JP6601357B2 - シラザン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスや金属の表面処理剤、樹脂改質剤、シリル化剤、医薬品類や農薬類の合成中間体として有用なシラザン化合物の製造方法に関する。
ガラスや金属等の素材表面をシラザン化合物で処理することで、素材表面にシラザン化合物の有機ケイ素部位に由来する特徴を付与することは公知である。例えば、ジメチルアミノトリメチルシランやビス(ジメチルアミノ)ジメチルシランを用いてシリコン基板を表面処理すると、基板表面を疎水化でき、耐水性を付与できることが知られている(特許文献1,2:特開2010−129932号公報,特開平7−254599号公報)。この他に、非対称シロキサン化合物の合成中間体としてシラザン化合物は用いられている。
このようなシラザン化合物の製造方法としては、金属又は有機金属試薬とアミン化合物から調製される金属アミド化合物とアルコキシシラン化合物を反応させ、生成したシラザン化合物と金属アルコキシドをろ過により分離した後、シラザン化合物を単離する方法が一般的である(特許文献3,4:国際公開第2004/016662号,国際公開第2007/018280号)。この他に、クロロシラン化合物とアミン化合物を反応させ、シラザン化合物と、副生する塩化水素を未反応のアミン化合物が捕捉して生成するアミン化合物の塩化水素塩をろ過により分離し、シラザン化合物を単離する方法でも、シラザン化合物を製造することができる(特許文献3,5:国際公開第2004/016662号,国際公開第2005/026180号)。
しかし、特許文献3及び4の方法は、反応性が高く、空気中の水分と容易に反応し、取り扱いに注意を要しなければならない金属又は有機金属試薬を多量に用いなければならず、工業的なスケールで反応を行うには危険が伴う。また、シラザン化合物と金属アルコキシドのろ過による分離には長時間を要するため、製造工程が煩雑になる。更には、ろ過残渣にシラザン化合物が吸着して収率が低下してしまうため、ろ過残渣を多量の溶媒を用いて数回にわたり洗浄する必要があり、工業的に有利な方法ではない。このろ過工程は、金属アルコキシドを水で溶解することによって省略することもできる。しかしながら、目的とするシラザン化合物は加水分解性を有しているため、多量の水と長時間接触すると、加水分解を起こし、目的とするシラザン化合物は低収率でしか得られない。
特許文献5の方法では、シラザン化合物とアミン化合物の塩化水素塩とをろ過により分離するため、特許文献3,4の方法におけるシラザン化合物と金属アルコキシドのろ過と同じ問題が考えられることから、やはり工業的に有利な方法でなく、所望のシラザン化合物を収率よく単離できない。
特開2010−129932号公報 特開平7−254599号公報 国際公開第2004/016662号 国際公開第2007/018280号 国際公開第2005/026180号
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ろ過工程を必要としない、シラザン化合物のより効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ハロシラン化合物とアミン化合物とを反応させてシラザン化合物を製造する方法において、生成したシラザン化合物と、副生したハロゲン化水素を未反応のアミン化合物が捕捉して生じたアミン化合物のハロゲン化水素塩とを含む反応終了後の反応液に、ジアミン化合物及び窒素原子数3以上のポリアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の含窒素有機化合物を添加し、この含窒素有機化合物を上記アミン化合物のハロゲン化水素塩と反応させて塩交換することにより、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を形成させることで、この含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩が液状となって分液するため、分液操作によりそれを除去することができる。更に、この含窒素有機化合物がシラザン化合物と交換反応を起こし得る構造を有しているにもかかわらず、その反応が起こらずにシラザン化合物を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明は下記に示すシラザン化合物の製造方法を提供する。
〔1〕
下記一般式(1)
Figure 0006601357

(式中、R1、R2はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、aは1又は2であり、bは0、1又は2であり、cは1、2又は3である。ただし、a、b及びcはa+b+c=4を満たす整数である。Xは塩素、臭素又はヨウ素である。)
で示されるハロシラン化合物と、下記一般式(2)
Figure 0006601357

(式中、R3、R4は水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、各々同一又は異なっていてもよく、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよい。)
で示されるアミン化合物を反応させ、下記一般式(3)
Figure 0006601357

(式中、R1〜R4及びa、b、cは上記と同様である。)
で示されるシラザン化合物を製造する方法において、生成したシラザン化合物と、上記反応により副生したハロゲン化水素を未反応のアミン化合物が捕捉して生じたアミン化合物のハロゲン化水素塩とを含む反応終了後の反応液に、ジアミン化合物及び窒素原子数3以上のポリアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の含窒素有機化合物を添加し、この含窒素有機化合物を上記アミン化合物のハロゲン化水素塩と反応させて含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を形成させ、これを除去した後、残りの反応液を精製することでシラザン化合物を得るシラザン化合物の製造方法。
