JP6595791B2 - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、産業用ロボットや建設機械の減速機で使用される円すいころ軸受に関する。特に、内輪の小鍔が無い形状であり、円すいころの脱落を防止するために、円すいころと保持器が一体化した構造を有する円すいころ軸受に関する。
産業用ロボットに用いられる転がり軸受のように、モーメント荷重に対して剛性が求められる用途では、一般的にアンギュラ玉軸受や円すいころ軸受に予圧をかけ用いられる。高剛性が求められる場合には、同一サイズでは負荷容量が大きい円すいころ軸受が用いられる。昨今、軸受サイズに対するモーメント荷重は大きくなり、必要剛性も増している。また、装置全体のコンパクト化のために、軸受のスペースも小さくなっている。つまり、コンパクトでかつ、高負荷容量の円すいころ軸受が求められている。
従来の一般的な円すいころ軸受の構造を図5に基づいて説明する。図5に示すように、円すいころ軸受11は、外周面にテーパ状の軌道面12aを有する内輪12と、内周面にテーパ状の軌道面13aを有する外輪13と、内輪12の軌道面12aと外輪13の軌道面13aとの間を転動する複数の円すいころ14と、各円すいころ14をポケット部で転動自在に保持する保持器15とを備えている。保持器15は、大径リング部15aと小径リング部15bとを複数の柱部15cで連結してなり、柱部15c同士の間のポケット部16に円すいころ14を収納している。内輪12の大径側端部に大鍔12bを小径側端部に小鍔12cを一体形成して、円すいころ14および保持器15が内輪12から脱落しないようにしている。円すいころ軸受における内輪は、テーパ状の軌道面を有することから軸方向に見て小径側と大径側とがあり、「小鍔」は小径側端部に設けられた鍔であり、「大鍔」は大径側端部に設けられた鍔である。
このような円すいころ軸受において、特許文献1では、内輪軌道面を内輪の小径側端面まで連続させ、軌道面を確保した構造が提案されている。特許文献1では、内輪軌道面を内輪の小径側端面まで連続させると、円すいころ、内輪、保持器が分離するが、円すいころと保持器については、保持器の形状を工夫することで一体化できることが記載されている。また、特許文献1および特許文献2では、円すいころと保持器を一体化した保持器の製作方法として、軸方向(アキシャルドロー)の2枚の金型を利用して射出成形することが記載されている。
特許文献1の円すいころ軸受における保持器を図6に基づいて説明する。図6に示すように、この保持器21は、円すいころ(図示省略)をポケット部22に保持するものである。組立時においてポケット部22から円すいころが脱落することを防止する等の目的で、柱部23の内径側および外径側に円錐面24、25を設けている。内径側の円錐面24と外径側の円錐面25とは、柱部23の片面において対角に形成されている。また、金型分割線に沿って溝26を形成し、成形後の金型間にバリが発生したとしても、該バリの円すいころへの干渉を防止している。
特開2014−202284号公報 国際公開WO2014/163177
しかしながら、特許文献1のように、円すいころと保持器とを一体化する際の掛かり代となる部分(内径側の円錐面と外径側の円錐面)が対角に形成されている場合、金型分割面が複雑となる。また、円すいころの掛かり代となる内径側の円錐面24と外径側の円錐面25が対角に配置され、これに対応して、円すいころの掛かり代のない平面である円錐面24の外径側面および円錐面25の内径側面も対角に配置されるため、保持時に円すいころがガタつく等、円すいころの保持性が十分でないおそれがある。さらに、金型分割面に溝26を設ける場合、その分柱部が薄肉となり、柱部の機械的強度が低下するおそれがある。特に、高負荷容量仕様とすべく、円すいころの充填率を高くする場合は、保持器の径が大きい割に柱部が薄肉となるため、保持器全体のリング剛性が低下しやすい。その他、円すいころを安定して保持するために、円すいころとの接触面となる案内面を広くすると、実接触面積が大きくなり、この部分に潤滑剤が入り込みにくく、潤滑性に劣るおそれがある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、簡易な金型での成形を可能としながら、円すいころと保持器とを一体化する際に円すいころを安定して保持でき、その上で、必要に応じて機械的強度の向上や案内面での潤滑性の向上が図れる樹脂製保持器を備えた円すいころ軸受を提供することを目的とする。
