JP4814029B2 - 端子台の短絡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、端子台の短絡装置に関する。
例えば変電所の配電盤に設けられ電気配線に使用される端子台には、入力ケーブルが接続される入力側の端子部材と、出力ケーブルが接続される出力側の端子部材とが、それぞれ複数個列設されている。このような電気配線に使用される端子台では、安定した電力の供給を行うため各種の試験が行われている。その試験の中に、一方側(例えば出力側)の端子部材同士を短絡させて行う試験(例えば耐圧試験)がある。耐圧試験は、端子台の全ての端子部材に高電圧(例えば2000ボルト)を所定期間(例えば1分間)継続して印加することにより、端子台の絶縁部分に絶縁破壊が起こらないかを試験するものである。
図11は、従来の耐圧試験時における端子台の短絡状態を説明するための正面図である。また、図12は、従来の耐圧試験時における端子台の短絡状態を説明するための斜視図である。
端子台100は、例えば直方体に形成されており、その一面には螺子部及び頭部からなる雄螺子102と、雄螺子102と螺合する雌螺子(不図示)を有する導電性(例えば銅や銅合金)の端子板103とを有して構成される端子部材が、長手方向に沿って複数個列設されている。なお、図11において端子台100の長手方向に沿った一方側(例えば紙面右側)の端子部材は、入力ケーブルが接続される入力側の端子部材であり、他方側(例えば紙面左側)の端子部材は、出力ケーブルが接続される出力側の端子部材である。また、隣接する入力側の端子部材の端子板103と出力側の端子部材の端子板103とは、端子台100の内部で、例えば導電線によって電気的に接続されている。
端子台100における各端子部材の構成としては、例えば、セルフアップ式及びねじアップ式のものが知られている。セルフアップ式とは、雄螺子102の螺子部が貫入する貫通孔、及び雄螺子102の頭部が当接する当接面を有する座金を、当該雄螺子102の頭部と螺子部との間に設けたものである(例えば特許文献1参照)。ねじアップ式とは、セルフアップ式と同様に設けられる座金と、雄螺子102と端子板103の雌螺子とが螺合していない場合に座金と端子板103との距離を弾性力に従って一定距離に保持する弾性保持体と、を有するものである(例えば特許文献2参照)。なお、一般に、各端子部材に入力ケーブル又は出力ケーブルが接続されていないときには、セルフアップ式の場合、雄螺子102の螺子部と端子板103の雌螺子とは螺合した状態となっており、ねじアップ式の場合、雄螺子102の螺子部と端子板103の雌螺子とは螺合していない状態となっている。
端子間絶縁板100aは、端子台100の長手方向に隣接する端子板103間を絶縁するものであり、アース間絶縁部100bは、図12に示すように端子板103と、接地された端子台100の取付盤300とを絶縁するものである。なお、端子間絶縁板100a及びアース間絶縁板100bは、ともに樹脂(例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂など)で形成されている。
短絡ケーブル(バインド線)200は、端子部材同士を電気的に接続することにより短絡させる導電線である。この短絡ケーブル200は、雄螺子102の螺子部を端子板103の雌螺子に螺合することによって、雄螺子102の頭部と端子板103との間に接続される。
耐圧試験を行なう場合、図11に示すように、端子台100の一方側(例えば出力側)の隣接する全ての端子部材間に短絡ケーブル200を接続する。前述したように隣接する入力側の端子部材の端子板103と出力側の端子部材の端子板103は電気的に接続されているので、こうすることにより端子台100の全ての端子板103が短絡されることになる。
また、端子台100に列設する端子部材のうち端部となる端子部材はケーブル204を介して試験装置(不図示)と接続される。
この状態で、試験装置からケーブル204、短絡ケーブル200を介して全ての端子板103に、例えば2000ボルトの高電圧を、例えば1分間継続して印加する。その後、絶縁抵抗測定(メガチェック)を行い、端子間絶縁板100a及びアース間絶縁部100bに絶縁破壊が起こっていないか(絶縁抵抗が所定値以上であるか)をチェックする。