〔2〕
前記含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩が液状物であり、分液操作によって除去する〔1〕記載のシラザン化合物の製造方法。
〔3〕
上記ハロシラン化合物とアミン化合物との反応を溶媒の存在下で行い、反応終了後の反応液に上記含窒素有機化合物を添加して含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を形成させた後、シラザン化合物を含む層と、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を含む層とに分離させ、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を含む層を分液操作によって除去するようにした〔1〕記載のシラザン化合物の製造方法。
〔4〕
含窒素有機化合物が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミンから選ばれるものである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシラザン化合物の製造方法。
本発明によれば、ろ過工程を必要としないため、効率的にシラザン化合物を製造でき、また副生する塩の除去に水分を用いないため、加水分解を起こすことなく、シラザン化合物を製造することができる。
本発明のシラザン化合物の製造方法は、下記のスキームに示されるように、一般式(1)で示されるハロシラン化合物と、一般式(2)で示されるアミン化合物とを反応させて、一般式(3)で示されるシラザン化合物を製造した後、生成したシラザン化合物と、未反応のアミン化合物が上記反応により副生したハロゲン化水素を捕捉して生じたアミン化合物のハロゲン化水素塩とを含む反応終了後の反応液に、ジアミン化合物及び窒素原子数3以上のポリアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の含窒素有機化合物を添加し、この含窒素有機化合物を上記アミン化合物のハロゲン化水素塩と反応させて塩交換することにより、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩(5)を形成させ、これを除去することでシラザン化合物を得るものである。
Figure 0006601357
一般式(1)において、R1、R2はヘテロ原子を含んでもよい、置換もしくは非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜6の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表す。
炭素数1〜20の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、テキシル基等の分岐状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が例示される。
一般式(2)において、R3、R4は水素原子又はヘテロ原子を含んでいてもよい、炭素数1〜20、好ましくは1〜6の置換もしくは非置換の1価炭化水素基を表すが、各々同一又は異なっていてもよく、これらが互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20の環を形成してもよい。
炭素数1〜20の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、テキシル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が例示される。
また、R3、R4が互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に環構造を形成する場合には、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、メチルピペラジン、モルホリン、デカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン等が例示される。
また、R1〜R4の炭素数1〜20の1価炭化水素基はエーテル基(−O−)、スルフィド基(−S−)等のヘテロ原子が介在してもよく、これらを組み合わせて用いることもできる。更に、これらの炭化水素基における水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子からなる基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜10のアラルキル基;それぞれ各アルキル基、各アルコキシ基が炭素数1〜5であるトリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、ジアルキルモノアルコキシシリル基、モノアルキルジアルコキシシリル基等が挙げられる。
aは1又は2であり、bは0、1又は2であり、cは1、2又は3である。ただしa、b及びcはa+b+c=4を満たす整数である。Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である
