JP2016148424A - 円すいころ軸受 - Google Patents

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康由 林
Yasuyoshi Hayashi
康由 林
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Abstract

【課題】円すいころと保持器とを簡易な構造で容易に一体化でき、高負荷容量化および小型化が可能な円すいころ軸受を提供する。
【解決手段】円すいころ軸受は、外周面にテーパ状の軌道面を有する内輪と、内周面にテーパ状の軌道面を有する外輪と、軌道面と軌道面との間を転動する複数の円すいころ4と、円すいころ4をポケット部で転動自在に保持する保持器5とを備え、保持器5は、大径リング部5aと小径リング部5bと、これらを連結する複数の柱部5cとを有し、隣接する柱部同士の間にポケット部6が形成され、円すいころ4は端面に凹部4aを有し、保持器5はポケット部6に円すいころ4の脱落防止部として凹部4aに係合する凸部5dを有し、凸部5dはポケット部の大径リング部5a側のポケット部内面に形成され、該ポケット部内面の外側のリング部に肉ぬすみ部9を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、産業用ロボットに用いられる転がり軸受など、高モーメント荷重を負荷し、かつ、高剛性機能が求められる産業用の転がり軸受(円すいころ軸受)に関する。
産業用ロボットに用いられる転がり軸受のように、モーメント荷重に対して剛性が求められる用途では、一般的にアンギュラ玉軸受や円すいころ軸受に予圧をかけ用いられる。高剛性が求められる場合には、同一サイズでは負荷容量が大きい円すいころ軸受が用いられる。昨今、軸受サイズに対するモーメント荷重は大きくなり、必要剛性も増している。また、装置全体のコンパクト化のために、軸受のスペースも小さくなっている。つまり、コンパクトでかつ、高負荷容量の円すいころ軸受が求められている。
従来の一般的な円すいころ軸受の構造を図7に基づいて説明する。図7に示すように、円すいころ軸受11は、外周面にテーパ状の軌道面12aを有する内輪12と、内周面にテーパ状の軌道面13aを有する外輪13と、内輪12の軌道面12aと外輪13の軌道面13aとの間を転動する複数の円すいころ14と、各円すいころ14をポケット部で転動自在に保持する保持器15とを備えている。保持器15は、大径リング部15aと小径リング部15bとを複数の柱部15cで連結してなり、柱部15c同士の間のポケット部16に円すいころ14を収納している。内輪12の大径側端部に大鍔12bを小径側端部に小鍔12cを一体形成して、円すいころ14および保持器15が内輪12から脱落しないようにしている。円すいころ軸受における内輪は、テーパ状の軌道面を有することから軸方向に見て小径側と大径側とがあり、「小鍔」は小径側端部に設けられた鍔であり、「大鍔」は大径側端部に設けられた鍔である。
このような円すいころ軸受において、上述の高負荷容量化のために、内輪小鍔をなくした構造(特許文献1参照)や、軸受外の周囲部材も利用して内輪小鍔と内輪大鍔の両方をなくした構造(特許文献2参照)が提案されている。
その他、一般的なころ軸受において、ころを保持器に留め、ころと保持器を一体化したものとして、黄銅等の非鉄金属からなる一対の環状側板と、該側板間に介在させる複数の柱部とを有し、該柱部間のポケット部にころを配して、上記一対の環状側板をリベット(鋲)により締結してなる保持器が提案されている(特許文献3参照)。また、ころの軸心を貫通するピン挿入孔に、ころを回転自在に支持するピンが通挿してあり、ピンの両端は一対の環状の側板に溶接等で固定してあるピンタイプ保持器付きころ軸受が提案されている(特許文献4参照)。
特許第4964696号公報 国際公開WO2013/051422 特開2001−124091号公報 特開2006−250299号公報
