JP6595261B2 - 中間転写ベルトおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトおよびその製造方法に関する。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、印刷機等の画像形成装置には、中間転写ベルトが組み込まれている。画像形成装置内において、複数の感光体によって色別に形成された各トナー像は、中間転写ベルトのベルト表面に一次転写される。一次転写により重ね合わされた各色のトナー像は、ベルト表面から紙等の印字媒体に二次転写される。
このような機能を有する中間転写ベルトが組み込まれた画像形成装置では、高い精度で中間転写ベルトの位置を制御することが要求される。例えば、特許文献1には、中間転写ベルトにおけるベルト側縁部にベルト位置検出用の穴を形成する技術が開示されている。
特開平4−276774号公報
しかしながら、従来技術は、以下の点で問題がある。すなわち、中間転写ベルトは、一般に、高速回転、高寿命を実現するために、高い剛性が求められる。ところが、上述した従来の中間転写ベルトは、位置制御のためにベルトに穴が形成されているので、ベルト強度が低下し、破断しやすくなるという問題がある。とりわけ、中間転写ベルトにおけるベルト側縁は、ベルト回転時におけるベルト幅方向への蛇行を規制するため、蛇行規制部材と接触する。そのため、ベルト側縁部に位置制御用の穴が形成された中間転写ベルトは、蛇行規制部材との接触による外力がかかることによって上記破断の問題が顕著になる。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、良好な耐久性を有しており、位置制御に適した中間転写ベルトを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであって、
ベルト最表面におけるベルト側縁部に、位置制御に用いられるマーキング部を有しており、
該マーキング部は、
ベルト最表面におけるベルト側縁部に彫り込まれた複数の線状の溝部より構成されており、
上記マーキング部が形成されていないベルト最表面部分との光学分光濃度差が0.5以上であり、
上記溝部間の間隔が0.01mm以上0.1mm以下であり、
上記溝部の形成方向と垂直な方向の最大高さ粗さRzが1μm以上5μm以下である、中間転写ベルトにある。
本発明の他の態様は、上記中間転写ベルトの製造方法であって、
円筒状または円柱状の金型の外周面に、上記マーキング部が形成されていないベルト体を形成する工程と、
上記金型の外周面に上記ベルト体を保持したまま、上記ベルト体のベルト最表面にレーザー彫刻により上記溝部を複数形成し、マーキング部を形成する工程と、
を有する、中間転写ベルトの製造方法にある。
上記中間転写ベルトは、上述した構成のマーキング部を有している。当該マーキング部によれば、線状の溝部と溝部の間では、マーキング部が形成されていない部分と同じようにベルトの厚みが確保される。そのため、上記中間転写ベルトは、マーキング部を有することによってベルト強度が低下し難く、良好な耐久性を有する。また、マーキング部は、マーキング部が形成されていないベルト最表面部分との光学分光濃度差が0.5以上である。そのため、画像形成装置の位置センサーが上記中間転写ベルトのマーキング部を光学的に認識することができる。そのため、上記中間転写ベルトは、位置制御に適している。
上記中間転写ベルトの製造方法は、上述した各工程を有している。そのため、上記中間転写ベルトの製造方法によれば、ベルト最表面の所定位置に高い精度で上記マーキング部を形成することができる。それ故、耐久性に優れ、位置制御に適した上記中間転写ベルトを比較的簡単に製造することができる。
実施例1の中間転写ベルトを模式的に示した説明図である。 図1のII−II断面を模式的に示した説明図である。 実施例1の中間転写ベルトにおけるマーキング部をベルト外側上方から見た説明図である。 図3のIV−IV断面の一部を拡大して模式的に示した説明図である。 実施例2の中間転写ベルトの製造方法を説明するための説明図である。 試料1の中間転写ベルトにおけるマーキング部の一部を示した写真である。 試料1の中間転写ベルトにおけるマーキング部のコーナーR部を拡大して示した写真である。 試料1の中間転写ベルトにおけるマーキング部のベルト幅方向のプロファイルを示した図である。
