JP2015152538A - 放射線検出装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚さが低減された複数のセンサパネルを並べて構成される放射線検出装置を製造するために有利な技術を提供する。
【解決手段】放射線検出装置の製造方法は、画素アレイを有する第1面と、その反対側の第2面とをそれぞれが有する複数のセンサパネルを、画素アレイが一体の検出面を構成するように並んだ状態で互いに固定する固定工程と、複数のセンサパネルが互いに固定された状態で、複数のセンサパネルの厚さを第2面側から一括して低減する低減工程とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】放射線検出装置の製造方法は、画素アレイを有する第1面と、その反対側の第2面とをそれぞれが有する複数のセンサパネルを、画素アレイが一体の検出面を構成するように並んだ状態で互いに固定する固定工程と、複数のセンサパネルが互いに固定された状態で、複数のセンサパネルの厚さを第2面側から一括して低減する低減工程とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は放射線検出装置の製造方法に関する。
特許文献1は、複数のセンサパネルを並べて一体の検出面を構成する放射線検出装置を提案する。この放射線検出装置は、複数のセンサパネルを基台の上に並べ、複数のセンサパネルの上に透明膜及びシンチレータ層を形成することによって製造される。放射線検出装置を構成するセンサパネルをCMOS技術を用いて形成する場合に、センサパネルの厚さを低減することがある。例えば、シンチレータ層側からセンサパネルに放射線が入射する構成の放射線検出装置では、シンチレータ層で吸収されずに透過した放射線の一部がセンサパネルの半導体基板に到達する。この放射線は半導体基板においてキャリアを発生させ、ランダムな白欠陥発生の原因となる。また、シンチレータ層とは反対側からセンサパネルに放射線が入射する構成の放射線検出装置では、センサパネルの半導体基板で放射線が吸収され、量子検出効率(DQE)の低下や、ランダムな白欠陥発生の原因となる。いずれの場合でも、センサパネルの厚さを低減することによって、このような悪影響を抑制できる。
センサパネルの厚さを低減した後に、特許文献1の方法を用いて放射線検出装置を製造しようとすると、以下の問題が生じる。例えば、厚さが低減されたセンサパネルは衝撃に弱いので、センサパネルを研磨装置から取り外す際やセンサパネルを並べる際にセンサパネルに破損が生じる場合がある。また、複数のセンサパネルを並べて形成される一体の検出面が平坦にならない場合がある。そこで、本発明は、厚さが低減された複数のセンサパネルを並べて構成される放射線検出装置を製造するために有利な技術を提供することを1つの目的とする。
上記課題に鑑みて、放射線検出装置の製造方法であって、画素アレイを有する第1面と、その反対側の第2面とをそれぞれが有する複数のセンサパネルを、前記画素アレイが一体の検出面を構成するように並んだ状態で互いに固定する固定工程と、前記複数のセンサパネルが互いに固定された状態で、前記複数のセンサパネルの厚さを前記第2面側から一括して低減する低減工程とを有することを特徴とする製造方法が提供される。
上記手段により、厚さが低減された複数のセンサパネルを並べて構成される放射線検出装置を製造するために有利な技術が提供される。
添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について以下に説明する。様々な実施形態を通じて同様の要素には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、各実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。
図1を参照して、一部の実施形態に係る放射線検出装置100の構成について説明する。図1(a)は放射線検出装置100の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線における放射線検出装置100の断面図である。図1(a)では見やすさのためにシンチレータ保護層140を省略し、センサパネル保護層120及びシンチレータ層130をその輪郭のみを用いて示す。
放射線検出装置100は、複数のセンサパネル110、センサパネル保護層120、シンチレータ層130、シンチレータ保護層140、保持部材150及び補強部材160を備えうる。複数のセンサパネル110のそれぞれは、表側の面(図1(b)で上側の面、第1面)に画素アレイ111及び電極パッド112を有する。画素アレイ111には複数の画素が2次元アレイ状に配される。各画素は電磁波を電荷に変換する変換素子と、変換素子で変換された電荷を転送するための転送トランジスタとを有する。放射線検出装置100はシンチレータ層130を有するので、変換素子は可視光を電荷に変換する光電変換素子であってもよい。シンチレータ層を有しない放射線検出装置では、変換素子は放射線を直接に電荷に変換してもよい。変換素子は、ガラス等の絶縁基板上に形成されたMIS型又はPIN型の光電変換素子であってもよく、光電変換素子と転送トランジスタとが基板上に横に並んでいてもよいし、縦に重なっていてもよい。これに代えて、センサパネル110は、半導体基板にCMOS技術を用いて形成された光電変換素子であってもよい。