一般式(1)で示されるハロシラン化合物としては、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリ(イソ)プロポキシクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルジ(イソ)プロポキシクロロシラン、エチルジメトキシクロロシラン、エチルジエトキシクロロシラン、エチルジ(イソ)プロポキシクロロシラン、ビニルジメトキシクロロシラン、ビニルジエトキシクロロシラン、ビニルジ(イソ)プロポキシクロロシラン、ヘキシルジメトキシクロロシラン、ヘキシルジエトキシクロロシラン、ヘキシルジ(イソ)プロポキシクロロシラン、ジイソプロピルメトキシクロロシラン、ジイソプロピルエトキシクロロシラン、ジイソプロピル(イソ)プロポキシクロロシラン、ジシクロペンチルメトキシクロロシラン、ジシクロペンチルエトキシクロロシラン、ジシクロペンチル(イソ)プロポキシクロロシラン、シクロヘキシルメチルメトキシクロロシラン、シクロヘキシルメチルエトキシクロロシラン、シクロヘキシルメチル(イソ)プロポキシクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、ジ(イソ)プロポキシジクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチル(イソ)プロポキシジクロロシラン、エチルメトキシジクロロシラン、エチルエトキシジクロロシラン、エチル(イソ)プロポキシジクロロシラン、ビニルメトキシジクロロシラン、ビニルエトキシジクロロシラン、ビニル(イソ)プロポキシジクロロシラン、ヘキシルメトキシジクロロシラン、ヘキシルエトキシジクロロシラン、ヘキシル(イソ)プロポキシジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジシクロペンチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、メチル(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)エトキシクロロシラン等のクロロシラン化合物、トリメトキシブロモシラン、トリエトキシブロモシラン、トリ(イソ)プロポキシブロモシラン、メチルジメトキシブロモシラン、メチルジエトキシブロモシラン、メチルジ(イソ)プロポキシブロモシラン、エチルジメトキシブロモシラン、エチルジエトキシブロモシラン、エチルジ(イソ)プロポキシブロモシラン、ビニルジメトキシブロモシラン、ビニルジエトキシブロモシラン、ビニルジ(イソ)プロポキシブロモシラン、ヘキシルジメトキシブロモシラン、ヘキシルジエトキシブロモシラン、ヘキシルジ(イソ)プロポキシブロモシラン、ジイソプロピルメトキシブロモシラン、ジイソプロピルエトキシブロモシラン、ジイソプロピル(イソ)プロポキシブロモシラン、ジシクロペンチルメトキシブロモシラン、ジシクロペンチルエトキシブロモシラン、ジシクロペンチル(イソ)プロポキシブロモシラン、シクロヘキシルメチルメトキシブロモシラン、シクロヘキシルメチルエトキシブロモシラン、シクロヘキシルメチル(イソ)プロポキシブロモシラン、ジメトキシジブロモシラン、ジエトキシジブロモシラン、ジ(イソ)プロポキシジブロモシラン、メチルメトキシジブロモシラン、メチルエトキシジブロモシラン、メチル(イソ)プロポキシジブロモシラン、エチルメトキシジブロモシラン、エチルエトキシジブロモシラン、エチル(イソ)プロポキシジブロモシラン、ビニルメトキシジブロモシラン、ビニルエトキシジブロモシラン、ビニル(イソ)プロポキシジブロモシラン、ヘキシルメトキシジブロモシラン、ヘキシルエトキシジブロモシラン、ヘキシル(イソ)プロポキシジブロモシラン、ジイソプロピルジブロモシラン、ジシクロペンチルジブロモシラン、シクロヘキシルメチルジブロモシラン、ビニルメチルジブロモシラン等のブロモシラン化合物、トリメトキシヨードシラン、トリエトキシヨードシラン、トリ(イソ)プロポキシヨードシラン、メチルジメトキシヨードシラン、メチルジエトキシヨードシラン、メチルジ(イソ)プロポキシヨードシラン、エチルジメトキシヨードシラン、エチルジエトキシヨードシラン、エチルジ(イソ)プロポキシヨードシラン、ビニルジメトキシヨードシラン、ビニルジエトキシヨードシラン、ビニルジ(イソ)プロポキシヨードシラン、ヘキシルジメトキシヨードシラン、ヘキシルジエトキシヨードシラン、ヘキシルジ(イソ)プロポキシヨードシラン、ジイソプロピルメトキシヨードシラン、ジイソプロピルエトキシヨードシラン、ジイソプロピル(イソ)プロポキシヨードシラン、ジシクロペンチルメトキシヨードシラン、ジシクロペンチルエトキシヨードシラン、ジシクロペンチル(イソ)プロポキシヨードシラン、シクロヘキシルメチルメトキシヨードシラン、シクロヘキシルメチルエトキシヨードシラン、シクロヘキシルメチル(イソ)プロポキシヨードシラン、ジメトキシジヨードシラン、ジエトキシジヨードシラン、ジ(イソ)プロポキシジヨードシラン、メチルメトキシジヨードシラン、メチルエトキシジヨードシラン、メチル(イソ)プロポキシジヨードシラン、エチルメトキシジヨードシラン、エチルエトキシジヨードシラン、エチル(イソ)プロポキシジヨードシラン、ビニルメトキシジヨードシラン、ビニルエトキシジヨードシラン、ビニル(イソ)プロポキシジヨードシラン、ヘキシルメトキシジヨードシラン、ヘキシルエトキシジヨードシラン、ヘキシル(イソ)プロポキシジヨードシラン、ジイソプロピルジヨードシラン、ジシクロペンチルジヨードシラン、シクロヘキシルメチルジヨードシラン、ビニルメチルジヨードシラン等のヨードシラン化合物等が例示される。
一般式(2)で示されるアミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、tert−アミルアミン、1,1,3,3−テトラメチルブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン等の2級アミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、メチルピペラジン、モルホリン、デカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン等の環状2級アミン等が例示される。
一般式(1)で示されるハロシラン化合物と、一般式(2)で示されるアミン化合物から一般式(3)で示されるシラザン化合物を得る反応は、通常の条件下で行なうことができる。具体的には、ハロシラン化合物のSi−X結合1モルに対して、好ましくはアミン化合物2〜20モル、より好ましくは2〜10モルであり、反応温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは40〜120℃である。反応時間は、好ましくは30〜600分間、より好ましくは30〜300分間、更に好ましくは60〜120分間である。
