JP6600286B2 - 導電性材料及び基板 - Google Patents
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Description
しかし、このような従来の導電性ポリマーは、合成直後では分散液中で粒子が凝集しており、塗布材料として高導電化剤となる有機溶剤を加えると、さらに凝集が促進され、濾過性が悪化する。一方、濾過をせずにスピンコートを行うと、粒子凝集体の影響により平坦な膜が得られず、結果として塗布不良が引き起こされるという問題がある。
(A)π共役系ポリマー、
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含み、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲のものであるドーパントポリマー、及び
(C)銀のカルボン酸塩、βジケトン塩、βケトエステル塩、炭酸塩から選ばれる1種以上の塩、
を含む導電性材料を提供する。
このように、本発明の導電性材料は、基板等に塗布・成膜することで導電膜とすることができる。
また、このような導電性材料によって形成された導電膜は、導電性、透明性、平坦性、フレキシブル性等に優れるため、透明電極層、特にはフレキシブル透明電極として機能するものとすることができる。
(A)π共役系ポリマー、
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含み、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲のものであるドーパントポリマー、及び
(C)銀のカルボン酸塩、βジケトン塩、βケトエステル塩、炭酸塩から選ばれる1種以上の塩、
を含む導電性材料である。
本発明の導電性材料は、(A)成分としてπ共役系ポリマーを含む。この(A)成分は、π共役系連鎖(単結合と二重結合が交互に連続した構造)を形成する前駆体モノマー(有機モノマー分子)が重合したものであればよい。
このような前駆体モノマーとしては、例えば、ピロール類、チオフェン類、チオフェンビニレン類、セレノフェン類、テルロフェン類、フェニレン類、フェニレンビニレン類、アニリン類等の単環式芳香族類;アセン類等の多環式芳香族類;アセチレン類等が挙げられ、これらのモノマーの単一重合体又は共重合体を(A)成分として用いることができる。
上記モノマーの中でも、重合の容易さ、空気中での安定性の点から、ピロール、チオフェン、セレノフェン、テルロフェン、アニリン、多環式芳香族化合物、及びこれらの誘導体が好ましく、ピロール、チオフェン、アニリン、及びこれらの誘導体が特に好ましく、特にはチオフェン類が最も導電性と可視光での透明性が高く好ましいが、これらに限定されない。
また、(A)成分の分子量としては、130〜5,000程度が好ましい。
本発明の導電性材料は、(B)成分としてドーパントポリマーを含む。この(B)成分のドーパントポリマーは、下記一般式(1)で示される繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含むものである。即ち、(B)成分のドーパントポリマーは、フッ素化されたスルホン酸を含む超強酸性ポリマーである。
また、繰り返し単位bを含む場合、導電性向上の観点から、0.3≦b<1.0であることが好ましく、0.3≦b≦0.8であることがより好ましい。
さらに、繰り返し単位a1+a2+a3+a4と繰り返し単位bの割合は、0.2≦a1+a2+a3+a4≦0.7かつ0.3≦b≦0.8であることが好ましく、0.3≦a1+a2+a3+a4≦0.6かつ0.4≦b≦0.7であることがより好ましい。
また、繰り返し単位a1〜a4を与えるモノマーを2種類以上用いる場合は、それぞれのモノマーはランダムに共重合されていてもよいし、ブロックで共重合されていてもよい。ブロック共重合ポリマー(ブロックコポリマー)とした場合は、2種類以上の繰り返し単位a1〜a4からなる繰り返し部分同士が凝集して海島構造を形成することによって、ドーパントポリマー周辺に特異な構造が発生し、導電率が向上するメリットが期待される。
なお、(B)成分のドーパントポリマーにおいては、分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜2.0であることが好ましく、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。狭分散であれば、これを用いた導電性材料によって形成した導電膜の透過率が低くなるのを防ぐことができる。
なお、a1+a2+a3+a4+b+c=1であることが好ましい。
本発明の導電性材料は、(C)成分として銀のカルボン酸塩、βジケトン塩、βケトエステル塩、炭酸塩から選ばれる1種以上の塩(以下、銀の塩とも言う)を含む。特に、(C)成分としては、下記式(3−1)〜(3−3)で示されるもののうちいずれか1種以上であることが好ましい。
(界面活性剤)
本発明では、基板等の被加工体への濡れ性を上げるため、界面活性剤を添加してもよい。このような界面活性剤としては、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤が挙げられる。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル等のノニオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等のカチオン系界面活性剤、アルキル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型等の両性イオン型界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ヒドロキシ基がポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシド化されたアセチレンアルコール系界面活性剤等を挙げることができる。
本発明では、導電性材料の導電率向上を目的として、主溶剤とは別に高導電化剤としての有機溶剤を添加してもよい。このような添加溶剤としては、極性溶剤が挙げられ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、スルホラン、エチレンカーボネート及びこれらの混合物を挙げることができる。添加量は1.0〜30.0質量%であることが好ましく、特に3.0〜10.0質量%であることが好ましい。
本発明では、導電性材料の水溶液中のpHは酸性を示す。これを中和する目的で、特開2006−96975号公報中の段落[0033]〜[0045]に記載の窒素含有芳香族性環式化合物、特許第5264723号記載の段落[0127]に記載の陽イオンを添加してpHを中性にコントロールすることもできる。溶液のpHを中性近くにすることによって、印刷機に適用した場合に錆の発生を防止することができる。
