JP6600578B2 - 地震時における可燃性ガス噴出予測装置 - Google Patents

地震時における可燃性ガス噴出予測装置 Download PDF

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Description

本発明は、地震の発生に伴って、可燃性ガスが地下水層から遊離し、地上へ噴出することを予測する装置に関する。
溶存ガスを含む溶媒に振動を与えると、溶存ガスと溶媒との遊離性が増加する現象が生じる。一例を挙げると、ペットボトルに入れた過飽和状態でない炭酸水を手で振って振動を与えた後、栓を緩めると、プシュッという音とともに炭酸ガスが外に噴出する。また、この現象を利用して、井戸で汲み上げた地下水又は掘削中に湧出した地下水について可燃性ガスの溶存が認められる場合、爆発防止の観点から、それらの地下水の汲み上げ又は湧出後、振動を与えて強制的に可燃性ガスを遊離させる処置を講じている事例も見受けられる。
一方、メタン等の可燃性ガスが溶存する地下水層は、ごく特定の地域に限られたものではなく日本全国各地に分布しており、地下水層から発生した可燃性ガスが原因でガス爆発事故が発生した事例も多く見られる。一例を挙げると、2007年6月に、渋谷区の温泉施設でのガス爆発で3名死亡する事故が発生している。
上述した事実から、地震発生時に地下水層が振動する事に起因して、地下水層に溶存していた可燃性ガスが遊離し、地下水層中を浮上し、地表面に噴出すること、さらに、噴出した可燃性ガスが、電気機器等を着火源として爆発し、甚大な災害を引き起こす等の潜在的危険性が日本全国各地に潜むことが予見される。
このような潜在的危険性が予見されるにもかかわらず、地震時に地下水層から遊離した可燃性ガスが地上に噴出する事象を予測し、対策を講じる手段は未だ確立されていない。
例えば、特許文献1には、地層中に含まれる可燃性ガスを検知し、トンネル工事におけるガス爆発の危険性を予知する方法が開示されている。しかし、この従来の方法は、これから掘削しようとする地層の地下水の採取量、温度、及び静水圧と、採取した地下水から遊離したガスの発生量及び濃度等のデータにより、可燃性ガスの溶解量、飽和度等をデータ処理装置で算出し、その算出結果によってガス爆発の危険性を判断するように構成されており、地震の発生に伴って、可燃性ガスが地下水層から遊離し、地上へ噴出することを予測する装置については、開示も示唆もされていない。
特開平8−263772号公報
本発明の課題は、未だ予測手法が確立していない事象、すなわち、「地震時に可燃ガスが地下水層から遊離し地上に噴出する事象」を有効かつ簡単に予測することができる予測装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、地震時における可燃性ガス噴出予測装置であって、可燃性ガスが溶存する地下水層の水頭を検出する水頭検出手段と、水頭検出手段で検出された水頭の変化速度に基づき、地震時での地下水層の水頭変化の異常を判定する異常判定手段と、異常判定手段により地下水層の水頭変化が異常であると判定されたときに、地震の発生に伴って可燃性ガスが地上へ噴出すると予測する予測手段と、を備えることを特徴とする。
本発明は、地震による可燃性ガス噴出のメカニズムと、地下水層の水頭変化との関係に関して得られた、本発明者の知見に基づいている。以下、その概略について説明する。
地下水層に溶存する可燃性ガスは、地震動により遊離し気泡となる。気泡は、浮力を受け、地下水層中を地上に向かって上昇する。この上昇の初期段階では、地下水層の水頭変化は相対的に軽微なものとなる。上昇が進むと、気泡内の圧力が小さくなり、ボイルシャルルの法則に従い、気泡は急激に膨張する。このように気泡が上昇し、かつ、急激に膨張することにより、地下水層の上部の圧力が急激に高まり、その周辺の地下水層の水頭は急激に上昇する。気泡がさらに上昇し可燃性ガスが地上に噴出した後は、地下水層上部の圧力は低下し、これに伴いその周辺の地下水層の水頭も低下する。このような地下水層の水頭が急激に変化する現象は、他には見当たらない。
なお、地下水層に溶存する可燃性ガスが地震により地上に噴出する過程と、それぞれの過程における地下水層の水頭の変化は、地下水層が存在する地層構造の条件によって異なるが、概ね上述の通りである。
