本発明の実施形態について説明する。以下では、監視システム等のアプリケーション側から、無線制御部による基地局のアンテナ指向性の制御機能を用いて、対象ユーザが保有する端末のID情報を取得する処理の少なくとも一部を、エッジコンピューティングで実現した例に即していくつかの形態を説明する。
図11は、本発明のいくつかの形態の基本概念を説明する図である。図11を参照すると、処理装置700は、モバイルネットワークシステムのノード(例えば基地局等)における通信制御機能など(例えば基地局機能等)を提供するための通信処理(例えば基地局処理等を含む)と、監視制御などの情報処理系の処理(IT処理)を行う。処理装置700は、モバイルエッジプラットフォーム(「MEC(Mobile Edge Computing)プラットフォーム」ともいう)701と、アプリケーション部702と、を備えている。
特に制限されるものではないが、モバイルエッジプラットフォーム701は、例えば、通信処理と、IT処理と、を互いに連携させるような構成としてもよい。
アプリケーション部702は、例えば監視制御等のIT処理を行うようにしてもよい(ただし、IT処理は、監視制御等に制限されない)。
さらに、アプリケーション部702から、対象の位置関連情報を受け取りモバイルエッジプラットフォーム701に供給し、モバイルエッジプラットフォーム701から、位置関連情報に示すエリア(例えば基地局セル/セクタ)に存在する端末ID情報の候補を受け取り、アプリケーション部702に出力するAPI(Application Programming Interface)703を備えるようにしてもよい。なお、API703は、モバイルエッジプラットフォーム701内に備える構成としてもよい。図11では、モバイルエッジプラットフォーム701と、アプリケーション部702とが一つのユニットを構成しているが、これらを、それぞれ互いに異なるノードに分散して配置し、互いに通信接続する構成としてもよい。なお、プラットフォームとは、ソフトウェアが動作するための基盤をいい、例えば、アプリケーションソフトウェアのプラットフォームとは、OS(Operating System)やミドルウエア等を指す。なお、特に制限されるものではないが、図11のモバイルエッジプラットフォーム701は、非特許文献1に開示されたMECアプリケーションプラットフォーム(MEC Application Platform)に対応させることも可能である。
本発明のいくつかの形態において、モバイルエッジプラットフォーム701(例えば図1のMECプラットフォーム20に対応する)は、アプリケーション部702から、対象の位置情報(例えば対象を収容するセクタ情報と方向情報)を受信し、対象のID候補情報を出力するAPI(図1の30)と、前記位置情報(例えば収容セクタ情報と方向情報)からアンテナ指向制御を行って端末IDを検出する、アンテナ指向制御による端末ID検出部(図1の70)を備えた構成としてもよい。
また、本発明のいくつかの形態において、アプリケーション部702(例えば図1のアプリケーション部400に対応する)は、
カメラからの対象の方向を推定する手段(図1の60)と、
基地局から見た対象の方向を推定する手段(図1の61)と、
を備えた構成としてもよい。
本発明のいくつかの形態において、カメラで撮像した画像から対象を特性し、当該対象の方向を推定して、領域(例えば基地局のセル/セクタ内の領域)を絞る。そして、基地局側で、絞った領域にアンテナ指向性を向けることで、検出される端末ID候補を限定するようにしてもよい。
さらに、本発明のいくつかの形態において、
・時間的/空間的に、複数の検知ポイントでの情報を連携させてID候補を絞り込むようにしてもよい。あるいは、
・対象ではないことが予めわかっている端末ID情報をホワイトリストとして登録しておき、検知された端末ID候補の中からホワイトリストに登録された端末ID候補を除くことで、端末ID候補の絞り込みを行うようにしてもよい。
あるいは、本発明のいくつかの形態において、基地局処理を行う無線制御部(図1の200)に、トラフィック・リダイレクション部(図1の80)を備え、関連するパケットのみ、パケットを、アプリケーション部(図1の400)に振り分けるようにしてもよい。エッジ処理することで、ネットワークを経由した遅延(レイテンシ)を削減することができる。
本発明のいくつかの形態の一つによれば、モバイルエッジプラットフォームは、基地局処理とIT処理を連携させるようにしてもよい。
本発明のいくつかの形態の一つによれば、モバイルエッジプラットフォームは、アプリケーション部から受信した収容セクタ情報と方向情報とに基づく無線アンテナ指向性制御による、端末ID検出手段を備えた構成としてもよい。
本発明のいくつかの形態の一つによれば、当該基地局セル/セクタ内に、複数の端末が存在する場合でも、より高精度に、端末ID候補を特定する(絞り込む)ことが可能となる。また、時間的/空間的に、複数の検知ポイントでの情報を連携させたり、あるいは、登録済みのIDリスト(ホワイトリスト)を用いたりすることによって、更に、ID候補を絞り込むことが可能である。
また、本発明のいくつかの形態の一つによれば、モバイルエッジプラットフォームとして、エッジアプリケーションに向けた共通のインタフェースとしてAPI(Application Program Interface)を備えるようにしてもよい。種々のITアプリケーションから効率的に基地局装置側の機能や情報を活用したり、基地局装置との連携制御機能を実現したりすることができる。
本発明のいくつかの形態の一つによれば、監視カメラ等で検知した特定ユーザが保有する端末IDを特定する方法として、検知した対象が収容されている基地局エリア(セル/セクタ範囲)が広い場合でも、高精度に端末ID候補を特定する(絞り込む)ことができる。また、対象が移動するような場合でも、高精度に特定することができる。
また、今後、基地局装置付近で種々のIT処理を行うモバイルエッジコンピューティングの実現を考えた場合には、種々のアプリケーション側から、汎用的に、基地局装置との情報交換や連携制御できる共通インタフェース(API(Application Program Interface))を確立することができる。
次に本発明の例示的な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
はじめに、以下で説明される第1乃至第4の例示的な実施形態について各々の概略を説明しておく。
第1の例示的な実施の形態では、処理装置の例として、端末ID特定方法を実現する無線制御部、監視制御部、その共通I/Fを備える処理装置の基本構成と特徴、動作について詳説する。
第2の例示的な実施の形態では、監視制御部と無線制御部を繰り返し密連携させて、検知された端末ID候補の位置情報履歴を追跡・トレースして端末ID候補を絞り込む場合の基本構成と特徴、動作について詳説する。
第3の例示的な実施の形態では、第1の例示的な実施の形態においてアプリケーション部に備えていた基地局からの対象方向推定機能を、エッジプラットフォーム側に備える場合の例について説明する。
第4の例示的な実施の形態として、アプリケーション部に近接(Proximity)サービスなどの複数のアプリケーションを実現し、エッジプラットフォームを共通に利用する場合の例について説明する。
(第1の例示的な実施の形態)
図1は、本発明の第1の例示的な実施の形態の装置構成を例示する図である。図1を参照すると、無線制御部200と、監視制御等を行うアプリケーション部400と、を備えている。第1の例示的な実施形態では、アプリケーション部400側から無線制御部200を活用して、端末ID情報を取得する。
無線制御部200は、集約型基地局であるC−RAN(Centralized-RAN(Radio Access Network)、Cloud-RAN)構成であってもよい。あるいは、無線制御部200は、一体型(All-in-One型)基地局構成であってもよい。図1では特に図示していないが無線制御部200は、基地局のベースバンド部BBU(Base-Band Unit)を備えている。
無線制御部200は、アンテナやRF(Radio Frequency)等を実装したRRU(Remote Radio Unit)100と接続される。
RRU100は、中間周波数(Intermediate Frequency:IF)からの無線周波数(Radio Frequency:RF)へのアップコンバージョン、RFからIFへのダウンコンバージョンの周波数変換、送信信号を電力増幅する電力増幅器(Power Amplifier)、送信アンテナと受信アンテナを1本のアンテナで共用する場合、送信経路と受信経路を電気的に分離するデュプレクサ、アンテナで受信した信号を増幅する低雑音増幅器LNA(Low Noise Amplifier)等を備えたRF(Radio Frequency)トランシーバを備えている。RRU100と基地局処理部10のベースバンド部BBU(Base Band Unit)との間は、例えばデジタルベースバンド信号が光ファイバ等で伝送される構成としてもよい。
また、無線制御部200は、上位ネットワーク側は例えばコアネットワーク300と接続される。
特に制限されるものではないが、図1の例では無線制御部200はC−RAN構成を想定している。このため、無線制御部200は、集約化して処理する複数のRRU100と接続されるものとする。
ただし、本実施形態において、アンテナやRF部がリモート構成の基地局装置に限定されるものでなく、例えば一体型基地局装置であってもよいことは勿論である。その場合、無線制御部200は、対応するRRU100と密接続される構成としてもよい。
図1に示すように、無線制御部200は、基地局処理部10と、モバイルエッジコンピューティングプラットフォーム(MECプラットフォーム)20を備える。MECプラットフォーム20とアプリケーション部400は、一つの処理装置として構成してもよいし、異なるノードに分散配置する構成としてもよい。MECプラットフォーム20とアプリケーション部400を分散配置する場合も、これらを併せて処理装置という。基地局処理部10とMECプラットフォーム20は、1つの無線制御部200内に位置するものとしてここでは記載されているが、異なるノードに分散配置する構成とすることも可能である。また、基地局処理部10、MECプラットフォーム20とアプリケーション部400を1つのノード(処理装置)に配置することも可能である。
基地局処理部10は、基地局として機能するための処理である基地局処理を実行する。基地局処理は、例えば、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルに基づくLayer−2(L2)、Layer−3(L3)等の処理を含んでもよい。このうち、L2層のMAC(Media Access Control)層は、論理チャネルを通して無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)層に、論理チャネルとトランスポートチャネル間のリソース割り当てなどのサービスを提供する。RLC層は、例えばパケット伝送誤りを軽減するための通信制御を行う。L2層には、MAC層とRLC層の他に、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)層がある。PDCP層は、パケット・データに付加されたヘッダ情報を圧縮し無線リンクでの効率的な伝送やパケットの順序管理を行う。
