JP6593748B2 - 熱線遮蔽シート - Google Patents

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本発明は、熱線(赤外線)を効果的に遮蔽する熱線遮蔽シートに関し、特に可撓性を有する熱線遮蔽シートに関する。
近年、建物に設けられた窓ガラス等に貼着され、熱線を遮蔽する機能を有する熱線遮蔽シートが普及している。しかしながら、このような熱線遮蔽シートの場合、建物の室内での温度上昇を抑制することができる一方で、窓ガラスのうちの熱線遮蔽シートが密着している部分の温度は上昇するため、密着していない部分(周縁部等)との温度差が大きくなり、その結果窓ガラスの熱割れが生じやすくなるという問題がある。特に網入りガラスの場合、その温度差がより一層大きくなるため、熱割れの発生が生じやすい。
このような熱割れを防止するための熱線遮蔽材が種々提案されている。例えば、特許文献1には、光制御層と、その光制御層に積層された熱伝導層とを備えるウインドウフィルムが開示されている。この光制御層は、ウインドウフィルムのフィルム面に沿った第1方向に配列された複数の第1部分であって、各々が、第1方向と非平行であるとともにフィルム面に沿った第2方向に延びている複数の第1部分と、その第1部分と第1方向に交互に配列された複数の第2部分であって、熱線を吸収する熱線吸収材を含む複数の第2部分とを有している。また、熱伝導層の熱伝導率は、10W/m・k以上とされている。
このウインドウフィルムの場合、熱伝導層が、熱線を吸収した第2部分から熱を受け取ることによって、第2部分の蓄熱を抑制することができる。そして、熱伝導層は、その受取った熱を自身の内部で拡散させる。これにより、このウインドウフィルムと積層される窓ガラスのうちの第2部分に対面する部分へ局所的に熱が伝わることを抑制することができるため、窓ガラス内の温度差の増大を抑制することができ、熱割れを効果的に回避することができる。
また、特許文献2には、透明高分子フィルムよりなるスクリーン基材と、そのスクリーン基材の少なくとも一方面に接着された透明積層フィルムとを備え、その透明積層フィルムが透明高分子フィルムよりなるフィルム基材の少なくとも一方面に日射遮蔽性を有する積層構造部を備えた構成の透明ロールスクリーンを、網入り窓ガラスに対し、室内側のガラス面から1〜300mmの範囲内で離して室内側のガラス面に沿って室内側に配置する網入り窓ガラスの日射調整方法が開示されている。
この日射調整方法の場合、網入り窓ガラスの室内側において、ガラス面から特定距離だけ離した上でそのガラス面に沿って日射遮蔽性を有する透明ロールスクリーンを配置するため、日射遮蔽性を有するものが網入り窓ガラスのガラス面に密着することがない。その結果、日射の吸収に起因する熱が網入り窓ガラスに伝達されるのを抑えることができるため、網入り窓ガラスの熱割れを効果的に回避することができる。
特開2015−21257号公報 特開2012−207444号公報
しかしながら、上述した従来のウインドウフィルムの場合、複数の第1部分及び熱線吸収剤を含む複数の第2部分を所定の形状で形成するとともに、特定の熱伝導率を有する熱伝導層を備える等、その構造が複雑であるため、低コスト化が困難である等の問題がある。また、上述した従来の日射調整方法の場合、透明ロールスクリーンがガラス面から離れて室内に配置されるため、窓ガラスとロールスクリーンとの間に無駄なスペースが生じるという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができる熱線遮蔽シートを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の熱線遮蔽シートは、窓材に対して設置され、太陽光を透過する基材シートと、当該基材シートに形成される熱線遮蔽部とを備える熱線遮蔽シートにおいて、前記基材シートは可撓性を有し、少なくともその一方の主面上に互いに間隔をおいて複数の凹部が設けられており、当該複数の凹部の吸着作用によって前記窓材に貼着するように構成され、前記窓材と貼着されている状態において、当該窓材と前記一方の主面との間に空隙が形成され、前記基材シートの前記一方の主面上には、厚み方向の長さが異なる複数の凹部が設けられていることを特徴とする。
