JP6597885B2 - コイルアンテナ、給電装置、受電装置およびワイヤレス電力供給システム - Google Patents

コイルアンテナ、給電装置、受電装置およびワイヤレス電力供給システム Download PDF

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Description

本発明は、複数のコイル導体を備えるコイルアンテナ、それを備える給電装置、受電装置およびワイヤレス電力供給システムに関する。
従来、給電用コイルアンテナと受電用コイルアンテナとを磁界結合させることにより、ワイヤレス電力供給を可能とした磁界共鳴電力供給システムが知られている(特許文献1)。
例えば、特許文献1には、並列に接続された2つのコイル導体が平面上に並走してスパイラル状に巻回される構造の給電用コイルアンテナが開示されている。
特許第5221111号公報
しかし、上記構造のコイルアンテナでは、並走する2つのコイル導体のうち外側を巻回するコイル導体の線路長と、内側を巻回するコイル導体の線路長とが異なるため、外側を巻回するコイル導体のインダクタンス値と、内側を巻回するコイル導体のインダクタンス値とが異なる。そのため、給電用コイルアンテナと受電用コイルアンテナとの相対的な位置関係によって、インダクタンス値の異なる2つのコイル導体うちいずれか一方と強く結合することになる。したがって、給電用コイルアンテナと受電用コイルアンテナとの相対的な位置関係によって結合強度にばらつきが生じ、適切なワイヤレス電力供給が行われない虞がある。
本発明の目的は、並列接続された複数のコイル導体を備える構造において、相手側コイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを提供することにある。また、それを備える給電装置、受電装置およびワイヤレス電力供給システムを提供することにある。
(1)本発明のコイルアンテナは、ワイヤレス電力供給システムに用いられるものであって、
巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有することを特徴とする。
この構成では、並走して巻回した複数のコイル導体を、交差箇所で、コイル導体同士の内外配置を入れ替える構成となるため、並走して巻回される複数のコイル導体の線路長が略同じである。そのため、複数のコイル導体のインダクタンス値が略同じになり、相手側のコイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを実現できる。
(2)上記(1)において、前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回されていてもよい。
(3)上記(2)において、前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上であることが好ましい。この構成により、並走して巻回される複数のコイル導体の線路長の差を容易に減らせる。
(4)上記(2)または(3)おいて、前記複数のコイル導体は、径方向において前記巻回軸からの距離が近い第1部分と、前記径方向において前記巻回軸からの距離が前記第1部分よりも遠い第2部分と、を有し、前記並走部分において隣接する前記コイル導体の間隙は、前記第1部分に比べて前記第2部分のほうが小さいことが好ましい。この構成では巻回軸方向から視て、磁束密度が高い内周(第1部分)はコイル導体が疎に巻回され、磁束密度が低い外周(第2部分)はコイル導体が密に巻回される構造となる。一般的に、コイル導体同士の間隔が等しくなるように巻回されたコイルアンテナは、そのコイルアンテナの巻回軸方向におけるコイルアンテナの上面(または下面)において、そのコイルアンテナに電流が流れることに起因する磁束密度の巻回軸方向成分は、径方向において巻回軸(コイルの中心)に近いほど強く、巻回軸(コイルの中心)から遠いほど弱くなる。上記構成によれば、径方向において巻回軸から外周寄りになるほど隣接するコイル導体同士の間隔が密となるように巻回されているため、コイルアンテナの上面(または下面)において、磁束密度の巻回軸方向成分が一様となる。したがって、結合相手のコイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度のばらつきは抑制され、広い範囲の相対的な位置関係において、結合相手のコイルアンテナとの結合係数が安定化されるコイルアンテナを実現できる。
(5)上記(2)から(4)のいずれかにおいて、前記複数のコイル導体は、径方向において前記巻回軸からの距離が近い第1部分と、前記径方向において前記巻回軸からの距離が前記第1部分よりも遠い第2部分と、を有し、前記第1部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、前記第2部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数よりも少ないことが好ましい。第2部分は、第1部分よりも1ターン当たりの線路長が長い。そのため、この構成により、交差箇所の個数が同じであっても、並走して巻回される複数のコイル導体の線路長の差をより効果的に減らすことができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記交差箇所は、直流的に分離されていることが好ましい。この構成により、コイルアンテナに局所的なコイル導体の閉ループが形成されないため、局所的なコイル導体の閉ループに磁束が鎖交することによって流れる誘導電流による損失を抑えることができる。
(7)本発明の給電装置は、
給電装置から受電装置へワイヤレスで電力を供給するワイヤレス電力供給システムにおける給電装置であって、
前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
前記コイルアンテナに電気的に接続される給電回路と、
を備え、
前記コイルアンテナは、
巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有することを特徴とする。
この構成により、相手側コイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを備えるワイヤレス電力伝送システムの給電装置を実現できる。
(8)上記(7)において、前記給電回路は前記コイルアンテナにHF帯の交番電圧を印加してもよい。
(9)本発明の受電装置は、
給電装置から受電装置へワイヤレスで電力を供給するワイヤレス電力供給システムにおける受電装置であって、
前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
前記コイルアンテナに接続される受電回路と、
を備え、
前記コイルアンテナは、
巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有することを特徴とする。
この構成により、相手側コイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを備えるワイヤレス電力伝送システムの受電装置を実現できる。
(10)上記(9)において、前記受電回路が有する容量成分と、前記コイルアンテナのインダクタンス成分とで共振回路が構成され、前記共振回路の共振周波数はHF帯の周波数であってもよい。
(11)給電装置および受電装置で構成される本発明のワイヤレス電力供給システムは、
前記給電装置は、
前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
前記コイルアンテナに電気的に接続される給電回路と、
を有し、
前記コイルアンテナは、
巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
前記受電装置は、前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナを備えることを特徴とする。