画素アレイ111内の回路構成は導電パターン(不図示)を介して電極パッド112に電気的に接続されている。電極パッド112には導電部材180によってフレキシブル配線板170が取り付けられる。センサパネル110によって生成された信号は導電部材180及びフレキシブル配線板170を経由して外部に読み出される。
複数のセンサパネル110は、画素アレイ111が一体の検出面を構成するように並んで配置されている。図1の例では放射線検出装置100は4枚のセンサパネル110を有するが、センサパネル110の枚数はこれに限定されない。各センサパネル110は表側の面(画素アレイ111を有する面)が上を向くように配置される。隣接するセンサパネル110の隙間には補強部材160が配置される。また、複数のセンサパネル110の上(表側)には、一体のセンサパネル保護層120が画素アレイ111を覆う位置に配置されている。センサパネル保護層120は透明な部材で形成される。センサパネル保護層120の上に、一体のシンチレータ層130が配置されている。シンチレータ層130の面のうち、センサパネル保護層120に接していない面(すなわち、上面及び側面)は、シンチレータ保護層140によって覆われている。放射線は図2(b)の上側から入射してもよいし、下側から入射してもよい。放射線検出装置100は、シンチレータ保護層140に積層された反射層を更に有してもよい。
続いて、図2を参照して、放射線検出装置100の製造方法の一例について説明する。図2の各図面は、図1(b)で説明した放射線検出装置100の断面図に対応する位置における、各工程で得られる構造体を示す。
まず、図2(a)に示すように、加熱可能なステージ201の上にセンサパネル保護層120を配置する。センサパネル保護層120として例えばPI(ポリイミド)からなる熱圧着型のシート状の部材を用いてもよい。センサパネル保護層120はバキュームによる吸着によってステージ201に固定されてもよい。ステージ201にセンサパネル保護層120が接着されないように、ステージ201の上面にフッ素コートが施されてもよい。
その後、上述の構成を有するセンサパネル110の裏側の面(第1面とは反対側の第2面)をアライメントステージ202で吸着し、アライメントマーク(不図示)を基準としてセンサパネル保護層120上の目的の位置にセンサパネル110を配置する。センサパネル110は既存の方法で製造可能であるので、詳細な製造方法の説明を省略する。アライメントステージ202は加熱可能である。その後、ステージ201及びアライメントステージ202を加熱しながらセンサパネル110をセンサパネル保護層120に押し込むことによって、センサパネル110の表側の面がセンサパネル保護層120に熱圧着される。この熱圧着は、例えば約200℃、0.2MPaの条件で行ってもよい。熱圧着後のセンサパネル保護層120の厚さは例えば6μmである。上記の処理を各センサパネル110に対して施すことによって、複数のセンサパネル110の画素アレイ111が同一平面上に位置合わせされた状態で並んでセンサパネル保護層120に接着される。各センサパネル110の表側の面がステージ201の表側の面に対向しているため、複数のセンサパネル110の表側の面の段差が抑制される。センサパネル110の表側の面全体にセンサパネル保護層120を形成することによって、センサパネル110に発生するうねりを抑制できる。
次に、図2(b)に示すように、隣接するセンサパネル110の隙間に補強部材160を配置する。補強部材160は、例えば無機材料の接着剤をセンサパネル110の隙間に流し込み、加熱して硬化させることによって形成される。無機材料の接着材として、例えばアルカリ金属ケイ酸塩系、リン酸塩系、シリカゾル系の接着剤を用いてもよい。接着剤の中に無機のフィラー(充填剤)や硬化剤が入っていてもよく、フィラーとしてシリカの他、アルミナ、コーディエライト、ベントナイト、ジルコニア、ジルコン、炭素、リン酸、酸化イットリウム、マグネシアを用いてもよい。
これに代えて、補強部材160はPIやエポキシなどの樹脂を用いて形成されてもよい。補強部材160はセンサパネル110の裏側の面からはみ出さないように形成されてもよい。無機材料は樹脂に比べて温度による膨張が少ない点で有利である。図2(b)では、補強部材160の高さとセンサパネル110の高さ(厚さ)とが一致するように補強部材160が形成されている。補強部材160を有することにより、後述の工程における研磨において、センサパネル110の破損の発生を抑制できるとともに、センサパネル110のずれの発生を抑制できる。補強部材160は形成されなくてもよい。