L3層の無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層は、例えば無線ベアラの設定、再設定、解除等に関連してトランスポートチャネルと物理チャネルを制御する。RRC層は、例えばネットワークから端末に対するシステム情報(System Information Block: SIB)や呼び出し情報(paging information)の報知などを行い、端末と無線アクセスネットワーク間の無線リソースの制御を行う。基地局処理部10は、L1層(PHY)の処理を行うようにしてもよいことは勿論である。
C−RAN構成の場合は、複数セル/セクタ(RRU100)分の基地局処理を集約化して行う。なお、基地局処理のLayer−1の処理は、基地局処理部10で行っても良いし、あるいは、RRU100側で行ってもよい。また、Layer−3を基地局処理部10が行い、Layer−2、Layer−1の処理をRRU100側が行う構成としてもよい。さらに、Layer−3とLayer−2の少なくとも一部(例えばPDCP層)の処理を基地局処理部10が行い、Layer−2の少なくとも一部(例えばRLC層、MAC層)の処理をRRU100側が行う構成としてもよい。さらに、基地局処理は、コアネットワークノード(又はコアネットワーク機能部)及び/又は他の基地局(他の基地局機能部)と通信するために用いる各種レイヤ(層)における処理を含んでもよい。例えば、基地局処理は、3GPPで規定されたX2−AP(Application Protocol)及びS1−AP(Application Protocol)の少なくともいずれかでの処理を含んでもよい。ここでX2は3GPPで規定された基地局(eNB(eNodeB))間のI/Fを示す。また、S1は3GPPで規定されたS1−MME、S1−Uを含む。S1−MMEは、基地局(eNB)とMME(Mobility Management Entity、コアネットワークノードの1つ)との間のI/Fを示す。S1−Uは、基地局(eNB)とS−GW(Serving Gateway、コアネットワークノードの1つ)との間のI/Fを示す。
MECプラットフォーム20は、アンテナ指向制御による端末ID検出部70と、アプリケーション部400に向けた共通I/F(interface)であるAPI(Application Programming Interface)30を備えている。APIは、一般にソフトウェア部品が互いにやりとりするのに使用するインタフェースの仕様と定義することも可能であり、ソフトウェア(プログラム)から呼び出して利用するための手順(サブルーチン)やデータ形式の仕様からなる。例えばアプリケーション部400からの呼び出しを受けたAPI(サブルーチン)は、アプリケーション部400(例えば端末ID取得制御部62)から渡された情報を引数として受け取り、必要に応じて、MECプラットフォーム20内の該当するユニット(例えば図1のアンテナ指向制御による端末ID検出部70)に対応したデータ形式等に適宜変換した上で該ユニットを起動して当該情報を受け渡し、該ユニットで取得した情報を受け取り、呼び出し元のアプリケーション部400に戻り値として返す処理を行う。また、MECプラットフォーム20側(例えばトラフィック・リダイレクション部80)からの呼び出しを受けたAPI(サブルーチン)は、MECプラットフォーム20側から提供された情報(画像データ等)を引数として受け取り、必要に応じてアプリケーション部400の該当するアプリケーション(例えば顔認証部40)に対応したデータ形式等に適宜変換して該アプリケーションを起動して当該情報を受け渡す構成としてもよい(この場合、戻り値は成功を示す値(例えば0)であってよい)。
また、MECプラットフォーム20は、例えばETSI ISG MECで議論されているようなトラフィック・リダイレクション部80を備えても良い。この場合、トラフィック・リダイレクション部80は、トラフィックオフロードを行うようにしてもよい。あるいは、トラフィック・リダイレクション部80の機能を基地局側(例えば基地局処理部10)に備えた構成としてもよいことは勿論である。
アプリケーション部400では、アプリケーションを実行するためのアプリケーション実行部(不図示)を備える。本実施形態では、例えばアプリケーションとして顔認証技術を用いた監視制御を実行するために、顔認証部40を備えた構成として以下説明する。
顔認証部40は、例えば、監視用のカメラ500等で撮像された画像データ412を画像処理し顔データ(顔領域)を検出する顔検出部41、検出した顔データの特徴量の抽出を行う特徴量抽出部42と、不図示の記憶部(データベース)に予め登録されている顔データと、画像データから抽出された顔データ(対象者)の顔照合処理を行う顔照合部43と、を備えている。顔認証部40は、予めデータベース(不図示)に登録された顔情報が、入力された画像データ内に存在するか否か、又は、入力された画像データ(顔データ)が予めデータベースに登録された顔情報内に存在するか否かを検知する。
また、本実施形態におけるアプリケーション部400は、顔認証部40のアプリケーションに加えて、さらに、
・カメラ500から見た対象への方向を推定する、カメラからの対象方向推定部60と、
・基地局から見た対象への方向を推定する、基地局からの対象方向推定部61と、
・端末ID情報候補の取得を行う端末ID取得制御部62と、
・複数の端末ID情報候補がある場合、端末ID情報候補の絞り込みを行う端末ID絞り込み制御部63と、
の各アプリケーションを備えた構成としてもよい。顔認証部40で検知した対象者の位置情報から、無線制御部200を活用して、対象者の端末ID情報を取得するようにしてもよい。
アプリケーション部400に含まれる顔認証部40が、カメラ500からMECプラットフォーム20を介して入力される画像データ412や、アプリケーション部400とMECプラットフォーム20との間で送受される情報は、共通インタフェースであるAPI30を介して受け渡される。図1の例では、アプリケーション部400の端末ID取得制御部62からの位置関連情報621は、API30を介してMECプラットフォーム20のアンテナ指向制御による端末ID検出部70に受け渡され、MECプラットフォーム20のアンテナ指向制御による端末ID検出部70からの端末ID情報622は、API30を介して、戻り値として、アプリケーション部400の端末ID取得制御部62に受け渡される。
なお、図1では、カメラ500で撮像した画像データ(デジタル画像情報)は、カメラ500から無線送信されてRRU100にて受信され、基地局処理部10から、上り信号線11を介してトラフィック・リダイレクション部80に入力され、トラフィック・リダイレクション部80にて、その方路がアプリケーション部400側に切り替えられ、API30を介して、画像データ412として、アプリケーション部400の顔認証部40に入力される構成とされている。この場合、カメラ500はIoT(Internet of Things)端末あるいはM2M端末として機能する。ただし、本実施形態において、カメラ500の接続はかかる接続構成に制限されるものでなく、例えばカメラ500で撮像した画像データは有線接続で無線制御部200の通信インタフェースに転送され、API30を介してアプリケーション部400に入力される構成としてもよいことは勿論である。あるいは、カメラ500で撮像した画像データを、例えばWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等でMECプラットフォーム20側に送信し、無線制御部200のWiMAX通信インタフェースから、API30を介して、アプリケーション部400に入力される構成としてもよいことは勿論である。カメラ500と無線制御部200の接続に関しては、他の例示的な実施形態についても同様である。
図2は、例示的な実施形態のシステム環境の一例を模式的に説明する図である。図2を参照すると、無線制御部200は、RRU100a、100bと接続され、また、アプリケーション部400は無線制御部200の近傍に構成される。監視用のカメラ500、501を備え、カメラ500、501で撮像した画像データは、例えばRRU100a、100b等を介した無線通信によって、無線制御部200から、アプリケーション部400に入力される構成としてもよい。あるいは、カメラ500、501で撮像した画像データは有線接続で無線制御部200に伝送されアプリケーション部400に入力される構成としてもよい。図2において、101はRRU100aのアンテナの指向性の範囲(通信範囲)を模式的に表している。なお、図2の無線制御部(C−RAN BBU)200(10)、アプリケーション部(MECプラットフォーム)400(20)は、無線制御部200と、アプリケーション部400をそれぞれの位置に配置する構成のほか、例えば、図1の基地局処理部10(C−RAN BBU)を、RRU100に接続する位置(無線制御部200の位置)に配設し、図1のMECプラットフォーム20とアプリケーション部400を併せたエッジサーバ(MECサーバ)を、図2のアプリケーション部400の位置に配設した構成としてもよいことを表している。
本発明の第1の例示的な実施の形態の動作について説明する。無線制御部200を用いて、複数のRRU100の無線通信制御を集約して行う。
具体的には、例えば、基地局処理部10において基地局処理のLayer−2、 Layer−3処理を行い、RRU100側にて、基地局処理のLayer−1処理、RF処理等を行う。なお、Layer−1処理まで、集約基地局における無線制御部200側で行うようにしてもよい。また、C−RAN構成ではなく、個別の一体型基地局構成であってもよい。
一般的には、端末1からの上りデータ(Uplink)は、RRU100で受信され無線制御部200に入力され、上位ネットワークであるコアネットワーク300に出力される。
下りデータ(Downlink)は、コアネットワーク300から無線制御部200に入力され、RRU100を介して端末1に送信される。
第1の例示的な実施形態においては、アプリケーション部400を例えば、C−RAN基地局(無線制御部200)の近傍に配置するようにしてもよい。例えばアプリケーション部400をC−RAN基地局(無線制御部200)と同一のサイトに設置してもよい。
