図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面における各部の寸法および縮尺は、実際の構成の寸法および縮尺とは適宜に相違する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する実施形態には限定されない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲーム装置100を例示する外観図である。ゲーム装置100は、例えば娯楽施設(例えばゲームセンターまたはカジノ等)または商業施設(例えばショッピングセンター等)に設置される。カジノにおいて利用される場合、ゲーム装置100は、ゲーミングマシンと称呼されることもある。
遊技者は、遊技価値を消費することでゲーム装置100によるゲームをプレイすることができる。遊技価値は、例えばメダル(トークンコイン)、コイン(貨幣)もしくはチケット等の有体の媒体、または、クレジットもしくはポイント等の無体の価値である。無体の遊技価値の数量は、例えばICカード等の記録媒体にデータとして記憶される。複数種の遊技価値の何れかを遊技者が選択して消費してもよい。遊技価値の消費は、遊技価値の投入とも換言される。
遊技者は、ゲームの結果に応じた報酬(特典)を獲得する。すなわち、報酬の獲得がゲームの目的のひとつである。遊技者に付与される報酬は、例えばチケット(すなわち景品)である。チケットは、例えば各種の物品と交換可能な媒体である。なお、チケットが遊技価値(すなわちゲームをプレイするための価値)を有するか否かは不問である。なお、有体または無体の遊技価値を報酬として遊技者に付与してもよい。報酬の付与は、報酬の払出とも換言される。なお、ゲームのプレイのために遊技者が消費する遊技価値とゲームの結果に応じた報酬とは、同種および異種の何れでもよい。例えば、無体の遊技価値であるクレジットの消費により遊技者がゲームをプレイした結果に応じて、所定数のチケットを報酬として遊技者に付与してもよいし、所定の数量のクレジット(すなわち同種の遊技価値)を報酬として遊技者に付与してもよい。
図1に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置100は、操作パネル10と表示装置15とゲーム機構20とを具備する。以下の説明では、ゲーム装置100の左右方向をX方向と表記し、前後方向をY方向と表記する。X方向の正側が遊技者からみて右側であり、X方向の負側が遊技者からみて左側である。また、Y方向の正側が前方(遊技者からみて手前側)であり、Y方向の負側が後方(遊技者からみて奥側)である。X−Y平面は水平面に相当する。
操作パネル10は、操作部11Lと操作部11Rと受付部12と払出部13とを具備する。操作部11Lおよび操作部11Rの各々は、遊技者が操作可能な操作ボタンである。受付部12は、遊技価値の投入を受付ける。例えば、チケットまたはトークンコイン等の有体の遊技価値の投入を受付ける投入口、または、クレジット等の無体の遊技価値を例えばICカード等の記録媒体から取得する読出回路が、受付部12として利用される。払出部13は、ゲームの結果に応じた報酬を遊技者に付与する。例えばチケットを報酬として放出する払出口、または、クレジット等の無体の遊技価値を記録媒体に書込む書込回路が、払出部13として利用される。表示装置15は、例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の表示パネルを含んで構成され、抽選処理を表す画像等の各種の画像を表示する。
ゲーム機構20は、遊技者にゲームを提供する機構である。図1に例示される通り、ゲーム機構20は、テーブル21とプッシャー部22と支持構造体23と投入機構24Lと投入機構24Rと射出機構25とを具備する。テーブル21は、略水平に設置された平板状の部材である。プッシャー部22は、テーブル21の面上で往復する立体的な構造体(プッシャーテーブル)である。具体的には、プッシャー部22は、図1に矢印αで表現される通り、テーブル21の面上でY方向に沿って反復的に往復する。プッシャー部22が往復する方向をY方向と定義し、水平面内でY方向に直交する方向をX方向と定義してもよい。
支持構造体23は、ゲーム機構20の各要素を支持する構造体であり、側壁部231Lと側壁部231Rと前壁部232と後壁部234とを含んで構成される。側壁部231Lおよび側壁部231Rは、相互に対向するようにゲーム機構20の左右に設置される。前壁部232は、テーブル21におけるY方向の正側の周縁(以下「前縁」という)Eから離間した位置でX方向に延在する部材である。テーブル21の前縁Eに沿う方向をX方向と定義してもよい。前壁部232とテーブル21の前縁Eとの間にはX方向に長尺な開口(以下「落下口」という)Qが形成される。後壁部234は、プッシャー部22の上面に対向するX方向に長尺な部材である。
図1に例示される通り、投入機構24Lおよび投入機構24Rは、プッシャー部22の上面に向けて遊技体Bを投入する機構である。投入機構24Lは、図1に例示される通り、プッシャー部22の左側からX方向の正側に向けて遊技体Bを投入する。投入機構24Rは、プッシャー部22の右側からX方向の負側に向けて遊技体Bを投入する。第1実施形態の遊技体B(第1遊技体の例示)は球体である。遊技体Bは、例えばアクリル樹脂またはガラス等の光透過性の材料で形成される。
