JP6592286B2 - 血液浄化装置 - Google Patents

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本発明は、先端に穿刺針が接続可能な動脈側血液回路及び静脈側血液回路を有し、患者の血液を体外循環させ得る血液回路と、動脈側血液回路及び静脈側血液回路の基端にそれぞれ接続され、血液回路にて体外循環する血液を浄化する血液浄化手段と、液体の流路に接続された被しごきチューブを径方向に圧縮して締切させつつ長手方向にしごくことにより内部の液体を流動させ得るローラを有したしごき型ポンプと、液体の流路内の圧力を検出するための圧力検出手段とを具備した血液浄化装置に関するものである。
血液透析治療時に用いられる一般的な血液回路は、先端に動脈側穿刺針が取り付けられる動脈側血液回路と、先端に静脈側穿刺針が取り付けられる静脈側血液回路とから主に構成されており、これら動脈側血液回路及び静脈側血液回路の各基端にダイアライザ等の血液浄化器を接続し得るよう構成されている。動脈側血液回路には、血液ポンプが配設されており、動脈側穿刺針及び静脈側穿刺針を共に患者に穿刺した状態で当該血液ポンプを駆動させることにより、動脈側穿刺針から血液を採取するとともに、その血液を動脈側血液回路内で流動させてダイアライザまで導き、該ダイアライザによる浄化後の血液を静脈側血液回路内で流動させ、静脈側穿刺針を介して患者の体内に戻して透析治療が行われるよう構成されている。
血液ポンプは、一般に、動脈側血液回路に接続された被しごきチューブを径方向に圧縮して流路を締切しつつ長手方向にしごくことにより内部の液体を流動させ得るローラを有したしごき型ポンプにて構成されている。このような血液ポンプにおいては、ローラの1回転当たりの吐出量と時間当たりの回転数とによって体外循環する血液量を求めていたため、血液浄化治療を効率よく且つ良好に行わせるためには、血液ポンプの吐出量を一定に維持させる必要がある。
しかして、従来、例えばローラとステータとの間の隙間寸法を調整するための治具を用いることで、当該隙間寸法を設定通り(取り付けられる被しごきチューブに応じた設定通り)に調整し、ステータに被しごきチューブが取り付けられた際のローラによる流路の締切(すなわち、ローラの押圧による流路の閉止)を確実に行わせていた。これにより、血液ポンプによる吐出量を一定に維持することができ、血液浄化治療を効率よく且つ良好に行わせることができる。なお、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
しかしながら、上記従来の血液浄化装置においては、血液ポンプ(しごき型ポンプ)の隙間寸法を正確に調整した場合であっても、例えば調整時に予定していた被しごきチューブよりも細径の被しごきチューブ(径や肉厚寸法が小さいもの)を誤ってステータに取り付けた場合、ローラによる被しごきチューブの締切が不良となってしまい、吐出量に誤差が生じてしまう虞があった。なお、このような問題は、血液ポンプに限らず、血液浄化装置に配設されたしごき型ポンプ全般に生じるものである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を正確且つ自動的に把握させることができる血液浄化装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、先端に穿刺針が接続可能で内部に液体の流路を備える動脈側血液回路及び静脈側血液回路を有し、患者の血液を体外循環させ得る血液回路と、前記動脈側血液回路及び静脈側血液回路の基端にそれぞれ接続され、前記血液回路にて体外循環する血液を浄化する血液浄化手段と、前記の液体の流路に接続された被しごきチューブを径方向に圧縮して流路を締切しつつ長手方向にしごくことにより内部の液体を流動させ得るローラを有したしごき型ポンプと、前記液体の流路内の圧力を検出するための圧力検出手段とを具備した血液浄化装置において、前記圧力検出手段及びしごき型ポンプを含んだ範囲、且つ、前記しごき型ポンプの上流側又は下流側に位置する範囲で、前記液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、当該しごき型ポンプを回転駆動させ、前記圧力検出手段にて前記画成範囲の圧力を検出する判定工程を行わせる制御手段と、前記圧力検出手段にて検出された前記画成範囲の圧力に基づいて、前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記判定工程は、前記しごき型ポンプを回転駆動させるものとされ、前記圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動前から回転駆動時までの前記画成範囲の圧力変化を検出する工程とされるとともに、前記判定手段は、当該圧力変化に基づいて前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記判定工程は、前記しごき型ポンプを回転駆動させるものとされ、前記圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動前からの経過時間に対する前記画成範囲の圧力を絶対値として検出する工程とされるとともに、前記判定手段は、絶対値としての検出値に基づいて前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記判定工程は、前記しごき型ポンプを回転駆動させた後、停止させるものとされ、前記圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動時から停止時までの経過時間に対する前記画成範囲の圧力変化を検出する工程とされるとともに、前記判定手段は、当該圧力変化に基づいて前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記判定工程は、前記しごき型ポンプを回転駆動させた後、停止させるものとされ、前記圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの停止時からの経過時間に対する前記画成範囲の圧力を絶対値としての検出する工程とされるとともに、前記判定手段は、絶対値としての検出値に基づいて前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記判定工程時、前記しごき型ポンプのロータを任意角度毎に分けて1回転分だけ回転駆動させ、当該任意角度毎に前記圧力検出手段にて圧力を検出させることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記圧力検出手段は、前記しごき型ポンプに取り付けられるとともに、前記被しごきチューブの径方向の変位を検出する変位検出手段と、該変位検出手段で検出された前記被しごきチューブの径方向の変位に基づいて、前記液体流路の圧力を算出し得る圧力算出手段とを具備したことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記圧力検出手段は、前記血液回路内の圧力を検出し得る圧力センサ、又は前記血液浄化手段に透析液を導入又は導出するための配管内の圧力を検出し得る圧力センサから成ることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記しごき型ポンプは、前記動脈側血液回路に配設された血液ポンプ、又は前記血液回路に接続された補液ラインに配設された補液ポンプから成ることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、先端に穿刺針が接続可能で内部に液体の流路を備える動脈側血液回路及び静脈側血液回路を有し、患者の血液を体外循環させ得る血液回路と、前記動脈側血液回路及び静脈側血液回路の基端にそれぞれ接続され、前記血液回路にて体外循環する血液を浄化する血液浄化手段と、前記の液体の流路に接続された被しごきチューブを径方向に圧縮して流路を締切しつつ長手方向にしごくことにより内部の液体を流動させ得るローラを有したしごき型ポンプと、前記液体の流路内の圧力を検出するための圧力検出手段とを具備した血液浄化装置において、前記の液体の流路内を加圧又は減圧する加減圧手段と、前記加減圧手段、圧力検出手段及びしごき型ポンプを含んだ範囲、且つ、前記しごき型ポンプの上流側又は下流側に位置する範囲で、前記液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、前記加減圧手段によって前記の液体の流路内を加圧又は減圧し、前記圧力検出手段にて前記画成範囲の圧力を検出する判定工程を行わせる制御手段と、前記圧力検出手段にて検出された前記画成範囲の圧力に基づいて、前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の血液浄化装置において、前記加減圧手段は、前記しごき型ポンプとは別のしごき型ポンプから成ることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、圧力検出手段及びしごき型ポンプを含んだ範囲、且つ、しごき型ポンプの上流側又は下流側に位置する範囲で、液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、当該しごき型ポンプを回転駆動させ、圧力検出手段にて画成範囲の圧力を検出する判定工程を行わせる制御手段と、圧力検出手段にて検出された画成範囲の圧力に基づいて、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を判定する判定手段とを備えたので、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を正確且つ自動的に把握させることができる。
請求項2の発明によれば、判定工程は、しごき型ポンプを回転駆動させるものとされ、圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動前から回転駆動時までの画成範囲の圧力変化を検出する工程とされるとともに、判定手段は、当該圧力変化に基づいてしごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を判定するので、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を素早く判定して把握させることができる。
請求項3の発明によれば、判定工程は、しごき型ポンプを回転駆動させるものとされ、圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動前からの経過時間に対する画成範囲の圧力を絶対値として検出する工程とされるとともに、判定手段は、絶対値としての検出値に基づいてしごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を判定するので、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の程度を判定することができ、当該締切の良否をより正確且つ詳細に判定して把握させることができる。
請求項4の発明によれば、判定工程は、しごき型ポンプを回転駆動させた後、停止させるものとされ、圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動時から停止時までの経過時間に対する画成範囲の圧力変化を検出する工程とされるとともに、判定手段は、当該圧力変化に基づいてしごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を判定するので、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の程度を判定することができ、当該締切の良否をより正確且つ詳細に判定して把握させることができる。
請求項5の発明によれば、判定工程は、しごき型ポンプを回転駆動させた後、停止させるものとされ、圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの停止時からの経過時間に対する画成範囲の圧力を絶対値として検出する工程とされるとともに、判定手段は、絶対値としての検出値に基づいてしごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を判定するので、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を素早く、より正確かつ詳細に判定して把握させることができる。
請求項6の発明によれば、判定工程時、しごき型ポンプのロータを任意角度毎に分けて1回転分だけ回転駆動させ、当該任意角度毎に圧力検出手段にて圧力を検出させるので、ローラによる被しごきチューブに対するしごき箇所が複数ある場合であっても、それぞれのしごき箇所における締切の良否を判定させることができる。
請求項7の発明によれば、圧力検出手段は、しごき型ポンプに取り付けられるとともに、被しごきチューブの径方向の変位を検出する変位検出手段と、変位検出手段で検出された被しごきチューブの径方向の変位に基づいて、液体流路の圧力を算出し得る圧力算出手段とを具備したので、しごき型ポンプ以外の部位に圧力検出手段を別個新たに設ける必要がなく、取り扱いが容易である。
請求項8の発明によれば、圧力検出手段は、血液回路内の圧力を検出し得る圧力センサ、又は血液浄化手段に透析液を導入又は導出するための配管内の圧力を検出し得る圧力センサから成るので、血液浄化治療時に用いる圧力センサを流用してしごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を正確且つ自動的に把握させることができる。
請求項9の発明によれば、しごき型ポンプは、動脈側血液回路に配設された血液ポンプ、又は血液回路に接続された補液ラインに配設された補液ポンプから成るので、血液や補液の吐出量を一定に維持させることができ、血液浄化治療を効率よく且つ正確に行わせることができる。
請求項10の発明によれば、前記の液体の流路内を加圧又は減圧する加減圧手段と、加減圧手段、圧力検出手段及びしごき型ポンプを含んだ範囲、且つ、しごき型ポンプの上流側又は下流側に位置する範囲で、前記液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、加減圧手段によって前記の液体の流路内を加圧又は減圧し、圧力検出手段にて画成範囲の圧力を検出する判定工程を行わせる制御手段と、圧力検出手段にて検出された画成範囲の圧力に基づいて、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を判定する判定手段とを備えたので、加減圧手段による加圧又は減圧によって、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を正確且つ自動的に把握させることができる。
請求項11の発明によれば、加減圧手段は、前記しごき型ポンプとは別のしごき型ポンプから成るので、しごき型ポンプから成る加減圧手段による加圧又は減圧によって、前記のしごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を正確且つ自動的に把握させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る血液浄化装置を示す模式図 同血液浄化装置に適用される血液ポンプを示す斜視図 同血液ポンプを示す平面図 同血液ポンプに配設された圧力検出手段を示す断面模式図 同血液浄化装置における判定工程にて形成された画成範囲(第1画成範囲)を示す模式図 同血液浄化装置における判定工程にて形成された画成範囲(第2画成範囲)を示す模式図 同血液浄化装置における判定工程にて形成された画成範囲(第3画成範囲)を示す模式図 同判定工程における制御内容を示すフローチャート 同判定工程において圧力検出手段で検出された画成範囲の圧力(締切不良時)を示すグラフ 同判定工程において圧力検出手段で検出された画成範囲の圧力(締切正常時)を示すグラフ 同判定工程における他の制御内容を示すフローチャート 同判定工程において圧力検出手段で検出された画成範囲の圧力(締切不良時)を示すグラフ 同判定工程において圧力検出手段で検出された画成範囲の圧力(締切正常時)を示すグラフ 同判定工程における更に他の制御内容を示すフローチャート 同判定工程において圧力検出手段で検出された画成範囲の圧力(締切不良時)を示すグラフ 同判定工程において圧力検出手段で検出された画成範囲の圧力(締切正常時)を示すグラフ 血液ポンプの隙間寸法を種々変化させた実験において、圧力検出手段で検出された画成範囲の圧力変化を示すグラフ 血液ポンプの隙間寸法を種々変化させた実験において、隙間寸法と吐出量(平均流量)との関係を示すグラフ 血液ポンプの隙間寸法を種々変化させた実験のサンプルVにおける圧力変化を示すグラフ 血液ポンプの隙間寸法を種々変化させた実験のサンプルVIにおける圧力変化を示すグラフ 本発明の判定工程にて形成された他の画成範囲(第4画成範囲)を示す模式図 判定工程で形成され得る更に他の画成範囲(第5画成範囲)を示す模式図 判定工程で形成され得る更に他の画成範囲(第6画成範囲)を示す模式図 本発明の他の実施形態に係る血液ポンプを示す斜視図 同血液ポンプに配設された圧力検出手段を示す断面模式図
