JP6600571B2 - 無人航空機を用いた漁業支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、無人航空機を用いて集魚及び魚群の誘導を行うことにより漁業を支援する、無人航空機を用いた漁業支援システムに関する。
サンマ漁等の漁業においては、魚群密度の高い漁場で操業することが漁獲効率を高めるためにも重要である。そのためには、漁場を移動して魚群探索を行う他に、魚群を漁船方向に積極的に誘導することも行われる。
魚群を誘導する従来技術としては、漁船に設けた探照灯を用いて魚群に光を照射して集魚し、その光を移動させて魚群を漁船方向に誘導することが行われていた。しかしながら、探照灯を用いた魚群の誘導は、探照灯の操作に高度の熟練を要することのみならず、魚群が遠距離にある場合は高い集魚及び誘導効果を期待できなかった。さらに、探照灯の点灯に使用する電力量に比して集魚及び誘導効果が極めて低いという問題をも有していた。
近年、無人航空機による魚漁支援技術として、カメラを搭載した無人航空機により魚群探索を行うことが提案されている(例えば特許文献1〜3)。
特表2012−524695号公報 特表2013−539729号公報 特許第5214599号公報
これら特許文献1〜3には、無人航空機の回収方法、無人航空機によるライン捕捉方法及び無人航空機の無線制御方法についての記載があるものの、無人航空機をどのように用いて漁業支援を行うかについての具体的な構成については、何等開示されていない。
従って本発明の目的は、無人航空機を利用して集魚及び魚群の誘導等の漁業支援を可能とした漁業支援システムを確立することにある。
本発明によれば、無人航空機を用いた漁業支援システムは、漁船に搭載された漁船側制御装置と、漁船に搭載された漁船側無線送受信装置と、漁船に搭載されており漁船の位置を把握して漁船側制御装置に入力する漁船位置把握装置と、無人航空機に搭載された航空機側制御装置と、無人航空機に搭載されており漁船側無線送受信装置との間で漁船の位置データを含むデータの送受を行う航空機側無線送受信装置と、無人航空機に搭載されており無人航空機の位置を把握して航空機側制御装置に入力する航空機位置把握装置と、無人航空機に搭載されており魚群に光を照射する光照射装置と、無人航空機に搭載されており水面を撮影し得られた画像データを航空機側制御装置に入力する撮像装置とを備えている。航空機側制御装置は、撮像装置から得た画像データから魚群を検出し、検出した魚群に対して光照射装置から光を照射した状態で無人航空機を移動させることにより、魚群を漁船の方向へ誘導するように構成されている。
無人航空機に搭載の撮像装置により水面を撮像して画像データを取得し、その取得した画像データから魚群を検出し、検出した魚群に対して光を照射した状態で無人航空機を移動させることにより、魚群を漁船の方向へ誘導するように構成されているため、無人航空機の到達できる範囲の遠隔の魚群を自動的に集魚及び誘導して漁船まで誘導することができる。また、そのために熟練した操作員も不要である。さらに、少ない消費電力で集魚及び魚群の誘導を行うことができるので、消費電力量に対する集魚及び誘導効果がきわめて高い。このように、本発明では、高機動性の小型の無人航空機(ドローン)を用いて漁業支援システムを構築しているため、漁業の省力化及び効率化が図ることができる。
航空機側制御装置は、魚群の重心点の位置と無人航空機の位置との距離が所定範囲内に収まるように無人航空機の移動速度を設定するように構成されていることが好ましい。
航空機側制御装置は、魚群の密度及び面積を検出し、検出した密度及び面積が高魚群密度及び狭魚群面積である場合は魚群に誘導効果の高い光を照射して漁船の方向に誘導し、検出した密度及び面積が低魚群密度及び広魚群面積である場合は魚群に集魚効果の高い光を照射して魚群を高密度となるように集めた後、この魚群に誘導効果の高い青緑色の光を照射して漁船の方向に誘導するように構成されていることも好ましい。
この場合、誘導効果の高い光が120度以上の配光角度を有する広角の光(サンマの場合は青緑光)であり、集魚効果の高い光が120度未満の配光角度を有する狭角の光(サンマの場合は青緑光)であることがより好ましい。
光照射装置がLED(発光ダイオード)光源装置を含んでいることも好ましい。
航空機側制御装置は、魚群の重心点の位置と無人航空機の位置との距離が所定範囲内に収まるように無人航空機の移動速度を設定するように構成されていることも好ましい。
集魚及び魚群の誘導作業を実施していない場合に、航空機側制御装置は、無人航空機を漁船の周囲を周回するように飛行させ、漁船の集魚灯の光量を検出するように構成されていることも好ましい。
本発明によれば、無人航空機の到達できる範囲の遠隔の魚群を自動的に集魚及び誘導して漁船まで誘導することができ、また、そのために熟練した操作員も不要である。さらに、少ない消費電力で集魚及び魚群の誘導を行うことができるので、消費電力量に対する集魚及び誘導効果がきわめて高い。このように、本発明では、高機動性の小型の無人航空機(ドローン)を用いて漁業支援システムを構築しているため、漁業の省力化及び効率化が図ることができる。