しかし、このようにして短絡を行う場合、短絡ケーブル200を取り付ける際には端子部材毎に、雄螺子102の螺子部を、端子板103の雌螺子に螺合させる作業が必要であり、また短絡ケーブル200を取り外す際には端子部材毎に雄螺子102の端子板103への締め付けを緩める作業が必要である。このことにより、端子部材の数が多いほど手間や時間がかかり作業が煩雑であるという問題点があった。
そこで、特許文献3には、短絡ケーブル200を使用することなく、容易に複数の端子部材の短絡を可能とする端子台の短絡装置が提案されている。この短絡装置は、導電体で構成した短絡板本体と、短絡板本体の長手方向の両側に沿って形成した弾性係止部と、片側の弾性係止部から突出した複数の接触片を有している。そして、複数の接触片を端子台の例えば出力側の複数の端子部材の雄螺子の頭部に接触させた状態において、弾性係止部を用いて短絡板本体を端子台の上部に係止させることにより、全ての端子部材を短絡させるものである。
特開平5−290910号公報 特開2000−67946号公報 特開2004−273189号公報
前述したような短絡装置を用いると、端子台100の端子部材が、例えばセルフアップ式である場合、接触片を複数の雄螺子102の頭部に接触させることによって複数の端子板103を短絡することができる。しかし、端子台100の端子部材がねじアップ式である場合、前述したように各端子部材に入力ケーブル又は出力ケーブルが接続されていないときには、座金が端子板103から一定距離に保持され、雄螺子102の螺子部と端子板103の雌螺子とは螺合していない状態となっている。つまり、この状態において雄螺子102と端子板103とが電気的に接続されていないことになる。よって、短絡装置の接触片を雄螺子102の頭部に接触させても、端子板103同士を短絡させることができないことになる。
このため、従来の短絡装置を用いてねじアップ式の端子台の端子部材を短絡する場合、短絡装置を使用しない場合と同様に、例えば出力側の複数の端子部材毎に、雄螺子102の螺子部を、端子板103の雌螺子に螺合させる作業が必要であった。
このように、従来の端子台の短絡装置では、ねじアップ式の端子台の端子部材を確実、且つ、容易に短絡させることができないという問題点があった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ねじアップ式の端子台の端子部材を確実、且つ、容易に短絡させることのできる端子台の短絡装置を提供することにある。
前記課題を解決するための主たる発明は、雄螺子の螺子部が貫入する貫通孔と、前記雄螺子の螺子部が前記貫通孔に貫入することにより前記雄螺子の頭部が当接する前記貫通孔周囲の当接面と、を有する螺子保持板と、前記雄螺子の螺子部が螺合する雌螺子を有する導電性の端子板と、前記雄螺子の螺子部が前記雌螺子と螺合しない場合、前記螺子保持板と前記端子板との間の距離を弾性力に従って一定距離に保持し、前記雄螺子の螺子部が前記雌螺子と螺合する場合、前記螺子保持板と前記端子板との間の距離を前記弾性力に抗して前記一定距離未満としつつ前記雄螺子の螺子部を前記雌螺子と螺合可能とする弾性保持体と、を有する複数の端子部材を列設してなる端子台の短絡装置であって、前記螺子保持板の前記端子板と対向する面に接する第1弾性片と、前記端子板の前記螺子保持板と対向する面に接する導電性の第2弾性片と、前記第1弾性片の前記螺子保持板を接する側の反対側および前記第2弾性片の前記端子板を接する側の反対側を支持する支持体と、前記第2弾性片の前記端子板を接する側の反対側において前記第2弾性片と電気的に接続される短絡端子と、を有する複数の短絡端子部材と、前記複数の短絡端子部材を構成する前記第1弾性片及び前記第2弾性片と前記端子台に列設される前記複数の端子部材の前記螺子保持板及び前記端子板とをそれぞれ接させるべく、前記複数の短絡端子部材同士を絶縁された状態で連結する複数の連結部材と、を備えたことを特徴とする。この端子台の短絡装置によれば、雄螺子の螺子部が雌螺子と螺合していない状態の端子台において、端子部材を確実、且つ、容易に短絡させることができる。
