JP6599352B2 - 遠隔偏光測定装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は光ファイバを用いた遠隔偏光測定装置および方法に関し、特に偏光測定を利用した生体組織の体内内視鏡検査に適用される。
電磁波(特に可視光)の偏光状態を、ストークスパラメータと呼ばれる4つの値の組で記述することは既知の方法である。このストークスパラメータはしばしば、ストークスベクトル
と呼ばれるベクトルの形で表される。
ストークスベクトルは、一般にI、Q、UおよびVで表される4つの成分を持つ。これら4つの成分はそれぞれ、ビームの全強度(I=I+I)、水平成分と垂直成分の差(I−I)、±45°の差(I45°−I−45°)および左と右の円偏光の差(I−I)を表す。これにより、偏光していない光、一部偏光した光および完全に偏光した光を完全な形で記述することができる。
ポアンカレ球は光の偏光状態を図形的に表現したものであり、その一例を図1Aに示す。一般的なストークスベクトルは、縮小した座標q=Q/I、u=U/Iおよびv=V/Iで表される。これにより、偏光状態が全体強度とは独立に規定される。完全に偏光した状態は、単位半径の球面上に位置する(例えば、図1Aの点A)。偏光度pで一部偏光した状態は、次の式で規定される。
これは、中心から距離p<1の球内に位置する(例えば、図1Aの点B)。図1Bに示されるように、極座標εとθとはそれぞれ、一般に楕円偏光の楕円率と方位角とを規定する。
図1Cに、所与の偏光状態にある偏光波のストークスベクトルの例を示す。すなわち各ストークスベクトルは、水平直線偏光(H)、垂直直線偏光(V)、±45°の直線偏光(PおよびM)、右円偏光(R)と左円偏光(L)および楕円偏光(A)に相当する。これらの偏光状態は図1Aに示すポアンカレ球上の点で示される。
試料のミュラー行列は16個のデータの組であり、当該試料の偏光反応を完全に決定し、試料の構造を特徴付ける手段を構成する。「ミュラー偏光測定」と呼ばれる技術により、この行列を決定することができる。ミュラー偏光測定の本質は、図2に示されるように、少なくとも4つの異なる偏光状態にある光で試料を照射し、戻った光の偏光状態を解析することにある。より具体的には、例えばレーザやレーザダイオードなどの照射光源から、光ビームが「偏光状態生成器(polarization state generator)」(PSG)と呼ばれる装置に送りこまれる。これにより、与えられた既知の4つの光偏光状態(「プローブ偏光状態」)を生成することができる。この状態の各々は、前述のようにストークスベクトルによって決まる。PSGは、例えば連続する偏光板と遅延板とからなり、電気制御などによりその特性を変えることができる。これらの板は例えば、印加制御電圧により配向される液晶板により構成することができる。PSGから出力された4つの偏光状態の各々に関し、試料から戻った光の偏光状態が「偏光状態解析器(polarization state analyzer)」(PSA)を用いて解析される。PSAにより、戻った光波が4つの偏光フィルタ(これはプローブ偏光状態の生成に用いた偏光フィルタと同じものであってよい)を通過した後に、その強度を測定することが可能となる。例えばPSAは、PSGと同じ構成要素を逆順に並べた「鏡像」であってよい。PSAはPSGと異なるものでもよい。いずれの場合もPSAは、少なくとも4つの異なる偏光フィルタを備え、試料が発した光のストークスベクトルを完全に決定できるものでなければならない。最終的に、少なくとも16回の強度測定が行われ、試料のミュラー行列が形成される。
異なるいくつかの研究により、ミュラー行列の係数の解析方法が示されてきた。これらにより、測定試料の偏光情報(直線および円複屈折、直線および円ディアテニュエーション(diattenuation)(または偏光二色性(dichroism))および偏光解消率)を得ることができる。例えばLuとChipmanは、非縮退のミュラー行列を、各々が特定の光効果の特性を持つ行列の積に分解できることを明らかにした(S.Lu他 「極分解に基づくミュラー行列の解釈」J.Opt.Soc.Am.A13、1106―1113(1996))。この光効果の特性は、「偏光解消」(式(2)で規定される、試料との相互作用による偏光の減少)、「直線遅延と円遅延」(それぞれ、2つの直交する直線偏光により導入される位相遅延と、2つの逆向きの円偏光により導入される位相遅延)、および「直線ディアテニュエーションと円ディアテニュエーション」(それぞれ、2つの直交する直線偏光により導入される伝達の違いと、2つの逆向きの円偏光により導入される伝達の違い)である。
その後偏光情報から、生体試料上の被験物質の物理的−化学的構造に関する情報が得られる。例えば「偏光解消」は厚い組織(目の組織を除く)において最も大きな効果を表すが、これは主に繊維やコラーゲン節、細胞内小器官、細胞核などの対象物体上の光の多重散乱に起因する。「直線遅延」は、対象物体の繊維が好ましい方を向いている場合に、薄い組織(組織学的板(histological plates))上で、あるいはコラーゲンIのような線繊維タンパク質が存在する厚い組織上で観測される。一般に「ディアテニュエーション」は、組織の観察がすれすれ入射でされた場合を除いて無視できる。すれすれ入射の場合、垂直入射と比べて入射面における偏光の伝達が改善されるため、干渉の交差によって著しいディアテニュエーションが発生する可能性がある。
体外における結腸試料の研究(A.Pierangelo他、OptExpress 19、1582−1593(2011)参照)により、これらの試料が純粋な偏光解消物質(depolarizer)として振る舞うことが明らかになった。この偏光解消は、初期段階における腫瘍の検知や、より進行した腫瘍の侵入度の診断、あるいは化学放射線療法後の残留腫瘍の検知に対して有益なコントラストを与える(周囲の健常な細胞と比べ、腫瘍は偏光解消率が小さい)(A.Pierangelo他、J.Biomed.Opt 18、046014(2013))。子宮頸部組織の診断では、偏光解消と遅延の両方が観測される。後者は健常部分にのみ存在するため、強力なマーカーとなる(A.Pierangelo他、OptExpress 21、14120−30(2013))。偏光解消により、(それが観測される方の)健常部分と、前癌病変(異形成)とを区別することができる。国際公開第2007/003840号には、腟鏡を補完するためにミュラー偏光測定を付加するための方法、すなわち、子宮頸部の精密な体内診断のための、作動距離の長い双眼鏡が開示されている。
生体対象物体の体内解析、より一般的に任意のアクセス困難な対象物体の体内解析に関しては、遠隔偏光測定を行うことに明らかな利点がある。これにより測定対象物を、一方では光源/PSGの装置から、他方ではPSA/測定器/解析器の装置から遠ざけることができる。このような遠隔測定は、例えば光ファイバのような光ガイドを用いて実行することができる。この場合、PSGから対象物体に向けて光ファイバ内に送り込まれる光の偏光状態は既知である。対象物体が発した光は光ファイバを通って戻り、その偏光状態をPSAによって解析することができる。しかしながら、光ファイバは光の偏光状態に揺らぎを誘起する。この揺らぎは、往路(光源から関心対象物体に向かう経路)と復路(対象物体から検出器と解析システムに向かう経路)の両方を通って伝達される。この予測不能かつ制御不能な揺らぎは、光ファイバの状態(曲げ、ひねり等)や環境(温度等)に大きく依存する。この揺らぎにより、対象物体に入射する光の実際の偏光状態を知ることや、解析対象物によって戻される光の、ファイバ内での偏光状態(解析されるべきもの)を得ることが妨げられる。この状況では、ミュラー偏光測定による対象物体の測定は最早不可能である。
