JP6598801B2 - 気管用チューブ - Google Patents
気管用チューブ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6598801B2 JP6598801B2 JP2016570603A JP2016570603A JP6598801B2 JP 6598801 B2 JP6598801 B2 JP 6598801B2 JP 2016570603 A JP2016570603 A JP 2016570603A JP 2016570603 A JP2016570603 A JP 2016570603A JP 6598801 B2 JP6598801 B2 JP 6598801B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- microstructure
- tube body
- micro
- tracheal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M16/00—Devices for influencing the respiratory system of patients by gas treatment, e.g. mouth-to-mouth respiration; Tracheal tubes
- A61M16/04—Tracheal tubes
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Pulmonology (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Anesthesiology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Emergency Medicine (AREA)
- Hematology (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
- Prostheses (AREA)
Description
そのため、痰が付着しにくい気管用チューブが求められている。
そこで、本発明は、痰が付着しにくい気管用チューブを提供することを課題とする。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
チューブ体の呼吸路を形成する内面の少なくとも一部にマイクロ構造領域が設けられ、
マイクロ構造領域は、複数のマイクロ特徴部が配置されたマイクロ構造表面を有する、気管用チューブ。
(2)マイクロ構造領域には、押出成型、射出成型、切削加工、レーザー加工、芯棒を用いた表面加工、粒子コーティング、ナノインプリント、溶剤処理、プラズマスパッタ、ナノワイヤ配列の堆積およびこれらの組合せからなる群から選択される方法を用いて形成されたマイクロ特徴部が配置されている、(1)に記載の気管用チューブ。
(3)マイクロ構造領域には、少なくとも一部分が屈曲、湾曲、圧縮、伸長、膨張および/または歪曲した形状である可撓性を有する基板であって、複数のマイクロ特徴部が配置されたマイクロ構造表面を有する基板が、マイクロ構造表面を呼吸路に露出するようにチューブ体の呼吸路を形成する内面に配置されている、(1)に記載の気管用チューブ。
(4)マイクロ構造表面が撥痰性表面である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
(5)マイクロ特徴部の寸法が、10nm〜1000μmの範囲から選択される、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
(6)マイクロ特徴部間のピッチが、10nm〜1000μmの範囲から選択される、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
(7)複数のマイクロ特徴部が、第1組の寸法を有する第1組のマイクロ特徴部、および第2組の寸法を有する第2組のマイクロ特徴部を備え、第1組の寸法が第2組の寸法とは異なる、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
(8)第1組の寸法が10nm〜1μmの範囲から選択され、第2組の寸法が1μm〜100μmの範囲から選択される、(7)に記載の気管用チューブ。
(9)複数のマイクロ特徴部上に被覆をさらに備える、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
(10)被覆が1〜100nmの範囲から選択されるサイズを有する粒子を含む、(9)に記載の気管用チューブ。
(11)チューブ体が、先端部と基端部との間に、湾曲部を有する、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
(12)気管切開チューブである、(11)に記載の気管用チューブ。
(13)気管内チューブである、(11)に記載の気管用チューブ。
(14)複管式気管切開チューブである、(11)に記載の気管用チューブ。
(15)複管式気管切開チューブの内管である、(11)に記載の気管用チューブ。
(16)輪状甲状膜の穿刺孔または切開孔を介して気管に挿入可能な気管カニューレである、(11)に記載の気管用チューブ。
(17)輪状甲状膜に穿刺可能な気管カニューレである、(16)に記載の気管用チューブ。
(18)小気管切開チューブである、(16)または(17)に記載の気管用チューブ。
(19)湾曲部が先端部の中心軸と基端部の中心軸とがなす角を±45°の範囲内で変化させることができる、(11)〜(18)のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
(20)チューブ体の中心軸に直交する断面図において、基端部、先端部および湾曲部のそれぞれにおけるチューブ体の中心を通る平面を平面P、平面Pがチューブ体の湾曲部の湾曲の外側に位置するチューブ壁の内面と交差する交点を交点B、交点Bにおいて平面Pに直交する基準線を基準線S、チューブ体102の内周面に接する接線を接線T、ならびに接線Tが基準線Sとなす角を角φとするとき、角φが30°以上となるチューブ体の内周面上の位置に皮膜が配置されている、(11)〜(19)のいずれか1項に記載の気管用チューブ。ただし、角φは、基準線Sと接線Tとがなす鋭角または直角である。