また、かかる端子台の短絡装置において、前記第1弾性片は、前記螺子保持板に接する際、当該第1弾性片の弾性力に抗して変化するための、前記第2弾性片から遠ざかる方向に突出して前記螺子保持板に接する突出部を有していてもよい。この端子台の短絡装置によれば、第1弾性片及び第2弾性片が螺子保持板と端子板との間に挿入された際に、第1弾性片の弾性力によって第1弾性片及び第2弾性片を螺子保持板及び端子板にそれぞれ接させることができる。よって、第2弾性片と端子板との電気的な接続を確実に行うことができる。
また、かかる端子台の短絡装置において、前記第2弾性片は、前記端子板に接する際、当該第2弾性片の弾性力に抗して変化するための、前記第1弾性片から遠ざかる方向に突出して前記端子板に接する突出部を有していてもよい。この端子台の短絡装置によれば、第1弾性片及び第2弾性片が螺子保持板と端子板との間に挿入された際に、第2弾性片の弾性力によって第1弾性片及び第2弾性片を螺子保持板及び端子板にそれぞれ接させることができる。よって、前記第2弾性片と前記端子板との電気的な接続を確実に行うことができる。
また、かかる端子台の短絡装置において、前記第1弾性片は、前記螺子保持板と接する際に前記螺子保持板に貫入された前記雄螺子の螺子部を挟み込むU字状の溝を、前記螺子保持板に接する側に有する、ことが好ましい。この端子台の短絡装置によれば、螺子保持板に貫入した雄螺子の螺子部をU字形状の溝に挟み込むことができるので、第1弾性片を雄螺子が貫入された螺子保持板に容易、且つ確実に接することができる。
さらに、かかる端子台の短絡装置において、前記第2弾性片には、当該第2弾性片の前記端子板を接する側の反対側の所定位置に雌螺子が設けられ、前記短絡端子は、前記第2弾性片の前記雌螺子と、当該雌螺子と螺合する導電性の短絡用螺子と、によって構成されてもよい。この端子台の短絡装置によれば、短絡用螺子を第2弾性片の雌螺子に螺合することによって短絡用螺子が第2弾性片の雌螺子に固定されるので、短絡端子と第2弾性片との接続をより確実に行なうことができる。
また、かかる端子台の短絡装置において、前記複数の短絡端子部材の前記短絡端子同士を全て電気的に接続する導電性の接続部材を有してもよい。この端子台の短絡装置によれば、端子台の複数の端子部材全てを一度に短絡させることができる。よって、端子台の複数の端子部材を全て短絡させることが必要な場合に効果的である。
また、かかる端子台の短絡装置において、前記複数の短絡端子部材の前記短絡端子同士を選択的に且つ電気的に接続する導電性の接続部材を有してもよい。この端子台の短絡装置によれば、端子台の端子部材を選択的に短絡させることができる。
本発明によれば、雄螺子の螺子部が雌螺子と螺合していない状態の端子台において、端子部材を確実、且つ、容易に短絡させることができる。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
なお、本発明の短絡装置は、ねじアップ式の端子台の各端子部材同士の短絡に使用されるものである。そこで、まず、図面を参照しつつ、ねじアップ式の端子台の構成の一例について説明する。
===ねじアップ式の端子台の構成===
≪端子台の構成≫
図1は、ねじアップ式の端子台の構成の一例を示す正面図である。また、図2及び図3は、ねじアップ式の端子台の構成の一例を示す側面図である。なお、以下、各図面において図示するように、端子台の各辺に沿ってx方向、y方向、z方向とする(矢印の方向を+方向とし、矢印と逆方向を−方向とする)。
端子台1は、例えば直方体に形成されており、その+z側の面には、後述する雄螺子2、端子板3、座金4、弾性保持体6を有して構成されるねじアップ式の端子部材が、y方向に沿って複数個列設されている。ねじアップ式の端子部材の詳細な構成については後述する。
なお、端子台1のy方向に沿った一方側(例えば+x側)の端子部材は入力ケーブルが接続される入力側の端子部材であり、y方向に沿った他方側(例えば−x側)の端子部材は出力ケーブルが接続される出力側の端子部材である。また、隣接する入力側の端子部材の端子板3と出力側の端子部材の端子板3とは、端子台1の内部で、例えば導電線によって電気的に接続されている。