本発明の円すいころ軸受は、外周面にテーパ状の軌道面を有する内輪と、内周面にテーパ状の軌道面を有する外輪と、上記内輪の軌道面と上記外輪の軌道面との間を転動する複数の円すいころと、上記円すいころをポケット部で転動自在に保持する保持器とを備えてなる円すいころ軸受であって、上記保持器は、樹脂組成物を射出成形してなる射出成形体であり、大径リング部と、小径リング部と、これらを連結する複数の柱部とを有し、隣接する柱部同士の間に上記ポケット部が形成され、上記柱部に軸方向に沿った上記射出成形による金型分割線が形成され、該柱部における上記分割線よりも小径側かつ保持器外径側に、上記ポケット部開口の周方向幅を狭くする方向に形成された面からなる上記円すいころの案内部を有し、該柱部における上記分割線よりも小径側かつ保持器内径側に、上記円すいころの脱落防止用の爪部を有することを特徴とする。
上記内輪は、小径側端部に小鍔を有さない構造、または、小径側端部に小鍔を有さず、かつ大径側端部に大鍔を有さない構造であることを特徴とする。
上記案内部のテーパ方向の幅が、上記柱部のテーパ方向の幅の51%以上であることを特徴とする。
上記案内部と上記脱落防止用の爪部とが同一の金型により成形され、上記爪部が無理抜きにて成形されたことを特徴とする。
上記爪部の高さhは、上記柱部のテーパ方向の爪部幅tに対してh/tが0.02以上、かつ、保持器軸方向の爪部幅tに対して h/tが0.02以上であることを特徴とする。
上記案内部において、その軸方向両端部に貫通する溝を有することを特徴とする。また、上記溝は、保持器外径側の軸方向端部から、軸方向反対端部に向けて、溝幅が広がる形状であることを特徴とする。
本発明の円すいころ軸受は、射出成形体である保持器の柱部に軸方向に沿った金型分割線が形成され、該柱部における分割線よりも小径側かつ保持器外径側に円すいころの案内部を有し、該柱部における分割線よりも小径側かつ保持器内径側に、円すいころの脱落防止用の爪部を有しているので、外径側の案内部と内径側の爪部とが、共に小径側にあり、円すいころの保持性に優れる。また、アキシャルドローによる2枚の金型での成形時に、案内部と脱落防止用の爪部とが同一側の金型により成形でき、金型構造を簡易化できる。また、脱落防止用の爪部により、円すいころと保持器とを一体化できるため、小鍔をなくした構造とでき、円すいころの長さを延長して負荷容量の増大および小型化が可能になる。
案内部のテーパ方向の幅が、柱部のテーパ方向の幅の51%以上であるので、金型分割面が保持器の柱部の中央より大径側にシフトされ、より安定して円すいころを保持できる。
脱落防止用の爪部の高さhは、上記柱部のテーパ方向の爪部幅tに対してh/tが0.02以上、かつ、保持器軸方向の爪部幅tに対して h/tが0.02以上であるので、該爪部を無理抜きにて成形する場合でも割れや白化を防止できる。
案内部において、その軸方向両端部に貫通する所定の溝を有するので、該案内部の案内面での潤滑性が向上する。
本発明の円すいころ軸受の一例を示す図である。 図1における保持器の断面図である。 ウェルド位置を示す保持器の一部斜視図である。 案内部の溝の形態を示す保持器の断面図である。 従来の円すいころ軸受の軸方向断面図である。 従来の円すいころ軸受の保持器の一部斜視図である。
本発明の円すいころ軸受の一実施例を図1および図2に基づいて説明する。図1は、内輪小鍔を有さない円すいころ軸受の軸方向断面図とその分解図であり、図2(a)は保持器の軸方向断面図であり、図2(b)は保持器の円すいころの軸に沿った断面図である。図1に示すように、円すいころ軸受1は、外周面にテーパ状の軌道面2aを有する内輪2と、内周面にテーパ状の軌道面3aを有する外輪3と、内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間を転動する複数の円すいころ4と、円すいころ4をポケット部で周方向一定間隔で転動自在に保持する保持器5とを備えてなる。各軌道面は、軸方向に沿って該軌道面を構成する径が増加・減少するテーパ状である。テーパの角度は特に限定されないが、軸方向に対して通常15°〜60°程度である。円すいころ軸受1において、内輪2の小径側端部に小鍔を有さず、内輪2の大径側端部に大鍔2bが一体形成されている。なお、本発明の円すいころ軸受は、少なくとも小鍔をなくした構造であればよく、必要に応じて小鍔・大鍔ともになくした構造としてもよい。