上記反応は、無触媒でも進行するが、触媒を用いることで反応時間を短縮することもできる。用いられる触媒としては、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブチルスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。
触媒の使用量は特に限定されないが、反応促進効果の観点から、一般式(1)で示される化合物1モルに対し、好ましくは触媒を0.001〜1.0モル、より好ましくは0.001〜0.2モル、とりわけ0.005〜0.1モルである。
なお、上記反応は無溶媒でも進行するが、反応の進行と共に、副生するハロゲン化水素が一般式(2)で示される未反応のアミン化合物と反応してアミン化合物のハロゲン化水素塩が生成し、撹拌効率が低下する。これを考慮して、溶媒を用いることが好ましい。用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒が挙げられ、これらの溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
次に、得られた一般式(3)で示されるシラザン化合物と、一般式(2)で示される未反応のアミン化合物のハロゲン化水素塩を含む反応液に、ジアミン化合物又は窒素原子数3以上のポリアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の含窒素有機化合物を加えてアミン化合物のハロゲン化水素塩の塩交換を行なう。
塩交換により生成する含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩が液状となって分離しやすくなり、分液操作等によって容易に除去できるようになる。
ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン、N−メチルピペラジン等の総炭素原子数2以上のジアミン化合物が例示される。
総窒素原子数3以上のポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、アミノエチルピペラジン等の窒素数3〜10のポリアミン化合物が好ましい。
これらの中でも、原料の入手容易性を考慮すると、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンがより好ましい。
なお、上記含窒素有機化合物は、1種を単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
含窒素有機化合物の使用量は特に限定されないが、反応性および生産性、並びに副生したハロゲン化水素塩を液状として効率的に除去することを考慮すると、原料として用いる式(1)で示されるハロシラン化合物に含まれるハロゲン原子1モルに対し、好ましくは1〜5モル、より好ましくは1〜3モルであり、さらに好ましくは1〜2モルである。
上記反応の反応温度は特に限定されないが、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜150℃、さらに好ましくは30〜80℃である。反応時間は、好ましくは30〜120分間、より好ましくは60〜90分間である。
なお、この反応もハロシラン化合物とアミン化合物の反応と同様、溶媒の存在下で行なうこともできる。使用可能な溶媒の具体例としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
反応終了後は、生じた含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩が液状となる0〜200℃、特に60〜150℃の温度にて、分液操作等により分離、除去できる。また、溶媒を用いて反応を行った場合、反応終了後の反応液は、シラザン化合物と含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩とは極性が大きく異なり、相溶性が低くなることから、シラザン化合物を含む層と、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を含む層とに分離させることができるため、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を含む層を反応系から容易に除去することができる。この場合、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩の方がシラザン化合物よりも比重が大きいことから、上層がシラザン化合物を含む層、下層が含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を含む層となることが多い。除去方法としては、分液操作、デカンテーション等が挙げられるが、生産性の点から分液が好ましい。
含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を除去した反応液を、蒸留等の通常の方法で精製し、目的物を得ることができる。