また、本発明の気管用チューブを使用することにより、気管用チューブに付着した痰を吸引除去する頻度を低減することができるので、患者および介護者の負担を軽減することができる。
本明細書で使用する用語および語句は、当技術分野で認められた意味を有し、これは、標準的な文書、雑誌参考文献および当業者に知られた文脈を参照することで理解できる。本発明の文脈において特定の使用を明確にするために以下の定義を提示する。
「痰」は、粘液の一種で、気管等の粘膜から分泌されるスライミーな性質を示す粘性流体であって、程度の差はあるものの、曳糸性(突っ込んだ棒を引き上げたときに、糸を引く性質)および粘弾性(ゴムのように、一部をつかんで持ち上げると伸びて、離すと元の形状に戻り、一定以上伸ばすと切れる性質)を有するものである。痰の主成分としては、水とムチン等の糖タンパク質とが挙げられる。
「撥痰性」は、痰を撥ねる性質をいう。痰を撥ねる結果、気管用チューブ内部(チューブ体の内周面)に痰が付着しにくくなる。また、痰の糸曳き性を抑制することができる。また、撥痰性表面とは、傾斜角を30°とし、そこに痰を100μLずつ滴下した際に、痰が移動する表面をいう。
「超疎水性」は、液体、例えば水が、材料の表面をあまり濡らさない材料特性を指す。特定の実施形態では、超疎水性は、液体接触角が120°を超える、例えば130°を超える、140°を超える、150°を超える、160°を超える、または170°を超える材料特性を指す。
「独立型」は、別の物品に、例えば、表面または基板に取り付けられていない物品を指す。特定の実施形態では、独立型のフィルムは、複数の層、例えば、屈曲性ポリマー層および接着層を含む。
「単体」、「単一部材」および「モノリシック」は、同一材料の単一の部材からなる物品または要素を指す。
「マイクロ特徴部」および「マイクロ構造」は、平均の幅、深さ、長さおよび/または厚さが、100μm以下、または、10nm〜100μmの範囲から選択される、物品表面上の特徴部を指す。
「予め選択したパターン」は、整理、デザイン、または設計された物品の構成を指す。例えば、予め選択したパターンのマイクロ構造は、順序つき配列のマイクロ特徴部を指すことができる。一実施形態では、予め選択したパターンは、ランダムおよび/または統計的なパターンではない。
「ピッチ」は物品間の間隔を指す。ピッチは、複数の物品間の平均間隔、物品の中心間および/または縁部間の間隔、ならびに/あるいは物品の特定部分、例えば、物品の先端、点、および/または端部の間の間隔を指すことができる。
「濡れ性」は、液体に対する表面の親和性を指す。「親水性」は、液体に対する表面の引力の程度を指す。「疎水性」は、液体に対する表面の斥力の程度を指す。いくつかの実施形態では、表面の濡れ性、親水性、および/または疎水性は、表面上の液体接触角を基準として言及される。用語「濡れ性」、「親水性」、および「液体親和性」は、本明細書では互いに同義で用いられて、90°未満の液体と表面との接触角を指す。用語「非濡れ性」、「疎水性」、および「液体非親和性」は、本明細書では互いに同義で用いられて、90°超の液体と表面との接触角を指す。いくつかの実施形態の場合には、表面の親和性は、様々な液体ごとに異なり、これらの実施形態では、基準とする液体に応じて表面を同時に液体非親和性および液体親和性にすることができる。
「接触角」は、液体と気体との境界面が固体と接する角度を指す。
「可撓性」は、変形したときに、例えば、物品が破断、破損、または非弾性的な変形を特徴とする損傷をしないように、可逆的に変形する物品の能力を指す。
本発明の気管用チューブは、気管内の肺側に設けられた先端部、先端部と反対側に設けられた基端部、および、基端部から先端部にかけて貫通する呼吸路を有する材料からなるチューブ体を備える、気管用チューブにおいて、チューブ体の呼吸路を形成する内面の少なくとも一部にマイクロ構造領域が設けられ、マイクロ構造領域は、複数のマイクロ特徴部が配置されたマイクロ構造表面を有することを特徴とする。
マイクロ構造領域は、本発明の気管用チューブが備えるチューブ体の呼吸路を形成する内面の少なくとも一部に設けられる。さらに、マイクロ構造領域は、複数のマイクロ特徴部が配置されたマイクロ構造表面を有する。
以下、マイクロ構造表面およびマイクロ特徴部について詳細に説明する。
図2に、マイクロ構造表面を作製するための例示的な一実施形態を示す。
図2に示すフローダイヤグラムは、感光性ポリマーまたは光もしくは粒子に敏感なレジスト22を上部に備えた基板(基材)21で開始する。ステンシルマスク23を通してレジスト22に光24を当てることによって、そのレジストにマイクロ特徴部25を形成することができる。他の実施形態では、これらのマイクロ特徴部またはナノ特徴部を形成するために、他の種類の電磁波、エネルギービーム、または粒子が使用される。
この段階では、形成されたマイクロ特徴部25の凹所26を有するレジスト22をモールド型として使用する。基板(基材)21を(例えば、化学エッチングで)処理して、マイクロ特徴部25を修正することもできる。いくつかの実施形態の場合には、その表面を薬剤で被覆して、後続のモールド成形ステップを容易にするかまたは改善する。
未硬化のポリマー27をマイクロ特徴部25にモールド成形し、熱、時間、紫外線、または他の硬化法によって硬化させる。硬化したポリマー28を基板(基材)−レジストモールド型から取り外すときに、そのモールド型による特徴部が、硬化したポリマー28に転写される。
