JP6593582B2 - 接地確認装置 - Google Patents
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Description
このような火花放電に起因する着火事故は、接地を適切に行うことで未然に防止することができる。
例えば、可燃性溶剤をドラム缶等の容器に充填する工程で火花放電を起こすと、着火事故を引き起こしてしまうが、このような着火事故のほとんどは、容器の接地不良など、静電気対策の基本的なことが原因になっている。
上記特許文献1に開示された従来の接地装置は、金属製の一対の挟持部材からなる2組のクリップを備え、これらクリップを構成する一方の挟持部材を、接地状況を検知する確認回路に接続させるとともに、他方の挟持部材を接地側配線に接続している。上記確認回路には、確認用発光体とこの確認用発光体の電源とを備えている。
このような従来の接地装置は、一方のクリップで上記容器などを挟持し、他方のクリップで確実に接地された接地部材を挟持し、上記容器を接地させながらその接地状況を確認用発光体の発光によって視覚的に確認できるようにしたものである。
床面を接地させれば、そこに載置された容器だけでなく、人の帯電も防止できる。帯電した人がいると火花放電による火災発生などの危険だけでなく、静電気敏感デバイスなどを破壊してしまうこともあるため、床面の接地は重要である。そのため、本来接地されているべき床面などがしっかり接地されているか否かを確認することも必要である。
そのため、上記従来の接地装置を用いて床面の設置状況を確認しようとすると、クリップを開き、そのクリップを構成する一対の挟持部材のうち、確認回路が接続されている一方の挟持部材のみを床面に接触させなければならない。
ところが、上記のように、クリップを開いた状態を維持して一方の挟持部材のみを、床面に接触させる操作はやりにくい。
そこで、床面などの接地状況だけを確認する際には、通常、導通確認ができる絶縁抵抗計を用いてその一対の検出端子をそれぞれ、床面と建物に予め設けられたアース端子とに接触させてその間の導通を確認するようにしていた。
つまり、必要個所の確実な接地のためには、アースとの導通だけを確認するための絶縁抵抗計と、積極的に接地させて、その状況を確認する上記接地確認装置との両方が必要であった。
第2の発明によれば、確認対象の接地状況を確認用発光体の発光によって視覚的に認識することができる。
また、繰り返しの使用によって端子の先端が摩耗したり変形したりした場合にも、新たな端子に交換することで、接触性能を維持できる。
特に第3の端子を確認対象に接触させる際には、第1,2の端子のように挟持力が作用せず、人が手で押し付ける必要があるので、確認対象の表面に適した尖端形状を選択できることは有用である。
さらに、第3の端子の先端は外部に露出するので、必要以上に鋭い尖端を有する端子を備えていると危険な場合もある。上記したように塗料などの被覆を突き破る必要があるときにのみ、尖端を備えた端子を取り付け、その他の場合には、平面や丸みを帯びた先端の端子を用いるようにすることもできる。
なお、上記第1,2の挟持部材1,2は外力を作用させない図1の状態で、上記板ばね4の弾性力によって閉じている方を先端側とする。
上記アース端子5は、第1挟持部材1において第2挟持部材2と対向する対向面に取り付けられたこの発明の第1の端子である。
上記端子保持部材9は、図2,3に示すように、内部に空洞を形成したポロブチレンテレフタレートなどの絶縁樹脂製の本体10を備え、この本体10であって上記第1挟持部材1と対向する対向面10aに、この発明の第2の端子である4本の確認用端子11を設けている。さらに、第2挟持部材2の先端に対応する本体10の先端面10bには、この発明の第3の端子である確認用端子12を設けている。
また、上記ボルト15は、各ショートバー13,14に形成された取付孔13a,14aを貫通し、その先端側に上記確認用端子11を結合している。なお、上記対向面10aには上記確認用端子11を上記ボルト15に取り付け可能にする図示しない貫通孔が形成されていえる。
なお、上記ショートバー13の4個の取付孔13aのうち先端側の一対の取付け孔13aには、もう一つのショートバー14の取付孔14aを重ねて上記ボルト15を貫通させ、他の取付孔13aには圧着端子17を重ねてボルト15を取り付けている。