特許文献1では、保持器、内輪、円すいころが分離しないように、大鍔部に、保持器を引っ掛けるための切欠きを設ける必要がある。大鍔部の強度を維持するためには、大鍔の外径寸法を大きくすることになるが、そのスペースが確保できない場合がある。また、特許文献2では、内輪、保持器、円すいころが、組み付け時において分離するおそれがあり、軸受としての管理が非常に困難である。高負荷容量化のためには、円すいころ軸受において内輪の小鍔、または小鍔・大鍔ともに無くした構造が必要となる。そのために、ころを保持器に留めて、ころと保持器とを一体化する必要性が生じている。一般的な円すいころ軸受には、鉄板保持器や樹脂保持器が使用されているが、構造上から、内輪・ころ・保持器で一体化とする形状(ころと保持器のみで一体化していない)になっているものが多い。
ころと保持器のみで両部材を一体化する場合、組み付け時にころが保持器から脱落しないようにする(一体化を保つ)ため、何らかのころ脱落防止構造が必要となる。通常であれば、保持器を複数の部品で構成させることが考えられる。しかし、例えば、特許文献3に示すような鋲止めでは、一体化するスペースが必要であり、高負荷容量化の目的からは逆行する。また、産業用途の軸受のサイズは小さいため、中空ころの製造や保持器の溶接作業も困難であり、特許文献4に示すような溶接ピンタイプも採用できない。その他、弾性変形する係合部を利用して両部材を一体化する場合、係合部の弾性変形量が少ないと、引掛り代などが少しでも大きい場合、該係合部に過大な負荷応力が掛かり、割れ等が発生するおそれがある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、円すいころと保持器とを簡易な構造で容易に一体化でき、高負荷容量化および小型化が可能な円すいころ軸受を提供することを目的とする。
本発明の円すいころ軸受は、外周面にテーパ状の軌道面を有する内輪と、内周面にテーパ状の軌道面を有する外輪と、上記内輪の軌道面と上記外輪の軌道面との間を転動する複数の円すいころと、上記円すいころをポケット部で転動自在に保持する保持器とを備えてなり、上記保持器は、大径リング部と、小径リング部と、これらを連結する複数の柱部とを有し、隣接する柱部同士の間に上記ポケット部が形成され、上記円すいころは、少なくとも一方の端面に凹部を有し、上記保持器は、上記ポケット部に上記円すいころの脱落防止部として上記円すいころの上記凹部に係合する凸部を有し、上記凸部は、上記ポケット部の大径リング部側および小径リング部側から選ばれた少なくとも一方のポケット部内面に形成され、該凸部が形成されたポケット部内面の外側のリング部に肉ぬすみ部を有することを特徴とする。
上記内輪は、小径側端部に小鍔を有さない構造、または、小径側端部に小鍔を有さず、かつ大径側端部に大鍔を有さない構造であることを特徴とする。また、上記保持器が樹脂成形体であることを特徴とする。
上記肉ぬすみ部が、上記リング部の外径と内径を貫通する穴部であり、該穴部が、(1)上記ポケット部の周方向幅以上の周方向幅を有してポケット部毎に1つ設けられた穴部、または、(2)上記ポケット部毎に複数設けられた穴部、であることを特徴とする。
上記肉ぬすみ部が、上記リング部の軸方向外側端面と内径面に開口する溝であることを特徴とする。
上記円すいころは、両端面にそれぞれ上記凹部を有し、上記保持器は、上記ポケット部に上記円すいころの脱落防止部としてそれぞれの上記凹部に係合する上記凸部を有し、上記円すいころの一端面の上記凹部と他端面の上記凹部とが異形状であり、上記保持器における少なくとも一方の上記凸部が、上記凹部のいずれか一方のみと係合でき、他方とは係合できない形状であることを特徴とする。
本発明の円すいころ軸受は、円すいころの凹部と保持器の凸部(脱落防止部)との弾性変形による係合により、簡易な構造で円すいころと保持器とを一体化でき、組み付け時における保持器からの円すいころの脱落を防止できる。特に、保持器の上記凸部が形成されたポケット部内面の外側のリング部に肉ぬすみ部を有するので、脱落防止部となる凸部およびその周囲の弾性変形量を大きくでき、該部分での割れ等を防止しつつ、容易に円すいころと保持器とを一体化できる。また、円すいころと保持器との一体化により、小鍔をなくした構造とでき、円すいころの長さを延長して負荷容量の増大および小型化が可能になる。