その後、複数のセンサパネル110をステージ201に固定した状態で、センサパネル110の裏側の面が図2(b)の点線203で示す位置になるように、センサパネル110の裏側(第2面側)からセンサパネル110の厚さを一括して低減する。この厚さの低減は、例えばCMP(化学機械研磨)によって複数のセンサパネル110の裏側の面を一括して研磨することによって行われる。これに代えて、グラインダなどを使用したMP(機械研磨)によりセンサパネル110の厚さを低減してもよいし、化学研磨法であるウェットエッチングによりセンサパネル110の厚さを低減してもよい。例えば、センサパネル110の厚さが500μmである場合に、その厚さが数十μmから、数μm程度になるまで(例えば、7μmになるまで)厚さを低減する。このように、複数のセンサパネル110をステージ201に並べて互いに固定した状態で一括して研磨することによって、複数のセンサパネル110の厚さのばらつきを低減できる。
続いて、図2(c)に示すように、複数のセンサパネル110の裏側の面及び外側の側面(すなわち、複数のセンサパネル110の隙間に面していない側面)を一体の保持部材150で覆う。保持部材150は例えばCVD法によりポリパラキシリレン膜を蒸着することによって形成される。また、保持部材150は、シート状の部材をセンサパネル110に接着することによって形成されてもよい。シート状の部材の材料として、例えばパリレンやポリ尿素、PIなどを用いる。さらに、保持部材150は、液体状の樹脂をセンサパネル110に塗布することによって形成されてもよい。液体状の樹脂の材料として、例えばPIやエポキシなどを用いる。センサパネル110の裏側の面全体に保持部材150を形成することによって、センサパネル110に発生するうねりを抑制できる。保持部材150の厚さは例えば20μmである。保持部材150によって、複数のセンサパネル110の画素アレイ111が同一平面上にある状態で維持される。保持部材150は防湿膜として機能してもよい。
続いて、図2(d)に示すように、この工程までに形成された構造体をステージ201から取り外す。そして、センサパネル保護層120のうち、電極パッド112を覆う部分を除去する。この処理は、例えば、感光性ドライフィルムをセンサパネル保護層120に貼り合わせ、感光性ドライフィルムを露光・現像した後、ウェットエッチング又はドライエッチングよりセンサパネル保護層120の一部を除去することによって行われる。図2(a)の工程で事前にセンサパネル保護層120のサイズが調整してあり、電極パッド112がセンサパネル保護層120によって覆われていない場合には、この工程を省略する。
続いて、図2(e)に示すように、センサパネル保護層120の上にシンチレータ層130を形成する。この工程は、例えば、この工程までに形成された構造体を静電チャックを用いて保持し、当該構造体のうちシンチレータ層130を形成しない部分をマスク204で覆う。その後、センサパネル保護層120に蛍光体であるCsI:Tlを蒸着する。例えば、真空チャンバーの中にCsIとTlIの蒸着ボートを別々に配置し、アルゴンガスを流しながら圧力を0.05〜1Paの範囲でコントロールし、温度を最高で200℃まで上昇させて蒸着する。これに代えて、蒸着時の温度を低温に維持し、蒸着後にアニール処理を約200℃で行ってシンチレータ層130を形成してもよい。シンチレータ層130の材料として、CsI:Tlに代えて、CsI:Na、CsI:Cu、CsI:In、CsBr:Euなどを用いてもよい。CsI:Tlとセンサパネル保護層120との密着力を向上させるために、CsI:Tlを蒸着する前にセンサパネル保護層120に大気圧プラズマ等の処理を施してもよい。
シンチレータ層130は、蛍光体を塗布することによって形成されてもよい。例えば、GOS(Gd2O2S:Tb)などの粉体を混ぜ込んだバインダー樹脂をスリットコートやスクリーン印刷などの方法により塗布した後、硬化させてもよい。
センサパネル保護層120に直接、蛍光体を蒸着・塗布する代わりに、別途用意したシンチレータパネルをセンサパネル保護層120に固定することによってシンチレータ層130を配置してもよい。例えば、基台にCsI:Tlを形成し、その周りにパリレン等の耐湿樹脂を塗布して得られるシンチレータパネルを粘着剤などによりセンサパネル保護層120に貼り合わせてもよい。
本実施形態では、複数のセンサパネル110の表側の面の平面性が高いので、蒸着・塗布の際のシンチレータのムラの発生を抑制でき、又はシンチレータパネルを貼り合わせる際の気泡の発生を抑制できる。
続いて、シンチレータ層130の上面及び側面を覆うシンチレータ保護層140を形成する。シンチレータ保護層140は、例えば耐湿性を有する材料で形成される。例えば、シンチレータ保護層140は、ポリパラキシリレンやポリ尿素などの材料を蒸着することによって形成される。または、シンチレータ保護層140は、ポリ塩化ビニリデンなどのような液体樹脂をスプレーコート、ディップ、スクリーン印刷などの方法で塗布することによって形成されてもよい。さらに、シンチレータ保護層140は、アルミ/PET積層シートをホットメルト等の樹脂で貼り合わせることによって形成されてもよい。シンチレータ層130だけでなく、複数のセンサパネル110及び保持部材150も含めて全体的にシンチレータ保護層140で覆ってもよい。その後、導電部材180を用いて電極パッド112にフレキシブル配線板170を接着する。導電部材180は例えば異方性導電膜(ACF)である。