端子間絶縁板1aは、端子台1のy方向に隣接する端子板3間を絶縁するものであり、アース間絶縁部1bは、端子板3と、接地された端子台1の取付盤(不図示)との間を絶縁するものである。なお、端子間絶縁板1aとアース間絶縁板1bは、ともに樹脂(例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂など)で形成されている。
≪端子部材の構成≫
図4はねじアップ式の端子台1の端子部材の構成の一例を説明するための図である。図4に示すように、端子台1の各端子部材は、主として雄螺子2、端子板3、座金4(螺子保持板)、ストッパ5、弾性保持体6、固定板7を有して構成されている。なお、図4は、図1における+x側(紙面右側)の列の端子部材の構成を示したものである。
雄螺子2は、螺子部2a及び頭部2bを有している。
端子板3は、雄螺子2の螺子部2aと螺合する雌螺子3aが形成された導電性(例えば銅や銅合金)の板である。
座金4は、雄螺子2の頭部2bと螺子部2aとの間に設けられ、雄螺子2の螺子部2aが貫入する貫通孔、及び雄螺子2が貫通孔に貫入することにより雄螺子2の頭部2bが当接する貫通孔周囲の当接面(+z側の面)を有している。
ストッパ5は、端子板3よりも−z側に設けられた絶縁性の板である。なお、端子板3及びストッパ5には、端子板3の雌螺子3aよりも+x側に、後述する支持板6aをz方向に移動可能とするための開口部が設けられている。
弾性保持体6は、支持板6a、係止部材6b、ばね6cを有して構成されている。
支持板6aの一端は座金4の−z側の面と接続され、他端は、端子板3およびストッパ5の開口部を介して係止部材6bの+z側の面と接続されている。
係止部材6bは、前述したストッパ5の開口部よりも、例えば−x側に突出した板であり、この突出した部分がストッパ5と当接することに基づいて、弾性保持体6の+z方向への移動を制限するものである。
ばね6cの一端は係止部材6bの−z側の面に接続され、他端は固定板7に接続されている。なお、係止部材6bとストッパ5とが当接した状態では、座金4は、ばね6cの弾性力に従って端子板3から一定距離に保持される。この距離を図4に示すようにd1とする。
以上の構成によって、雄螺子2の螺子部2aと端子板3の雌螺子3aとを螺合する場合、まず雄螺子2の頭部2bを、ばね6cの弾性力に抗して−z方向に押下する。このことにより、座金4と端子板3との距離がd1未満となる。このとき、ばね6cには収縮することによる弾性力が蓄えられる。そして、雄螺子2の螺子部2aの先端(−z方向の端部)が端子板3の雌螺子3aに達した所で、雄螺子2の頭部2bを、z方向の+側から−側に見て、一方向(例えば時計方向)に回転させる。こうすることにより、座金4と端子板3との距離をd1未満としつつ、ばね6cの弾性力に抗して螺子部2aを雌螺子3aと螺合することができる。
一方、雄螺子2の螺子部2aを端子板3の雌螺子3aから離脱させる場合、螺子部2aと雌螺子3aが螺合している状態から、雄螺子2の頭部2bを、z方向の+側から−側に見て、他方向(例えば反時計方向)に回転させる。すると、雄螺子2の締め付けが緩んでいき、雄螺子2が端子板3に対して+z側に移動していく。やがて、螺子部2aの先端が雌螺子3から離脱する。すると、ばね6cが収縮することによって蓄えられた弾性力によって、係止部材6b、支持板6a、座金4及び雄螺子2は、さらに+z側に移動する。そして、係止部材6bがストッパ5と当接することによりこの移動が停止し、座金4は、端子板3からd1の距離で保持される。
===短絡装置の構成===
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態に係る端子台の短絡装置の構成について説明する。図5(a)は、本発明の実施形態に係る端子台の短絡装置の構成の一例を示す正面図であり、図5(b)は側面図であり、図5(c)は斜視図である。
本発明の短絡装置10は、主として基台14、弾性片16(第1弾性片)、弾性片18(第2弾性片)、短絡用螺子12、ナット13を有している。
弾性片16は、後述する支持体14aの+z側に設けられる弾性力を有する板であり、端子台1の長手方向に列設される複数の端子部材の座金4を圧接するべく複数設けられている。この弾性片16の+x側の部分は、後述するように短絡装置10を端子台1に取り付ける場合、端子台1の座金4の端子板3に対向する面(−z側の面)に圧接することになる。