上記態様において、前記基材シートの前記一方の主面上には、前記凹部が形成された吸着面と、当該吸着面とは反対側の面から突設された軸部とを具備する吸盤が複数設けられていてもよい。
また、上記態様において、前記吸着面に前記熱線遮蔽部が形成されていてもよい。
また、上記態様において、前記基材シートの他方の主面上に互いに間隔をおいて複数の凹部が設けられていてもよい。
また、上記態様において、前記熱線遮蔽部が、可視光に対して透明な導電性金属酸化物微粒子で構成されていてもよい。この場合に、前記導電性金属酸化物微粒子が、ATO微粒子及びITO微粒子からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
さらに、上記態様において、前記基材シートには帯状をなす複数の熱線遮蔽部が形成されており、当該複数の熱線遮蔽部の少なくとも一部が連結されていてもよい。
本発明によれば、簡易な構成で窓材の熱割れを防止することが可能になる。
本発明の実施の形態1に係る熱線遮蔽シートの構成を示す正面図。 図1のA−A線断面図。 窓材に吸着された状態における熱線遮蔽シートの構成を示す断面図。 本発明の実施の形態1に係る熱線遮蔽シートの変形例の構成を示す断面図。 窓材に貼着された状態における熱線遮蔽シートの変形例の構成を示す断面図。 本発明の実施の形態1に係る熱線遮蔽シートの変形例の構成を示す正面図。 本発明の実施の形態1に係る熱線遮蔽シートの変形例の構成を示す正面図。 本発明の実施の形態1に係る熱線遮蔽シートの変形例の構成を示す断面図。 本発明の実施の形態1に係る熱線遮蔽シートの変形例の構成を示す断面図。 本発明の実施の形態1に係る熱線遮蔽シートの変形例の構成を示す断面図。 本発明の実施の形態1に係る熱線遮蔽シートの変形例の構成を示す断面図。 本発明の実施の形態2に係る熱線遮蔽シートの構成を示す正面図。 図12のB−B線断面図。 窓材に貼着された状態における熱線遮蔽シートの構成を示す断面図。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための熱線遮蔽シートを例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る熱線遮蔽シートの構成を示す正面図である。また、図2は図1のA−A線断面図である。なお、以下では、図1の紙面上下方向を熱線遮蔽シートの上下方向とし、紙面左右方向を同じく左右方向とする。
図1及び図2に示すとおり、熱線遮蔽シート1は、矩形状の光透過シート2と、この光透過シート2の一方の主面上で上下左右にマトリクス状に配設された複数の吸盤21,21,…とを備えている。これらの複数の吸盤21,21,…が後述するように熱線を遮蔽するための熱線遮蔽部として機能するため、熱線遮蔽シート1は、建物の窓ガラス及び自動車のガラス等の窓材に貼着されることによって窓材用の熱線遮蔽材として機能する。本実施の形態の場合、光透過シート2における複数の吸盤21,21,…が設けられている側の面が窓材側に配置される。以下では、この複数の吸盤21,21,…が設けられている側の面を内側の面と呼び、その反対側の面、すなわち太陽光を直接受ける側の面を外側の面と呼ぶ。
光透過シート2は、可撓性を有し、太陽光を透過する材質、例えば透明なシリコン樹脂等で構成されており、その厚みは0.5mm乃至2.0mm程度である。
光透過シート2の内側の面上に設けられている各吸盤21は、凹状の吸着面21aと、その吸着面21aとは反対側の面の中央部から突設され、光透過シート2の内側の面に連結された円筒状の軸部21bとを備えている。吸着面21aは正面視で円形状をなしており、その全面は、熱線に対して透過率が低い熱線遮蔽材料で構成されている。これにより、この吸着面21aが熱線遮蔽部として機能する。本実施の形態の場合、熱線遮蔽材料として、可視光に対して透明な導電性金属酸化物が用いられる。また、軸部21bは、光透過シート2と同様に、透明なシリコン樹脂等で構成されている。なお、本実施の形態では各吸盤21の吸着面21aの全面が熱線遮蔽材料で構成されているが、その一部の面のみが熱線遮蔽材料で構成されており、他の面は透明なシリコン樹脂等で構成されていてもよい。また、複数の吸盤21,21,…のうちの一部の吸着面21aのみが熱線遮蔽材料で構成されており、それ以外は透明なシリコン樹脂等で構成されていてもよい。