上記一連の反応で得られる一般式(3)で示されるシラザン化合物としては、(メチルアミノ)トリメトキシシラン、(ブチルアミノ)トリメトキシシラン、(tert−ブチルアミノ)トリメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノ)トリメトキシシラン、(ジメチルアミノ)トリメトキシシラン、(ジエチルアミノ)トリメトキシシラン、(メチルピペラジノ)トリメトキシシラン、(モルホリノ)トリメトキシシラン、(メチルアミノ)トリエトキシシラン、(ブチルアミノ)トリエトキシシラン、(tert−ブチルアミノ)トリエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノ)トリエトキシシラン、(ジメチルアミノ)トリエトキシシラン、(ジエチルアミノ)トリエトキシシラン、(メチルピペラジノ)トリエトキシシラン、(モルホリノ)トリエトキシシラン、(テトラメチルブチルアミノ)トリエトキシシラン、(メチルアミノ)メチルジメトキシシラン、(ブチルアミノ)メチルジメトキシシラン、(tert−ブチルアミノ)メチルジメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノ)メチルジメトキシシラン、(ジメチルアミノ)メチルジメトキシシラン、(ジエチルアミノ)メチルジメトキシシラン、(メチルピペラジノ)メチルジメトキシシラン、(モルホリノ)メチルジメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノ)エチルジメトキシシラン、(メチルピペラジノ)エチルジメトキシシラン、(メチルアミノ)メチルジエトキシシラン、(ブチルアミノ)メチルジエトキシシラン、(tert−ブチルアミノ)メチルジエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノ)メチルジエトキシシラン、(ジメチルアミノ)メチルジエトキシシラン、(ジエチルアミノ)メチルジエトキシシラン、(メチルピペラジノ)メチルジエトキシシラン、(モルホリノ)メチルジエトキシシラン、(メチルアミノ)メチルビニルメトキシシラン、(ブチルアミノ)メチルビニルメトキシシラン、(tert−ブチルアミノ)メチルビニルメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノ)メチルビニルメトキシシラン、(ジメチルアミノ)メチルビニルメトキシシラン、(ジエチルアミノ)メチルビニルメトキシシラン、(メチルピペラジノ)メチルビニルメトキシシラン、(モルホリノ)メチルビニルメトキシシラン、(ジエチルアミノ)メチル(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)メトキシシラン、(メチルアミノ)ヘキシルメチルメトキシシラン、(ブチルアミノ)ヘキシルメチルメトキシシラン、(tert−ブチルアミノ)ヘキシルメチルメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノ)ヘキシルメチルメトキシシラン、(ジメチルアミノ)ヘキシルメチルメトキシシラン、(ジエチルアミノ)ヘキシルメチルメトキシシラン、(メチルピペラジノ)ヘキシルメチルメトキシシラン、(モルホリノ)ヘキシルメチルメトキシシラン、(ジエチルアミノ)ヘキシルメチルエトキシシラン、(ジエチルアミノ)ビニルメチルイソプロポキシシラン、(ジメチルアミノ)ジイソプロピルメトキシシラン、(ジエチルアミノ)ジイソプロピルメトキシシラン、(メチルピペラジノ)ジイソプロピルメトキシシラン、(モルホリノ)ジイソプロピルメトキシシラン、(ジメチルアミノ)ジシクロペンチルメトキシシラン、(ジエチルアミノ)ジシクロペンチルメトキシシラン、(メチルピペラジノ)ジシクロペンチルメトキシシラン、(モルホリノ)ジシクロペンチルメトキシシラン、(ジメチルアミノ)シクロヘキシルメチルメトキシシラン、(ジエチルアミノ)シクロヘキシルメチルメトキシシラン、(メチルピペラジノ)シクロヘキシルメチルメトキシシラン、(モルホリノ)シクロヘキシルメチルメトキシシラン、(メチルアミノ)フェニルメチルメトキシシラン、(ブチルアミノ)フェニルメチルメトキシシラン、(tert−ブチルアミノ)フェニルメチルメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノ)フェニルメチルメトキシシラン、(ジメチルアミノ)フェニルメチルメトキシシラン、(ジエチルアミノ)フェニルメチルメトキシシラン、(メチルピペラジノ)フェニルメチルメトキシシラン、(モルホリノ)フェニルメチルメトキシシラン、ビス(メチルアミノ)ジイソプロピルシラン、ビス(ブチルアミノ)ジイソプロピルシラン、ビス(tert−ブチルアミノ)ジイソプロピルシラン、ビス(シクロヘキシルアミノ)ジイソプロピルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジイソプロピルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジイソプロピルシラン、ビス(メチルピペラジノ)ジイソプロピルシラン、ビス(モルホリノ)ジイソプロピルシラン、ビス(メチルアミノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(ブチルアミノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(tert−ブチルアミノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(シクロヘキシルアミノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(メチルピペラジノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(モルホリノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(プロピルアミノ)ジシクロペンチルシラン、ビス(メチルアミノ)シクロヘキシルメチルシラン、ビス(ブチルアミノ)シクロヘキシルメチルシラン、ビス(tert−ブチルアミノ)シクロヘキシルメチルシラン、ビス(シクロヘキシルアミノ)シクロヘキシルメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)シクロヘキシルメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)シクロヘキシルメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ヘキシルメチルシラン、ビス(メチルピペラジノ)シクロヘキシルメチルシラン、ビス(モルホリノ)シクロヘキシルメチルシラン、ビス(メチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ブチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(tert−ブチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(シクロヘキシルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(メチルピペラジノ)メチルビニルシラン、ビス(モルホリノ)メチルビニルシラン等が例示される。