JP6591066B2 - 鉄道車両用空気調和管理システム - Google Patents

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Description

この発明は、列車の鉄道車両内の空間を空気調和する鉄道車両用空気調和管理システムに関するものである。特に、鉄道車両用空気調和装置の状態の管理に関するものである。
たとえば、各鉄道車両には、鉄道車両内の空間を空気調和する鉄道車両用空気調和装置が設置されている。鉄道車両用空気調和装置の状態を管理するため、運行時における基準温度設定値、実際の鉄道車両内の温度などを機器モニタリングデータとして記憶しておく。そして、車両所などに入庫した際、機器モニタリングデータを取得し、データ解析を行って、測定温度と基準温度との差分が、許容範囲を超えた回数である閾値超過回数を出力して故障などの判断支援を行う機器モニタリングデータ解析システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2009−018770号公報
特許文献1のシステムでは、同じ鉄道車両の鉄道車両用空気調和装置における機器モニタリングデータに基づいて解析処理を行っている。このため、参照できるデータ数が少なく、異常などの判定を行う精度の向上には限界があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、より多くのデータに基づいて鉄道用空気調和装置を管理することができる鉄道車両用空気調和管理システム得ることを目的とする。
この発明に係る鉄道車両用空気調和管理システムは、鉄道車両に設置され、圧縮機、熱源側熱交換器、減圧装置および負荷側熱交換器を少なくとも有して冷媒回路が構成され、冷媒回路において冷媒の循環が行われて鉄道車両内を空気調和する鉄道車両用空気調和装置と、複数の鉄道車両における鉄道車両用空気調和装置の運転状態を示すデータを含む車両空調データが記録される管理記憶装置を有する管理装置とを備え、鉄道車両用空気調和装置は、あらかじめ定められたパターンで運転する特殊運転を、鉄道車両内が無人状態において行い、管理装置は、特殊運転における運転状態を示すデータを含む車両空調データを、管理記憶装置に記録させるものである。
この発明によれば、多くの鉄道車両から収集した車両空調データを管理記憶装置に記録しておくことができるようにしたので、環境条件、運転条件などが類似する車両空調データを多く記録することができる。特に乗客のいない状態で特殊運転によって得られた車両空調データを記録することで、異常状態の判定などに参照できるデータ数を増やすことができる。
この発明の実施の形態1に係る鉄道車両用空気調和管理システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る鉄道車両用空気調和装置50の空気調和に係る機器の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1における参照用の車両空調データの決定に係る鉄道車両1について説明する図である。 この発明の実施の形態1における別の参照用の車両空調データの決定に係る鉄道車両1について説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る管理装置100の管理制御装置120の異常状態判定部121が行う異常状態判定処理に係る車両空調データについて説明する図である。 この発明の実施の形態3に係る圧縮機11の駆動周波数を変化させた場合の各種パラメータの状態の一例を示す概略図である。 図1および図2の鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作している場合で、負荷側ファン16の回転数を変化させたときの各種パラメータの状態の一例を示す概略図である。 図1および図2の鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合で、負荷側ファン16の回転数を変化させたときの各種パラメータの状態の第1の例を示す概略図である。 図1および図2の鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合で、負荷側ファン16の回転数を変化させたときの各種パラメータの状態の第2の例を示す概略図である。 図1および図2の鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合で、負荷側ファン16の回転数を変化させたときの各種パラメータの状態の第3の例を示す概略図である。 この発明の実施の形態4に係る鉄道車両用空気調和装置50の稼働率について説明する図である。 この発明の実施の形態4に係る鉄道車両用空気調和装置50の応急運転における各冷媒回路10の稼働率の一例について説明する図である。 この発明の実施の形態5に係る鉄道車両用空気調和装置50の応急運転における稼働率の一例について説明する図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。ここで、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、明細書全文に示されている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適宜、適用することができる。そして、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低が定まっているものではなく、システム、装置などにおける状態、動作などにおいて相対的に定まるものとする。また、添字で区別などしている複数の同種の機器などについて、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字などを省略して記載する場合がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る鉄道車両用空気調和管理システムの構成を示す図である。図1において、複数の鉄道車両1は、それぞれ鉄道車両用空気調和装置50を有している。鉄道車両用空気調和装置50は、鉄道車両1内の冷房、暖房などを行う装置である。鉄道車両用空気調和装置50は、鉄道車両1の屋根に設置される屋根置き型および床下に設置される床下型のいずれの形式の装置でもよい。
実施の形態1における各鉄道車両用空気調和装置50は、空気調和を行うための装置として、冷媒回路10などを有している。また、制御系の装置として、車両空調用制御装置20、車両空調用記憶装置30および車両空調用通信装置40を有している。
車両空調用制御装置20は、鉄道車両内が所定の車内設定温度になるように、空気調和に係る機器の動作を制御する。また、実施の形態1において、車両空調用制御装置20は、管理装置100が鉄道車両用空気調和装置50の管理を行うためのデータとなる車両空調データを車両空調用記憶装置30に記録させる。ここで、車両空調データとは、たとえば、号車番号、車両編成、製造年式などの鉄道車両1に係るデータを含む。また、たとえば、後述する圧縮機11の駆動周波数、吐出温度などの空気調和に係る機器に行う指示、鉄道車両用空気調和装置50に設置された各種センサによって検出された温度、圧力などの物理量の値、検出日時、たとえば始発からの営業距離などによる検出位置、修理(メンテナンス)後の積算運転時間などの鉄道車両用空気調和装置50の運転状態を示すデータを含む。ただし、これらのデータをすべて車両空調データに含めるものではなく、必要に応じて取捨選択することができる。空気調和に係る機器の構成については後述する。
車両空調用記憶装置30は、車両空調用制御装置20が処理を行うために必要なデータを記憶する。実施の形態1では、特に、車両空調用通信装置40が管理装置100に送る車両空調データを記録する記録装置となる。車両空調用通信装置40は、車両空調用制御装置20と管理装置100との間における信号通信のインターフェースとなる。たとえば、実施の形態1では、車両空調用制御装置20が処理し、車両空調用記憶装置30に記録された車両空調データを信号に含めて管理装置100に送る。また、管理装置100から送られた信号に含まれるデータを車両空調用制御装置20に送る。