図1の分解図に示すように、円すいころ軸受1は、保持器5と円すいころ4とを一体化した一体品7とし、この一体品7と、内輪2と、外輪3とを組み合わせて対象部位に組み込んで使用する。このように保持器と円すいころとを一体品とする場合、上述のとおり、組み込み時に円すいころ4が保持器5から脱落しない(一体化を保つ)ために、何らかのころ脱落防止構造が必要となる。本発明の円すいころ軸受では、保持器のポケット部に円すいころの脱落防止部となる爪部を有し、円すいころが該爪部の弾性変形を経てポケット部に組み込まれて保持器と一体とされている。
図2(a)および図2(b)に示すように、保持器5は、リブ部である大径リング部5aと小径リング部5bとを、複数の柱部5cで連結してなり、柱部5c同士の間のポケット部6に円すいころ4を収納している。保持器5は、後述の樹脂組成物を射出成形してなる射出成形体である。ここで、柱部5cに保持器の軸方向(軸受の軸方向でもある)に沿った射出成形による金型分割線Xが形成されている。金型分割線Xは、柱部5cの中央より大径側にシフトしている。この射出成形金型は、アキシャルドローによる2枚の金型からなり、一方が金型分割線Xより大径側(図中上側)の金型であり、他方が金型分割線Xより小径側(図中下側)の金型である。両金型は、一方が固定金型、他方が可動金型となり、相対的にみると、図中黒矢印に示すように、金型分割線Xより大径側(図中上側)の金型が図中左方向に、金型分割線Xより小径側(図中下側)が図中右方向に移動する。金型分割線Xは、大径リング部5aと小径リング部5bとの間で、これらリング部にかからない範囲で変動可能である。
保持器5は、柱部5cにおける金型分割線Xよりも小径側かつ保持器外径側に円すいころの案内部5dを有し、柱部5cにおける金型分割線Xよりも小径側かつ保持器内径側に、円すいころの脱落防止用の爪部5eを有する。図5(b)に示すように、案内部5dは、ポケット部開口の周方向幅を狭くする方向に形成された面(案内面)からなる。運転時において、円すいころ4は案内部5dの案内面の一部に接触しながら転動する。案内面の形状は、円すいころに沿った曲面であっても、平坦面(ストレート面)であってもよい。また、案内部5dは、ポケット開口部表面からみると、円すいころの母線に沿ったテーパ状の開口を形成している。
案内部5dにより、保持器5の案内部5dが形成された側から円すいころ4が外れることを防止できる。保持器5の内径側から爪部5eの掛かり代分を弾性変形させつつ、円すいころ4を保持器5のポケット部6に挿入する(かち込む)ことで、円すいころ4がポケット部6内において案内部5dと爪部5eとに囲まれて保持される。
案内部5dのテーパ方向の幅tは、柱部5cのテーパ方向の幅b(ポケット部の幅と同じ)の51%以上とすることが好ましい。これにより、より安定して円すいころを保持できる。より好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上、最も好ましくは65%以上である。図2(a)に示す形態では、案内部5dは、小径リング部5bから連続して金型分割線X直前まで形成している。このような形態とすることで、金型分割線Xよりも小径側としながら、極力長く幅tを確保できる。
爪部5eは、金型分割線Xより小径側かつ保持器内径側であれば任意の箇所に形成できる。案内部5dの位置との関係で、円すいころを保持させやすい位置に形成することが好ましい。図2(a)に示す形態では、案内部5dのテーパ方向の幅範囲内で、金型分割線X寄りで同形状の2個を離間して形成している。爪部の数はこれに限定されず、少なくとも1個以上あればよく、より安定した円すいころの保持が必要とされる場合には3個以上形成してもよい。