最近、上記の課題に対する解決方法が提案されている。これは、光ファイバ、より一般的には解析対象物を遠ざけるために使用される光ガイドで誘起される揺らぎの問題を克服し、試料の偏光情報を得ることを目的とする。
仏国特許出願公開第2941047の技術では、1つの直線偏光波が、多数かつポアンカレ球に広く分布する偏光状態を生成することのできる装置の内部に送られる。生成された偏光状態が導波路内に送られた後、対象物体上で反射される。反射波が導波路を通って戻った後、その偏光が解析される。遠位側、すなわち解析対象物が設置される側の導波路端部に、ファラデー回転子が置かれる。ファラデー回転子は偏光を45°回転することができる。このファラデー回転子は、対象物体に送られた各偏光に関し、ファイバによって導入された遅延を補償する機能を持つ。各プローブ偏光状態に関し、送信された直線偏光に平行な偏光により伝達された後、戻った部分の強度Fが測定される。測定されたすべてのFから、プローブ偏光状態に応じて、最小値Fminと最大値Fmaxとが決定される。最小値Fminと最大値Fmaxとから、偏光解消率と、対象物体によって導入された位相遅延とが求められる。しかしながらこの方法では、試料のディアテニュエーションと円偏光二色性は得ることができない。
より最近、シングルモードファイバを用いた偏光測定装置が開示された(仏国特許出願公開第2977033号、Alouni他、参照)。これは、解析対象物に入射した2つの偏光の直交性が、対象物体上で破れているかを検知することができる。直交性の破れは対象物体による偏光解消またはディアテニュエーションに起因すると考えられる。しかしながらこの方法では、この2つの効果を切り分けることができない上、対象物体で導入される可能性のある遅延を測定することもできない。
Wood他による論文(T.C.Wood他「硬性内視鏡の偏光反応測定およびシミュレーション」Biomedical Optics Express 463、Vol.1、No2(2010))は、商用の硬性内視鏡(腹腔鏡とも呼ばれる)において、特にサファイアの入力ウィンドゥに起因する複屈折効果に注目し、その特性を明らかにした。この論文は、サファイアに代えて、滅菌上の制約に従う複屈折性を持たない物質を使用することを示唆する。これにより複屈折効果が抑制され、体内試料の総合的な偏光測定が可能となる。しかしながら、残余複屈折効果は依然として残る。残余複屈折効果は、それが時間的に、あるいは器具の位置により変化する場合、特に障害となることが分かっている。
Qi他はまた、遠位端に直線偏光板を備え、近位側にそれと異なる方向の直線偏光板を備える腹腔鏡を開示した(Qi他「狭帯域3X3偏光測定」Biomedical Optics Express、vol.4、No11(2013))。この装置により、ミュラー行列を部分的に、すなわち最初の3行3列に限って得ることができる。これは、測定用偏光板の方向を変える目的で、装置を軸周りに回転することによりなされる。この方法には2つの制約がある。1つには、この方法では円偏光とディアテニュエーションは得ることができない。いま1つには、現実の測定条件下では、この装置の軸周り回転は実現困難である。2つの撮像が視野内で動くことを避けるためには、この内視鏡の軸周り回転を非常に正確に行わなければならないためである。さらにこの条件が満足されたとしても、回転中に体内被験組織の「非硬性」変形が発生するおそれがある。従って、多くの状況で測定が不可能となる可能性がある。
本発明は、光ファイバを用いて試料のミュラー行列を完全に決定することのできる遠隔測定方法およびシステムを提案する。これにより、直線および円のディアテニュエーションを含む、試料のすべての偏光情報を同時に得ることができる。特にこのミュラー行列の完全な決定により、生体試料の解析にとっての多くの利点が得られる。実際、大抵の場合組織は本質的に直線的な固有効果を示すが、この場合であっても、すれすれ入射(内視鏡ではよくある)の下で、組織表面上を通過する強いディアテニュエーションを同時に測定することができる。このディアテニュエーションは、組織がさらに直線複屈折性を示す場合、円ディアテニュエーションを引き起こす可能性がある。
本発明の第1態様は、以下の構成を備える試料の遠隔偏光測定装置に関する。
−少なくとも1つの第1波長を持つ入射光波の少なくとも1つの光源。
−内部を入射光波が伝搬するためのシングルモード光ファイバ。
−光ファイバの近位側に配置され、入射光波の偏光状態を所与の数生成することができる偏光状態生成器。この偏光状態はプローブ状態と呼ばれる。
−光ファイバの遠位側に配置されるための反射板。
−光ファイバの近位側に配置される偏光状態解析器。この偏光状態解析器は、入射波の各プローブ状態に関し、入射波が光ファイバ中を伝搬し、光ファイバの遠位側で反射し、光ファイバ中を逆向きに伝搬した後に得られる光波の偏光状態を解析することができる。
−以下の特徴を持つ処理手段。
・処理手段は、光ファイバの偏光測定(第1偏光測定)から、第1波長での光ファイバに関するミュラー行列を決定することができる。ここでこのミュラー行列は、各プローブ状態の解析と、光ファイバの遠位側の反射板で反射した少なくとも1つの光波の偏光の解析とによって得られる。
・処理手段は、光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定(第2偏光測定)から、第1波長での前記集合体に関するミュラー行列を決定することができる。ここでこの行列は、偏光の各プローブ状態に関し、遠位側の試料によって戻され、光ファイバ中を逆向きに伝搬した波を解析することによって得られる。
・処理手段は、光ファイバに関するミュラー行列と、光ファイバと試料とを含む集合体に関するミュラー行列とから、第1波長での試料に関するミュラー行列を決定することができる。
偏光測定装置のこの最初の配置を用いて試料のミュラー行列を完全に決定することにより、試料のすべての偏光情報を得ることができる。
1つ以上の実施例では、光源は、第1波長の波と、第1波長と異なる第2波長の波とを発することができる。
1つ以上の実施例では、反射板は有利にはスペクトル反射板である。すなわち、第2波長における光ファイバの偏光測定のため、光ファイバ中を第2波長で伝搬した波を反射することができ、第1波長における光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のため、第1波長で伝搬した波を透過させることができるスペクトル反射板である。処理手段は以下の特徴を持つ。
・処理手段は、第2波長における光ファイバの偏光測定から、第2波長での光ファイバに関するミュラー行列を決定することができる。
・処理手段は、第2波長での光ファイバに関するミュラー行列から、第1波長での光ファイバに関するミュラー行列を決定することができる。
この光波の色分離に基づく第1変形形態により、一方で光ファイバに関するミュラー行列を決定し、同時に他方で光ファイバと試料とを含む集合体に関するミュラー行列を決定することができる。さらにこの方法では、光ファイバの遠位側に能動的光素子を置く必要がない。
1つ以上の実施例では、2つの波長は異なるが近接する。典型的には、2つの波長の差は100nmを超えない。
1つ以上の実施例では、光ファイバにより生成された位相遅延が2πより大きいとき、光ファイバの測定を2つの異なる波長を用いて行うことができる。
本例では光源は、第1および第2波長と異なる第3波長の波も発することができる。スペクトル反射板は、第2および第3波長における光ファイバの偏光測定のため、光ファイバ中を第2および第3波長で伝搬した波を反射することができる。処理手段は以下の特徴を持つ。