一方、管理装置100は、複数の鉄道車両1における車両データに基づいて、複数の鉄道車両1の管理を行う。図1において記載されている鉄道車両1は2台であるが、実際には、多くの鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50との間で通信接続および管理を行うことができる。実施の形態1では、特に各鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に係るデータ管理などを行う。管理装置100は、たとえば鉄道車両基地などに設置されている。管理装置100は、管理通信装置110、管理制御装置120、管理演算装置130、管理記憶装置140および管理表示装置150を備えている。
管理通信装置110は、鉄道車両用空気調和装置50の車両空調用制御装置20と管理制御装置120との間における信号通信のインターフェースとなる。たとえば、実施の形態1では、鉄道車両用空気調和装置50から送られた信号に含まれる車両空調データを抽出し、管理制御装置120に送る。また、管理制御装置120からのデータを信号に含めて鉄道車両用空気調和装置50に送る。
管理制御装置120は、複数の鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50から送られる車両空調データを管理記憶装置140に記録させる。また、管理制御装置120は、異常状態判定部121を有しており、鉄道車両用空気調和装置50に、異常発生または異常の兆候が現れて異常発生が予測される状態(以下、異常状態という)であるかどうかを判定処理する。実施の形態1では、管理制御装置120が、異常状態判定部121を有しているが、異常状態判定装置として独立した構成であってもよい。管理演算装置130は、たとえば、車両空調データに基づく判定基準値を算出するなど、管理制御装置120が処理を行うために必要なデータの演算処理を行う。
管理記憶装置140は、管理制御装置120および管理演算装置130の処理に係るデータを記憶する装置である。特に、実施の形態1の管理記憶装置140は、車両空調データ記録部141を有している。車両空調データ記録部141は、車両空調データを記録するデータベースとなる。管理表示装置150は、たとえば、管理制御装置120が行った処理結果の表示などを行う。
ここで、本実施の形態における管理装置100の管理制御装置120、管理演算装置130などを、たとえば、それぞれ異なるハードウェアで装置を構成することができる。また、CPU(Central Prosessing Unit)を有する演算制御手段(コンピュータ)をハードウェアとし、制御、演算などの処理手順をあらかじめプログラム化し、ソフトウェア、ファームウェアなどとして、装置を構成することもできる。演算制御手段がプログラムを実行して処理を行い、管理制御装置120、管理演算装置130などが行う処理を実現する。これらのプログラムのデータは、たとえば、管理記憶装置140に記憶するようにしてもよい。
図2は、この発明の実施の形態1に係る鉄道車両用空気調和装置50の空気調和に係る機器の構成を示す図である。実施の形態1における鉄道車両用空気調和装置50は、2系統の冷媒回路10Aおよび冷媒回路10Bを有している。冷媒回路10Aは、圧縮機11A、切替装置17A、熱源側熱交換器12A、減圧装置13Aおよび負荷側熱交換器14Aが冷媒配管で接続され、冷媒の循環が行われるように構成されている。また、冷媒回路10Bは、圧縮機11B、切替装置17B、熱源側熱交換器12B、減圧装置13Bおよび負荷側熱交換器14Bが冷媒配管で接続され、冷媒の循環が行われるように構成されている。実施の形態1の鉄道車両用空気調和装置50は2系統の冷媒回路10を有しているが、冷媒回路10の系統数は限定するものではない。
たとえば、鉄道車両用空気調和装置50では、電力の供給切替などの関係で、建物などに設置される空気調和装置よりも、圧縮機11の発停(駆動または駆動停止)が頻繁に繰り返される。このため、冷媒回路10を構成する機器にかかる負担が大きい。そこで、機器の寿命を考慮して複数系統の冷媒回路10を有している。そして、各冷媒回路の運転時間が均一になるように運転を行い、負担の軽減などをはかる。
冷媒回路10を循環する冷媒は、たとえば、非共沸混合冷媒や擬似共沸混合冷媒、単一冷媒などを使用するとよい。非共沸混合冷媒には、たとえば、HFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒であるR407C(R32、R125、R134a)などがある。擬似共沸混合冷媒には、たとえば、HFC冷媒であるR410A(R32、R125)、R404A(R125、R143a、R134a)などがある。また、単一冷媒には、たとえば、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)冷媒であるR22、HFC冷媒であるR134aなどがある。
圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して高温および高圧の状態にして吐出する。本実施の形態の圧縮機11は、たとえば、インバータ回路などにより駆動回転数を制御し、冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機である。また、切替装置17は、たとえば、四方弁などで構成される装置である。切替装置17は、冷房運転時と暖房運転時とにおいて冷媒の流れが切り替わる。
熱源側熱交換器12は、冷媒と空気(鉄道車両外の空気)との熱交換を行う。たとえば、暖房運転時においては蒸発器として機能し、減圧装置13を介して流入した低圧の冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させ、気化させる。また、冷房運転時においては凝縮器(ガスクーラを含む。以下同じ)として機能し、切替装置17側から流入した圧縮機11において圧縮された冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒に放熱させる。ここでは、放熱により冷媒を凝縮して液化させる。
減圧装置13は、冷媒を減圧して膨張させる。減圧装置13は、たとえば、毛細管(キャピラリチューブ)、電子式膨張弁などの流量制御手段、感温筒を有する膨張弁などの冷媒流量調節手段などで構成する。負荷側熱交換器14は、冷媒と車内の空気との熱交換を行う。たとえば、暖房運転時においては凝縮器として機能し、圧縮機11からの冷媒を凝縮などさせ、空気を加熱する。一方、冷房運転時においては蒸発器として機能し、減圧装置13により低圧状態にされた冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させて気化させ、空気を冷却する。
そして、冷媒回路10A側の熱源側熱交換器12Aには、熱源側ファン15Aが設置されている。冷媒回路10B側の熱源側熱交換器12Bには、熱源側ファン15Bが設置されている。熱源側ファン15においては、ファンモータ15aが駆動されることでファンが回転し、熱源側熱交換器12に車外の空気を通過させる。また、負荷側ファン16においては、ファンモータ16aが駆動されることでファンが回転し、負荷側熱交換器14に鉄道車両内の空気を通過させ、空気調和された空気を鉄道車両内に送る。実施の形態1の負荷側ファン16は、複数系統の冷媒回路10に共通して設置される。
また、熱源側熱交換器12と熱源側ファン15との間には、熱源側ファン15によって熱源側熱交換器12に供給される流体に含まれる異物などを除去するための熱源側フィルタ18が設けられている。負荷側熱交換器14と負荷側ファン16との間には、負荷側ファン16によって負荷側熱交換器14に供給される流体に含まれる異物などを除去するための負荷側フィルタ19が設けられている。
また、冷媒回路10には、圧力センサ21および温度センサ22が設置されている。圧力センサ21は、圧縮機11の吸入側に設置され、圧縮機11に吸入される冷媒の圧力である吸入圧力を検出し、検出した値を含む信号を車両空調用制御装置20に送る。また、温度センサ22は、たとえば、負荷側熱交換器14が蒸発器として機能する際の冷媒流出側に設置されて温度を検出し、検出した値を含む信号を車両空調用制御装置20に送る。
次に、鉄道車両用空気調和装置50の冷房運転および暖房運転における、冷媒回路10の各構成機器における動作などを、冷媒回路10を循環する冷媒の流れに基づいて説明する。まず、冷房運転について説明する。圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は切替装置17を介して熱源側熱交換器12へ流入する。熱源側熱交換器12は、熱源側ファン15により供給される車外の空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮液化させる。凝縮液化した冷媒は減圧装置13を通過する。減圧装置13は、通過する凝縮液化した冷媒を減圧する。減圧した冷媒は負荷側熱交換器14に流入する。負荷側熱交換器14は、負荷側ファン16により供給される車内の空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を蒸発ガス化させる。そして、切替装置17を再度通過した蒸発ガス化した冷媒を圧縮機11が吸入する。