この構成により、相手側コイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを備える給電装置を有した、ワイヤレス電力供給システムを実現できる。
(12)上記(11)において、前記給電回路は前記コイルアンテナにHF帯の交番電圧を印加してもよい。
(13)給電装置および受電装置で構成される本発明のワイヤレス電力供給システムは、
前記受電装置は、
前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
前記コイルアンテナに電気的に接続される受電回路と、
を有し、
前記コイルアンテナは、
巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
前記給電装置は、前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナを備えることを特徴とする。
この構成により、相手側コイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを備える受電装置を有した、ワイヤレス電力供給システムを実現できる。
(14)上記(13)において、前記受電回路が有する容量成分と、前記コイルアンテナのインダクタンス成分とで共振回路が構成され、前記共振回路の共振周波数はHF帯の周波数であってもよい。
本発明によれば、並列接続された複数のコイル導体を備える構造において、相手側コイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを実現できる。また、それを備える給電装置、受電装置およびワイヤレス電力供給システムを実現できる。
図1は第1の実施形態に係るコイルアンテナ101の平面図である。 図2はコイルアンテナ101が備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。 図3(A)は図1におけるA−A断面図であり、図3(B)は図1に示す交差箇所CR2の拡大平面図である。 図4(A)は、図1に示すコイルアンテナ101とは別の、コイルアンテナ101Aを示す断面図であり、図4(B)はコイルアンテナ101Aが備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。 図5は第2の実施形態に係るコイルアンテナ102の平面図である。 図6はコイルアンテナ102が備える複数のコイル導体の並走部分PL1,PL2,PL3を示した平面図である。 図7(A)は図5におけるB−B断面図であり、図7(B)は図5に示す接続箇所PR1の拡大平面図である。 図8は第3の実施形態に係るコイルアンテナ103の平面図である。 図9はコイルアンテナ103が備えるコイル導体L1,L2,L3,L4,L5,L6を示す平面図である。 図10(A)は第4の実施形態に係るコイルアンテナ104の平面図であり、図10(B)は基材1の裏面に形成される導体パターンを示すコイルアンテナ104の平面図である。 図11(A)は図10(A)におけるC−C断面図であり、図11(B)は図10(A)に示す交差箇所CR2の拡大平面図である。 図12(A)は第5の実施形態に係るコイルアンテナ105Aの平面図であり、図12(B)はコイルアンテナ105Aが備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。 図13(A)は第5の実施形態に係る別のコイルアンテナ105Bの平面図であり、図13(B)はコイルアンテナ105Bが備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。 図14(A)は第6の実施形態に係るコイルアンテナ106の平面図であり、図14(B)はコイルアンテナ106が備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。 図15は第7の実施形態に係るワイヤレス電力供給システム401の回路図である。 図16は、図15に示すワイヤレス電力供給システム401とは別の、ワイヤレス電力供給システム402の回路図である。 図17は、図14および図15に示すワイヤレス電力供給システム401,402とは別の、ワイヤレス電力供給システム403の回路図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
本発明は、例えばマウスとマウスパッド等のように、平面上で位置自由度が求められるシステムに好適である。以降に示す各実施形態において、マウスにワイヤレス給電を行う場合、本発明における「コイルアンテナ」は例えばマウスパッド等に設けられ、受電側コイルアンテナはマウスに設けられる。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係るコイルアンテナ101の平面図である。図2はコイルアンテナ101が備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。図3(A)は図1におけるA−A断面図であり、図3(B)は図1に示す交差箇所CR2の拡大平面図である。図2では、構造を分かりやすくするために、一方のコイル導体を破線で示している。このコイルアンテナ101は、ワイヤレス電力供給システムを構成する給電装置と受電装置との結合に用いられるコイルアンテナであり、給電装置または受電装置のいずれかまたは両方に設けられる。
コイルアンテナ101は、基材1および2つのコイル導体L1,L2を備える。
2つのコイル導体L1,L2は基材1の表面等に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。2つのコイル導体L1,L2は、Z軸方向(本発明における「巻回軸方向」に相当する)から視て、並走して巻回される並走部分PLを有する。本実施形態では、コイルアンテナ101の第1端T1および第2端T2において、2つのコイル導体L1,L2の両端が接続される。すなわち、2つのコイル導体L1,L2は互いに並列に接続されている。互いに並走して巻回される2つのコイル導体L1,L2を並列に接続することにより、互いに並走して巻回されるコイル導体間の寄生容量の影響が抑制され、コイルアンテナの自己共振周波数を高めることができる。基材1は絶縁性材料からなる矩形状の平板であり、例えばポリイミド(PI)や液晶ポリマー(LCP)等の樹脂製シートである。また、コイル導体L1,L2は例えばCu箔パターンである。
上記並走部分PLは、6つの交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6を有する。交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6は、コイル導体L1とコイル導体L2とが接続されずに、互いに交差する箇所である。本実施形態では、例えば図3(B)に示すように、コイル導体L2は、基材1の裏面に形成されるコイル導体L2Jおよび層間接続導体V2a,V2bを介して、コイル導体L1を跳び越えている(跨いでいる)。また、本実施形態では、図1等に示すように、並走部分PLの1ターン当たりの交差箇所の個数は2つである。
本実施形態では、図1等に示すように、並走して巻回(バイファイラ巻き)した2つのコイル導体L1,L2を、交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6で、コイル導体L1とコイル導体L2との内外配置を入れ替える構成となっている。そのため、並走して巻回される2つのコイル導体L1,L2の線路長が略同じである。したがって、コイル導体L1,L2のインダクタンス値および抵抗値は略同じになる。コイル導体L1,L2のインダクタンス値および抵抗値が略同じであると、コイル導体L1に生じる磁束とコイル導体L2に生じる磁束とが略同じとなり、磁束密度のばらつきが抑制される。それにより、相手側のコイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを実現できる。