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させて血液浄化治療(例えば血液透析治療)を行わせるためのもので、図1に示すように、先端1aaに動脈側穿刺針(不図示)が接続可能で内部に液体の流路を備える動脈側血液回路1a、及び先端1baに静脈側穿刺針(不図示)が接続可能な静脈側血液回路1bを有し、患者の血液を体外循環させ得る血液回路1と、動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bの基端にそれぞれ接続され、当該血液回路1を流れる血液を浄化するダイアライザ2(血液浄化手段)と、動脈側血液回路1aに配設された血液ポンプ3(しごき型ポンプ)と、動脈側血液回路1aに接続された動脈側エアトラップチャンバ4と、静脈側血液回路1bに接続された静脈側エアトラップチャンバ5と、ダイアライザ2に透析液を導入する透析液導入ラインL1と、ダイアライザ2から排液を排出する透析液排出ラインL2と、圧力検出手段10と、制御手段11と、判定手段12とを有して構成されている。動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bの各々は、その内部に液体の流路を備えている。
動脈側血液回路1aは、その先端1aaにコネクタ(不図示)が接続されており、当該コネクタを介して動脈側穿刺針が接続可能とされるとともに、途中にしごき型の血液ポンプ3と、動脈側エアトラップチャンバ4が配設されている。動脈側血液回路1aの先端部及び静脈側血液回路1bの先端部には、流路を閉止し得るクランプ手段(例えば、電磁弁V8およびV9等)が配設されている。一方、静脈側血液回路1bは、その先端1baにコネクタ(不図示)が接続されており、当該コネクタを介して静脈側穿刺針が接続可能とされるとともに、途中に静脈側エアトラップチャンバ5が接続されている。
さらに、動脈側エアトラップチャンバ4及び静脈側エアトラップチャンバ5には、各チャンバの上部(空気層)の圧力を検出し得る圧力センサ(P1、P2)がそれぞれ取り付けられており、動脈側エアトラップチャンバ4の圧力センサP1にて動脈側血液回路1a及び静脈側エアトラップチャンバ5の圧力センサP2にて静脈側血液回路1bのそれぞれの部位の圧力(液圧)を検出し得るようになっている。
そして、動脈側血液回路1aの先端1aaに接続された動脈側穿刺針及び静脈側血液回路1bの先端1baに接続された静脈側穿刺針を患者に穿刺した状態で、血液ポンプ3を駆動(正回転駆動)させると、患者の血液は、動脈側エアトラップチャンバ4で除泡(気泡の除去)がなされつつ動脈側血液回路1aを通ってダイアライザ2に至り、該ダイアライザ2によって血液浄化が施された後、静脈側エアトラップチャンバ5で除泡(気泡の除去)がなされつつ静脈側血液回路1bを通って患者の体内に戻るようになっている。これにより、患者の血液を血液回路1の動脈側血液回路1aの先端1aaから静脈側血液回路1bの先端1baまで体外循環させつつダイアライザ2にて浄化し得るのである。
また、動脈側血液回路1aの途中には、被しごきチューブCが接続されており、かかる被しごきチューブCを血液ポンプ3に取り付けることが可能とされている。被しごきチューブCは、後で詳述する血液ポンプ3(しごき型ポンプ)のローラ15(しごき部)にて径方向に圧縮して流路を締切しつつ長手方向にしごかれて内部の液体をロータ14の回転方向に流動させ得るものであり、動脈側血液回路1を構成する他の可撓性チューブより軟質且つ大径の可撓性チューブから成る。
ダイアライザ2は、その筐体部に、血液導入口2a(血液導入ポート)、血液導出口2b(血液導出ポート)、透析液導入口2c(透析液流路入口:透析液導入ポート)及び透析液導出口2d(透析液流路出口:透析液導出ポート)が形成されており、このうち血液導入口2aには動脈側血液回路1aが、血液導出口2bには静脈側血液回路1bがそれぞれ接続されている。また、透析液導入口2c及び透析液導出口2dは、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2とそれぞれ接続されている。
ダイアライザ2内には、複数の中空糸膜(不図示)が収容されており、この中空糸が血液を浄化するための血液浄化膜を構成している。かかるダイアライザ2内には、血液浄化膜を介して患者の血液が流れる血液流路(血液導入口2aと血液導出口2bとの間の流路)及び透析液が流れる透析液流路(透析液導入口2cと透析液導出口2dとの間の流路)が形成されている。通常、中空糸の内側には血液が、外側には透析液が、それぞれ流れるようになっている。そして、血液浄化膜を構成する中空糸膜には、その外周面と内周面とを貫通した微小な孔(ポア)が多数形成されて中空糸膜を形成しており、該膜を介して血液中の不純物等が透析液内に透過し得るよう構成されている。
さらに、本実施形態に係る動脈側血液回路1aの先端部及び静脈側血液回路1bの先端部には、血液浄化治療中、動脈側血液回路1a又は静脈側血液回路1bを流れる血液中の気体(気泡)を検出し得る気泡検出器(D1、D2)が接続されている。かかる気泡検出器(D1、D2)は、例えば図示しない血液判別器及びクランプ手段(V8、V9)と共に所定のユニット内に取り付けられている。
気泡検出器(D1、D2)は、動脈側血液回路1a又は静脈側血液回路1bを構成する可撓性チューブを流れる気泡(エア)を検出可能なセンサから成り、例えば圧電素子から成る超音波振動素子と、圧電素子から成る超音波受信素子とを具備している。そして、動脈側血液回路1a又は静脈側血液回路1bを構成する可撓性チューブに向けて超音波振動素子から超音波を照射させ得るとともに、その振動を超音波受信素子にて受け得るようになっている。
この超音波受信素子は、その受信した振動に応じて電圧が変化するよう構成されており、検出される電圧が所定の閾値を超えたことにより気泡が流動したことを検出し得るよう構成されている。すなわち、血液や置換液に比べ気泡の方が超音波の減衰率が高いので、液体を透過した超音波を検出することで、検出された電圧が所定の閾値を超えたことにより、気泡(気体)が流動したことが検出されるのである。
一方、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2には、所定濃度に調製された透析液をダイアライザ2に送液しつつ、当該ダイアライザ2から透析液と共に老廃物等(排液)を排出させる複式ポンプ6が接続されている。すなわち、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2に跨って複式ポンプ6が配設されており、かかる複式ポンプ6を駆動させることにより、ダイアライザ2に対して透析液導入ラインL1にて透析液を導入及び透析液排出ラインL2にて排液を排出させ得るよう構成されているのである。
また、透析液導入ラインL1には、電磁弁V1、V3及び濾過フィルタF1、F2が接続されており、ダイアライザ2に導入する透析液を濾過フィルタF1、F2にて濾過し得るとともに、電磁弁V1、V3にて任意タイミングで流路を遮断又は開放可能とされている。なお、透析液導入ラインL1は、バイパスラインL4、L5にて透析液排出ラインL2と接続されており、これらバイパスラインL4、L5には、電磁弁V4、V5がそれぞれ接続されている。しかるに、図中符号Hは、ダイアライザ2又は血液回路1に供給される透析液を加温するための加温手段(ヒータ)を示している。
さらに、透析液排出ラインL2には、複式ポンプ6を迂回する迂回ラインL3、L6が接続されており、迂回ラインL6には電磁弁V6が接続されるとともに、迂回ラインL3には除水ポンプ7が接続されている。しかして、血液回路1にて患者の血液を体外循環させる過程で除水ポンプ7を駆動させることにより、ダイアライザ2を流れる血液から水分を取り除いて除水し得るようになっている。