各吸盤21の吸着面21aは、透明な導電性金属酸化物微粒子を溶媒中に分散して得た分散液を固化させて成形することにより得られる。ここで、透明な導電性金属酸化物微粒子としては、酸化アンチモンスズ(ATO)微粒子を用いることができる。但し、これに限定されるわけではなく、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、及び酸化タングステン等を主成分とする金属酸化物の微粒子を用いることができる。なお、これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用いられてもよい。
なお、上記の分散液には、繊維径が1乃至100nm程度のセルロースナノファイバーが含まれていてもよい。可視光線の波長よりも細かいセルロースナノファイバーを分散液に含めることによって、可視光線を散乱させることなく透過した上で、各吸盤21の吸着面21aの強度を保つことができる。
本実施の形態において、各吸盤21の吸着面21aは、太陽光に含まれる波長のうち赤外線領域(780nm程度以上)の範囲内にある波長を反射する性質を有している。この吸着面21aを構成する導電性金属酸化物微粒子は、当該範囲の波長領域の光に対してミー散乱を生じさせる程度の平均粒子径(粒度分布の平均値)を有している。ミー散乱は、粒子の大きさが光の波長と同程度(光の波長の1/10より大きい)の場合に生じる光の散乱である。本実施の形態では、780nm乃至2.5μm程度の波長の光に対してミー散乱を生じさせることを想定しているため、導電性金属酸化物微粒子の平均粒子径は、78nm乃至2.5μm程度である。
上述したように構成された本実施の形態の熱線遮蔽シート1は、吸盤21の吸着作用によって窓材に対して貼着される。図3は、このように窓材に貼着された状態における熱線遮蔽シート1の構成を示す断面図である。図3に示すように、窓材100の一面に各吸盤21の吸着面が吸着することにより、熱線遮蔽シート1が窓材100に貼着される。この状態において熱線遮蔽シート1の外側の面から当該熱線遮蔽シート1及び窓材100に対して太陽光が照射されると、太陽光のうち、可視光線は熱線遮蔽シート1及び窓材100を通過し、熱線は熱線遮蔽シート1の各吸盤21の吸着面(熱線遮蔽部)によって吸収又は反射される。これにより、窓材100の内側での温度上昇を抑制することができる。
図3に示すとおり、熱線遮蔽シート1が窓材100に貼着された状態においては、光透過シート2の内側の面のうちの吸盤21が形成されていない面と、窓材100の吸着面との間に空隙が形成されている。この空隙により、熱線遮蔽シート1及び窓材100に対して太陽光が照射された場合に放熱が図られる。その結果、窓材100がガラス板で構成されている場合であっても、熱割れの発生を抑制することができる。そのため、例えば網入りの窓ガラス等のように熱割れを生じやすい窓材に対しても熱線遮蔽シート1を適用することが可能となる。また、窓材100の全面ではなく、その一部の面のみに熱線遮蔽シート1を貼付するような態様での使用も可能となる。
本実施の形態の場合、吸盤21の吸着作用により熱線遮蔽シート1を窓材100に貼着することができるため、粘着材等は不要であり、しかも再貼着が容易になる等のメリットも生じる。また、熱線遮蔽シート1と窓材100との間に空隙が形成されるため、熱線遮蔽シート1を貼り合わせるときの空気抜き用の孔などを別途設ける必要がないというメリットも生じる。
また、本実施の形態の場合、熱線遮蔽部として機能する吸盤21の吸着面21aが窓材100の一面に吸着されるため、熱線遮蔽シート1の使用状態において、熱線遮蔽部(吸着面21a)が外部に露出することがない。そのため、損傷等の不具合が熱線遮蔽部に生じることを回避することができる。
なお、熱線遮蔽シート1はシリコン樹脂等の軟質な材料で構成されているため、例えばロール状にして保管しておくことができる。そのため、保管の際の省スペース化を図ることができる。また、適宜のサイズへの加工が容易になる等、作業性を向上させることができる。