例えば、アプリケーション部400において映像(画像)の監視制御をエッジ処理にて実現する。この場合、無線制御部200のMECプラットフォーム20のトラフィック・リダイレクション部80により、例えば、カメラ500で撮像された画像データは、コアネットワーク300ではなく、アプリケーション部400側に、振り分けされる。この時、アプリケーション部400のデータI/Fが、一般的なデータI/Fとなるようにするため、コアネットワーク300のノードの機能(例えばS−GW/P−GW(PDN(Packet Data Network) Gateway)等のEPC(Evolved Packet Core))の一部を、MECプラットフォーム20内に実装しても良い。なお、監視制御等のアプリケーション部400に関係のない受信データは、コアネットワーク300に出力される。
再び図1を参照すると、アプリケーション部400では、入力された画像データから、例えば、顔認証部40にて、顔と検知した部分を抜き出し、顔画像情報のデータベース(不図示)と比較・照合することで、識別を行う。
顔認証部40は、例えば顔検出部41、特徴量抽出部42、顔照合部43を備え、顔検出、特徴量抽出、顔照合処理等を順番に行うことによって、顔と検知した部分と、データベース(図2の410)に予め登録された顔情報との特徴量の類似度を基にスコアを計算し、スコアが基準値を満たすか否かを判定することで顔認証処理を行う。ここで、顔検出処理とは、入力された画像データから「顔」と判定できる領域を検出することであってもよい。例えば画像の端から順に矩形領域を探索することにより顔と合致する矩形領域を抽出し当該矩形領域が顔か非顔であるかを識別することを含んでもよい。特徴量抽出処理とは、顔検出処理で「顔」判定された顔情報から個人を特定するような特徴量を抽出することであってもよい。例えば、顔矩形領域から瞳中心、鼻翼、口端などの特徴点の位置を探索することを含んでもよい。顔照合処理とは、画像データ上で検知された「顔」の特徴量とデータベース上に登録された顔情報の特徴量とをマッチング(類似度を照合)させることによって、画像データ上で検知された「顔」と該データベースに登録された「顔」とが同一人物のものか否かを判定する。なお、顔認証部40は、例えば、製品化されている任意の顔認証ソフトウェアで実装するようにしてもよい。
第1の例示的な実施形態によれば、図2に例示したように、例えば、事前に過去の犯罪者や要注意人物の顔情報を、データベース410に登録しておき、カメラ500等で撮像された人物2の顔データをデータベース410の登録情報と照合する。カメラ500等で撮像された人物2が、予めデータベース410に登録された過去の犯罪者や要注意人物であると判定された場合、当該人物2は過去の犯罪者や要注意人物として(ユーザに)認識され得る。これにより、不審者監視システムを実現することができる。なお、データベース410は、アプリケーション部400内に備えた構成としてもよいし、あるいは、アプリケーション部400が通信手段を介して接続する構成としてもよい。
また、第1の例示的な実施形態によれば、VIP(Very Important Person)や登録者、迷子等の顔情報を登録しておくことで、各々の存在を検知し、VIP特別サービスや迷子探し等のサービスを実現できる。特に制限されるものではないが、VIP特別サービスの例として、例えば予め登録されたVIP待遇の人物に対して入場手続等を不要とし、顔パスで入場することを可能とするサービスが提供可能である。
図1を参照すると、顔認証部40にて、ある対象が検知される(データベース410に登録された顔画像と特徴量が一致又は類似していると判定される)と、当該対象の端末ID候補を取得するために、カメラからの対象方向推定部60は、顔認証部40に入力された画像データを撮影したカメラ500から無線伝送されてRRU100で受信され、基地局処理部10から上り信号線11を介して、MECプラットフォーム20のトラフィック・リダイレクション部80に入力され、API30を介して、カメラ500のIDや画像データ412とともに、アプリケーション部400に入力されたカメラ500の向き情報等から、対象が存在している方向を推定する。例えば、入力画像内の「顔」と判定された領域の位置情報(座標情報や大きさ等)と、当該画像を撮像したカメラ(不図示)のID(識別情報)をカメラ又はアプリケーション部400内に備えられた記憶部(不図示)に記憶しておき、顔照合処理にて対象が検知された場合に、検知された「顔」領域の位置情報(座標情報や大きさ等)から、カメラ500から見た対象の方向や距離を推定する。
カメラからの対象方向推定部60は、検知された「顔」領域の座標情報から、当該対象の大まかな方向を推定するように構成される。
また、カメラからの対象方向推定部60では、検知された「顔」領域の座標情報と大きさから、大まかな距離が推定できる。
次に、基地局からの対象方向推定部61にて、対象が映っているカメラ500のIDと、推定されたカメラからの対象の方向及び距離情報と、から、対象の位置関連情報として、
・当該対象がどの基地局セル/セクタに収容されているか、及び、
・該基地局セル/セクタを形成しているRRU(アンテナ)100からの対象の方向(角度や距離)、
を推定する。
例えば、図2に示したRRU100a、100bとカメラ500、501のような位置関係から、各カメラや各RRUの位置関係情報(向きや角度を含む)を、カメラ500、501又はアプリケーション部400内に備えられた記憶部(不図示)に予め記憶しておく。
各カメラ500、501とRRU100a、100b間の相対的な位置関係から、
・対象が、どのRRUが形成する基地局セル/セクタに収容されているか、及び、
・当該RRUから見た対象の方向(角度や距離)、
を推定する。
仮に、図2に示したRRU100aとカメラ500の関係のように、撮像したカメラ500とほぼ同じ位置や角度で設置されているRRU100aに、対象が収容されている場合、カメラ500からの、当該対象への方向(角度や距離)と、基地局からの当該対象への方向(角度や距離)はほぼ同じとなる。
このため、RRU100からの対象の方向の推定処理は簡易化される。
なお、対象が複数の基地局セル/セクタから通信可能なエリア(例えばセルのエッジ等)にいると推定される場合には、当該複数の基地局セル/セクタの各々に対して、当該対象の方向(角度や距離)を推定するようにしてもよい。
図1の端末ID取得制御部62は、当該対象が収容される基地局セル/セクタ情報と、該基地局セル/セクタを形成するRRU100からの当該対象の方向(角度・距離)情報を用いて、対象の端末ID取得制御を行う。端末ID取得制御部62は、無線制御部200側と情報を入出力するために、共通I/FであるAPI30を利用するようにしてもよい。
API30は、例えば、アプリケーション部400の端末ID取得制御部62から対象の方向情報を含む位置関連情報621を受け取り、MECプラットフォーム20のアンテナ指向制御による端末ID検出部70に出力し、MECプラットフォーム20のアンテナ指向制御による端末ID検出部70で取得された当該位置関連情報の示すエリアに存在する端末のID情報を受け取り、端末ID情報622を、戻り値としてアプリケーション部400の端末ID取得制御部62に出力する、ようにしてもよい。
特に制限されるものではないが、端末ID取得制御部62がMECプラットフォーム20に通知する対象の位置関連情報621として、例えば、
・対象が収容されている基地局セル/セクタ(RRU)情報や、
・当該基地局セル/セクタ(RRU)からの方向情報(角度・距離情報)
を含むようにしてもよい。
また、端末ID取得制御部62がMECプラットフォーム20に通知する位置関連情報621は、エリア情報を含んでも良い。特に制限されるものではないが、該エリア情報の例としては、例えば、
・上記位置を中心としたエリア半径の情報や、
・角度範囲情報、
・距離範囲情報
等を含むようにしてもよい。
さらに、特に制限されるものではないが、端末ID情報としては、例えば、
・端末のIP(Internet Protocol)アドレス情報、
・端末に挿入されるSIM(Subscriber Identity Module)カード情報、
・端末機種情報、
・電話番号、
・端末の製造番号等の固有情報、
・ベアラ情報(Bearer ID)(例えば、端末と基地局間の無線アクセスベアラ(Radio Access Bearer: RAB)のベアラ情報やPDN(Packet Data Network)コネクションのベアラ情報)、
・TEID(Tunnel Endpoint Identifier)(例えばGTP(GPRS Tunnelling Protocol)トンネルのトンネル識別子)、
・C−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)情報、
・IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)、
等の少なくとも一つ又は複数の組み合わせ等を用いるようにしてもよい。なお、IMSIは携帯電話ユーザに割り当てられている一意な識別番号である。盗聴等により通話が特定できないようにするため、IMSIの代わりに、ランダムに生成されるTMSIが送信される。
指定されたエリア内に、候補となる端末が複数個存在する場合には、端末ID候補情報622は、これら複数の端末ID情報を含むようにしてもよい。
端末ID取得制御部62は、共通I/FであるAPI30を介して、対象の位置関連情報621(収容されている基地局セル/セクタIDとそのRRU100から方向情報(角度・距離情報)を、MECプラットフォーム20内のアンテナ指向制御による端末ID検出部70に供給し、MECプラットフォーム20から検出された端末ID候補情報622(複数の端末ID情報)を取得する。
なお、対象が複数の基地局セル/セクタから通信可能なエリア(セルエッジ等)にいると推定された場合には、端末ID取得制御部62は、例えば、当該基地局セル/セクタIDを変更しながら、API30を介して、アンテナ指向制御による端末ID検出部70による、端末ID候補の検出処理を複数回実行し、それぞれ対応する端末ID候補情報622を取得するようにしてもよい。
アンテナ指向制御による端末ID検出部70では、端末ID取得制御部62から、API30を介して、アンテナ指向制御による端末ID検出部70に入力された対象の位置関連情報に基づき、基地局処理部10と連携して、当該RRU100が備えるアンテナ指向性を制御して、当該基地局セル/セクタ内の端末(不図示)と通信することにより、端末IDの候補を検出する。
アンテナ指向制御による端末ID検出部70が、アンテナ指向性を制御して端末IDを検出する手法としては、例えば、
・上りリンク(Uplink)での受信アンテナの指向性を制御するか、又は、
・下りリンク(Downlink)での送信アンテナの指向性を制御する
方法等を用いてもよい。
図3(A)には、上りリンク(Uplink)での受信アンテナの指向性制御を用いる場合の例が模式的に示されている。101Aは受信アンテナ指向性の範囲を表している。