上記のとおり、案内部5dと爪部5eは、いずれも金型分割線Xよりも小径側に配置されるため、同一側の金型により成形される。案内部5dを形成する金型により、爪部5eも形成され、この爪部5eについては無理抜きとなる。この場合、爪部に応力が発生し、先端の欠け(割れ)や、根本が白化するおそれがある。爪部の高さをh、柱部テーパ方向の爪部幅をt、保持器軸方向の爪部幅をtとする場合(図2(a)参照)において、これらの値と射出成形無理抜き時の割れや白化との関係の検証結果を表1に示す。なお、保持器材質はPA66樹脂製(ガラス繊維30体積%配合)であり、表中の「○」は割れも白化も認められない場合、「△」は割れはないが白化が認められる場合、「×」は割れが認められる場合である。
表1に示すように、爪部の高さhについて、柱部テーパ方向の爪部幅tに対してh/tが0.02以上、かつ、保持器軸方向の爪部幅tに対して h/tが0.02以上である場合には、射出成形無理抜き時の割れや白化を防止できていることが分かる。
また、爪部5eの厚さ方向の先端をR形状とすることが好ましい。これにより、割れや白化をより防止できる。また、バリが発生しにくい。この半径Rおよび爪部の高さhと、射出成形無理抜き時の割れや白化との関係および円すいころの保持性との関係の検証結果を表2に示す。なお、表中の円すいころの保持性の「○」は、保持性および射出成形時に問題が無い場合、「△」は射出成形できるが白化が認められた場合、「‐」は未評価の場合である。
表2に示すように、先端R形状の半径Rが、爪部の高さhに対し0.5h〜1.5hの場合に、射出成形無理抜き時の割れや白化を防止でき、かつ、円すいころの保持性にも優れることが分かる。
次に、上記の保持器について、機械的強度の向上を図る方策について説明する。図2(a)に示すように、大径リング部5aの厚みをc、柱部の肉厚をaとする場合、cをaに対して81%〜120%とすることが好ましい。このような寸法関係に設定することで、保持器のリング剛性を向上できる。より好ましくは、84〜100%である。
また、図2(a)に示すように、射出成形時の樹脂の挿入口であるゲート8を小径リング部5bの内径側に設けることが好ましい。これにより、図3に示すように、ウェルド位置9を大径リング部5aの柱部間に設定でき、保持器の強度低下を抑制できる。また、小径リング部5bにゲートを設ける場合、小径リング部5bの肉厚をゲート径の1.6倍〜4倍とすることが好ましい。これにより、ショートショットにならずに成形できる。
次に、上記の保持器について円すいころ案内面での潤滑性の向上を図る方策について図4に基づいて説明する。上述のとおり、本発明の円すいころ軸受の保持器では、案内部が幅広であり、円すいころを安定して保持できる。図4(a)および図4(b)では、このような案内部5dにおいて、その軸方向両端部に貫通する溝5fを設けることで、案内面への潤滑剤の流入を促進させている。この溝5fにより、案内部5dは不連続となっている。図4(a)に示す形態は、軸方向に平行な溝5fを1本、案内部5dの略中央に設けている。また、図4(b)に示す形態では、案内部5dの溝5fをくさび型にし、その凸の先端を外径側に配置している。すなわち、保持器外径側の軸方向端部から、軸方向反対端部に向けて、溝5fの幅が広がる形状である。このような形態により、潤滑剤溜まりを形成しやすく、かつ、遠心力が加わる環境下でも潤滑剤が外部に飛散しにくい。溝5fは、案内部5dの射出成形時に同時に容易に形成できる。
本発明の円すいころ軸受における上記保持器は、樹脂組成物を用いた樹脂成形体である。樹脂組成物としては射出成形が可能であり、保持器材料として十分な耐熱性や機械的強度を有するものであれば、任意のものを使用できる。例えば、ポリアミド6(PA6)樹脂、ポリアミド6−6(PA66)樹脂、ポリアミド6−10(PA610)樹脂、ポリアミド9−T(PA9T)樹脂、ポリメタキシレンアジパミド(ポリアミドMXD−6)樹脂などのポリアミド(PA)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂などの射出成形可能なフッ素樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂などが挙げられる。これらの各合成樹脂は単独で使用してもよく、2種類以上混合したポリマーアロイであってもよい。