上述の方法で製造された放射線検出装置100では、複数のセンサパネル110の厚さのばらつきが抑制されているので、センサパネル110の裏側から放射線が照射される場合に、センサパネル110による放射線の吸収量のばらつきを抑制できる。そのため、センサパネル110間での画像の濃淡差を抑制できる。また、センサパネル110の厚さを低減した後にセンサパネル110を個別に移動することがないので、センサパネル110の破損の発生を抑制でき、放射線検出装置100を歩留りよく製造できる。さらに、複数のセンサパネル110の表側の面の平面性が向上するので、その上に形成されるシンチレータ層130を安定的に形成できる。
続いて、図3を参照して、一部の実施形態に係る放射線検出装置の製造方法について説明する。図3の方法で製造される放射線検出装置の構成は図1の放射線検出装置100と同様であるため、以下ではその相違点を中心に説明する。図3の各図面は、図1(b)で説明した放射線検出装置100の断面図に対応する位置における、各工程で得られる構造体を示す。
図3(a)に示すように、アライメントステージ202で個別のセンサパネル110を保持する。センサパネル110の構造は図1を参照して説明したので、重複する説明を省略する。複数のアライメントステージ202は、複数のセンサパネル110が放射線検出装置における目的の位置になるように相互の位置関係(間隔及び高さ)が調節されている。複数のセンサパネル110の厚さが異なる可能性があるので、本実施形態ではセンサパネル110ごとに別個のアライメントステージ202で保持する。
続いて、図3(b)に示すように、センサパネル110の表側にセンサパネル保護層120を形成する。センサパネル保護層120は、例えば液状のPI樹脂を塗布し、加熱して硬化させることで形成される。液状のPI樹脂は隣接するセンサパネル110の隙間にも入り込む。センサパネル保護層120によって、複数のセンサパネル110の画素アレイ111が同一平面上にある状態で複数のセンサパネル110が互いに対して固定される。センサパネル110の表側の面全体にセンサパネル保護層120を形成することによって、センサパネル110に発生するうねりを抑制できる。
続いて、図3(c)に示すように、センサパネル110をアライメントステージ202から取り外し、センサパネル保護層120が下(すなわち、ステージ201側)になるように、この工程までに形成された構造体をステージ201で保持する。その後、複数のセンサパネル110の裏側の面及び外側の側面(すなわち、複数のセンサパネル110の隙間に面していない側面)を覆うように、一体の補強部材301を形成する。補強部材301は例えば、液状のエポキシ樹脂をスプレーコートにより塗布し、加熱して硬化させることで形成される。補強部材301はPIや無機材料で形成されてもよい。補強部材301により、複数のセンサパネル110が互いに対してさらに強固に固定される。センサパネル110の裏面全体に補強部材301を形成することによって、センサパネル110に発生するうねりを抑制できる。
その後、複数のセンサパネル110をステージ201に固定した状態で、センサパネル110の裏側の面が図3(c)の点線302で示す位置になるように、センサパネル110の裏側(第2面側)からセンサパネル110の厚さを一括して低減する。この厚さの低減は、図2で説明した方法と同様にして行ってもよい。低減後のセンサパネル110の厚さは例えば7μmである。これにより、図3(d)の構造体が得られる。
続いて、図3(e)に示すように、センサパネル110の裏側の面並びにその同一面上にあるセンサパネル保護層120及び補強部材301を一体の保持部材303で覆う。センサパネル110の裏面全体に保持部材303を形成することによって、センサパネル110に発生するうねりを抑制できる。保持部材303は、例えば、液状のPIやエポキシ等の樹脂を塗布し、加熱して硬化させることによって形成される。保持部材303の厚さは例えば10μmである。補強部材301により、複数のセンサパネル110が互いに対して裏側から固定される。複数のセンサパネル110を表側から互いに固定するセンサパネル保護層120と裏側から互いに固定する保持部材303とを同じ材料(例えば、PI樹脂)で形成することによって、複数のセンサパネル110の境界における反りの発生を抑制できる。
その後、これまでの工程で形成された構造体をステージ201から取り外す。その後、図2と同様にして、センサパネル保護層120のうち、電極パッド112を覆う部分を除去し、シンチレータ層130、導電部材180及びフレキシブル配線板170を形成する。図3の製造方法によっても、図2の製造方法と同様の効果が得られる。
