JP6599515B2 - 収斂用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、収斂用組成物に関する。より詳細には、本発明は、収斂剤の収斂作用を増強して発揮できる収斂用組成物に関する。
収斂剤には、皮膚や粘膜のタンパク質を一時的に変性、凝集させたり、浸透圧による脱水作用を発揮させたりすることにより、組織を引き締めて外界からの物理的又は化学的刺激に対する保護機能を高める作用があり、抗炎症、止血、制汗等の目的で口腔用組成物や皮膚外用組成物に配合されている。従来、収斂作用を有する成分について精力的に検討されており、収斂剤として利用可能な成分が種々報告されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
一方、近年、消費者が訴求する薬理効果が多様化しており、より強い収斂作用を好む人がいる反面、緩やかな収斂作用を好む人もおり、収斂剤によって発揮される収斂作用に対する要望も多様化している。このような多様化する要望に追従するためにも、収斂剤の収斂作用を増強させる製剤技術の開発が求められている。
通常、収斂剤によって発揮される収斂作用を増強させるには、収斂剤の配合量を増加させることによって実現し得るが、収斂剤の配合量の増加は、白濁や沈殿等を生じさせ製剤性状を不安定化させたり、また収斂剤自体が有する苦み、渋み、塩味等によって使用感が損なわれたりすることがある。特に、口腔用組成物の場合には、収斂剤の配合量の増加によってもたらされる呈味の低下は、使用感の著しい悪化を伴ってしまう。そのため、収斂剤の配合量を増加せずとも、収斂作用を増強して発揮可能な製剤技術の開発が望まれている。
しかしながら、従来、収斂剤の収斂作用の増強という観点からは、十分な検討がなされていないのが現状である。
特開2007−302620号公報 特開2006−104074号公報
本発明は、収斂剤を含有する収斂用組成物において、収斂剤の収斂作用を増強させる製剤技術を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、(A)アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、及びシラカバエキスよりなる群から選択される少なくとも1種の収斂剤と共に、(B)シャクヤクエキス、トウキエキス、及び/又はムクロジエキスを併用した収斂用組成物は、収斂剤の収斂作用が相乗的に増強して発揮されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、及びシラカバエキスよりなる群から選択される少なくとも1種の収斂剤、並びに(B)シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスよりなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、収斂用組成物。
項2. 前記(A)成分が、アラントイン誘導体、及びウラジロガシエキスよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1に記載の収斂用組成物。
項3. 前記(A)成分の総量1重量部当たり、前記(B)成分が総量で0.01〜140重量部含まれる、項1又は2に記載の収斂用組成物。
項4. 前記(A)成分の総量1重量部当たり、前記(B)成分が総量で2〜140重量部含まれる、項2に記載の収斂用組成物。
項5. 口腔用組成物である、項1〜4のいずれかに記載の収斂用組成物。
項6. シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスよりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、及びシラカバエキスよりなる群から選択される少なくとも1種の収斂剤に対する収斂作用増強剤。
項7. アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、及びシラカバエキスよりなる群から選択される少なくとも1種の収斂剤を含有する収斂用組成物に、シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスよりなる群から選択される少なくとも1種を配合する工程を含む、収斂作用の増強方法。
本発明の収斂用組成物によれば、特定の収斂剤によって発揮させる収斂作用を相乗的に増強できるので、口腔内や皮膚等の組織に対して優れた収斂効果を付与し、これらの組織の保護機能を格段に向上させることができる。また、本発明の収斂用組成物によれば、収斂剤の配合量を増大させずに収斂作用を増強できるので、収斂剤の配合量の増大によってもたらされる呈味低下を回避でき、口腔用組成物として使用しても、良好な使用感を得ることができる。
1.収斂用組成物