投入機構24Lおよび投入機構24Rの各々が遊技体Bを投入する方向および時点は可変である。遊技者は、投入機構24Lによる遊技体Bの投入の方向を操作部11Lに対する操作に応じて変更可能であり、投入機構24Rによる遊技体Bの投入の方向を操作部11Rに対する操作に応じて変更可能である。なお、投入機構24Lおよび投入機構24Rの一方のみを設置してもよい。
図1に例示される通り、テーブル21およびプッシャー部22の上面には多数の遊技体Bが稠密に載置される。複数の遊技体Bが相互に重なり合ってテーブル21およびプッシャー部22の上面に載置される場合もある。プッシャー部22の上面に載置された遊技体Bは、プッシャー部22が後方(Y方向の負側)に移動するときに後壁部234により押圧される。後壁部234により押圧されることで複数の遊技体Bが順次に前方に移動し、プッシャー部22の前縁の近傍に位置する余剰の遊技体Bが、プッシャー部22の上面からテーブル21の上面に落下する。テーブル21の上面の複数の遊技体Bは、前方(Y方向の正側)に移動するプッシャー部22により押圧されることで順次に前方に移動し、テーブル21の前縁Eの近傍に位置する余剰の遊技体Bが当該前縁Eから落下口Qに落下する。落下口Qに落下した遊技体Bの個数に応じた報酬(チケット)が遊技者に付与される。
図1に例示される通り、側壁部231Lと側壁部231Rとの間には架設体27が設置される。架設体27は、遊技体Bの直径を上回る間隔だけテーブル21の上面から離間した高さに設置される。架設体27には複数の抽選孔Hが形成される。各抽選孔Hは、遊技体Bの直径を上回る内径に形成された略円形の貫通孔である。他方、プッシャー部22の前面(Y方向の正側の壁面)には、相異なる抽選孔Hに対応する複数の誘導路28が設置される。各誘導路28は、プッシャー部22の上面から落下した遊技体Bを受容して抽選孔Hに誘導する構造体である。プッシャー部22が架設体27に充分に接近した時点で誘導路28から落下した遊技体Bは、抽選孔Hを通過してからテーブル21の表面に落下する。他方、プッシャー部22が架設体27から離間した時点で誘導路28から落下した遊技体Bは、抽選孔Hを通過することなくテーブル21の表面に落下する。各抽選孔Hの内周面には、遊技体Bの通過を検出するための検出器(図示略)が設置される。検出器による遊技体Bの検出を契機として所定の抽選処理が実行され、抽選処理の結果に応じた各種の報酬が遊技者に付与される。
第1実施形態の抽選処理は、複数の要素(以下「抽選要素」という)の何れかを演算処理により無作為に選択する電子抽選である。具体的には、抽選処理においては、図1に例示される通り、複数の抽選要素が円周方向に配置された円形状の抽選体G(すなわちルーレット)が表示装置15に表示される。遊技体Bが抽選孔Hを通過することを契機として抽選体Gが回転し、所定の時間の経過により抽選体Gが停止した時点で特定の位置にある抽選要素が抽選結果として選択される。抽選処理により選択される抽選要素としては、
抽選要素1:所定個の遊技体Bの投入
抽選要素2:所定量の遊技価値の付与
抽選要素3:特別抽選の実施
抽選要素4:遊技体Cの投入
が例示される。抽選要素1が選択された場合、所定個の遊技体Bがプッシャー部22またはテーブル21の上面に投入される。抽選要素2が選択された場合、所定量の遊技価値が遊技者に付与される。抽選要素3が選択された場合、物理抽選機構(図示略)を利用した特別抽選が実行される。物理抽選機構は、例えば複数の抽選孔が形成された皿状の抽選機構である。特別抽選では、物理抽選機構の複数の抽選孔のうち遊技体Bが進入した抽選孔に応じて当選/非当選が選択される。特別抽選で当選した場合には、多数の遊技体Bがテーブル21またはプッシャーの面上に投入される(いわゆるジャックポット)。
抽選要素3における遊技体C(第2遊技体の例示)は、遊技体Bとは別種の遊技体である。具体的には、図1に例示される通り、遊技体Bが転動可能な球体であるのに対し、遊技体Cは、略矩形状の平面形状に成形された平板状のカードである。すなわち、遊技体Bの形状と遊技体Cの形状とは相違する。遊技体Cの長辺および短辺の長さは遊技体Bの直径を上回る。遊技体Cには、例えばキャラクタ等の各種の絵柄が描画される。第1実施形態の遊技体Cは、当該遊技体Cの絵柄を示す識別情報が記憶された記憶回路(例えばICタグ)を搭載する。識別情報を表すバーコードまたはQRコード(登録商標)を遊技体Cの表面に印刷してもよい。識別情報を磁気的に遊技体Cに記憶してもよい。
図1の射出機構25は、テーブル21に向けて遊技体Cを射出する。具体的には、射出機構25は、前述の抽選処理において抽選要素3が選択されるたびに1枚の遊技体Cをテーブル21の面上に射出する。図1に例示される通り、遊技体Cは、架設体27からみて前方側(Y方向の正側)の空間に投入される。第1実施形態では、側壁部231Rの上方に設置された射出機構25(すなわちX方向の正側)からテーブル21の面上に遊技体Cが投入される。すなわち、テーブル21の右側からX方向の負側に向けて遊技体Cが投入される。なお、射出機構25は、側壁部231L側に設置してもよいし、側壁部231Rおよび側壁部231Lの双方に設置してもよい。