以上の知見に基づき、この構成によれば、地下水層の水頭を水頭検出手段で検出し、検出された水頭の変化速度に基づき、地震時での地下水層の水頭変化の異常を異常判定手段で判定する。上述したように、地下水層の水頭が急激に変化する現象は、地震時における地下水層からの可燃ガスの遊離・上昇によってのみ生じる。したがって、地下水層の水頭変化が異常であると判定されたときに、予測手段により、地震の発生に伴って可燃性ガスが地上へ噴出すると有効に予測することができる。すなわち、可燃性ガスを含む地下水層の水頭を経時的に捉えることで、有効かつ簡単に可燃性ガスの地上への噴出を予測することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置において、水頭検出手段は、地下水層に貫入するように埋設された密閉型観測井戸と、密閉型観測井戸の内部に設けられ、地下水層の水頭として密閉型観測井戸内の圧力を検出する圧力計と、を有し、密閉型観測井戸は、上端が閉塞している管と、管の下端部に接続されているストレーナと、を有することを特徴とする。
この構成によれば、水頭検出手段は、地下水層に貫入するように埋設された密閉型観測井戸と、密閉型観測井戸の内部に設けられた圧力計で構成されており、以下のようにして、地下水層の水頭が検出される。
密閉型観測井戸は、地下水層に貫入するように埋設されているので、定常時は、地下水層の水頭と、密閉型観測井戸内の地下水の水頭は一致する。地震の発生に伴って、地下水層の水頭が上昇すると、地下水層と密閉型観測井戸内の地下水との間に圧力差が生じ、ストレーナを通じて、地下水層中の地下水が密閉型観測井戸内に流入し、それに伴って密閉型観測井戸内の地下水の水頭も上昇する。具体的にいえば、密閉型観測井戸内の地下水の水位及び水圧が上昇する。密閉型観測井戸を構成する管の上端が閉塞されているので、密閉型観測井戸内の地下水の水位の上昇に伴い、密閉型観測井戸内の密封空気は圧縮され、圧力は増加する。その圧力の増加は、密閉空気の空気圧と、地下水層の水頭が平衡状態になった時点で停止する。すなわち、地震時において、密閉型観測井戸内の圧力を、圧力計で検出することにより、地下水層の水頭を検出することができる。
また、この構成によれば、密閉型観測井戸を構成する管の上端が閉塞されているので、地震時に地下水層の水頭が大きく上昇するような状況でも、密閉型観測井戸内の密封空気の圧力の増加により密閉型観測井戸内の水位の上昇を抑制でき、その結果、ストレーナを通じて密閉型観測井戸内に流入する地下水量が抑制され、流入時間が短縮されることによって、迅速に地下水層の水頭変化を捉えることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置において、水頭検出手段は、地下水層に貫入するように埋設された開放型観測井戸と、開放型観測井戸の内部に設けられ、地下水層の水頭として開放型観測井戸内の水位を検出する水位計と、を有し、開放型観測井戸は、上端が開放している管と、管の下端部に接続されているストレーナと、を有することを特徴とする。
この構成によれば、水頭検出手段は、地下水層に貫入するように埋設された開放型観測井戸と、開放型観測井戸の内部に設けられた水位計で構成されており、以下のようにして、地下水層の水頭が検出される。
開放型観測井戸は、地下水層に貫入するように埋設され、開放型観測井戸を構成する管の上端は開放されているので、定常時は、地下水層の水頭と、開放型観測井戸内の地下水の水位(水頭)は一致する。地震の発生に伴って、地下水層の水頭が上昇すると、地下水層と開放型観測井戸内の地下水との間に圧力差が生じ、ストレーナを通じて、地下水層中の地下水が開放型観測井戸内に流入し、それに伴って開放型観測井戸内の地下水の水位(水頭)も上昇する。その水位(水頭)の上昇は、開放型観測井戸内の水位(水頭)と、地下水層の水頭が平衡状態になった時点で停止する。すなわち、地震時において、開放型観測井戸内の水位を、水位計で検出することにより、地下水層の水頭を検出することができる。