次に、暖房運転について説明する。圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は切替装置17を介して負荷側熱交換器14へ流入する。負荷側熱交換器14は、負荷側ファン16により供給される車内の空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮液化させる。凝縮液化した冷媒は減圧装置13を通過する。減圧装置13は、通過する凝縮液化した冷媒を減圧する。減圧した冷媒は熱源側熱交換器12に流入する。熱源側ファン15により供給される車外の空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を蒸発ガス化させる。そして、切替装置17を再度通過した蒸発ガス化した冷媒を圧縮機11が吸入する。
次に、車両空調データにおける運転状態を示すデータの取得について説明する。車両空調用制御装置20は、たとえば、列車の営業運行開始前などのように乗客がいない無人状態において、鉄道車両用空気調和装置50に特殊運転を行わせる。特殊運転において得られた車両空調データを車両空調用記憶装置30に記録させる。特殊運転とは、たとえば、圧縮機11を、30Hzと70Hzとの2段階の駆動周波数で駆動させるなど、圧縮機11の駆動周波数、熱源側ファン15のファン回転数、負荷側ファン16のファン回転数などを、あらかじめ定められたパターンで駆動して、冷媒回路10が行う運転である。鉄道車両1内の設定温度、あらかじめ定められたパターンで駆動する機器以外の機器の動作状態などを固定して、特殊運転を行うことで、異常状態の判定、異常状態の機器の特定などを行うことができる。ここで、車庫などに停車中のように、移動による風などの、外乱の影響を受けない状態で特殊運転を行わせるようにすれば、なおよい。
たとえば、列車が営業運行しているときは、階段付近に近い鉄道車両1に乗客が多いなど、鉄道車両1内における乗客の乗車率が異なるため、各鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50における空調負荷が異なる。特殊運転は、乗客がいないときに行うので、各鉄道車両1の乗車率は0で同じである。そして、同じ車両編成における複数の鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50について、同じ環境条件、同時間での運転などの下、同じ運転条件で運転した車両空調データを記録することができる。このため、たとえば、判定対象となる鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に異常状態判定処理を行うにあたり、比較、閾値の算出などを行うために参照するデータ数を増やすことができる。
ここで、たとえば、特殊運転を指示するスイッチなどを運転席などに設置し、車両空調用制御装置20に特殊運転を指示できるようにしてもよい。そして、人間の指示により特殊運転が行われ、車両空調データが記録される。また、たとえば、毎定時に鉄道車両用空気調和装置50の特殊運転が自動的に行われて車両空調データが記録されるようにしてもよい。
また、特殊運転における車両空調データだけでなく、列車が営業運行しているときの通常運転における鉄道車両1の車両空調データを記録するようにしてもよい。
次に、管理装置100における車両空調データの管理について説明する。管理装置100は、各鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50における車両空調データを管理記憶装置140の車両空調データ記録部141に記録し、管理する。複数の鉄道車両1は、運行時間、運行距離などが異なる様々な環境条件の下で運行されている。したがって、管理装置100には、様々な環境条件および運転条件で得られた多様な車両空調データが、いわゆるビッグデータとして収集され、記録されることになる。
そして、管理制御装置120は、たとえば、対象とする、ある鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に対して、異常状態判定処理などを行うにあたり、参照用の車両空調データを利用する。このとき、管理制御装置120は、管理記憶装置140の車両空調データ記録部141に記録された車両空調データの中から、類似(同一も含む)する環境条件、運転条件などの条件の下で運転して得られた車両空調データを検索し、参照用の車両空調データとして決定する。ここで、参照用の車両空調データをあらかじめグループ化して記録しておいて、処理を行う際に利用するようにしてもよい。
図3は、この発明の実施の形態1における参照用の車両空調データの決定に係る鉄道車両1について説明する図である。たとえば、前述した特殊運転、営業運転などにおいて、同じ環境条件、同時間の運転など、同じ運転条件で運転した、同じ車両編成における複数の鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に係る車両空調データを、参照用の車両空調データとして決定する。
図4は、この発明の実施の形態1における別の参照用の車両空調データの決定に係る鉄道車両1について説明する図である。たとえば、鉄道車両1が営業運行しているときの通常の運転における車両空調データから参照用の車両空調データを決定する場合もある。この場合、同一路線において、発車時刻が異なる別車両編成における同じ号車番号の鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に係る車両空調データを決定する。たとえば、駅の階段付近に停車する鉄道車両1とそうでない鉄道車両1とでは乗車率が異なる。そこで、乗車率が類似している発車時刻が異なる別の車両編成における同じ号車番号の鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に係る車両空調データを、参照用の車両空調データとして決定する。
他にも、たとえば、参照用として利用できる車両空調データを厳選するために、異常状態判定処理の対象となる鉄道車両1と、製造年式が所定の範囲内で同じ(たとえば前後1年)鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に係る車両空調データを、参照用の車両空調データとして決定するようにしてもよい。また、異常状態を判定する対象となる、ある鉄道車両1と、修理(メンテナンス)後の連続運転時間が所定範囲内で同じ鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に係る車両空調データを、参照用の車両空調データとして決定するようにしてもよい。参照用の車両空調データの決定については、前述したこれらの方法に特に限定するものではない。
以上のように、実施の形態1の鉄道車両用空気調和管理システムによれば、多くの鉄道車両1から収集した車両空調データを車両空調データ記録部141に記録しておくようにしたので、環境条件、運転条件などの条件が類似する車両空調データを多く記録することができる。したがって、たとえば、管理制御装置120が異常状態判定処理などを行う際に参照する車両空調データを増やすことができる。このため、異常状態判定などの精度を向上させることができる。
そして、たとえば、乗客がいない状態で、鉄道車両用空気調和装置50に特殊運転を行わせるなどして、同じ環境条件、時間などにおいて、同じ運転条件で運転することで、同じ車両編成における複数の鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に係る車両空調データを、参照用の車両空調データに利用することができる。
また、鉄道車両1が営業運行しているときの通常の運転における車両空調データについて、同一路線において、発車時刻が異なる別車両編成における同じ号車番号の鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に係る車両空調データを利用することで、乗車率が類似した車両空調データを利用することができる。
実施の形態2.