また、透析液排出ラインL2における複式ポンプ6より上流側(図1中左側)には、当該複式ポンプ6における透析液排出ラインL2の液圧調整を行う加圧ポンプ8が接続されており、当該加圧ポンプ8と複式ポンプ6との間からは、脱ガスチャンバ9を介して開放ラインL7が延設されている。透析液排出ラインL2及びそこから分岐する開放ラインL7には、電磁弁V2、V7がそれぞれ接続されており、任意タイミングで透析液の流路を遮断又は開放可能とされている。
さらに、本実施形態においては、ダイアライザ2(血液浄化手段)に透析液を導入又は導出するための配管(透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2)内の圧力を検出し得る圧力センサ(P3、P4)が取り付けられており、血液浄化治療中において透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2を流れる透析液の液圧を検出し得るようになっている。
補充ラインL8は、一端が透析液導入ラインL1の所定部位(本実施形態においては、電磁弁V1と濾過フィルタF2との間)に形成された採取口P(サンプルポート)に接続されるとともに、他端が動脈側血液回路1a(圧力検出手段10の配設位置より先端1aa側)に接続され、当該透析液導入ラインL1の透析液を動脈側血液回路1aに供給し得る流路から成るものである。また、この補充ラインL8には、クランプ手段V10が接続されており、当該クランプ手段V10を開状態とすることにより、透析液導入ラインL1の透析液を血液回路1(動脈側血液回路1a)に供給し得るとともに、当該クランプ手段V10を閉状態とすることにより、流路を閉止し得るようになっている。
ところで、本実施形態に係る血液ポンプ3は、図2〜4に示すように、ステータ13と、当該ステータ13内で回転駆動可能なロータ14と、該ロータ14に形成されたローラ15(しごき部)と、上下一対のガイドピン16と、上流側把持手段17と、下流側把持手段18と、圧力検出手段を構成する荷重センサ10a(変位検出手段)及び算出手段10b(図4参照)とから主に構成されている。なお、同図においては、血液ポンプ3におけるステータ13の上部を覆うカバーについて省略してある。
ステータ13は、被しごきチューブCが取り付けられる取付凹部13aが形成されたので、当該取付凹部13aを形成する内周壁面に沿って被しごきチューブCが取り付けられるよう構成されている。取付凹部13aの略中央には、モータにより回転駆動可能なロータ14が配設されている。かかるロータ14の側面(取付凹部13aの内周壁面と対向する面)には、一対のローラ15と、ガイドピン16とが配設されている。
ローラ15は、ロータ14の外縁側に形成された回転軸Mを中心として回転可能とされたもので、取付凹部13aに取り付けられた被しごきチューブCを径方向に圧縮して流路を締切しつつ当該ロータ14の回転に伴い長手方向(血液の流動方向)にしごくことにより、動脈側血液回路1a内で血液等の液体を流動させ得るものである。すなわち、取付凹部13a内に被しごきチューブCを取り付けてロータ14を回転駆動させると、ローラ15と取付凹部13aの内周壁面との間で当該被しごきチューブCが圧縮されて流路が締め切られる(閉止される)とともに、ロータ14の回転駆動に伴ってその回転方向(長手方向)にしごき得るのである。かかるしごき作用により、動脈側血液回路1a内の血液がロータ14の回転方向に吐出されることとなるので、当該血液回路1内で体外循環させることが可能とされている。
ガイドピン16は、図2に示すように、ロータ14の上端側及び下端側から取付凹部13aの内周壁面に向かってそれぞれ突出形成された上下一対のピン状部材から成るものであり、これら上下一対のガイドピン16の間に被しごきチューブCが保持されることとなる。すなわち、ロータ14の駆動時、上下一対のガイドピン16により被しごきチューブCを正規の位置に保持させるとともに、上側のガイドピン16により取付凹部13aから被しごきチューブCが上方に離脱しないようになっているのである。
上流側把持手段17は、血液ポンプ3におけるステータ13の取付凹部13aに取り付けられた被しごきチューブCのうち上流側(動脈側血液回路1aの先端1aa側が接続される部位)を把持するためのもので、図2〜4に示すように、被しごきチューブCを径方向に押圧して把持し得る把持片19と、該把持片19を被しごきチューブC側に付勢するねじりバネ20(付勢手段)とを有する。
把持片19は、図4に示すように、揺動軸Laを中心に揺動可能な部品から成るもので、ねじりバネ20により把持方向に比較的強く付勢されており、被しごきチューブCの上流側の部位を押圧して固く挟持することにより固定可能とされたものである。ねじりバネ20は、同図に示すように、揺動軸Laに取り付けられて把持片19を付勢するとともに、ステータ13の固定部(本実施形態においては、ステータ13に取り付けられた荷重センサ10a)に位置する固定端20aと把持片19を押圧する押圧端20bとを有する。なお、ねじりバネ20に代えて把持片19を付勢する他の付勢手段としてもよい。
下流側把持手段18は、血液ポンプ3におけるステータ13の取付凹部13aに取り付けられた被しごきチューブCのうち下流側(動脈側血液回路1aの基端側(ダイアライザ2側)が接続される部位)を把持するためのもので、被しごきチューブCを径方向に押圧して把持し得る把持片21と、該把持片21を被しごきチューブC側に付勢するねじりバネ22とを有する。
把持片21は、上流側把持手段17の把持片19と同様、揺動軸Lbを中心に揺動可能な部品から成るもので、ねじりバネ22により把持方向に比較的強く付勢されており、被しごきチューブCの下流側の部位を押圧して固く挟持することにより固定可能とされたものである。ねじりバネ22は、上流側把持手段17のねじりバネ20と同様、揺動軸Lbに取り付けられて把持片21を付勢するとともに、ステータ13の固定部に位置する固定端と把持片21を押圧する押圧端とを有する。
変位検出手段としての荷重センサ10aは、被しごきチューブCにおける上流側把持手段17で把持された部位の径方向の変位を検出可能なもので、本実施形態においては、ねじりバネ20(付勢手段)の固定端20a側に付与される荷重を検出し、当該検出された荷重に基づいて被しごきチューブCの径方向の変位を検出するものとされている。この荷重センサ10aは、付与された荷重に応じた電気信号を発生し得るものである。
すなわち、治療時において動脈側血液回路1aの先端1aaには、動脈側穿刺針が取り付けられていることから、患者から血液を採取して動脈側血液回路1aにて流動させる際、当該動脈側血液回路1aの先端1aaと血液ポンプ3との間で陰圧が生じてしまう。かかる陰圧が生じると、被しごきチューブC内の液圧が低下し、当該被しごきチューブCにおける上流側把持手段17で把持された部位が径方向に変位する(径が小さくなる)ので、荷重センサ10aにより検出される荷重が低下することとなる。かかる荷重の低下を検出することにより、動脈側血液回路1aに陰圧が生じていることを検出することができるのである。
本実施形態に係る荷重センサ10a(変位検出手段)は、配線等が延設されて圧力算出手段10bと電気的に接続されている。かかる圧力算出手段10bは、例えば透析装置本体に配設されたマイコン等から成るもので、荷重センサ10a(変位検出手段)で検出された被しごきチューブCの径方向の変位に基づいて、動脈側血液回路1a(液体流路)の圧力を算出し得るよう構成されている。すなわち、荷重センサ10a及び圧力算出手段10bは、本発明の圧力検出手段を構成するもので、荷重センサ10aにて被しごきチューブCの径方向の変位が検出されると、その変位に応じた所定の電気信号が圧力算出手段10bに送信され、当該圧力算出手段10bにて動脈側血液回路1a(本実施形態においては、動脈側血液回路1aの先端1aaから荷重センサ10aが配設された部位までの間)における圧力(血液浄化治療時における脱血圧)が算出されるのである。