上記肉ぬすみ部が、該肉ぬすみ部が形成されるリング部の外径と内径を貫通する穴部であるので、後加工による形成が容易であり、脱落防止部となる凸部およびその周囲の弾性変形量を大きくできる。また、該穴部が(1)ポケット部の周方向幅以上の周方向幅を有してポケット部毎に1つ設けられた穴部であるので、上記凸部にバネ作用を付与できる。また、上記肉ぬすみ部が、該肉ぬすみ部が形成されるリング部の外径と内径を貫通する穴部であり、該穴部が(2)ポケット部毎に複数設けられた穴部であるので、リング部の強度を維持しつつ、弾性変形量を大きくできる。
上記肉ぬすみ部が、上記リング部の軸方向外側端面と内径面に開口する溝であるので、脱落防止部となる凸部およびその周囲の弾性変形量を大きくできる。また、保持器を射出成形による樹脂成形体とする場合に、射出成形時に該肉ぬすみ部を同時に形成することが可能になる。
保持器が樹脂成形体であるので、上述の脱落防止部や肉ぬすみ部を保持器本体に容易に形成できる。
円すいころが両端面にそれぞれ凹部を有し、保持器がポケット部にそれぞれの上記凹部に係合する凸部を有する構成において、円すいころの一端面の凹部と他端面の凹部とが異形状であり、保持器における少なくとも一方の凸部が、凹部のいずれか一方のみと係合でき、他方とは係合できない形状であるので、円すいころを正常方向とは逆向きで保持器に組み込もうとしても、係合できない凸部が干渉して組み込むことができない。これにより、逆組み(大径と小径とが入れ替り組み立てられる)を防止できる。
本発明の円すいころ軸受の一例を示す図である。 図1における保持器と円すいころの分解図である。 図2に示す肉ぬすみ部を有する保持器の一部斜視図である。 肉ぬすみ部の他の形態を示す保持器の軸方向断面図および一部斜視図である。 逆組みを防止する構造を説明する図である。 保持器における円すいころ案内部の形状を示す図である。 従来の円すいころ軸受の軸方向断面図である。
本発明の円すいころ軸受の一実施例を図1および図2に基づいて説明する。図1は内輪小鍔を有さない円すいころ軸受の軸方向断面図とその分解図であり、図2は図1における保持器と円すいころの分解図である。図1に示すように、円すいころ軸受1は、外周面にテーパ状の軌道面2aを有する内輪2と、内周面にテーパ状の軌道面3aを有する外輪3と、内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間を転動する複数の円すいころ4と、円すいころ4をポケット部で周方向一定間隔で転動自在に保持する保持器5とを備えてなる。各軌道面は、軸方向に沿って該軌道面を構成する径が増加・減少するテーパ状である。テーパの角度は特に限定されないが、軸方向に対して通常15°〜60°程度である。円すいころ軸受1において、内輪2の小径側端部に小鍔を有さず、内輪2の大径側端部に大鍔2bが一体形成されている。なお、高負荷容量化および小型化のためには、少なくとも該図に示すような小鍔をなくした構造であればよく、必要に応じて小鍔・大鍔ともになくした構造としてもよい。
図1の分解図に示すように、円すいころ軸受1は、保持器5と円すいころ4とを一体化した一体品7とし、この一体品7と、内輪2と、外輪3とを組み合わせて対象部位に組み込んで使用する。このように保持器と円すいころとを一体品とする場合、上述のとおり、組み込み時に円すいころ4が保持器5から脱落しない(一体化を保つ)ために、何らかのころ脱落防止構造が必要となる。本発明の円すいころ軸受では、保持器のポケット部に円すいころの脱落防止部となる凸部を有し、円すいころが該凸部とその周囲の弾性変形を経てポケット部に組み込まれて保持器と一体とされている。
図2に示すように、保持器5は、リブ部である大径リング部5aと小径リング部5bとを、複数の柱部5cで連結してなり、柱部5c同士の間のポケット部6に円すいころ4を収納している。円すいころ4の両端面にそれぞれ凹部(ぬすみ)4a、4bを有し、保持器5のポケット部6に脱落防止部として上記凹部に係合する凸部(突起)5d、5eを有する。凹部4aは円すいころ4の大径側端面に、凹部4bは円すいころ4の小径側端面に、それぞれ旋削等により形成されている。凸部5dは保持器5の大径リング部5a側のポケット部内面に、凸部5eは保持器5の小径リング部5b側のポケット部内面に、それぞれ形成されている。これら凹凸部の引掛り代分を弾性変形させながら、円すいころ4を保持器5のポケット部6に挿入する(かち込む)ことで、凹部4aと凸部5dとが係合し、凹部4bと凸部5eとが係合し、保持器5と円すいころ4とが一体となる。