続いて、図4を参照して、一部の実施形態に係る放射線検出装置の製造方法について説明する。図4の方法で製造される放射線検出装置の構成は図1の放射線検出装置100と同様であるため、以下ではその相違点を中心に説明する。図4の各図面は、図1(b)で説明した放射線検出装置100の断面図に対応する位置における、各工程で得られる構造体を示す。
まず、図4(a)に示すように、センサパネル110の裏側をアライメントステージ(不図示)で吸着し、アライメントマーク(不図示)を基準としてステージ201上の目的の位置にセンサパネル110を配置する。センサパネル110の構造は図1を参照して説明したので、重複する説明を省略する。各センサパネル110の表側の面がステージ201の表側の面に対向しているため、複数のセンサパネル110の表側の面の段差が抑制される。ステージ201は、複数のセンサパネル110を吸着して保持する。
続いて、図4(b)に示すように、複数のセンサパネル110をステージ201に固定した状態で、複数のセンサパネル110の裏側の面及び側面を補強部材401で覆う。補強部材401は、例えば液状のエポキシやPI等の樹脂を塗布し、加熱して硬化させることで生成される。補強部材401は無機材料で形成されてもよい。液状の樹脂は隣接するセンサパネル110の隙間にも入り込む。ステージ201の表面をテフロン(登録商標)でコーティングすることによって、樹脂がステージ201の表面に張り付くことを抑制できる。そのため、吸着を終了することによってセンサパネル110をステージ201から取り外せる。センサパネル110の裏側の面全体に補強部材401を形成することによって、センサパネル110に発生するうねりを抑制できる。
その後、複数のセンサパネル110をステージ201に固定した状態で、センサパネル110の裏側の面が図4(b)の点線402で示す位置になるように、センサパネル110の裏側(第2面側)からセンサパネル110の厚さを一括して低減する。この厚さの低減は、図2で説明した方法と同様にして行ってもよい。低減後のセンサパネル110の厚さは例えば7μmである。
続いて、図4(c)に示すように、複数のセンサパネル110の裏側の面に一体の保持部材403を粘着剤404によって貼り付ける。保持部材403として、放射線の透過率が高く、剛性が高いアモルファスカーボン(a−C)又はカーボン繊維強化プラスチック(CFPR)などの板を用いてもよい。保持部材403の厚さは例えば0.5mmである。粘着剤404の厚さは例えば25μmである。
続いて、図4(d)に示すように、形成された構造体をステージ201から取り外し、保持部材403側を下(ステージ201側)にしてステージ201に取り付ける。その後、センサパネル110の上にセンサパネル保護層120を形成する。センサパネル保護層120は、画素アレイ111を覆うが、電極パッド112を覆わないように形成される。センサパネル保護層120は、例えばスリットコートにより液状のPIを塗布し、加熱して硬化させることによって形成される。
その後、形成された構造体をステージ201から取り外す。その後、図2と同様にして、シンチレータ層130、導電部材180及びフレキシブル配線板170を形成する。図4の製造方法によっても、図2の製造方法と同様の効果が得られる。
以上の各実施形態において、補強部材160、301、401、保持部材150、303、403及び粘着剤404は、シンチレータ層130の形成に用いられる温度(例えば、200℃)に対する耐性を有する材料で形成されてもよい。このような材料として、例えば、PI、エポキシ、PAI(ポリアミドイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEI(ポリエーテルイミド)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PSF(ポリサルフォン)、PAR(ポリアリレート)、PTFE(フッ素樹脂)、シリコーン樹脂などがある。
続いて、図5を参照して、放射線検出装置を組み込んだカセッテ500の構成例について説明する。カセッテ500は図1の放射線検出装置100を有するが、上述の各実施形態の何れの方法で製造された放射線検出装置を有してもよい。カセッテ500では、設置板504の一方の面に制御用プリント基板502が設置され、他方の面に放射線検出装置100が設置される。設置板504には、放射線検出装置100のうちシンチレータ保護層140が貼り合わされる。放射線検出装置100と制御用プリント基板502とはフレキシブル配線板170によって接続される。放射線検出装置100はシャーシ501に格納されており、シャーシ501のうちの放射線入射側(図面の下側)はCFPRよりなるカバー503が設けられている。カセッテ500全体の厚みは例えば15ミリメートル以下である。