・処理手段は、第2波長における光ファイバの偏光測定から、第2波長での光ファイバに関するミュラー行列を決定し、第3波長における光ファイバの偏光測定から、第3波長での光ファイバに関するミュラー行列を決定することができる。
・処理手段は、第2および第3波長での光ファイバに関するミュラー行列から、第1波長での光ファイバに関するミュラー行列を決定することができる。
ここでも各波長は異なるが近接する。有利には、各波長の差は100nm未満である。
1つ以上の実施例では、反射板は、反射位置と透過位置との間で切替可能である。この反射板は、光ファイバの偏光測定のため、反射位置において、光ファイバ中を第1波長で伝搬した波を反射することができる。さらにこの反射板は、光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のため、透過位置において、光ファイバ中を第1波長で伝搬した波を試料で反射させることができる。
この第2変形形態には、第1波長(光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のために使われる波長)を用いて光ファイバを直接測定できるという利点がある。特にこれにより、使用するシングルモード光ファイバの選択を、より柔軟に行うことができる。
1つ以上の実施例およびその変形形態では、シングルモード光ファイバは偏波保持光ファイバである。これにより、いかなるカイラル効果も排除することができる。
1つ以上の実施例では、シングルモード光ファイバは、偏波保持シングルモード光ファイバの第1セクションと、偏波保持シングルモード光ファイバの第2セクションとを備える。これらのセクションは、長さが同じである。さらに両セクションは、第1セクションの高速軸と第2セクションの低速軸とが合致するように互いに接続されており、その逆も然りである。
特に本例のファイバにより、あらゆるカイラル効果を排除すると同時に、ファイバにより導入される位相遅延を低減することができる。従ってファイバの測定が容易となる。
1つ以上の実施例では、第1態様に係る装置は、試料の点領域(spot zone)を偏光測定するため、光ファイバの遠位側に第1波長の波の焦点合わせ手段を備える。
1つ以上の実施例では、第1態様に係る装置は、試料の点領域を偏光測定するため、光ファイバの遠位側に走査手段をさらに備える。
本発明の第2態様は、第1態様に係る装置を1つ以上用いる、試料の遠隔偏光測定のための1つ以上の方法に関する。
本発明は、試料の遠隔偏光測定のための方法に関するもので、以下のステップを備える。
−シングルモード光ファイバ中を伝搬するための少なくとも1つの第1波長を持つ入射光波を発するステップ。
−第1波長において、光ファイバの偏光測定を行うステップ。このステップは以下を含む。
・光ファイバの近位側に配置された偏光状態生成器による、入射光の所与の数の偏光状態(プローブ状態)の生成。
・入射波の各プローブ状態に関し、入射波が光ファイバ内を伝搬し、光ファイバの遠位側に配置された反射板で反射し、光ファイバ内を後方に伝播した後に得られる光波の偏光の解析。
・第1波長での光ファイバに関するミュラー行列の決定。
−第1波長において、光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定を行うステップ。このステップは以下を含む。
・各プローブ偏光状態に関し、偏光状態生成器と偏光状態解析器とを用いた、ファイバの遠位側の試料によって戻され、光ファイバ内を後方に伝搬した波の解析。
・第1波長での前記集合体に関するミュラー行列の決定。
−光ファイバに関するミュラー行列と、光ファイバと試料とを含む集合体に関するミュラー行列とから、試料に関するミュラー行列を決定するステップ。
1つ以上の実施例では、本方法は、第1波長と異なる第2波長の光波を発するステップをさらに備える。この変形形態によると、反射板はスペクトル反射板である。すなわち、第2波長における光ファイバの偏光測定のため、光ファイバ中を第2波長で伝搬した波を反射することができ、第1波長における光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のため、第1波長で伝搬した波を透過させることができる。さらに、第1波長での光ファイバに関するミュラー行列の決定は以下を含む。
・第2波長における光ファイバの偏光測定による、第2波長での光ファイバに関するミュラー行列の決定。
・第2波長での光ファイバに関するミュラー行列による、第1波長での光ファイバに関するミュラー行列の決定。
1つ以上の実施例では、本方法は、第1および第2波長と異なる第3波長の波を発するステップを備える。さらに、スペクトル反射板は、第2および第3波長における光ファイバの偏光測定のため、光ファイバ中を第2および第3波長で伝搬した波を反射することができる。さらに、第1波長での光ファイバに関するミュラー行列の決定は以下を含む。
・第2波長における光ファイバの偏光測定からの、第2波長での光ファイバに関するミュラー行列の決定、および、第3波長における光ファイバの偏光測定からの、第3波長での光ファイバに関するミュラー行列の決定。
・第2波長および第3波長での光ファイバに関するミュラー行列からの、第1波長での光ファイバに関するミュラー行列の決定。
1つ以上の実施例では、反射板は、反射位置と透過位置との間で切替可能である。この反射板は、第1波長における光ファイバの偏光測定のため、反射位置において、光ファイバ中を第1波長で伝搬した波を反射することができる。さらにこの反射板は、光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のため、透過位置において、光ファイバ中を第1波長で伝搬した波を試料で反射させることができる。
1つ以上の実施例では、前述の変形形態に係る方法は、試料の点領域を偏光測定するため、光ファイバの遠位側において、焦点合わせ手段を用いて第1波長の波の焦点合わせをするステップをさらに備える。
本方法は、試料の点領域を偏光測定するため、光ファイバの遠位側において、走査手段を用いて、焦点合わせされた光波を走査するステップをさらに備えてもよい。
下記図面を基に述べられる詳細説明を読むことにより、その他の利点と特性が明らかになるだろう。
ポアンカレ球と楕円偏光状態とを示す図である(既述)。 異なる偏光状態のストークスベクトルの成分を示す表である(既述)。 先行技術に係るミュラー偏光測定の実験装置を示す図である(既述)。 本明細書の第1の実施形態に係る偏光測定装置を示す図である。 本明細書の第2の実施形態に係る偏光測定装置を示す図である。 本明細書のある変形形態に係る偏光測定装置の一部を示す図である。 本明細書のある実施形態に係る測定方法の検証に使われる実験装置を示す図である。 図6の実験で得られた結果と予測理論値とを比較するグラフである。 本明細書のある実施形態に係る測定方法の検証に使われる試料を表すため、図6の一部を示す図である。 図9Aの試料を用いた実験で得られた結果と予測理論値とを比較するグラフである。 本明細書のある実施形態に係る測定方法の検証に使われる試料を表すため、図6の一部を示す図である。 図10Aのタイプの試料を用いた実験で得られた結果と予測理論値とを比較するグラフである。 本明細書のある実施形態に係る測定方法の検証に使われる試料を表すため、図6の一部を示す図である。 図11Aのタイプの試料を用いた実験で得られた結果と予測理論値とを比較するグラフである。
図3に、本発明の第1の態様に係る偏光測定方法を実現する第1の実施例に係る偏光測定装置100を示す。
偏光測定装置100は一般に、少なくとも1つの第1波長λの少なくとも1つの光波の光源10と、試料Sの遠隔測定に用いる光波が内部を伝搬するためのシングルモード光ファイバ30とを備える。特にシングルモード光ファイバは、その特性や測定条件に起因して入射光の偏光を変える可能性があるが、偏光を解消しないマルチモードファイバに比べて際立った利点を持つ。解析される試料(「解析対象物」)Sが、光源10に対して光ファイバ30の反対端に置かれる。
以後本明細書では、光ファイバの光源側にある装置はすべて、近位部分と呼ぶ。光ファイバの上記と反対側、すなわち試料が置かれた側にある装置はすべて、遠位部分と呼ぶ。
装置100はさらに、偏光状態生成器PSGと、偏光状態解析器PSAとを備える。PSGは光ファイバの近位側に置かれ、光の偏光状態(プローブ偏光状態)を所与の数生成することができる。PSAも光ファイバの近位側に置かれ、光ファイバの遠位側で反射され、光ファイバ内を逆向きに伝播した光の偏光状態を解析することができる。
図3の例の光源10は、第1波長λの波と、少なくとも1つの第2波長λF1の波とを発することができる。ここでλとλF1とは異なる。後に詳述する変形形態では、光源10は、波長がそれぞれλF1とλF2の2つの波を発することができる。ここでλF1とλF2とは互いに異なり、これらはλとも異なる。例えば光源10は、レーザダイオードなどの単色光源の組を備える。これらは図3では12,14および16で表され、それぞれ異なる波長の波の一つを発する。代替的に光源10は、すべての波長の波を発する単一光源、例えば光ファイバ内部のレーザビームのスペクトル広がりで生成される「スーパーコンティニウム光源」型の光源で構成されてもよい。
有利には、光源は連続光源である。代替的に光源は、光ファイバ内部で非線形光学効果を生成しない程度の十分低いピークパワーを持つパルス光源であってもよい。別の選択肢として、チョッパーにより変調された連続光源が使われてもよい。この場合、連続光源に関する信号対雑音比を改善する必要がある場合は、すべての測定器で同期測定を行う。このとき有利には、変調はPSGとPSAの液晶のスイッチング周波数よりはるかに高い周波数でなされる。これらのスイッチング周波数は最大でkHzのオーダだが、原則としてそれは問題とならない。商用標準システムの場合、同期測定は典型的には最大100kHzで行われる。
図3に示される例の偏光測定装置は、光ファイバの遠位側に置かれる波長選択反射板40と焦点合わせ手段42とをさらに備える。反射板40は、波長λの波を透過させることができる一方、波長λF1、または波長λF1およびλF2の両方の波を反射することができる。例えば反射板40は、光ファイバ30の出力側に置かれたスペクトルフィルタである。このフィルタは例えば、λF1<λF2<λの波長を選んだ場合、λF1とλF2との間の波長を遮断するハイパスフィルタである。同様に、λF1<λ<λF2の波長を選んだ場合はバンドパスフィルタであり、λ<λF1<λF2の波長を選んだ場合はローパスフィルタである。
偏光測定装置100は、分割板22と波長分割素子65,63とをさらに備える。波長分割素子65,63は例えばスペクトルフィルタであって、偏光状態解析器PSAの後に置かれる。ファイバの遠位側で逆反射または後方散乱し、ファイバ内を後方に導波された波は、波長分割素子65,63によって波長に応じて分割される。適切に分割された光波は、図3のD、DF1、DF2で示される光検出器に送られる。光検出器は例えばフォトダイオードであって、それぞれλ、λF1およびλF2の波長の光を検知する。
偏光測定装置100はまた、処理手段70を備える。後述のように処理手段70を用いて、光検出器より送信された電気信号から、試料Sのミュラー行列を決定することができる。特に処理手段70は、PSGとPSAの制御および同期化、光検出器から送信された信号の収集と処理、およびミュラー行列の形成を確実に実行する。
例えば図3に示される装置を用いて実現する、第1変形形態に係る偏光測定の一般原理は、異なるが近接する波長(典型的には100nm未満の差)の波の同時測定に基づく。これにより、一方では光ファイバが、他方ではファイバ/対象物体の集合体が測定される。より具体的には、ファイバを測定するために1つまたは2つの波長(λF1とλF2)が使える一方、ファイバ−対象物体の集合体を測定するためには1つの波長(λ)で十分である。
例えば単色または準単色(典型的にはスペクトル幅が40nm未満)の波が、入射レンズ24を用いてシングルモード光ファイバ30内に送られる。波長λのビームは、波長選択反射板40を透過した後、焦点合わせ手段42を用いて対象物体上に焦点合わせされる。焦点合わせ手段42は例えばレンズ、または焦点合わせ機能を持つ他の任意の光学素子である。対象物体から戻った光の一部は波長がλのまま、焦点合わせ光学素子42とスペクトルフィルタ40を通って後方に進み、光ファイバ30に再入射する。λと異なる波長(本例ではλF1とλF2)のビームは、スペクトルフィルタ40で反射し、試料Sに衝突することなく光ファイバ30内に再入射する。戻った波長λF1、λF2およびλのすべてのビームはPSAに向けて偏向される。これらはその後、検出器62、64および66に向けて、PSAの出力側の分割素子65、63で分割される。波長λ、λF1およびλF2のビームを発する広帯域単一光源を用いた場合、有利には、各検出器62、64および66の前に狭帯域のスペクトルフィルタ(典型的には<40nm)を置いてもよい。これらは、それぞれλ、λF1およびλF2の周辺の狭いスペクトル帯のビームのみが通過できる。
最初に、シングルモード光ファイバ30を測定するために第2波長λF1の波を使う実施例について述べる。
この例では、第2波長λF1において光ファイバの偏光測定が行われ、第2波長λF1での光ファイバに関するミュラー行列が決定される。この第2波長λF1での光ファイバに関するミュラー行列から、第1波長λでの光ファイバに関するミュラー行列(M)が導出される。第2波長λF1における光ファイバの偏光測定と同時に、第1波長λにおいて光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定が行われる。これは、試料で逆反射、および/または、後方散乱した波の偏光状態を解析することによりなされる。この測定により、第1波長λでの集合体に関するミュラー行列(M)得られる。その後、光ファイバに関するミュラー行列(M)と、光ファイバと試料とを含む集合体に関するミュラー行列(M)とから、波長λでの試料に関するミュラー行列(M)を決定することができる。
一般に光ファイバの偏光測定は、光ファイバの測定と、光ファイバの出力端(遠位端)と反射板40との間に存在するすべての構成要素の測定とを含むことに注意する必要がある。光ファイバの他に構成要素がないか、他の構成要素が偏光を変えない場合は、この測定を光ファイバのみの測定と同一視できる。さらに、選択反射板40と試料Sとの間に配置してよい光学的要素としては、伝搬する波の偏光を変えないものが選ばれる。例えばレンズ、周波数選択ミラーなどレンズ以外の光学的要素、あるいはより一般的に光学的に等方な物質からなり、必要であれば誘電体または金属の層を備える板である。これらは、垂直に非常に近い入射角(典型的には5°のオーダの公差)で使われる。