ここで、凸部5dが形成された大径リング部5aに肉ぬすみ部9を有する。肉ぬすみ部9は、凸部5dが形成されたポケット部内面の外側に位置する。また、該図に示す肉ぬすみ部9は、大径リング部5aの外径(図中上側)と内径(図中下側)とを貫通する穴部(穴形状)である。円すいころ4は、脱落防止部である両凸部を含めた保持器5が弾性変形することで、かち込まれる。凹凸形状は、保持器5と円すいころ4とが組み付け時に脱落することを防止する程度の引掛り代が必要となり、この引掛り代が少しでも大きい場合、上記弾性変形量が小さいと、凸部に過大な負荷応力が掛かり、割れや削れが発生するおそれがある。これに対して、肉ぬすみ部9を大径リング部5aに形成することで、凸部5dと該5d周囲の部分が弾性変形しやすくなる。これにより、引掛け代が大きくても、凸部に無理な負荷が掛からず、スムーズに円すいころが挿入できる。
図3に基づいて肉ぬすみ部周囲の保持器形状を説明する。図3(a)および(b)は、図2に示す肉ぬすみ部を有する保持器の一部斜視図である。図3(a)に示す形態では、肉ぬすみ部9が、大径リング部5aに、ポケット部6の周方向幅以上の周方向幅を有してポケット部毎に1つ設けられた穴部として形成されている。これにより、凸部5dが形成されたポケット部内面の外側周囲の部分が、円すいころの挿入時に弾性変形しやすく、挿入後は円すいころを弾力的に保持でき、組み付け時に振動が加わるような場合でも円すいころの脱落を防止できる(バネ作用)。一方、図3(b)に示す形態では、肉ぬすみ部9が、大径リング部5aに、ポケット部毎に同形状かつ同間隔で5個設けられた略直方体状の穴部として形成されている。この形態では、図3(a)の場合と比較すると弾性変形量は小さくなるが、その分、大径リング部5aの強度を高くできる。なお、穴数や穴形状は、図示したものに限定されず、適宜設定できる。
図2および図3に示す形態において、肉ぬすみ部9は、小径リング部5b側に形成した場合、すなわち凸部5eが形成されたポケット部内面の外側に形成した場合にも同様の効果を奏する。よって、肉ぬすみ部の形成位置は、大径リング部および小径リング部のいずれか一方のリング側、または、両リング側に適宜設定できる。
また、図2および図3に示す形態の肉ぬすみ部9について、リング部を貫通しない凹部形状としてもよい。例えば、図2における凸部5dは、ポケット部6の内径側に位置するため、肉ぬすみ部9を大径リング部5aの内径面から該リング部の厚みの半分程度まで窪んだ凹部としてもよい。
図4に基づいて肉ぬすみ部の他の形態を説明する。図4(a)は保持器の軸方向断面図であり、図4(b)はその一部斜視図である。この形態では、肉ぬすみ部9が、大径リング部5aに、軸方向外側端面(リブ端面)と内径面に開口する溝として形成されている。より詳細には、軸方向に沿った面と、ポケット内面に沿った面とから構成される軸方向断面が略V字状の溝である。大径リング部5aの外径と内径とは貫通していない。該溝はポケット部6の周方向幅以上の周方向幅を有している。このような肉ぬすみ部により、図3の肉ぬすみ部と同様に、凸部5dと該5d周囲の部分が弾性変形しやすくなる。また、保持器を射出成形による樹脂成形体とする場合、上記溝形状の肉ぬすみ部とすることで、軸方向に抜く金型構成において、該肉ぬすみ部を保持器成形時に同時に形成できる。
保持器5と円すいころ4とは組み付け時の脱落を防止する程度には一体化されているが、運転時において、円すいころ4は保持器5のポケット部6内で転動自在とする必要がある。よって、凹凸部の形状は、円すいころと保持器との着脱方向に対して干渉する形状とし、円すいころの回転方向には引掛り等のない形状とする。図2に示す形態では、凹凸部ともに円状(略円すい台)としている。この形態において、凹部4a、凹部4b、凸部5d、および凸部5eは、円すいころ中心上に配置することが好ましい。これら凹凸部を円すいころ中心上に配置することで、回転時の凹凸部での摩擦を低減できる。