本発明の収斂用組成物は、アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、及びシラカバエキスよりなる群から選択される少なくとも1種の収斂剤(以下、単に(A)成分と表記することもある)、並びに、シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスよりなる群から選択される少なくとも1種(以下、単に(B)成分と表記することもある)を含有することを特徴とする。以下、本発明の収斂用組成物について詳述する。
(A)成分
本発明の収斂用組成物は、収斂作用を発揮する成分として、アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、及びシラカバエキスよりなる群から選択される少なくとも1種の収斂剤を含有する。
本発明において収斂剤として使用されるアラントイン誘導体としては、皮膚や粘膜のタンパク質を一時的に変性、凝集させる作用を発揮できることを限度として特に制限されないが、例えば、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム等が挙げられる。これらのアラントイン誘導体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において収斂剤として使用されるウラジロガシエキスは、日本薬局方外医薬品規格に記載されており、公知である。具体的には、ウラジロガシエキスは、ウラジロガシ(Quercus salicina Blume(Fagaceae))の乾燥した小枝付葉を粗切し、水を加えて浸出することにより得ることができる。
また、本発明において収斂剤として使用されるシラカバエキスは、医薬部外品原料規格に記載されており、公知である。具体的には、シラカバエキスは、ヨーロッパシラカバ(Betula alba linne(Betulaceae))の葉及び/又は樹液に対して抽出溶媒を用いて抽出処理することにより得ることができる。シラカバエキスの抽出処理に使用される抽出溶媒としては、例えば、水;エタノール、プロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;これらの混合液等の極性溶媒が挙げられる。これらの抽出溶媒の中でも、好ましくはエタノール、又は水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒である。
本発明の収斂用組成物において、(A)成分として、アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、及びシラカバエキスの中から1種を単独で使用してもよく、またこれらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの収斂剤の中でも、収斂作用をより効果的に増強させるという観点から、好ましくはアラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、更に好ましくはアラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ウラジロカシエキス、特に好ましくはアラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウムが挙げられる。
本発明の収斂用組成物における(A)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.01〜2重量%が挙げられる。良好な呈味を付与しつつ、収斂作用をより効果的に増強させるという観点から、(A)成分の種類毎の含有量としては、以下の範囲が挙げられる。
(A)成分がアラントイン誘導体の場合:好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.01〜0.3重量%。
(A)成分がシラカバエキスの場合:好ましくは0.01〜2重量%、より好ましくは0.2〜2重量%、更に好ましくは1〜2重量%。
(A)成分がウラジロガシエキスの場合:好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.01〜0.3重量%。
なお、本明細書において、ウラジロガシエキスの含有量については、試料約1.0gを精密に量り105℃で3時間乾燥した際に、その減量が3重量%(乾燥減量)である固形物の場合を基準とした値であり、ウラジロガシエキスの前記含有量については、使用するウラジロガシエキスの濃縮の程度等を踏まえた上で、実質的に含有される成分量が前記基準の場合と同様になるように適宜設定すればよい。
また、本明細書において、シラカバエキスの含有量については、試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で3時間乾燥し、デシケーター中等で放冷した際にその質量が0.08g(蒸発残留物)になる液状物の場合を基準とした値であり、シラカバエキスの前記含有量については、使用するシラカバエキスの濃縮の程度等を踏まえた上で、実質的に含有される成分量が前記基準の場合と同様になるように適宜設定すればよい。