また、この構成によれば、開放型観測井戸内の上部空間は大気中の空気と繋がっており、地中と異なり開放型観測井戸内で、可燃性ガスは拘束を受けることなく、自由な流出・流入が確保される。そのため、地下水から遊離した可燃性ガスは、地中で拘束を受けながら地中から地上に向かって噴出する前に、開放型観測井戸内を上昇して直接大気中に放出される。したがって、開放型観測井戸内の可燃性ガスの噴出を迅速に確認することで、可燃性ガスの地中からの噴出を事前に予測することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置において、可燃性ガスを排出するために管の上端に接続部を介して接続された排出ダクトと、接続部に設けられ、地震時に可燃性ガスとともに噴出する開放型観測井戸内部の地下水を外部に排出するための地下水排出機構と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、管の上端に接続された排出ダクトによって、地下水層から遊離した可燃性ガスを積極的に排出し、逃がすことができ、可燃性ガスが直接地上へ噴出するのを抑制することができる。
また、可燃性ガスとともに地下水が観測井戸内に噴出する場合には、管と排出ダクトとの間の接続部に設けられた地下水排出機構によって地下水が外部に排出されるので、地下水に阻害されることなく、排出ダクトからの可燃性ガスの排出をより円滑に行うことができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置において、排出ダクトは、付近に建物が設置されている場合には、建物の高さよりも高く立ち上がっていることを特徴とする。
この構成によれば、排出ダクトは、付近の建物の高さよりも高く立ち上がっているので、大気中の空気よりも軽いメタン等の可燃性ガスは、排出ダクトから建物よりも高い位置に排出され、さらに上方に拡散する。そのため、建物内での可燃ガスの爆発の危険性を低減することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から5に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置において、予測手段で可燃性ガスの噴出が予測されたときに、付近の建物に供給している電力を遮断する電力遮断装置と、可燃性ガスの噴出が予測されたことを周囲に周知するための警報装置と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、可燃性ガスの噴出が予測されたときに、付近の建物への電力供給が、電力遮断装置によって遮断されるので、建物内の電気機器等が着火源となって可燃性ガスが爆発すること、及び、可燃性ガスの発火による火災を防止することができる。
また、可燃性ガスの噴出が予測されたときに、警報装置から発せられる警報によって、周囲の人々に可燃性ガスの噴出について周知するので、災害防止のための適切な行動を促すことにより、災害による被害を減少させることができる。
実施形態による第1可燃性ガス噴出予測装置を、これを適用した防災システムとともに概略的に示す図である。 実施形態による第2可燃性ガス噴出予測装置を、これを適用した防災システムとともに概略的に示す図である。 第2可燃ガス噴出予測装置の接続部の断面を概略的に示す図である。 接続部の地下水排出のメカニズムを概略的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態による第1可燃性ガス噴出予測装置1と、これを適用した防災システムについて、図1を参照しながら説明する。
第1可燃性ガス噴出予測装置1は、密閉型観測井戸2と、圧力計21と、データ処理装置201とを備えている。密閉型観測井戸2は地下に埋設されており、地層構造は、表層側から順に土砂層101、難透水層102、帯水層103で構成されている。帯水層103中の地下水は、メタン等の可燃性ガスが溶存しており、かつ、帯水層103に満たされ、圧力を受けている被圧地下水である。したがって、帯水層103中の地下水の水頭は、位置水頭(水位)と圧力水頭(圧力)との和で表わされる。
密閉型観測井戸2は、建物205の近傍に配置されており、ストレーナ管11と、ストレーナ管11の上端部に接続された円管12と、円管12の上端を閉塞する密閉蓋13とで構成されている。ストレーナ管11の周壁には、その全体にわたり、地下水を取り込むための複数の円形又は楕円形の孔がほぼ均等に形成されている。ストレーナ管11と円管12との接続位置は帯水層103の上端より低い位置となっている。これにより、帯水層103中の地下水を、ストレーナ管11の孔を通じて密閉型観測井戸2の内部に確実に取り込むことができる。