(吸盤の配設面)
本実施の形態の場合、吸盤21は光透過シート2の内側の面のみにしか配設されていないが、図4に示すように、光透過シート2の外側の面にも吸盤21が配設されていてもよい。このように光透過シート2の両面に吸盤21が配設されている場合、図5に示すように、光透過シート2の内側の面を窓材100に貼着するとともに、その外側の面をアクリル製又はポリカーボネート製等の透明な樹脂板101等に貼着することができる。この樹脂板101において、熱線遮蔽シート1と同様の熱線遮蔽部が適宜の位置に形成されている場合、熱線遮蔽シート1の熱線遮蔽部及び樹脂板101の熱線遮蔽部が二重の遮蔽領域として機能することになるため、熱線遮蔽シート1単体の場合と比べて熱線遮蔽性を高めることができる。なお、この場合に、樹脂板101を上下方向にずらして熱線遮蔽シート1に貼着することによって、熱線遮蔽シート1の熱線遮蔽部と樹脂板101の熱線遮蔽部との上下方向における位置関係を変化させることができる。この位置関係を変化させると、熱線遮蔽シート1及び樹脂板101の熱線遮蔽部にて吸収又は反射される熱線の量、換言すると、熱線遮蔽シート1及び樹脂板101を通過する熱線の量が変化する。そのため、この位置関係を調整することによって、熱線遮蔽性を制御することが可能になる。
(熱線遮蔽部の形状及び配置)
本実施の形態の場合、光透過シート2の一面上に複数の吸盤21,21,…が6行6列で形成されているが、これは一例に過ぎず、熱線遮蔽性が必要となる領域の大きさ等に応じて適宜の数の吸盤21,21,…が形成されていればよい。
また、本実施の形態の場合、熱線遮蔽部として機能する各吸盤の吸着面は正面視で円形状をなしているが、この形状はこれに限定されるわけではない。図6は、吸盤の吸着面の形状が実施の形態1の場合とは異なる変形例の構成を示す正面図である。図6に示すとおり、この変形例の場合、光透過シート2の一方の主面上に、吸着面21aが正面視で左右方向に長い楕円形状をなしている複数の吸盤21,21,…が上下左右にマトリクス状に配設されている。このように吸盤21の吸着面21aが左右方向に長い楕円形状をなしている場合、実施の形態1のように当該吸着面が円形状の場合と比べて、左右方向に連続して長い熱線遮蔽領域を形成することができる。これにより、熱線遮蔽性を高めることができる。その他にも当該吸盤の吸着面を様々な形状とすることが可能である。なお、この変形例では複数の吸盤21,21,…がマトリクス状に配置されているが、この配置に限定されるわけではなく、図7に示すように奇数行における吸盤21,21,…及び偶数行における吸盤21,21,…が列方向(左右方向)で所定のピッチずれて配置されていてもよい。これ以外にも、例えば奇数列における吸盤21,21,…及び偶数列における吸盤21,21,…が行方向(上下方向)で所定のピッチずれて配置される等、様々な態様が実現可能である。
また、本実施の形態では、各吸盤21が熱線遮蔽部として機能するが、これに代えて、またはこれと共に、他の領域に熱線遮蔽部が形成されていてもよい。図8乃至図11は、光透過シート2側に熱線遮蔽部が設けられている変形例の構成を示す断面図である。図8に示す変形例では、左右方向に沿って互いに平行するように延びる複数の溝が光透過シート2の外側の面内に形成されており、その各溝内に、本実施の形態の場合と同様に透明な導電性金属酸化物で構成された帯状の熱線遮蔽部22,22,…が埋設されている。これらの熱線遮蔽部22,22,…は、吸盤21,21,…の各行と対応する高さに設けられている。このように、各吸盤21とは別の領域に熱線遮蔽部22が設けられた場合でも、本実施の形態の場合と同様の熱線遮蔽性を得ることができる。
なお、複数の帯状の熱線遮蔽部22,22,…は、光透過シート2の内側の面内に形成されていてもよい。また、吸盤21,21,…の各行と対応する高さとは異なる位置に形成されていてもよい。すなわち、図9に示すように、複数の帯状の熱線遮蔽部22,22,…が、光透過シート2の内側の面内に形成された溝内であって、吸盤21,21,…の各行の間に配設されていてもよい。