(B)成分
本発明の収斂用組成物は、収斂剤の収斂作用を増強させる成分として、シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスよりなる群から選択される少なくとも1種を含有する。このような特定の(B)成分を収斂剤と併用することによって、前記(A)成分の収斂作用を相乗的に増強して発揮させることが可能になる。
本発明において(B)成分として使用されるシャクヤクエキスは、医薬部外品原料規格に記載されており、公知である。具体的には、シャクヤクエキスは、シャクヤク(Paeonia albiflora Pallas var.trichocarpa Bunge)又はその他近縁植物(Paeoniaceae)の根に対して抽出溶媒を用いて抽出処理することにより得ることができる。シャクヤクエキスの抽出処理に使用される抽出溶媒としては、例えば、水;エタノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;これらの混合液等の極性溶媒が挙げられ、好ましくは水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、又はこれらの混合溶媒である。
本発明において(B)成分として使用されるトウキエキスは、日本薬局方外医薬品規格、医薬部外品原料規格等に示されており、公知である。具体的には、トウキエキスは、トウキ(Angera acutiloba Kitagawa)又はその他近縁植物(Umbelliferae)の根を、必要に応じてn−ヘキサン及び/又はn−ブタノールの可溶部を除去した後に、抽出溶媒を用いて抽出処理することにより得ることができる。トウキエキスの抽出処理に使用される抽出溶媒としては、例えば、水;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール;これらの混合液等の極性溶媒が挙げられ、好ましくは水、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール又はこれらの混合溶媒である。
また、本発明において(B)成分として使用されるムクロジエキスは、日本薬局方外医薬品規格に示されており、公知である。具体的には、ムクロジエキスは、ムクロジ(Sapindus mukurossi Gaetner(Sapindaceae))の果皮に対して抽出溶媒を用いて抽出処理するこ
とにより得ることができる。ムクロジエキスの抽出処理に使用される抽出溶媒としては、水、エタノール、又はこれらの混合溶媒であり、粉末化することにより得られる。
本発明の収斂用組成物において、(B)成分として、シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスの中から1種を単独で使用してもよく、またこれらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの(B)成分の中でも、収斂剤の収斂作用をより一層効果的に増強させるという観点から、好ましくはシャクヤクエキス、トウキエキス、更に好ましくはシャクヤクエキスが挙げられる。
本発明の収斂用組成物における(B)成分の含有量については、使用する(A)成分の種類や含有量、使用する(B)成分の種類、増強させる収斂作用の程度等に応じて適宜設定されるが、例えば0.01〜2重量%、好ましくは0.04〜2重量%、より好ましくは0.04〜1重量%、更に好ましくは0.04〜0.6重量%が挙げられる。良好な呈味を付与しつつ、前記(A)成分の収斂作用をより効果的に増強させるという観点から、(B)成分の種類毎の含有量としては、以下の範囲が挙げられる。
(B)成分がシャクヤクエキスの場合:好ましくは0.04〜0.3重量%。
(B)成分がトウキエキスの場合:好ましくは0.04〜0.2重量%。
(B)成分がムクロジエキスの場合:好ましくは0.05〜0.2重量%。
なお、本明細書において、シャクヤクエキスの含有量については、試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で6時間乾燥し、デシケーター中等で放冷した際にその質量が0.32g(蒸発残留物)になる液状物の場合を基準とした値であり、シャクヤクエキスの前記含有量については、使用するシャクヤクエキスの濃縮の程度等を踏まえた上で、実質的に含有される成分量が前記基準の場合の含有量を充足するように適宜設定すればよい。
また、本明細書において、トウキエキスの含有量については、試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で6時間乾燥し、デシケーター中等で放冷した際にその質量が0.35g(蒸発残留物)になる液状物の場合を基準とした値であり、トウキエキスの前記含有量については、使用するトウキエキスの濃縮の程度等を踏まえた上で、実質的に含有される成分量が前記基準の場合と同様になるように適宜設定すればよい。