上記中間転写ベルトは、電子写真方式の画像形成装置に用いられる。画像形成装置としては、例えば、帯電像を用いる電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、オンデマンド印刷機等を例示することができる。
上記中間転写ベルトは、ベルト最表面に、位置制御に用いられるマーキング部を有している。上記中間転写ベルトは、マーキング部を少なくとも1つ有しておればよい。マーキング部の外形状としては、例えば、四角形状などを例示することができる。マーキング部の面積は、例えば、15mm〜150mm程度とすることができる。マーキング部は、画像形成に支障がないように画像形成領域外に配置することができる。具体的には、マーキング部は、ベルト側縁部に配置されている。
マーキング部は、複数の線状の溝部より構成されている。溝部の断面形状としては、具体的には、例えば、断面「V」字状、断面「U」字状などを例示することができる。なお、マーキング部は、断面形状が同等である複数の線状の溝部が集まっていてもよいし、断面形状の異なる複数の線状の溝部が集まっていてもよい。
各溝部は、具体的には、例えば、ベルト周方向に沿うとともにベルト幅方向に配置されている構成とすることができる。この構成によれば、ベルト強度を確保しやすい利点がある。また、上述したように、マーキング部がベルト側縁部に配置されている場合に、ベルト側縁に蛇行規制部材による外力が作用する状況で回転使用される場合でも、マーキング部を起点とする破断が生じ難く、高い耐久性を発揮することができる。
溝部の幅は、具体的には、例えば、光学分光濃度差を確保しやすくするなどの観点から、好ましくは0.03mm以上、より好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは0.07mm以上とすることができる。溝部の幅は、具体的には、例えば、ベルト強度の確保などの観点から、好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.15mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下とすることができる。
溝部間の間隔は、具体的には、ベルト強度の確保などの観点から、0.01mm以上とされており、好ましくは0.03mm以上とすることができる。溝部間の間隔は、具体的には、光学分光濃度差を確保しやすくするなどの観点から、0.1mm以下とされている。なお、溝部の幅、溝部間の間隔は、レーザー顕微鏡を用い、マーキング部が有する各溝部について測定される測定値の平均値である。
溝部は、具体的には、レーザー彫刻により形成されていることが好ましい。この場合には、マーキング部の形成性に優れた中間転写ベルトが得られる。
マーキング部は、溝部の形成方向と垂直な方向の最大高さ粗さRzが5μm以下とされる。なお、最大高さ粗さRzは、JIS B0601:2001に準拠して測定される値である。この構成によれば、耐久性向上に有利である。また、マーキング部にトナーが付着した場合でも、ブレード部材によってトナーを掻き取りやすい利点もある。上記最大高さ粗さRzは、上記効果が得やすくなる観点から、好ましくは4.5μm以下、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3.5μm以下、さらにより好ましくは3μm以下とすることができる。なお、上記最大高さ粗さRzは、マーキング部の形成性などの観点から、1μm以上とされる。
マーキング部は、マーキング部が形成されていないベルト最表面部分との光学分光濃度差が0.5以上とされている。光学分光濃度差が0.5未満になると、レーザーセンサによるベルトの位置検知が困難になる。光学分光濃度差は、光学分光濃度計(X−Rite社製、「X−Rite440」)を用い、マーキング部が形成されていないベルト最表面部分の光学分光濃度値ODと、マーキング部の光学分光濃度値ODとを測定し、両測定値の差の絶対値|OD−OD|を計算することにより求められる。
上記中間転写ベルトは、具体的には、(1)筒状に形成された基層単層からなる構成、(2)筒状に形成された基層と、基層上に積層された表層とを有する構成、(3)筒状に形成された基層と、基層上に積層されたゴム弾性層とを有する構成、(4)筒状に形成された基層と、基層上に積層されたゴム弾性層と、ゴム弾性層上に積層された表層とを有する構成等とすることができる。なお、(1)の構成では、ベルト最表面は、基層の外側表面である。同様に、(2)、(4)の構成では、ベルト最表面は、表層の外側表面である。(3)の構成では、ベルト最表面は、ゴム弾性層の外側表面である。上記中間転写ベルトでは、これら各ベルト最表面に上述したマーキング部を有することができる。