円すいころ軸受のころは円すい状のため、大径側と小径側が存在し、軸受の内・外輪との位置関係が決まっている。従来の円すいころ軸受(内輪・ころ・保持器を一体とする構造)では、内輪にころをセットした後に保持器をセットしており、内輪ところとの関係からころの逆組み(大径と小径とが入れ替り組み立てられる)の有無の確認ができていた。これに対して、本発明のように、ころと保持器を一体化した後に組み込む場合には、ころと保持器の一体化の際に逆組みできない構造(逆組みできない設計的工夫)を設けることが好ましい。特に、本発明では、肉ぬすみ部により弾性変形しやすく、逆組みされやすいため、当該逆組み防止手段を設けることが有用となる。
ころの逆組みを防止する手段として、例えば、円すいころの一端面の凹部と他端面の凹部とを異形状(径や深さが異なる)とし、保持器における少なくとも一方の凸部が、凹部のいずれか一方のみと係合でき、他方とは係合できない形状とする。逆組みを防止する構造を図5に基づいて説明する。図5(a)は、図2に示す保持器に円すいころを正常方向で組み込んだ状態であり、図5(b)は、図2に示す保持器に円すいころを逆方向に仮に組み込むとした状態である。図5(b)に示すように、保持器5の凸部5eは円すいころ4の凹部4aよりも大きく、凸部5eと凹部4aとは係合できない形状であるので、逆方向に組み込もうとしても該凸部が円すいころ4に干渉し、円すいころ4を保持器5のポケット部6に組み込むことができない。
保持器における円すいころの案内部を図6に基づいて説明する。図6(a)はポケット部の外径側に案内部を有する円すいころ軸受の軸方向断面図と、該ポケット部周囲を円すいころの軸心方向から見た模式図であり、図6(b)はポケット部の内径側に案内部を有する円すいころ軸受の軸方向断面図と、該ポケット部周囲を円すいころの軸心方向から見た模式図である。図2などに示す形態の凹凸部での一体化保持では、円すいころの動き(ガタ)を完全に抑制できないことから、図6(a)および(b)に示すように、保持器外径側または内径側に円すいころ4を案内するための案内部5fを設けることが好ましい。図6(a)に示す形態では、ポケット部6の外径側に該ポケット部開口の周方向幅を狭くする方向に形成された平坦面(ストレート面)からなる案内部5fを有する。図6(b)に示す形態では、ポケット部6の内径側に該ポケット部開口の周方向幅を狭くする方向に形成された平坦面からなる案内部5fを有する。それぞれの形態において、運転時には円すいころ4は案内部5fの一部(図中X部分)に接触しながら転動する。また、保持器の該案内部5fが形成された側に円すいころ4が外れることを防止できる。
図6に示すような形態において、さらに案内部5fの反対側のポケット開口部の縁に脱落防止用の補助突起を設けてもよい。また、円すいころと保持器とを一体化するための凹凸部を、保持器のポケット部の一方側の内面と、円すいころの一方側の端面にのみ形成し、他方側は上記のような補助突起を設ける形態としてもよい。
保持器の材質は、上述の脱落防止部や肉ぬすみ部を形成可能なものであれば特に限定されず、黄銅等の金属材や樹脂材を用いることができる。上述のような所定形状の脱落防止部や肉ぬすみ部を保持器本体と一体に容易に形成できることから、樹脂材を用いた樹脂成形体とすることが好ましい。特に、生産性にも優れることから樹脂材を金型を用いて射出成形した射出成形体とすることが好ましい。図2に示すような肉ぬすみ部は、保持器全体を射出成形後に後加工により形成し、図4に示すような肉ぬすみ部は、射出成形時に同時に形成できる。
樹脂材料としては射出成形などが可能であり、保持器材料として十分な耐熱性や機械的強度を有するものであれば、任意のものを使用できる。例えば、ポリアミド6(PA6)樹脂、ポリアミド6−6(PA66)樹脂、ポリアミド6−10(PA610)樹脂、ポリアミド9−T(PA9T)樹脂、ポリメタキシレンアジパミド(ポリアミドMXD−6)樹脂などのポリアミド(PA)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂などの射出成形可能なフッ素樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂などが挙げられる。これらの各合成樹脂は単独で使用してもよく、2種類以上混合したポリマーアロイであってもよい。
また、保持器の弾性率などの機械的強度を向上させるため、これらの樹脂に、射出成形性を阻害しない範囲で、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、各種鉱物性繊維(ウィスカー)などの繊維状補強材を配合することが好ましい。さらに必要に応じて、公知の充填材や添加剤として、珪酸カルシウム、クレー、タルク、マイカなどの無機充填材、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末などの固体潤滑剤、帯電防止剤、導電材、顔料、離型材などを配合してもよい。
以上、各図に基づき本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明の円すいころ軸受はこれらに限定されるものではない。
本発明の円すいころ軸受は、円すいころと保持器とを簡易な構造で容易に一体化でき、高負荷容量化および小型化が可能であるので、産業ロボット用など、高モーメント荷重を負荷し、かつ高剛性機能が求められる産業用の円すいころ軸受として好適に利用できる。
1 円すいころ軸受
2 内輪
3 外輪
4 円すいころ
5 保持器
6 ポケット部
7 一体品
9 肉ぬすみ部

Claims (6)

  1. 外周面にテーパ状の軌道面を有する内輪と、内周面にテーパ状の軌道面を有する外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間を転動する複数の円すいころと、前記円すいころをポケット部で転動自在に保持する保持器とを備えてなる円すいころ軸受であって、
    前記保持器は、大径リング部と、小径リング部と、これらを連結する複数の柱部とを有し、隣接する柱部同士の間に前記ポケット部が形成され、
    前記円すいころは、少なくとも一方の端面に凹部を有し、
    前記保持器は、前記ポケット部に前記円すいころの脱落防止部として前記円すいころの前記凹部に係合する凸部を有し、
    前記凸部は、前記ポケット部の大径リング部側および小径リング部側から選ばれた少なくとも一方のポケット部内面に形成され、該凸部が形成されたポケット部内面の外側のリング部に肉ぬすみ部を有することを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 前記内輪は、小径側端部に小鍔を有さない構造、または、小径側端部に小鍔を有さず、かつ大径側端部に大鍔を有さない構造であることを特徴とする請求項1記載の円すいころ軸受。
  3. 前記肉ぬすみ部が、前記リング部の外径と内径を貫通する穴部であり、該穴部が、(1)前記ポケット部の周方向幅以上の周方向幅を有してポケット部毎に1つ設けられた穴部、または、(2)前記ポケット部毎に複数設けられた穴部、であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の円すいころ軸受。
  4. 前記肉ぬすみ部が、前記リング部の軸方向外側端面と内径面に開口する溝であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の円すいころ軸受。
  5. 前記保持器が樹脂成形体であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の円すいころ軸受。
  6. 前記円すいころは、両端面にそれぞれ前記凹部を有し、
    前記保持器は、前記ポケット部に前記円すいころの脱落防止部としてそれぞれの前記凹部に係合する前記凸部を有し、
    前記円すいころの一端面の前記凹部と他端面の前記凹部とが異形状であり、前記保持器における少なくとも一方の前記凸部が、前記凹部のいずれか一方のみと係合でき、他方とは係合できない形状であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の円すいころ軸受。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106369047A (zh) * 2016-12-09 2017-02-01 瓦房店轴承集团有限责任公司 新结构铜保持架的圆锥滚子轴承

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