JP6590489B2 - 情報処理装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、対象にパターン光を投影し、撮影した画像を入力して三次元座標を算出する情報処理装置および方法に関する。
空間符号化法などに代表される縞パターンを、プロジェクターなどの投影手段によって計測対象に投影し、その反射光が撮像手段で観測された位置をもとに三角測量の原理によって三次元座標を求める三次元計測装置が広く知られている。このような三次元計測装置では、三次元座標の計測精度が計測対象の材質に大きく依存するという課題があった。すなわち、計測対象表面が光を拡散反射させ、表面の反射率が大きい材質からなる計測対象であれば、このような三次元計測装置は高精度かつ安定的に三次元形状を計測することができる。しかしながら、工業生産の分野ではプラスチック等の樹脂のように、光を表面で反射させるのみならず、内部に光を浸透させ散乱を生じさせるような材質が多く使われている。このような計測対象を従来の三次元計測装置で計測する際には、計測対象物に生じる、一般的に表面下散乱あるいは内部散乱と呼ばれる現象によって、計測精度の悪化や、そもそも計測自体が不能になる等の問題が発生していた。この計測精度の悪化の要因には、計測される三次元座標が計測対象の内部方向(物体の奥側)に系統的にずれることによるもの(系統誤差)と、計測される三次元座標が偶発にばらつくことによるもの(偶然誤差)が存在する。そのため、このような計測対象の計測時には、白色のパウダー等を対象表面に事前に塗布するなどの処置が要求され、三次元計測装置の適用範囲が大きく制限されていた。
古瀬達彦、日浦慎作、佐藤宏介、スリット光の変調による相互反射と表面下散乱に頑健な三次元形状計測、MIRU2009 画像の認識・理解シンポジウム
非特許文献1に記載の方法では、計測対象物にM系列で変調したスリット光を投影し、撮影画像から画像処理によって内部散乱光成分を除去することによって、高精度な三次元計測を実現している。しかしながら、最終的に計測される三次元座標の精度は計測対象物の材質と、投影されるスリット光の明暗の周期との関係に大きく依存する。より具体的には、明暗周期が小さい(より細密な破線)スリット光を投影すると、撮影画像からより多くの内部散乱光が取り除かれることとなり、計測される三次元座標が計測対象の内部方向に系統的にずれる現象(系統誤差)が緩和される。その一方で、より多くの内部散乱光が取り除かれることにより、残存する直接反射光成分が少なくなることで信号のS/N比が悪化し、計測される三次元座標のばらつき(偶然誤差)が大きくなる。逆に、スリット光の明暗周期が大きい(より粗い破線)スリット光を投影すると、三次元座標が一様にずれる現象(系統誤差)が顕著となる一方、三次元座標のばらつき(偶然誤差)は小さくなる。
これらの関係は、計測対象物の透過率が高いほど、より顕著に表出する。すなわち、三次元座標が一様にずれる系統誤差と、三次元座標が偶発的にばらつく偶然誤差という二種類の誤差がそれぞれ背反する特性を持ち、これらの誤差が計測対象物の材質と、スリット光の明暗周期に依存している。しかしながら、非特許文献1では、破線の周期が場所によって異なる上、この周期を決定づけるM系列の符号長を決めるための指針は示されていない。そのため、三次元計測を行うユーザが、計測に先立って、計測対象物の材質、明暗周期と誤差との関係を理解した上で、この明暗周期(M系列の符号長)を試行錯誤により決定する必要があり、煩わしいものであった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが試行錯誤を繰り返すことなく、計測対象物に対して適切な計測光のパターンを投影して高精度に三次元形状を計測できる装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の一態様による情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
投影部から所定の破線周期で明部と暗部とを繰り返す破線状の計測パターン光投影された計測対象物を撮像部により撮影して得られる撮影画像に基づいて、前記計測対象物の三次元座標を計測する情報処理装置であって、
前記投影部から輝点が投影された前記計測対象物を前記撮像部により撮影することにより、前記輝点の撮影画像を取得する取得手段と、
前記撮影画像を用いて、破線周期が異なる破線状の数の計測パターンに対応した複数の仮想画像を生成する生成手段と、
前記複数の仮想画像のおのおのに基づいて前記複数の計測パターン光のそれぞれの三次元計測時に生じる誤差量であって、前記計測対象物の内部散乱光に起因して三次元座標の計測値がずれる系統誤差と、三次元座標の計測時に偶発的に生じる偶然誤差とを含む前記誤差量を予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された前記誤差量に基づいて、三次元座標の計測に用いる前記計測パターン光の破線周期を決定する決定手段と、を備える。
本発明によれば、適切な計測光のパターンで高精度に三次元形状を計測することが可能となる。