上記層構成において、基層は、樹脂を主成分とすることができる。基層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。これら樹脂のうち、好ましくは、ポリイミド、および/または、ポリアミドイミドであるとよい。この場合には、基層の剛性が高くなるため、中間転写ベルトの耐久性向上に有利である。
基層は、導電性を付与するため、導電剤を含むことができる。導電剤は、電子導電剤、イオン導電剤のいずれであってもよく、双方を含むこともできる。好ましくは、電子導電剤であるとよい。電子導電剤としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系材料、アルミニウム粉末、ステンレス粉末等の金属粉末、導電性酸化亜鉛(c−ZnO)、導電性酸化チタン(c−TiO)、導電性酸化鉄(c−Fe)、導電性酸化錫(c−SnO)等の導電性金属酸化物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。なお、イオン導電剤は、後述するゴム弾性層の説明にて記載されるものを用いることができる。
基層は、導電剤以外にも、難燃剤、充填剤(炭酸カルシウム等)、レべリング剤などの各種添加剤を1種または2種以上含有することができる。基層の筒径、厚みは、用途(例えば、画像形成装置の機種、大きさ等)に応じて適宜決定することができる。基層の筒径は、例えば、120mm〜1000mm程度とすることができる。基層の厚みは、好ましくは30〜200μm、より好ましくは40〜130μm、さらに好ましくは60〜90μmとすることができる。
ゴム弾性層は、ゴム弾性を有する層である。ゴム弾性層に用いられるゴムとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、ブタジエンゴム(BR)、水素化ブタジエンゴム(H−BR)スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができ、また、これらは必要に応じて架橋することもできる。なお、ゴム弾性層は、上記ゴム以外にも、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)などを含むことができる。
ゴム弾性層は、導電性を付与するため、導電剤を含むことができる。導電剤は、イオン導電剤、上記電子導電剤のいずれであってもよく、双方を含むこともできる。好ましくは、イオン導電剤であるとよい。イオン導電剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩、リン酸エステル、スルホン酸塩、脂肪族多価アルコール、脂肪族アルコールサルフェート、イオン液体などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
ゴム弾性層は、導電剤以外にも、難燃剤、架橋剤、充填剤、レべリング剤などの各種添加剤を1種または2種以上含有することができる。ゴム弾性層の厚みは、柔軟性、難燃性、耐摩耗性、用途などを考慮して決定することができる。ゴム弾性層の厚みは、例えば、10〜1000μm、好ましくは20〜400μm、より好ましくは30〜300μmとすることができる。
表層は、樹脂を主成分とすることができる。表層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。表層は、上述した導電剤や各種添加剤を含むことができる。表層の厚みは、例えば、0.05〜20μm、好ましくは0.1〜15μm、より好ましくは1〜10μmとすることができる。
上記中間転写ベルトの製造方法では、円筒状または円柱状の金型の外周面に、ベルト表面にマーキング部が形成されていないベルト体が形成される。ベルト体は、具体的には、例えば、上述した層構成に応じて基層形成用材料、ゴム弾性層形成用材料、表層形成用材料を適宜用い、ディスペンサによってらせん状に塗工することによって所定の材料を円筒状または円柱状の金型の外周面に塗工、熱処理する手順を各層毎に実施することによって形成することができる。