制御手段11は、血液浄化装置が具備する種々アクチュエータやセンサ等と電気的に接続されたマイコンから成るもので、例えば透析液導入ラインL1や透析液排出ラインL2等の透析液配管内を透析液で満たす液置換工程、血液回路1内とダイアライザ2内の血液流路とをプライミング液(生理食塩液又は透析液等)に置換して充填させるプライミング工程、ダイアライザ2内の透析液流路を透析液で満たすガスパージ工程、患者の血液を血液回路1内に取り出す脱血工程、血液回路1にて患者の血液を体外循環させつつダイアライザ2にて浄化する透析工程(血液浄化治療工程)、血液回路1内の血液を患者に戻す返血工程、血液回路1内の液体および/またはダイアライザ2内の液体を透析液排出ラインL2に排出する排液工程、透析装置の配管内を洗浄及び消毒する洗浄消毒工程、次回の液置換工程が行われるまで待機するプリセット工程の順に各工程が行われるよう制御可能とされている。
ここで、本実施形態に係る制御手段11は、圧力検出手段10及びしごき型ポンプ3を含んだ範囲で液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、当該しごき型ポンプ3を回転駆動させ、圧力検出手段10にて画成範囲の圧力を検出する判定工程を行わせるよう構成されている。例えば、判定工程は、血液浄化治療の前(血液ポンプ3に被しごきチューブCが取り付けられた後)に行われ、図5に示すように、クランプ手段V8及びクランプ手段V10を閉状態として流路を閉止することにより圧力検出手段10及び血液ポンプ3を含む範囲で画成範囲H1を形成した後、当該血液ポンプ3を駆動させ、圧力検出手段10にて画成範囲H1の圧力を検出する工程とされている。
また、本実施形態に係る判定工程においては、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を正回転駆動(血液浄化治療時と同様の流動方向であって、動脈側血液回路1の先端1aaからダイアライザ2に向かう方向の駆動)させているが、これに代えて逆回転駆動(血液浄化治療時と逆方向の流動方向であって、ダイアライザ2から動脈側血液回路1の先端1aaに向かう方向)させるものであってもよい。なお、逆回転駆動させた場合は、圧力検出手段10で検出される圧力変化が逆関係(陰圧と陽圧とが逆)となる。
また、画成範囲H1は、圧力検出手段10及びしごき型ポンプ3を含んだ範囲で液体の流路を閉止して形成される部位であれば足り、例えば図6に示すように、クランプ手段V8、電磁弁V1、V4、V5を閉状態として流路を閉止することにより形成された画成範囲H2、或いは図7に示すように、クランプ手段V8、電磁弁V1、V2、V6、V7を閉状態として流路を閉止することにより形成された画成範囲H3であってもよい。なお、画成範囲H2を形成した場合(図6参照)において、圧力検出手段10に代えて又は共に、圧力センサP3にて画成範囲H2の圧力を検出するものとしてもよく、画成範囲H3を形成した場合(図7参照)において、圧力検出手段10又は共に、圧力センサP3、P4にて画成範囲H3の圧力を検出するものとしてもよい。
判定手段12は、圧力検出手段10(或いは圧力センサP3、P4)にて検出された画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力に基づいて、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定するものである。すなわち、血液ポンプ3のステータ13に取り付けられた被しごきチューブCの径に対して、ステータ13における取付凹部13aの内周面とローラ15との間の隙間寸法が大きいと、ローラ15による流路の締切が不十分となって吐出量が低下しまうので、これを締切の不良として判定するのである。
より具体的には、本実施形態に係る判定工程は、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を回転駆動させるものとされ、圧力検出手段10にて当該血液ポンプ3の回転駆動前から回転駆動時までの画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力変化を検出する工程とされるとともに、判定手段12は、当該圧力変化に基づいて血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定するよう構成されている。
この判定工程における制御内容について、図8のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、制御手段11による制御によって、圧力検出手段10(或いは圧力センサP3、P4)及び血液ポンプ3を含んだ範囲で液体の流路を閉止して所定の画成範囲H1(又はH2、H3)を形成する(S1)。そして、圧力検出手段10により画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力を検出して検出値(Pphase0)を得た後(S2)、血液ポンプ3を駆動(本実施形態においては正回転駆動)させる(S3)。
しかして、血液ポンプ3を駆動を維持するとともに、圧力検出手段10により画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力を検出して検出値(Pphase1)を得た(S4)後、判定手段12によって、検出値(Pphase1)から検出値(Pphase0)を減算した値の絶対値が所定の閾値α以上か否かを判定する(S5)。すなわち、血液ポンプ3のローラ15による流路の締切が正常である場合、血液ポンプ3の駆動前後における圧力検出手段10による検出値(Pphase0及びPphase1)の差は、図10に示すように、所定の閾値α以上となるのに対し、血液ポンプ3のローラ15による流路の締切が不良である場合、血液ポンプ3の駆動前後における圧力検出手段10による検出値(Pphase0及びPphase1)の差は、図9に示すように、所定の閾値αより小さくなる(この場合、圧力変化がほとんどない)ので、この場合を締切不良として判定するのである。
また、他の実施形態に係る判定工程は、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を回転駆動させるものとされ、圧力検出手段10にて当該血液ポンプ3の回転駆動前からの経過時間に対する画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力を絶対値として検出する工程とされるとともに、判定手段12は、絶対値としての検出値に基づいて血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定することができる。
また、他の実施形態に係る判定工程は、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を回転駆動させた後、停止させるものとされ、圧力検出手段10にて当該血液ポンプ3の回転駆動時から停止時までの経過時間に対する画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力変化を検出する工程とされるとともに、判定手段12は、当該圧力変化に基づいて血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定するよう構成されている。
この判定工程における制御内容について、図11のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、制御手段11による制御によって、圧力検出手段10(或いは圧力センサP3、P4)及び血液ポンプ3を含んだ範囲で液体の流路を閉止して所定の画成範囲H1(又はH2、H3)を形成(S1)した後、血液ポンプ3を駆動(本実施形態においては正回転駆動)させる(S2)。そして、圧力検出手段10により画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力を検出して検出値(Pphase1)を得た後(S3)、血液ポンプ3を停止する(S4)。