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1](tert−ブチルアミノ)メチルジメトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、メチルジメトキシクロロシラン84.7g(0.603モル)とトルエン157.1g、メタンスルホン酸0.19g(0.0020モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、tert−ブチルアミン92.1g(1.26モル)を60〜70℃の温度を保持しながら2時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン54.0g(0.899モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。(tert−ブチルアミノ)メチルジメトキシシランを沸点120℃/35kPaの留分として35.3g得た(収率33%)。
[実施例2](シクロヘキシルアミノ)エチルジメトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、エチルジメトキシクロロシラン69.8g(0.451モル)とトルエン126.2g、メタンスルホン酸0.15g(0.0015モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、シクロヘキシルアミン93.7g(0.945モル)を60〜70℃の温度を保持しながら2時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン40.8g(0.679モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。(シクロヘキシルアミノ)エチルジメトキシシランを沸点101℃/1.0kPaの留分として54.1g得た(収率55%)。
[実施例3](メチルピペラジノ)エチルジメトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、エチルジメトキシクロロシラン78.3g(0.500モル)とトルエン127.7g、メタンスルホン酸0.45g(0.0047モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、メチルピペラジン105.3g(1.051モル)を60〜70℃の温度を保持しながら2時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン45.0g(0.749モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。(メチルピペラジノ)エチルジメトキシシランを沸点94℃/0.5kPaの留分として43.0g得た(収率39%)。
[実施例4]シクロヘキシル(ジエチルアミノ)メチルメトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、シクロヘキシルメチルメトキシクロロシラン57.8g(0.300モル)とトルエン77.2g、メタンスルホン酸0.3g(0.003モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、ジエチルアミン46.1g(0.631モル)を60〜70℃の温度を保持しながら1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン27.1g(0.452モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。シクロヘキシル(ジエチルアミノ)メチルメトキシシランを沸点100℃/0.8kPaの留分として39.7g得た(収率58%)。
[実施例5](ジエチルアミノ)ヘキシルメチルエトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、ヘキシルメチルエトキシクロロシラン62.6g(0.300モル)とトルエン77.6g、メタンスルホン酸0.3g(0.003モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、ジエチルアミン46.2g(0.631モル)を60〜70℃の温度を保持しながら1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン27.1g(0.451モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。(ジエチルアミノ)ヘキシルメチルエトキシシランを沸点107℃/1.0kPaの留分として34.8g得た(収率47%)。