本発明の導電性材料は、上述の(A)成分であるπ共役系ポリマー、(B)成分であるドーパントポリマー、及び(C)成分である銀の塩を含むものであり、(B)成分のドーパントポリマーは、(A)成分のπ共役系ポリマーに配位することで、複合体を形成する。
本発明の導電性材料(溶液)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上述の(A)成分であるπ共役系ポリマーと(B)成分であるドーパントポリマーを含む導電性ポリマー複合体(溶液)に、(C)成分である銀の塩を添加することにより、製造することができる。
細粒化には、高い剪断力を付与できる混合分散機を用いることが好ましい。混合分散機としては、例えば、ホモジナイザ、高圧ホモジナイザ、ビーズミル等が挙げられ、中でも高圧ホモジナイザが好ましい。
高圧ホモジナイザを用いた分散処理としては、例えば、分散処理を施す前の複合体溶液を高圧で対向衝突させる処理、オリフィスやスリットに高圧で通す処理等が挙げられる。
上述のようにして得られた導電性材料(溶液)は、基板等の被加工体に塗布することにより導電膜を形成できる。導電性材料(溶液)の塗布方法としては、例えば、スピンコーター等による塗布、バーコーター、浸漬、コンマコート、スプレーコート、ロールコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。塗布後、熱風循環炉、ホットプレート等による加熱処理、IR、UV照射等を行って導電膜を形成することができる。
また、本発明では、上述の本発明の導電性材料によって導電膜が形成された基板を提供する。
基板としては、ガラス基板、石英基板、フォトマスクブランク基板、樹脂基板、シリコンウエハー、ガリウム砒素ウエハー、インジウムリンウエハー等の化合物半導体ウエハー、フレキシブル基板等が挙げられる。また、フォトレジスト膜上に塗布して帯電防止トップコートとして使用することも可能である。
また、このような導電性材料によって形成された導電膜は、導電性、透明性等に優れるため、透明電極層として機能するものとすることができる。
(合成例1〜9)
窒素雰囲気下、64℃で撹拌したメタノールに、各モノマーと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを混合した溶液を8時間撹拌し、室温まで冷却した後、酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下した。生じた固形物を濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して得られた白色重合体を純水に溶解し、イオン交換樹脂を用いてモノマーのカチオンを水素原子に交換してスルホ基に変換した。
このような方法で下記に示すドーパントポリマー1〜9を合成した。
(調製例1)
3.82gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、12.5gのドーパントポリマー1を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、孔径0.45μmの再生セルロースフィルター(ADVANTEC社製)を用いて濾過して、1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液1を得た。
限外濾過膜の分画分子量:30K
クロスフロー式
供給液流量:3,000mL/分
膜分圧:0.12Pa
なお、他の調製例でも同様の条件で限外濾過を行った。
12.5gのドーパントポリマー1を10.0gのドーパントポリマー2に変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、過硫酸ナトリウムの配合量を5.31g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液2を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を12.0gのドーパントポリマー3に変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.72g、過硫酸ナトリウムの配合量を6.00g、硫酸第二鉄の配合量を1.60gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液3を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を11.8gのドーパントポリマー4に、8.40gの過硫酸ナトリウムを4.50gの過硫酸アンモニウムに変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.04g、硫酸第二鉄の配合量を1.23gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液4を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を11.0gのドーパントポリマー5に、8.40gの過硫酸ナトリウムを5.31gの過硫酸アンモニウムに変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液5を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を13.0gのドーパントポリマー6に、8.40gの過硫酸ナトリウムを5.31gの過硫酸アンモニウムに変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液6を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を12.8gのドーパントポリマー7に、8.40gの過硫酸ナトリウムを5.31gの過硫酸アンモニウムに変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液7を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を11.0gのドーパントポリマー8に、8.40gの過硫酸ナトリウムを5.31gの過硫酸アンモニウムに変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液8を得た。
3.87gの3,4−ジメトキシチオフェンと、10.0gのドーパントポリマー2を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、孔径0.45μmの再生セルロースフィルター(ADVANTEC社製)を用いて濾過して1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液9を得た。