複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板(基材)を備える表面の、撥痰性、超疎水性および/または濡れ性を制御する方法を説明する。この方法は、(i)複数のマイクロ特徴部が設けられた可撓性を有する基板(基材)を用意するステップと、(ii)可撓性を有する基板(基材)を変形し、それにより、表面の撥痰性、超疎水性および/または濡れ性を制御するステップとを含む。可撓性を有する基板(基材)を変形するステップは、可撓性を有する基板(基材)を湾曲、可撓性を有する基板(基材)を屈曲、可撓性を有する基板(基材)を膨張、可撓性を有する基板(基材)を伸長、および/または可撓性を有する基板(基材)を圧縮することによって実現することができる。一実施形態では、可撓性を有する基板(基材)を変形するステップは、マイクロ特徴部の少なくとも一部分の間のピッチを、例えば、10nm〜1000μmの範囲から選択される値だけ、任意選択で、100nm〜100μmの範囲から選択される値だけ増減することによって、選択的に変更する。
ポリマーとしては、限定されるものではないが、例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、PMMA(ポリメチルメタクリラート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリウレタン、テフロン(登録商標)、ポリアクリラート、ポリアリレート、熱可塑性物質、熱可塑性エラストマー、フルオロポリマー、生分解性ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニル、ポリオレフィン、シリコーン、天然ゴム、合成ゴム、これらのうちの2種類以上の組み合わせが挙げられる。
金属は、モールド成形可能、キャスト成形可能、エンボス加工可能、および/またはスタンピング可能な任意の金属または合金であれば、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ビスマス、ビスマス合金、スズ、スズ合金、鉛、鉛合金、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金、インジウム、インジウム合金、金、金合金、銀、銀合金、銅、銅合金、真鍮、ニッケル、ニッケル合金、白金、白金合金、パラジウム、パラジウム合金、亜鉛、亜鉛合金、カドミウム、カドミウム合金などが挙げられる。
ポリマーとしては、例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、PMMA(ポリメチルメタクリラート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリウレタン、テフロン(登録商標)、ポリアクリラート、ポリアリレートw、熱可塑性物質、熱可塑性エラストマー、フルオロポリマー、生分解性ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニル、ポリオレフィン、シリコーン、天然ゴム、合成ゴム、これらのうちの2種類以上の組み合わせが挙げられる。
この方法では、可撓性を有する基板(基材)は変形するので、隣接するマイクロ特徴部間のピッチが変化する。可撓性を有する基板(基材)を変形する方法としては、特に限定されるわけではないが、基板(基材)を伸長すること、湾曲した形状を採り入れるように基板(基材)を強制すること、および基板(基材)を屈曲することを含む。表面の濡れ性は、可撓性を有する基板(基材)を変形するにつれて上昇する場合と、低下する場合と、変化しない場合とがある。
まず、本発明の気管用チューブの第1の実施形態について、図3および図4を参照して説明する。図3および図4に示す気管用チューブは、いわゆる気管切開チューブである。
図3に示す気管切開チューブ101は、患者の呼吸管理を行うための器具であり、気管を切開して形成された切開孔から気管7に直接挿入された状態で使用される。気管切開チューブ101は、気管切開チューブ101の主要部を構成するチューブ体102と、チューブ体102を患者に対して固定するための固定部127とから構成される。
チューブ体102は、両端が開口し、かつ、長さ方向に沿って均一な外径および内径を有する筒形状に形成される。チューブ体102の内部には、チューブ体102の長さ方向に沿って呼気が通る空間である呼吸路102aが形成されている。
チューブ体102は、先端部122と、先端部122と反対側に配置される基端部121と、基端部121と先端部122との間に位置する湾曲部123を有する。湾曲部123は先端部122の中心軸と基端部121の中心軸が角度θで交差するように湾曲しており、この第1の実施形態では、チューブ体102は略L字状に形成される。つまり、角度θは約90°である。
なお、チューブ体102は、患者の体位の変化等に合わせて上記θが90°から±約45°の範囲内で変化しうる程度の可撓性を有する。上記θがこの範囲内で変化しても、マイクロ構造領域150は、チューブ体102から剥離したり、脱落したりはしない。
チューブ体102の材質としては、例えば、シリコーン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂を挙げることができる。
固定板128は、平板状の部材で、中央部に、固定板128を貫通する収納孔131が形成されている。そして、固定板128の表面には、接着部129が取り付けられ、固定板128の裏面は、患者の皮膚5に当接される。
接着部129は、チューブ体102を固定部127に接着するもので、中央に略円形の貫通孔130が形成されたリング形状を有している。接着部129の貫通孔130は、固定板128の収納孔131と連通しており、貫通孔130の大きさは、チューブ体102の外径に合わせて設定される。
このような固定板128の収納孔131および接着部129の貫通孔130に、チューブ体102が貫通され、例えば、接着剤により固定される。
図3で示すように、気管切開チューブ101を装着される患者は通常仰向きで寝ているため、痰などの異物は重力方向である背側に溜まりやすい。つまり、図4(D)中の下側に痰が溜まりやすい。
そこで、チューブ体102の基端部121側から吸引カテーテル601をチューブ体102に挿入し、吸引カテーテル601の先端をチューブ体102の内面上に沿わせながら先端部122付近まで進めて、痰Zを吸引する。
上述した図3および図4の気管切開チューブ101の形態では、マイクロ構造領域150はチューブ体102の内周面の全周にわたって存在しているが、この形態には限定されず、例えば、図5(A)〜(C)に示すように、チューブ体102の内周面上の一部のみに存在してもよい。