図3(B)には、下りリンク(Downlink)での送信アンテナ指向性制御を用いる場合の例が模式的に示されている。101Bは送信アンテナ指向性の範囲を表している。
図4は、本実施形態における上りリンク(Uplink)での受信アンテナの指向性制御を用いる場合の処理フローの一例を示す図である。
上りリンク(Uplink)での受信アンテナの指向性制御を用いる場合、まず、アプリケーション部400の端末ID取得制御部62から、API30、アンテナ指向制御による端末ID部70を介して受信した対象の位置関係情報に基づいて、基地局処理部10(図1)は、アンテナ指向制御パラメータを計算する(ステップS1)。
そして、基地局処理部10は、アンテナ指向制御パラメータを用いてRRU100側の受信アンテナの指向性制御を行う。
当該RRU100のセル/セクタ内の全端末1(図3(A))から、チャネル品質測定用のリファレンス信号(SRS(Sounding Reference Signal)等)が送信される(ステップS2)。
RRU100(図1)は、端末1から送信されたリファレンス信号(SRS等)を受信する(ステップS3)。RRU100は受信したリファレンス信号を基地局処理部10に送信する。
基地局処理部10は、受信したリファレンス信号の信号測定処理(Measurement等)を行う(ステップS4)。
基地局処理部10は、測定結果に基づき、候補となる端末を検出する(ステップS5)。
当該RRU100が備える指向性アンテナによるリファレンス信号の受信により、当該アンテナが向いている端末1(101A内の端末)からの信号は強く受信され、アンテナが向いていない端末1からの信号は弱くなることを利用する。
図5は、本実施形態における下りリンク(Downlink)での送信アンテナの指向性制御を用いる場合の処理フローの一例を示す図である。
下りリンク(Downlink)での送信アンテナの指向性制御を用いる場合も、まず、アプリケーション部400の端末ID取得制御部62から、API30、アンテナ指向制御による端末ID部70を介して受信した対象の位置関係情報に基づいて、基地局処理部10(図1)は、アンテナ指向制御パラメータを計算する(ステップS11)。
そして、基地局処理部10は、アンテナ指向制御パラメータを用いてRRU100(図1)の送信アンテナ指向性制御を行った上で、当該RRU(セル/セクタ)からリファレンス信号(CRS(Common Reference Signal)等)を送信する(ステップS12)。
RRU100からのリファレンス信号(CRS等)を当該RRU(セル/セクタ)内の全端末1(図3(B))にて受信する(ステップS13)。
端末1は、当該リファレンス信号の信号測定(Measurement)を行う(ステップS14)。
端末1側から信号測定結果(Measurement情報)を返送・報告する(ステップS15)。
基地局処理部10は、端末1から送信された信号測定結果(Measurement情報)を受信する(ステップS16)。
基地局処理部10は、端末1から送信された信号測定結果に基づき、候補となる端末IDを検出する(ステップS17)。
RRU100からの指向性アンテナによる送信により、当該アンテナが向いている端末1(101B内の端末)では信号を強く受信でき、アンテナが向いていない端末1では信号電力は弱くなることを利用する。
そして、アンテナ指向制御による端末ID検出部70にて、一定の条件や閾値を越えている端末を検知端末の候補とし、それら端末のID情報を、端末ID候補情報として、API30を介して、アプリケーション部400の端末ID取得制御部62に出力(又はリクエストに対する応答(戻り値)として返送)する。
アプリケーション部400の端末ID絞り込み制御部63は、端末ID取得制御部62にて、複数の端末ID候補が検知されている場合、その中から、更に端末ID候補の絞り込みが必要な場合に、以下の第1、第2の方法の少なくともいずれかにより、端末ID候補の絞り込みを行うようにしてもよい。
(第1の方法)
絞り込みの第1の方法は、複数の検知ポイントにおける時間的・空間的なID候補情報を用いて、絞り込みを行う。
複数の検知ポイントのID候補情報の例としては、例えば、
・同一時間の複数の基地局セル/セクタで取得された端末ID候補情報、又は、
・複数の異なる時間において取得された端末ID候補情報、
等を用いるようにしてもよい。
そして、これらの端末ID候補情報を連携させて、端末ID候補の絞り込みを行うようにしてもよい。
(第2の方法)
また、絞り込みの第2の方法は、予め「対象ではない」とわかっている端末ID情報をホワイトリストとして記憶部(不図示)に登録しておき、検知された端末ID候補の中からホワイトリストに登録された端末ID候補を除くことで、端末ID候補の絞り込みを行う。
なお、端末ID絞り込み制御部63では、上記第1の方法と上記第2の方法を組み合わせて、端末ID候補の絞り込みを行ってもよい。
図6は、上記絞り込みの第1の方法を行う場合の環境イメージを示す図である。なお、なお、101a、101bはRRU100a、100bのアンテナの指向性の範囲(通信範囲)を模式的に表している。端末ID絞り込み制御部63は、例えば、同一時刻t1における基地局セル/セクタ(RRU)100a、100bにて検知された端末ID候補や、異なる時刻t2における基地局セル/セクタ(RRU)100a、100bにて検知された端末ID候補等を連携させてID候補を絞り込む。
図7は、上記絞り込みの第1の方法と第2の方法の両方を組み合わせて,端末IDを絞り込む例を模式的に説明する図である。図7に示す例では、例えば、
時間t1、場所(=基地局セル/セクタ)p1において、端末ID候補A、B、C、Dが検出される。
同様に、時間t2、場所p2において、端末ID候補A、B、C、E、Fが検出され、
時間t3、場所p3において、端末ID候補B、C、G、Hが検出されたものとする。
また、既に対象ではないとわかっている端末IDとして、ホワイトリストに、端末IDC、Hが登録されているものとする。
ここで、時間と場所の関係としては、
・同一時刻における複数の基地局セル/セクタ(セルエッジに対象がいると推定された場合など)のケース、
・異なる複数の時刻における同一の基地局セル/セクタのケース、
のいずれのケースであっても良い。さらに、時刻と場所がともに異なるケースを含んでも良い。
図7の例の場合、端末ID絞り込み制御部63において、(時間、場所)=(t1、p1)の端末ID候補からは、まずホワイトリストにより、端末Cが除外される(×印で示す)。
次に、端末ID絞り込み制御部63は、(時間、場所)=(t2、p2)の端末ID候補と連携させて絞り込むことによって、端末A、Bが残る。
そして、端末ID絞り込み制御部63は、(時間、場所)=(t3、p3)の端末ID候補も用いて絞り込むことによって、端末Bのみとなる。したがって、端末Bを対象の端末IDとして特定する。
上記した第1、第2の方法を、端末ID絞り込み制御部63における基本的な絞り込み処理のベースとして、応用的な処理を付け加えても良い。
例えば、対象が必ずしも当該端末を所持しているとは限らない(通信キャリアが異なる場合も含む)ため、端末ID絞り込み制御部63では、上記絞り込み処理を、複数回繰り返すこと(例えば、明らかに離れた時間や場所において、同一の端末IDが複数回検出/特定されるか)によって、端末IDの絞り込み精度を高めるようにしてもよい。
また、基地局のセル/セクタの境界に対象がいる場合など、対象の端末IDは必ずしも検知されるとは限らないケースを想定して、異なる時刻、異なる場所の端末ID候補情報に、一定の確率以上で含まれていれば、これを、端末ID候補として、特定するようにしてもよい。さらに、セル境界の端末ID候補情報は、参考情報として扱いながら特定するようにしてもよい。
上記したように、第1の例示的な実施の形態によれば、基地局のエッジプラットフォーム(MECプラットフォーム)20が、アプリケーション部400から入力された収容セル/セクタ情報と方向情報とに基づいた、RRU100の無線アンテナ指向性を制御することにより端末IDを検出するようにしている。この結果、当該基地局セル/セクタ内に、複数の端末が存在する場合でも、より高精度に対象の端末ID候補を特定する(絞り込む)ことが可能となる。
また、第1の例示的な実施形態によれば、端末ID絞り込み制御部63において、例えば、時間的/空間的に、複数の検知ポイントでの情報を連携させたり、登録済みIDリスト(ホワイトリスト)を用いたりすることによって、更に、ID候補を絞り込むことができる。
また、第1の例示的な実施形態によれば、監視制御等のアプリケーション(IT処理)を、基地局と近傍のエッジで動作させることにより、ネットワークのレイテンシを削減可能とし、高速化に対応可能としている。
この結果、第1の例示的な実施形態によれば、端末が移動するような場合でも、精度良く、端末ID候補を特定する(絞り込む)ことができる。
更に、第1の例示的な実施形態によれば、MECプラットフォーム20として、エッジアプリケーションに向けた共通のI/FであるAPI30を備えることによって、種々のITアプリケーションから、効率的に、基地局処理装置10側の機能や情報を活用したり、基地局処理部10との連携制御機能を実現したりすることができる。
(第2の例示的な実施の形態)
図8は、本発明の第2の例示的な実施の形態の構成を例示する図である。第2の実施形態では、端末IDを絞り込む方法として、検知された端末ID候補の位置情報履歴をトレースする。
第2の例示的な実施の形態における処理装置は、前記した第1の例示的な実施の形態と同様、無線制御部200と、アプリケーション部(監視制御部)401とを備える。
無線制御部200は、アンテナやRF等を実装したRRU(Remote Radio Unit)100と接続される。また、無線制御部200は、上位ネットワーク側は例えばコアネットワーク300と接続される。
無線制御部200は、基地局処理部10とMECプラットフォーム21を備える。
基地局処理部10では、例えば、基地局処理のLayer−2、Layer−3等の処理を行う。
MECプラットフォーム21は、図1のアンテナ指向制御による端末ID検出部70とトラフィック・リダイレクション部80に加えて、端末位置取得部71をさらに備えている。また、アプリケーション部400に向けた共通I/FであるAPI31を備えている。なお、図8では、端末位置取得部71が端末位置を、基地局処理部10を介して端末から取得する構成例が図示されているが、これに替えて、ネットワークから、端末位置の情報を取得するようにしても良い。
アプリケーション部401では、例えば監視制御を行う場合に、前記第1の実施の形態と同様、顔認証部40を備えている。
また、アプリケーション部401は、顔認証部40で検知した対象者の位置情報から無線制御部200を活用して対象者の端末ID情報を取得するために、カメラからの対象方向推定部60、基地局からの対象方向推定部61、端末ID取得制御部62を備えている。