また、交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6では、コイル導体L1とコイル導体L2とを接続していない。つまり、交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6では、コイル導体L1とコイル導体L2とは直流的に分離されている。よって、コイルアンテナ101に局所的なコイル導体の閉ループが形成されないため、局所的なコイル導体の閉ループに磁束が鎖交することによって流れる誘導電流による損失を抑えることができる。
なお、本実施形態では、並走部分PLの1ターン当たりの交差箇所の個数が2つである例を示したが、この構成に限定されるものではない。並走部分PLの1ターン当たりの交差箇所の個数が1つ以上あれば、並走して巻回される2つのコイル導体L1,L2の線路長の差を容易に減らせる。
また、本実施形態では、6つの交差箇所を有するコイルアンテナ101の例を示したが、この構成に限定されるものではない。交差箇所の個数・位置等は本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。なお、コイルアンテナが有する交差箇所が1つ以上あれば、本発明の作用・効果を奏する。
なお、本発明における「交差箇所」とは、Z軸方向から視て、「並走して巻回される並走部分PL」の途中に設けられ、複数のコイル導体が互いに交差する箇所である。つまり、図2に示すブリッジ部BEのように、複数のコイル導体を内周から外周に引き出す場合等で互いに交差する部分については、本発明における「交差箇所」から除外される。このことは、以降の各実施形態でも同様である。
次に、本実施形態に係るコイルアンテナ101の変形例について説明する。図4(A)は、図1に示すコイルアンテナ101とは別の、コイルアンテナ101Aを示す断面図であり、図4(B)はコイルアンテナ101Aが備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。図4(B)では、構造を分かりやすくするために、一方のコイル導体を破線で示している。
コイルアンテナ101Aは、交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5を有する。図4(A)および図4(B)に示すように、交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5は、矩形スパイラル状のコイルアンテナ101Aの角部にそれぞれ配置されている。
このような構成であっても、本実施形態で示したコイルアンテナ101と同様の作用・効果を奏する。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、並走部分に複数の交差箇所と複数の接続箇所とを有するコイルアンテナの例を示す。
図5は第2の実施形態に係るコイルアンテナ102の平面図である。図6はコイルアンテナ102が備える複数のコイル導体の並走部分PL1,PL2,PL3を示した平面図である。図7(A)は図5におけるB−B断面図であり、図7(B)は図5に示す接続箇所PR1の拡大平面図である。図6では、構造を分かりやすくするために、コイル導体L1,L2を実線で示し、コイル導体L3,L4を破線で示し、コイル導体L5,L6を一点鎖線で示している。
本実施形態に係るコイルアンテナ102は6つのコイル導体L1,L2,L3,L4,L5,L6を備える点で第1の実施形態に係るコイルアンテナ101と異なる。また、コイルアンテナ102は、並走部分に、交差箇所CR3,CR6ではなく接続箇所PR1,PR2を有する点でコイルアンテナ101と異なる。その他の構成についてはコイルアンテナ101と実質的に同じである。
6つのコイル導体L1,L2,L3,L4,L5,L6は基材1の表面に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される導体パターンである。2つのコイル導体L1,L2は、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PL1を有する。2つのコイル導体L3,L4は、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PL2を有する。また、2つのコイル導体L5,L6は、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PL3を有する。
2つのコイル導体L1,L2は巻回軸AXの周りに巻回される約5/4ターンの矩形スパイラル状の導体パターンであり、接続箇所PR1(後に詳述する)にて2つのコイル導体L3,L4に接続される。2つのコイル導体L3,L4は巻回軸AXの周りに巻回される約1.5ターンの矩形スパイラル状の導体パターンであり、接続箇所PR2(後に詳述する)にて2つのコイル導体L5,L6に接続される。2つのコイル導体L5,L6は巻回軸AXの周りに巻回される約1/4ターンの矩形ループ状の導体パターンである。
本実施形態に係る並走部分PL1,PL2,PL3は、4つの交差箇所CR1,CR2,CR4,CR5および2つの接続箇所PR1,PR2を有する。交差箇所CR1,CR2はコイル導体L1とコイル導体L2とが互いに交差する箇所であり、交差箇所CR4,CR5はコイル導体L3とコイル導体L4とが互いに交差する箇所である。交差箇所CR1,CR2,CR4,CR5の構造は、第1の実施形態で示した交差箇所CR2と実質的に同じである。
接続箇所PR1,PR2は複数のコイル導体が互いに接続される箇所である。本実施形態では、例えば図7(B)に示すように、コイル導体L1の第2端、コイル導体L2の第2端、コイル導体L3の第1端およびコイル導体L4の第1端が、接続箇所PR1にて互いに接続される。コイル導体L3の第2端、コイル導体L4の第2端、コイル導体L5の第1端およびコイル導体L6の第1端は、接続箇所PR2にて互いに接続される。
すなわち、2つのコイル導体L1,L2の両端は、コイルアンテナ102の第1端T1と接続箇所PR1にて接続される。このようにして、2つのコイル導体L1,L2は互いに並列に接続される。2つのコイル導体L3,L4の両端は、接続箇所PR1,PR2にて接続される。このようにして、2つのコイル導体L3,L4は互いに並列に接続される。2つのコイル導体L5,L6の両端は、接続箇所PR2とコイルアンテナ102の第2端T2にて、接続される。このようにして、2つのコイル導体L5,L6は互いに並列に接続される。
そして、並列接続された2つのコイル導体L1,L2、並列接続された2つのコイル導体L3,L4、および並列接続された2つのコイル導体L5,L6が直列に接続され、約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンを構成する。
このような構成でも、並走して巻回される2つのコイル導体の線路長が略同じであるため、第1の実施形態に係るコイルアンテナ101と同様の作用・効果を奏することができる。また、並走する2つのコイル導体が、接続箇所PR1,PR2で接続されることによって、2つのコイル導体同士の線路長の僅かな差に起因する磁束密度のばらつきが抑制される。
なお、本実施形態で示したように、コイルアンテナが2つのコイル導体を備える構成に限定されるものではなく、コイルアンテナが2つ以上のコイル導体を備えていてもよい。なお、コイル導体を2つ以上備える場合には、並走する複数のコイル導体のうち少なくとも2つのコイル導体を、交差箇所において互いに交差させることにより、本発明の作用・効果を奏することができる。
また、本実施形態では、並走部分に3つの交差箇所および3つの接続箇所を有する構成を示したが、これに限定されるものではない。並走部分に設けられる交差箇所および接続箇所の個数、位置等は本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。なお、上述のとおり、コイルアンテナが有する交差箇所が1つ以上あれば、本発明の作用・効果を奏する。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、並走部分を有さないコイル導体L3,L6を備えたコイルアンテナの例を示す。
