前記第1の撮像デバイスは、前記第1のパネルの隔壁が含まれるように少なくとも2箇所、前記第2の撮像デバイスは、光電変換パネルの光電変換素子が含まれるように少なくとも2箇所撮像可能とされ、かつ、
    B.前記演算手段は、入力された撮像データを用いて、少なくとも、
    a)各撮像領域において画素または光電変換素子を選択し(但し、選択される格子または光電変換素子の相対的な配置情報は一致させるものとする。)、
    b)選択された画素または光電変換素子内に基準点を設定し(但し、基準点の格子または光電変換素子内における絶対的な位置は一致させるものとする。)、
    c)各対向する領域における基準点間の距離の和が最小となるように発光パネルまたは光電変換素子パネルが載置された架台を稼働させる方向、動かす長さおよび回転角を演算して、出力するものであることを特徴とする放射線検出器の製造装置。
  8. 前記貼り合わせ手段は、前記第1のパネルと前記第2のパネルとを加圧する弾性ローラーまたはパッドを有する請求項6または7記載の放射線検出器の製造装置。
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