図5(A)〜(C)は第1の実施形態の変形例にかかる気管切開チューブ201を示し、上述した図3および図4に示す第1の実施形態の気管切開チューブ101との相違点は、マイクロ構造領域150の存在する位置が挙げられる。なお、図5(B)および(C)は、図5(A)に示すB−B線に沿って切断した断面図である。
気管切開チューブ201では、チューブ体102の中心軸に直交する断面図において、基端部121と先端部122と湾曲部123におけるそれぞれのチューブ体102の中心Jを通る平面Pがチューブ体102の湾曲部123の湾曲の外側に位置するチューブ壁の内面と交差する交点Kと、平面Pがチューブ体102の湾曲部123の湾曲の内側に位置するチューブ壁の内面と交差する交点Lと、交点Kにおいて平面Pに直交する基準線Sと、チューブ体102の内周面に接する接線Tと、接線Tと内周面との接点Mとを想定した場合に、接線Tが基準線Sとなす角φが30°以上となるチューブ体102の内周面上の位置にマイクロ構造領域150が存在している。ただし、角φは、接点Mが交点Lまたは交点Kと一致するとき、すなわち接線Tが基準線Sに一致するときまたは平行であるとき、φ=0°とし、接点Mが交点Kおよび交点Lのいずれとも一致しないとき、すなわち基準線Sと接線Tとが一致せず、平行でもないときは、基準線Sと接線Tとがなす鋭角または直角を意図する。
上記のような位置にマイクロ構造領域150を有する気管切開チューブ201を、図3で示すように仰向けに寝ている患者に挿入した場合、マイクロ構造領域150上に付着した痰は、その作用(撥痰性)によってチューブ体102内の患者の背中側(図5(B)および(C)中の下側)に移動して、溜まりやすい。一般的に、図4(D)で述べた吸引カテーテルの先端部は、チューブ体102の内周面のうち図5(B)および(C)での下側の位置には到達しやすいが、図5(B)および(C)中の左右側の位置(マイクロ構造領域150が配置される位置)には到達しにくい。そのため、上記のような位置にマイクロ構造領域150が配置されていれば、その上に痰が付着しても吸引カテーテルで吸引できる位置まで痰が移動しやすく、結果としてチューブ体内部の痰の堆積が抑制される。
本発明の気管用チューブの第2の実施形態について、図6を参照して説明する。図6に示す気管用チューブは、いわゆる気管切開チューブである。
図6に示す第2の実施形態の気管切開チューブ301と、上述した図4に示す第1の実施形態の気管切開チューブ101との相違点は、主に、気管切開チューブ301がカフ106およびカフ調整部108を有する点が挙げられる。そこで、以下では、主にカフ106およびカフ調整部108など気管切開チューブ101と異なる点について説明し、気管切開チューブ101と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
なお、固定板128の中央部には、収納孔231が形成されている。また、接着部129は、略円形の貫通孔130と、外周から貫通孔130に向かって形成された溝部を有している。この貫通孔130は、収納孔231と連通している。収納孔231には、チューブ体102と、空気注入用チューブ125とが貫通する。つまり、空気注入用チューブ125は、接着部129の溝部と固定板128の収納孔131を貫通する。そして、図6(B)に示すように、空気注入用チューブ125は、チューブ体102の湾曲部123における湾曲の内側に沿って配置され、チューブ体102の外周面102cに固定される。
カフ106がチューブ体102と気管7との間に形成される隙間を塞ぐことで、人工呼吸器から送られた酸素が喉頭側に漏れることを防止するとともに、喉頭側から流れてきた唾液等が肺側に入りこむことを防止することができる。
上記図6(B)においては、空気注入用チューブ125がチューブ体102の外周面102cに固定される形態について述べたが、この形態には限定されず、例えば、図6(C)に示すように、空気注入用チューブ125の代わりに、チューブ体302のチューブ壁内に空気注入用ルーメン125aを設けて、パイロットバルーン126からカフ106に空気を送り込んでもよい。
本発明の気管用チューブの第3の実施形態について、図7を参照して、説明する。図7に示す気管用チューブは、いわゆる気管切開チューブである。
図7に示す第3の実施形態の気管切開チューブ401と、上述した図6に示す第2の実施形態の気管切開チューブ301との相違点は、主に、気管切開チューブ401がカフ側吸引部138を有する点が挙げられる。そこで、以下では、主にカフ側吸引部138など気管切開チューブ301と異なる点について説明し、気管切開チューブ301と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
なお、固定板128の中央部には、収納孔331が形成されている。カフ側吸引チューブ140は、空気注入用チューブ125と同様に、接着部129の溝部および固定板128の収納孔331を貫通する。そして、図7(B)に示すように、カフ側吸引チューブ140は、チューブ体102の湾曲部123における湾曲の外側に沿って配置され、チューブ体102の外周面102cに固定される。
また、カフ106よりも肺側に付着した痰などの異物を吸引するために、さらに吸引ラインおよび関連する構成を付加してもよい。
上記図7(B)においては、空気注入用チューブ125およびカフ側吸引チューブ140がチューブ体102の外周面102cに固定される形態について述べたが、この形態には限定されず、例えば、図7(C)に示すように、空気注入用チューブ125の代わりにチューブ体402のチューブ壁内に空気注入用ルーメン125bを設けると共に、カフ側吸引チューブ140の代わりにチューブ体402のチューブ壁内にカフ側吸引用ルーメン140bを設けてもよい。
本発明の第4の実施形態について、図8を参照して説明する。図8に示す気管用チューブは、いわゆる気管切開チューブであるが、複管式気管切開チューブまたは内筒付き気管切開チューブなどと呼ばれ、気管切開術後の気道確保目的に使用する気管切開チューブ本体と、チューブ内の分泌物除去および内腔の開存性を高めるために使用するインナーカニューラを組み合わせたものであり、インナーカニューラ(以下「内筒」という場合がある。)を気管切開チューブ本体(以下「外筒」という場合がある。)に挿入して使用する。