図8は第3の実施形態に係るコイルアンテナ103の平面図である。図9はコイルアンテナ103が備えるコイル導体L1,L2,L3,L4,L5,L6を示す平面図である。図9では、構造を分かりやすくするために、コイル導体L1,L2を破線で示し、コイル導体L4,L5を一点鎖線で示している。
コイルアンテナ103は、基材1および6つのコイル導体L1,L2,L3,L4,L5,L6を備える。
コイル導体L1,L2,L3,L4,L5,L6は基材1の表面に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される導体パターンである。2つのコイル導体L1,L2は、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PL1を有する。また、2つのコイル導体L4,L5は、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PL2を有する。
2つのコイル導体L1,L2は巻回軸AXの周りに巻回される約3/4ターンの矩形ループ状の導体パターンであり、接続箇所PR1(後に詳述する)にてコイル導体L3に接続される。コイル導体L3は巻回軸AXの周りに巻回される約1/2ターンの矩形ループ状の導体パターンであり、接続箇所PR2にて2つのコイル導体L4,L5に接続される。2つのコイル導体L4,L5は巻回軸AXの周りに巻回される約1ターンの矩形ループ状の導体パターンであり、接続箇所PR3(後に詳述する)にてコイル導体L6に接続される。コイル導体L6は巻回軸AXの周りに巻回される約3/4ターンの矩形ループ状の導体パターンである。
本実施形態に係る並走部分PL1,PL2は、2つの交差箇所CR1,CR2および3つの接続箇所PR1,PR2,PR3を有する。交差箇所CR1はコイル導体L1とコイル導体L2とが互いに交差する箇所であり、交差箇所CR2はコイル導体L4とコイル導体L5とが互いに交差する箇所である。交差箇所CR1,CR2の構造は、第1の実施形態で示した交差箇所CR2と実質的に同じである。
接続箇所PR1,PR2,PR3は複数のコイル導体が互いに接続される箇所である。コイル導体L1の第2端、コイル導体L2の第2端およびコイル導体L3の第1端は、接続箇所PR1にて互いに接続される。コイル導体L3の第2端、コイル導体L4の第1端およびコイル導体L5の第1端は、接続箇所PR2にて互いに接続される。コイル導体L4の第2端、コイル導体L5の第2端およびコイル導体L6の第1端は、接続箇所PR3にて互いに接続される。
すなわち、2つのコイル導体L1,L2の両端は、コイルアンテナ103の第1端T1と接続箇所PR1にて接続される。このようにして、2つのコイル導体L1,L2は互いに並列に接続される。2つのコイル導体L4,L5の両端は、接続箇所PR2,PR3にて並列に接続される。このようにして、2つのコイル導体L4,L5は互いに並列に接続される。
そして、並列接続された2つのコイル導体L1,L2、コイル導体L3、並列接続された2つのコイル導体L4,L5、およびコイル導体L6が直列に接続され、約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンを構成する。
本実施形態で示したように、コイルアンテナは少なくとも一部に並走部分を有していればよく、並走部分を有さないコイル導体L3,L6を備えていてもよい。なお、コイルアンテナ103のように、コイル導体のうち巻回軸AXからの距離が近い部分(図7に示すコイル導体の内周部分。例えば、コイル導体L6等。)が並走部分を有さないことが好ましい。その構成により、相対的に磁束密度が高くなる開口部での磁界形成が抑制され、コイルアンテナとの相対的な位置関係による磁束密度のばらつきは抑制される。
このような構成でも、2つのコイル導体の線路長が略同じであるため、第1の実施形態に係るコイルアンテナ101と同様の作用・効果を奏することができる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、コイル導体が基材1の両面に形成されているコイルアンテナの例を示す。
図10(A)は第4の実施形態に係るコイルアンテナ104の平面図であり、図10(B)は基材1の裏面に形成される導体パターンを示すコイルアンテナ104の平面図である。図11(A)は図10(A)におけるC−C断面図であり、図11(B)は図10(A)に示す交差箇所CR2の拡大平面図である。なお、図10(B)では、構造を分かりやすくするために、コイル導体L1A,L2Aの図示を省略している。
本実施形態に係るコイルアンテナ104は、基材1の裏面にもコイル導体が形成されている点で第1の実施形態に係るコイルアンテナ101と異なる。その他の構成についてはコイルアンテナ101と実質的に同じである。
コイルアンテナ104は、基材1および4つのコイル導体L1A,L1B,L2A,L2Bを備える。
2つのコイル導体L1A,L2Aは基材1の表面に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。2つのコイル導体L1A,L2Aは、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PLAを有する。
2つのコイル導体L1B,L2Bは基材1の表面に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。2つのコイル導体L1B,L2Bは、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PLBを有する。
本実施形態では、コイル導体L1A,L1Bが略同形状の導体パターンであり、コイル導体L1A,L1Bは、Z軸方向から視て、略一致している。すなわち、コイル導体L1A,L1Bは、図11(A)等に示すように、厚み方向(Z軸方向)に対向して配置され、Z軸方向において並走して巻回されている。また、コイル導体L2A,L2Bは略同形状の導体パターンであり、コイル導体L2A,L2Bは、Z軸方向から視て、略一致している。すなわち、コイル導体L2A,L2Bは、図11(A)等に示すように、Z軸方向に対向して配置され、Z軸方向において並走して巻回されている。
本実施形態に係る並走部分PLA,PLBは、6つの交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6を有する。交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6は、2つのコイル導体L1A,L1Bと2つのコイル導体L2A,L2Bとが接続されずに、互いに交差する箇所である。本実施形態では、例えば図11(B)に示すように、コイル導体L1Bは、基材1の表面に形成されるコイル導体L1Aおよび層間接続導体V1a,V1bを介して、基材1の裏面に形成されるコイル導体L2Bを跳び越えている(跨いでいる)。また、コイル導体L2Aは、基材1の裏面に形成されるコイル導体L2Bおよび層間接続導体V2a,V2bを介して、基材1の表面に形成されるコイル導体L1Aを跳び越えている(跨いでいる)。
すなわち、コイル導体L1A,L1Bは、コイルアンテナ104の第1端T1、第2端T2および交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6にて接続される。このようにして、Z軸方向において並走して巻回される2つのコイル導体L1A,L1Bは、互いに並列に接続される。また、コイル導体L2A,L2Bは、コイルアンテナ104の第1端T1、第2端T2および交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6にて接続される。このようにして、Z軸方向において並走して巻回される2つのコイル導体L2A,L2Bは、互いに並列に接続される。