本発明の漁業支援システムの一実施形態における全体構成を概略的に示す図である。 図1の実施形態における漁船及びドローンの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 図1の実施形態における漁船の制御動作の流れを概略的に示すフローチャートである。 図1の実施形態におけるドローンの制御動作の流れを概略的に示すフローチャートである。 図1の実施形態におけるドローンの制御動作の流れを概略的に示すフローチャートである。 図1の実施形態におけるドローンの制御動作の流れを概略的に示すフローチャートである。 図4a及び4bに示す魚群高確率遭遇エリア探索処理の流れを概略的に示すフローチャートである。 図4cに示す魚群の判別処理の流れを概略的に示すフローチャートである。 ライントランセクト法による航路を説明する図である。 海面水温について好適水温域及び好適水温勾配域の抽出処理を説明する図である。 植物プランクトン濃度について好適濃度域の抽出処理を説明する図である。 好適水温域、好適水温勾配域及び好適濃度域から魚群高確率遭遇エリアを抽出する処理を説明する図である。 図4cに示す魚群の誘導処理の流れを概略的に示すフローチャートである。 本発明の漁業支援システムの他の実施形態における漁船の制御動作の流れを概略的に示すフローチャートである。
図1は本発明の漁業支援システムの一実施形態における全体構成を概略的に示しており、図2はこの漁業支援システムにおける漁船側及びドローン側の電気的構成を概略的に示している。
図1において、10は例えばサンマ漁の漁船、20はこの漁船10を基地として発進する無線操縦式無人航空機であるドローンをそれぞれ示している。本実施形態におけるドローン20は、空中静止可能な回転翼機である。
漁船10には、図2に示すように、この漁業支援システムにおいて漁船側の制御を行う漁船側制御装置11と、この漁船側制御装置11に接続されており、ドローン側無線送受信装置22との間で例えばIEEE802.16−2004規格の無線LAN(ローカルエリアネットワーク)によるデータ通信を行うための漁船側無線送受信装置12と、漁船10の位置を取得するためのGPS(グローバルポジショニング)装置13とが設けられている。漁船側制御装置11は、デジタルコンピュータ11a、例えば液晶等によるディスプレイ部11b及び操作部11cを備えている。ディスプレイ部11b及び操作部11cは互いに独立した構成で設けても良いし、タッチパネル式液晶ディスプレイを用いれば、一体化構成としても良い。漁船側無線送受信装置12は、無線部12a及びアンテナ12bを備えている。漁船側制御装置11は、ウェブ上のマップサービスから地図情報を取得できるように構成しても良い。例えば、Bluetooth(登録商標)によりスマートフォンと接続しウェブ上のマップサービスから地図情報を取得してディスプレイ部11bに表示するように構成しても良い。また、人工衛星NOAAのデータベースから海水温分布等の海洋情報を取得するように構成しても良い。
ドローン20には、この漁業支援システムにおいてドローン側の制御を行うドローン側制御装置21と、このドローン側制御装置21に接続されており、漁船側無線送受信装置12との間で上述の無線LANによるデータ通信を行うためのドローン側無線送受信装置22と、明るい環境下で動画撮影を行うための高性能偏光フィルタ付きの超広角(例えば焦点距離0.02m程度)の可視光デジタルカメラ23と、海面の温度を測定するための高分解能放射計24と、海面の特定スペクトルを検出して植物プランクトン濃度を測定するための海色センサ25と、集魚及び魚群の誘導用の光を照射するための光照射装置26と、ドローン20の位置を取得するためのGPS装置27と、光量の測定を行うための光量計28とが設けられている。ドローン側制御装置21は、デジタルコンピュータ21aを備えている。ドローン側無線送受信装置22は、無線部22a及びアンテナ22bを備えている。
高分解能放射計24は、海表面温度に応じて定まる、海水面からの反射光の赤外線成分を測定するものであり、その測定値から海面温度を推定することができる。海色センサ25は、海水面からの反射光のスペクトル分析を行うことにより、植物プランクトンが含有している光合成色素でありクロロフィルaの濃度を検出するものであり、その測定値から海面の植物プランクトン濃度を推定することができる。
光照射装置26は、サンマの視覚感度が高い500〜510nmの波長にピークを有する青緑色の光を発光する高出力のLED素子を用いたLED光源を使用する。このLED光源からの光をレンズ及び/又は反射鏡で集光して指向性の高い光を海面上に照射できるように構成されている。光量計28は、入射した光の強度(光量)に応じた光量信号又は光量データを出力する照度計である。
図3は本実施形態における漁船側の制御動作の流れを概略的に示しており、図4a〜4c、図5及び図6は本実施形態におけるドローン側の制御動作の流れを概略的に示している。以下、これらの図を用いて本実施形態における漁船10及びドローン20の制御動作を詳細に説明する。
最初に、図3を用いて、漁船10に搭載された漁船側制御装置11の動作を説明する。システムが起動されると、まず、ドローン20の動作を制御する情報の初期設定が行われる(ステップS1)。この場合の初期設定の内容は、ドローン20によるライントランセクト法に基づいた航路の設定、魚群探索時におけるドローン20の航行高度の設定、並びに集魚及び魚群の誘導時におけるドローン20の航行高度の設定を含んでいる。さらに、既に魚群が発見されておりその位置が知られている場合は、その旨及び発見されている魚群の位置情報が含まれる。