第1実施形態の射出機構25は、複数の遊技体Cを収容する収容体251と、収容体251に収容された遊技体Cを順次に射出するための射出路252とを具備する。射出路252は、遊技体Cが滑落する傾斜面Sを具備する。絵柄が相違する複数の遊技体Cの何れかが射出機構25により投入される。射出機構25が投入した遊技体Cは、テーブル21の面上の複数の遊技体Bに載置される。したがって、遊技体Cは、複数の遊技体Bとともにテーブル21の面上で前方に順次に移動し、最終的には前縁Eから落下口Qに落下する。
図2は、遊技体Bおよび遊技体Cの経路を例示する模式図である。図2に例示される通り、テーブル21の前縁Eから共通の落下口Qに落下した遊技体Bと遊技体Cとは、各々が選別されたうえで別個の経路に供給される。具体的には、遊技体Bは経路Pbに供給され、遊技体Cは経路Pcに供給される。遊技体Cは、経路Pcを経由して図1の排出口14から排出される。遊技者は、排出口14から排出された遊技体Cを景品として獲得する。
遊技体Bは、経路Pbに設置された計数器32(計数ホッパー)により個数が計数されたうえで搬送装置33に供給される。計数器32により計数された個数に応じた数量の報酬が遊技者に付与される。搬送装置33は、遊技体Bを鉛直方向の上方に搬送する機構である。搬送装置33により搬送された遊技体Bは投入機構24Lまたは投入機構24Rに供給される。すなわち、遊技体Bは、投入機構24Lまたは投入機構24R→プッシャー部22の上面→テーブル21の上面→落下口Q→経路Pb(計数器32)→搬送装置33→投入機構24Lまたは投入機構24R、という経路により循環する。他方、遊技体Cは、射出機構25→テーブル21の上面→落下口Q→経路Pc→排出口14、という経路で排出される。
以下、射出機構25から射出された遊技体Cをテーブル21に載置するための構成について説明する。図1に例示される通り、ゲーム機構20は、テーブル21の面上に設置される緩衝部26を具備する。射出機構25は、遊技体Cを緩衝部26に向けて射出する。射出機構25から射出された遊技体Cは、緩衝部26に衝突した後に、テーブル21の面上の複数の遊技体Bの上に載置される。射出機構25から射出された遊技体Cが衝突可能な位置に緩衝部26が設置される。したがって、テーブル21の面上においてY方向に延在する中心線よりもX方向の正側に射出機構25が設置される。
図1に例示される通り、緩衝部26は、Y方向(すなわちプッシャー部22が往復する方向)に沿って延在する長尺状の部材である。第1実施形態では、架設体27に緩衝部26が連結される。架設体27のうちプッシャー部22とは反対側の側面に緩衝部26の一方の端部が固定される。図3は、鉛直方向の上方からみた緩衝部26の平面図である。図3に例示される通り、射出路252を滑落する遊技体Cの進行方向における先端側の周縁(すなわちX方向の負側の周縁)に平行に延在するように緩衝部26が設置される。射出機構25の射出路252における先端側の周縁に平行に延在するように緩衝部26が設置された構成とも換言される。緩衝部26の全長は、例えば射出路252の幅WV(当該射出路252の先端側の周縁Vの長さ)を上回る寸法に設定される。すなわち、遊技体Cの進行方向における先端側の周縁を上回る寸法に緩衝部26の全長が設定される。
図4は、Y方向の正側からみた射出機構25および緩衝部26の側面図である。図4に例示される通り、第1実施形態の緩衝部26は、遊技体Bの外径を上回る間隔Dをあけてテーブル21の表面に対向するように設置される。例えば、テーブル21の表面から緩衝部26の下面までの距離(すなわち間隔D)は遊技体Bの外径の2倍以上である。したがって、テーブル21上の遊技体Bの移動は緩衝部26により阻害されない。例えば、透明な部材により緩衝部26は形成される。したがって、緩衝部26により遮られることなく、遊技者はテーブル21上の遊技体Bを視認できる。
図4に例示される通り、テーブル21からみて緩衝部26よりも高い位置に射出機構25が設置される。すなわち、緩衝部26の上方から遊技体Cが緩衝部26に対して射出される。具体的には、射出機構25は、テーブル21の表面に対して傾斜した方向に沿って遊技体Cを射出する。したがって、緩衝部26に向けた射出された遊技体Cは、緩衝部26の上面Fに衝突する。緩衝部26の上面Fは、テーブル21の表面に対向する面(すなわち下面)とは反対側の面である。図3に例示される通り、上面Fは、緩衝部26を鉛直方向の上向からみた場合に見える面とも換言される。
第1実施形態の緩衝部26の上面Fは、第1面F1(第1傾斜面の例示)と第2面F2とを含む。第1面F1と第2面F2とは、緩衝部26が延在する方向にわたり形成される。第1面F1は、上面Fのうち射出機構25側に位置し、第2面F2は、第1面F1を挟んで射出機構25とは反対側に位置する。すなわち、第2面F2よりも第1面F1の方が射出機構25に近い。
図4に例示される通り、第1面F1は、射出機構25に近い位置(X方向の正側)ほど低くなるように傾斜する傾斜面である。法線が射出機構25側を向くように傾斜する面が第1面F1であるとも換言される。他方、第2面F2は、水平面に平行な面である。射出機構25から射出された遊技体Cは、射出路252の表面状態や当該遊技体Cに対する空気抵抗等の様々な要因により、第1面F1および第2面F2の何れかに衝突する。換言すると、第1面F1および第2面F2の何れかに遊技体Cが衝突するように、射出機構25が遊技体Cを射出する方向が調整されている。緩衝部26に衝突した遊技体Cは、緩衝部26の近傍に落下する。具体的には、緩衝部26からみてX方向の正側または負側に遊技体Cが落下する。例えば、射出機構25から射出された遊技体Cが第1面F1に衝突した場合、緩衝部26からみて射出機構25側に衝突後の遊技体Cが落下する可能性が高い。他方、射出機構25から射出された遊技体Cが第2面F2に衝突した場合、緩衝部26からみて射出機構25とは反対側に衝突後の遊技体Cが落下する可能性が高い。以上の説明から理解される通り、角度が相違する第1面F1と第2面F2とを緩衝部26の上面Fが含むから、緩衝部26のうち遊技体Cが衝突する位置に応じて衝突後の遊技体Cが落下する位置が変化する。すなわち、射出機構25による遊技体Cの射出方向を変化させることなく、テーブル21の広範囲にわたり遊技体Cを配置することが可能になる。