また、同一平面上(基材1の表面)に形成される2つのコイル導体L1A,L2Aは、コイルアンテナ104の第1端T1および第2端T2にて接続される。このようにして、2つのコイル導体L1A,L2Aは、互いに並列に接続される。同一平面上(基材1の裏面)に形成される2つのコイル導体L1B,L2Bは、コイルアンテナ104の第1端T1および第2端T2にて接続される。このようにして、2つのコイル導体L1B,L2Bは、互いに並列に接続される。
このような構成でも、2つのコイル導体L1A,L2Aの線路長が略同じに形成され、2つのコイル導体L1B,L2Bの線路長が略同じであるため、第1の実施形態に係るコイルアンテナ101と同様の作用・効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、Z軸方向において並走する2つのコイル導体L1A,L1Bが、互いに並列に接続される。そのため、コイル導体L1A,L1Bの合成抵抗がコイル導体L1A,L1B単体での抵抗より小さい。したがって、この構成により、損失が小さく、Q値の高いコイルアンテナを実現できる。同様に、本実施形態では、Z軸方向において並走する2つのコイル導体L2A,L2Bが、互いに並列に接続される。そのため、コイル導体L2A,L2Bの合成抵抗がコイル導体L2A,L2B単体での抵抗より小さい。したがって、この構成により、損失が小さく、Q値の高いコイルアンテナを実現できる。
なお、本実施形態では、Z軸方向に対向して並走する2つのコイル導体L1A,L1Bが互いに並列に接続され、Z軸方向に対向して並走する2つのコイル導体L2A,L2Bが互いに並列に接続される例を示したが、この構成に限定されるものではない。Z軸方向に対向して並走する2つのコイル導体L1A,L1Bが互いに並列に接続されていなくてもよく、Z軸方向に対向して並走する2つのコイル導体L2A,L2Bが互いに並列に接続されていなくてもよい。なお、Z軸方向に対向して並走する複数のコイル導体が互いに並列に接続されていない場合には、複数のコイル導体間で容量を形成してもよい。なお、本発明では、Z軸方向から視て、並走して巻回されるコイル導体同士(並走部分)が互いに並列に接続されていればよい。すなわち、Z軸方向から視て、並走する2つのコイル導体L1A,L2Bが互いに並列に接続されていてもよく、Z軸方向から視て、並走する2つのコイル導体L1B,L2Aが互いに並列に接続されていてもよい。
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、2つのコイル導体L1,L2の形状等が第1の実施形態に係るコイルアンテナ101と異なる例を示す。
図12(A)は第5の実施形態に係るコイルアンテナ105Aの平面図であり、図12(B)はコイルアンテナ105Aが備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。
本実施形態に係るコイルアンテナ105Aは、コイル導体L1,L2の形状等が第1の実施形態に係るコイルアンテナ101と異なる。また、コイルアンテナ105Aは、コイル導体L1が基材1の表面に形成され、コイル導体L2が基材1の裏面に形成されている点でコイルアンテナ101と異なる。その他の構成についてはコイルアンテナ101と実質的に同じである。
コイル導体L1は基材1の表面に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。コイル導体L2は基材1の裏面に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。2つのコイル導体L1,L2は、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PLを有する。本実施形態では、コイルアンテナ105Aの第1端T1および第2端T2において、2つのコイル導体L1,L2の両端が接続される。すなわち、2つのコイル導体L1,L2は互いに並列に接続されている。
2つのコイル導体L1,L2は、径方向(図12(A)における矢印参照)において巻回軸AXからの距離R1が近い第1部分PE1と、径方向において巻回軸AXからの距離R2が遠い第2部分PE2とを有する(R1<R2)。言い換えると、2つのコイル導体L1,L2は、Z軸方向から視て、内周に位置する第1部分PE1と、第1部分PE1よりも外周側に位置する第2部分PE2とを有する。
図12(B)に示すように、並走部分PLにおいて隣接するコイル導体L1,L2同士の間隙は、第1部分PE1(第1部分におけるコイル導体L1,L2の間隙S1)に比べて、第2部分PE2(第2部分におけるコイル導体L1,L2の間隙S2)のほうが小さい(S1>S2)。
本実施形態では、Z軸方向から視て、磁束密度が高い内周(第1部分PE1)はコイル導体L1,L2が疎に巻回され、磁束密度が低い外周(第2部分PE2)はコイル導体L1,L2が密に巻回される構造となる。言い換えると、コイル導体L1,L2同士の間隔が密の部分は、径方向において巻回軸AXから外周寄りに位置していて、疎の部分は径方向において巻回軸AXから内周寄りに位置している。一般的に、コイル導体同士の間隔が等しくなるように巻回されたコイルアンテナは、そのコイルアンテナの巻回軸方向におけるコイルアンテナの上面(または下面)において、そのコイルアンテナに電流が流れることに起因する磁束密度の巻回軸方向成分は、径方向において巻回軸(コイルの中心)に近いほど強く、巻回軸(コイルの中心)から遠いほど弱くなる。しかし、コイルアンテナ105Aでは、径方向において巻回軸AXから外周寄りになるほどコイル導体L1,L2同士の間隔が密となるように巻回されているため、コイルアンテナの上面(または下面)において、磁束密度の巻回軸方向成分が一様となる。よって、この構成により、結合相手のコイルアンテナとの相対的な位置関係(特にXY平面方向)のずれによる磁束密度の変化が抑制される。したがって、結合相手のコイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度のばらつきは抑制され、広い範囲の相対的な位置関係において、結合相手のコイルアンテナとの結合係数が安定化されるコイルアンテナを実現できる。
次に、本実施形態に係るコイルアンテナ105Aの変形例について図を参照して説明する。図13(A)は第5の実施形態に係る別のコイルアンテナ105Bの平面図であり、図13(B)はコイルアンテナ105Bが備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。
コイルアンテナ105Bは、コイル導体L1,L2の形状等が上述のコイルアンテナ105Aと異なる。その他の構成についてはコイルアンテナ105Aと同じである。
第1部分PE1の1ターン当たりの交差箇所の個数N1は、第2部分PE2の1ターン当たりの交差箇所の個数N2よりも少ない(N1<N2)。なお、コイルアンテナ105Bは、図13(B)に示すように、第1部分PE1に交差箇所を有していない(N1=0)。
第2部分PE2は、第1部分PE1よりも1ターン当たりの線路長が長い。そのため、上述のように、第2部分PE2の1ターン当たりの交差箇所の個数N2を、第1部分PE1の1ターン当たりの交差箇所の個数N1よりも多くすることにより、交差箇所の個数が同じであっても、並走して巻回される2つのコイル導体L1,L2の線路長の差をより効果的に減らすことができる。
《第6の実施形態》
第6の実施形態では、1ターン当たりの交差箇所の個数が3つ以上であるコイルアンテナについて示す。
図14(A)は第6の実施形態に係るコイルアンテナ106の平面図であり、図14(B)はコイルアンテナ106が備えるコイル導体L1,L2を示す平面図である。