ライントランセクト法は、よく知られているように、調査対象域にラインを引き、そのライン上又はラインから一定の範囲内の生物について調査する手法であり、ここでは、図7に示すように、トランセクト航路70、トランセクト開始点71の位置情報、及びトランセクト終了点72の位置情報がそれぞれ初期設定される。ドローン20の航行高度を設定することにより、トランセクトラインのライン幅が決定される。即ち、ライン幅a(mm)は、a=2f/cot(α/4)で決定される。ただし、fは航行高度(mm)、αは画角(°)であり、この画角αはカメラのセンサの大きさを24√13(mm)とすると、α=2tan−1(24√13/f)である。
なお、既に発見されている魚群の位置情報、調査対象域の位置情報、並びにトランセクト航路70、トランセクト開始点71及びトランセクト終了点72の位置情報は、本システムの操作者が過去の実績や経験に基づいて決定しても良いし、漁船10に搭載されている全方位ソナーのエコーグラムから決定しても良いし、両者を併用しても良い。
次いで、この初期設定内容がドローン20に送信され(ステップS2)、オペレータの操作により、ドローン20へ離陸指示が送信される(ステップS3)。
漁船10及びドローン20は、GPS装置13及び27によりそれぞれ位置情報を定期的に取得している。この取得したドローン20の位置情報を受信し、これと取得した漁船10の位置情報とから漁船10及びドローン20間の距離が算出される(ステップS4)。
次いで、この算出された距離が所定値、例えば漁船10及びドローン20間の通信限界である2.5kmを超えたか否かを判別される(ステップS5)。超えていないと判別された場合(NOの場合)は、ドローン20に対する強制的な帰巣指示が出ているか否かが判別される(ステップS6)。帰巣指示が出ていないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS4に戻り、ステップS4〜S6の処理が繰り返される。帰巣指示が出ていると判別された場合(YESの場合)は、帰巣指示信号がドローン20へ送信される(ステップS7)。これにより、ドローン20は漁船10への帰巣を開始する(図4bのステップS25)。
ステップS5において、距離が所定値を超えていると判別された場合(YESの場合)は、ステップS7へ進み、帰巣指示信号がドローン20へ送信される。これにより、ドローン20は漁船10への帰巣を開始する(図4bのステップS25)。
次に、図4a〜4c、図5、図6及び図11を用いて、ドローン20に搭載されたドローン側制御装置21の動作を説明する。
システムが起動されると、漁船10から送信された初期設定の内容が受信され(図4aのステップS11)、デジタルコンピュータ21a内のメモリに記憶される。
次いで、漁船10側から離陸指示があったか否かが判別される(ステップS12)。離陸指示有りと判別された場合(YESの場合)のみ、ドローン20の離陸動作を行う(ステップS13)。
次いで、この初期設定の内容から、魚群の位置が既に分かっているか否かが判別される(ステップS14)。魚群の位置が分かっていないと判別された場合(NOの場合)、ドローン20は、トランセクト開始点71に向かって飛行する。
次いで、強制的な帰巣指示が出ているか否かが判別される(ステップS16)。帰巣指示が出ていないと判別された場合(NOの場合)は、魚群に高確率で遭遇するエリアの探索処理が行われる(ステップS17)。従って、この魚群高確率遭遇エリア探索処理は、魚群の位置が分かっていない状態でドローン20が飛行を開始すると直ちに開始され、飛行中に継続して実施されることとなる。
ステップS14において、魚群の位置が既に分かっていると判別された場合(YESの場合)、ドローン20は、その判明している魚群の位置へ飛行し(ステップS15)、図4cのステップS29の処理を実行する。
ステップS16において、帰巣指示が出ていると判別された場合(YESの場合)は、ドローン20の帰巣が開始され(図4bのステップS27)、漁船10に着陸して(図4bのステップS28)、この漁業支援システムの処理が終了する。
ステップS17における魚群高確率遭遇エリア探索処理が図5に示されている。
この魚群高確率遭遇エリア探索処理では、まず、ドローン20に搭載されている高分解能放射計24によって海面水温が測定される(ステップS100)と共に、同じくドローン20に搭載されている海色センサ25によって海面の色度が検出されて植物プランクトン濃度が測定される(ステップS106)。具体的には、カメラの画角に合わせたアスペクト比(単なる一例であるが、例えばアスペクト比16:9)とした領域全体をマトリクス状に並んだ複数のグリッド(例えば80個のグリッド)に分割し、各グリッド内で高分解能放射計24の測定値から推測された海面水温がヒストグラム化され、その最頻値がそのグリッドの水温として算出され、メモリに記憶される。図8(A)は複数グリッドに分割された領域内の海面水温測定データを数値に応じた階調で表しており、図8(B)はグリッド水温を数値に応じた階調で表している。
海色センサ25によって測定された植物プランクトン濃度についても同様にヒストグラム化され、その最頻値がそのグリッドの植物プランクトン濃度として算出され、メモリに記憶される。図9(A)は複数グリッドに分割された領域内の植物プランクトン濃度測定データを数値に応じた階調で表しており、図9(B)はグリッド濃度を数値に応じた階調で表している。