また、保持器の弾性率などの機械的強度を向上させるため、これらの樹脂に、射出成形性を阻害しない範囲で、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、各種鉱物性繊維(ウィスカー)などの繊維状補強材を配合することが好ましい。さらに必要に応じて、公知の充填材や添加剤として、珪酸カルシウム、クレー、タルク、マイカなどの無機充填材、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末などの固体潤滑剤、帯電防止剤、導電材、顔料、離型材などを配合してもよい。
以上、各図に基づき本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明の円すいころ軸受はこれらに限定されるものではない。
本発明の円すいころ軸受は、簡易な金型での成形を可能としながら、円すいころと保持器とを一体化する際に円すいころを安定して保持できる樹脂製保持器を備えているので、小鍔を有さない構造において組み付け時の円すいころ脱落を防止でき、産業ロボット用など、高モーメント荷重を負荷し、かつ高剛性機能が求められる産業用の円すいころ軸受として好適に利用できる。
1 円すいころ軸受
2 内輪
3 外輪
4 円すいころ
5 保持器
6 ポケット部
7 一体品
8 ゲート
9 ウェルド位置

Claims (7)

  1. 外周面にテーパ状の軌道面を有する内輪と、内周面にテーパ状の軌道面を有する外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間を転動する複数の円すいころと、前記円すいころをポケット部で転動自在に保持する保持器とを備えてなる円すいころ軸受であって、
    前記保持器は、樹脂組成物を射出成形してなる射出成形体であり、大径リング部と、小径リング部と、これらを連結する複数の柱部とを有し、隣接する柱部同士の間に前記ポケット部が形成され、
    前記柱部に軸方向に沿った前記射出成形による金型分割線が形成され、該柱部における前記分割線よりも小径側であり、かつ、該小径側の柱部の保持器外径側にのみ、前記ポケット部開口の周方向幅を狭くする方向に形成された案内面からなる前記円すいころの案内部を有し、該柱部における前記分割線よりも小径側であり、かつ、該小径側の柱部の保持器内径側に、前記円すいころと前記保持器を一体化するための前記円すいころの脱落防止用の爪部を有しており、
    運転時において、前記円すいころは前記案内部の前記案内面の一部に接触しながら転動することを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 前記内輪は、小径側端部に小鍔を有さない構造、または、小径側端部に小鍔を有さず、かつ大径側端部に大鍔を有さない構造であることを特徴とする請求項1記載の円すいころ軸受。
  3. 前記案内部のテーパ方向の幅が、前記柱部のテーパ方向の幅の51%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の円すいころ軸受。
  4. 前記案内部と前記脱落防止用の爪部とが同一の金型により成形され、前記爪部が無理抜きにて成形されたことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の円すいころ軸受。
  5. 前記爪部の高さhは、前記柱部のテーパ方向の爪部幅tに対してh/tが0.02以上、かつ、保持器軸方向の爪部幅tに対して h/tが0.02以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の円すいころ軸受。
  6. 前記案内部において、その軸方向両端部に貫通する溝を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の円すいころ軸受。
  7. 前記溝は、保持器外径側の軸方向端部から、軸方向反対端部に向けて、溝幅が広がる形状であることを特徴とする請求項6記載の円すいころ軸受。
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