第1実施形態に係る三次元形状計測システムの全体構成を模式的に示す図。 第1実施形態に係る検査パターンを説明する図。 第1実施形態に係る計測パターンを説明する図。 第1実施形態に係る処理部103の内部の構成を説明する図。 第1実施形態による誤差量の予測方法を説明する図。 第1実施形態による誤差量の予測方法を説明する図。 第1実施形態の処理の流れを説明するフローチャート。 第2実施形態における空間分割パターン画像の例を示す図。 第2および第3実施形態における計測パターン画像の例を示す図。
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態では、半透明物体である計測対象物上の三次元座標を高精度に算出するためのパラメータ(計測パターン光)を決定する。すなわち、所定のパターン光である検査パターン光の投影像から三次元計測時の偶然誤差および系統誤差の予測値を算出することにより、最適な計測パターンが決定される。実際の三次元計測の際には、こうして決定された計測パターン光が計測対象物に投影される。これにより、偶然誤差および系統誤差の影響が最小化あるいは低減され、計測対象物が半透明物体であっても高精度な三次元座標を算出することができる。
図1は本実施形態に係る三次元形状計測システムの全体構成を模式的に示す図である。図1の構成は一例であり図示されるものに限定されないことは言うまでもない。情報処理装置100は内部に処理部103を含み、投影部101と撮像部102を接続することによって、三次元形状計測装置として動作する。情報処理装置100は投影部101にパターン画像を送出し、撮像部102から撮影画像を入力する。情報処理装置100には「計測パターン決定モード」「三次元座標算出モード」の2種類の動作モードが存在し、各モードでそれぞれ異なる処理を行う。このモードの決定は、情報処理装置100に対してユーザが指定する。
計測パターン決定モードでは投影部101が計測対象物104に対して検査パターン光を投影し、撮像部102は計測対象物104に投影された検査パターンの像を撮影する。情報処理装置100はこの撮影画像に基づき、最適な三次元計測を行うための計測パターンを決定する。一方、三次元座標算出モードでは、投影部101が計測対象物104に対して、上述の計測パターン決定モードで決定された計測パターン光を投影し、撮像部102が計測対象物104に投影された計測パターンの像を撮影する。情報処理装置100はこの撮影画像に基づき、計測対象物104の三次元座標を算出する。
投影部101は、光源、表示素子、投影光学系、制御回路などによって構成され、計測対象物104にパターン光を投影する。なお、本例において計測対象物104は半透明物体であるとする。投影部101において、光源で発生した光は、表示素子上に表示されるパターン画像によって変調され、投影光学系を通じて投影される。パターン画像によって変調された投影光であるパターン光は、そのパターン画像を変更することによって任意に制御することが可能である。パターン光は計測対象物104の表面等で反射し、撮像部102によって撮像される。本実施形態において、パターン画像には検査パターン画像と計測パターン画像の二種類が存在する。
図2(a)は検査パターン画像の例を示している。白で示された領域はパターン光が投影される画素であり、黒で示された領域はパターン光が投影されない画素である。投影部101に図2(a)の検査パターン画像を入力すると、投影部101は、投影部101の1画素のみを点灯し、他の画素はすべて消灯するように計測対象物104にパターン光を投影する。なお、図2(a)は説明のために単純な例を挙げたものであり、本実施形態では実際には図2(b)に示す検査パターン画像に対応するパターン光が投影される。この検査パターン画像については後述する。
図3は本実施形態における計測パターン画像の一つの例を示している。投影部101は、この計測パターン画像に基づき、投影部101のある一定の画素数分だけ連続して点灯、そしてそれに隣接する一定の画素数分だけ連続して消灯し、これを繰り返した破線状のパターン光が計測対象物104に投影される。
撮像部102は、計測対象物104上に投影されたパターン光の反射光を撮像する。この反射光は撮像光学系を介して撮像素子上に結像され、撮像素子が検出した信号強度に基づいた画像が生成され、処理部103の内部に備える画像入力部201に送られる。処理部103は、コンピュータおよび電気回路によって、本実施形態における情報処理装置の主要なアルゴリズムの処理を実現する。
図4(a)は、処理部103内部の構成を模式的に示す図である。画像入力部201は、撮像部102において撮像された計測対象物104の画像を入力し、撮影画像を得る。画像入力部201は、撮像部102を制御する撮影制御部としても機能する。得られた撮影画像は、処理部103が計測パターン決定モードで動作しているときには誤差予測部202に、三次元座標算出モードで動作しているときには算出部204に送られる。誤差予測部202は、投影部101が計測対象物104に対して検査パターン光を投影したときの撮影画像を入力し、その撮影画像から三次元座標を算出するときの誤差量を予測し、これらの誤差を抑制する最適な計測パターンを決定する。誤差予測部202は、処理部103が計測パターン決定モードで動作しているときにのみ処理を行い、三次元座標算出モードで動作しているときには処理を行わない。