この圧着端子17には回路接続線18を接続し、この回路接続線18は端子保持部材9の本体10から引き出され、配線カバー8に収容されて装置本体に接続されている。
図3では、配線カバー8を一部しか示していないが、この配線カバー8は、上記回路接続線18及び上記接地用配線7の全長をカバーしている。
このように形成された端子保持部材9では、各確認用端子11,12がねじ結合を利用して取り付けられているため、ねじを緩めて取り外すことが可能である。特に、先端面10bの確認用端子12は、袋ナット16に結合するようにしているので、製造工程で本体10内に充填したウレタン樹脂が取付け孔から外部へ流れ出ることがないし、確認用端子12のねじ部分にウレタン樹脂が付着することもない。そのため、ねじの取り外しが容易で、例えば図5に示すように先端形状が異なる端子37と交換することも簡単にできる。
そして、上記座ぐり孔を貫通させた取付ボルト20を第2挟持部材2の図示しない取付け孔に貫通させ、先端にナット21を締め付けることで、上記端子保持部材9を固定している。このとき、第1挟持部材1に取り付けたアース端子5が、第2挟持部材2側の確認用端子11と接触しない位置関係を保つようにしている。したがって、図1に示す状態で、アース端子5と確認用端子11及び12は、電気的絶縁状態が維持されている。
上記確認用端子11,12に接続した回路接続線18は、主回線22を介して、直列に接続したバッテリ23のプラス側に接続されるとともに、このバッテリ23のマイナス側を接地回線24に接続している。
なお、主回線22には、第1〜第3抵抗25,26,27を接続している。
したがって、ゲートGが接地電圧になってスイッチング素子29が導通すると、確認用発光体30はバッテリ23を電源として発光することになる。
したがって、このバッテリ確認用スイッチ32がオンになれば、この第2接続回線31が接地回線24に接続されるとともに、上記スイッチング素子29のゲートGが接地回線24に接続されて接地電圧になる。したがって、スイッチング素子29が導通して確認用発光体30が発光する。
なお、図4中、符号33はメタルコネクタで、複数の回線を束ねるものである。
また、符号34は、ドラム缶などの有機溶剤の金属製の容器、35は上記容器34を載置した金属板である。
もし、上記金属板35が、鎖線で示した接地回線36によって接地されていた場合には、上記ゲートGがこの接地回線36及び回路接続線18を介して接地されるので、スイッチング素子29が導通して確認用発光体30が発光する。
しかし、上記接地回線36が破断するなどして、金属板35が接地されていなかった場合には、上記確認用端子12が浮いた状態となり、上記ゲートGの所定の電圧が維持されるので、スイッチング素子29が遮断状態を維持して金属板35が接地されていないことを確認できる。
一方、塗料などで被覆された確認対象に対しては、上記確認用端子12のように先端がとがった部材を用いれば、被覆を破って確認対象に端子を確実に接触させることができる。
特に、確認用端子12を確認対象に接触させる際は、第1,2挟持部材1,2による挟持力が作用しないため、確実に接触させるための先端形状を選ぶことの重要性が高い。
上記引掛け部材39は、一定の間隔を保った一対の対向片42,43からなるが、これら両対向片42,43は同一形状にしている。すなわち、U字状に湾曲させた中央部42a,43aから、前側腕部42b,43b及び後側腕部42c,43cを連続させるとともに、図7から明らかなように、前側腕部42b,43b間に保持板部44を設けている。
そして、上記確認用端子11’及び12’は、回路接続線18を介して上記確認回路Cに接続され、アース端子5’は接地回線7を介して接地されている(図4参照)。
なお、この第2実施形態の確認用端子11’,12’、アース端子5’は、それぞれ第1実施形態の確認用端子11,12及びアース端子5と同じ機能を持つものである。
したがって、図4における各確認端子11,12及びアース端子5を、それぞれ確認用端子11’,12’及び、アース端子5’に置き換えることによって第2実施形態のものとして説明する。