ここで、射出機構25から射出された遊技体Cがテーブル21上の遊技体Bに直接衝突する構成(以下「対比例」という)では、遊技体Bに衝突することで遊技体Cが跳ね返る。遊技体Bに遊技体Cが衝突する速度が速いほど(例えば遊技体Cが射出される位置が高いほど)、遊技体Bに衝突した地点から離れた地点に遊技体Cが跳ね返る。したがって、対比例では、遊技体Bに対する衝突により遊技体Cがテーブル21の周縁(前縁E)まで跳ね返り落下口Qから落下する可能性がある。すなわち、射出機構25による射出の直後に遊技体Cが落下口Qに落下する場合がある。それに対して、第1実施形態では、射出機構25から射出された遊技体Cは緩衝部26に衝突した後にテーブル21上の遊技体Bに載置される。すなわち、射出機構25から射出した遊技体Cは、遊技体Bに直接衝突しない。射出機構25から射出された遊技体Cの速度が緩衝部26に衝突することで減殺されたうえで、テーブル21上の遊技体Bの上に移動する。すなわち、遊技体Cが遊技体Bにより跳ね返る距離が対比例よりも短い。したがって、対比例と比較して、射出機構25による射出の直後に遊技体Cがテーブル21の前縁Eから落下する可能性を低減できる。以上の説明から理解される通り、緩衝部26は、遊技体Cの衝突を緩衝する。
特に、対比例において遊技体Bが球体である構成では、遊技体Bへの衝突時に遊技体Cが接触する面が小さくなる(すなわち点状に接触する)ため、衝突後の遊技体Cの角度が定まらず跳ね返る方向が多様に変化する。さらに、対比例において遊技体Cが平板状である構成では、射出後の遊技体Cの前縁(遊技体Cの進行方向における周縁)が遊技体Bに対して点状に接触しやすいから、衝突点の位置に応じた方向に跳ね返る。以上のように、遊技体Bに対する衝突後に遊技体Cが跳ね返る角度が定まらないため、落下口Qから遊技体Cが落下する可能性も高くなる。それに対して、第1実施形態では、遊技体Cが緩衝部26に衝突する。すなわち、射出機構25から射出された遊技体Cの前縁は、角度が固定された緩衝部26に対して略一定の角度で衝突する。したがって、衝突後の遊技体Cが跳ね返る範囲が縮小される。以上の説明から理解される通り、緩衝部26を設ける第1実施形態の構成は、遊技体Bが転動可能な球体であり、かつ、遊技体Cが平板状である場合に特に有効である。
また、第1実施形態では、テーブル21の表面に対して傾斜した方向に沿って遊技体Cが射出され、射出機構25に近い位置ほど低くなるように傾斜する第1面F1を緩衝部26の上面Fが含むから、当該第1面F1に対する衝突後の遊技体Cを射出機構25側に位置させることができるという利点がある。
プッシャー部22が往復する方向に沿って緩衝部26が延在するから、衝突後の遊技体Cが緩衝部26を挟んで両側(緩衝部26からみて、テーブル21の前縁Eが延在する方向における一方側または他方側)に位置する。したがって、衝突後の遊技体Cがテーブル21の前縁Eから落下する可能性を低減できるという効果が顕著である。また、遊技体Bの外径を上回る間隔をあけてテーブル21の表面に緩衝部26が対向するから、テーブル21上の遊技体Bの移動が緩衝部26により阻害されないという利点がある。
<機能的な構成>
図5は、第1実施形態のゲーム装置100の機能的な構成を例示するブロック図である。図5に例示される通り、ゲーム装置100は、制御装置81と記憶装置82と表示装置15と操作パネル10と交換装置83とを具備する。表示装置15および操作パネル10の構成および機能は前述の通りである。
制御装置81は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の処理回路で構成され、ゲーム装置100の各要素を統括的に制御する。記憶装置82は、制御装置81が実行するプログラムと制御装置81が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置82として任意に採用される。
前述の通り、第1実施形態に係るゲーム装置100によりゲームをプレイすることで、遊技者は遊技体Cを獲得することが可能である。遊技者は、ゲーム装置100に搭載された交換装置83を利用して、自身が獲得した遊技体Cをチケット(すなわち報酬)に交換することが可能である。交換装置83は、挿入口831と読取機構832と排出口833と排出機構834とを具備する。挿入口831および排出口833は、図1に例示される通り、ゲーム装置100の前面に設置される。なお、交換装置83をゲーム装置100とは別体の装置として設置してもよい。また、交換装置83が遊技体Cを有体または無体の遊技価値に交換してもよい。