前述した実施の形態1では、管理装置100において、管理制御装置120が、複数の鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50における車両空調データを、管理記憶装置140に記録させる処理について説明した。ここでは、複数の鉄道車両1における車両空調データを用いた異常状態判定処理について説明する。特に、実施の形態2では、圧縮機11を起動させたときの冷媒回路10の圧力、温度などの変化に基づいて異常状態判定処理を行う。
鉄道車両用空気調和装置50は、電力の供給切替などの関係で、建物などに設置される空気調和装置よりも、圧縮機11の駆動または駆動停止(以下、発停という)が多く繰り返される。ここで、たとえば、圧縮機11の起動時などにおいて、蒸発器において冷媒が蒸発されず、蒸発器の冷媒流出側における冷媒の過熱度が低いと、液冷媒または気液二相冷媒が圧縮機11に吸入されて戻る液バックが発生する。液バックが発生すると、圧縮機11内において、密度が高い液冷媒を圧縮しようとして圧縮機11が破損する場合がある。そこで、たとえば、液バックに係る異常状態を判定するために、圧縮機11を起動させたときの冷媒回路10の圧力、温度などの変化に基づいて異常状態判定処理を行う。
図5は、この発明の実施の形態2に係る管理装置100の管理制御装置120の異常状態判定部121が行う異常状態判定処理に係る車両空調データについて説明する図である。図5では、圧縮機11を起動させたときの駆動周波数の時間変化および対応する吐出温度の時間変化との関係を示している。ここでは、圧縮機11を起動させてから約3分間の駆動周波数および吐出温度の変化を示している。
たとえば、図5(a)に示すような圧縮機11の駆動周波数の変化に対して、鉄道車両用空気調和装置50内の冷媒回路10が正常に運転したときには、吐出温度は、図5(b)に示すように変化する。しかし、液バックが発生すると、図5(c)に示すように、吐出温度が安定するまでの時間が遅れる、または、図5(d)に示すように、吐出温度が上がらなくなる。したがって、圧縮機11を起動させたときに、圧縮機11の吐出温度が所定時間に所定温度に達しなければ、異常状態であると判定することができる。
異常状態判定部121が判定を行うにあたっては、判定基準として用いる閾値となる判定用設定時間および判定用設定温度があらかじめ決定されている。異常状態判定部121は、圧縮機11が起動されてから判定用設定時間が経過したときに、圧縮機11の吐出温度が判定用設定温度より低いと判定すると、異常状態であると判定する。
異常状態判定処理の基準となる判定用設定時間、判定用設定温度などの閾値の決定については、たとえば、実施の形態1において説明したように、決定した参照用の車両空調データに基づいて、管理演算装置130が、平均値を算出し、得られた平均値を閾値とする。ただし、この決定手順に限定するものではない。
ここで、管理装置100の異常状態判定部121において、異常状態判定処理を行うようにした。しかしながら、たとえば、管理装置100が、決定した各鉄道車両1の鉄道車両用空気調和装置50に対応した判定用設定時間および判定用設定温度のデータを、それぞれの鉄道車両用空気調和装置50の車両空調用記憶装置30に記憶させておき、車両空調用制御装置20が、異常状態判定処理を行うようにしてもよい。
以上のように、実施の形態2の鉄道車両用空気調和管理システムによれば、多くの鉄道車両1から得られた車両空調データに基づいて決定した判定基準によって、異常判定処理を行うようにしたので、より多くのデータに基づいて精度の高い異常判定処理を行うことができる。
また、圧縮機11の起動後に検出した圧力、温度などのデータに基づいて、異常判定処理を行うようにすることで、鉄道車両用空気調和装置50の多くの異常を判定することができる。そして、圧縮機11の起動後における吐出温度から異常判定処理を行うようにしたので、鉄道車両用空気調和装置50に多い液バックの判定を行うことができる。
実施の形態3.
前述した実施の形態2においては、圧縮機11への液バックに係る異常状態の判定について説明した。鉄道車両用空気調和装置50は、機器などの異常状態を判定するための特殊運転を行うことができる。特殊運転では、たとえば、冷房運転または暖房運転を行い、室内空気に対する設定温度を固定した状態とする。そして、車両空調用制御装置20によって制御される機器の運転状態を、第1の状態から第2の状態にパターンを変化させたときなどに得られる各センサが検出した値に基づき、異常状態の箇所を特定することができる。
実施の形態3においては、異常状態の判定の他の例について説明する。ここで、以下の説明では、管理制御装置120が、実施の形態2で説明したような異常状態判定処理を行うものとして説明する。また、車両空調用制御装置20によってあらかじめ定めたパターンにより駆動を制御される圧縮機11などの機器を「要素機器」と適宜称する。
(異常状態の箇所の分離)
たとえば、鉄道車両用空気調和装置50が異常状態である場合に、異常状態の要因が各種センサの異常状態に関するものであるのか、または、冷媒回路10を構成する各種機器の異常状態に関するものであるのかを分離することができる。
このような異常状態の分離は、要素機器の運転状態を第1の状態から第2の状態に変化させた場合における各種センサが検出した値の状態に基づいて推定することができる。具体的には、たとえば、要素機器の運転状態を変化させた場合に、各種センサが検出した値が変化しなかった場合には、センサ劣化、センサ外れなどのセンサの異常状態であると判定することができる。
(異常箇所の特定)
また、特殊運転においては、要素機器のうち1つの機器の運転状態を変化させ、残りの機器の運転状態を固定させることにより、異常状態を判定することができるとともに、異常状態の機器を特定することができる。このときの鉄道車両用空気調和装置50における要素機器としては、たとえば、圧縮機11、膨張弁としての減圧装置13、熱源側ファン15および負荷側ファン16などが挙げられる。
たとえば、圧縮機11の駆動状態を変化させる場合には、駆動周波数を変化させる。圧縮機11の駆動周波数を変化させることにより、たとえば膨張弁としての減圧装置13の異常を検出することができる。また、たとえば、膨張弁としての減圧装置13の運転状態を変化させる場合には、弁開度を変化させる。また、減圧装置13の弁開度を変化させることにより、たとえば圧縮機11の異常を検出することができる。
さらに、たとえば、熱源側ファン15または負荷側ファン16の駆動状態を変化させる場合には、ファンの回転数を変化させる。熱源側ファン15の回転数を変化させることにより、たとえば熱源側ファン15、熱源側熱交換器12などの異常状態を判定することができる。また、負荷側ファン16の回転数を変化させることにより、たとえば負荷側ファン16、負荷側熱交換器14などの異常状態を判定することができる。
(圧縮機11の駆動周波数を変化させる場合)
次に、特殊運転によって異常状態の箇所を特定する具体例について説明する。圧縮機11の駆動周波数を変化させた場合には、たとえば減圧装置13の弁が正常に動作しないといった異常状態を判定することができる。
ここで、以下の例では、減圧装置13が、弁の開度を調整することによって冷媒を膨張させる膨張弁である場合について説明する。また、冷房運転時に負荷側熱交換器14における過熱度が、あらかじ設定された温度、たとえば4℃となるように、減圧装置13の弁開度が車両空調用制御装置20によって制御されているものとする。
図6は、この発明の実施の形態3に係る圧縮機11の駆動周波数を変化させた場合の各種パラメータの状態の一例を示す概略図である。図6(a)〜図6(c)は、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作する場合の各種パラメータの状態を示す。