しかして、血液ポンプ3の停止状態を維持するとともに、圧力検出手段10により画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力を検出して検出値(Pphase2)を得た(S5)後、判定手段12によって、所定時間t区間において、検出値(Pphase2)から検出値(Pphase1)を減算した値の絶対値が所定の閾値β以下か否かを判定する(S6)。すなわち、血液ポンプ3のローラ15による流路の締切が正常である場合、血液ポンプ3の停止前後における圧力検出手段10による検出値(Pphase1及びPphase2)の差は、図13に示すように、所定時間t区間において所定の閾値β以下(この場合、圧力変化がほとんどない)となるのに対し、血液ポンプ3のローラ15による流路の締切が不良である場合、血液ポンプ3の停止前後における圧力検出手段10による検出値(Pphase1及びPphase2)の差は、図12に示すように、所定時間t区間において所定の閾値βより大きくなるので、この場合を締切不良として判定するのである。
加えて、更に他の実施形態に係る判定工程は、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を回転駆動させた後、停止させるものとされ、圧力検出手段10にて当該血液ポンプ3の停止時からの経過時間に対する画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力を絶対値として検出する工程とされるとともに、判定手段12は、絶対値としての検出値に基づいて血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定するよう構成されている。
この判定工程における制御内容について、図14のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、制御手段11による制御によって、圧力検出手段10(或いは圧力センサP3、P4)及び血液ポンプ3を含んだ範囲で液体の流路を閉止して所定の画成範囲H1(又はH2、H3)を形成(S1)した後、血液ポンプ3を駆動(本実施形態においては正回転駆動)させる(S2)。そして、血液ポンプ3を停止(S3)した後、圧力検出手段10により画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力を検出して絶対値としての検出値(Pphase2)を得る(S4)。
しかして、判定手段12によって、所定時間t区間における検出値(Pphase2)が所定の閾値σ以上か否かを判定する(S5)。すなわち、血液ポンプ3のローラ15による流路の締切が正常である場合、血液ポンプ3の停止後における圧力検出手段10による検出値(Pphase2)は、図16に示すように、所定時間t区間において所定の閾値σ以下の値となるのに対し、血液ポンプ3のローラ15による流路の締切が不良である場合、血液ポンプ3の停止後における圧力検出手段10による検出値(Pphase2)は、図15に示すように、所定時間t区間において所定の閾値σより大きな値となるので、この場合を締切不良として判定するのである。
上記した3つの形態の如く、判定工程は、圧力検出手段10及び血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を含んだ範囲で液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、当該血液ポンプ3を回転駆動させ、圧力検出手段10にて画成範囲の圧力を検出する工程であれば足り、血液ポンプ3の回転駆動前から回転駆動時までの圧力変化に基づいて判定を行うもの、血液ポンプ3を回転駆動時から停止時までの圧力変化に基づいて判定を行うもの、又は血液ポンプ3の停止時からの絶対値としての圧力に基づいて判定を行うものの何れであってもよい。
さらに、判定工程時、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)のロータ14を任意角度(本実施形態においては120°)毎に分けて1回転分だけ回転駆動させ、当該任意角度毎に圧力検出手段10にて圧力を検出させるようにするのが好ましい。これにより、ローラ15による被しごきチューブCに対するしごき箇所が複数(本実施形態においては2カ所)ある場合であっても、それぞれのしごき箇所における締切の良否を判定させることができる。すなわち、ロータ14を120°毎回転して1回転させれば、必ずロータ15によるしごき箇所が1カ所の角度を有するので、一方のローラ15のみによる締切の良否を判定できるのである。
次に、本発明の技術的優位性を示す実験結果について説明する。
血液ポンプ3のローラ15の位置を調整してステータ13における取付凹部13aの内周面とローラ15との間の隙間寸法を種々変更してサンプルI〜Xを得るとともに、それぞれのサンプルI〜Xを駆動させた際の液体の吐出量(平均流量)について調べる実験を行ったところ、図18に示すような結果が得られた。この結果によると、サンプルI〜VIの隙間寸法に設定した場合、所定の閾値より高い吐出量を得ることができるため、締切が正常と判定されるとともに、サンプルVII〜Xの隙間寸法に設定した場合、所定の閾値より高い吐出量を得ることができず、締切不良と判定される。
一方、それぞれのサンプルI〜Xについて、図8のフローチャートで示す判定工程を行ったところ、図17に示すような圧力検出手段10による検出値の変化が見られた。すなわち、締切が正常と判定されるサンプルI〜VIは、血液ポンプ3の駆動前後における圧力検出手段10の検出値の変化量が大きく、締切が不良と判定されるサンプルVII〜Xは、血液ポンプ3の駆動前後における圧力検出手段10の検出値の変化量が極めて小さいのである。これにより、血液ポンプ3の駆動前後における圧力検出手段10の検出値の変化量が所定の閾値αより大きい場合、締切が正常と判定でき、当該検出値の変化量が所定の閾値αより小さい場合、締切が不良と判定できる。
さらに、サンプルV及びサンプルVIについて、図11のフローチャートで示す判定工程を行ったところ、図19、20に示すような圧力検出手段10による検出値の変化が見られた。すなわち、締切が正常と判定されるサンプルV及びサンプルVIであっても、血液ポンプ3の駆動停止後における圧力検出手段10の検出値の変化には相違が見られ、締切がサンプルVIに対して比較的良好であるサンプルVにおいては、血液ポンプ3の駆動停止後の圧力上昇(検出値の上昇)は緩やかであるのに対し、締切がサンプルVに対して比較的不良であるサンプルVIにおいては、血液ポンプ3の駆動停止後の圧力上昇(検出値の上昇)は急激とされる。これにより、血液ポンプ3の駆動停止後における圧力検出手段10の検出値の変化量が所定の閾値βより小さい場合、締切が正常と判定でき、当該検出値の変化量が所定の閾値βより大きい場合、締切が不良と判定できる。
上記実施形態によれば、圧力検出手段10(又は圧力センサP3、P4)及び血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を含んだ範囲で液体の流路を閉止して所定の画成範囲H1(又はH2、H3)を形成した後、当該血液ポンプ3を回転駆動させ、圧力検出手段10(又は圧力センサP3、P4)にて画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力を検出する判定工程を行わせる制御手段11と、圧力検出手段10(又は圧力センサP3、P4)にて検出された画成範囲H1(又はH2、H3)の圧力に基づいて、血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定する判定手段12とを備えたので、血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を正確且つ自動的に把握させることができる。
しかるに、判定工程で形成される画成範囲は、上記の如く血液ポンプ3(しごき型ポンプ)の上流側に位置する画成範囲H1〜H3に限定されるものではなく、血液ポンプ3の下流側に位置する範囲であってもよい。例えば、図21に示すように、電磁弁V1、V2及びクランプ手段V9を閉状態として流路を閉止することにより圧力検出手段(圧力センサP1、P2)及び血液ポンプ3を含む範囲で形成される画成範囲H4、図22に示すように、電磁弁V2、V4、V5及びクランプ手段V9を閉状態として流路を閉止することにより圧力検出手段(圧力センサP1、P2、P3)及び血液ポンプ3を含む範囲で形成される画成範囲H5、又は図23に示すように、電磁弁V6、V7及びクランプ手段V9を閉状態として流路を閉止することにより圧力検出手段(圧力センサP1、P2、P3、P4)及び血液ポンプ3を含む範囲で形成される画成範囲H6であってもよい。