チケットの取得を希望する遊技者は、自身が獲得した1枚以上の遊技体Cを挿入口831に挿入する。読取機構832は、挿入口831に挿入された遊技体Cから、当該遊技体Cの絵柄を示す識別情報を取得する。例えば遊技体Cに搭載された記憶回路から識別情報を取得する読出回路が、読取機構832として好適である。排出機構834は、挿入口831に挿入された1枚以上の遊技体Cに応じた枚数のチケットを排出口833から排出する。なお、交換装置83による交換後のチケットを払出部13から排出してもよい。計数器32による計数の結果に応じた枚数のチケットを排出機構834から排出してもよい。以上に説明した通り、交換装置83は、遊技者が挿入した遊技体Cに応じたチケットを排出する処理(以下「交換処理」という)を実行する。
図6は、制御装置81の機能的な構成を例示するブロック図である。図6に例示される通り、制御装置81は、記憶装置82に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(抽選処理部811,報酬管理部812および表示制御部813)を実現する。なお、制御装置81の一部の機能を専用の電子回路で実現してもよい。また、制御装置81の機能を複数の装置に搭載してもよい。また、図6に例示された機能以外にも、ゲーム装置100の各部(例えば投入機構24L、投入機構24R、射出機構25、または搬送装置33)を制御するための各種の機能が制御装置81により実現される。抽選処理部811は、複数の抽選要素の何れかを無作為に選択する前述の抽選処理を実行する。
報酬管理部812は、挿入口831に挿入された1枚以上の遊技体Cの絵柄の組合せ(いわゆる役)に応じて、排出口833から排出すべきチケットの枚数(以下「排出数」という)を設定する。各遊技体Cの絵柄は、交換装置83の読取機構832が取得した識別情報により特定される。第1実施形態の記憶装置82は、遊技体Cの絵柄の組合せ毎に排出数を事前に記憶する。報酬管理部812は、記憶装置82の記憶内容を参照することで、挿入口831に挿入された1枚以上の遊技体Cの絵柄の組合せに応じた排出数を設定する。排出数は、遊技体Cの絵柄毎に相違するほか、遊技体Cの絵柄の組合せ毎にも相違する。例えば、特定の絵柄の組合せが成立した場合には、当該組合せを構成する各絵柄の遊技体Cを1枚ずつ交換した場合の排出数の合計値を上回る排出数が設定される。
表示制御部813は、表示装置15に画像を表示させる。第1実施形態の表示制御部813は、抽選処理に関する画像と交換処理に関する画像とを表示装置15に表示させる。抽選処理に関する画像は、図1を参照して前述した通り、例えば複数の抽選要素が配置された抽選体Gの画像である。他方、交換処理に関する画像は、例えば図7に例示される通り、遊技者が挿入口831に挿入した遊技体Cについて成立した組合せと当該組合せに対応する排出数とを表す画像である。また、表示制御部813は、図8に例示される通り、特定の組合せの成立のために不足している遊技体Cの絵柄と当該遊技体Cの挿入による組合せの成立とを表す画像を、表示装置15に表示させる。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の表示装置15は、抽選処理に関する画像の表示と、交換処理に関する画像の表示とに兼用される。
抽選処理に関する画像を表示する表示装置15と交換処理に関する画像を表示する表示装置15とを別個に設置した構成では、ゲーム装置100の構成の煩雑化または大型化等の問題が発生する。第1実施形態では、前述の通り、抽選処理に関する画像の表示と交換処理に関する画像の表示とに表示装置15が兼用されるから、抽選処理の画像を表示する表示装置15と交換処理の画像を表示する表示装置15とを別個に設置した構成と比較して、ゲーム装置100の構成の簡素化および小型化を実現することが可能である。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第1実施形態では、射出路252の表面状態や当該遊技体Cに対する空気抵抗等の様々な要因により、遊技体Cが緩衝部26に衝突する位置(第1面F1または第2面F2)を変化させたが、第2実施形態では、遊技体Cの射出角度を制御により意図的に変化させることで、遊技体Cが緩衝部26に衝突する位置を変化させる。
図9は、第2実施形態に係る射出機構25および緩衝部26の側面図(図4に対応する側面図)である。図9に例示される通り、第2実施形態に係る射出機構25は、第1実施形態と同様の収容体251および射出路252の他に、角度制御部253を具備する。角度制御部253は、水平面Aに対する射出路252の角度θを制御する。角度θは、緩衝部26に対して遊技体Cが射出する角度である。射出路252の傾斜面Sが水平面Aに対して垂直な状態に近いほど角度θは大きく、傾斜面Sが水平面Aに対して平行な状態に近いほど角度θは小さい。例えば、モーター等の発動機が角度制御部253として利用される。第1実施形態の角度制御部253は、例えば収容体251との連結部分Mを支点として射出路252を回転させることで角度θを調整する。例えば、角度θは、ゲーム機構20によるゲームの実行中に動的に変化する。例えば所定の範囲内で周期的に角度θが増減する。