図6(a)は、特殊運転において設定された圧縮機11の駆動周波数の状態を示す。この例では、圧縮機11の駆動周波数をあらかじめ設定された時間間隔、たとえば10分間隔で30Hzから70Hzに変化させるものとする。図6(b)は、圧縮機11の駆動周波数を図6(a)に示すように変化させた場合の、負荷側熱交換器14における過熱度の状態を示す。図6(c)は、圧縮機11の駆動周波数を図6(a)に示すように変化させた場合の、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値の状態を示す。
また、図6(d)〜図6(f)は、減圧装置13に異常が発生することによって鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合の各種パラメータの状態を示す。
図6(d)は、図6(a)と同様に、特殊運転において設定された圧縮機11の駆動周波数の状態を示す。図6(e)は、圧縮機11の駆動周波数を図6(d)に示すように変化させた場合の、負荷側熱交換器14における過熱度の状態を示す。図6(f)は、圧縮機11の駆動周波数を図6(d)に示すように変化させた場合の、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値の状態を示す。
鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作する場合において、図6(a)に示すように圧縮機11の駆動周波数を変化させると、車両空調用制御装置20は、負荷側熱交換器14における過熱度が常に4℃となるように、減圧装置13の弁開度を制御する。
ここで、過熱度が一定の温度となるように制御された状態で圧縮機11の駆動周波数を大きくした場合には、減圧装置13の弁開度を大きくする必要がある。そのため、車両空調用制御装置20は、図6(c)に示すように、駆動周波数が大きくなるタイミングで減圧装置13の弁開度を大きくするように、減圧装置13を制御する。これにより、過熱度は、図6(b)に示すように、常に4℃に保たれる。
なお、負荷側熱交換器14における過熱度は、温度センサ22で検出される温度から、圧力センサ21で検出される圧力における飽和温度を減算することによって算出することができる。
一方、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生した場合、図6(d)に示すように、圧縮機11の駆動周波数を変化させると、車両空調用制御装置20は、過熱度が常に4℃となるように、減圧装置13の弁開度を制御する。しかしながら、この例では、減圧装置13の弁が正常に動作しないことにより過熱度が10℃に上昇する。そのため、車両空調用制御装置20は、さらに弁開度を大きくするように制御する。その結果、最終的に車両空調用制御装置20による弁開度の指示値が最大となる。
このように、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生し、その要因が減圧装置13にある場合には、負荷側熱交換器14における過熱度の状態と、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値とが、正常に動作する鉄道車両用空気調和装置50の場合と比較して差異が生じる。
したがって、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生した場合に特殊運転を実行し、過熱度の状態および弁開度の指示値が正常動作時と比較して差異が認められる場合には、減圧装置13に異常が発生したことを判断することができる。
なお、暖房運転時には、熱源側熱交換器12の過熱度が一定となるように制御した状態で、熱源側熱交換器12における過熱度の状態および減圧装置13の弁開度の指示値を確認することで、同様に減圧装置13の異常を検出することができる。
また、この例では、負荷側熱交換器14の過熱度と、減圧装置13に対する弁開度の指示値とに基づいて減圧装置13の異常を判断したが、これはこの例に限られない。たとえば、実施の形態3では、減圧装置13に対する弁開度の指示値のみに基づいて減圧装置13の異常を判断することもできる。これは、減圧装置13に異常が発生した場合には、たとえば、減圧装置13に対する弁開度の指示値が大きくなると、それにしたがって負荷側熱交換器14の過熱度も大きくなるというように、過熱度が弁開度の指示値の変化に応じて同様に変化するからである。
(ファンの回転数を変化させる場合)
次に、負荷側ファン16の回転数を変化させた場合に異常を検出する方法について説明する。負荷側ファン16の回転数を変化させた場合には、たとえば、負荷側ファン16を駆動するファンモータ16a、負荷側熱交換器14と負荷側ファン16との間の負荷側フィルタ19、負荷側熱交換器14などの異常を検出することができる。
なお、以下の例では、鉄道車両用空気調和装置50を冷房運転させる場合を想定する。したがって、負荷側熱交換器14が蒸発器として機能するものとして説明する。また、この例では、冷房運転時に負荷側熱交換器14における過熱度が4℃となるように、減圧装置13の弁開度が車両空調用制御装置20によって制御されているものとする。
(正常動作時)
まず、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作する場合について説明する。図7は、図1および図2の鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作している場合で、負荷側ファン16の回転数を変化させたときの各種パラメータの状態の一例を示す概略図である。
図7(a)は、特殊運転において設定された負荷側ファン16のファン回転数の状態を示す。この例では、時点Xで負荷側ファン16のファン回転数を大きくし、時点Yでファン回転数を元の回転数に戻すものとする。図7(b)は、負荷側ファン16のファン回転数を図7(a)に示すように変化させた場合の、負荷側熱交換器14における過熱度の状態を示す。図7(c)は、負荷側ファン16のファン回転数を図7(a)に示すように変化させた場合の、負荷側ファン16のファンモータ16aに入力される電流値の状態を示す。図7(d)は、負荷側ファン16のファン回転数を図7(a)に示すように変化させた場合の、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値の状態を示す。
鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作する場合において、車両空調用制御装置20は、図7(a)に示すように負荷側ファン16のファン回転数を変化させるように制御すると、同時に負荷側熱交換器14における過熱度が常にあらかじめ設定された温度となるように、減圧装置13の弁開度を制御する。
車両空調用制御装置20は、図7(d)に示すように、ファン回転数が大きくなる時点Xで減圧装置13の弁開度を大きくするように、減圧装置13を制御する。これにより、負荷側熱交換器14における過熱度は、図7(b)に示すように、常に設定温度に保たれる。
また、このときファンモータ16aに入力される電流値は、図7(c)に示すように、ファン回転数に応じて変化する。具体的には、ファン回転数が大きくなると、ファンモータ16aの電流値が大きくなり、ファン回転数が小さくなると、電流値が小さくなる。
(ファンモータ異常時)
次に、負荷側ファン16のファンモータ16aに異常が発生することにより、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合について説明する。この例では、ファンモータ16aに異常、特に、ファンモータ16aが劣化し、想定する風量が得られない場合について説明する。