なお、判定工程において画成範囲H4〜H6を形成する場合、血液ポンプ3を正回転駆動させることにより、当該画成判定H4〜H6において圧力検出手段(圧力センサP1〜P4)で検出される圧力は陽圧となるため、画成範囲H1〜H3を形成した場合に比べ、陰圧と陽圧との関係が逆になる。また、画成範囲H4〜H6を形成した場合であっても、画成範囲H1〜H3を形成した場合と同様、血液ポンプ3を逆回転駆動させるようにしてもよい。
さらに、本実施形態に係る判定工程(図8に示すフローチャートに基づく制御)は、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を回転駆動させるものとされ、圧力検出手段10(圧力センサP1〜P4)にて当該血液ポンプ3の回転駆動前から回転駆動時までの画成範囲(H1〜H6)の圧力変化を検出する工程とされるとともに、判定手段12は、当該圧力変化に基づいて血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定するので、血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を素早く判定して把握させることができる。
またさらに、本実施形態に係る判定工程(図11に示すフローチャートに基づく制御)は、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を回転駆動させた後、停止させるものとされ、圧力検出手段10(圧力センサP1〜P4)にて当該血液ポンプ3の回転駆動時から停止時までの経過時間に対する画成範囲(H1〜H6)の圧力変化を検出する工程とされるとともに、判定手段12は、当該圧力変化に基づいて血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定するので、血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の程度を判定することができ、当該締切の良否をより正確且つ詳細に判定して把握させることができる。
また、本実施形態に係る判定工程(図14に示すフローチャートに基づく制御)は、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)を回転駆動させた後、停止させるものとされ、圧力検出手段10(圧力センサP1〜P4)にて当該しごき型ポンプの停止時からの経過時間に対する画成範囲(H1〜H6)の圧力を絶対値として検出する工程とされるとともに、判定手段12は、絶対値としての検出値に基づいて血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を判定するので、血液ポンプ3のローラ15による被しごきチューブCの締切の良否を素早く、より正確かつ詳細に判定して把握させることができる。
さらに、本実施形態に係る圧力検出手段10は、血液ポンプ3(しごき型ポンプ)に取り付けられるとともに、被しごきチューブCの径方向の変位を検出する変位検出手段10aと、変位検出手段10aで検出された被しごきチューブCの径方向の変位に基づいて、液体流路の圧力を算出し得る圧力算出手段10bとを具備したので、血液ポンプ3等のしごき型ポンプ以外の部位に圧力検出手段を別個新たに設ける必要がなく、取り扱いが容易である。
またさらに、圧力検出手段は、血液回路1内の圧力を検出し得る圧力センサ(P1、P2)、ダイアライザ2(血液浄化手段)に透析液を導入又は導出するための配管内の圧力を検出し得る圧力センサ(P2、P3)から成るので、血液浄化治療時に用いる圧力センサを流用して血液ポンプ3等のしごき型ポンプのローラによる被しごきチューブCの締切の良否を正確且つ自動的に把握させることができる。
一方、本発明が適用されるしごき型ポンプは、上記の如く動脈側血液回路1aに配設された血液ポンプ3に限定されず、例えば血液回路1に接続された補液ラインに配設された補液ポンプであってもよい。しかして、しごき型ポンプは、動脈側血液回路1aに配設された血液ポンプ3、又は血液回路1に接続された補液ラインに配設された補液ポンプから成るので、血液や補液の吐出量を一定に維持させることができ、血液浄化治療を効率よく且つ正確に行わせることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば図24、25に示すように、ステータ13と、当該ステータ13内で回転駆動可能なロータ14と、該ロータ14に形成されたローラ15(しごき部)と、上下一対のガイドピン16と、上流側把持手段17’と、下流側把持手段18と、変位検出手段としての圧力トランスデューサ10a’とを有した血液ポンプ3’としてもよい。なお、血液ポンプ3’における先の実施形態と同様の構成部品には同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
上流側把持手段17’は、血液ポンプ3’におけるステータ13の取付凹部13aに取り付けられた被しごきチューブCのうち上流側(動脈側血液回路1の先端側が接続される部位)を把持するためのもので、図25に示すように、被しごきチューブCを径方向に押圧して把持し得る把持片19と、該把持片19を被しごきチューブC側に付勢するねじりバネ20(付勢手段)とを有する。
変位検出手段としての圧力トランスデューサ10a’は、被しごきチューブCにおける上流側把持手段17’で把持された部位の径方向の変位を検出可能なもので、本実施形態においては、被しごきチューブCを挟んで把持片19と対向した部位に配設され、当該把持片19にて押圧された被しごきチューブCの側面に付与される圧力を検出し、当該検出された圧力に基づいて被しごきチューブCの径方向の変位を検出するものとされている。
すなわち、患者から血液を採取して動脈側血液回路1にて流動させる際、当該動脈側血液回路1aの先端1aaと血液ポンプ3’との間で陰圧が生じると、被しごきチューブC内の液圧が低下し、当該被しごきチューブCにおける上流側把持手段17’で把持された部位が径方向に変位しようとする(径が小さくなろうとする)ので、圧力トランスデューサ10a’に対する接触面積が小さくなって、当該圧力トランスデューサ10a’により検出される圧力が低下することとなる。かかる圧力の低下を検出することにより、動脈側血液回路1aに陰圧が生じていることを検出することができるのである。
本実施形態に係る圧力トランスデューサ10a’(変位検出手段)は、第1の実施形態と同様、配線等が延設されて圧力算出手段10bと電気的に接続されている。かかる圧力算出手段10bは、例えば透析装置本体に配設されたマイコン等から成るもので、圧力トランスデューサ10a’(変位検出手段)で検出された被しごきチューブCの径方向の変位に基づいて、動脈側血液回路1a(液体流路)の圧力を算出し得るよう構成されている。すなわち、圧力トランスデューサ10a’(変位検出手段)及び圧力算出手段10bにより、本発明の圧力検出手段が構成されているのである。
そして、先の実施形態と同様、圧力検出手段としての圧力トランスデューサ10a’(変位検出手段)及び圧力算出手段10bによって、判定工程時に形成された画成範囲(H1〜H6)の圧力を検出し得るよう構成されている。このように、把持手段(上流側把持手段17’)は、被しごきチューブCを径方向に押圧して把持し得る把持片19と、該把持片19を被しごきチューブC側に付勢するねじりバネ20(付勢手段)とを有するとともに、変位検出手段は、被しごきチューブCを挟んで把持片19と対向した部位に配設され、当該把持片19にて押圧された被しごきチューブCの側面に付与される圧力を検出し、当該検出された圧力に基づいて被しごきチューブCの径方向の変位を検出するので、血液ポンプ3’における変位検出手段が被しごきチューブCに対する押圧力を受ける機能と、動脈側血液回路1aにおける血液ポンプ3より先端1aa側の流体流路の圧力を検出する機能とを兼ね備えることができる。