なお、上記接続位置は、帯水層103の上端よりも低いという条件で可能な限り高くすることが好ましく、ストレーナ管11の下端は、可能な限り深くすることが好ましい。これにより、ストレーナ管11の表面積を大きくし、帯水層103中の地下水の取り込み範囲を広くすることができ、地下水をより迅速に密閉型観測井戸2の内部に取り込むことができる。また、ストレーナ管11の外周部に、土粒子による目詰まりを防止するためのフィルターを設けてもよい。
密閉蓋13の内面の下端部には、密閉型観測井戸2内の密封空気Aの空気圧を検出する圧力計21が設けられている。なお、圧力計は密閉型観測井戸2内の地下水の水圧を検出するタイプのものでもよく、双方を併用しても良い。
データ処理装置201はマイクロコンピュータ等により構成されており、入力側に圧力計21の出力端子が接続され、密閉空気Aの空気圧を表わす検出信号が入力される。データ処理装置201は、所定の制御プログラムに従い、入力された圧力計21の検出値に応じて、可燃性ガスの噴出の予測処理を実行する。
また、データ処理装置201の出力側には、予測した可燃性ガスの噴出を警告するための警報装置202が接続され、また、建物205への電力供給を遮断するための電力遮断装置203も併せて接続されている。
次に、上述した構成の第1可燃性ガス噴出予測装置1を用いた地震時における可燃性ガスの噴出予測方法と、その結果に応じた防災システムの動作について、説明する。
密閉型観測井戸2内の密封空気Aの圧力は、圧力計21で常時、検出される。帯水層103内の地下水の水頭(水位+圧力)は、降雨状況、近隣での揚水の状況、潮位の変化その他により緩やかに変化する。それに伴い圧力計21の検出値も緩やかに変化する。圧力計21の検出値は、データ処理装置201に取り込まれ記憶される。
この状態から比較的大きな地震が発生すると、その大きな振動により帯水層103中の地下水に溶存する可燃性ガスは、地下水から遊離し気泡となる。発生した気泡は地下水から浮力を受けて、帯水層103中を地上に向かって上昇する。上昇した気泡は難透水層102でブロックされ、難透水層102と帯水層103との境界付近に集積する。集積された気泡が増大するのに伴い、帯水層103中の地下水の水頭(圧力)が急激に増加する。その結果、帯水層103中の地下水と密閉型観測井戸2との間に圧力差が生じ、ストレーナ管11を通じて地下水が密閉型観測井戸2内に流入することによって、密閉型観測井戸2内の密閉空気Aが圧縮され、その圧力が急激に増加する。データ処理装置201は、圧力計21で検出された密閉空気Aの圧力の変化速度を算出するとともに、算出した圧力の変化速度が所定のしきい値を超えたときに、圧力変化の異常が発生したと判定する。この異常判定により、可燃性ガスの地上への噴出の可能性を予測することができる。
データ処理装置201は、この段階で、警報装置202を作動させ、周囲の人々に注意を喚起するとともに、電力遮断装置203を作動させ、建物205及びその周辺の電気機器等への電力の供給を遮断することによって、電力機器及びその他の火気が着火源となって可燃性ガスが爆発したり、それが原因で火災が発生したりすることを防止する。
その後、帯水層103の圧力がさらに増加し、限界に達すると、難透水層102に亀裂が入り、難透水層102の上下間に生じている圧力差によって、集積された気泡が亀裂部を通って土砂層101に向かって一気に上昇する。それと同時に、地下水もまた亀裂部を通って土砂層101に向かって一気に上昇する。その結果、増加していた帯水層103の圧力が急激に低下し、増加していた圧力計21の検出値も急激に低下する。
一方、地表では、地下水及び可燃性ガスが地上に噴出する。土砂層101に含まれる砂等が地下水及び可燃性ガスと一緒になって地上に噴出する場合もある。
以上のように、本実施形態によれば、圧力計21で検出された圧力値をデータ処理装置201に取り込み、帯水層103中の地下水の水頭がきわめて急激に変化したときに、異常と判定する。したがって、この異常判定により、地震時における可燃性ガスの地上への噴出の可能性をきわめて高い確率で予測することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。本実施形態では、密閉型観測井戸2は、表層側から順に土砂層101、難透水層102、帯水層103で構成された地盤を対象とし、帯水層103に貫入するように埋設されている。これに限らず、例えば、地盤が表層側から順に土砂層、難透水層で構成される場合には、密閉型観測井戸2を土砂層に貫入するように埋設してもよい。また、帯水層の下側に難透水層及び第2帯水層(地下水層)が存在している場合には、密閉型観測井戸2を第2帯水層に貫入するように埋設してもよい。
本実施形態による第2可燃性ガス噴出予測装置3と、これを適用した防災システムについて、図2を参照しながら説明する。
第2可燃性ガス噴出予測装置3の構成は、第1可燃性ガス噴出予測装置1と共通する部分が多いことから、この共通する部分についての説明は省略し、主に相違点について説明する。
第2可燃性ガス噴出予測装置3は、開放型観測井戸4と、水位計22と、データ処理装置201とを備えている。水位計22は、開放型観測井戸4内の地下水中に配置されている。なお、本実施形態では、水位計22は、水圧を検出し、この水圧が水深と比例することを利用して水位を求める水圧式のものである。これに限らず、例えば、超音波を水面に発射し、水面から反射される超音波の伝搬時間を検知し、水位に変換する超音波式の水位計を用いてもよく、又は、観測井戸内にフロートを浮かべ、水位の変化を機械的にフロート内の回転軸に伝達させることによって水位を求めるフロート式の水位計を用いてもよい。あるいは、観測井戸内に所定の間隔で複数のリードスイッチを配置し、永久磁石を内蔵したフロートが、水位変化に追従して管内を上下すると、水位に対応したリードスイッチが磁力により通電状態となることを利用して水位を求める測水中式の水位計を用いてもよい。また、これらを併用してもよい。
開放型観測井戸4は、帯水層103に配置されたストレーナ管11と、ストレーナ管11の上端部に接続された円管12と、円管12の上方に配置され、可燃性ガスを上空に排出する排出ダクト15と、円管12と排出ダクト15とを接続する接続部14で構成されている。排出ダクト15は、上端が開放した円管で構成されており、建物205の高さよりも高く立ち上がっている。
これにより、大気中の空気よりも軽いメタン等の可燃性ガスは、排出ダクト15の上端の開口から上方に向かって大気中に放出され、拡散する。そのため、建物205及びその周辺における可燃性ガスの爆発及び火災の危険性を、低減することができる。
また、排出ダクト15の上端の開口から、開放型観測井戸4内を上昇する可燃性ガスを直接確認することができるので、可燃性ガスの地中からの噴出をより正確に予測することができる。
図3に示すように、接続部14には地下水排出機構30が設けられている。この地下水排出機構30は、接続管33と、拡散防止堰31と、貯留堰32とで構成されており、これらの構成要素は、円管12及び排出ダクト15と同心状に設けられている。接続管33は、円管12及び排出ダクト15と同じ径を有し、両者12、15を連通するように接続されている。また、接続管33の周壁の上部には、複数の縦長のスリット34が円周方向に沿って等間隔に形成されている。
拡散防止堰31は、有底の短い円管状のものであり、底部31aと周壁部31bとを有する。底部31aは、排出ダクト15よりも大きな径を有するドーナツ板状のものであり、接続管33の外表面の上端部に水密に設けられ、外方に水平に延びている。周壁部31bは、底部31aの周縁から下方に延び、スリット34を含めて接続管33の上半部をほぼ被っている。
貯留堰32もまた有底の短い円管状のものであり、底部32aと周壁部32bを有する。底部32aは、拡散防止堰31の底部31aよりも大きな径を有するドーナツ板状のものであり、接続管33の外表面の下端部に水密に設けられ、外方に水平に延びている。周壁部32bは、底部32aの周縁から上方に延び、拡散防止堰31の周壁部31bの下半部をほぼ被っている。
地震時において、可燃性ガスが地下水とともに開放型観測井戸4内に噴出し、開放型観測井戸内4内の地下水位が接続部14の位置よりも高くなると、図4(b)に示す通り、地下水は、接続管33のスリット34を通過して貯留堰32に溜まる。
さらに地下水量が増加すると、貯留堰32に溜まった地下水は貯留堰32を越流する。図4(c)に示す通り、貯留堰32に溜まった地下水によってスリット34は塞がれた状態となるため、スリット34からの可燃性ガスの大気中への放出を防止することができる。
第2可燃性ガス噴出予測装置3を用いた地震時における可燃ガスの噴出予測方法は、前述した第1可燃性ガス噴出予測装置1を用いた噴出予測方法と、ほぼ同じであることから説明は省略する。
なお、実施例1及び2では、第1及び第2可燃性ガス噴出予測装置1、3に警報装置202及び電力遮断装置203の両方を併設しているが、これらの一方のみを設けてもよく、あるいは両方を省略してもよい。