所与の波長における解析対象物(本例では光ファイバまたはファイバ/試料の集合体)の偏光測定は、既知の方法、例えば欧州特許出願公開1411333に記載された方法によってなされる。4つのプローブ偏光状態を定めるために、光波が偏光状態生成器PSG(これは例えば電気的に制御されてもよい)に送られる。有利にはこれらの偏光状態は、可能な限り互いに独立である。これらの状態は、ポアンカレ球面上に正四面体状に配置される。実際にはこの作業は、より多くのプローブ偏光状態を使って行うこともできる。しかし、偏光測定に必要なプローブ偏光状態の最小数は4である。プローブ偏光状態を生成するためのPSGは既知であり、例えば、直線偏光板、電気的制御可能な第1液晶セル、四分の一波長板および電気的制御可能な第2液晶セルを含む構成要素の組み合わせを備える。この方法により4つの偏光状態に相当する4つのストークスベクトルが生成され、Wで表される4×4の変調行列(modulation matrix)を作るために4列に配置される。試料と相互作用した後に戻った波の偏光状態が、偏光状態解析器PSAで解析される。PSAは、PSGと同じ構成要素を、光の方向に関し逆順に並べた構成要素を備える。例えば、第2液晶セル、四分の一波長板、第1液晶セルおよび直線偏光板である。PSAによって解析された4つの偏光状態に相当するストークスベクトルが、Aで表される4×4の解析行列(analysis matrix)を作るために4行に配置される。PSGに由来する4つの偏光状態の各々に関し、PSAの出力側における光強度が、解析された偏光状態の各々に応じて検出器で測定される。16個の光強度レベル測定値の行列Bは、以下の形で得られる。
ここでMは試料のミュラー行列である。
従って、既知の行列AとWの逆行列により、以下の形でミュラー行列を決定することができる。
有利には、PSGとPSAを形成する構成要素の調整における不完全さと誤差を修正するため、較正が行われてもよい。実際、変調行列Wと解析行列Aは、偏光状態生成器および偏光状態解析器を形成する構成要素の関数として理論的に計算された値と異なっていてよい。この較正を実行するために、例えば試料の位置に4つの較正用試料を置いてもよい。これらから、それぞれ4つの強度行列を得ることができる。その後、文献(前述の欧州特許出願公開1411333参照)に記載された較正アルゴリズムを用いて、正しい変調および解析行列W、Aを得ることができる。
前述の試料の偏光測定の例では、PSGとPSAは液晶(ネマチックまたは強誘電体の液晶)を備える。本発明に係る測定の実行のために、他の多くのシステムが使われてもよい。例えばPSGは、ポッケルスセル(例えば、E.Compain他「単一の高周波変調を用いたミュラー行列の完全測定」Thin Solid Films313−314、47−52、1998)または光弾性変調器(E.Compain他「新しい位相結合変調器を用いたミュラー行列の完全高周波測定」Rev.Sci.Instrum.68、2671−2680 〜1997)を用いて偏光を制御してもよい。これらのシステムによりPSGの4つの状態を、4つの異なる周波数で同時に符号化できる。PSA側には、E.Compain等により開示された「DOAP」(米国特許出願公開第6175412号参照)などの強度分割システム(これは分割プリズムと平行に配置した4つの測定器を利用する)を使うことが想像できる。このタイプのPSAは、有利には、PSGの符号化に用いた周波数と同期してもよい。すなわち各測定器からの信号は、PSGの4つの周波数の上で復調されてもよい。このようにして復調された信号の組は16個の測定結果を与え、ここからミュラー行列を得ることができる。このタイプの装置の例が、米国特許出願公開6175412号B1に記載されている。別のタイプのPSGとPSAでは、固定した直線偏光板と回転する遅延板とを使う(米国特許出願公開7298480号B2参照)。
図3に示す装置を用いて測定を行うことにより、先ず第2波長λF1での光ファイバのミュラー行列Mm1(λF1)を得ることができる。
ここでM(λF1)とM (λF1)とは、それぞれ光ファイバの往路上および復路上のミュラー行列である。R(θ)とR(−θ)は、それぞれ角度θと−θの回転行列である。θは、ファイバの入力端における中性軸と、ストークスベクトルが規定される実験室の基準系との間のなす角度であり、原理的には未知である。ファイバが純粋な位相遅延器として振る舞うと仮定すると、積M (λF1)・M(λF1)は、このファイバの往復路全体にわたる純粋な直線位相遅延器に相当する。従って角度θと−θとは、積R(−θ−1・Mm1(λF1)・R(θ−1=M (λF1)・M(λF1)が、この純粋な直線位相遅延器の行列に一致するように決定される。代替的に、これらの角度がファイバの角度位置、すなわち事前に特定されたファイバの中性軸から知られてもよい。ファイバがいかなるカイラル効果(円ディアテニュエーションと遅延)も示さない場合、すなわちひねりがないように処理された通常のシングルモードファイバの場合、行列M (λF1)とM(λF1)とは、同一の2つの直線遅延器の行列に相当する。直接測定された積M (λF1)・M(λF1)から、行列M(λF1)とM (λF1)の各々が容易に導き出される。ここで、M(λF1)とM (λF1)は、それぞれ第1波長λにおける光ファイバの往路上と復路上の行列である。次に、波長λにおける光ファイバと試料の集合体のミュラー行列Mが直接測定され、下記の方程式で与えられる。
ここでMは、求めるべき波長λにおける試料のミュラー行列である。
算出したカイラル効果の行列Mを修正する目的で、角度θを決定することが有益となる場合もある。ここでθは、出力端すなわち遠位端におけるファイバの特定の一軸の、実験室基準系に対する方位角である。例えば偏波保持光ファイバの場合、この方位角はファイバに紐付いており「機械的に」決定することができる。
従って、逆行列により試料のミュラー行列を導出することができる。
波長λF1とλとが異なるが十分近接し(すなわちその差が100nm未満、有利には50nm未満である)、かつ明確に特定された中性軸を備える直線遅延器としてファイバが振る舞う(例えば光ファイバが、中性軸に沿って十分小さい(0と2πとの間)位相遅延δφF1を誘起する)場合、前述の方法は有効に機能するだろう。この場合、第2波長λF1での位相遅延δφF1から、第1波長λでの位相遅延δφを導出することにより(δφ=δφF1*λF1/λ)、λF1での光ファイバの行列を用いて、λでの光ファイバの行列を導出することができる。
第2変形形態に係る偏光測定も図3に示す装置を用いて実現でき、光ファイバの偏光測定のために2つの波長λF1、λF2が使われる。ここでλF1とλF2とは互いに異なり、第1波長λとも異なる。
従ってこの変形形態の光源は、第1および第2波長λ、λF2と異なる第3波長λF2の波も発することができる。以下の性質を持つ選択反射板40、例えばハイパススペクトルフィルタが適用される。すなわち選択波長板は、波長λF1<λ<λF2を選んだ場合、光ファイバ内を第2および第3波長λF1、λF2で伝搬した波を反射し、第1波長λで伝搬した波を透過させることができる。
この変形形態では、第2波長(λF1)での光ファイバに関するミュラー行列と、第3波長(λF2)での光ファイバに関するミュラー行列とを決定するために、例えば前述の手段を用いて、第2および第3波長λF1、λF2における光ファイバの偏光測定が行われる。波長λF1でのミュラー行列を測定することにより、位相遅延δφF1_mesを決定することができる。この位相遅延の測定値δφF1_mesは、モジュロ2πで真の位相遅延δφF1に等しい。言い換えれば、λF1において求められた位相遅延δφF1_mesは、mを整数として、δφF1=δφF1_mes+2mπの関係を満たす。同様に、波長λF2でのミュラー行列の測定により、位相遅延δφF2_mesを決定することができる。この位相遅延の測定値δφF2_mesは、モジュロ2πで真の位相遅延δφF2に等しい。すなわちλF2において求められた位相遅延δφF2_mesは、m’を整数として、δφF2=δφF2_mes+2m’πの関係を満たす。2つの波長λF1とλF2は近接しているため、比δφF1/δφF2は、一次のオーダまでは波長の逆比λF2/λF1に等しい。残余位相変化δφF1とδφF2を小さい値に保つ、すなわち整数mとm’を小さい値(典型的には5未満)に保つことにより、条件δφF1/δφF2=λF2/λF1を満足させる(m、m’)のペアを簡単に見つけることができる。これによりδφF1とδφF2の値を導出することができる。第2段階で、三数法(δφ=δφFi*λFi/λ(i=1または2))を用いて、波長λにおける位相遅延δφが計算される。従って、λにおける往路上と復路上の光ファイバのミュラー行列が導出され、前述の式5を用いて求めるべき試料の行列を決定することができる。