以下、複管式気管切開チューブ701を構成する各部材について詳述する。
チューブ体102は、先端部122と、先端部122と反対側に配置される基端部121とを有し、所望により、基端部121と先端部122との間に位置する湾曲部123を有していてもよい。
チューブ体102は可撓性を有する材料で構成され、チューブ体702に沿って変形することが好ましい。
チューブ体102が湾曲部123を有する場合は、先端部122の中心軸と基端部121の中心軸が角度θで交差するように湾曲し、チューブ体102は略L字状に形成されてもよい。図8(A)に示すチューブ体102においては、角度θは約90°である。
チューブ体102の材質としては、例えば、シリコーン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂を挙げることができる。
チューブ体702は、先端部722と、先端部722と反対側に配置される基端部721と、基端部721と先端部722との間に位置する湾曲部723を有する。湾曲部723は先端部722の中心軸と基端部721の中心軸が角度θで交差するように湾曲しており、この第4の実施形態では、チューブ体702は略L字状に形成される。つまり、角度θは約90°である。
なお、チューブ体702は、患者の体位の変化等に合わせて上記θが約90°から±約45°までの範囲内で変化しうる程度の可撓性を有する。
チューブ体702の材質としては、例えば、シリコーン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂を挙げることができる。
なお、チューブ体702の内管挿入用ルーメンを形成する内面にはマイクロ構造領域150と同様の構成を備えるマイクロ構造領域が配置されていてもよい。
固定板728は、平板状の部材で、中央部に、固定板728を貫通する収納孔731が形成されている。そして、固定板728の表面には、接着部729が取り付けられ、固定板728の裏面は、患者の皮膚5に当接される。
接着部729は、チューブ体702を固定部727に接着するもので、中央に略円形の貫通孔730が形成されたリング形状を有している。接着部729の貫通孔730は、固定板728の収納孔731と連通しており、貫通孔730の大きさは、チューブ体702の外径に合わせて設定される。
このような固定板728の収納孔731および接着部729の貫通孔730に、チューブ体702が貫通され、例えば、接着剤により固定される。
本発明の気管用チューブの第5の実施形態について、図9および図10を参照して、説明する。図9および図10に示す気管用チューブは、いわゆる気管内チューブである。
図9および図10に示す気管内チューブ501は、患者の呼吸管理を行うための器具であり、患者の口から気管7に挿入される。気管内チューブ501は、チューブ体202と、カフ206と、空気注入用チューブ225とから構成される。
チューブ体202は、可撓性を有する材料で構成されており、麻酔ガス、酸素ガス等を導入するための先端部222から基端部221まで貫通した呼吸路202aを有している。チューブ体202の先端部222は、体内への挿入を容易なものとするために、滑らかなベベル状に形成されている。また、基端部221には、呼吸回路に接続するためのコネクタ212が取り付けられている。
また、この空気注入用ルーメン225bは、カフ206内のチューブ体202のチューブ壁の外面に形成されたカフ側開口部225aを介して、カフ206の内部空間と連通している。
このカフ206は、予めチューブ体202の外径よりも大きな内径を有する筒形状に成形された膜を空気注入用ルーメン225bのカフ側開口部225aを覆うようにしてチューブ体202の外周にかぶせ、その両端をチューブ体202の外周面に対し、接着剤、溶剤により接着するか、または熱、高周波等により融着することにより、気密的に固着して取り付けられる。
本発明の気管用チューブの第6の実施形態について、図11を参照して、説明する。図11に示す気管用チューブは、小気管切開チューブ、経皮的気管穿刺チューブ、輪状甲状膜穿刺用気管カニューレ、輪状甲状膜切開用気管カニューレなどとも呼ばれるものである。
図11に示す気管カニューレ801は、緊急に呼吸管理を必要とする患者の呼吸管理を行うための器具であり、患者の輪状甲状膜に穿刺して気管7に挿入される。気管カニューレ801は、チューブ体102と、固定部127とから構成される。気管カニューレ801のチューブ体102は、挿入した内針とセットにして輪状甲状膜を穿刺することから、外針ともいわれる。
本発明の気管用チューブの第7の実施形態について、図12を参照して説明する。図12に示す気管用チューブは、輪状甲状膜穿刺用気管カニューレ、輪状甲状膜切開用気管カニューレなどとも呼ばれるものである。
図12に示す気管カニューレ901は、気管もしくは気管支の内部に貯留した分泌液の吸引除去を目的として、首部前面から気管の内部へ通じる吸引通路を確保するために使用する気管分泌物吸引、または緊急時の救急蘇生を目的として、首部前面から気管の内部へ通じる呼吸気道を確保するために使用する緊急気道確保のために使用する器具であり、患者の輪状甲状膜の穿刺孔または切開孔を通じて気管7に挿入される。気管カニューレ901は、チューブ体102と固定部127(特に、フランジ部ともいう。)とから構成される。
この実施例では、マイクロ加工およびナノ加工によって撥痰性・超疎水性が与えられた、可撓性を有する表面を説明する。用語、撥痰性は表面が痰をはじく性質を指し、超疎水性は、表面が極端に水をはじく性質を指す。一部の研究は湾曲していないマイクロ構造の撥痰性・超疎水性表面を示し、他の研究は読者に剛性のある湾曲したマイクロ構造の撥痰性・超疎水性表面の作製法を教示してきたが、湾曲を伴う可撓性とマイクロ構造の撥痰性・超疎水性表面とを組み合わせた研究はない。