アプリケーション部401は、図1の端末ID絞り込み制御部63の代わりに、端末ID追跡・絞り込み制御部64、カメラ指向制御部65を備えている。アプリケーション部401に入力される画像データ412や、端末ID取得制御部62からの位置関連情報621、及び端末ID追跡・絞り込み制御部64からの端末ID情報641、カメラ指向制御部65からのカメラ指向制御情報651は、API31を介して、MECプラットフォーム21に受け渡される。
次に、第2の例示的な実施の形態の動作について説明する。前記した第1の例示的な実施の形態と同様、無線制御部200を用いて、複数のRRU100の無線通信制御を集約して行う。
一般的には、上りデータ(Uplink)は、端末(不図示)からRRU100を介して受信して無線制御部200に入力され、基地局処理部10から上り信号線11を介してトラフィック・リダイレクション部80に供給され、トラフィック・リダイレクション部80から上位ネットワークであるコアネットワーク300に出力される。下りデータ(Downlink)は、コアネットワーク300から無線制御部200に入力され、トラフィック・リダイレクション部80から下り信号線12を介して、基地局処理部10に入力されRRU100を介して端末に送信される。
また、アプリケーション部401をC−RAN基地局(無線制御部200)の近傍に配置し(例えば無線制御部200と同一サイトに設置し)、例えば映像監視制御をエッジ処理にて実現する。
この場合、例えば、不図示の端末からの映像監視用の画像データ(上りデータ)は、トラフィック・リダイレクション部80にて、コアネットワーク300ではなく、アプリケーション部401側に、送信先の切り替え(Redirection)が行われる。
アプリケーション部(監視制御部)401は、前記第1の実施の形態と同様、入力された画像データに対して、顔認証部40で顔認証処理を行い、対象を検知する。
顔認証部40にて、ある対象(例えば、ある人物の顔)が検知されると、カメラからの対象方向推定部60、基地局からの対象方向推定部61、端末ID取得制御部62を用いて、対象の端末ID候補を取得する。前記した例示的な実施形態と同様、アプリケーション部(監視制御部)401は、無線制御部200側と情報を入出力するために、共通I/FであるAPI31を利用する。
アンテナ指向制御による端末ID検出部70も、前記した第1の例示的な実施の形態と同様に、アプリケーション部401側からAPI31を介して入力された対象の位置関連情報に基づき、基地局処理部10と連携して、当該RRU100が備えるアンテナ指向性を制御し、当該基地局セル/セクタ内の端末と通信することにより、端末IDの候補を検出する。
アンテナ指向性を制御して端末IDを検出する方法としては、例えば、前記した第1の例示的な実施の形態と同様、
・上りリンク(Uplink)での受信アンテナ指向性制御を用いる方法や、
・下りリンク(Downlink)での送信アンテナ指向性制御を用いる方法
等を用いてもよい。
そして、アンテナ指向制御による端末ID検出部70にて、一定の条件や閾値を越えている端末を検知端末の候補として選択する。
アンテナ指向制御による端末ID検出部70は、選択した端末のID情報を、端末ID候補情報として、API31を介して、アプリケーション部400内の端末ID取得制御部62に出力(又は戻り値として返送)する。
第2の例示的な実施の形態では、端末ID追跡・絞り込み制御部64では、端末ID取得制御部62にて、複数の端末ID候補が検知されており、その中から、更に端末ID候補の絞り込みが必要な場合に、複数の端末ID候補の端末位置履歴をトレースする。
具体的には、端末ID追跡・絞り込み制御部64は、端末位置をトレースしたい端末ID情報641を、API31を介して、MECプラットフォーム21の端末位置取得部71に供給し、MECプラットフォーム21の端末位置取得部71で取得された当該端末の位置情報642を、API31を介して、端末ID情報641に対する応答として取得する。
特に制限されるものではないが、端末ID情報としては、前記した第1の例示的な実施の形態と同様、例えば、
・端末のIPアドレス情報、
・端末に挿入されているSIMカード情報、
・端末の機種情報、
・端末の電話番号、
・端末製造番号等の固有情報、
・ベアラ情報(Bearer ID)、
・TEID(Tunnel Endpoint Identifier)、
・C−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)情報、
・IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)、
等の少なくとも一つ、あるいは複数の任意の組み合わせ等を用いてもよい。
API31は、複数の端末ID情報を一括して受け取り、各々に対応する複数の位置情報を返送するようにしてもよい。あるいは、API31ごとに、個別に、1個ずつ端末ID情報を受け取り、当該端末IDを持つ位置情報を返送するようにしてもよい。
また、対象の位置関連情報として、前記第1の実施の形態と同様に、
・対象が収容されている基地局のセル/セクタ(RRU)情報や、
・当該基地局のセル/セクタ(RRU)からの方向情報(角度・距離情報)
を含むようにしてもよい。
また、位置関連情報をエリアとして通知する場合は、エリア情報を含んでも良い。
エリア情報の例としては、
・上記位置を中心としたエリア半径の情報や、
・角度範囲情報、
・距離範囲情報等
を用いてもよい。
MECプラットフォーム21の端末位置取得部71では、端末ID追跡・絞り込み制御部64からAPI31を介して、受信した端末ID情報を用いて、基地局処理部10と連携しながら、当該端末IDを持つ端末の位置関連情報を取得する。
端末位置取得部71では、例えば、
・どの端末がどの基地局セル/セクタ(RRU)100に収容されているかの収容セクタ情報を、MECプラットフォーム21の端末位置取得部71で管理しておくようにしてもよい。
そして、端末位置取得部71では、前記した第1の例示的な実施の形態の方法を応用して、
・収容されている基地局セル/セクタ(RRU)100のアンテナ指向制御の繰り返しにより、当該端末位置を絞っていく方法を用いてもよい。
あるいは、端末位置取得部71では、当該端末IDを持つ端末からの送信信号を、複数の基地局セル/セクタ(RRU)100で受信した受信信号電力や受信タイミングから、例えば三角測量の原理で、当該端末位置を推定するようにしてもよい。
あるいは、端末位置取得部71では、当該端末にて、例えばGPS(Global Positioning System)や基地局との通信を利用して端末側で取得した端末位置情報を、端末から、端末位置取得部71に返送してもらうようにしてもよい。
端末ID追跡・絞り込み制御部64は、複数の端末ID候補に対して、当該端末位置を追跡・トレースすることによって、前記第1の例示的な実施の形態で示した、第1、第2の絞り込み方法と比べて、絞り込みの精度を高めることができる。
例えば、端末ID追跡・絞り込み制御部64は、トレースした複数の端末位置をカメラ指向制御部65に送る。そして、カメラ指向制御部65にて、当該端末位置がいずれかのカメラ(図6では、500、501、502等)の撮像範囲に入るように、カメラの指向性(角度・向き・画角等)を制御する。
カメラ指向制御部65からのカメラの指向制御情報651は、例えば、カメラ500を受信端末とする当該カメラ向けの送信データ情報として構成され、API31を介して、MECプラットフォーム21のトラフィック・リダイレクション部80を経由し下り信号線12を介して基地局処理部10に送信され、基地局処理部10から、RRU100を介して当該カメラ500に送信する構成としてもよい。
第2の例示的な実施の形態によれば、前記第1の例示的な実施の形態で示した、時間的・空間的に複数のポイントでその対象がカメラに撮像される可能性を高めることができる。このため、絞り込みのさらなる高精度化や高速化を実現することができる。
また、第2の例示的な実施の形態において、対象が、再度、カメラで撮像(又は顔認証で検知)された場合には、直前の端末位置情報で、当該カメラの撮像範囲からは、明らかに離れている端末IDについては、前記第1の例示的な実施の形態で示したホワイトリストに登録し、該ホワイトリストを更新するなどして、端末IDの候補から積極的に除外することも可能である。
上記したように、第2の例示的な実施の形態によれば、MECプラットフォーム21が備える共通I/FであるAPI31として、追加で端末ID情報を受け取り、該端末ID情報に対応する位置関連情報を応答として返すAPIも備える。そして、端末ID追跡・絞り込み制御部64と、当該API31により、
・検知された複数のID候補に対する端末位置関連情報を追跡・トレースしたり、
・カメラ指向制御部65によるカメラ指向性制御により、対象が、再びカメラで撮像される確率(可能性)を高めることを可能としている。この結果、絞り込み精度をより高精度とすることやさらなる高速化に対応可能としている。
(第3の例示的な実施の形態)
図9は、第3の例示的実施の形態の構成を例示する図である。第3の例示的な実施形態では、前記した第1の例示的な実施の形態において、アプリケーション部400に備えていた、基地局からの対象方向推定部61の機能を、MECプラットフォーム22に備えている。
本発明の第3の例示的な実施の形態は、前記第1の実施の形態と同様に、MECプラットフォーム22、アプリケーション部402、その間の共通I/FであるAPI32を備えている。
第3の実施の形態では、前記第1の実施の形態のアプリケーション部400に備えていた基地局からの対象方向推定部61を、MECプラットフォーム22側に備えている。MECプラットフォーム22は、アンテナ指向制御による端末ID検出部70に加え、基地局からの対象方向推定部72を備える。また、MECプラットフォーム22は、API32を備え、アプリケーション部402からのAPI32を介して供給される位置関連情報621を、基地局からの対象方向推定部72に供給する構成としている。
アプリケーション部402では、カメラからの対象方向推定部60の後段に、推定したカメラからの対象方向情報から対象の位置情報を推定する対象位置推定部66を備える。端末ID取得制御部62は、共通I/FであるAPI32を介して、MECプラットフォーム22の基地局からの対象方向推定部72への位置関連情報621の受け渡しと、MECプラットフォーム22の基地局からの対象方向推定部72からの端末情報の受け取りを行う。
以下では、前記した第1の例示的な実施形態と同一の動作の説明は適宜省略し、第3の例示的な実施の形態に特有の動作について図9を参照して説明する。
第3の例示的な実施の形態では、顔認証部40によって対象を検知する。カメラからの対象方向推定部60によってカメラからの対象の方向を推定したら、対象の方向情報を基に、対象位置推定部66にて、対象の位置を推定する。
対象位置推定部66で推定する対象の位置は、例えば、任意の位置を基準として、
・2次元的な位置(XY座標や緯度/経度など)、