またさらに、上記の実施形態については、加減圧手段として、しごき型ポンプ3を用いる場合を代表例として説明しているが、当該加減圧手段は、画成範囲の液体の流路内を加圧又は減圧することができれば、しごき型ポンプ3に限定されない。例えば、動脈側エアトラップチャンバ4(若しくは静脈側エアトラップチャンバ5)に、同チャンバの液面レベルを調整するためのポンプを設けて、このポンプを加減圧手段として用いることができる。また、加減圧手段として、血液浄化装置が備える各種のポンプ(例えば、複式ポンプ6や除水ポンプ7等)を用いることができる。なお、上記実施形態に係る補充ラインL8に代えて、生理食塩液を収容した収容バッグに基端が接続されつつ先端が動脈側血液回路1aに接続された生理食塩液供給ラインを有するもの、又は透析液若しくは生理食塩液等を血液回路1に供給しないもの等であってもよい。またさらに、本発明の血液浄化装置は、動脈側血液回路及び静脈側血液回路に1本の穿刺針を接続するシングルニードル型の血液浄化装置であってもよい。
圧力検出手段及びしごき型ポンプを含んだ範囲、且つ、前記しごき型ポンプの上流側又は下流側に位置する範囲で、液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、当該しごき型ポンプを回転駆動させ、圧力検出手段にて画成範囲の圧力を検出する判定工程を行わせる制御手段と、圧力検出手段にて検出された画成範囲の圧力に基づいて、しごき型ポンプのローラによる被しごきチューブの締切の良否を判定する判定手段とを備えた血液浄化装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
1 血液回路(液体の流路)
1a 動脈側血液回路
1b 静脈側血液回路
2 ダイアライザ(血液浄化手段)
3、3’ 血液ポンプ(しごき型ポンプ)
4 動脈側エアトラップチャンバ
5 静脈側エアトラップチャンバ
6 複式ポンプ
7 除水ポンプ
8 加圧ポンプ
9 脱ガスチャンバ
10 圧力検出手段
11 制御手段
12 判定手段
13 ステータ
14 ロータ
15 ローラ(しごき部)
16 ガイドピン
17、17’ 上流側把持手段
18 下流側把持手段
19 把持片
20 ねじりバネ(付勢手段)
21 把持片
22 ねじりバネ
C 被しごきチューブ
P1〜P4 圧力センサ(圧力検出手段)
H1〜H6 画成範囲

Claims (11)

  1. 先端に穿刺針が接続可能で内部に液体の流路を備える動脈側血液回路及び静脈側血液回路を有し、患者の血液を体外循環させ得る血液回路と、
    前記動脈側血液回路及び静脈側血液回路の基端にそれぞれ接続され、前記血液回路にて体外循環する血液を浄化する血液浄化手段と、
    前記の液体の流路に接続された被しごきチューブを径方向に圧縮して流路を締切しつつ長手方向にしごくことにより内部の液体を流動させ得るローラを有したしごき型ポンプと、
    前記液体の流路内の圧力を検出するための圧力検出手段と、
    を具備した血液浄化装置において、
    前記圧力検出手段及びしごき型ポンプを含んだ範囲、且つ、前記しごき型ポンプの上流側又は下流側に位置する範囲で、前記液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、当該しごき型ポンプを回転駆動させ、前記圧力検出手段にて前記画成範囲の圧力を検出する判定工程を行わせる制御手段と、
    前記圧力検出手段にて検出された前記画成範囲の圧力に基づいて、前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記判定工程は、前記しごき型ポンプを回転駆動させるものとされ、前記圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動前から回転駆動時までの前記画成範囲の圧力変化を検出する工程とされるとともに、前記判定手段は、当該圧力変化に基づいて前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定することを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  3. 前記判定工程は、前記しごき型ポンプを回転駆動させるものとされ、前記圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動前からの経過時間に対する前記画成範囲の圧力を絶対値として検出する工程とされるとともに、前記判定手段は、絶対値としての検出値に基づいて前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定することを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  4. 前記判定工程は、前記しごき型ポンプを回転駆動させた後、停止させるものとされ、前記圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの回転駆動時から停止時までの経過時間に対する前記画成範囲の圧力変化を検出する工程とされるとともに、前記判定手段は、当該圧力変化に基づいて前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定することを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  5. 前記判定工程は、前記しごき型ポンプを回転駆動させた後、停止させるものとされ、前記圧力検出手段にて当該しごき型ポンプの停止時からの経過時間に対する前記画成範囲の圧力を絶対値として検出する工程とされるとともに、前記判定手段は、絶対値としての検出値に基づいて前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定することを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  6. 前記判定工程時、前記しごき型ポンプのロータを任意角度毎に分けて1回転分だけ回転駆動させ、当該任意角度毎に前記圧力検出手段にて圧力を検出させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  7. 前記圧力検出手段は、前記しごき型ポンプに取り付けられるとともに、
    前記被しごきチューブの径方向の変位を検出する変位検出手段と、
    該変位検出手段で検出された前記被しごきチューブの径方向の変位に基づいて、前記液体流路の圧力を算出し得る圧力算出手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  8. 前記圧力検出手段は、前記血液回路内の圧力を検出し得る圧力センサ、又は前記血液浄化手段に透析液を導入又は導出するための配管内の圧力を検出し得る圧力センサから成ることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  9. 前記しごき型ポンプは、前記動脈側血液回路に配設された血液ポンプ、又は前記血液回路に接続された補液ラインに配設された補液ポンプから成ることを特徴とする請求項1〜8の何れか1つに記載の血液浄化装置。
  10. 先端に穿刺針が接続可能で内部に液体の流路を備える動脈側血液回路及び静脈側血液回路を有し、患者の血液を体外循環させ得る血液回路と、
    前記動脈側血液回路及び静脈側血液回路の基端にそれぞれ接続され、前記血液回路にて体外循環する血液を浄化する血液浄化手段と、
    前記の液体の流路に接続された被しごきチューブを径方向に圧縮して流路を締切しつつ長手方向にしごくことにより内部の液体を流動させ得るローラを有したしごき型ポンプと、
    前記液体の流路内の圧力を検出するための圧力検出手段と、
    を具備した血液浄化装置において、
    前記の液体の流路内を加圧又は減圧する加減圧手段と、
    前記加減圧手段、圧力検出手段及びしごき型ポンプを含んだ範囲、且つ、前記しごき型ポンプの上流側又は下流側に位置する範囲で、前記液体の流路を閉止して所定の画成範囲を形成した後、前記加減圧手段によって前記の液体の流路内を加圧又は減圧し、前記圧力検出手段にて前記画成範囲の圧力を検出する判定工程を行わせる制御手段と、
    前記圧力検出手段にて検出された前記画成範囲の圧力に基づいて、前記しごき型ポンプのローラによる前記被しごきチューブの締切の良否を判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする血液浄化装置。
  11. 前記加減圧手段は、前記しごき型ポンプとは別のしごき型ポンプから成ることを特徴とする請求項10記載の血液浄化装置。
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