図9に例示される通り、射出機構25から射出した遊技体Cが緩衝部26に衝突する位置は、角度θに応じて変化する。具体的には、角度θが大きいほど、射出機構25に近い位置(すなわち第1面F1)で緩衝部26に衝突する。他方、角度θが小さいほど、射出機構から離れた位置(すなわち第2面F2)で緩衝部26に衝突する。以上の説明から理解される通り、第2実施形態の射出機構25は、緩衝部26に対して遊技体Cが射出する角度θを調整可能である。以上のように、第2実施形態では、緩衝部26の第1面F1と第2面F2とにより、衝突後の遊技体Cの位置が変化するから、緩衝部26の上面Fが単一の面である構成と比較して、射出機構25による射出の方向を変化させる範囲を縮小できる。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第2実施形態では、緩衝部26に対して遊技体Cが射出する角度θが調整可能であるから、遊技体Cが緩衝部26に衝突する位置(ひいては衝突後の遊技体Cの位置)を当該角度θに応じて調整することが可能である。
[第3実施形態]
図10は、第3実施形態に係る射出機構25および緩衝部26の側面図(図4に対応する側面図)である。図10に例示される通り、第3実施形態のゲーム装置100は、複数の緩衝部26を具備する。図10では、2個の緩衝部26がテーブル21の面上に設置される構成を例示する。なお、緩衝部26の個数は任意である。複数の緩衝部26の形状は、共通である。ただし、複数の緩衝部26の各々の形状を相違させてもよい。複数の緩衝部26は、テーブル21の面上においてX方向に相互に間隔をあけて並列する。X方向に隣合う2個の緩衝部26の間隔は、遊技体Cの長辺よりも長い寸法に設定される。
第3実施形態の射出機構25は、複数の緩衝部26のうち何れかに対して遊技体Cを射出する。具体的には、射出路252の角度θを調整することで、複数の緩衝部26のうち何れかに対して遊技体Cを衝突させる。第2実施形態と同様に、角度制御部253により角度θが調整される。遊技体Cは、角度θが大きいほど射出機構25に近い位置の緩衝部26に衝突し、角度θが小さいほど射出機構から離れた位置の緩衝部26に衝突する。
上述した通り、緩衝部26に衝突した遊技体Cは、当該緩衝部26の近傍(典型的には緩衝部26を挟んで両側)に落下する。第3実施形態では、複数の緩衝部26の各々について当該緩衝部26の近傍に遊技体Cが落下する。すなわち、1個の緩衝部26が設置される構成と比較して、テーブル21上の広範囲にわたり遊技体Cを配置できる。
また、複数の緩衝部26の何れかに対して遊技体Cが射出機構25から射出されるから、例えば、複数の緩衝部26の各々について射出機構25を設置する構成と比較して、ゲーム装置100の小型化が可能である。
[変形例]
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2個以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
(1)前述の各形態では、遊技体Bと遊技体Cとで形状を相違させたが、遊技体Bと遊技体Cとが共通の形状でもよい。
(2)前述の各形態では、球体の遊技体Bを例示したが、遊技体Bの形状は、姿勢または方向によらず転動可能な球状であれば球体でなくてもよい。すなわち、遊技体Bの形状は、完全な球状(つまり球体)の他に、実質的な球状でもよい。以上の説明から理解される通り、遊技体Bの典型例は球体であるが、楕円体または多面体等の転動可能な任意の形状の遊技体Bが採用される。もっとも、遊技体Bの形状は、球状に限定されない。例えば円盤状の遊技体B(例えばメダルやコイン)や、多面体である遊技体Bを採用してもよい。
(3)前述の各形態では、平板状の遊技体Cを例示したが、遊技体Cの形状は以上の例示に限定されない。例えば球状または円盤状の遊技体Cや、多面体である遊技体Cを採用してもよい。
(4)前述の各形態では、架設体27に緩衝部26を連結することで、緩衝部26をテーブル21の面上に設置したが、テーブル21の面上に直接的に緩衝部26を連結してもよい。テーブル21の上方からみたときに当該テーブル21と緩衝部26とが重なるように緩衝部26が設置されれば、緩衝部26を設置する方法は任意である。以上の説明から理解される通り、緩衝部26は、テーブル21に直接的に連結されてもよいし、テーブル21とは異なる部材(例えば架設体27)に連結されてもよい。すなわち、遊技体Bの外径を上回る間隔Dをあけてテーブル21の表面に対向するように緩衝部26を設置することは、本発明において必須ではない。
(5)前述の各形態では、射出機構25に近い位置ほど低くなるように傾斜する傾斜面を第1面F1とし、水平面を第2面F2としたが、第1面F1および第2面F2の形状は以上の例示に限定されない。図11および図12は、変形例に係る射出機構25および緩衝部26の側面図である。例えば、図11に示す通り、水平面を第1面F1として、射出機構25から遠い位置ほど低くなるように傾斜する傾斜面(第2傾斜面の例示)を第2面F2としてもよい。また、図12に示す通り、射出機構25に近い位置ほど低くなるように傾斜する傾斜面を第1面F1として、射出機構25から遠い位置ほど低くなるように傾斜する傾斜面を第2面F2としてもよい。図11または図12の例示のように射出機構25から遠い位置ほど低くなるように傾斜する第2面F2を上面Fが含む構成では、当該第2面F2に対する衝突後の遊技体Cを、緩衝部26を挟んで射出機構25とは反対側に位置させることができる。なお、第1面F1および第2面F2の何れか一方を上面Fが含む構成、または、第1面F1および第2面F2の他に当該第1面F1および当該第2面F2とは異なる面を上面Fが含む構成も採用され得る。また、図13に例示される通り、緩衝部26の上面Fを曲面(例えば円弧面)にしてもよい。以上の説明から理解される通り、緩衝部26の上面Fの形状は任意である。