実際には現在の通常のシングルモードファイバの技術には、中性軸の方向が明確に定義できず、応力や温度などに従って中性軸の方向が変化し得るという欠点がある。ある変形形態では、好ましくは、入力端と出力端において中性軸の方向が既知でかつ不動の偏波保持光ファイバが使われる。しかしながら通常の偏波保持光ファイバの場合、導入される位相遅延が非常に大きい(典型的にはπ/mm)ことが知られている。これは図3に示す変形形態を実行する場合、問題となる可能性がある。
本出願人は、本発明に係る偏光測定の実行のために特に有利となるよう、シングルモード光ファイバを改良した。
以後この光ファイバを「遅延補償型偏波保持シングルモード光ファイバ」と呼ぶ。この光ファイバは、同一の偏波保持光ファイバからなる2つのセクションを備える。両セクションは長さが等しく、第1セクションの高速軸が第2セクションの低速軸に合致するよう互いに接続されている(例えば融着による)。この配列を用いて、すなわち交差偏光板の間にこの配列を置き、送信された場の消失を求めることにより、このファイバの中性軸の方向を出力側と入力側で容易に決定することができる。実際この状況では、入力偏光板の方向は、入力側におけるファイバの中性軸の1つが向く方向である。同様に、出力偏光板の方向は、出力側におけるファイバの中性軸の1つが向く方向である。従って、両セクションが正確に等しい長さを持ち、同じ状態(同じ曲げ、同じ温度等)にある場合は、遅延補償型偏波保持シングルモード光ファイバによって入射場の2成分の間に付加される位相遅延が、零か無視できるほど小さいことが期待できる。これは第2セクションが、第1セクションを正確に補償することによる。実際には、2つのセクションの間に存在するわずかな違い(すなわち、ファイバの長さ、および/または、状態、および/または、環境の違い)が原因で、遅延補償型偏波保持シングルモード光ファイバによって、ファイバの出力側の場の2成分の間に位相遅延が付加され、これが残余位相遅延となる可能性がある。本出願人は、ファイバの長さとは無関係に、この残余位相遅延を8π未満に、さらに4π未満にできることを明らかにした。その後、前述の方法を用いて第2波長λF1における光ファイバの測定(さらに前述の通り、2つの波長λF1、λF2における測定)を行うことにより、第1波長λでの光ファイバの行列を完全に決定し、従って試料のミュラー行列を導出することができる。さらに、このようなファイバのカイラル効果は小さい。
図4に、本発明に係る偏光測定方法を用いる第2の実施例に係る偏光測定装置200を示す。
装置200は、装置100の構成要素と同一の多数の構成要素を備えるが再掲しない。特に装置200は、PSG20、PSA50、シングルモード光ファイバ30および処理手段70を備える。
この変形形態の光源は、第1波長λの光を発する光源12(レーザダイオードなど)を1つだけ備え、これと同じ波長を検出する検出器(フォトダイオードなど)をPSAの出力端に備える。
図3に示される選択反射板に代えて、可動反射板(例えばMEMS型の切替可能な反射板)が使われる。この反射板は図4に示すように、ファイバの出力端に配置されたときはオンモードで、ファイバ端から離されたときはオフモードで動作することができる。
この変形形態では、波長λにおける光ファイバの測定と、同じ波長における光ファイバと試料とを含む集合体の測定とを交互に行うことができる。ファイバと、ファイバ/試料の集合体の測定が十分短い時間(典型的には10ms未満)で行われる限り、この方法は、簡単なシングルモード光ファイバ、あるいは通常の偏波保持シングルモード光ファイバを用いて実現することができる。言うまでもなくこの方法は、前述の遅延補償型偏波保持シングルモード光ファイバを用いて実現することもできる。
その後、ファイバのミュラー行列と、ファイバと試料とを含む集合体のミュラー行列とから、前述の方程式5を用いて試料のミュラー行列を決定することができる。
図5に、図3と4の装置の1つ、または他の装置に対して適用可能な変形形態を示す。
この変形形態では、近位側で焦点合わせ手段42の後に走査システム46が配置される。別の配置として、走査システム46が、ファイバ30と焦点合わせ手段42との間に置かれてもよい。この場合有利には、走査システム46の前に、ファイバ30から外側に向かうビームを較正する手段が置かれる。この走査システムにより、関心領域の画像を再構成するために試料を走査することができる。
本出願人はまた、試料の隣接点の組をマイクロ走査することにより、一点のみを測定した場合に生じ得る悪影響を排除できることを明らかにした。特に、試料上の焦点で測定されたミュラー行列の場合、より広い領域の解析から得られたものに比べ、より低い偏光解消率しか与えない。このより広い領域から生成される偏光解消率は、当該領域の様々な点において個別測定されたミュラー行列の組を平均することによって得られる。
図7から11に、本発明に係る方法により得られた実験結果の第1例を示す。
これらの第1結果は、図4のタイプの装置を用いて、十分に較正された「試験用」試料上で得られる。図6に、この検証のための実験装置を示す。使用されるすべての構成要素は図4に示すものと同じだが、試料Sは較正された解析対象物48と平面鏡49とで形成される。
図7に示す結果を与える実験の試料は、λ/8型波長板とその後の鏡とにより形成される。λ/8板は、光が一回通過すると、中性軸の間に45°の位相遅延を導入する。実験室基準系に対する中性軸の向きを変えるために、λ/8板は光の伝搬方向に対して垂直に置かれる。曲線C1は、任意の基準系に対するこの板の向き(0°と90°との間の値を取る)(実線)と、装置で測定された向きを表す(点)。曲線C2は、これらの向きの各々に関して、この板で測定された位相遅延とを表す。この90°の遅延は、解析対象物であるλ/8板を2回通過(往路と復路)することに伴う位相遅延の合計に相当する。
図8に示す結果を与える実験の試料は、バビネソレイユ補償板とその後の鏡とからなる。バビネソレイユ補償板は、光の通過に伴い、中性軸の間に既知の調整可能な位相遅延を導入する。曲線C3は、光の往復通過に伴う、バビネソレイユ補償板の設定で調整された直線位相遅延(実線)と、これに相当する位相遅延の測定値とを示す(点)。
図9Aに、平行表面を持つ板48とその後の鏡49からなる試料を示す。板の表面は、較正システム24から出た光ビームの入射面に垂直であり、その法線方向は角度αで傾斜している。この傾斜αは、ビームの方向に対して調整可能である。従ってこの板は純粋な直線ディアテニュエータ部品として振る舞い、そのディアテニュエーションは角度αにより調整可能である。図9Bは、光の往復に伴うこの平行表面を持つ板の直線ディアテニュエーションを、角度αの関数として算出したもの(実線)と、これに相当する直線ディアテニュエーションの測定値とを示す(点)。これらの各点に関し、円ディアテニュエーションと直線位相遅延の測定値は零であることも示される。
図10Aに、バビネソレイユ補償板47と、その後の平行表面を持つ板48および鏡49からなる試料を示す。平行表面を持つ板は、入射ビームに対して図9Aの場合と同じ方法で置かれる。この配置では板の法線が入射ビームに対して角度αで傾斜しており、これにより、光の往復に伴い35%の直線ディアテニュエーションが導入される。バビネソレイユ補償板は、その高速軸が板の回転軸との間で45°の角度をなすように、ビームに垂直な平面に向けられる。この配置を取ることにより、バビネソレイユ補償板を用いて、板を固定したまま、位相遅延を光の片道通過では0°から90°まで、すなわち往復通過では0°から180°まで調整することができる。