・3次元的な位置(XYZ座標や緯度/経度/高さなど)、
・エリア情報(2次元的な位置の範囲情報や3次元的な位置の範囲情報など)
の少なくともいずれかを含むようにしてもよい。
端末ID取得制御部62では、対象の位置情報を、API32を介して、MECプラットフォーム22の基地局からの対象方向推定部72に受信する。MECプラットフォーム22の基地局からの対象方向推定部72では、対象のID候補情報を取得することができる。
第3の例示的な実施の形態におけるAPI32は、例えば、アプリケーション部400側から対象の位置関連情報を受け取り、当該位置関連情報の示すエリアに存在する端末のID候補情報を戻り値として出力するI/Fとして構成してもよい。
第3の例示的な実施の形態において、対象の位置関連情報としては、例えば、ある任意の位置を基準とした、
・対象の2次元的な位置(XY座標や緯度/経度など)や
・3次元的な位置(XYZ座標や緯度/経度/高さなど)
等を用いるようにしてもよい。また、エリア的な情報(2次元的な位置の範囲情報や3次元的な位置の範囲情報など)を含むようにしてもよい。
端末ID情報としては、前記した第1の例示的な実施の形態と同様、例えば、
・端末のIPアドレス情報、
・端末に挿入されているSIMカード情報、
・端末の機種情報、
・電話番号、
・端末の製造番号等の固有情報、
・ベアラ情報(Bearer ID)、
・TEID(Tunnel Endpoint Identifier)、
・C−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)情報、
・IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)、
等のうちの少なくとも一つ又は任意の複数の組み合わせ等を用いてもよい。
端末ID候補情報は、指定されたエリア内に候補となる端末が複数個存在する場合は、それら複数の端末ID情報を含むようにしてもよい。
MECプラットフォーム22では、API32を介して入力された対象の位置関連情報(2次元又は3次元的な位置情報)を用いて、基地局からの対象方向推定部72において、
・対象がどの基地局セル/セクタに収容されているか、及び、
・該基地局セル/セクタを形成しているRRU(アンテナ)100からの対象の方向(角度や距離)
等を推定するようにしてもよい。すなわち、前記第1の例示的な実施の形態における、アプリケーション部400内の基地局からの対象方向推定部61と、ほぼ同様の動作を行う。
アンテナ指向制御による端末ID検出部70は、基地局からの対象方向推定部72から対象の位置関連情報を受信し、該位置関連情報に基づき、基地局処理部10と連携して、当該RRU100が備えるアンテナ指向性を制御して、当該基地局セル/セクタ内の端末と通信することにより、端末IDの候補を検出するようにしてもよい。
アンテナ指向制御による端末ID検出部70は、検出した端末ID候補情報を、基地局からの対象方向推定部72に供給し、基地局からの対象方向推定部72が、ID取得制御部62から受信した対象の位置情報に対する応答として、API32を介して、アプリケーション部402の端末ID取得制御部62に返送するようにしてもよい。
端末ID絞り込み制御部63では、前記第1の例示的な実施の形態と同様に、端末ID候補の絞り込み処理を行う。
上記したように、第3の例示的な実施の形態では、基地局からの対象方向推定部72を、MECプラットフォーム22に備え、API32を介して受け渡しが行われる位置関連情報として、収容される基地局セル/セクタやそのRRU100からの方向情報ではなく、ある位置を基準とした2次元位置又は3次元位置を示す情報とすることで、アプリケーション部402を、より汎用的、且つ一般的に構成することができる。
例えば、前記第1の例示的な実施の形態では、アプリケーション部400が各基地局セル/セクタの位置や対応するRRU100のアンテナの向きの情報を予め保有しておき、基地局からの対象位置推定部61にて該基地局関連の情報を活用している。これに対して、第3の例示的な実施の形態では、アプリケーション部402において、基地局関連の情報を保有しておくことは不要である。
(第4の例示的な実施の形態)
図10は、本発明の第4の例示的な実施の形態の構成を例示する図である。前記した第1乃至第3の例示的な実施の形態では、アプリケーション部400等において監視制御を行う例を説明したが、第4の例示的な実施の形態では、アプリケーション部にて、端末位置情報を活用した近接(Proximity)サービスや基地局アンテナ制御の高度化サービスなど、複数のアプリケーションを実現する。さらに、第4の例示的な実施の形態では、MECプラットフォームと、アプリケーション(アプリケーション部)を、基地局に接続するエッジサーバ(MECサーバ)内に実装している。なお、第4の例示的な実施の形態において、エッジサーバ(MECサーバ)は、基地局に接続する構成に限定されるものでなく、例えばコアネットワークの所定のノード(例えばMME(Mobility management Entity)等)に接続する構成としてもよい。
第4の例示的な実施の形態において、基地局装置201は、基地局処理部10を備えている。前記第1乃至第3の例示的な実施の形態と同様、基地局処理部10は、アンテナやRFトランシーバ等を実装したRRU(Remote Radio Unit)100と接続される。前記第1乃至第3の例示的な実施の形態と同様、基地局処理部10は、Layer−2、Layer−3等の処理を行うようにしてもよい。基地局装置201は、上位ネットワーク側は、例えばコアネットワーク装置300と接続される。基地局装置201は、例えばC−RANのBBUとして構成してもよいし、一体型の構成としてもよい。アプリケーションサーバ600は、エッジサーバとして構成される。
第4の例示的な実施の形態においては、前記第1の例示的な実施の形態等のトラフィック・リダイレクション部80を、基地局装置201におけるベアラ設定(GTP Tunnel設定)によって実現している。例えば、PDN(Packet Data Network)コネクションにおける通常のデフォルト(Default)ベアラは、コアネットワーク300との間でGTP(GPRS(General Packet Radio Service) Tunnelling Protocol)トンネルを形成し、エッジアプリケーション用のデディケーテッド(Dedicated)ベアラは、アプリケーションサーバ(エッジサーバ)600との間でGTPトンネルを形成するようにすることで、トラフィック・リダイレクション機能を実現している。なお、この他にも、例えば、EPS(Evolved Packet System)において、端末が複数のデータベアラを維持するマルチプルPDN機能を用いることによって、複数のGTPトンネルを形成するようにしてもよい。
アプリケーションサーバ600は、1つ又は複数のアプリケーション部400〜403と、MECプラットフォーム23を備える。
MECプラットフォーム23は、1つ又は複数のアプリケーション部向けに共通I/FであるAPI33と、アンテナ指向制御による端末ID検出部70と、端末位置取得部71と、基地局アンテナ指向制御部73等を備える。アンテナ指向制御による端末ID検出部70は、基地局装置201の基地局処理部10と直接接続する構成としてもよいし、あるいは、コアネットワーク300のノードを介して接続する構成としてもよい。
特に制限されるものでないが、図10に示す例では、アプリケーション部として、例えば
・監視制御のアプリケーション部400、401、
・位置情報に基づく近接(Proximity)サービスを提供するアプリケーション部403、
・基地局アンテナ制御の高度化のアプリケーション部404、
等を含む。
アプリケーションサーバ(エッジサーバ)600では、サーバ仮想化技術等により、これらの各機能を、仮想化した仮想マシン(VM)で実装するようにしてもよい。
共通I/FであるAPI33は、前記した第1乃至第3の例示的な実施形態で説明したAPI30乃至32のいずれかを含んでも良い。API33は、例えば、
・端末側から受信した上りデータ(監視カメラの映像データ等)を出力するI/F、
・アプリケーション側から端末向けに送信する下りデータ(カメラ制御データ等)を受け取るI/F、
・対象の位置関連情報を受け取り、その端末ID候補情報を出力するI/F、
・端末ID情報を受け取り、その位置関連情報を出力するI/F、
等のいずれかを含むようにしてもよい。位置関連情報や端末ID情報の詳細は、前記した第1乃至第3の例示的な実施形態が参照される。
更に、第4の例示的な実施形態において、API33は、位置関連情報と共に、エリアメール等のブロードキャスト/マルチキャストデータを送信するI/Fを含んでも良い。
第4の例示的な実施の形態における処理装置の動作としては、基地局装置(C−RAN BBU)201を用いて、複数のRRU100の無線通信制御を集約して行う。一般的には、コアネットワーク300との間で形成したDefaultベアラ等を用いて、上りデータ(Uplink)は、端末(不図示)から、RRU100を介して受信され、基地局装置201に供給され、上位ネットワークであるコアネットワーク300に出力される。下りデータ(Downlink)は、コアネットワーク300から基地局装置201に供給され、RRU100を介して端末(不図示)に送信される。
第4の例示的な実施形態では、アプリケーションサーバ(エッジサーバ)600をC−RAN基地局装置201の近傍に配置し(例えば、基地局装置201と同一のサイトに設置し)、例えば映像監視制御等の1つ又は複数のアプリケーションをエッジ処理にて実現する。この場合、例えば、映像監視用の画像データは、アプリケーションサーバ(エッジサーバ)600との間で形成したDedicatedベアラ等を用いて、コアネットワーク300ではなく、アプリケーションサーバ(エッジサーバ)600側に、切り替えられる(Redirectionされる)。アプリケーションサーバ(エッジサーバ)600から見えるデータI/Fが一般的なデータI/Fとなるようにするため、コアネットワーク300の機能(S−GW/P−GW等のEPC機能)の一部をアプリケーションサーバ(エッジサーバ)600内に実装しても良い。
なお、アプリケーションサーバ(エッジサーバ)600で処理するアプリケーションに関係のない受信データは例えばデフォルトベアラ経由でコアネットワーク300に出力される。
次に、第4の例示的な実施形態において、アプリケーションサーバ(エッジサーバ)600に備えるアプリケーション毎の動作について説明する。
なお、映像監視制御のアプリケーション部400、401、402については、例えば前記第1乃至第3の実施の形態の説明が参照される。