(6)前述の各形態では、プッシャー部22が往復する方向に沿って延在する長尺状の緩衝部26を例示したが、射出路252から射出された遊技体Cが衝突可能に形成されれば、緩衝部26の形状または方向は任意である。
(7)前述の各形態では、1個の射出機構25をゲーム装置100が具備する構成を例示したが、複数の射出機構25をゲーム装置100が具備してもよい。また、当該複数の射出機構25の各々に対応する位置に緩衝部26を設置してもよい。例えば、複数の射出機構25のうちの何れかが選択的に動作することで、遊技体Cが投入される。
(8)前述の各形態では、遊技体Cを側壁部231側から投入したが、遊技体Cを投入する位置は以上の例示に限定されない。例えば、プッシャー部22側から遊技体Cを投入してもよいし、テーブル21の上面から遊技体Cを投入してもよい。緩衝部26が設置される位置は、遊技体Cが投入される位置に応じて適宜に変更される。
(9)第2実施形態および第3実施形態では、収容体251との連結部分Mを支点として射出路252を回転させることで角度θを調整したが、角度θを調整する方法は以上の例示に限定されない。例えば、射出機構25を全体として傾斜させることで角度θを調整してもよい。
(10)前述の各形態において、射出機構25が緩衝部26に対して遊技体Cを射出する位置を水平方向において調整してもよい。例えば射出機構25がX方向およびY方向に移動することで、水平方向における遊技体Cの射出位置が変化する。また、射出機構25が遊技体Cを射出する高さを調整してもよい。例えば射出機構25がテーブル21の表面に対して近づく方向または離れる方向に移動することで、遊技体Cが射出される高さが変化する。なお、遊技体Cの射出速度を発動機等により調整することで、緩衝部26に遊技体Cが衝突する位置を変化させてもよい。
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
本発明の好適な態様(付記1)に係るゲーム装置(100)は、第1遊技体(B)と第2遊技体(C)とが載置され、当該第1遊技体(B)と当該第2遊技体(C)とが周縁(E)から落下するテーブル(21)と、前記テーブル(21)の面上に設置された緩衝部(26)と、前記第2遊技体(C)を前記緩衝部(26)に向けて射出する射出機構(25)とを具備する。
射出機構(25)から射出された第2遊技体(C)がテーブル(21)上の第1遊技体(B)に直接衝突する構成(以下「対比例」という)では、第1遊技体(B)に衝突することで第2遊技体(C)が跳ね返る。第1遊技体(B)に第2遊技体(C)が衝突する速度が速いほど、衝突した地点から離れた地点に第2遊技体(C)が跳ね返る。したがって、対比例では、第2遊技体(C)に対する衝突により第2遊技体(C)がテーブル(21)の周縁(E)まで跳ね返りテーブル(21)から落下する可能性がある。すなわち、射出機構(25)による射出の直後に第2遊技体(C)が落下する場合がある。それに対して、第1実施形態では、射出機構(25)から射出された第2遊技体(C)は緩衝部(26)に衝突した後にテーブル(21)上の第1遊技体(B)に載置される。すなわち、射出機構(25)から射出した第2遊技体(C)は、第1遊技体(B)に直接衝突しない。射出機構(25)から射出された第2遊技体(C)の速度が緩衝部(26)に衝突することで減殺されたうえで、テーブル(21)上の第1遊技体(B)の上に移動する。すなわち、第2遊技体(C)が第1遊技体(B)により跳ね返る距離が短い。したがって、対比例と比較して、射出機構(25)による射出の直後に第2遊技体(C)がテーブル(21)の周縁(E)から落下する可能性を低減できる。
「第1遊技体(B)」および「第2遊技体(C)」は、任意の形状の立体物である。第1遊技体(B)と第2遊技体(C)とは、共通の形状でも相違する形状でもよい。「テーブル(21)の面上に設置」は、テーブル(21)の面上に緩衝部(26)が位置するように設置されることである。テーブル(21)の表面と緩衝部(26)との間に隙間が空くように設置されてもよいし、テーブル(21)の表面と緩衝部(26)とが接触するように設置されてもよい。また、テーブル(21)に直接的に連結されることで当該テーブル(21)の面上に緩衝部(26)が設置されてもよいし、テーブル(21)とは異なる部材に緩衝部(26)が連結されることで当該テーブル(21)の面上に設置されてもよい。
付記1の好適例(付記2)において、前記第1遊技体(B)と第2遊技体(C)とは、形状が相違する。
付記2の好適例(付記3)において、前記第1遊技体(B)は、球状であり、前記第2遊技体(C)は、平板状である。対比例において、第1遊技体(B)が球状である構成では、第1遊技体(B)への衝突時に第2遊技体(C)が接触する面が小さくなる(すなわち点状に接触する)ため、衝突後の第2遊技体(C)の角度が定まらず跳ね返る方向が多様に変化する。さらに、対比例において第2遊技体(C)が平板状である構成では、射出後の第2遊技体(C)の前縁(第2遊技体(C)の進行方向における周縁)が第1遊技体(B)に対して点状に接触しやすいから、衝突点の位置に応じた方向に跳ね返る。以上のように、第1遊技体(B)に対する衝突後に遊第2遊技体(C)が跳ね返る角度が定まらないため、テーブル(21)から第2遊技体(C)が落下する可能性も高くなる。それに対して、本発明では、第2遊技体(C)が緩衝部(26)に衝突するから、衝突後の第2遊技体(C)が跳ね返る範囲が縮小される。すなわち、緩衝部(26)を設ける本発明の構成は、第1遊技体(B)が球状であり、かつ、第2遊技体(C)が平板状である場合に特に有効である。