図13に、マイクロスケールおよびナノスケールの粗さを用いて植物表面の水滴の形状および挙動を変更する、ハス植物の表面の顕微鏡写真の画像を示す(Barthlott, W. and Neinhuism, C.、「The purity of sacred lotus or escape from contamination in biological surfaces」、Planta、1997年4月、第202巻、第1号、p.1〜8、doi:10.1007/s004250050096W)。ハスの葉の表面はマイクロスケールおよびナノスケールの粗さにより、表面上の水滴の形状および挙動を変更する。水とこれらの表面との間の摩擦が大幅に低下し、水滴が簡単に表面から転がり落ちる。このため、ハス植物の表面は、水滴が表面をあまり濡らさず表面上を簡単に転がり落ちる超疎水性を呈する。
図14は、標準的なマイクロ加工技法により、マイクロスケールおよびナノスケール表面を粗面仕上げすることができることを示す。表面の粗さにより、その表面が液体と相互作用する方式が変化する。マイクロ加工ツールは、マイクロスケールおよびナノスケールの表面を粗面仕上げして、ハス植物と同様にして疎水性を高めることができ、さらには撥痰性を高めることもできる。疎水性表面は、元の接触角θが90°を超える表面である。表面が疎水性の場合は、粗面仕上げされた表面の新規の接触角θ*が90°を超える。図14に示すように、粗面仕上げ前の表面31と液滴32との接触角はθであるが(図14(A))、マイクロ加工ツールにより粗面仕上げした、粗面仕上げ後の表面33と液滴34との接触角はθ*(>θ)に変化する(図14(B))。
図15に、マイクロ/ナノ構造の表面に可能な異なる2つの湿潤状態、すなわちウェンゼル状態(図15(A))およびカシー−バクスター状態(図15(B))を示す。ウェンゼル状態(図15(A))およびカシー−バクスター状態(図15(B))が両方とも、マイクロ/ナノ構造の表面に関して可能である。ウェンゼル状態(図15(A))では、表面41と液体42とは、谷およびピークの両方で密接している。カシー−バクスター状態(図15(B))では、表面43と液体44とは、ピークでしか接触せず、液体44と表面43の谷との間にエアポケット45が残る。液滴は、ウェンゼル表面よりも小さい力しか必要としないカシー−バクスター表面上を滑る。
元の接触角θおよび表面幾何形状が分かっている場合は、マイクロ/ナノ構造の表面に関してθ*および湿潤状態を予測することができる。
下記ウェンゼル式を利用して、マイクロ構造またはナノ構造の表面上の液滴の新規の接触角θ*を予測することができる。
cosθ*=r・cosθ
ここで、rは実表面積の投影表面積に対する比率である(r=実表面積/東映表面積)。
また、下記カシー−バクスター式を利用してθ*を予測することもできる。
cosθ*=φ(cosθ+1)−1
ここで、φは液滴がカシー−バクスター状態にあるときに水が接触する面積の分数、すなわち、接触面積中の点接触面積の割合である(φ<1)。
撥痰性・超疎水性は、腐食を抑制し、流体の流れを制御し、表面の抵抗を低減することができる。表面のマイクロ構造は、液滴と表面との相互作用を調節することによって表面の撥痰性・疎水性を制御することができる。マイクロ構造の撥痰性・疎水性表面について公開された調査は、ほぼ排他的に平坦な表面に限られているが、多くの撥痰性・超疎水性の用途では、湾曲面上にマイクロ構造を作製する能力が必要とされている。ポリマーのマイクロ加工は、マイクロ構造の撥痰性・超疎水性表面を作るための高価でない手法を提供し、ポリマーのコンプライアンスにより、湾曲したマイクロ構造の撥痰性・疎水性表面が可能になる。この実施例は、可撓性を有するマイクロ構造ポリマーの湾曲が撥痰性・疎水性に影響を及ぼす状態を説明する。
図19に、マイクロ構造表面を湾曲することにより、マイクロ構造表面の幾何形状が変化し、マイクロ構造表面と液滴との相互作用が変化する。図19(A)に示すように、正の曲率で湾曲したマイクロ構造表面71では、湾曲する前に比べてマイクロ特徴部72のピッチ73が広がり、液滴はより少ないマイクロ特徴部と相互作用する。また、図19(B)に示すように、負の曲率で湾曲したマイクロ構造表面74では、湾曲する前に比べてマイクロ特徴部75のピッチ76が狭くなり、液滴は、より多くのマイクロ特徴部75と相互作用する。θCB *はφの関数であり、φはピッチの関数であり、ピッチは曲率の関数である。したがって、θCB *は曲率の関数である。他の疎水性の特性、例えば、必要な滑り力も、曲率の関数である。したがって、曲率は、疎水性の特性に、例えば液滴の滑りに影響を及ぼす。
図20は、曲率の関数としてのPDMS(ポリジメチルシロキサン)マイクロ柱のピッチの変化を示す図である。図20(A)は、PDMSマイクロ柱のピッチが24.4μmの平坦なマイクロ構造表面81を示す。図20(B)は、正の曲率(+0.11/mm)で湾曲した外面および負の曲率(−0.22/mm)で湾曲した内面を有する湾曲部材84ならびに正の曲率で湾曲したマイクロ構造表面82を示す。正の曲率で湾曲したマイクロ構造表面82では、平坦なマイクロ構造表面81に比べて、PDMSマイクロ柱のピッチが24.4μmから26.2μm(予測=25.5μm)に広くなった。図20(C)は、正の曲率(+0.11/mm)で湾曲した外面および負の曲率(−0.22/mm)で湾曲した内面を有する湾曲部材84ならびに負の曲率で湾曲したマイクロ構造表面83を示す。負の曲率で湾曲したマイクロ構造表面83では、平坦なマイクロ構造表面81に比べて、PDMSマイクロ柱のピッチが24.4μmから20.7μm(予測=22.1μm)に狭くなった。
cosθ<(φ−1)/(r−φ)
ここで、φは柱の頂点の面積の割合であり、rは投影表面積に対する真の表面積の比である。
このとき、ウェンゼル/カシー−バクスター転移の臨界ピッチPcは、
Pc=[A−{h・b・cosθ/(1+cosθ)}]/P
である。ここで、Aはマイクロ特徴部の頂点の面積であり、hはマイクロ特徴部の高さであり、bはマイクロ特徴部の外周であり、Pは平坦な表面上のマイクロ特徴部のピッチである。
Pα=P(R+t/2+h)・R-1
である。ここで、Pは平坦な表面上のマイクロ特徴部のピッチであり、hはマイクロ特徴部の高さであり、tはフィルムの厚みであり、Rは曲率半径である。