弾性片18は、後述する支持体14aの−z側に設けられる弾性力を有する板であり、端子台1の長手方向に列設される複数の端子部材の端子板3を圧接するべく複数設けられている。この弾性片18の+x側の部分は、後述するように短絡装置10を端子台1に取り付ける場合、端子台1の端子板3の座金4と対向する面(+z側の面)に圧接することになる。
なお、図5(a)に示すように各弾性片16の+x側には、U字状の溝が形成されている。また、弾性片16の+x側は、図5(b)及び図5(c)に示すように、例えば円弧状に+z方向(弾性片18から遠ざかる方向)に突出した突出部を有している。なお、図5(b)における弾性片16と弾性片18との間の距離d2は、図4に示すd1よりも大となっている。
基台14は、絶縁体(例えば樹脂)で形成されたものであり、複数の支持体14aと、複数の連結体14b(連結部材)とによって構成されている。
支持体14aは、弾性片16の−x側および弾性片18の−x側を支持するものである。なお、支持体14a、弾性片16、弾性片18、後述する短絡用螺子12、ナット13は短絡端子部材40を構成している。この短絡端子部材40において、複数の弾性片16、18の−x側の所定位置、及びその位置に対応する支持体14aには、後述する短絡用螺子12の螺子部が貫通する貫通孔が設けられている。
連結体14bは、端子台1の複数の端子部材の座金4及び端子板3に弾性片16及び弾性片18を圧接させるべく複数の短絡端子部材40同士を絶縁した状態で連結するものである。
短絡用螺子12は、導電性の雄螺子であり、ナット13は、導電性であり短絡用螺子12の螺子部と螺合する雌螺子を有している。そして、短絡用螺子12の螺子部は、弾性片16、支持体14a、弾性片18の貫通孔を介して、ナット13の雌螺子と螺合する。短絡用螺子12の螺子部が、弾性片18のナット13の雌螺子と螺合することにより、弾性片18と短絡用螺子12とが電気的に接続されることになる。なお、弾性片18に短絡用螺子12の螺子部が螺合する雌螺子を設けてもよい。こうすることにより、ナット13を用いなくても、短絡用螺子12と弾性片18の螺子部とが螺合することにより、短絡用螺子12と弾性片18を電気的に接続することができる。
図6は、本発明の実施形態に係る端子台の短絡装置の短絡方法の一例を示す正面図である。
短絡ケーブル20は、短絡装置10の複数の弾性片18同士を連結させるための導電線である。
圧着端子22は、例えば中央に開口を有する丸形の締付部と、丸形の締付部の外周の一部(−x側)に設けられる筒形のケーブル接続部(圧着部)とを有する導電体である。なお、圧着端子22と短絡ケーブル20は、例えば圧着端子22のケーブル接続部に短絡ケーブル20の端部を挿入した状態でケーブル接続部を圧着工具(不図示)で、かしめることによって接続される。また、圧着端子22は、短絡用螺子12の螺子部を圧着端子22の締付部の開口に通した状態で、短絡用螺子12の螺子部を、弾性片16、支持体14a、弾性片18及びナット13の雌螺子と螺合することによって、短絡用螺子12の頭部と、弾性片16との間に圧接される。前述したように短絡用螺子12は弾性片18と電気的に接続されるので、短絡ケーブル20及び圧着端子22は、弾性片18と電気的に接続されることになる。
図6に示すように短絡装置10の全ての短絡端子部材40に圧着端子22、短絡ケーブル20を接続すると、短絡装置10の全ての弾性片18が短絡することになる。そして、この状態の短絡装置10を端子台1に取り付けることにより、端子台1の全ての端子部材を短絡させることができる。
===短絡装置の端子台への取り付け===
以下、本発明の短絡装置10を用いて、ねじアップ式の端子台1を短絡する場合について説明する。図7は、本発明の短絡装置10を、ねじアップ式の端子台1に取り付けた場合の正面図である。また、図8は、図7の状態をy方向の−側から見た側面図である。この図7及び図8は、短絡装置10を端子台1の−x側の端子部材に取り付けた場合について示したものである。
まず、図8に示すように端子台1の−x側の全ての雄螺子2が、端子板3の雌螺子3aと螺合していない状態であることを確認する。そして、端子台1の雄螺子2の螺子部2aを、対応する弾性片16のU字状の溝に挟み込むようにして、短絡装置10の弾性片16及び弾性片18の+x側端部を、対応する端子台1の座金4、端子板3の間に挿入していく。
図5(b)の弾性片16と弾性片18の距離d2は、座金4と端子板3との間の距離d1より大なので、弾性片16及び弾性片18を、座金4と端子板3の間に挿入していくと、あるところで弾性片16の突出部が座金4と当接するようになる。さらに弾性片16及び弾性片18を、座金4と端子板3の間に挿入すると、弾性片16の突出部は円弧状になっているので、弾性片16は+z方向の弾性力に抗して−z方向に変化していき、弾性片16及び弾性片18は図7及び図8に示すように座金4と端子板3との間に挟まれる。このとき弾性片16の弾性力によって、弾性片16は座金4の端子板3と対向する面と圧接し、弾性片18は端子板3の座金4と対向する面と圧接することになる。
このように、短絡装置10を端子台1に押付けることによって、短絡装置10を端子台1に容易に取り付けることができる。また、弾性片18が端子板3と圧接することになるので、弾性片18と端子板3との電気的な接続を確実に行うことができ、端子台1の端子板3を確実、且つ容易に短絡させることができる。
なお、短絡装置10を端子台1から取り外す際には、短絡装置10を端子台1に取り付ける場合と逆方向(−x方向)に力を加えることによって、短絡装置10を端子台1から容易に取り外すことができる。このとき、短絡装置10の弾性片16に蓄えられていた弾性力は開放され、短絡装置10は図5に示す状態に戻ることになる。
端子台1の耐圧試験を行なう場合には、短絡装置10の例えばy方向の端部の圧着端子22と試験装置(不図示)とをケーブル(不図示)で接続し、試験装置から耐圧試験用の高電圧を、端子台1の全ての端子板3に印加すればよい。
このように、本発明の短絡装置10は、弾性片16が座金4に圧接し、弾性片18が端子板3に圧接するので、ねじアップ式の端子台1の端子板3の短絡を確実、且つ、容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、短絡装置10の短絡端子部材40を、短絡ケーブル20によって全て連結させることとしたが、例えば短絡ケーブル20及び圧着端子22によって、端子台10の任意の短絡端子部材40を電気的に連結するようにしてもよい。こうすることにより、端子台1の端子部材を選択的に短絡させることができ、耐圧試験のみならず、任意の端子部材間での短絡が必要な試験等にも使用することができる。
また、本実施形態では、弾性片16及び弾性片18を座金4と端子板3との間に挿入する際、弾性片16に、当該弾性片16の弾性力に抗して変化するための+z方向に突出した突出部を設けることとしたが、弾性片16を平板にして、弾性片18に−z方向(弾性片16から遠ざかる方向)に突出した突起部を設けるようにしてもよい。こうすることによっても、弾性片16及び弾性片18を座金4と端子板3との間に挿入する際、弾性片18が、当該弾性片18の弾性力に抗して変化することになり、弾性片16及び弾性片18を座金4及び端子板3の間に容易に挿入することが出来、また、弾性片16及び弾性片18を座金4及び端子板3に確実に圧接することができる。
===その他の実施形態===
図9、図10は本発明の他の実施形態に係る短絡装置の短絡方法の一例を示す正面図である。なお、図9、図10において図6と同じ構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。
まず図9において短絡装置10はケーブル24を介してコネクタ26と接続されている。
ケーブル24は導電線であり、ケーブル24の一端は、圧着端子22、端子螺子12を介して短絡装置10の弾性板18と電気的に接続され、他端はコネクタ26と接続されている。なお、ケーブル24は、短絡装置10の複数の短絡端子部材40に対応して複数設けられている。
コネクタ26は、複数のケーブル24の他端同士の電気的な接続を選択的に行う選択部(不図示)を有している。そしてコネクタ26は、任意のケーブル24の他端同士の電気的な接続を選択的に行うことが可能となっている。よって、この短絡装置10を端子台1に取り付けた場合、コネクタ26の選択部の選択に応じて端子台1の端子部材同士を選択的に短絡することができる。このことにより、複数のケーブル24の取り付けや取り外しを行なうことなく、端子台1の任意の端子部材間の短絡を容易に行うことができる。
次に図10では、短絡板30を用いて短絡を行なう方法の一例を示している。
短絡板30は、導電性の板であり、+x側に突出した突出片32及びU字状の溝34をそれぞれ短絡装置10の短絡端子部材40に対応して複数有している。また、短絡板30はケーブル36の一端が接続されている。なおケーブル36の他端は試験装置(不図示)と接続されている。
溝34は、短絡用螺子12の螺子部を挟み込むためのものである。
突出片32は、溝34に短絡用螺子12の螺子部が挟み込まれた状態で、短絡用螺子12の頭部と弾性片16との間に圧接されることにより短絡用螺子12との電気的な接続を行なうものである。
端子板30を用いて短絡装置10の短絡を行なうには、まず短絡装置10の短絡用螺子12を緩めた状態で、図10に示すように、短絡装置10の複数の短絡用螺子12の螺子部を短絡板30の溝34で各々挟み込むようにして、短絡板30の突出片32を短絡装置10の短絡用螺子12の頭部と弾性片16との間に挿入する。そして短絡装置10の短絡用螺子12を締め付けることにより、突出片32を短絡用螺子12の頭部と弾性板16との間に圧接する。
なお、短絡板30の複数の突出片32及び溝34は、図10に示すように短絡装置10の複数の短絡端子部材40に対して部分的に設けるようにしてもよいし、短絡装置10の全ての短絡端子部材40に対して設けるようにしてもよい。このような、数種類の短絡板30を準備しておくことによって、例えば端子台1の任意の端子部材間(例えばy方向の+側半分や−側半分等)の短絡をする場合や、全ての端子部材間の短絡を行なう場合などに応じて、対応する短絡板30を取り付けることができる。また、短絡装置10の各短絡端子部材40間の短絡を行なう際に、前述したような短絡ケーブル20やケーブル24の取り付けや取り外しを行なう手間を省くことができ、短絡装置10の短絡端子部材40間の短絡を迅速に行うことができる。
また、本実施形態では、短絡用螺子12を用いることにより短絡ケーブル20及びケーブル24と弾性片18とを電気的に接続することとしたが、この構成に限定されない。例えば、短絡装置10において短絡端子部材40を構成する弾性片16、弾性片18を導電性のクリップで挟持し、複数の短絡端子部材40に対する複数のクリップの支点同士を例えば短絡ケーブル20で接続するようにしてもよい。
また、弾性片18の−x側に、例えば導電性のフックを一体に設け、そこに短絡ケーブル20を、例えば巻回することによって接続するようにしてもよい。こうすることにより短絡ケーブル20の短絡装置10への取り付けをより簡素な構成で容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明の端子台の短絡装置は、ねじアップ式の端子台の端子部材を確実、且つ容易に短絡させることができる。
前述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されるとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
ねじアップ式の端子台の構成を示す正面図である。 ねじアップ式の端子台の構成を示す側面図である ねじアップ式の端子台の構成を示す側面図である ねじアップ式の端子部材の構成を説明するための図である。 図5(a)は、本発明の実施形態に係る端子台の短絡装置の構成を示す正面図であり、図5(b)は側面図であり、図5(c)は斜視図である。 短絡装置の短絡方法の一例を示す正面図である。 短絡装置を、ねじアップ式の端子台に取り付けた場合の正面図である。 短絡装置を、ねじアップ式の端子台に取り付けた場合の側面図である 本発明の他の実施形態に係る短絡装置の短絡方法を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る短絡装置の短絡方法を示す図である。 従来の耐圧試験時における端子台の短絡状態を説明するための正面図である。 従来の耐圧試験時における端子台の短絡状態を説明するための斜視図である。
符号の説明
1、100 端子台
1a、100a 端子間絶縁板
1b、100b アース間絶縁板
2、102 雄螺子
2a 螺子部
2b 頭部
3、103 端子板
3a 雌螺子
4 座金
5 ストッパ
6 弾性保持体
6a 支持板
6b 係止部材
6c ばね
7 固定板
10 短絡装置
12 短絡用螺子
13 ナット
14 基台
14a 支持体
14b 連結体
16、18 弾性片
20、200 短絡ケーブル
22 圧着端子
24、36、204 ケーブル
26 コネクタ
30 短絡板
32 突出片
34 溝
40 短絡端子部材
300 取付盤

Claims (7)

  1. 雄螺子の螺子部が貫入する貫通孔と、前記雄螺子の螺子部が前記貫通孔に貫入することにより前記雄螺子の頭部が当接する前記貫通孔周囲の当接面と、を有する螺子保持板と、
    前記雄螺子の螺子部が螺合する雌螺子を有する導電性の端子板と、
    前記雄螺子の螺子部が前記雌螺子と螺合しない場合、前記螺子保持板と前記端子板との間の距離を弾性力に従って一定距離に保持し、前記雄螺子の螺子部が前記雌螺子と螺合する場合、前記螺子保持板と前記端子板との間の距離を前記弾性力に抗して前記一定距離未満としつつ前記雄螺子の螺子部を前記雌螺子と螺合可能とする弾性保持体と、
    を有する複数の端子部材を列設してなる端子台の短絡装置であって、
    前記螺子保持板の前記端子板と対向する面に接する第1弾性片と、前記端子板の前記螺子保持板と対向する面に接する導電性の第2弾性片と、前記第1弾性片の前記螺子保持板を接する側の反対側および前記第2弾性片の前記端子板を接する側の反対側を支持する支持体と、前記第2弾性片の前記端子板を接する側の反対側において前記第2弾性片と電気的に接続される短絡端子と、を有する複数の短絡端子部材と、
    前記複数の短絡端子部材を構成する前記第1弾性片及び前記第2弾性片と、前記端子台に列設される前記複数の端子部材の前記螺子保持板及び前記端子板とをそれぞれ接させるべく、前記複数の短絡端子部材同士を絶縁された状態で連結する複数の連結部材と、
    を備えたことを特徴とする端子台の短絡装置。
  2. 前記第1弾性片は、
    前記螺子保持板に接する際、当該第1弾性片の弾性力に抗して変化するための、前記第2弾性片から遠ざかる方向に突出して前記螺子保持板に接する突出部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の端子台の短絡装置。
  3. 前記第2弾性片は、
    前記端子板に接する際、当該第2弾性片の弾性力に抗して変化するための、前記第1弾性片から遠ざかる方向に突出して前記端子板に接する突出部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の端子台の短絡装置。
  4. 前記第1弾性片は、
    前記螺子保持板と接する際に前記螺子保持板に貫入された前記雄螺子の螺子部を挟み込むU字状の溝を、前記螺子保持板に接する側に有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の短絡装置。
  5. 前記第2弾性片には、当該第2弾性片の前記端子板を接する側の反対側の所定位置に雌螺子が設けられ、
    前記短絡端子は、
    前記第2弾性片の前記雌螺子と、当該雌螺子と螺合する導電性の短絡用螺子と、によって構成される、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の短絡装置。
  6. 前記複数の短絡端子部材の前記短絡端子同士を全て電気的に接続する導電性の接続部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の短絡装置。
  7. 前記複数の短絡端子部材の前記短絡端子同士を選択的に且つ電気的に接続する導電性の接続部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の短絡装置。
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