上記中間転写ベルトの製造方法では、金型の外周面にベルト体を保持したまま、ベルト体のベルト最表面にレーザー彫刻により溝部が複数形成される。つまり、ベルト体を金型から脱型することなく、レーザー彫刻が実施される。この際、レーザー彫刻装置のレーザー出力強度を可変させることにより、上記最大高さ粗さRzを可変させることができる。レーザー出力強度を低下させる方向にした場合には、上記最大高さ粗さRzをより小さくすることができる。なお、本工程では、溝部の形成以外にも、金型の外周面にベルト体を保持したまま、レーザーを用いてベルト寸法を正寸となるようにカットすることもできる。この場合には、高い精度でベルト寸法を正寸にカットすることができるので、寸法精度の高い中間転写ベルトが得られる。なお、上述した各工程後、マーキング部が形成された中間転写ベルトを金型から脱型することになる。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の中間転写ベルトについて、図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1〜図4に示されるように、本例の中間転写ベルト1は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる。本例では、中間転写ベルト1は、筒状に形成された基層10単層より構成されている。また、基層10は、電子導電剤を含有するポリイミドまたはポリアミドイミドより形成されている。
中間転写ベルト1は、ベルト最表面に、位置制御に用いられるマーキング部11を有している。マーキング部11は、複数の線状の溝部111より構成されており、マーキング部11が形成されていないベルト最表面部分との光学分光濃度差が0.5以上である。
図では、マーキング部11がベルト側縁部に配置されている例が示されている。また、マーキング部11の形成数は1つとされている。なお、マーキング部11は、ベルト側縁部にベルト周方向Rに沿って複数形成することもできる。この場合、各マーキング部11は、具体的には、ベルト周方向Rに沿って等間隔に配置することができる。
本例では、マーキング部11は、JIS B0601:2001に準拠して測定される溝部111の形成方向と垂直な方向(本例では、ベルト幅方向W)の最大高さ粗さRzが5μm以下とされている。また、マーキング部11を構成する各溝部111は、レーザー彫刻により形成されたものである。
(実施例2)
本例の中間転写ベルト1の製造方法は、実施例1の中間転写ベルト1を製造する方法である。図5に示されるように、中間転写ベルト1の製造方法は、円筒状または円柱状の金型2の外周面に、ベルト表面にマーキング部11が形成されていないベルト体(不図示)を形成する工程と、金型2の外周面にベルト体を保持したまま、ベルト体のベルト最表面にレーザー彫刻により溝部111を複数形成し、マーキング部11を形成する工程とを有している。
本例では、具体的には、円柱状の金型2の外周面に、ベルト表面にマーキング部11が形成されていないベルト体としての基層10が形成される。基層10は、具体的には、例えば、金型2の外周面に基層形成用材料をディスペンサによってらせん状に塗工し、熱処理することによって形成される。また、レーザー彫刻は、具体的には、例えば、レーザー彫刻装置からレーザーをベルト周方向に照射することにより行われる。
本例では、溝部の形成後、金型の外周面にベルト体を保持したまま、レーザーを用いてベルト寸法が正寸となるようにカットが行われる。図では、かかるカットにより、2つの中間転写ベルト1を同時に形成する例が示されている。
以下、異なる構成を有する中間転写ベルトの試料を複数作製し、評価を行った。その実験例について説明する。
(実験例)
<基層形成用材料の調製>
ポリイミド(PI)(新日本理化社製、「リカコート EN−20」)、または、ポリアミドイミド(PAI)(東洋紡績社製、「バイロマックスHR−16NN」)100質量部と、電子導電剤としてのカーボンブラック(三菱化学(株)製、「#2300」)10質量部と、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン800質量部とを配合し、羽撹拌にて混合後、分散機にて分散することにより、2種類の液状の基層形成用材料を調製した。
<ゴム弾性層形成用材料の調製>
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)(日本ゼオン社製、「ニポールDN101」)100質量部と、イソシアネート化合物(トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物)(東ソー社製、「コロネートHL」)35質量部と、加硫剤(粉末硫黄)(鶴見化学工業社製、「イオウPTC」)0.5質量部と、加硫促進剤(三新化学社製、「サンセラーDM」)1質量部と、無機系難燃剤(水酸化アルミニウム)(昭和電工社製、「ハイジライトH−42M」)50質量部と、無機系難燃剤(水酸化マグネシウム)(協和化学工業社製、「キスマ5A」)50質量部と、有機系難燃剤(ホスファゼン誘導体)(伏見製薬所社製、「ラビトルFP−110」)25質量部と、滑剤(ステアリン酸)(日油社製、「ステアリン酸さくら」)1質量部と、受酸剤(酸化亜鉛)(正同化学工業社製、「酸化亜鉛2種」)5質量部と、イオン導電剤(テトラブチルアンモニウムブロマイド:TBAB)(富士純薬社製)1質量部とを、固形分が60質量%となるようにシクロヘキサノン中に配合し、混合することにより、液状のゴム弾性層形成用材料を調製した。
<表層形成用材料の調製>
アクリル樹脂(根上工業社製、「パラクロンW−197C」)100質量部と、電子導電剤としてのカーボンブラック(オリオンエンジニアドカーボンズ社製、「スペシャルブラック4」)25質量部と、レベリング剤(DIC社製、「メガファックF−555」)0.5質量部と、架橋剤としてのイソシアネート化合物(トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物)(東ソー社製、「コロネートHL」)30質量部とを、固形分が10質量%となるようにメチルイソブチルケトン(MIBK)中に配合し、混合することにより、液状の表層形成用材料を調製した。
<試料1〜6、試料1Cの中間転写ベルトの作製>
アルミニウム製の円筒状金型を準備した。また、3つのノズルを有するディスペンサ(液体定量吐出装置)を準備した。このディスペンサのノズルは、内径φ=1mmのニードルノズルである。次いで、上記調製した基層形成用材料、ゴム弾性層形成用材料、および、表層形成用材料とを、それぞれ別のエアー加圧タンクに収容し、金型の外周面とノズルとのクリアランスを1mmとして、金型およびノズルをセットした。次いで、金型を垂直にした状態で、回転数200rpmで軸中心に回転させながら、基層形成用材料を吐出するノズルを、1mm/secの移動速度で軸方向下方に移動させるとともに、エアー加圧タンクに0.4MPaの圧力をかけて基層形成用材料をノズルに圧送し、ノズルから基層形成用材料を吐出させ、金型の外周面上にらせん状に塗工した。これにより、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜を形成した。次いで、形成された全体塗膜に対して、2時間で250℃まで昇温し、250℃で1時間保持するという条件にて熱処理を施した。これにより、金型の外周面上に、筒状に形成された基層単層からなる各ベルト体(厚み80μm、筒径φ320mm)を形成した。なお、基層の材質は、表1に示す通りである。
次に、金型の外周面にベルト体を保持したまま、レーザー彫刻装置(パナソニック社製、「LP−421S9U」)を用いて、表1に示すレーザー強度、レーザー走査方向にて、ベルト体の最表面(基層表面)におけるベルト側縁部の一部にレーザー彫刻を施すことにより、複数の線状の溝部よりなるマーキング部を形成した。なお、レーザー彫刻装置におけるレーザー彫刻プログラムは、溝部の幅:0.01mm、溝部間の間隔:0.01mm、レーザー走査スピード:2000mm/sに設定した。また、マーキング部の大きさは、ベルト周方向10mm、ベルト幅方向10mmの四角形状とした。但し、マーキング部の角部は、コーナーR部を有している。
次いで、基層の一端縁と金型の外周面との間に高圧エアーを吹き込み、金型を抜き取った。以上により、試料1〜6、試料1Cの中間転写ベルトを作製した。試料1の中間転写ベルトのマーキング部を図6、図7に示す。
<試料7の中間転写ベルトの作製>
試料1と同様に、金型の外周面上に、筒状に形成された基層を形成した。基層が形成された金型を、回転数100rpmで軸中心に回転させながら、表層形成用材料を吐出するノズルを、1mm/secの移動速度で軸方向下方に移動させるとともに、エアー加圧タンクに0.8MPaの圧力をかけて表層形成用材料をノズルに圧送し、ノズルから表層形成用材料を吐出させ、金型の外周面上にある基層表面にらせん状に塗工した。これにより、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜を形成した。次いで、形成された全体塗膜に対して、0.5時間で170℃まで昇温し、170℃で0.5時間保持するという条件にて熱処理を施し、表層形成用材料を硬化させた。これにより、筒状に形成された基層(厚み80μm)と、基層上に積層された表層(厚み15μm)とを有するベルト体を形成した。
以降は、試料1と同様にして、ベルト体の最表面(表層表面)に上述したマーキング部を形成することにより、試料7の中間転写ベルトを作製した。
<試料8の中間転写ベルトの作製>
試料1と同様に、金型の外周面上に、筒状に形成された基層を形成した。基層が形成された金型を、回転数200rpmで軸中心に回転させながら、ゴム弾性層形成用材料を吐出するノズルを、1mm/secの移動速度で軸方向下方に移動させるとともに、エアー加圧タンクに0.8MPaの圧力をかけてゴム弾性層形成用材料をノズルに圧送し、ノズルからゴム弾性層形成用材料を吐出させ、金型の外周面上にある基層表面にらせん状に塗工した。これにより、らせん状塗膜の連続体からなる全体塗膜を形成した。次いで、形成された全体塗膜に対して、3時間で170℃まで昇温し、170℃で0.5時間保持するという条件にて熱処理を施し、ゴム弾性層形成用材料を硬化させた。これにより、筒状に形成された基層(厚み80μm)と、基層上に積層されたゴム弾性層(厚み200μm)とを有するベルト体を形成した。
次いで、上記ゴム弾性層が形成された金型を、回転数60rpmで軸中心に回転させながら、紫外線照射機(アイグラフィックス社製、「UB031−2A/BM」(水銀ランプ形式)を用いて、照射強度120mW/cm、照射時間30秒、光源とゴム弾性層表面との距離100mmという条件にて、ゴム弾性層表面に紫外線を照射することにより、ゴム弾性層にUV処理を施した。
以降は、試料1と同様にして、ベルト体の最表面(ゴム弾性層表面)に上述したマーキング部を形成することにより、試料8の中間転写ベルトを作製した。
<試料2Cの中間転写ベルトの作製>
試料1で作製した基層単層からなるベルト体におけるベルト側縁部の一部に、位置制御用の貫通するパンチ穴(直径6mmの円形)を形成することにより、試料2Cの中間転写ベルトを作製した。
<光学分光濃度の測定>
光学分光濃度計(X−Rite社製、「X−Rite440」)を用いて、各試料の中間転写ベルトにおけるマーキング部、および、マーキング部が形成されていないベルト最表面部分(以下、非マーキング部という。)の光学分光濃度を測定した。そして、非マーキング部の光学分光濃度値ODと、マーキング部の光学分光濃度値ODとの差の絶対値|OD−OD|を計算することにより光学分光濃度差(以下、OD値差という。)を求めた。
<最大高さ粗さRz>
各マーキング部について、JIS B0601:2001に準拠し、溝部の形成方向と垂直な方向の最大高さ粗さRzを測定した。この際、粗さ計には、東京精密社製、「SURFCOM1400D」を用いた。また、測定長は8mmとした。なお、ピックアップにはDTS03A、測定子にはDM43801を用いた。図8に、試料1の中間転写ベルトにおけるマーキング部のベルト幅方向のプロファイルを示す。
<マーキング部のすす量>
粘着テープ(3M社製、「スコッチメンディングテープ810」)を、各試料のマーキング部に貼り付け、その後粘着テープを剥離したときの粘着面へのすすの付着量を目視にて評価した。なお、レーザー彫刻によるすすは、分光濃度の反射性に影響するため、少ない方が好ましい。粘着テープへの転写5回以下ですすが無くなる場合を、すす量:少とした。粘着テープへの転写6回〜10回ですすが無くなる場合を、すす量:中とした。粘着テープへの転写11回以上ですすが無くなる場合を、すす量:多とした。
<耐久性評価>
−MIT耐久試験−
各試料の中間転写ベルトから、長手方向がベルト周方向と一致するようにマーキング部を中央に有する短冊状試験片(幅15mm×長さ115mm)を切り出し、25℃×45%RH環境下において、MIT耐折疲労試験機(東洋精機製作所社製「MIT−DA」)を用いてMIT試験を行い、MIT回数(N=5の平均値)を測定した。この際、短冊状試験片は、ベルト周方向と折り曲げ方向とが垂直であって、かつ、マーキング部中央が折り曲げ位置となるように試験機にセットした。試験条件は、スプリング介在状態で荷重300g、折り曲げ速度135回/分、折り曲げ角度90°とした。なお、MIT回数は、耐屈曲性の評価の指標となるものであり、このMIT回数が多い程、屈曲に対する耐久性に優れていることを示す。
−ベルト回転耐久試験−
動力シャフト(ローラ)および従動シャフトに各試料の中間転写ベルトを張架し、回転させた。この際、ベルト片側端部を寄らせるように従動シャフトを傾けることにより、動力シャフトの端に設けられているフランジ(蛇行規制部材を模擬)にベルト片側端部が押し付けられた状態とした。また、従動シャフトの角度は、押し付け荷重が一定となるように設定した。但し、上記押し付け荷重は13N、ベルト回転速度は418mm/s、張架荷重は5kg、フランジの材質はポリアセタールとした。上記のように、フランジにベルトが押し付けられた状態でベルトを回転させ、ベルト端面における亀裂、ベルト破断の異常を確認した。ベルト走行距離が100km以上で異常が無かった場合を、ベルト回転耐久性に優れるとして「A」とした。ベルト走行距離が30km以上100km未満で異常が見つかった場合を、ベルト回転耐久性が良好であるとして「B」とした。ベルト走行距離が30km未満で異常が見つかった場合を、ベルト回転耐久性に劣るとして「C」とした。
表1に、中間転写ベルト試料の詳細な構成および評価結果をまとめて示す。
表1によれば以下のことがわかる。すなわち、試料1Cの中間転写ベルトは、OD値差が0.5未満である。そのため、試料1Cの中間転写ベルトは、画像形成装置の位置センサーが中間転写ベルトのマーキング部を光学的に認識することが難しく、位置制御が難しい。
試料2Cの中間転写ベルトは、ベルト側縁部に位置制御用のパンチ穴(貫通)が形成されている。そのため、屈曲耐久性が悪く、また、ベルト回転耐久時に破断が生じやすかった。
これらに対し、試料1〜8の中間転写ベルトは、上述した構成のマーキング部を有している。当該マーキング部によれば、線状の溝部と溝部の間では、マーキング部が形成されていない部分と同じようにベルトの厚みが確保される。そのため、上記中間転写ベルトは、マーキング部を有することによってベルト強度が低下し難く、良好な耐久性を有することができる。また、マーキング部は、マーキング部が形成されていないベルト最表面部分との光学分光濃度差が0.5以上である。そのため、画像形成装置の位置センサーが中間転写ベルトのマーキング部を光学的に認識することが可能となる。そのため、上記中間転写ベルトは、位置制御に適している。
さらに、試料1〜8の中間転写ベルトを比較すると次のことがわかる。試料1と試料5の中間転写ベルトを比較すると、各溝部がベルト周方向に沿うとともにベルト幅方向に配置されている構成とされている場合には、ベルト強度を確保しやすく、マーキング部を起点とする破断が生じ難く、高い耐久性を発揮することができることがわかる。
試料1〜4と試料6の中間転写ベルトを比較すると、マーキング部における溝部の形成方向と垂直な方向の最大高さ粗さRzが5μm以下である場合には、耐久性向上に有利であることがわかる。
なお、試料1〜6、試料1Cの中間転写ベルトを比較すると、溝部がレーザー彫刻により形成されている場合、上記最大高さ粗さRzが5μm以下とした方が、レーザー彫刻によるすす量を低減しやすくなることもわかる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 中間転写ベルト
10 基層
11 マーキング部
111 溝部
2 金型

Claims (4)

  1. 電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであって、
    ベルト最表面におけるベルト側縁部に、位置制御に用いられるマーキング部を有しており、
    該マーキング部は、
    ベルト最表面におけるベルト側縁部に彫り込まれた複数の線状の溝部より構成されており、
    上記マーキング部が形成されていないベルト最表面部分との光学分光濃度差が0.5以上であり、
    上記溝部間の間隔が0.01mm以上0.1mm以下であり、
    上記溝部の形成方向と垂直な方向の最大高さ粗さRzが1μm以上5μm以下である、中間転写ベルト。
  2. 上記各溝部は、ベルト周方向に沿うとともにベルト幅方向に配置されている、請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 上記溝部がレーザー彫刻により形成されている、請求項1または2に記載の中間転写ベルト。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の中間転写ベルトの製造方法であって、
    円筒状または円柱状の金型の外周面に、上記マーキング部が形成されていないベルト体を形成する工程と、
    上記金型の外周面に上記ベルト体を保持したまま、上記ベルト体のベルト最表面にレーザー彫刻により上記溝部を形成する工程と、
    を有する、中間転写ベルトの製造方法。
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