図21に、マイクロ特徴部の高さ(h,μm)のいくつかの値に関して、マイクロ特徴部の直径=25μm、フィルムの厚み=0.7mm、表面の接触角θ=112°のマイクロ構造表面を有するフィルムに対する臨界表面曲率(1/RC,1/mm)が平坦な表面上のマイクロ特徴部のピッチ(ピッチOld,mm)と共に変化する状態を示す。
なお、マイクロ構造表面を有するPDMSフィルムとしては、高さh(μm)、直径r(μm)の円柱状のマイクロ特徴部が、ピッチp(μm)で配置されたマイクロ構造表面を有する、厚みt(mm)のPDMSフィルムを用いた。
h=10μm,r=25μm,p=50μm,t=0.8mm
h=40μm,r=25μm,p=50μm,t=1.1mm
h=70μm,r=25μm,p=50μm,t=1.2mm
図23においては、マイクロ特徴部の高さhによってPDMSフィルムを特定している。
7 気管
7a 皮膚側気管粘膜
7b 体内側気管粘膜
10 マイクロ構造表面
11 基板(基材)
12 マイクロ特徴部
13 直径
14 ピッチ
15 高さ
21 基板(基材)
22 レジスト
23 ステンシルマスク
24 光
25 マイクロ特徴部
26 凹所
27 未硬化のポリマー
28 硬化したポリマー
31 粗面仕上げ前の表面
32,34 液滴
33 粗面仕上げ後の表面
41,43 表面
42,44 液体
45 エアポケット
51 凸形に湾曲したマイクロ構造表面
52,54 液滴
53 凹形に湾曲したマイクロ構造表面
61,64,66 固体表面
62,65,67 液滴
63 気体
68 エアポケット
71 正の曲率で湾曲したマイクロ構造表面
72,75 マイクロ特徴部
73,76 ピッチ
74 負の曲率で湾曲したマイクロ構造表面
81 平坦なマイクロ構造表面
82 正の曲率で湾曲したマイクロ構造表面
83 負の曲率で湾曲したマイクロ構造表面
84 湾曲部材
101,201,301,401,501 気管切開チューブ
102,202,302,402,702 チューブ体
102a,202a 呼吸路
102c 外周面
104a 吸引ライン
104c 空気注入ライン
106,206 カフ
108 カフ調整部
121,221,721 基端部
122,222,722 先端部
123,223,723 湾曲部
125,225 空気注入用チューブ
111,225a カフ側開口部
125b,225b 空気注入用ルーメン
126,226 パイロットバルーン
126a 空気注入孔
126b 排出口
127,727 固定部
128,728 固定板
129,729 接着部
130,730 貫通孔
131,231,331,731 収納孔
138 カフ側吸引部
139 カフ側吸引コネクタ
140 カフ側吸引チューブ
140a カフ側吸引口
150 マイクロ構造領域
151 マイクロ特徴部
152 基材
153 接着層
160 フィルム
201 気管内チューブ
207 切欠部
212 コネクタ
226a 逆止弁
250 被膜
601 吸引カテーテル
701 複管式気管切開チューブ
701a 内筒
701b 外筒
702a 内筒挿入用ルーメン
801 輪状甲状膜穿刺用気管カニューレ
901 輪状甲状膜穿刺孔挿入用気管カニューレ
Z 痰
Claims (9)
- 気管内の肺側に設けられた先端部、前記先端部と反対側に設けられた基端部、および、前記基端部から前記先端部にかけて貫通する呼吸路を有するチューブ体を備える、気管用チューブにおいて、
前記チューブ体の前記呼吸路を形成する内面の少なくとも一部にマイクロ構造領域が設けられ、
前記マイクロ構造領域は、複数のマイクロ特徴部が配置されたマイクロ構造表面を有し、
前記マイクロ構造領域には、少なくとも一部分が湾曲、屈曲、圧縮、伸長、膨張および/または歪曲した形状である可撓性を有する基板であって、複数のマイクロ特徴部が配置されたマイクロ構造表面を有する基板が、前記マイクロ構造表面を前記呼吸路に露出するように前記チューブ体の前記呼吸路を形成する内面に配置されている、気管用チューブ。 - 前記マイクロ構造領域には、押出成型、射出成型、切削加工、レーザー加工、芯棒を用いた表面加工、粒子コーティング、ナノインプリント、溶剤処理、プラズマスパッタ、ナノワイヤ配列の堆積およびこれらの組合せからなる群から選択される方法を用いて形成された前記マイクロ特徴部が配置されている、請求項1に記載の気管用チューブ。
- 前記マイクロ構造表面が撥痰性表面である、請求項1、または2に記載の気管用チューブ。
- 前記マイクロ特徴部の長さ、高さ、直径、および/または幅の寸法が、10nm〜1000μmの範囲から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
- 前記マイクロ特徴部間のピッチが、10nm〜1000μmの範囲から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
- 前記複数のマイクロ特徴部が、第1組の寸法を有する第1組のマイクロ特徴部、および第2組の寸法を有する第2組のマイクロ特徴部を備え、前記第1組の寸法が、前記第1組のマイクロ特徴部の高さ、および/または直径、および/またはマイクロ構造ピッチの寸法であり、前記第2組の寸法が、前記第2組のマイクロ特徴部の高さ、および/または直径、および/またはマイクロ構造ピッチの寸法であり、前記第1組の寸法が前記第2組の寸法とは異なる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
- 前記第1組の寸法が10nm〜1μmの範囲から選択され、前記第2組の寸法が1μm〜100μmの範囲から選択される、請求項6に記載の気管用チューブ。
- 前記複数のマイクロ特徴部上に被覆をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の気管用チューブ。
- 前記被覆が1〜100nmの範囲から選択されるサイズを有する粒子を含む、請求項8に記載の気管用チューブ。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015010537 | 2015-01-22 | ||