[実施例6](ジエチルアミノ)メチル(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)エトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、メチル(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)エトキシクロロシラン74.1g(0.200モル)とトルエン53.9g、メタンスルホン酸0.2g(0.002モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、ジエチルアミン30.7g(0.420モル)を60〜70℃の温度を保持しながら1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン18.1g(0.301モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。(ジエチルアミノ)メチル(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル)エトキシシランを沸点103℃/0.2kPaの留分として50.0g得た(収率61%)。
[実施例7](ブチルアミノ)メチルフェニルエトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、メチルフェニルエトキシクロロシラン60.2g(0.300モル)とトルエン75.1g、メタンスルホン酸0.3g(0.003モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、ブチルアミン46.2g(0.632モル)を60〜70℃の温度を保持しながら1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン27.1g(0.300モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した(ブチルアミノ)メチルフェニルエトキシシランを沸点113℃/0.6kPaの留分として36.2g得た(収率51%)。
[実施例8](テトラメチルブチルアミノ)トリエトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、トリエトキシクロロシラン39.7g(0.200モル)とトルエン51.5g、メタンスルホン酸0.2g(0.002モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、テトラメチルブチルアミン54.5g(0.422モル)を60〜70℃の温度を保持しながら1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン18.2g(0.303モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。(テトラメチルブチルアミノ)トリエトキシシランを沸点108℃/1.0kPaの留分として36.1g得た(収率62%)。
[実施例9](ジエチルアミノ)ビニルメチルイソプロポキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、ビニルメチルイソプロポキシクロロシラン32.9g(0.200モル)とトルエン53.3g、メタンスルホン酸0.10g(0.0010モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、ジエチルアミン30.7g(0.420モル)を60〜70℃の温度を保持しながら1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン18.0g(0.300モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。(ジエチルアミノ)ビニルメチルイソプロポキシシランを沸点83℃/3.1kPaの留分として17.0g得た(収率42%)。
参考]ジシクロペンチルビス(プロピルアミノ)シランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、ジシクロペンチルジクロロシラン47.5g(0.200モル)とトルエン102.6g、メタンスルホン酸0.19g(0.0020モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、プロピルアミン49.6g(0.869モル)を60〜70℃の温度を保持しながら1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン36.0g(0.600モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。ジシクロペンチルビス(プロピルアミノ)シランを沸点131℃/0.2kPaの留分として38.4g得た(収率68%)。
参考]ビス(ジエチルアミノ)ヘキシルメチルシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、ヘキシルメチルジクロロシラン39.8g(0.200モル)とトルエン101.9g、トリフルオロメタンスルホン酸0.29g(0.0020モル)を仕込み、60℃に加熱した。得られた反応液に、ジエチルアミン61.4g(0.840モル)を60〜70℃の温度を保持しながら1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに8時間撹拌した。反応混合物を60℃に冷却し、エチレンジアミン36.0g(0.600モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。ビス(ジエチルアミノ)ヘキシルメチルシランを沸点113℃/0.4kPaの留分として37.0g得た(収率68%)。
参考]ビス(メチルピペラジノ)ビニルメチルシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、ビニルメチルジクロロシラン63.5g(0.450モル)とトルエン240.0g、メタンスルホン酸0.43g(0.0045モル)を仕込んだ。得られた反応液に、メチルピペラジン189g(1.89モル)を空冷下1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに3時間撹拌した。反応混合物を60℃に加温し、エチレンジアミン81.1g(1.35モル)を加えて、同じ温度で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。50〜60℃で下層を除去し、上層を蒸留した。ビス(メチルピペラジノ)ビニルメチルシランを沸点137℃/0.4kPaの留分として92.4g得た(収率77%)。