図8は、図1および図2の鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合で、負荷側ファン16の回転数を変化させたときの各種パラメータの状態の第1の例を示す概略図である。図8(a)は、特殊運転において設定された負荷側ファン16のファン回転数の状態を示す。この例では、図7(a)に示す場合と同様に、時点Xで負荷側ファン16のファン回転数を大きくし、時点Yでファン回転数を元の回転数に戻すものとする。
図8(b)は、負荷側ファン16のファン回転数を図8(a)に示すように変化させた場合の、負荷側熱交換器14における過熱度の状態を示す。図8(c)は、負荷側ファン16のファン回転数を図8(a)に示すように変化させた場合の、負荷側ファン16のファンモータ16aに入力される電流値の状態を示す。図8(d)は、負荷側ファン16のファン回転数を図8(a)に示すように変化させた場合の、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値の状態を示す。なお、図8(c)および図8(d)において、点線で示す状態は、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作する場合の状態を示す。
鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合において、まず、車両空調用制御装置20は、図8(a)に示すように負荷側ファン16のファン回転数を変化させるように制御する。このとき、負荷側ファン16では、ファンモータ16aが劣化しているため、ファン回転数を想定する回転数とするためにファンモータ16aに入力される電流値が、図8(c)に示すように正常動作時よりも大きくなる。
また、車両空調用制御装置20は、負荷側熱交換器14における過熱度が常にあらかじめ設定された温度となるように、減圧装置13の弁開度を制御する。このとき、負荷側熱交換器14における過熱度は、図8(b)に示すように、常に設定温度に保たれるが、ファンモータ16aの劣化により負荷側熱交換器14に対する想定する風量が十分に得られず、過熱度が低下する傾向になる。そのため、車両空調用制御装置20は、図8(d)に示すように、減圧装置13の弁開度を正常動作時よりも小さくするように減圧装置13を制御する。
このように、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生し、その要因が負荷側ファン16のファンモータ16aにある場合には、負荷側ファン16におけるファンモータ16aの入力電流値の状態と、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値とに、正常に動作する鉄道車両用空気調和装置50の場合と比較して差異が生じる。
したがって、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生した場合に特殊運転を実行し、負荷側ファン16のファン回転数を変化させ、ファンモータ16aの入力電流値の状態および弁開度の指示値に正常動作時と比較して差異が認められる場合には、ファンモータ16aに異常が発生したと判断することができる。
(フィルタ異常時)
次に、フィルタに異常が発生することにより、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合について説明する。この例では、負荷側熱交換器14と負荷側ファン16との間の負荷側フィルタ19に異常、特に負荷側フィルタ19が目詰まりし、負荷側ファン16による最大風量時に、想定する風量が得られない場合について説明する。
図9は、図1および図2の鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合で、負荷側ファン16の回転数を変化させたときの各種パラメータの状態の第2の例を示す概略図である。図9(a)は、特殊運転において設定された負荷側ファン16のファン回転数の状態を示す。この例では、図7(a)および図8(a)に示す場合と同様に、時点Xで負荷側ファン16のファン回転数を大きくし、時点Yでファン回転数を元の回転数に戻すものとする。
図9(b)は、負荷側ファン16のファン回転数を図9(a)に示すように変化させた場合の、負荷側熱交換器14における過熱度の状態を示す。図9(c)は、負荷側ファン16のファン回転数を図9(a)に示すように変化させた場合の、負荷側ファン16を駆動するためのファンモータ16aに入力される電流値の状態を示す。図9(d)は、負荷側ファン16のファン回転数を図9(a)に示すように変化させた場合の、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値の状態を示す。なお、図9(c)および図9(d)において、点線で示す状態は、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作する場合の状態を示す。
鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合において、まず、車両空調用制御装置20は、図9(a)に示すように負荷側ファン16のファン回転数を変化させるように制御する。このとき、負荷側熱交換器14と負荷側ファン16との間の負荷側フィルタ19が目詰まりしているため、ファン回転数が大きい場合には、風が負荷側フィルタ19を通過するのが困難となり、十分な風量を負荷側熱交換器14に供給できなくなる。そのため、負荷側フィルタ19を通過できない風が負荷側ファン16に対する抵抗となり、ファン回転数を想定する回転数とするためにファンモータ16aに入力される電流値が、図9(c)に示すように正常動作時よりも大きくなる。
また、車両空調用制御装置20は、負荷側熱交換器14における過熱度が常にあらかじめ設定された温度となるように、減圧装置13の弁開度を制御する。このとき、負荷側熱交換器14における過熱度は、図9(b)に示すように、常に設定温度に保たれるが、負荷側フィルタ19の目詰まりにより負荷側熱交換器14に対する想定する風量が十分に得られず、過熱度が低下する傾向になる。そのため、車両空調用制御装置20は、図9(d)に示すように、減圧装置13の弁開度を正常動作時よりも小さくするように減圧装置13を制御する。
このように、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生し、その要因が負荷側熱交換器14と負荷側ファン16との間の負荷側フィルタ19にある場合には、負荷側ファン16におけるファンモータ16aの入力電流値の状態と、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値とに、正常に動作する鉄道車両用空気調和装置50の場合と比較して差異が生じる。
したがって、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生した場合に特殊運転を実行し、負荷側ファン16のファン回転数を変化させ、ファンモータ16aの入力電流値の状態および弁開度の指示値に正常動作時と比較して差異が認められる場合には、負荷側フィルタ19に異常が発生したと判断することができる。
ところで、ファンモータ16aに異常が発生した場合と、負荷側フィルタ19に異常が発生した場合とでは、共にファンモータ16aの入力電流値の状態および弁開度の指示値を確認することにより、異常箇所を判断する。そのため、この場合には、ファンモータ16aと負荷側フィルタ19とのいずれで異常が発生したのかを確実に判断することができない虞がある。
しかしながら、負荷側フィルタ19に異常が発生した場合のファンモータ16aに入力される電流値と正常動作時の電流値との差(図9参照)は、ファンモータ16aの劣化時におけるファンモータ16aに入力される電流値と正常動作時の電流値との差(図8参照)よりも大きくなる。これは、ファンモータ16aが劣化した場合と比較して、負荷側フィルタ19が目詰まりした場合の方が負荷側ファン16のファン回転数を大きくすることが困難なためである。また、負荷側フィルタ19に異常が発生した場合の弁開度の指示値と正常時の弁開度の指示値との差と、ファンモータ16aに異常が発生した場合の弁開度の指示値と正常時の弁開度の指示値との差とについても、同様である。