「第1遊技体(B)」の形状には、完全な球状の他に、実質的な球状も含まれる。実質的な球状とは、姿勢または方向によらず転動可能な任意の形状を含む。したがって、第1遊技体(B)の典型例は球体であるが、楕円体または多面体等の転動可能な任意の立体が「第1遊技体(B)」の概念に包含される。「第2遊技体(C)」は、平板状の物品である。例えば遊技者に賞品(景品)として進呈されるカードまたはチケットが第2遊技体(C)の好例である。各種の賞品と引換え可能なカードまたはチケットを第2遊技体(C)として利用してもよい。
付記1の好適例(付記4)において、前記第1遊技体(B)球状である。対比例において、第1遊技体(B)が球状である構成では、第1遊技体(B)への衝突時に第2遊技体(C)が接触する面が小さくなる(すなわち点状に接触する)ため、衝突後の第2遊技体(C)の角度が定まらず跳ね返る方向が多様に変化する。すなわち、テーブル(21)の周縁(E)に第2遊技体(C)が跳ね返り、テーブル(21)から第2遊技体(C)が落下する可能性も高くなる。それに対して、本発明では、第2遊技体(C)が緩衝部(26)に衝突するから、衝突後の第2遊技体(C)が跳ね返る範囲が縮小される。すなわち、緩衝部(26)を設ける本発明の構成は、第1遊技体(B)が球状である場合に特に有効である。
付記1から付記4の何れかの好適例(付記5)において、前記射出機構(25)は、前記テーブル(21)の表面に対して傾斜した方向に沿って前記第2遊技体(C)を射出し、前記緩衝部(26)の上面(F)は、前記射出機構(25)に近い位置ほど低くなるように傾斜する第1傾斜面(F1)を含む。以上の態様によれば、テーブル(21)の表面に対して傾斜した方向に沿って第2遊技体(C)が射出され、射出機構(25)に近い位置ほど低くなるように傾斜する第1傾斜面(F1)を緩衝部(26)の上面(F)が含むから、当該第1傾斜面(F1)に対する衝突後の第2遊技体(C)を射出機構(25)側に位置させることができる。
付記1から付記5の何れかの好適例(付記6)において、前記緩衝部(26)の上面(F)は、前記射出機構(25)から遠い位置ほど低くなるように傾斜する第2傾斜面(F2)を含む。以上の態様によれば、射出機構(25)から遠い位置ほど低くなるように傾斜する第2傾斜面(F2)を緩衝部(26)の上面(F)が含むから、当該第2傾斜面(F2)に対する衝突後の第2遊技体(C)を、緩衝部(26)を挟んで射出機構(25)とは反対側に位置させることができる。
付記1から付記6の何れかの好適例(付記7)において、テーブル(21)の面上で往復するプッシャー部(22)を具備する。以上の態様によれば、プッシャー部(22)がテーブル(21)の面上で往復するから、第1遊技体(B)および第2遊技体(C)がテーブル(21)の周縁(E)から徐々に落下する。
付記7の好適例(付記8)において、前記緩衝部(26)は、前記プッシャー部(22)が往復する方向に沿って延在する。以上の態様によれば、プッシャー部(22)が往復する方向に沿って緩衝部(26)が延在するから、衝突後の第2遊技体(C)が緩衝部(26)を挟んで両側(緩衝部(26)からみて、テーブル(21)の周縁(E)が延在する方向における一方側または他方側)に位置する。したがって、衝突後の第2遊技体(C)がテーブル(21)の周縁(E)から落下する可能性を低減できるという効果が顕著である。
付記1から付記8の何れかの好適例(付記9)において、前記緩衝部(26)は、前記第1遊技体(B)の外径を上回る間隔をあけて前記テーブル(21)の表面に対向する。以上の態様によれば、第1遊技体(B)の外径を上回る間隔をあけて緩衝部(26)がテーブル(21)の表面に対向するから、テーブル(21)上の第1遊技体(B)の移動が緩衝部(26)により阻害されない。
付記1から付記9の何れかの好適例(付記10)において、前記射出機構(25)は、前記緩衝部(26)に対して前記第2遊技体(C)が射出する角度(θ)を調整可能である。以上の態様によれば、緩衝部(26)に対して第2遊技体(C)が射出する角度(θ)が調整可能であるから、第2遊技体(C)が緩衝部(26)に衝突する位置(ひいては衝突後の第2遊技体(C)の位置)を当該角度(θ)に応じて調整することが可能である。
付記1から付記10の何れかの好適例(付記11)において、前記緩衝部(26)を複数具備する。以上の態様では、複数の緩衝部(26)の各々の近傍に第2遊技体(C)が落下する。すなわち、1個の緩衝部(26)が設置される構成と比較して、テーブル(21)上の広範囲にわたり第2遊技体(C)を配置できる。
付記11の好適例(付記12)において、前記射出機構(25)は、前記複数の緩衝部(26)のうち何れかに対して前記第2遊技体(C)を射出する。複数の緩衝部(26)の何れかに対して第2遊技体(C)が射出機構(25)から射出されるから、例えば、複数の緩衝部(26)の各々について射出機構(25)を設置する構成と比較して、ゲーム装置(100)の小型化が可能である。