また、帯状の熱線遮蔽部22,22が光透過シートの面内に埋設されるのではなく、光透過シート2の表面上に固着されるようにしてもよい。図10には、光透過シート2の内側の面上に帯状の熱線遮蔽部22,22が固着されている構成が示されている。勿論、光透過シート2の外側の面上に帯状の熱線遮蔽部22,22が固着されていても構わない。
上記の変形例では、帯状の複数の熱線遮蔽部22,22,…は物理的に連結されていないが、これらを物理的に連結するようにしてもよい。その場合、ゼーベック効果が生じて、吸収した熱を電力エネルギーに変換して放出することができるため、更なる放熱が期待できる。具体的には、図11に示すように、光透過シート2内の上下方向に延びる線状の熱線遮蔽部23を設け、この熱線遮蔽部23によって複数の帯状の熱線遮蔽部22,22,…を連結する。この場合、熱線遮蔽部23により連結されている熱線遮蔽部22,22,…が熱電素子として機能し、高温になっている熱線遮蔽部22と低温になっている熱線遮蔽部22との間に電流が流れて放熱が図られる。なお、光透過シート2におけるすべての熱線遮蔽部22,22,…が連結されていなくてもよく、その一部のみが連結される構成であってもよい。すなわち、少なくとも一方の光透過板における熱線遮蔽部22,22,…の少なくとも一部が連結されていればよい。
熱線遮蔽部22がATOを含んで構成されている場合、ATOはアンチモン及びスズで構成されているため、これらの二種類の金属によって上記のゼーベック効果が奏されると考えられる。同様に、熱線遮蔽部22がITOを含んで構成されている場合、ITOはインジウム及びスズで構成されているため、これらの二種類の金属によって上記のゼーベック効果が奏されると考えられる。ゼーベック効果をより一層高めるためには、熱電対の材料として一般的に用いられている、銅、鉄、クロメル及びコンスタンタン等を熱線遮蔽部22に含ませるようにするとよい。
なお、上述した変形例では、熱線遮蔽部22が断面視で上下方向に長い矩形状をなしているが、この形状に限定されるわけではなく、様々な形状を採用することができる。例えば、熱線遮蔽部22が断面視で三角形状をなしていてもよく、また、断面視で略半円状をなしていてもよい。その他、様々な多角形状又は曲線を有する形状等とすることが可能である。また、熱線遮蔽部22が、光透過シート2の左右方向の一方の端部から他方の端部まで連続する帯状ではなく、その一部が途切れた不連続な帯状をなしていても構わない。
(実施の形態2)
実施の形態1の熱線遮蔽シートでは光透過シートの主面上に吸盤が設けられているが、これ以外の構成であっても、熱線遮蔽シートを吸着作用によって窓材に貼着することは可能である。実施の形態2の熱線遮蔽シートは、光透過シートの主面内に設けられた凹部の吸着作用により窓材に貼着される。以下、その構成の詳細について説明する。
図12は、本発明の実施の形態2に係る熱線遮蔽シートの構成を示す正面図である。また、図13は図12のB−B線断面図である。図12及び図13に示すとおり、熱線遮蔽シート3は、矩形状の光透過シート4を備えており、その光透過シート4の一方の主面内には正面視円形状をなす複数の凹部が上下左右にマトリクス状に配設されている。これらの複数の凹部のうち、奇数行には小径の凹部41,41,…が、偶数行には大径の凹部42,42,…がそれぞれ配されている。図13に示すように、小径の凹部41,41,…の厚み方向の長さは、大径の凹部42,42,…のそれよりも小さくなっている。
上記の各凹部41の凹面41a及び各凹部42の凹面42aは、その全面が熱線に対して透過率が低い熱線遮蔽材料で構成されている。これにより、これらの凹面41a及び42aが熱線遮蔽部として機能する。熱線遮蔽材料としては、実施の形態1の場合と同様に可視光に対して透明な導電性金属酸化物を用いることができる。なお、本実施の形態では各凹部41の凹面41a及び各凹部42の凹面42aの全面が熱線遮蔽材料で構成されているが、その一部の面のみが熱線遮蔽材料で構成されており、他の面は透明なシリコン樹脂等で構成されていてもよい。また、複数の凹部41,41,…のうちの一部の凹面41aのみ及び/又は複数の凹部42,42,…のうちの一部の凹面42aのみが熱線遮蔽材料で構成されており、それ以外は透明なシリコン樹脂等で構成されていてもよい。