次いで、このように算出されたグリッド水温が所定温度範囲内にあるか否かが判別される(ステップS101)。具体的には、グリッド水温が例えば14.6〜15.4℃の範囲内にあるか否かが判別される。
グリッド水温が所定温度範囲内にあると判別された場合(YESの場合)は、そのグリッドが好適水温域であると判断される(ステップS102)。グリッド水温が所定温度範囲内にないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS100及びS106へ戻り、上述の処理が繰り返される。図8(C)はグリッド水温が所定温度範囲内にある好適水温域のグリッドを表している。
ステップS102の処理に続いて、隣接するグリッド間の水温差分値が算出される(ステップS103)。次いで、算出された水温差分値が所定温度範囲にあるか否かが判別される(ステップS104)。具体的には、水温差分値が例えば0.8〜2.0℃の範囲内にあるか否かが判別される。
水温差分値が所定温度範囲内にあると判別された場合(YESの場合)は、そのグリッド周辺が好適水温勾配域であると判断され(ステップS105)、ステップS109へ進む。水温差分値が所定温度範囲内にないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS100及びS106へ戻り、上述の処理が繰り返される。図8(C)は水温差分値が所定温度範囲内にある好適水温勾配域のグリッドをも表している。
一方、前述したようにステップS106において算出されたそのグリッドの植物プランクトン濃度であるグリッド濃度が所定範囲内にあるか否かが判別される(ステップS107)。具体的には、グリッド濃度が例えば0.23〜3.96mg・mの範囲内にあるか否かが判別される。
グリッド濃度が所定範囲内にあると判別された場合(YESの場合)は、そのグリッドが好適濃度域であると判断される(ステップS108)。グリッド濃度が所定範囲内にないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS100及びS106へ戻り、上述の処理が繰り返される。図9(C)はグリッド濃度が所定範囲内にある好適濃度域のグリッドを表している。
ステップS105又はステップS108の処理に続いて、全グリッドについて好適水温域、好適水温勾配域及び好適濃度域の探索が行われたか否かが判別される(ステップS109)。全グリッドについて探索が行われていないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS100及びS106へ戻り、上述の処理が繰り返される。
全グリッドについて探索が行われたと判別された場合(YESの場合)は、好適なグリッド水温、好適なグリッド間水温勾配及び好適なグリッド濃度の重複するグリッドを検索する(ステップS110)。具体的には、図10(A)に示す好適水温域のグリッドと、図10(B)に示す好適水温勾配域のグリッドと、図10(C)に示す好適濃度域のグリッドとを、図10(D)に示すように重ね合わせ、図10(E)に示すように重複する率の高さに応じた階調で表示して重複率の高いグリッドを検索する。
次いで、重複率の高いグリッドがあるか否かを判別する(ステップS111)。具体的には、好適なグリッド水温、好適なグリッド間水温勾配及び好適なグリッド濃度の重複するグリッドの全てが重複するグリッドがあるか否かを判別する。
重複率の高いグリッドがあると判別された場合(YESの場合)は、魚群高確率遭遇エリア発見と判断する(ステップS112)。一方、重複率の高いグリッドがないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS100及びS106へ戻り、上述の処理が繰り返される。
以上の魚群高確率遭遇エリア探索処理が終了した後、図4aのステップS18の処理へ進む。このステップS18では、魚群高確率遭遇エリアを発見したか否かが判別され、エリア発見と判別された場合(YESの場合)は、図4cのステップS29へ進み、魚群の探索及び誘導処理を行う。この探索及び誘導処理については、後述する。
エリア発見なしと判別された場合(NOの場合)は、ドローン20の現在位置がトランセクト開始地点71(図7)であるか否かが判別される(ステップS19)。トランセクト開始地点でないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS16へ戻り、上述した処理を繰り返す。トランセクト開始地点であると判別された場合(YESの場合)は、トランセクト航路70(図7)に沿った飛行が開始される(ステップ20)。
次いで、ステップS17と同様の前述した魚群高確率遭遇エリア探索処理を行う(図4bのステップS21)。魚群高確率遭遇エリア探索処理が終了した後、魚群高確率遭遇エリアを発見したか否かが判別される(ステップS22)。エリア発見と判別された場合(YESの場合)は、図4cのステップS29へ進み、魚群の探索及び誘導処理を行う。この探索及び誘導処理については、後述する。