また、本明細書において、ムクロジエキスの含有量については、試料約1.0gを精密に量り、105℃で4時間乾燥した際に、その減量が2重量%(乾燥減量)である固形物の場合を基準とした値であり、ムクロジエキスの前記含有量については、使用するムクロジエキスの濃縮の程度等を踏まえた上で、実質的に含有される成分量が前記基準の場合と同様になるように適宜設定すればよい。
また、本発明の収斂用組成物において、(A)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の比率としては、使用する(A)成分と(B)成分の種類等に応じて適宜設定すればよいが、収斂剤の収斂作用を効果的に増強させるという観点から、(A)成分1重量部に対して、(B)成分が0.01〜140重量部が挙げられる。
特に、良好な呈味を付与しつつ、収斂剤の収斂作用をより一層効果的に増強させるという観点から、(A)成分の種類に応じた(A)成分と(B)成分の含有量の比率については以下の範囲が好適である。
(A)成分がアラントイン誘導体の場合:(A)成分の総量1重量部に対して、(B)成分が好ましくは2〜140重量部、より好ましくは2.5〜140重量部、更に好ましくは2.5〜70重量部、特に好ましくは2.5〜10重量部。
(A)成分がウラジロカシエキスの場合:(A)成分の総量1重量部に対して、(B)成分が好ましくは2〜140重量部、より好ましくは2〜30重量部、更に好ましくは2.5〜20重量部。
(A)成分がシラカバエキスの場合:(A)成分の総量1重量部に対して、(B)成分が好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.1〜70重量部。
製剤形態
本発明の収斂用組成物の形状については、特に制限されず、液状、固形状、半固形状(ゲル状、軟膏状、ペースト状)等のいずれであってもよい。
本発明の収斂用組成物は、口腔用組成物、皮膚外用組成物等として使用され、口腔粘膜や皮膚等の組織に適用して当該組織を収斂させる目的で使用される。特に、本発明の収斂用組成物は、収斂剤の配合量を増大させずに収斂作用を増強でき、収斂剤の配合量の増大によってもたらされる呈味低下を回避できている。このような本発明の効果に鑑みれば、本発明の収斂用組成物は、呈味が重視される製剤形態である口腔用組成物として好適に使用することができる。
本発明の収斂用組成物を口腔用組成物として使用する場合、本発明の収斂用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、口腔用組成物の製剤形態に応じて、当該技術分野で通常使用される添加成分を含有していてもよい。このような添加成分としては、例えば、研磨剤、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、消炎剤、グルコシルトランスフェラーゼ(GTase)阻害剤、プラーク抑制剤、知覚過敏抑制剤、歯石予防剤、粘着剤、粘稠剤、賦形剤、滑沢剤、香料、甘味剤、清涼化剤、色素、消臭剤、界面活性剤、pH調整剤、基剤、溶剤、安定化剤等が挙げられる。
本発明の収斂用組成物を口腔用組成物として使用する場合、当該口腔用組成物は、口腔内に適用されて口腔内で一定時間滞留し得るものである限り、可食性、非可食性の別を問わない。当該口腔用組成物は、例えば、口腔衛生剤、食品(機能性食品、健康保健用食品、病者用食品等を含む)、医薬品(医薬部外品を含む)、化粧品等のいずれの形態であってもよい。口腔用組成物の製剤形態として、具体的には、液体歯磨剤、練歯磨剤、潤製歯磨剤、粉歯磨剤、洗口剤(マウスウォッシュ)、マウスリンス、含嗽剤、口中清涼剤(マウススプレー等)、口腔用パスタ剤、歯肉マッサージクリーム、口腔咽候薬(トローチ等)等の口腔衛生剤;可食性フィルム、チューインガム、キャンディ、グミキャンディ、タブレット、顆粒、細粒、粉末、カプセル等の可食性口腔用剤等が挙げられる。これらの中でも、口腔衛生剤は、口腔粘膜に対して収斂作用を付与し易く、好適な製剤形態である。
また、本発明の収斂用組成物を皮膚外用組成物として使用する場合、本発明の収斂用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、皮膚外用組成物の製剤形態に応じて、当該技術分野で通常使用される添加成分を含有していてもよい。このような添加成分としては、例えば、無機顔料、紫外線吸収剤、美白剤、界面活性剤、細胞賦活剤、消炎剤、抗菌剤、保湿剤、清涼化剤、香料、着色剤、消臭剤、界面活性剤、粘着剤、粘稠剤、pH調整剤、基剤、溶剤、安定化剤等が挙げられる。