本実施形態に係るコイルアンテナ106は、1ターン当たりの交差箇所の個数が、第1の実施形態に係るコイルアンテナ101と異なる。また、コイルアンテナ106は、コイル導体L1が基材1の表面に形成され、コイル導体L2が基材1の裏面に形成されている点でコイルアンテナ101と異なる。その他の構成についてはコイルアンテナ101と実質的に同じである。
コイル導体L1は基材1の表面に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。コイル導体L2は基材1の裏面に形成され、巻回軸AXの周りに巻回される約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである。2つのコイル導体L1,L2は、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分PLを有する。本実施形態では、コイルアンテナ106の第1端T1および第2端T2において、2つのコイル導体L1,L2の両端が接続される。すなわち、2つのコイル導体L1,L2は互いに並列に接続されている。
上記並走部分PLは、14つの交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6,CR7,CR8,CR9,CR10,CR11,CR12,CR13,CR14を有する。交差箇所CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6,CR7,CR8,CR9,CR10,CR11,CR12,CR13,CR14は、コイル導体L1とコイル導体L2とが接続されずに、互いに交差する箇所である。本実施形態では、図14等に示すように、2つのコイル導体L1,L2の並走部分PLが、1ターンごとに6つの交差箇所を有する。
本実施形態では、並走部分PLの1ターン当たりの交差箇所の個数が6つである。この構成により、並走部分PLの1ターン当たりの交差箇所の個数が少ない場合と比べて、並走して巻回される2つのコイル導体L1,L2の線路長の差をさらに容易に減らせる。
《第7の実施形態》
第7の実施形態では、本発明のコイルアンテナを利用したワイヤレス電力供給システムの例を示す。
本発明における「給電装置」は、上記コイルアンテナおよび給電回路(後に詳述する)等を備える装置であり、例えば磁気共鳴電力供給システム等のワイヤレス電力供給システムに対応した上記マウスパッド等である。本発明における「受電装置」は、上記コイルアンテナおよび受電回路(後に詳述する)等を備える装置であり、例えば磁気共鳴電力供給システム等のワイヤレス電力供給システムに対応した受電側機器(ワイヤレスマウス、携帯電話端末、いわゆるスマートフォン、タブレット端末、ノートPCやPDA、ウェアラブル端末、カメラ、ビデオ、ゲーム機および玩具等)にワイヤレス給電する充電器等である。
磁界共鳴電力供給システムは、HF帯、特に6.78MHz付近の周波数で用いられる。また、磁界型ワイヤレス電力供給システムは、磁界結合により電力供給相手と結合して電力の供給を行う。
図15は第7の実施形態に係るワイヤレス電力供給システム401の回路図である。図16は、図15に示すワイヤレス電力供給システム401とは別の、ワイヤレス電力供給システム402の回路図である。図17は、図14および図15に示すワイヤレス電力供給システム401,402とは別の、ワイヤレス電力供給システム403の回路図である。
ワイヤレス電力供給システム401,402,403は、給電装置201および受電装置301で構成され、給電装置201から受電装置301へワイヤレスで電力を供給する。
給電装置201は、給電回路210と、給電用コイルアンテナLtと、給電用コイルアンテナLtと共振回路220を構成する共振キャパシタCtとを含み、給電回路210には共振回路220が電気的に接続される。なお、本実施形態では、給電用コイルアンテナLtが給電回路210に直接接続(オーミック接続)されている。給電用コイルアンテナLtは、受電装置301が備える受電回路310との結合に用いられる。
ワイヤレス電力供給システム401では、1つの共振キャパシタCtを備えた直列共振回路が構成されている。図15に示すように、共振キャパシタCtは、給電用コイルアンテナLtの一端に直列接続されている。
ワイヤレス電力供給システム402では、2つの共振キャパシタCtを備えた直列共振回路が構成されている。図16に示すように、2つの共振キャパシタCtは、給電用コイルアンテナLtの両端にそれぞれ直接接続されている。このように、給電用コイルアンテナLtは、共振キャパシタCtを介して給電回路201に接続されていてもよい。
ワイヤレス電力供給システム403では、1つの共振キャパシタCtを備えた並列共振回路が構成されている。図17に示すように、共振キャパシタCtは、給電用コイルアンテナLtに並列に接続されている。
給電回路210は、直流入力電圧Viを交流電圧に変換して上記共振回路220に印加するインバータ回路211を備える。インバータ回路211は、スイッチング素子Q1,Q2、キャパシタC11、ダイオードD1および駆動回路212を含む。駆動回路212は、スイッチング素子Q1,Q2をHF帯の動作周波数(例えば6.78MHz)で交互にオン/オフ駆動する。共振回路220の共振周波数はこの動作周波数またはその近傍の周波数である。このように、給電回路210は給電用コイルアンテナLtにHF帯の交番電圧を印加する。共振回路220の共振周波数を、動作周波数またはその近傍の周波数に設定することで電力伝送効率が向上し、電力伝送損失を低減できる。
受電装置301は、受電回路310と、受電回路310に電気的に接続される受電用コイルアンテナLrとを含む。なお、本実施形態では、受電用コイルアンテナLrが受電回路310に直接接続(オーミック接続)されている。受電用コイルアンテナLrは、給電装置201が備える給電回路210との結合に用いられ、この受電用コイルアンテナLrのインダクタンス成分と受電回路310が有する容量成分とで共振回路320が構成される。受電用コイルアンテナLrと給電用コイルアンテナLtとは主に磁界結合する。
また、受電回路310は、受電用コイルアンテナLrに生じる交流電圧を直流電圧に変換する整流平滑回路311と、整流平滑回路311によって変換された直流出力電圧によって駆動される負荷Roとを備える。整流平滑回路311はダイオードブリッジ回路による整流回路312、平滑キャパシタC21,C22、および電圧レギュレータ回路313を含む。
共振回路320はHF帯の上記動作周波数またはその近傍の周波数で共振する。共振回路320の共振電圧は整流回路312で全波整流され、平滑キャパシタC21,C22、および電圧レギュレータ回路213で平滑および安定化され、負荷Roへ所定の一定電圧Voが供給される。
本実施形態では、給電用コイルアンテナLtは、第1の実施形態で示した構造のコイルアンテナ101であり、受電用コイルアンテナLrは通常のコイルアンテナである。なお、「通常のコイルアンテナ」とは、コイル導体が単純なループ状またはスパイラル状を成しているものである。
なお、給電用コイルアンテナが通常のコイルアンテナであり、受電用コイルアンテナが第1の実施形態で示したコイルアンテナ101であってもよい。また、給電用コイルアンテナおよび受電用コイルアンテナの双方が第1の実施形態で示した構造のコイルアンテナ101であってもよい。いずれも構造でも、給電用コイルアンテナと受電用コイルアンテナは主に磁界結合し、主に磁界を介して電力が伝送される。
このように、本発明のコイルアンテナは、給電用コイルアンテナ、受電用コイルアンテナのいずれにも利用できる。
この構成により、相手側コイルアンテナとの相対的な位置関係による結合強度の変化が小さなコイルアンテナを備える給電装置、受電装置およびワイヤレス電力供給システムを実現できる。
なお、本実施形態では、受電回路310が有する容量成分と、受電用コイルアンテナLrのインダクタンス成分とで共振回路が構成される例を示したが、共振用のキャパシタを受電用コイルアンテナLrに直列または並列に接続してもよい。