エリア発見なしと判別された場合(NOの場合)は、強制的な帰巣指示が出ているか否かが判別される(ステップS23)。帰巣指示が出ていると判別された場合(YESの場合)は、ドローン20の帰巣が開始され(ステップS27)、漁船10に着陸して(ステップS28)、この漁業支援システムの処理が終了する。ステップS23において、帰巣指示が出ていないと判別された場合(NOの場合)は、ドローン20に搭載されているバッテリの充電量が閾値以下に低下しているか否かが判別される(ステップS24)。
ステップS24において、バッテリ充電量低下と判別された場合(YESの場合)は、漁船側制御装置11のディスプレイ部11bに「バッテリ充電量低下」とする警告を表示させると共に、ドローン20の帰巣が開始され(ステップS27)、漁船10に着陸して(ステップS28)、この漁業支援システムの処理が終了する。実際には、そのときのバッテリ充電量を検出し、フル充電時の20%以下となった場合に帰巣となる。また、バッテリ充電量がフル充電時の50%以下となった場合に、その旨を漁船10に通知するように構成しても良い。
ステップS24において、バッテリ充電量低下なしと判別された場合(NOの場合)は、ドローン20の現在位置がトランセクト終了点72(図7)であるか否かが判別される(ステップS25)。トランセクト終了地点でないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS21へ戻り、上述した処理を繰り返す。トランセクト終了地点であると判別された場合(YESの場合)は、トランセクト飛行を終了し(ステップS26)、ドローン20の帰巣が開始され(ステップS27)、漁船10に着陸して(ステップS28)、この漁業支援システムの処理が終了する。
図4aのステップS17又は図4bのステップS21において、魚群高確率遭遇エリアを発見したと判別された場合(YESの場合)、さらに、図4aのステップS14において魚群の位置が分かっていると判別され、ステップS15においてその判明している魚群の位置又はその近傍(具体的には例えば1m以内)へ飛行した場合、図4cの処理へ進む。まず、発見した魚群高確率遭遇エリアにおいてドローン20が空中に静止(ホバリング)した状態で、光照射装置26から海面に光照射が開始され(ステップS29)、次いで、海面の連続撮影(動画撮影)が開始される(ステップS30)。この撮影には、高性能偏光フィルタ付きの可視光デジタルカメラ23が使用される。
次いで、撮影して得られた動画データから魚群の判別処理が行われる(ステップS31)。このステップS31の魚群判別処理が図6に示されている。
この魚群判別処理では、まず、撮影した動画データの1フレームの1つのピクセル(画素)について、サンマ、サバ又はカタクチイワシ等の体表面の反射光が有しているとされている波長530nmの光が含まれているか否かが判別される(ステップS200)。含まれていないと判別された場合(NOの場合)は、後述するステップS204へ進む。波長530nmの光が含まれていると判別された場合(YESの場合)は、隣接するフレームの互いに対応するピクセル間で光の色度や明度に変化があったか否かを判別する(ステップS201)。即ち、背景差分法を用いた二値化処理を行い、背景であるのか否かの認識を行う。より詳しくは、連続撮影されたn枚目のフレームとn+1枚目のフレームとの色度(RGB比)を対応する1ピクセル毎に比較して変化があったかどうか判別する。
ステップS201において、変化があったと判別された場合(YESの場合)は、そのピクセルの値を背景ではなく移動物体等であることを表す「1」とし(ステップS202)、変化がなかったと判別された場合(NOの場合)は、そのピクセルの値を背景であることを表す「0」とする(ステップS203)。
次いで、フレームの全てのピクセルについて上述の比較を行ったか否かが判別される(ステップS204)。全ピクセルの比較がなされていないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS200へ戻り、以後の処理を繰り返す。
ステップS204において全ピクセルの比較がなされたと判別された場合(YESの場合)は、背景ではなく移動物体等である「1」のピクセルの総数が320万個以上であるか否かが判別される(ステップS205)。このステップS205はノイズ除去のために設けられている。
「1」ピクセルの総数が320万個以上ではないと判別された場合(NOの場合)は、移動物体発見ではないと推測されるため、魚群発見なしと判断し(ステップS206)、この魚群及び魚種の判別のステップS31の処理を終了して次の図4cのステップS32へ進む。一方、「1」ピクセルの総数が320万個以上であると判別された場合(YESの場合)は、「1」ピクセルのクラスタが移動物体を構成していると判断し、そのクラスタが楕円近似クラスタであるか否かが判別される(ステップS207)。
楕円近似クラスタではないと判別された場合(NOの場合)は、その移動物体が魚ではないと推測されるため、魚群発見なしと判断し(ステップS206)、図4cのステップS32へ進む。一方、楕円近似クラスタであると判別された場合(YESの場合)は、そのクラスタの楕円の実際の長径が17cm以上であるか否かが判別される(ステップS208)。
実際の長径が17cm以上ではないと判別された場合(NOの場合)は、その移動物体が魚ではないと推測されるため、魚群発見なしと判断し(ステップS206)、図4cのステップS32へ進む。一方、17cm以上であると判別された場合(YESの場合)は、そのクラスタは魚であると判断できるが、そのクラスタの周囲のクラスタが魚群を構成しているかどうかの判断が必要となる。