位置情報に基づく近接(Proximity)サービスのアプリケーション部403の例としては、例えば、ショッピングモールやテーマパークなどで、ユーザの位置に応じて、任意の店舗・商品・アトラクションなどの詳細情報やクーポンを配信したり、ユーザの嗜好に応じて、リコメンド情報や広告を配信したりするサービスを、端末に提供するようにしてもよい。近接サービスの提供を行うにあたり、センサデータ等を用いて、ある任意のユーザの位置を検知したり、あるいは、あるエリアに存在するユーザを検知したりすることが重要となる。
そこで、第4の例示的な実施形態では、MECプラットフォーム23の機能であるアンテナ指向制御による端末ID検出部70や、端末位置取得部71を活用する。
例えば、アプリケーション部403が、ユーザ端末毎に、近接(Proximity)サービスを行う場合には、API33として、各ユーザ端末の端末IDを入力して受け取り、当該端末の位置関連情報を出力するI/Fを利用し、当該ユーザの位置関連情報を取得することで、当該ユーザの位置情報に基づく近接サービスを当該ユーザに提供することができる。MECプラットフォーム23の端末位置取得部71にて、当該端末IDの端末が位置する位置関連情報を推定する。
また、アプリケーション部403が、エリア毎に、近接(Proximity)サービスを行う場合には、例えば以下の2種類の方法を用いてもよい。
第1の方法は、API33として、位置関連情報と共に、エリアメール等のブロードキャスト/マルチキャストデータを送信するI/Fを用いて、予め定められた所望又は所定のエリアの位置関連情報と、ブロードキャスト/マルチキャスト送信したいデータを受け取る。予め定められた所望又は所定のエリアにいるユーザのみに、タイムサービス等の情報を配信するなど、当該エリアのみの近接サービスを提供することができる。
このとき、MECプラットフォーム23内の基地局アンテナ指向制御部73は、入力された位置関連情報(基地局のセル/セクタIDと対象のエリア情報(対象のRRU100から見た方向や距離、エリア半径や角度範囲など))に基づいて、当該基地局セル/セクタIDを持つRRU100のアンテナ指向性を制御して動的セル形成を行ってブロードキャスト/マルチキャスト送信することで、所望のエリアのみのデータ配信が可能である。
第2の方法は、API33として、位置関連情報を入力して受け取り、当該位置の端末ID候補を取得するAPIを用いて、予め定められた所望又は所定のエリアにいる端末IDを認識し、その端末IDを持つ端末向けに所望のデータを配信するようにしてもよい。このとき、MECプラットフォーム23内のアンテナ指向制御に基づく端末位置取得部71により、端末ID候補を検知する。
また、基地局アンテナ指向制御の高度化のアプリケーション部404は、例えば、基地局装置201にてアンテナ指向制御してデータを送受信したいユーザ端末の位置を、監視カメラ等の映像データから推定し、その位置関連情報を用いてアンテナ指向制御パラメータを算出することにより、最適なアンテナ指向制御(ビームフォーミング送受信)を行う。
この場合、アプリケーション部404では、前記第1の実施の形態である映像監視制御400等と同様、入力されたカメラ画像等から顔認証などの人物検知や群衆検知を行い、当該ユーザや群衆の撮像位置(座標等)から対象が収容されている基地局セル/セクタとそのRRU100からの対象の方向やエリアを推定する。API33として、個別ユーザや群衆の位置関連情報を入力として受け取るI/Fを用いて、当該位置関連情報を伝達する。
MECプラットフォーム23の基地局アンテナ指向制御部73では、基地局装置201側で得られる無線伝搬路の情報と、当該位置関連情報とに基づいて、最適なアンテナ指向制御パラメータを算出する。
基地局アンテナ指向制御部73において、該位置関連情報を用いてアンテナ指向制御パラメータを算出することで、端末(不図示)と基地局間における無線伝搬路(チャネル)の推定情報のみを用いる場合に比べて、より精度の高いアンテナ指向制御パラメータを算出することが可能になる。結果として、第4の例示的な実施形態によれば、通信性能の向上や基地局処理の処理量の削減につながる。
このように、第4の例示的な実施の形態によれば、MECプラットフォーム23として、1つ又は複数のエッジアプリケーションに向けた共通のI/FであるAPI33や共通の機能を備えることにより、種々のITアプリケーション(400〜403)から,効率的に基地局装置側の機能や情報を活用したり、基地局装置との連携制御機能を実現したりすることができる。
(処理装置の一形態)
図12は、図11に示した処理装置700の一形態を説明する図である。処理装置700は、プロセッサ711とメモリ712と通信インタフェース713を備えている。
通信インタフェース713は、RRU100との通信、カメラ500、501(図2、図6)との通信、コアネットワーク300(図2、図6)との通信を行うインタフェースを備えている。
メモリ712は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、等の書き換え可能なROM(Read-Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)、CD、DVD等のいずれか又はこれらの組み合わせを備えている。
プロセッサ711は、メモリ712に記憶されたプログラムをプロセッサ711内の主記憶等にロードして実行することで、図11のモバイルエッジプラットフォーム701、アプリケーション部702、API703の処理の少なくとも一部又は全部を実現する。
(第1の実施の形態の変形例)
図13は、図1等を参照して説明した第1の例示的な実施の形態の変形例を例示する図である。図1では、MECプラットフォーム20内にアンテナ指向制御による端末ID検出部70が配設されているが、この変形例では、図1のアンテナ指向制御による端末ID検出部70の機能を、基地局(RRU100)のアンテナの指向性の制御を行うアンテナ指向制御機能と端末ID検出機能とに分割し、アンテナの指向性の制御を行うアンテナ指向制御部13を基地局処理部10Aに備え、端末ID検出部74をMECプラットフォーム20Aに配置している。端末ID検出部74は、アプリケーション部400の端末ID取得制御部62からAPI30を介して位置関連情報621を受け取ると、位置関連情報621を基地局処理部10Aのアンテナ指向制御部13に受け渡す。基地局処理部10Aでは、アンテナ指向制御部13が、端末ID検出部74から受信した位置関連情報に基づき、RRU100が備えるアンテナの指向性を制御して、基地局セル/セクタ内の端末(不図示)と通信する。この結果、基地局処理部10Aは、端末の端末ID情報の候補を検出する。基地局処理部10Aは、取得した端末ID情報をMECプラットフォーム20Aの端末ID検出部74に送信し、MECプラットフォーム20Aの端末ID検出部74は該端末ID情報をAPI30に受け渡す。API30は、該端末ID情報622をアプリケーション部400の端末ID取得制御部62に戻り値として返す。
前記第1の例示的な実施の形態では、MECプラットフォーム20側からのアンテナ指向制御に基づき、基地局処理部10でアンテア指向性の制御を行っていたが、図13の変形例では、基地局処理部10A内にアンテア指向性制御機能を集約する構成としている。この変形例においても、第1の例示的な実施の形態と同様の効果を奏する。
なお、図8、図9を参照して説明した第2、第3の例示的な実施形態におけるアンテナ指向制御による端末ID検出部70についても、この変形例と同様に、アンテナ指向制御による端末ID検出部70を機能分割し、アンテナ指向制御部13を基地局処理部10に備え、端末ID検出部74をMECプラットフォーム(図8の21、図9の22)に配置する構成してもよいことは勿論である。
(第4の実施の形態の変形例)
図14は、図10を参照して説明した第4の例示的な実施の形態の変形例を例示する図である。この変形例では、図10のMECプラットフォーム23内のアンテナ指向制御による端末ID検出部70の機能を、基地局(RRU100)のアンテナ指向制御を行うアンテナ指向制御機能と端末ID検出機能とに分割し、アンテナ指向制御部13を基地局処理部10Bに備え、端末ID検出部74をMECプラットフォーム24に配置している。また、図10のMECプラットフォーム23内の基地局アンテナ指向制御部73の機能も、基地局処理部10B内のアンテナ指向制御部13に集約化している。このため、この変形例では、MECプラットフォーム24は、図10のMECプラットフォーム23内の基地局アンテナ指向制御部73は削除されている。この変形例においても、前記第4の例示的な実施の形態と同様の効果を奏する。
上記した例示的な実施形態によれば、例えば以下のような効果が期待できる。ただし、効果は以下に制限されるものでない。
(A)基地局制御部やアプリケーション部などを含む処理装置において、アプリケーション部側で検知した対象の端末IDを特定する場合に、より高精度に対象の端末ID候補を特定する(絞り込む)ことを可能としている。
その理由は、MECプラットフォームが、アプリケーション部から受信した収容セル/セクタ情報と方向情報とに基づいた、無線アンテナ指向性制御による端末IDを検出する機能を備えているためである。すなわち、当該基地局セル/セクタ内に複数の端末が存在する場合でも、アンテナ指向性によって送受信空間を絞り込むことにより、より高精度に対象の端末ID候補を特定する(絞り込む)ことが可能となる。
また、時間的/空間的に複数の検知ポイントでの情報を連携させたり、登録済みIDリスト(ホワイトリスト)を用いたりすることによって、更にID候補を絞り込むことが可能となる。
更に、第2の例示的な実施の形態で説明したように、追加で、端末ID情報を入力として受け、対応する位置関連情報を応答として返すAPIも備え、検知された複数のID候補に対する端末位置関連情報を追跡・トレースしたり、カメラの指向性(画角)を制御して対象が再びカメラで撮像される確率を高めたりすることによって、絞り込み精度や高速性を更に高めることができる。
(B)監視制御等のアプリケーションを基地局装置と近傍のエッジで動作させることにより、処理の高速化(低レイテンシ化)を可能としている。
その理由は、基地局装置の近傍のエッジで監視制御等のアプリケーションやMECプラットフォームを動作させることにより、上位ネットワークであるコアネットワークやその先のインターネット(クラウド)で動作させる場合に比べて、ネットワークのレイテンシが大幅に削減されるためである。高速化(低レイテンシ化)によって、ユーザ端末が移動するような場合でも、精度よく、端末ID候補等を特定する(絞り込む)ことができる。
特に、アンテナ指向性を制御して狭い範囲で精度良くユーザ端末等を検知するような形態の場合は、細かい精度での位置関連情報が重要となる。このため、高速化の重要性は高く、実施形態の利点が大きくなる。
また、第2の例示的な実施の形態で説明したように、基地局におけるアンテナ指向性とカメラの指向性を連携させて相互に繰り返しながら追跡(トレース)していくような場合も、高速性(低レイテンシ性)の点で利点となる。
(C)種々のITアプリケーションから、共通に、且つ、効率的に、基地局装置側の機能や情報の活用、及び、基地局装置との連携制御を、実現可能としている。