上述したように構成された本実施の形態の熱線遮蔽シート3は、各凹部41及び42の吸着作用によって窓材に対して吸着される。図14は、このように窓材に貼着された状態における熱線遮蔽シート3の構成を示す断面図である。熱線遮蔽シート3の内側の面を窓材100の一面に圧接して貼り合わせると、光透過シート4の各凹部41及び42内の空間が減圧されることにより各凹部41及び42が窓材100の一面側に撓み、その結果熱線遮蔽シート3が窓材100に貼着される。このとき、凹部41は略真空状態まで減圧されることにより強い吸着作用を発揮する一方で、凹部41よりも厚み方向の長さが大きい凹部42には空気が残り、その領域が熱線遮蔽シート3と窓材100の吸着面との間の空隙となる。
上述したようにして窓材100の一面に熱線遮蔽シート3が貼着された状態において、熱線遮蔽シート3の外側の面から当該熱線遮蔽シート3及び窓材100に対して太陽光が照射されると、太陽光のうち、可視光線は熱線遮蔽シート3及び窓材100を通過し、熱線は各凹部41及び各凹部42の凹面(熱線遮蔽部)によって吸収又は反射される。これにより、窓材100の内側での温度上昇を抑制することができる。
上述したように、熱線遮蔽シート3が窓材100に貼着された状態においては、光透過シート3の各凹部42において空気が残存している領域が、熱線遮蔽シート3と窓材100の吸着面との間の空隙となる。この空隙により、熱線遮蔽シート3及び窓材100に対して太陽光が照射された場合に放熱が図られ、窓材100の熱割れの発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態では光透過シート3の内側の面のみに複数の凹部41,41,…及び凹部42,42,…が設けられているが、外側の面にも同様に複数の凹部が設けられていてもよい。また、本実施の形態では、各凹部が熱線遮蔽部として機能するが、これに代えて、またはこれと共に、光透過シート3の他の領域に熱線遮蔽部が形成されていてもよい。
なお、上述した各実施の形態を組み合わせて新たな実施の形態を得ることができる。
本発明の熱線遮蔽シートは、例えば建物に設けられる採光窓又は自動車のフロントガラスなどに貼付される熱線遮蔽シートなどとして有用である。
1,3 熱線遮蔽シート
2,4 光透過シート
21 吸盤
21a 吸着面
21b 軸部
22 熱線遮蔽部
41,42 凹部
41a,42a 凹面
100 窓材

Claims (7)

  1. 窓材に対して設置され、太陽光を透過する基材シートと、当該基材シートに形成される熱線遮蔽部とを備える熱線遮蔽シートにおいて、
    前記基材シートは可撓性を有し、少なくともその一方の主面上に互いに間隔をおいて複数の凹部が設けられており、当該複数の凹部の吸着作用によって前記窓材に貼着するように構成され、
    前記窓材と貼着されている状態において、当該窓材と前記一方の主面との間に空隙が形成され
    前記基材シートの前記一方の主面上には、厚み方向の長さが異なる複数の凹部が設けられている
    ことを特徴とする、熱線遮蔽シート。
  2. 前記基材シートの前記一方の主面上には、前記凹部が形成された吸着面と、当該吸着面とは反対側の面から突設された軸部とを具備する吸盤が複数設けられている、
    請求項1に記載の熱線遮蔽シート。
  3. 前記吸着面に前記熱線遮蔽部が形成されている、
    請求項1又は2に記載の熱線遮蔽シート。
  4. 前記基材シートの他方の主面上に互いに間隔をおいて複数の凹部が設けられている、
    請求項1乃至3の何れかに記載の熱線遮蔽シート。
  5. 前記熱線遮蔽部が、可視光に対して透明な導電性金属酸化物微粒子で構成されている、
    請求項1乃至4の何れかに記載の熱線遮蔽シート。
  6. 前記導電性金属酸化物微粒子が、ATO微粒子及びITO微粒子からなる群より選択される1種以上である、
    請求項5に記載の熱線遮蔽シート。
  7. 前記基材シートには帯状をなす複数の熱線遮蔽部が形成されており、当該複数の熱線遮蔽部の少なくとも一部が連結されている、
    請求項1乃至6の何れかに記載の熱線遮蔽シート。
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