[比較例1](tert−ブチルアミノ)メチルジメトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、メチルジメトキシクロロシラン21.2g(0.151モル)とトルエン40.0g、メタンスルホン酸0.042g(0.00043モル)を仕込み60℃に加熱した。得られた反応液に、tert−ブチルアミン23.0g(0.315モル)を60〜70℃の温度を保持しながら2時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、25%水酸化ナトリウム24.0g(0.150モル)と水16gを加えて、室温で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。上層のGC分析を行なうと、(tert−ブチルアミノ)メチルジメトキシシランは全て加水分解し、消失していた。
[比較例2](シクロヘキシルアミノ)エチルジメトキシシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、エチルジメトキシクロロシラン69.8g(0.451モル)とトルエン124.5g、メタンスルホン酸0.15g(0.0015モル)を仕込み60℃に加熱した。得られた反応液に、シクロヘキシルアミン95.6g(0.963モル)を60〜70℃の温度を保持しながら2時間かけて滴下し、同じ温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、25%水酸化ナトリウム75.6g(0.473モル)と水45gを加えて、室温で30分間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。得られた上層のGC分析を行なうと、(シクロヘキシルアミノ)エチルジメトキシシランは全て加水分解し、消失していた。
[比較例3]ビス(メチルピペラジノ)ビニルメチルシランの合成
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、ビニルメチルジクロロシラン63.5g(0.450モル)とトルエン240.0g、メタンスルホン酸0.43g(0.0045モル)を仕込んだ。得られた反応液に、メチルピペラジン189g(1.89モル)を空冷下1時間かけて滴下し、同じ温度でさらに3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、25%水酸化ナトリウム33.7g(0.210モル)と水10gを加えて、室温で1時間撹拌した。この段階で反応液は2層に分離していた。得られた上層のGC分析を行なうと、ビス(メチルピペラジノ)ビニルメチルシランは全て加水分解し、消失していた。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0006601357

    (式中、R1、R2はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、aは1又は2であり、bは0、1又は2であり、cは1、2又は3である。ただし、a、b及びcはa+b+c=4を満たす整数である。Xは塩素、臭素又はヨウ素である。)
    で示されるハロシラン化合物と、下記一般式(2)
    Figure 0006601357

    (式中、R3、R4は水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、各々同一又は異なっていてもよく、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に環を形成してもよい。)
    で示されるアミン化合物を反応させ、下記一般式(3)
    Figure 0006601357

    (式中、R1〜R4及びa、b、cは上記と同様である。)
    で示されるシラザン化合物を製造する方法において、生成したシラザン化合物と、上記反応により副生したハロゲン化水素を未反応のアミン化合物が捕捉して生じたアミン化合物のハロゲン化水素塩とを含む反応終了後の反応液に、ジアミン化合物及び窒素原子数3以上のポリアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の含窒素有機化合物を添加し、この含窒素有機化合物を上記アミン化合物のハロゲン化水素塩と反応させて含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を形成させ、これを除去した後、残りの反応液を精製することでシラザン化合物を得るシラザン化合物の製造方法。
  2. 前記含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩が液状物であり、分液操作によって除去する請求項1記載のシラザン化合物の製造方法。
  3. 上記ハロシラン化合物とアミン化合物との反応を溶媒の存在下で行い、反応終了後の反応液に上記含窒素有機化合物を添加して含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を形成させた後、シラザン化合物を含む層と、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を含む層とに分離させ、含窒素有機化合物のハロゲン化水素塩を含む層を分液操作によって除去するようにした請求項1記載のシラザン化合物の製造方法。
  4. 含窒素有機化合物が、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミンから選ばれるものである請求項1〜3のいずれか1項記載のシラザン化合物の製造方法。
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