その理由は、処理装置は、エッジプラットフォームとして、1つ又は複数のアプリケーションに向けた共通のI/FであるAPIと、共通の機能を備えているためである。例えば、位置関連情報を、共通I/FであるAPIを用いて受け取ることができる。また、位置関連情報に基づくアンテナ指向性制御機能を、該APIを用いて共通に活用することができる。このため、アプリケーション毎に同じような機能を実装したり、構築したりすることは、必要とされない。
特に、位置関連情報に基づき、当該エリアにいる端末ID候補を精度よく検知したり、当該エリア向けに動的にセルを形成してデータ送受信を行ったり、逆に、端末IDを入力して当該端末の位置関連情報を取得する、といった、一般に想定される位置情報に基づく近接(Proximity)サービスの主な機能をプラットフォームとして備えていることは、アプリケーション開発が容易になる観点で大きな利点である。
また、今後は、64個や128個のアンテナでビームを形成するMassive MIMO等の技術が実現される見込みのため、より細く精度の高いビームフォーミングが可能になるものと予測される。したがって、アンテナ指向制御による位置制御関連機能を、MECプラットフォームとして備えることは、今後の映像監視サービスや近接サービスなど、個人やエリアを特定するサービスに向け、将来的にも、各種利点が期待される。
なお、上記実施形態において、端末は、スマートフォン、タブレット端末、フィーチャフォン等であってもよく、あるいはM2Mデバイス、IOT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、アプリケーション部400等でカメラの画像情報から検出される対象は人物の顔以外に、端末を含むか、端末に予め定め関連付けされる物等であってもよいことは勿論である。
上記した実施形態は例えば以下のように付記される(ただし、以下に制限されない)。
(付記1)
モバイルエッジプラットフォームと、
アプリケーション部と、
を備え、
前記モバイルエッジプラットフォームは、
前記アプリケーション部から位置関連情報を入力し、前記位置関連情報に対応するエリアに存在する端末のID情報の候補を、前記アプリケーション部に出力するAPI(Application Programming Interface)を備える、ことを特徴とする処理装置。
(付記2)
前記APIは、前記アプリケーション部から端末ID情報を入力し、前記端末IDを持つ端末の位置関連情報を前記アプリケーション部に応答するインタフェースを備える、ことを特徴とする付記1記載の処理装置。
(付記3)
前記APIは、前記アプリケーション部から、前記位置関連情報と共に、ブロードキャスト/マルチキャストデータを送信するインタフェースを備える、ことを特徴とする付記1又は2記載の処理装置。
(付記4)
対象が収容されているセル/セクタ情報、前記セル/セクタを形成する基地局アンテナからの方向情報、角度情報、及び、距離情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする付記1、2または3記載の処理装置。
(付記5)
前記位置関連情報は、2次元的な位置情報、3次元的な位置情報、及び、GPS(Global Positioning System)の位置情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一に記載の処理装置。
(付記6)
前記位置関連情報は、前記エリアに関する半径、角度範囲、及び、距離範囲の少なくとも一つを含む、ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか一に記載の処理装置。
(付記7)
前記端末ID候補情報はIP(Internet Protocol)アドレス情報、SIM(Subscriber Identity Module)カード情報、機種情報、電話番号、製造番号等の固有情報、ベアラ情報、TEID(Tunnel Endpoint Identifier)情報、C−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)情報、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、TMSI(Temporary Mobile Subscriber Identity)の少なくとも一つを含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一に記載の処理装置。
(付記8)
前記アプリケーション部は、入力した画像情報から対象の位置を推定する手段を備え、
前記モバイルエッジプラットフォームは、前記位置関連情報に基づき、基地局を制御し、前記位置関連情報に対応するエリアに存在する前記端末のID候補情報を取得する端末ID検出手段を備える、ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか一に記載の処理装置。
(付記9)
前記端末ID検出手段は、前記位置関連情報に基づき、前記基地局のアンテナの指向性を制御することを特徴とする付記8記載の処理装置。
(付記10)
前記端末ID検出手段は、
前記端末からの上り信号受信時に、前記基地局の受信アンテナの指向性を制御するか、又は、
前記端末への下り信号送信時に、前記基地局の送信アンテナの指向性を制御する、ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか一に記載の処理装置。
(付記11)
前記アプリケーション部は、時間的又は空間的に複数の端末ID候補情報を連携させてID候補を絞り込む手段を備える、ことを特徴とする付記1乃至10のいずれか一に記載の処理装置。
(付記12)
前記アプリケーション部は、対象ではないことが予めわかっている端末ID情報をホワイトリストとして登録しておき、検知された端末ID候補の中からホワイトリストに登録された端末ID候補を除くことで、端末ID候補の絞り込みを行う手段を備える、ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか一に記載の処理装置。
(付記13)
前記アプリケーション部は、検知された端末ID候補の位置情報の履歴をトレースする端末ID追跡・絞り込み手段を備え、
前記端末ID追跡・絞り込み手段は、トレース対象の端末ID情報を前記APIを介して前記モバイルエッジプラットフォームに送信する、ことを特徴とする付記1乃至11のいずれか一に記載の処理装置。
(付記14)
前記アプリケーション部又は前記モバイルエッジプラットフォームは、
対象の基地局からの方向を推定する手段を備える、ことを特徴とする付記1乃至13のいずれか一に記載の処理装置。
(付記15)
前記アプリケーション部は、前記位置関連情報に基づき近接サービスを前記端末に提供する手段をさらに備える、ことを特徴とする付記1乃至14のいずれか一に記載の処理装置。
(付記16)
前記アプリケーション部は、基地局のアンテナの指向性を制御して、データ送信又は受信する端末の位置を推定し、前記アンテナの指向性制御パラメータを算出する手段を備える、ことを特徴とする付記1乃至15のいずれか一に記載の処理装置。
(付記17)
基地局と、
前記基地局に接続されるモバイルエッジプラットフォームと、
アプリケーション部と、
を備え、
前記モバイルエッジプラットフォームは、前記アプリケーション部から位置関連情報を入力し、前記位置関連情報に対応するエリアに存在する端末のID情報の候補を、前記アプリケーション部に出力するAPI(Application Programming Interface)を備える、ことを特徴とする通信システム。
(付記18)
アプリケーション部にて、入力した画像情報から対象の位置を推定し、前記対象の位置関連情報を、前記APIを介して、前記モバイルエッジプラットフォームに受け渡し、
前記モバイルエッジプラットフォームは、前記位置関連情報に基づき、前記基地局を制御して、前記位置関連情報に対応するエリアに存在する端末のID候補情報を取得し、前記端末のID候補情報を、前記APIを介して前記アプリケーション部に受け渡す、ことを特徴とする付記17記載の通信システム。
(付記19)
前記モバイルエッジプラットフォームは、前記位置関連情報に基づき、前記基地局のアンテナの指向性を制御する、ことを特徴とする付記18記載の通信システム。
(付記20)
アプリケーション部にて、入力した画像情報から対象の位置を推定し、前記対象の位置関連情報を、API(Application Programming Interface)を介して、モバイルエッジプラットフォームに受け渡し、
前記モバイルエッジプラットフォームは、前記位置関連情報に基づき、基地局を制御し、前記位置関連情報に対応するエリアに存在する端末のID候補情報を取得し、前記端末のID候補情報を、前記APIを介して前記アプリケーション部に受け渡す、端末ID特定方法。
(付記21)
前記モバイルエッジプラットフォームは、前記位置関連情報に基づき、前記基地局のアンテナの指向性を制御する、ことを特徴とする付記20記載の端末ID特定方法。
(付記22)
前記端末のID候補が複数ある場合、
前記アプリケーション部では、複数の検知ポイントにおける時間的・空間的な端末ID候補情報を用いて絞り込みを行うか、
対象ではないことが予めわかっている端末ID情報をホワイトリストとして登録しておき、検知された端末ID候補の中からホワイトリストに登録された端末ID候補を除くことで、端末ID候補の絞り込みを行う、付記20又は21記載の端末ID特定方法。
(付記23)
前記アプリケーション部にて、検知された端末ID候補の位置情報の履歴をトレースすることで、端末ID候補の絞り込みを行う、付記20又は21記載の端末ID特定方法。
(付記24)
前記アプリケーション部にて、基地局から見た前記対象の方向を推定し、基地局のアンテナの指向性を制御する、付記20又は21記載の端末ID特定方法。
(付記25)
入力した画像情報から対象の位置を推定し、前記対象の位置関連情報を、API(Application Programming Interface)を介して、第2の処理に受け渡す第1の処理と、
前記位置関連情報に基づき、基地局のアンテナの指向性を制御し、前記位置関連情報に対応するエリアに存在する端末のID候補情報を取得し、前記端末のID候補情報を前記APIを介して前記第1の処理に受け渡す第2の処理を、
コンピュータに実行させるプログラム。
なお、上記の特許文献1、2、非特許文献1等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各付記の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ乃至選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。