光の片道通過に伴い位相遅延γ(0°から90°までの値を取る)を導入するようにバビネソレイユ補償板を設定した場合、この補償板と平行表面を備える板との組み合わせは、光の往復通過に伴い、位相遅延2γと、直線および円ディアテニュエーションD、Dの組とを導入する構成要素として振る舞うことが、数値シミュレーションにより示される。ここで、ディアテニュエーションは
である。γ=0°のとき、ディアテニュエー
ションは純粋な直線ディアテニュエーションであり、D=D=35%となる。γ=90°のとき、ディアテニュエーションは純粋な円ディアテニュエーションであり、D=D=35%となる。図10Bの曲線C5、C6およびC7の実線はそれぞれ、図10Aの構成において、位相遅延、円ディアテニュエーションおよび直線ディアテニュエーションを計算したシミュレーション結果である。曲線C5、C6およびC7に相当する点は、それぞれの実験値である。
図11Aに、図10Aのものと同じ構成要素だが、順序を逆転した試料を示す。言い換えればこの試料は、平行表面を持つ板48とその後のバビネソレイユ補償板47および鏡49からなり、その他の設定はすべて図10Aと同じである。
光の片道通過に伴い位相遅延γ(0°から90°までの値を取る)を導入するようにバビネソレイユ補償板を設定した場合、この補償板と平行表面を備える板との組み合わせは、光の往復通過に伴い、位相遅延2γと、直線および円ディアテニュエーションD、Dの組とを導入する構成要素として振る舞うことが、数値シミュレーションにより示される。ここで、位相遅延γが0°から90°まで変化すると、直線ディアテニュエーションは35%から0%に減少し、円ディアテニュエーションは0%から17.5%に増加した後0%に減少する。図11Bの曲線C8、C9およびC10の実線はそれぞれ、図11Aの構成において、位相遅延、円ディアテニュエーションおよび直線ディアテニュエーションを計算したシミュレーション結果である。曲線C8、C9およびC10に相当する点は、それぞれの実験値である。
以上の実験結果は、本発明に係る偏光測定方法が実行可能であることと、試料の完全かつ正確な偏光情報、特に直線位相遅延、直線ディアテニュエーションおよび円ディアテニュエーションを得ることが可能であることを示す。
ここに記載した測定は、内視鏡検査による生体試料の偏光測定のみならず、接近困難な試料、例えば苛酷な環境下(放射線や強電場の存在、超高温あるいは超低温など)における絶縁体や導電体の測定などにも適用可能である。
以上、数々の実施例を詳細に説明したが、本発明に係る偏光測定方法および装置は、その他の変形、改良および改善を含む。これらの変形、改良および改善も、本出願の特許請求の範囲に規定される発明の範囲を形成することは、当業者にとって明らかだろう。

Claims (14)

  1. 少なくとも1つの第1波長(λ)を持つ入射光波の少なくとも1つの光源(10)と、
    内部を入射光波が伝搬するためのシングルモード光ファイバ(30)と、
    前記光ファイバの近位側に配置され、プローブ状態と呼ばれる入射光波の偏光状態を所与の数生成することができる偏光状態生成器(PSG)と、
    前記光ファイバの遠位側に配置されるための反射板(40、44)と、
    前記光ファイバの近位側に配置される偏光状態解析器(PSA)と、
    処理手段(70)とを備え、
    前記偏光状態解析器(PSA)は、入射波の各プローブ状態に関し、入射波が前記光ファイバ(30)中を伝搬し、前記光ファイバの遠位側で反射し、前記光ファイバ(30)中を逆向きに伝搬した後に得られる光波の偏光状態を解析することができ、
    前記処理手段(70)は、前記光ファイバの第1偏光測定から、第1波長での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))を決定することができ、
    前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))は、各プローブ状態の解析と、前記光ファイバの遠位側の前記反射板で反射し、前記光ファイバ(30)中を後方に伝搬した少なくとも1つの光波の偏光の解析とによって得られ、
    前記処理手段(70)は、前記光ファイバと試料とを含む集合体の第2偏光測定から、第1波長での前記集合体に関するミュラー行列(M)を決定することができ、
    前記集合体に関するミュラー行列(M)は、各プローブ状態に関し、遠位側の試料によって戻され、前記光ファイバ(30)中を後方に伝搬した波を解析することによって得られ、
    前記処理手段(70)は、前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))と、前記光ファイバと試料とを含む集合体に関するミュラー行列(M)とから、第1波長での試料に関するミュラー行列(M)を決定することができる、試料(S)の遠隔偏光測定装置(100、200)。
  2. 前記光源は、第1波長(λ)の波と、第1波長と異なる第2波長(λF1)の波とを発することができ、
    前記反射板は、第2波長(λF1)における前記光ファイバの偏光測定のため、前記光ファイバ中を第2波長(λF1)で伝搬した波を反射することができ、
    第1波長(λ)における前記光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のため、前記光ファイバ中を第1波長(λ)で伝搬した波を透過させることができるスペクトル反射板であり、
    前記処理手段は、第2波長(λF1)における前記光ファイバの偏光測定から、第2波長(λF1)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF1))を決定することができ、
    前記処理手段は、前記第2波長(λF1)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF1))から、第1波長(λ)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))を決定することができる、請求項1に記載の偏光測定装置。
  3. 前記光源は、第1および第2波長と異なる第3波長(λF2)の波も発することができ、
    前記スペクトル反射板は、第2および第3波長(λF1、λF2)における前記光ファイバの偏光測定のため、前記光ファイバ中を第2および第3波長(λF1、λF2)で伝搬した波を反射することができ、
    前記処理手段は、第2波長(λF1)における前記光ファイバの偏光測定から、第2波長(λF1)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF1))を決定することができ、
    前記処理手段は、第3波長(λF2)における前記光ファイバの偏光測定から、第3波長(λF2)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF2))を決定することができ、
    前記処理手段は、前記第2波長(λF1)および第3波長(λF2)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF1)、M(λF2))から、第1波長(λ)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))を決定することができる、請求項2に記載の偏光測定装置。
  4. 前記反射板は、反射位置と透過位置との間で切替可能で、
    前記光ファイバの偏光測定のため、反射位置において、前記光ファイバ中を第1波長で伝搬した波を反射することができ、