このため、互いに隣接するクラスタとの距離が、そのクラスタの楕円の長径未満であるか否かがまず判別される(ステップS209)。クラスタ間距離がクラスタの長径未満ではない、以上であると判別された場合(NOの場合)は、そのクラスタ群が魚群ではないと推測されるため、魚群発見なしと判断し(ステップS206)、図4cのステップS32へ進む。一方、クラスタ間距離がそのクラスタの長径未満であると判別された場合(YESの場合)は、3つ以上のクラスタが互いに隣接しているか否かが判別される(ステップS210)。3クラスタ以上が互いに隣接していないと判別された場合(NOの場合)は、そのクラスタ群が魚群ではないと推測されるため、魚群発見なしと判断し(ステップS206)、図4cのステップS32へ進む。一方、3クラスタ以上が互いに隣接していると判別された場合(YESの場合)は、それらクラスタ群が魚群であると判断される(ステップS211)。即ち、魚体であると判別されたクラスタの楕円長径未満の距離で互いに隣接し、かつ3つ以上のクラスタが互いに隣接しているクラスタ群を魚群と判断している。
次いで、このクラスタ群の外周が楕円近似され(ステップS212)、その魚群面積及び魚群密度の算出、並びに魚群の位置取得が行われ(ステップS213)、この魚群の判別のステップS31の処理を終了し、図4cのステップS32へ進む。
魚群(クラスタ群)面積は、近似された楕円の面積の公式から算出される。即ち、クラスタ群の楕円の長径をa、短径をbとすれば、魚群の面積Sは、S=πabで近似的に求めることができる。
魚群密度は、画面全体の面積に対する魚群の面積の比から算出する。魚群密度が60%以上の場合は高密度の魚群密度であると定義する。
図4cのステップS32においては、魚群発見なしか否かが判別される。魚群が発見されたと判別された場合(NOの場合)は、算出された魚群面積及び魚群密度、並びにGPS装置27によって取得された魚群の位置の情報が漁船10へ送信される(ステップS33)。
なお、算出した魚群密度及び魚群面積に応じて、光照射装置26から海面に照射される光の配光角度が調整される。即ち、算出した魚群密度及び魚群面積が高魚群密度(魚群密度が60%以上)及び狭魚群面積(カメラの画角内を占める魚群面積が60%未満)である場合は魚群に誘導効果の高い120度以上の配光角度を有する広角の光を照射する。一方、即ち、算出した魚群密度及び魚群面積が低魚群密度(魚群密度が60%未満)及び広魚群面積(カメラの画角内を占める魚群面積が60%以上)である場合は魚群に集魚効果の高い120度未満の配光角度を有する狭角の光を照射し、魚群が高密度となったら、魚群に誘導効果の高い120度以上の配光角度を有する広角の光を照射する。
次いで、魚群の誘導を行うか否かが判別され(ステップS34)、誘導を行わない場合(NOの場合)はステップS37へ進むが、誘導を行う場合(YESの場合)はステップS35へ進む。
図11は図4cに示す魚群の誘導処理(ステップS35)の流れを概略的に示している。
魚群の誘導処理は、まず、ドローン20の現在位置と、漁船10の現在位置とをGPS装置27及び13からの情報によって取得し、漁船10の方向へのドローン20の移動を開始する(ステップS300)。この移動は、光照射装置26から魚群に対して誘導効果の高い120度以上の配光角度を有する広角の青色光を照射した状態で行われ、ドローン20の飛行高度は初期高度値に維持される。
次いで、図4cのステップS31の処理で検出した魚群の重心点の座標を算出し、算出した魚群の重心点の座標位置と、GPS装置27を介して取得したドローン20の座標位置とを比較し、両者間の距離が所定範囲(例えば座標上で誤差1mmに相当する範囲)内であるか否かが判別される(ステップS301)。
所定範囲内であると判別された場合(YESの場合)はドローン20の移動を維持した状態で次のステップS303へ進むが、所定範囲内ではないと判別された場合(NOの場合)はドローン20の移動速度を所定値低下させた(ステップS302)後、次のステップS303へ進む。
ステップS303では、魚群全体を把握しているか否かが判別され、把握していると判別された場合(YESの場合)は次のステップS305へ進むが、把握していないと判別された場合(NOの場合)はドローン20の飛行高度を上昇させた(ステップS304)後、ステップS305へ進む。
ステップS305では、ドローン20が漁船10の近傍(例えば2m以内)まで到達したか否かが判別され、到達していないと判別された場合(NOの場合)はステップS301へ戻り、上述した処理を繰り返す。ドローン20が漁船10の近傍まで到達したと判別された場合(YESの場合)は、光照射装置26による光照射を終了し(ステップS306)、図4cのステップS35の誘導処理を終了する。
魚群の誘導処理が終了した後、次の魚群探索及び魚群誘導を行うか否かが判別され(ステップS36)、次の魚群探索及び魚群誘導を行うと判別された場合(YESの場合)、図4aのステップS14へ進んで以降の処理を実行する。次の魚群探索及び魚群誘導を行わないと判別された場合(NOの場合)、図4bのステップS28へ進み、ドローン20は漁船10に着陸して、この漁業支援システムの処理が終了する。次の魚群探索及び魚群誘導を行うと判別された場合(YES場合)、図4aのステップS14へ進んで以降の処理を繰り返して実行する。