したがって、実施の形態3においては、各パラメータの正常時との差の大きさにより、異常の要因がファンモータ16aおよび負荷側フィルタ19のいずれであるのかを判断することができる。
(熱交換器異常時)
次に、負荷側熱交換器14に異常が発生することにより、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合について説明する。この例では、負荷側熱交換器14に異常、特に熱交換器が腐食し、冷媒と室内空気との間で熱交換を行うことができない場合について説明する。
図10は、図1および図2の鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合で、負荷側ファン16の回転数を変化させたときの各種パラメータの状態の第3の例を示す概略図である。図10(a)は、特殊運転において設定された負荷側ファン16のファン回転数の状態を示す。この例では、図7(a)、図8(a)および図9(a)に示す場合と同様に、時点Xで負荷側ファン16のファン回転数を大きくし、時点Yでファン回転数を元の回転数に戻すものとする。
図10(b)は、負荷側ファン16のファン回転数を図10(a)に示すように変化させた場合の、負荷側熱交換器14における過熱度の状態を示す。図10(c)は、負荷側ファン16のファン回転数を図10(a)に示すように変化させた場合の、負荷側ファン16を駆動するためのファンモータ16aに入力される電流値の状態を示す。図10(d)は、負荷側ファン16のファン回転数を図10(a)に示すように変化させた場合の、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値の状態を示す。なお、図10(b)および図10(d)において、点線で示す状態は、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作する場合の状態を示す。
鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作しない場合において、まず、車両空調用制御装置20は、図10(a)に示すように負荷側ファン16のファン回転数を変化させるように制御する。このときのファンモータ16aに入力される電流値は、図10(c)に示すように、正常動作時と同様の値となる。
また、車両空調用制御装置20は、負荷側熱交換器14における過熱度が常にあらかじめ設定された温度となるように、減圧装置13の弁開度を制御する。しかしながら、この場合には、負荷側熱交換器14において熱交換を行うことができないため、負荷側熱交換器14における過熱度は、図10(b)に示すように、0℃あるいは略0℃となる。そのため、車両空調用制御装置20は、図10(d)に示すように、減圧装置13の弁開度を正常動作時よりも小さくするように減圧装置13を制御する。この場合には、過熱度が0℃あるいは略0℃であるため、車両空調用制御装置20は、減圧装置13の弁開度を最小とする。
このように、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生し、その要因が負荷側熱交換器14にある場合には、負荷側熱交換器14における過熱度の状態と、車両空調用制御装置20による減圧装置13に対する弁開度の指示値とに、正常に動作する鉄道車両用空気調和装置50の場合と比較して差異が生じる。
したがって、鉄道車両用空気調和装置50に異常が発生した場合に特殊運転を実行し、負荷側ファン16のファン回転数を変化させ、過熱度の状態および弁開度の指示値に正常動作時と比較して差異が認められる場合には、負荷側熱交換器14に異常が発生したと判断することができる。
ここで、暖房運転時の状態で特殊運転を実行し、熱源側ファン15のファン回転数を変化させた場合についても、上述したのと同様である。たとえば、熱源側ファン15のファン回転数を変化させた際の、熱源側熱交換器12の過熱度、ファンモータ15aの入力電流値および弁開度の指示値を確認することにより、熱源側ファン15のファンモータ15a、熱源側フィルタ18、および熱源側熱交換器12の異常を検出することができる。
以上のように、実施の形態3に係る鉄道車両用空気調和管理システムにおいて、鉄道車両用空気調和装置50は、圧縮機11、熱源側熱交換器12、減圧装置13、負荷側熱交換器14が配管で接続され、冷媒が循環することによって冷媒回路10が構成され、それぞれの機器の動作を制御する車両空調用制御装置20を備え、車両空調用制御装置20は、複数の機器に含まれる車両空調用制御装置20によって制御される複数の要素機器のうち、1つの要素機器の運転状態を第1の状態から第2の状態に変化させた場合のそれぞれの機器の状態に基づき、異常箇所を特定する特殊運転を行う。
これにより、鉄道車両用空気調和装置50が正常に動作する場合と正常に動作しない場合とで、それぞれの機器の状態が異なるため、異常が発生しているか否かを判断することができる。また、ある要素機器の運転状態を変化させた場合に、変化する状態が異常箇所に応じて異なるため、異常箇所を特定することができる。
実施の形態4.
前述した実施の形態1〜実施の形態3では、管理装置100が記録する複数の鉄道車両用空気調和装置50の車両空調データに基づいて、鉄道車両用空気調和装置50の異常状態判定処理を行って異常状態であるかどうかを判定した。
たとえば、従来において、鉄道車両用空気調和装置50に異常を有する鉄道車両1については、基本的に使用しないようにしている。ただ、冷媒回路10の運転がまったくできない異常状態ではないことがある。また、鉄道車両用空気調和装置50が異常状態でも、鉄道車両1における乗客の輸送の機能については問題ない。このような鉄道車両1については、できるだけ使用できる方が望ましい。
図11は、この発明の実施の形態4に係る鉄道車両用空気調和装置50の稼働率について説明する図である。基本的な鉄道車両用空気調和装置50における稼働率は、設定温度および設定湿度と、吸い込み空気の温度および湿度との偏差によって稼働率を決定する。稼働率が高いと、冷媒回路10の運転時間(圧縮機11の駆動時間)は長くなる。稼働率が低いと、冷媒回路10の運転時間は短くなる。
図12は、この発明の実施の形態4に係る鉄道車両用空気調和装置50の応急運転における各冷媒回路10の稼働率の一例について説明する図である。図12(a)は、冷媒回路10Aおよび冷媒回路10Bが、ともに正常に運転している場合の稼働率を表す。冷媒回路10Aおよび冷媒回路10Bが、ともに正常運転であれば、たとえば、各冷媒回路10の稼働率を同じにして、運転時間が均等になる用にする。
図12(b)に示す例では、冷媒回路10Bが異常状態である場合の稼働率について示している。応急運転は、たとえば、鉄道車両用空気調和装置50が異常状態である場合に行われる運転である。たとえば、応急運転を指示するスイッチなどを運転席などに設置し、車両空調用制御装置20に応急運転を指示できるようにする。
図12(b)に示すように、実施の形態4の応急運転においては、異常状態でない冷媒回路10があれば、異常状態でない冷媒回路10を用いて運転を行い、異常状態の冷媒回路10については運転を行わないようにする。図12(b)では、冷媒回路10Aは、冷媒回路10Bの肩代わりをしていることになる。
以上のように、実施の形態4の鉄道車両用空気調和装置50においては、複数系統の冷媒回路10について異常判定処理を行った結果、異常状態であると判定した冷媒回路10と異常状態でないと判定した冷媒回路10とがあれば、異常状態でないと判定した冷媒回路10を用いた応急運転を行うようにしたので、鉄道車両1を有効に利用することができる。
実施の形態5.