本発明の収斂用組成物を皮膚外用組成物として使用する場合、当該皮膚外用組成物は、皮膚に適用されるものである限り、化粧料、医薬品、皮膚洗浄料等のいずれの形態であってもよい。当該皮膚外用組成物の製剤形態として、具体的には、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ローション、パック、ゲル等の化粧料;液剤、貼付剤、エアゾール剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤等の皮膚外用医薬品;ボディーシャンプー、ヘアシャンプー、リンス等の皮膚洗浄料等が挙げられる。
製造方法
本発明の収斂用組成物は、前述する(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて配合される添加成分を配合して、その製剤形態に応じた所定の形状に調製することによって製造される。本発明の収斂用組成物には、その製剤形態に応じて、可食性の担体又は薬学的に許容される担体等を含むことができる。
2.収斂作用増強剤
前述するように、シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスよりなる群から選択される少なくとも1種には、前記(A)成分である収斂剤の収斂作用を増強させる作用がある。従って、本発明は、更に、シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスよりなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、アラントイン誘導体、ウラジロガシエキス、及びシラカバエキスよりなる群から選択される少なくとも1種である収斂剤に対する収斂作用増強剤を提供する。
本発明の収斂作用増強剤は、前記(A)成分である収斂剤を含む口腔内組成物や皮膚外用組成物等に添加して、当該収斂剤の収斂作用を増強させる目的で使用される。本発明の収斂作用増強剤において、有効成分として使用されるシャクヤクエキス、トウキエキス、及び/又はムクロジエキスの種類や使用量、収斂作用の増強対象となる収斂剤の種類や使用量、適用可能な口腔内組成物や皮膚外用組成物等については、前記「1.収斂用組成物」の欄に記載の通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の試験例及び製造例において、シラカバエキスは、製品名「シラカバ抽出液」(丸善製薬株式会社製)(試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で3時間乾燥し、デシケーター中等で放冷した際にその質量が0.08g(蒸発残留物)になる液状物)、ウラジロガシエキスは、(日本新薬株式会社製)(試料約1.0gを精密に量り105℃で3時間乾燥した際に、その減量が3重量%(乾燥減量)である固形物)、シャクヤクエキスは、製品名「シャクヤク抽出液BG・JC」(丸善製薬株式会社製)(試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で6時間乾燥し、デシケーター中等で放冷した際にその質量が0.32g(蒸発残留物)になる液状物)、トウキエキスは、製品名「トウキ抽出液BG−J」(丸善製薬株式会社製)(試料10mlを蒸発皿に精密に量り、水浴上で蒸発乾固し、さらに残留物を105℃で6時間乾燥し、デシケーター中等で放冷した際にその質量が0.35g(蒸発残留物)になる液状物)、ムクロジエキスは、製品名「ムクロジエキスパウダー」(丸善製薬株式会社製)(試料約1.0gを精密に量り、105℃で4時間乾燥した際に、その減量が2重量%(乾燥減量)である固形物)を使用した。
試験例1
表1〜5に示す組成の試験液を調製し、その収斂作用を評価するために、以下に示すアルブミン凝集性試験を行った。
<アルブミン凝集性試験>
先ず、アルブミン含有水溶液(アルブミン含有量0.3重量%、クエン酸1.5重量%、pH4.0)を準備した。各試験液とアルブミン含有水溶液を1:2の容量比で混合し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、インキュベート後の混合液について、650nmにおける濁度を測定した。なお、本試験において、濁度の値が高い程、タンパク質変性効果が強く、収斂作用が大きいと判定される。前記で測定された濁度を用いて、下記式に従って収斂作用の増強率(%)を算出した。
収斂作用の増強率(%)=[{(各試験液を使用した場合の濁度)−(対応するコントロールの試験液を使用した場合の濁度)}/(対応するコントロールの試験液を使用した場合の濁度)]×100