なお、本実施形態では、第1の実施形態で示した構造のコイルアンテナ101が給電用コイルアンテナLtであり、給電回路210に直接接続(オーミック接続)される例を示したが、この構成に限定されるものではない。第1の実施形態で示した構造のコイルアンテナ101が中継用コイルアンテナとして、電界結合や磁界結合によって給電回路210に接続されていてもよい。例えば、給電回路210に直接接続された結合コイルと、受電回路310に接続された受電用コイルアンテナLrとが、第1の実施形態で示した構造のコイルアンテナ101を変形したコイルアンテナ101Pを介して、電界結合や磁界結合によって互いに接続されていてもよい。なお、コイルアンテナ101Pは、コイルアンテナ101の第1端(図1におけるT1参照)と第2端(図1におけるT2参照)とを直接接続して閉ループとしたもの、またはコイルアンテナ101の第1端と第2端とをキャパシタを介して接続して閉ループとしたものである。すなわち、本発明における「コイルアンテナに電気的に接続される」とは、コイルアンテナに直接接続(オーミック接続)される構造に限定されず、電界結合や磁界結合による接続される態様も含む。
《その他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、並走部分が2つのコイル導体が並走して巻回する例を示したが、この構成に限定されるものではない。本発明における「並走部分」は2つ以上のコイル導体が並走して巻回する部分であればよく、並走部分が例えば3つのコイル導体が並走して巻回してもよい。並走部分が3つ以上のコイル導体が並走して巻回されている場合には、並走して巻回される全ての複数のコイル導体の内外配置を、交差箇所にて入れ替える構造であってもよい。なお、並走部分が3つ以上のコイル導体が並走して巻回されている場合には、並走して巻回される複数のコイル導体のうち少なくとも2つの内外配置を、交差箇所にて入れ替えることにより、本願発明の作用・効果を奏することができる。
以上に示した各実施形態では、基材1が矩形状の平板である例を示したが、この構成に限定されるものではない。基材1の平面形状は適宜変更可能であり、例えば円形、楕円形、多角形、T字形、L字形等でもよい。また、基材1は平板に限らず、立体構造等とすることも可能である。また、基材1の主面は平面状に限定されるものではなく、曲面等であってもよい。なお、後に詳述するように、本発明のコイルアンテナにおいて基材1は必須ではない。
また、以上に示した各実施形態では、基材1の表面に複数のコイル導体を形成する例や、基材1の表面および裏面に複数のコイル導体を形成する例を示したが、この構成に限定されるものではない。複数のコイル導体は、Z軸方向から視て、並走して巻回される並走部分を有していればよく、複数のコイル導体が多層に亘って形成されていてもよい。複数のコイル導体は、例えばそれぞれ異なる基材に形成されていてもよい。また、積層体を構成する各基材に複数のコイル導体が形成されていてもよい。
以上に示した第1・5・6の各実施形態では、複数のコイル導体が約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンである例を示したが、この構成に限定されるものではない。複数のコイル導体の外形は、例えば円形、楕円形、多角形等でもよい。また、複数のコイル導体のターン数は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。さらに、複数のコイル導体はスパイラル状に限らず、ループ状の導体パターンであってもよい。また、コイルアンテナが備える複数のコイル導体は巻線コイルであってもよい。すなわち、本発明のコイルアンテナにおいて基材は必須ではない。複数のコイル導体が巻線コイルである場合には、ヘリカル状であってもよい。
同様に、以上に示した第2・3の各実施形態では、複数のコイル導体が直列に接続されて約3ターンの矩形スパイラル状の導体パターンを構成する例を示したが、これに限定されるものではない。直列に接続された複数のコイル導体の外形は、例えば円形、楕円形、多角形等でもよい。また、直列に接続された複数のコイル導体のターン数は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。さらに、直列に接続された複数のコイル導体は、スパイラル状に限らず、ループ状の導体パターンであってもよい。ループ状またはスパイラル状のコイル導体が形成された基材を積層してヘリカル状の導体パターンを構成してもよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
AX…巻回軸
BE…ブリッジ部
CR1,CR2,CR3,CR4,CR5,CR6,CR7,CR8,CR9,CR10,CR11,CR12,CR13,CR14…交差箇所
C11…キャパシタ
C21,C22…平滑キャパシタ
Ct…共振キャパシタ
D1…ダイオード
S1,S2…複数のコイル導体の間隙
L1,L1A,L1B,L2,L2A,L2B,L2J,L3,L4,L5,L6…コイル導体
PL,PL1,PL2,PL3,PLA,PLB…複数のコイル導体の並走部分
PR1,PR2,PR3…接続箇所
Lr…受電用コイルアンテナ
Lt…給電用コイルアンテナ
PE1…第1部分
PE2…第2部分
N1…第1部分の1ターン当たりの交差箇所の個数
N2…第2部分の1ターン当たりの交差箇所の個数
R1…第1部分の径方向において巻回軸からの距離
R2…第2部分の径方向において巻回軸からの距離
Q1,Q2…スイッチング素子
Ro…負荷
T1…コイルアンテナの第1端
T2…コイルアンテナの第2端
V1a,V1b,V2a,V2b…層間接続導体
Vi…直流入力電圧
Vo…一定電圧
1…基材
101,102,103,104,105A,105B,106…コイルアンテナ
201…給電装置
210…給電回路
211…インバータ回路
212…駆動回路
213…電圧レギュレータ回路
220…共振回路
301…受電装置
310…受電回路
311…整流平滑回路
312…整流回路
313…電圧レギュレータ回路
320…共振回路
401…ワイヤレス電力供給システム

Claims (21)

  1. ワイヤレス電力供給システムで用いられるコイルアンテナであって、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、
    前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上である、コイルアンテナ。
  2. ワイヤレス電力供給システムで用いられるコイルアンテナであって、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、径方向において前記巻回軸からの距離が近い第1部分と、前記径方向において前記巻回軸からの距離が前記第1部分よりも遠い第2部分と、を有し、
    前記並走部分において隣接する前記コイル導体の間隙は、前記第1部分に比べて前記第2部分のほうが小さい、コイルアンテナ。
  3. 前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上である、請求項2に記載のコイルアンテナ。
  4. 前記複数のコイル導体は、径方向において前記巻回軸からの距離が近い第1部分と、前記径方向において前記巻回軸からの距離が前記第1部分よりも遠い第2部分と、を有し、
    前記第1部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、前記第2部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数よりも少ない、請求項からのいずれかに記載のコイルアンテナ。
  5. 前記交差箇所は、直流的に分離されている、請求項1からのいずれかに記載のコイルアンテナ。
  6. 給電装置から受電装置へワイヤレスで電力を供給するワイヤレス電力供給システムにおける給電装置であって、
    前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