また、実施例1では、単一の第1可燃性ガス噴出予測装置1を用い、実施例2では、単一の第2可燃性ガス噴出予測装置3を用いているが、各実施例において複数のものを用いてもよい。更に、実施例1と実施例2を組み合わせ、複数の第1可燃性ガス噴出予測装置1と、複数の第2可燃性ガス噴出予測装置3を併用してもよい。
また、排出ダクト15内に、メタン等の可燃ガスの濃度を検知するガス検知装置(図示せず)を配置して、排出ダクト15から排出される可燃性ガスの濃度を検出し、データ処理装置201に取り込み、所定の制御プログラムで、開放型観測井戸4内の水位の検出結果と、可燃性ガスの濃度の検出結果の双方を考慮することによって、帯水層103の地下水の水頭変化の異常を判定してもよい。これにより、地震による大きな揺れで、開放型観測井戸4内の地下水に気泡流又はスラグ流が発生して、その水位に予期しない乱れが生じ、その変化速度が小さい場合でも、的確に可燃性ガスの噴出を予測することができる。
1 第1可燃性ガス噴出予測装置
2 密閉型観測井戸
3 第2可燃性ガス噴出予測装置
4 開放型観測井戸
11 ストレーナ管(ストレーナ)
12 円管
13 密閉蓋
14 接続部
15 排出ダクト
21 圧力計(水頭検出手段)
22 水位計(水頭検出手段)
30 地下水排出機構
31 拡散防止堰
31a 拡散防止堰の底部
31b 拡散防止堰の周壁部
32 貯留堰
32a 貯留堰の底部
32b 貯留堰の周壁部
33 接続管
34 スリット
101 土砂層
102 難透水層
103 帯水層
201 データ処理装置(異常判定手段、予測手段)
202 警報装置
203 電力遮断装置
205 建物
A 密封空気

Claims (6)

  1. 可燃性ガスが溶存する地下水層の水頭を検出する水頭検出手段と、
    前記水頭検出手段で検出された水頭の変化速度に基づき、地震時での前記地下水層の水頭変化の異常を判定する異常判定手段と、
    前記異常判定手段により前記地下水層の水頭変化が異常であると判定されたときに、地震の発生に伴って前記可燃性ガスが地上へ噴出すると予測する予測手段と、
    を備えることを特徴とする地震時における可燃性ガス噴出予測装置。
  2. 前記水頭検出手段は、前記地下水層に貫入するように埋設された密閉型観測井戸と、
    前記密閉型観測井戸の内部に設けられ、前記地下水層の水頭として前記密閉型観測井戸内の圧力を検出する圧力計と、
    を有し、
    前記密閉型観測井戸は、上端が閉塞している管と、
    前記管の下端部に接続されているストレーナと、
    を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置。
  3. 前記水頭検出手段は、前記地下水層に貫入するように埋設された開放型観測井戸と、
    前記開放型観測井戸の内部に設けられ、前記地下水層の水頭として前記開放型観測井戸内の水位を検出する水位計と、
    を有し、
    前記開放型観測井戸は、上端が開放している管と、
    前記管の下端部に接続されているストレーナと、
    を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置。
  4. 可燃性ガスを排出するために前記管の上端に接続部を介して接続された排出ダクトと、
    前記接続部に設けられ、地震時に可燃性ガスとともに噴出する前記開放型観測井戸内の地下水を外部に排出するための地下水排出機構と、
    をさらに備えることを特徴とする、
    請求項3に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置。
  5. 前記排出ダクトは、付近に建物が設置されている場合には、当該建物の高さよりも高く立ち上がっていることを特徴とする、
    請求項4に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置。
  6. 前記予測手段で可燃性ガスの噴出が予測されたときに、付近の建物への電力の供給を遮断する電力遮断装置と、可燃性ガスの噴出が予測されたことを周囲に周知するための警報装置と、
    をさらに備えることを特徴とする、
    請求項1から5に記載の地震時における可燃性ガス噴出予測装置。
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