図4cのステップS32において、魚群が発見されなかったと判別された場合(YESの場合)は、ステップS37へ進み、フレームアウトであるか否かが判別される。即ち、定点からの連続撮影しているフレームから魚群が外部へ出たか否かが判別される。このフレームアウトは、より詳細には、クラスタ群として楕円近似された魚群の中心点がカメラの画角であるフレームから外れた瞬間として定義される。フレームアウトしていないと判別された場合(NOの場合)は、ステップS30へ戻り、以降の処理が繰り返される。
フレームアウトしたと判別された場合(YESの場合)は、定点における撮影が終了となり、ドローン20の移動が再開される。その際、まず、トランセクト飛行が再開可能であるか否かが判別され(ステップS38)、トランセクト飛行が再開可能ではないと判別された場合(NOの場合)は、ドローン20の帰巣が開始され(図4bのステップS27)、漁船10に着陸して(ステップS28)、この漁業支援システムの処理が終了する。
ステップS38において、トランセクト飛行が再開可能であると判別された場合(YESの場合)は、現在のドローン20の位置がトランセクト範囲外であるか否かが判別される(ステップS39)。ドローン20の位置がトランセクト航路70の範囲外であると判別された場合(YESの場合)は、図4aのステップS19へ進んで上述した処理が繰り返され、トランセクト航路70の範囲内であると判別された場合(NOの場合)は、図4bのステップS21へ進んで上述した処理が繰り返される。
次に本実施形態の漁業支援システムの操作について説明する。操作者が、本システムの起動、集魚及び魚群の誘導のみを行うのか魚群の探索を行った後に集魚及び魚群の誘導を行うのかの指示、前者の場合にその魚群の位置情報の設定及びドローン20の航行高度の初期設定、後者の場合にドローン20のライントランセクト法による航路の設定及びドローン20の航行高度の初期設定、及びドローン20の離陸指示を行うと、ドローン20は自動的に漁船10から離陸し、集魚及び魚群の誘導のみを行う場合は指示された魚群位置へ自動的に進み、魚群に光を照射して漁船10近傍まで誘導する。魚群探索から行う場合は、指示されたトランセクト開始点ヘ自動的に進み、トランセクト航路を飛行して魚群を検出し、検出した魚群に光を照射して漁船10近傍まで誘導する。ドローンから得られた情報は、漁船側制御装置11のディスプレイ部11b上に表示される。
なお、ドローン20は、トランセクト航路の終点まで飛行して探索が終了すると漁船10へ自動的に帰巣する。ただし、漁船側から強制的な帰巣指示が出された場合、漁船10との距離が開きすぎた場合、及びバッテリの充電量が所定値より低下した場合に帰巣する。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、ドローン20に搭載した可視光デジタルカメラ23により海水面を動画撮影して動画画像データを取得し、その取得した動画画像データから魚群を検出し、検出した魚群に対して光を照射した状態でドローン20を移動させることにより、魚群を漁船10の方向へ誘導するように構成されているため、ドローン20の到達できる範囲の遠隔の魚群を自動的に集魚及び誘導して漁船10まで自動的に誘導することができる。また、そのために熟練した操作員も不要である。さらに、少ない消費電力で集魚及び魚群の誘導を行うことができるので、消費電力量に対する集魚及び誘導効果がきわめて高い。このように、本実施形態では、高機動性の小型のドローン20を用いて漁業支援システムを構築しているため、漁業の省力化及び効率化が図ることができる。
次に、本発明の漁業支援システムの他の実施形態について説明する。本実施形態は、ドローンが集魚及び魚群の誘導処理を行わない際に自船の集魚灯の光量をモニタするものである。本実施形態における漁業支援システムの全体構成、並びに漁船側及びドローン側の電気的構成は図1及び図2に示した構成と同様である。
また、漁船10に搭載された漁船側制御装置11の動作は、図3のステップS1において、初期設定の内容に、光量モニタにおける最大円周半径を設定することを含める点を除いて、図3の制御動作の場合と全く同様である。
次に、図12を用いてドローン20に搭載されたドローン側制御装置21の動作を説明する。
システムが起動されると、漁船10から送信された初期設定の内容が受信され(図12のステップS41)、デジタルコンピュータ21a内のメモリに記憶される。
次いで、漁船10側から離陸指示があったか否かが判別される(ステップS42)。離陸指示有りと判別された場合(YESの場合)のみ、離陸動作を行う(ステップS43)。
次いで、光量のモニタ処理を行うか否かが判別される(ステップS44)。光量のモニタ処理ではないと判別された場合(NOの場合)、図4aのステップS14へ進み、以降は前述した実施形態の場合と同様の処理を行って集魚及び魚群誘導処理を行う。
光量のモニタ処理であると判別された場合(YESの場合)、漁船10を中心にした半径10mの円周に沿ってドローン20を周回飛行させ、自船の集魚灯の光量を光量計28で順次測定し(ステップS45)、測定した光量を表すデータをそのときのドローン20の円周の位置情報と共に漁船10の漁船側制御装置11へ送信する(ステップS46)。