    前記光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のため、透過位置において、前記光ファイバ中を第1波長で伝搬した波を試料で反射させることができる、請求項1に記載の偏光測定装置。
  5. 前記シングルモード光ファイバ(30)は偏波保持光ファイバである、先行する請求項のいずれか一項に記載の偏光測定装置。
  6. 前記シングルモード光ファイバは、偏波保持シングルモード光ファイバの第1セクションと、偏波保持シングルモード光ファイバの第2セクションとを備え、
    前記第1セクションと第2セクションは長さが同じであり、
    前記第1セクションと第2セクションとは、前記第1セクションの高速軸と前記第2セクションの低速軸とが合致するように互いに接続されている、そしてその逆の、請求項5に記載の装置。
  7. 試料の点領域を偏光測定するため、前記光ファイバの遠位側に第1波長の波の焦点合わせ手段(42)をさらに備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の偏光測定装置。
  8. 試料の点領域を偏光測定するため、前記光ファイバの遠位側に走査手段(46)をさらに備える、請求項7に記載の装置。
  9. 少なくとも1つの第1波長(λ )を持つ入射光波の少なくとも1つの光源(10)と、
    内部を入射光波が伝搬するためのシングルモード光ファイバ(30)と、
    前記光ファイバの近位側に配置され、プローブ状態と呼ばれる入射光波の偏光状態を所与の数生成することができる偏光状態生成器(PSG)と、
    前記光ファイバの遠位側に配置されるための反射板(40、44)と、
    前記光ファイバの近位側に配置される偏光状態解析器(PSA)と、
    処理手段(70)と、
    を備える遠隔偏光測定装置の作動方法において、
    前記光源(10)が、前記シングルモード光ファイバ(30)中を伝搬するための少なくとも1つの第1波長(λ)を持つ入射光波を発するステップと、
    前記遠隔偏光測定装置が、第1波長において、前記光ファイバの偏光測定を行うステップと、
    前記遠隔偏光測定装置が、第1波長において、前記光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定を行うステップと、
    前記処理手段(70)が、前記光ファイバに関するミュラー行列と、前記光ファイバと試料とを含む集合体に関するミュラー行列とから、試料に関するミュラー行列(M)を決定するステップとを備え、
    前記光ファイバの偏光測定を行うステップは、
    前記偏光状態生成器(PSG)による、入射光の所与の数の偏光状態(プローブ状態)の生成と、
    入射波の各プローブ状態に関し、前記偏光状態解析器(PSA)による、入射波が前記光ファイバ(30)内を伝搬し、前記反射板(40、44)で反射し、前記光ファイバ(30)内を後方に伝播した後に得られる光波の偏光の解析と、
    第1波長での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))の決定とを含み、
    前記光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定を行うステップは、
    各プローブ偏光状態に関し、前記偏光状態生成器(PSG)と前記偏光状態解析器(PSA)とを用いた、前記ファイバの遠位側の試料によって戻され、前記光ファイバ(30)内を逆向きに伝搬した波の解析と、
    第1波長での前記集合体に関するミュラー行列(M)の決定とを含む、遠隔偏光測定装置の作動方法。
  10. 前記光源は、第1波長(λ )の波と、第1波長と異なる第2波長(λ F1 )の波とを発することができ、
    前記光源が、第1波長(λ)と異なる第2波長(λF1)の光波を発するステップを備え、
    前記反射板は、第2波長(λF1)における前記光ファイバの偏光測定のため、前記光ファイバ中を第2波長(λF1)で伝搬した波を反射することができ、
    第1波長(λ)における前記光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のため、前記光ファイバ中を第1波長(λ)で伝搬した波を透過させることができる、スペクトル反射板であり、
    第1波長での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))の決定は、
    第2波長(λF1)における前記光ファイバの偏光測定による、第2波長(λF1)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF1))の決定と、
    第2波長(λF1)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF1))による、第1波長(λ)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))の決定とを含む、請求項9に記載の方法
  11. 前記光源は、第1および第2波長と異なる第3波長(λ F2 )の波も発することができ、
    前記光源が、第1および第2波長と異なる第3波長(λF2)の波を発するステップを備え、
    前記スペクトル反射板は、第2および第3波長(λF1、λF2)における前記光ファイバの偏光測定のため、前記光ファイバ中を第2および第3波長(λF1、λF2)で伝搬した波を反射することができ、
    第1波長での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))の決定は、
    第2波長(λF1)における前記光ファイバの偏光測定からの、第2波長(λF1)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF1))の決定と、
    第3波長(λF2)における前記光ファイバの偏光測定からの、第3波長(λF2)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λF2))の決定と、
    第2波長(λF1)および第3波長(λF2)での前記光ファイバに関するミュラー行列からの、第1波長(λ)での前記光ファイバに関するミュラー行列(M(λ))の決定とを含む、請求項10に記載の方法
  12. 前記反射板は、反射位置と透過位置との間で切替可能で、
    第1波長における前記光ファイバの偏光測定のため、反射位置において、前記光ファイバ中を第1波長で伝搬した波を反射することができ、
    前記光ファイバと試料とを含む集合体の偏光測定のため、透過位置において、前記光ファイバ中を第1波長で伝搬した波を試料で反射させることができる、請求項9に記載の方法
  13. 前記遠隔偏光測定装置は、試料の点領域を偏光測定するため、前記光ファイバの遠位側に第1波長の波の焦点合わせ手段(42)をさらに備え、
    前記焦点合わせ手段(42)が、第1波長の波の焦点合わせをするステップをさらに備える、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記遠隔偏光測定装置は、試料の点領域を偏光測定するため、前記光ファイバの遠位側に走査手段(46)をさらに備え、
    前記走査手段(46)、焦点合わせされた光波を走査するステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
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