JP2015010537 | 2015-01-22 | ||
PCT/JP2016/051102 WO2016117462A1 (ja) | 2015-01-22 | 2016-01-15 | 気管用チューブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2016117462A1 JPWO2016117462A1 (ja) | 2017-11-02 |
JP6598801B2 true JP6598801B2 (ja) | 2019-10-30 |
Family
ID=56417009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016570603A Expired - Fee Related JP6598801B2 (ja) | 2015-01-22 | 2016-01-15 | 気管用チューブ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6598801B2 (ja) |
WO (1) | WO2016117462A1 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101057994B (zh) * | 2006-06-26 | 2011-09-14 | 株式会社佐多商会 | 具备胃管插入用引导部的喉罩 |
JP2012170792A (ja) * | 2011-02-24 | 2012-09-10 | Kawasumi Lab Inc | 気管カニューレ |
CN202682503U (zh) * | 2012-05-16 | 2013-01-23 | 杨志洲 | 一种纳米憎水性气管插管套管 |
JP3181583U (ja) * | 2012-11-30 | 2013-02-14 | ニプロ株式会社 | 吸引カテーテル |
-
2016
- 2016-01-15 WO PCT/JP2016/051102 patent/WO2016117462A1/ja active Application Filing
- 2016-01-15 JP JP2016570603A patent/JP6598801B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2016117462A1 (ja) | 2016-07-28 |
JPWO2016117462A1 (ja) | 2017-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2021035522A (ja) | 加湿および凝縮液管理用の微細構造を備える医療用部品 | |
JP2012517910A (ja) | 可撓性を有するマイクロ構造の超疎水性材料 | |
EP1931411B1 (en) | Methods for making catheters with lubricious linings | |
EP1861152B1 (de) | Vorrichtung zur atemluftzuführung | |
JP5679813B2 (ja) | 改良されたバルーンカフ付きの気管切開チューブ | |
US20080000482A1 (en) | Endotracheal cuff and technique for using the same | |
JP2004262470A (ja) | 積層剥離ボトル及びその製造方法 | |
KR20110102884A (ko) | 흡입 카테터 | |
JPH01264839A (ja) | 実質的に流体不透過性の小泡体付き重合体ウエブとその製造法 | |
JP6598801B2 (ja) | 気管用チューブ | |
WO2006131155A1 (en) | A surgical suction device and a method for manufacturing such device | |
WO2016052350A1 (ja) | 気管に挿入可能な気管用チューブ | |
JP6588452B2 (ja) | 気管に挿入可能な気管用チューブ | |
JP2010540012A (ja) | 挿入が容易な改良されたバルーンカフ付き気管切開チューブ | |
JP3181583U (ja) | 吸引カテーテル | |
JP6573896B2 (ja) | 気管に挿入可能な気管用チューブ | |
JP2016131839A (ja) | 気管用チューブ | |
CN206183767U (zh) | 用于吸入式气雾剂的吸入装置 | |
CN209154789U (zh) | 一种口咽通气道 | |
JP2016131831A (ja) | 気管用チューブ | |
DE102005042182B4 (de) | Vorrichtung zur Beatmung | |
CN209286443U (zh) | 吸痰管及吸痰套组 | |
JP2017169654A (ja) | 医療用チューブの製造方法及び医療用チューブ | |
CN107303404A (zh) | 用于吸入式气雾剂的吸入装置 | |
CN108888845A (zh) | 一种口咽通气道 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181010 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190709 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190815 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190924 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191001 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6598801 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |