JP6592843B2 - 手術用ガーゼ計数シートおよび手術用ガーゼ包装体 - Google Patents

手術用ガーゼ計数シートおよび手術用ガーゼ包装体 Download PDF

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本発明は、使用前と使用後におけるそれぞれの手術用ガーゼの枚数を正確に計数することができる手術用ガーゼ計数シート及び手術用ガーゼを保持した手術用ガーゼ計数シートを包装してなる手術用ガーゼ包装体に関する。
一般に、外科手術においては、手術時に患者の血液又は体液などを吸収するために手術用ガーゼ(以下、単に「ガーゼ」という)が使用されている。そして、このガーゼは、手術のあとに患者の体内から取り除く必要があるが、患者の体内のガーゼは通常、患者の血液に染まっていて、患者の臓器と同じような色などで区別することがとても難しい。このため、患者の体内にガーゼが残されたまま切開部位を縫合してしまうおそれがあった。
そこで、予め、手術前に手術に使用するガーゼの枚数を看護師が数えておき、患者の切開部位を縫合する前に手術に使用したガーゼの枚数と患者の体内から取り出したガーゼの枚数との一致の確認が行われている。
しかしながら、手作業により1枚1枚数えるやり方では、看護師の負担が大きく、数え間違えが起こりやすいという問題があった。このような問題を解決するために提案されたのが、ガーゼ計数シートである。
特許文献1が開示するガーゼ計数シートは、看護士がガーゼの枚数を間違えなく数えられるように、手術用ガーゼをそれぞれ係脱自在に保持可能な複数の略鍵穴状の切欠きを並列に形成したガーゼ計数シート本体の各保持部にそれぞれ一枚一枚の手術用ガーゼを保持した状態で包装されている。
また、特許文献2に記載されたガーゼ計数シートは、横長矩形状のシート本体に、複数個の縦長のくり抜き穴が横方向に並列に設けられていて、このくり抜き穴に保持されていた手術前のガーゼを抜き取って使用し、使用後のガーゼをこのくり抜き穴に差込保持するように構成されている。
そして、この特許文献1および2に記載されているように、ガーゼ計数シート本体の切欠きおよびくり抜き穴にそれぞれガーゼが保持されていれば、保持部の数が手術用ガーゼの枚数に相当するため、看護師によって一目瞭然に手術用ガーゼの枚数を計数することができる。
特開2001−278331号公報 特開2007−330445号公報
しかしながら、特許文献1の切欠きや特許文献2のくりぬき穴は、いずれもガーゼを引き抜いた後に、使用済みのガーゼを再び戻すようになっているため、必ずしも使い勝手がよくないという問題がある。言い換えると、ガーゼ計数シートに残る切欠きやくり抜き穴の数を見て何枚のガーゼが引き抜かれたかを看護士が確認することになるが、それは、切欠きやくり抜き穴の数と、そこに保持されているガーゼの数が常に一致していることが前提になっていることに問題がある。つまり、10枚保持のガーゼ計数シートを用いるなら、そこに保持されているガーゼは必ず10枚だということが確実だという保証があってこその話しである。
仮に、この10枚あるべきガーゼが9枚しかないとしたら、どうなるであろうか。もちろん看護士は、手術前にガーゼが10枚あるかどうかを「目視」で確認するであろう。しかし、米国科学アカデミーの関連組織である米国医学研究機構が出した報告書には「エラーを犯さない人間はいない、人は誰でも間違える」とあるように、人が行う確認である限り「見落とし」のおそれを否定できない。ガーゼ計数シートの形態が使用前と使用後で変わらないのであれば、先の1枚欠損が手術の際に発覚したとしよう。その欠損が手術前からのものなのか、手術のために使用したがそれが戻されていないことによる欠損なのか区別がつかないことになる。ここに、従来のガーゼ計数シートでは解決できない問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、看護師が手術前にガーゼ計数シートに保持されていたガーゼの枚数を確認する作業を不要とする一方、実際に引き抜いたガーゼの枚数が一目瞭然に確認でき、さらに、患者の体内から取り出した手術用ガーゼを一枚一枚容易に保持して実際に引き抜いたガーゼの枚数との一致確認が容易にできる手術用ガーゼ計数シート及び手術用ガーゼの包装体を提供するものである。
上記の課題を解決するために本発明が備える構成は、次のとおりである。なお、何れかの請求項記載の発明を説明するにあたって行う用語の定義等は、その記載の順によらず、他の請求項記載の発明にも適用があるものとする。
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係る手術用ガーゼ計数シート(以下、適宜「請求項1の計数シート」という)は、シート状のシート本体と、当該シート本体に並列配置された複数のガーゼ保持部と、当該シート本体に並列配置された当該ガーゼ保持部の数と同数のガーゼ係止部と、を備えている。ここで当該ガーゼ保持部各々は、1枚のみの手術用ガーゼを当該シート本体の一方側に保持可能、かつ、復帰不能な物理的変形によって手術用ガーゼの保持を解除可能に構成され、当該ガーゼ係止部は、1枚のみの手術用ガーゼの一端側を当該シート本体の他方側に差込係止可能に構成されていることを特徴とする。
請求項1の計数シートによれば、ガーゼ保持部の各々が保持するガーゼは1枚のみである。ガーゼの保持を解除するには、看護師のような使用者がガーゼを引っ張って保持部を物理的に変形させなければならない。違う言い方をすると、よほど意図的に行わない限り、ガーゼが簡単にすり抜き解除されるようにはなっていないからである。物理的変形は復帰不能であるから、変形した保持部が元の形に戻ることはない。つまり、使用者は、手術前に何枚のガーゼが保持されていたかを確認する必要はなく、物理的変形した保持部の数を数えるだけで何枚のガーゼを使用したか確認することができる。後は、回収した使用済みのガーゼをガーゼ係止部に係止させ、その枚数との一致を確認すればよいことになる。一致の確認だけは使用者の目視によらざるを得ないが、手術前の確認を不要とする分だけ人の関与を減らせるので間違いが起きる可能性を限りなく低くすることができる。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係る手術用ガーゼ計数シート(以下、適宜「請求項2の計数シート」という)は、請求項1の計数シートであって、前記ガーゼ保持部各々は、前記シート本体に両端固定された少なくとも1本のバンド部材によって構成され、当該バンド部材は、折り返された手術用ガーゼの中に包み込まれることにより当該手術用ガーゼを保持するように構成され、かつ、使用者が加える引っ張り力によって破断可能に構成されていることを特徴とする。
請求項2の計数シートによれば、手術用ガーゼに使用者が加えた引っ張り力に伴う「破断」が物理的変形となる。破断はもともとつながっていたものが離れることであるが、これに限る趣旨ではない。たとえば、もともとつながっていないが閉鎖されていたものが物理的変形により開放された、というものも物理的変形に含まれる。
請求項3記載の発明に係る手術用ガーゼ計数シート(以下、適宜「請求項3の計数シート」という)は、請求項2の計数シートであって、前記シート本体は、外枠と、当該外枠に囲まれた格子構造と、を備えている。ここで、当該格子構造は、並列配置された複数の長手筋と、当該複数の長手筋と直交する複数の短手筋を備え、隣接する当該長手筋間に位置する当該短手筋が、すなわち、ガーゼ1枚のみ保持できる前記バンド部材であることを特徴とする。

請求項3の計数シートによれば、格子構造という単純ではあるが強度を保ちやすく、しかも製造しやすい構造においてバンド部材を構成することができる。
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4記載の発明に係る手術用ガーゼ計数シート(以下、適宜「請求項4の計数シート」という)は、請求項2または3の計数シートであって、前記バンド部材各々は、両端の固定部位のうち、いずれか一方が他方より破断しやすく構成されていることを特徴とする。
請求項4の計数シートによれば、バンド部材がシート本体から欠落する可能性が極めて低くなる。つまり、一方が破断しても他方が残れば、バンド部材自体はシート本体と一体のままである。これは、バンド部材を含めたシート本体の総重量が、破断前後において実質的に変わらないことを意味する。ということは、使用前のガーゼ群が保持された計数シートと、使用後のガーゼ群が保持された計数シートとの間の重量的違いは、使用後のガーゼに含まれる血液や体液などの分だけ使用後のものの方が重いということである。違う言い方をすれば、使用後のものと使用前のものとの間の重さの差は、患者から出た血液や体液だということになる。この差は、手術前後の患者の健康状態等を測るために重要な指針となる。
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5記載の発明に係る手術用ガーゼ計数シート(以下、適宜「請求項5の計数シート」という)は、請求項3または4の計数シートであって、前記複数の短手筋のうち前記バンド部材と前記長手筋に沿って所定間隔を隔てて対向する少なくとも1筋の短手筋は、
前記バンド部材を包み込んで二つ折りにより重ねられた手術用ガーゼの両端側を前記バンド部材に近い側の隙間から差し込んで前記シート本体の他方側へ出し遠い側の隙間から前記シート本体の一方側へ差し込み戻すことにより手術用ガーゼの両端側を保持できるように構成されている
ことを特徴とする。
請求項5の計数シートによれば、格子構造を構成する一部の短手筋を、手術用ガーゼの両端側をシート本体に保持するために使用することができる。つまり、複数の短手筋の一部を手術用ガーゼの中方部を保持するために、他の一部を両端側保持のために、それぞれ使用することができる。これによって、シート本体に対する手術用ガーゼの保持がより安定したものになる。さらに、違った保持を同じ短手筋を使って行えるため格子構造がよりシンプルで作りやすいものとなる。
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6記載の発明に係る手術用ガーゼ包装体(以下、適宜「請求項6の包装体」という)は、請求項1記載の手術用ガーゼ計数シートと、前記ガーゼ保持部各々によって1枚ずつ保持された未使用の手術用ガーゼと、未使用の手術用ガーゼが前記ガーゼ保持部各々によって1枚ずつ保持された状態の当該手術用ガーゼ計数シートが収納密閉された包装容器と、を備えることを特徴とする。
請求項6の包装体によれば、請求項1ないし5何れかのガーゼ計数シートの機能を備えた手術用ガーゼ包装体を得ることができる。この包装容器を開封した使用者は、そこに収容されているガーゼと包装容器に記載されている収容枚数の一致不一致を確認する必要がない。ガーゼを引き抜けば、ガーゼ保持部が物理的変形するので、その数と、回収した使用済みガーゼの枚数の一致不一致を確認すれば足りるからである。
本発明によれば、看護師が手術前にガーゼ計数シートに保持されていたガーゼの枚数を確認する作業を不要とする一方、実際に引き抜いたガーゼの枚数が一目瞭然に確認することができる。したがって、看護師の負担を軽減することがでるとともに、手術前後におけるガーゼの使用枚数の一致確認を確実に行うことができる。
以下、各図を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。
(手術用ガーゼ計数シートの概略構造)
図1ないし3に示す符号1は、手術用ガーゼ計数シート(以下、「計数シート」という)を示す。計数シート1は、全体が一体成形された合成樹脂よりなり、外枠3と、格子構造5と、把持部7とから概略構成されている。合成樹脂材に特に限定はないが、たとえばポリエチレンなどが価格面から、また、製造のしやすさから、さらに、衛生部材としての適格性から好適である。ただし、後述するように破断可能であることが必要である。このため、次に記載する寸法は、合成樹脂が引張り破断する限界値などに合わせて適宜変更してかまわない。
(格子構造)
外枠3はほぼ矩形に形成され、外枠3の中に格子構造5が配されている。外枠3と格子構造5により、シート本体6が構成されている(図1、図4)。格子構造5は、所定間隔を隔てて平行に並べられた複数の長手筋5a,5a,..と、これら長手筋5a,..と障子のように直交し所定間隔を隔てて並べられた複数の短手筋5b,..から構成されている。発明の目的の範囲内であれば、外枠3の外形寸法について特に制限はない。たとえば6枚保持用の外枠として長手方向に20〜25センチメートル、短手方向に12〜18センチメートルほどに設定すると使い勝手の良い大きさとなる。外枠3を構成する各辺の幅寸法は、5〜8ミリメートルとするとよい。
長手筋5aと直近の長手筋5aとの間の間隔は、ガーゼGを差し込みやすくするため、2.5〜3.5センチメートルほどが適当である。短手筋5bと直近の短手筋5bとの間の間隔は、ガーゼを差し込めるぐらいの間隔、たとえば1センチメートル前後が好適である。ガーゼ保持に関係のない1筋もしくは2筋以上の短手筋5bを間引きして間隔を広げることもできる。把持部7は外枠3の短手方向一端側に配されているが、その大きさや形状に制限はない。本実施形態では、角に丸みをつけた矩形で中央部に手を差し入れるための長穴7aが形成されている。これらを含めた計数シート1全体の厚み寸法は、たとえば1.5〜2.5ミリメートルで設定するとよい。長手筋5aと短手筋5bの幅寸法は、必ずしも一定でなくてもよいが、本実施形態では何れも幅3ミリに設定されている。また、短手筋5bの両端と連結部5dする両脇の長手筋5aは、外枠3と一体に構成されている。同様にして一番端に位置する短手筋5b,5bも、外枠3と一体に構成されている。
ここで、外枠3に近い短手筋5bは、形状は他の短手筋5b,5b,..と同じであるが、ガーゼ保持部(バンド部材)としての役目を担っている。本実施形態では互いに隣接する2筋の短手筋5b,5bをガーゼ保持部としているが、1筋でもよいし、可能であれば3筋以上でも構わない。ガーゼ保持部としての2筋の短手筋5b,5bは、次のように使用することによりガーゼGを保持する機能が発揮される。
すなわち、図3に示すように外枠3とそれに近いほうの短手筋5bの間の隙間5cに、計数シート1の一方側1a方向からガーゼGの一端を差し込み(図3の矢印(1))、この近いほうの短手筋5bと遠いほうの短手筋5bを包み込むように裏側(すなわち、他方側1b)で折り返し(図3の矢印(2))、遠いほうの短手筋5bと、これよりさらに遠い短手筋5bとの間の隙間5cに差し込んで一方側1aに戻して差し込まなかったガーゼGの他端と重ね合わせる(図3の矢印(3) 矢が2本なのは、重ね合わせを意味する)。この重ね合わせたガーゼGの両端側を使用者が片手で握って軽く引っ張ると、2筋の短手筋5b,5bを包み込んだ中央部を底辺と、そして握ったガーゼGの両端側を頂点とする細長い三角形が形成される。この状態の頂点を長手筋5aに沿わせて寝かせると、ガーゼGの両端側は上記2筋の短手筋5b,5bと対向する別の短手筋5b,5b,..の上に着地する。
ここで、別の短手筋5b,5b,..のうち、ガーゼGの両端側を保持するための2筋(1筋でも3筋以上でもよい)の短手筋5b,5bを使用者が選択する。そのうちの短手筋5bに近い側の隙間c´から差し込んでシート本体6の他方側1bへ出し遠い側の隙間c´から前記シート本体の一方側へ差し込み戻すことにより手術用ガーゼの両端側を保持できる。このとき、ガーゼGはシート本体6の一方側にあって長手筋5a,5a,..に沿って延び、その両端はと同じく本体1の一方側1aで開放状態にある。
(短手筋の連結と破断)
複数の短手筋5bのどれもがそうであるが、ガーゼ保持部としての役割を担う短手筋5b(本実施形態では2筋)はその両端が連結部5d,5d(図1)介して両脇の長手筋5aに連結されている。その上で、少なくともこの2筋の連結部5d,5dは、それらを包み込んでいるガーゼGを外すため三角形の頂点を(すなわち、かさね合わされたガーゼGの両端側)持って強く引っ張ったときに、ガーゼGが切れるほどの強度ではないが何れか一方だけの連結部5dを破断できる強度に構成されている。一方の連結部5d,5dの破断によって短手筋5b,5bは、いずれも他方の連結部5d,5dを介して1本の長手筋5aに片持ち状態で連結されていることになる(図5)。
一方だけの破断をより確実にするために一方の連結部5dを他方の連結部5dに比べ、より破断しやすい形状(たとえば、肉厚を薄く、切り込みを入れておく)に構成することを妨げない(図示を省略)。ところが実際には、両方の連結部5d,5dに均等に力が加わるようにガーゼGを引っ張ることはやろうと思ってもなかなかうまくいくものではなく、使用者という人が引っ張る限り何れか一方の連結部5dに他方よりも強い力が加わるのが通常といえるため、その加わったほうの連結部5dのみが破断することがほとんどであろう。したがって材料の引っ張り強さや連結部5d,5dの形状などにもよるが、両者を同じ形状に構成しても問題はほとんど生じない。
一方の連結部5dのみを破断させるように構成されるのは、少なくとも次の2つの理由によるものである。1つは、看護師のような使用者がガーゼGをシート本体6から取り外すために破断するときの反力を手に感じさせるためである(図4)。すなわち「取り外す」という行為を使用者にしっかりと認識させるためである。もう1つは、破断という復帰不能な物理的変化の結果としての片持ち連結状態の短手筋5b,5bを見た使用者がガーゼGを取り外した痕跡をしっかりと確認できるようにするためである。たとえば、図4に示す破断の痕跡は2か所(すなわち、ガーゼG2枚)であり、図5に示す破断の痕跡は6か所である。すなわち痕跡の確認により、取り外した痕跡が1か所なら1枚、2カ所なら2枚、そしてn箇所ならn枚というように、取り外した(手術に使用した)ガーゼGの枚数を正しく数えることができるのである。なお、図4に示す短手筋5b,...のうち破断した短手筋5b,5b...と、破断によって解放されたガーゼG,Gのそれぞれの符号に下線を引いて区別した。
(ガーゼ係止部)
ガーゼGが保持される側をシート本体6の一方側としたとき、その反対側となる他方側1bには、ガーゼ保持部と同数のガーゼ係止部9が設けられている(図6)。同数とする理由は、外したガーゼGの数と戻した使用済みガーゼGbの数が同じかどうか、不足はないかどうかを見分けられるようにするためである。各ガーゼ係止部9は、断面L字をつぶしたような一方の板より他方の板が短い断面L字をつぶしたようなクリップ状に構成されている。この形状に限定されるものではないが、1枚のみの手術用ガーゼの一端側が矢印で示す方向に差込係止可能なものである必要がある。ここには、使用済みのガーゼGbが戻される。
(手術前後のガーゼ数確認)
上記した構成を持つ計数シート1によれば、使用者は、手術前に何枚のガーゼGが保持されていたかを確認する必要はない。確認することを妨げるわけではないが、省略してかまわない。なぜなら、手術に使用したガーゼGの枚数は、短手筋5b,5bの破断という復帰不能な物理的変化の痕跡がいくつあるかを確認すれば足りるし、その方が確実だからである。したがって、たとえば図7に示すようなに6枚ものの計数シートに5枚のガーゼしか保持されていなかったとしても、破断の痕跡は5つあれば、使ったのは5枚であることが確実に認識できるのである。
一方、手術後に回収した使用済みガーゼGbは、図6に示すように1枚1枚をガーゼ係止部9に差し込み係止する。そこで、その枚数と先の物理的痕跡(図6の下方に破断の痕跡が見える)の数とを比較し、同数であれば、使用されたすべてのガーゼが回収されたことを確認できる。使用済みガーゼGbの数が物理的痕跡の数より少ないときは、未回収の使用済みガーゼGbがあることになるので、確認が必要となる。一致不一致の確認だけは使用者の目視によらざるを得ないが、手術前の確認を不要とする分だけ人の関与を減らせるので間違いが起きる可能性を限りなく低くすることができる。
(手術用ガーゼ包装体)
最後に、ガーゼ包装体について説明する。ガーゼ包装体11は、計数シート1と、計数シート1のガーゼ保持部(2筋の短手筋5b,5bのペア各々によって1枚ずつ保持された未使用のガーゼGと、未使用のガーゼGがガーゼ保持部各々によって1枚ずつ保持された状態の計数シート1が収納密閉された包装容器13と、を備えている。このガーゼ包装体11によれば、包装容器13を開封した使用者は、そこに収容されているガーゼGと包装容器11に記載されている収容枚数の一致不一致を確認する必要がない。
計数シートの平面図である。 図1に示す計数シートの右側面図である。 図1に示す計数シートの右側面図である。 保持されていたガーゼの一部を取り外した状態の計数シートの平面図である。 保持されていたガーゼの全部を取り外した状態の計数シートの平面図である。 使用済みのガーゼが保持された状態の計数シートの底面図である。 保持されていたガーゼの全部を取り外した状態の計数シートの平面図である。 ガーゼ包装体に収納された計数シートの平面図である。
1 手術用ガーゼ計数シート(計数シート)
1a 一方側
1b 他方側
3 外枠
5 格子構造
5a 長手筋
5b 短手筋(バンド部材、ガーゼ保持部)
5c 隙間
5d 連結部
6 シート本体
7 把持部
7a 長穴
9 ガーゼ係止部
11 ガーゼ包装体
13 包装容器
G ガーゼ
Gb 使用済みガーゼ

Claims (6)

  1. シート状のシート本体と、
    当該シート本体に並列配置された複数のガーゼ保持部と、
    当該シート本体に並列配置された当該ガーゼ保持部の数と同数のガーゼ係止部と、を備え、
    当該ガーゼ保持部各々は、1枚のみの手術用ガーゼを当該シート本体の一方側に保持可能、かつ、復帰不能な物理的変形によって手術用ガーゼの保持を解除可能に構成され、
    当該ガーゼ係止部は、1枚のみの手術用ガーゼの一端側を当該シート本体の他方側に差込係止可能に構成されている
    ことを特徴とする手術用ガーゼ計数シート。
  2. 前記ガーゼ保持部各々は、前記シート本体に両端固定された少なくとも1本のバンド部材によって構成され、
    当該バンド部材は、折り返された手術用ガーゼの中に包み込まれることにより当該手術用ガーゼを保持するように構成され、かつ、使用者が加える引っ張り力によって破断可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の手術用ガーゼ計数シート。
  3. 前記シート本体は、外枠と、当該外枠に囲まれた格子構造と、を備え、
    当該格子構造は、並列配置された複数の長手筋と、当該複数の長手筋と直交する複数の短手筋を備え、
    隣接する当該長手筋間に位置する当該短手筋が、前記バンド部材である
    ことを特徴とする請求項2記載の手術用ガーゼ計数シート。
  4. 前記バンド部材各々は、両端の固定部位のうち、いずれか一方が他方より破断しやすく構成されている
    ことを特徴とする請求項3記載の手術用ガーゼ計数シート。
  5. 前記複数の短手筋のうち前記バンド部材と前記長手筋に沿って所定間隔を隔てて対向する少なくとも1筋の短手筋は、
    前記バンド部材を包み込んで二つ折りにより重ねられた手術用ガーゼの両端側を前記バンド部材に近い側の隙間から差し込んで前記シート本体の他方側へ出し遠い側の隙間から前記シート本体の一方側へ差し込み戻すことにより手術用ガーゼの両端側を保持できるように構成されている
    ことを特徴とする請求項3または4記載の手術用ガーゼ計数シート。
  6. 請求項1記載の手術用ガーゼ計数シートと、
    前記ガーゼ保持部各々によって1枚ずつ保持された未使用の手術用ガーゼと、
    未使用の手術用ガーゼが前記ガーゼ保持部各々によって1枚ずつ保持された状態の当該手術用ガーゼ計数シートが収納密閉された包装容器と、を備える
    ことを特徴とする手術用ガーゼ包装体。
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