次いで、周回する円周の半径を10m増大させ(ステップS47)、最大半径の円周まで周回して光量測定をしたか否かが判別される(ステップS48)。この場合の最大半径は集魚灯の最大照射距離に相当する例えば900mに設定される。この最大半径の円周まで周回して光量測定をしていないと判別された場合(NOの場合)、ステップS45へ戻って以降の処理が実行される。最大半径の円周まで周回して光量測定をしたと判別された場合(YESの場合)、図4bのステップS28へ進み、ドローン20が漁船10に着陸して、この漁業支援システムの処理が終了する。
以上の光量モニタ処理により、漁船10を中心として半径10mから半径900mまでの10mおきの半径の円周上における集魚灯光量が検出され、検出された光量データがその円周の位置と共に漁船10の漁船側制御装置11へ送信される。漁船側制御装置11では、受信した円周ごとの光量データを補間処理し、ディスプレイ部11bに光量分布を表示する。これにより、自船の周囲における集魚に効果的な光量分布を知ることができる。
本実施形態のその他の構成、動作及び作用効果は、図1〜図11の実施形態の場合と全く同様である。
なお、上述した実施形態では、漁船10及びドローン20間の距離が所定値を超えたと判別した際にドローン20の強制的な帰巣を行うように構成されているが、漁船10がモニタするドローン20からの無線信号強度が所定値未満、例えば−50dBm未満と判別した際にドローン20の強制的な帰巣を行うように構成しても良い。
また、上述した実施形態において、漁船10はサンマ漁を行う漁船であるとしたが、サンマ以外の魚、例えばカツオ、サバ、イワシ、その他の浮魚の漁を行う漁船であっても良い。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 漁船
11 漁船側制御装置
11a、21a デジタルコンピュータ
11b ディスプレイ部
11c 操作部
12 漁船側無線送受信装置
12a、22a 無線部
12b、22b アンテナ
13、27 GPS装置
20 ドローン
21 ドローン側制御装置
22 ドローン側無線送受信装置
23 可視光デジタルカメラ
24 高分解能放射計
25 海色センサ
26 光照射装置
28 光量計
70 トランセクト航路
71 トランセクト開始点
72 トランセクト終了点

Claims (7)

  1. 漁船に搭載された漁船側制御装置と、前記漁船に搭載された漁船側無線送受信装置と、前記漁船に搭載されており該漁船の位置を把握して前記漁船側制御装置に入力する漁船位置把握装置と、無人航空機に搭載された航空機側制御装置と、前記無人航空機に搭載されており前記漁船側無線送受信装置との間で前記漁船の位置データを含むデータの送受を行う航空機側無線送受信装置と、前記無人航空機に搭載されており該無人航空機の位置を把握して前記航空機側制御装置に入力する航空機位置把握装置と、前記無人航空機に搭載されており光を照射する光照射装置と、前記無人航空機に搭載されており水面を撮影し得られた画像データを前記航空機側制御装置に入力する撮像装置とを備えており、前記航空機側制御装置は、前記撮像装置から得た画像データから魚群を検出し、該検出した魚群に対して前記光照射装置から光を照射した状態で前記無人航空機を移動させることにより、該魚群を前記漁船の方向へ誘導するように構成されていることを特徴とする無人航空機を用いた漁業支援システム。
  2. 前記航空機側制御装置は、魚群の重心点の位置と前記無人航空機の位置との距離が所定範囲内に収まるように前記無人航空機の移動速度を設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無人航空機を用いた漁業支援システム。
  3. 前記航空機側制御装置は、前記魚群の密度及び面積を検出し、該検出した密度及び面積が高魚群密度及び狭魚群面積である場合は該魚群に誘導効果の高い光を照射して前記漁船の方向に誘導し、該検出した密度及び面積が低魚群密度及び広魚群面積である場合は該魚群に集魚効果の高い光を照射して該魚群を高密度となるように集めた後、該魚群に誘導効果の高い光を照射して前記漁船の方向に誘導するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無人航空機を用いた漁業支援システム。
  4. 前記誘導効果の高い光が120度以上の配光角度を有する広角の光であることを特徴とする請求項3に記載の無人航空機を用いた漁業支援システム。
  5. 前記集魚効果の高い光が120度未満の配光角度を有する狭角の光であることを特徴とする請求項3に記載の無人航空機を用いた漁業支援システム。
  6. 前記光照射装置がLED光源装置を含んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の無人航空機を用いた漁業支援システム。
  7. 集魚及び魚群の誘導作業を実施していない場合に、前記航空機側制御装置は、前記無人航空機を前記漁船の周囲を周回するように飛行させ、該漁船の集魚灯の光量を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の無人航空機を用いた漁業支援システム。
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