前述した実施の形態4では、複数系統の冷媒回路10のうち、異常状態でない冷媒回路10があれば、その冷媒回路10を運転させ、異常状態の冷媒回路10は運転させないようにした。
ここで、たとえば、異常状態であると判定された冷媒回路10においても、異常の兆候があるだけで、実際に異常が発生していないような場合がある。たとえば、このような場合には、異常状態の冷媒回路10の使用を完全に停止しなくてもよい。そこで、車両空調用制御装置20は、各冷媒回路10の稼働率を調整した応急運転を行うようにしてもよい。たとえば、異常状態の冷媒回路10は、稼働率を低く調整し、運転時間を少なく制限した運転を行う。
図13は、この発明の実施の形態5に係る鉄道車両用空気調和装置50の応急運転における稼働率の一例について説明する図である。図13に示す例では、冷媒回路10Bが異常状態である場合について示している。応急運転を行う際、異常状態である冷媒回路10Bの稼働率を通常運転における稼働率よりも低くなるような制限運転を行う。一方、たとえば、冷媒回路10Aについては、冷媒回路10Aの稼働率を通常運転における稼働率よりも高くなるように調整する。以上のような調整を行うことで、たとえば、鉄道車両用空気調和装置50全体として通常運転の稼働率と同じになるようにして、空調負荷に対応した応急運転を行うことができる。
実施の形態6.
前述した実施の形態5では、異常状態の冷媒回路10に対して、稼働率を低く調整した応急運転を行った。ここで、応急運転の際、異常状態の冷媒回路10については、運転能力に制限を加えた制限運転を行わせるようにしてもよい。たとえば、圧縮機11の駆動周波数の上限を通常よりも低い駆動周波数に設定するようにする。また、蒸発器側のファンを最大回転数にする、減圧装置13が電子膨張弁の場合には、開度を小さくするなどして液バックを防ぐようにする。
1 鉄道車両、10,10A,10B 冷媒回路、11,11A,11B 圧縮機、12,12A,12B 熱源側熱交換器、13,13A,13B 減圧装置、14,14A,14B 負荷側熱交換器、15,15A,15B 熱源側ファン、16 負荷側ファン、15a,15aA,15aB,16a ファンモータ、17,17A,17B 切替装置、18,18A,18B 熱源側フィルタ、19,19A,19B 負荷側フィルタ、20 車両空調用制御装置、21,21A,22B 圧力センサ、22,22A,22B 温度センサ、30 車両空調用記憶装置、40 車両空調用通信装置、50 鉄道車両用空気調和装置、100 管理装置、110 管理通信装置、120 管理制御装置、121 異常状態判定部、130 管理演算装置、140 管理記憶装置、141 車両空調データ記録部、150 管理表示装置。

Claims (7)

  1. 鉄道車両に設置され、圧縮機、熱源側熱交換器、減圧装置および負荷側熱交換器を少なくとも有して冷媒回路が構成され、該冷媒回路において冷媒の循環が行われて前記鉄道車両内を空気調和する鉄道車両用空気調和装置と、
    複数の前記鉄道車両における前記鉄道車両用空気調和装置の運転状態を示すデータを含む車両空調データが記録される管理記憶装置を有する管理装置と
    を備え、
    前記鉄道車両用空気調和装置は、あらかじめ定められたパターンで運転する特殊運転を、前記鉄道車両内が無人状態において行い、
    前記管理装置は、前記特殊運転における前記運転状態を示すデータを含む前記車両空調データを、前記管理記憶装置に記録させる鉄道車両用空気調和管理システム。
  2. 前記管理記憶装置に記録された前記車両空調データから、対象となる前記鉄道車両の前記鉄道車両用空気調和装置が、異常または異常の兆候がある異常状態であるかどうかを判定する異常状態判定装置をさらに備え、
    該異常状態判定装置は、
    前記対象となる前記鉄道車両の前記鉄道車両用空気調和装置と同時に同じ条件で運転した前記鉄道車両用空気調和装置の前記車両空調データを、前記管理記憶装置から検索し、参照用の前記車両空調データとする請求項1に記載の鉄道車両用空気調和管理システム。
  3. 前記管理装置は、前記鉄道車両の営業運行中における前記鉄道車両用空気調和装置の運転に係る前記運転状態を示すデータを含む前記車両空調データを、前記管理記憶装置に記録させ、
    前記管理記憶装置に記録された前記車両空調データから、対象となる前記鉄道車両の前記鉄道車両用空気調和装置が、異常または異常の兆候がある異常状態であるかどうかを判定する異常状態判定装置をさらに備え、
    前記異常状態判定装置は、
    前記対象となる前記鉄道車両と同じ路線を運行する別車両編成の同じ号車番号の前記鉄道車両の前記車両空調データを、前記管理記憶装置から検索し、参照用の前記車両空調データとする請求項1に記載の鉄道車両用空気調和管理システム。
  4. 前記異常状態判定装置は、前記検索した前記車両空調データのうち、製造年式が所定範囲内で同じ前記鉄道車両の前記車両空調データを前記管理記憶装置からさらに検索し、参照用の前記車両空調データとする請求項2または請求項3に記載の鉄道車両用空気調和管理システム。
  5. 前記異常状態判定装置は、前記検索した前記車両空調データのうち、前記鉄道車両用空気調和装置の修理後の運転時間が所定範囲内で同じ前記鉄道車両の前記車両空調データを前記管理記憶装置からさらに検索し、参照用の前記車両空調データとする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の鉄道車両用空気調和管理システム。
  6. 前記異常状態判定装置は、前記車両空調データのうち、前記圧縮機を起動後の所定時間における前記冷媒回路内の温度および圧力の少なくとも一方のデータに基づいて、前記対象となる前記鉄道車両の前記鉄道車両用空気調和装置が前記異常状態であるかどうかを判定する請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の鉄道車両用空気調和管理システム。
  7. 前記異常状態判定装置は、前記圧縮機が吐出する冷媒の吐出温度のデータに基づいて、前記対象となる前記鉄道車両の前記鉄道車両用空気調和装置において液バックが発生しているかどうかを判定する請求項6に記載の鉄道車両用空気調和管理システム。
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