また、上記アース端子5’及び確認用端子11’は、図7に示すように、その先端が前側腕部42b,43bよりも、後側腕部42c,43c側にわずかに突出する長さを維持している。したがって、上記前側腕部42b,43bの内側すなわち後側腕部42c,43cとの対向面側を、例えば接地対象物である金属製の容器34の面に圧接させれば、接続端子5’,11’がその面に圧接することになる。
なお、図6,7中符号49,50は、上記基端部42d,43dの外側に設けたカバーで、このカバー49,50を含めて、基端部42d,43d及び支持片47を上記ボルト48で固定している。また、符号42e,43eは、上記基端部42d,43dの先端に設けた支点部である。
そして、上記ハンドル部材40の先端、すなわち上記第2回動支点60よりもさらに先端を、上記回動片51,52に回動自在に連結し、その回動中心を第4回動支点62としている。
したがって、例えば、ハンドル部材40が、図7の実線で示した締付位置にあるときには、押さえ部材41の先端が端子保持部材45に対向する位置を保ち、ハンドル部材40が鎖線で示した開放位置にあるときには、押さえ部材41の先端が端子保持部材45から退避した位置を保つ。
なお、この第2実施形態では、上記保持板部44に固定した端子保持部材45と、上記押さえ部材41とで、この発明の一対の挟持部材を構成し、上記端子保持部材45側がこの発明の第1の端子を設ける一方の挟持部材である。
そして、上記端子5’,11’は、上記押さえ部材41と端子保持部材45との挟持力によって容器34の面に強く押し付けられ、例えば、容器34の表面に塗料などで被覆されていても、その塗料を貫いて容器34に確実に接触する。
一方、この第2実施形態においても、端子保持部材45から引掛け部材39の外方へ突出して設けられた確認用端子12’を接触させることで、例えば図4に示す金属板35の接地状況を確認することができる。金属板35が接地されていた場合には、上記確認用端子12’及び回路接続線18を介して、ゲートGが接地電位となるため、スイッチング素子29が導通してバッテリ23によって確認用発光体30が発光する。
このように、第2実施形態においても、金属板35や床面などに対する接地確認の機能と、対象を積極的に接地させる機能とを、1つの装置で実現することができる。
また、この第2実施形態においても、各端子5’,11’,12’を、ねじ結合などによって着脱可能にすれば、確認用端子やアース端子を様々な形状の端子に交換することができる。
2 第2挟持部材
5,5’ (第1の端子)アース端子
9 端子保持部材
10a 対向面
11,11’ (第2の端子)確認用端子
12,12’ (第3の端子)確認用端子
39 (挟持部材)引掛け部材
41 (挟持部材)押さえ部材
45 端子保持部材
45a 対向面
C 確認回路
23 (電源)バッテリ
29 スイッチング素子
30 確認用発光体
Claims (3)
- 互いに対向する一対の挟持部材を備え、
上記一対の挟持部材であって、互いに対向する一対の対向面のうち一方の対向面には、第1の端子を設け、
上記一対の対向面の少なくともいずれか一方には第2の端子を設け、
上記両挟持部材の少なくともいずれか一方であって、上記一対の対向面以外の部分には第3の端子を設け、
上記第1の端子を接地回線に接続し、
上記第2又は第3の端子がアースに接続したことを確認するための確認回路を設け、
この確認回路に上記第2及び第3の端子を接続するとともに、
上記第2,3の端子が絶縁樹脂製の端子保持部材に間隔を保って設けられ、上記第1の端子と第2の端子、上記第1の端子と第3の端子とが互いに接触しない位置関係を保ち、これら第1の端子と第2,3の端子との間を電気的絶縁状態に維持する構成にした接地確認装置。 - 上記確認回路には、
確認用発光体と、上記第2の端子又は第3の端子のいずれかが接地されたときに導通するスイッチング素子と、
上記スイッチング素子が導通したとき、上記確認用発光体を発光させるための電源と
を備えた請求項1に記載の接地確認装置。 - 上記第3の端子は、上記挟持部材に対し着脱自在に設けられた請求項1又は2に記載の接地確認装置。
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