得られた結果を表1〜5に示す。参考例1〜3から明らかなように、シャクヤクエキス、トウキエキス、及びムクロジエキスは、単独では、収斂作用が見られなかった。一方、収斂剤(アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、シラカバエキス、又はウラジロガシエキス)と、シャクヤクエキス、トウキエキス、又はムクロジエキスを組み合わせると、収斂作用の増強効果が認められた。とりわけ、収斂剤として、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムを使用した場合において、シャクヤクエキス、トウキエキス、又はムクロジエキスを組み合わせた際にその収斂作用の増強効果が顕著になっていた。一方、グリチルレチン酸、l−メントール、ケイヒアルデヒド、チョウジ油では、収斂剤の収斂作用の増強は認められず、寧ろ収斂作用を減弱させていた。以上の結果から、収斂剤の収斂作用の増強効果は、特定の成分(シャクヤクエキス、トウキエキス、及び/又はムクロジエキス)を選択して収斂剤と共存させることによって認められる特有の効果であることが
明らかとなった。
Figure 0006599515
Figure 0006599515
Figure 0006599515
Figure 0006599515
Figure 0006599515
試験例2
表6に示す組成の試験液を調製し、口腔内に適用した場合の使用感について評価した。
具体的には、3名のパネラーによって、各試験液10mlを口に含ませて下記判定基準に従って呈味を評点化した。
(呈味の判定基準)
評点
5:口腔内組成物として相応しい呈味であり、使用感が良好である。
4:口腔内組成物としてやや相応しい呈味であり、使用感がやや良好である。
3:口腔内組成物として普通の呈味であり、使用感も普通である。
2:口腔内組成物としてあまり相応しくない呈味であり、使用感がやや悪い。
1:口腔内組成物として相応しくない呈味であり、使用感が悪い。
次いで、各パネラーが判定した評点を合計し、下記の分類基準に従って、使用感を評価
した。
(使用感の分類基準)
++++:評点の合計が12点以上
+++ :評点の合計が9点以上11点以下
++ :評点の合計が6点以上8点以下
+ :評点の合計が5点以下
得られた結果を表6に示す。この結果から、収斂剤と共に、シャクヤクエキス、トウキエキス、又はムクロジエキスを併用すると、口腔内に適用された際の呈味が良好であることが確認された。また、表6に示すいずれの試験液においても、(A)成分又は(B)成分をそれぞれ単独で含有する場合に比べて、(A)成分及び(B)成分の両方を含有する場合の方が、収斂効果は高まっていた。即ち、本試験結果から、収斂剤と、シャクヤクエキス、トウキエキス、又はムクロジエキスとを併用した収斂用組成物は、口腔用組成物として使用しても、収斂効果が高まり、且つ呈味の点でも良好で、優れた使用感が得られることが明らかとなった。
Figure 0006599515
製造例1
表7〜10に示す組成の練歯磨剤を製造した。いずれの練歯磨剤においても、(B)成分を含有しない場合に比べて、収斂剤の収斂作用の相乗的な増強効果が認められ、味も良好であった。
Figure 0006599515
Figure 0006599515
Figure 0006599515
Figure 0006599515
製造例2
表11に示す組成の液体歯磨剤を製造した。当該液体歯磨剤においても、(B)成分を含有しない場合に比べて、収斂剤の収斂作用の相乗的な増強効果が認められ、味も良好であった。
Figure 0006599515
製造例3
表12に示す組成の口腔咽喉薬(トローチ剤:ドロップ)を製造した。当該口腔咽喉薬においても、(B)成分を含有しない場合に比べて、収斂剤の収斂作用の相乗的な増強効果が認められ、味も良好であった。
Figure 0006599515

Claims (8)

  1. 下記(1)又は(2)の成分の組み合わせを含む収斂用組成物(但し、下記(2)の組み合わせを含む場合には、シネオールを含む組成物を除く):
    (1)(A)アラントイン誘導体と、(B)トウキエキスとの組み合わせ。
    (2)(A)アラントイン誘導体と、(B)シャクヤクエキスとの組み合わせ。
  2. 前記(A)成分の総量1重量部当たり、前記(B)成分が総量で0.01〜140重量部含まれる、請求項1に記載の収斂用組成物。
  3. 前記(A)成分の総量1重量部当たり、前記(B)成分が総量で2〜140重量部含まれる、請求項1に記載の収斂用組成物。
  4. 口腔用組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の収斂用組成物。
  5. トウキエキスを有効成分とする、アラントイン誘導体に対する収斂作用増強剤。
  6. シャクヤクエキスを有効成分とする、アラントイン誘導体に対する収斂作用増強剤(但し、シネオールと併用される場合を除く)。
  7. アラントイン誘導体を含有する収斂用組成物に、トウキエキスを配合する工程を含む、収斂作用の増強方法。
  8. アラントイン誘導体を含有する収斂用組成物(但し、シネオールを含む場合を除く)に、シャクヤクエキスを配合する工程を含む、収斂作用の増強方法。
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