12.5gのドーパントポリマー1を9.0gのドーパントポリマー9に変更し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの配合量を2.41g、過硫酸ナトリウムの配合量を5.31g、硫酸第二鉄の配合量を1.50gに変更する以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、導電性ポリマー複合体分散液10を得た。
4.62gの(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノールと、10.0gのドーパントポリマー2を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、孔径0.45μmの再生セルロースフィルター(ADVANTEC社製)を用いて濾過して1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液11を得た。
4.16gの3,4−プロピレンジオキシチオフェンと、10.0gのドーパントポリマー2を1,000mLの超純水に溶かした溶液とを30℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を30℃に保ち、撹拌しながら、100mLの超純水に溶かした8.40gの過硫酸ナトリウムと2.3gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、4時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に1,000mLの超純水を添加し、限外濾過法を用いて約1,000mLの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記濾過処理が行われた処理液に200mLの10質量%に希釈した硫酸と2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去し、これに2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mLのイオン交換水を加え、限外濾過法を用いて約2,000mLの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、孔径0.45μmの再生セルロースフィルター(ADVANTEC社製)を用いて濾過して1.3質量%の青色の導電性ポリマー複合体分散液12を得た。
5.0gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、83.3gのポリスチレンスルホン酸水溶液(Aldrich製18.0質量%)を250mLのイオン交換水で希釈した溶液とを30℃で混合した。それ以外は調製例1と同様の方法で調製を行い、1.3質量%の青色の比較導電性ポリマー複合体分散液1(PEDOT−PSS分散液)を得た。この比較導電性ポリマー複合体分散液1はドーパントポリマーとしてポリスチレンスルホン酸のみを含むものである。
(実施例1〜17)
調製例1〜12で得た1.3質量%の導電性ポリマー複合体分散液1〜12、有機溶剤、デュポン社製の界面活性剤FS−31、銀塩を、それぞれ表1に記載の組成の通りに混合して導電性材料を調製し、それぞれ実施例1〜17とした。なお、表1中、DMSOはジメチルスルホキシドを示す。
比較調製例1で得た1.3質量%の比較導電性ポリマー複合体分散液1、水、有機溶剤、デュポン社製の界面活性剤FS−31を、表1に記載の組成の通りに混合して導電性材料を調製し、比較例1とした。
調製例1で得た1.3質量%の導電性ポリマー複合体分散液1、水、有機溶剤、デュポン社製の界面活性剤FS−31を、銀塩を入れることなく、表1に記載の組成の通りに混合して導電性材料を調製し、比較例2とした。
まず、直径4インチ(100mm)のSiO2ウエハー上に、導電性材料1.0mLを滴下後、10秒後にスピンナーを用いて全体に回転塗布した。実施例1〜17、比較例1、2における回転塗布条件は、膜厚が100±5nmとなるよう調節した。塗布後、精密恒温器にて120℃、5分間ベークを行い、溶媒を除去することにより導電膜を得た。得られた導電膜を目視で観察し、平坦な膜が得られているかを調べた。その結果を表1に示す。
得られた導電膜の導電率(S/cm)は、Hiresta−UP MCP−HT450、Loresta−GP MCP−T610(いずれも三菱化学社製)を用いて測定した表面抵抗率(Ω/□)と膜厚の実測値から求めた。その結果を表1に示す。
上記のようにして得られた導電膜において、入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)によって測定された屈折率(k)より、FT=100nmにおける波長550nmの光線に対する透過率を算出した。その結果を表1に示す。
実施例及び比較例の導電性材料を用いて得られた導電膜のフレキシブル性を、以下のように評価した。
厚さ50μm、5cm角のフレキシブルガラス上に上記導電性材料をスピンコートし、120℃で5分間ベークを行ない、膜厚100nmの導電性膜を作製した。フレキシブルガラス基板を曲率(R)120度で10回曲げ、膜にクラックが生じているかどうかを目視で観察した。その結果を表1に示す。
Claims (8)
- (A)π共役系ポリマー、
(B)下記一般式(1)で示される繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含み、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲のものであるドーパントポリマー、及び
(C)銀のカルボン酸塩、βジケトン塩、βケトエステル塩から選ばれる1種以上の塩、
を含むものであることを特徴とする導電性材料。
- 前記(B)成分は、ブロックコポリマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性材料。
- 前記(A)成分は、ピロール、チオフェン、セレノフェン、テルロフェン、アニリン、多環式芳香族化合物、及びこれらの誘導体からなる群から選択される1種以上の前駆体モノマーが重合したものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の導電性材料。
- 前記(C)成分は、下記式(3−1)〜(3−3)で示されるもののうちいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電性材料。
- 前記導電性材料は、水又は有機溶剤に分散性をもつものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の導電性材料。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の導電性材料によって導電膜が形成されたものであることを特徴とする基板。
- 前記導電膜は、透明電極層として機能するものであることを特徴とする請求項7に記載の基板。
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