図6は本発明に係る放射線用の検出装置のX線診断システム(放射線検出システム)への応用例を示した図である。X線チューブ6050(放射線源)で発生した放射線としてのX線6060は、被験者又は患者6061の胸部6062を透過し、シンチレータを本発明の検出装置の上部に配置した検出装置6040に入射する。ここで、シンチレータを上部に配置した検出変換装置は放射線用の検出装置を構成する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータは発光し、これを光電変換して、電気的情報を得る。この情報はデジタル信号に変換され信号処理部となるイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室の表示部となるディスプレイ6080で観察できる。なお、放射線検出システムは、検出装置と、検出装置からの信号を処理する信号処理部とを少なくとも有する。
また、この情報は電話回線6090等の伝送処理部により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなど表示部となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録部に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また記録部となるフィルムプロセッサ6100により記録媒体となるフィルム6110に記録することもできる。
Claims (15)
- 放射線検出装置の製造方法であって、
画素アレイを有する第1面と、その反対側の第2面とをそれぞれが有する複数のセンサパネルを、前記画素アレイが一体の検出面を構成するように並んだ状態で互いに固定する固定工程と、
前記複数のセンサパネルが互いに固定された状態で、前記複数のセンサパネルの厚さを前記第2面側から一括して低減する低減工程とを有することを特徴とする製造方法。 - 前記固定工程は、前記複数のセンサパネルの前記第1面側に一体のセンサパネル保護層を形成する形成工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記形成工程は、ステージに配置されたシート状の部材に前記複数のセンサパネルの前記第1面を圧着することを含むことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
- 前記低減工程は、前記形成工程で用いた前記ステージに前記複数のセンサパネルを固定した状態で行われることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
- 前記形成工程は、前記複数のセンサパネルのそれぞれの前記第2面を別個のステージに固定した状態で、前記複数のセンサパネルの前記第1面に液状の部材を塗布し、前記液状の部材を硬化させることを含むことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
- 前記固定工程は、前記複数のセンサパネルに一体の補強部材を取り付ける補強工程を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の製造方法。
- 前記センサパネル保護層と前記補強部材とが同じ材料で形成されることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に従属する請求項6に記載の製造方法。
- 前記補強部材は無機材料で形成されることを特徴とする請求項6又は7に記載の製造方法。
- 前記補強部材は、前記複数のセンサパネルの隙間に取り付けられることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の製造方法。
- 前記補強部材は、前記複数のセンサパネルの前記第2面に取り付けられることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の製造方法。
- 前記補強部材は、前記複数のセンサパネルの側面のうち前記複数のセンサパネルの隙間に面していない側面に取り付けられることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の製造方法。
- 前記低減工程の後に、前記複数のセンサパネルの前記第1面側にシンチレータ層を配置する工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の製造方法。
- 前記補強部材が前記シンチレータ層を形成する際に発生する温度に耐性を有することを特徴とする請求項6乃至11の何れか1項に従属する請求項12に記載の製造方法。
- 前記低減工程の後に、前記複数のセンサパネルの前記第2面に一体の保持部材を取り付ける工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の製造方法。
- 前記低減工程は、前記複数のセンサパネルの前記第2面を研磨することを含むことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の製造方法。
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