    前記コイルアンテナに電気的に接続される給電回路と、
    を備え、
    前記コイルアンテナは、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、
    前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上である、給電装置。
  7. 給電装置から受電装置へワイヤレスで電力を供給するワイヤレス電力供給システムにおける給電装置であって、
    前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
    前記コイルアンテナに電気的に接続される給電回路と、
    を備え、
    前記コイルアンテナは、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、径方向において前記巻回軸からの距離が近い第1部分と、前記径方向において前記巻回軸からの距離が前記第1部分よりも遠い第2部分と、を有し、
    前記並走部分において隣接する前記コイル導体の間隙は、前記第1部分に比べて前記第2部分のほうが小さい、給電装置。
  8. 前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上である、請求項7に記載の給電装置。
  9. 前記給電回路は前記コイルアンテナにHF帯の交番電圧を印加する、請求項6から8のいずれかに記載の給電装置。
  10. 給電装置から受電装置へワイヤレスで電力を供給するワイヤレス電力供給システムにおける受電装置であって、
    前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
    前記コイルアンテナに電気的に接続される受電回路と、
    を備え、
    前記コイルアンテナは、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、
    前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上である、受電装置。
  11. 給電装置から受電装置へワイヤレスで電力を供給するワイヤレス電力供給システムにおける受電装置であって、
    前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
    前記コイルアンテナに電気的に接続される受電回路と、
    を備え、
    前記コイルアンテナは、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、径方向において前記巻回軸からの距離が近い第1部分と、前記径方向において前記巻回軸からの距離が前記第1部分よりも遠い第2部分と、を有し、
    前記並走部分において隣接する前記コイル導体の間隙は、前記第1部分に比べて前記第2部分のほうが小さい、受電装置。
  12. 前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上である、請求項11に記載の受電装置。
  13. 前記受電回路が有する容量成分と、前記コイルアンテナのインダクタンス成分とで共振回路が構成され、
    前記共振回路の共振周波数はHF帯の周波数である、請求項10から12のいずれかに記載の受電装置。
  14. 給電装置および受電装置で構成されるワイヤレス電力供給システムにおいて、
    前記給電装置は、
    前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
    前記コイルアンテナに電気的に接続される給電回路と、
    を有し、
    前記コイルアンテナは、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、
    前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上であり、
    前記受電装置は、前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナを備える、ワイヤレス電力供給システム。
  15. 給電装置および受電装置で構成されるワイヤレス電力供給システムにおいて、
    前記給電装置は、
    前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
    前記コイルアンテナに電気的に接続される給電回路と、
    を有し、
    前記コイルアンテナは、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、径方向において前記巻回軸からの距離が近い第1部分と、前記径方向において前記巻回軸からの距離が前記第1部分よりも遠い第2部分と、を有し、
    前記並走部分において隣接する前記コイル導体の間隙は、前記第1部分に比べて前記第2部分のほうが小さく、
    前記受電装置は、前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナを備える、ワイヤレス電力供給システム。
  16. 前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上である、請求項15に記載の受電装置。
  17. 前記給電回路は前記コイルアンテナにHF帯の交番電圧を印加する、請求項14から16のいずれかに記載のワイヤレス電力供給システム。
  18. 給電装置および受電装置で構成されるワイヤレス電力供給システムにおいて、
    前記受電装置は、
    前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
    前記コイルアンテナに電気的に接続される受電回路と、
    を有し、
    前記コイルアンテナは、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、
    前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上であり、
    前記給電装置は、前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナを備える、ワイヤレス電力供給システム。
  19. 給電装置および受電装置で構成されるワイヤレス電力供給システムにおいて、
    前記受電装置は、
    前記給電装置との結合に用いられるコイルアンテナと、
    前記コイルアンテナに電気的に接続される受電回路と、
    を有し、
    前記コイルアンテナは、
    巻回軸の周りに巻回され、互いに並列接続される複数のコイル導体を備え、
    前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つは、前記巻回軸方向から視て、並走して巻回される並走部分に交差箇所を有し、
    前記複数のコイル導体は、前記巻回軸方向から視て、スパイラル状に巻回され、径方向において前記巻回軸からの距離が近い第1部分と、前記径方向において前記巻回軸からの距離が前記第1部分よりも遠い第2部分と、を有し、
    前記並走部分において隣接する前記コイル導体の間隙は、前記第1部分に比べて前記第2部分のほうが小さく、
    前記給電装置は、前記受電装置との結合に用いられるコイルアンテナを備える、ワイヤレス電力供給システム。
  20. 前記並走部分の1ターン当たりの前記交差箇所の個数は、1つ以上である、請求項19に記載の受電装置。
  21. 前記受電回路が有する容量成分と、前記コイルアンテナのインダクタンス成分とで共振回路が構成され、
    前記共振回路の共振周波数はHF帯の周波数である、請求項18から20のいずれかに記載のワイヤレス電力供給システム。
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