図4(b)は処理部103のハードウエア構成例を示すブロック図である。CPU251は、ROM252またはRAM253に格納されたプログラムを実行することにより、上述した処理部103内の各機能部を実現する。RAM253は、CPU251のメインメモリとして機能する。外部記憶装置254は、たとえばハードディスクであり、RAM253に展開される各種プログラムや、撮像部102により撮影された画像を記憶する。インターフェース255は外部機器(本例では、投影部101や撮像部102)を処理部103に接続する。バス256は、上述した各部を、相互に通信可能に接続する。なお、上記では処理部103内の各機能部がCPU251により実現されるものとしたが、これに限られるものではなく、各機能部の一部またはすべてが専用のハードウエアにより実現されるようにしてもよい。
次に、誤差予測部202が行う処理の詳細について説明する。図2(c)は図2(a)で示した検査パターン投影時に得られる撮影画像の例である。計測対象物104上に投影される1つの輝点は、検査パターン画像の1画素に対応する。図2(d)は図2(c)の撮影画像中の点像付近の領域を拡大した様子を示す図である。計測対象物104に投影された検査パターン光(輝点)は、計測対象物104が引き起こす内部散乱の影響により、元の検査パターン画像に対して左右非対称な広がりを持つ点像として観測される。計測対象物104の透明度が低い場合には、内部散乱の影響が小さくなり、点像が左右対称に近くなり、広がりも狭くなる。
一方、図3(b)は同じ計測対象物104に図3(a)の計測パターン画像を投影したときに得られる撮影画像の例である。撮影画像には計測パターン光がなす破線に対応する輝線が観測されるが、上述したように計測対象物104が引き起こす内部散乱の影響により、元の計測パターン画像に対して左右非対称に広がって観測される。
さて、図2(c)の撮影画像のうち点像領域だけを切り出した図2(d)の画像は、投影部101のPSF(Point Spread Function)とみなすことができる。以降、図2(d)に示す画像を検査パターンPSF画像と表記する。図3(a)の計測パターンは、図2(a)の検査パターン画像を平行移動させ加算することで合成することが可能である。また同様に、図2(d)の検査パターンPSF画像の点像の領域を同様に平行移動させ加算すること(いわゆる畳み込み演算)によって、計測パターン光の投影により得られる図3(b)の投影画像とほぼ同等の画像を生成することが可能である。そこで、本実施形態の誤差予測部202は、入力した検査パターンの撮影画像から、複数種の計測パターンの撮影画像と等価な画像を生成し、各計測パターンを採用したときの三次元計測時の誤差を予測する。以降、複数種の計測パターンの撮影画像と等価な画像を、計測パターン仮想撮影画像と呼ぶ。
図2(b)は本実施形態において、実際に投影される検査パターン画像の例を示している。図2(b)の検査パターン画像は図2(a)の検査パターン画像に対して、左、中央、上の部分に1画素ずつ輝点が設けられている。すなわち、検査パターンは、パターン光を投影する投影部101の解像度における最小サイズの輝点が、撮影画像において互いに重ならないように離間して配置されたパターンである。この検査パターン光を計測対象物104に投影すると、撮影画像上では3つの点像が観測されることになる。誤差予測部202はこれらの3つの点像を用いて、投影部101の1画素の撮影画像中での大きさSx,Syを計算する。Sx,Syは畳み込み演算に対する平行移動量として用いられる。例えば、左側の輝点と中央の輝点との間隔が、投影部101において9画素幅であるとし、対応する撮影画像上での点像の間隔が16画素幅であるとする。撮影画像上の点像の間隔は、例えば双方の輝度ピーク間の距離を測ればよい。このとき、投影部101の1画素の横幅は、16÷(9−1)=2であるから、撮影画像上で2画素幅である(すなわち、Sx=2)と算出でき。縦幅Syについても、上側の輝点と中央の輝点とから同じように算出することができる。上述したように、図2(b)に示す検査パターン中の3つの輝点画素は、計測対象物104への投影時に、それぞれの輝点がなす点像が互いに重ならない間隔で設定される。
誤差予測部202は、算出したSx,Syを用いて、破線周期nに対する計測パターン仮想撮影画像を生成する。ここで破線周期nとは、投影部101の連続n/2画素が点灯し、次に隣接する連続n/2画素が消灯となる破線を構成するための周期を示し、偶数の整数のみの値を取る。検査パターンPSF画像をIとすると、破線周期n,位相pの計測パターン仮想撮影画像I0n,pは以下の[数1]によって生成することができる。
ただし、[数1]においてl(n,p,k)は周期n,位相pの破線を表す周期関数であり、[数2]のように定義される。ただし、n=0の場合には実線を表す。また、S(I,x,y)は画像Iを横方向にx画素、縦方向にy画素分平行移動させた画像を出力する関数である。数式2のεは微小な正の実数を示す。また、sgnは入力した値の符号を判定する関数であり、入力が負の場合は−1、0の場合は0、正の場合は+1を出力する。kは破線中での位置を示すインデックスであり、Nによって破線の範囲が定義される。よって、[数1]においては破線の長さは2Nとなる。1/(2N+1)は破線の輝度総和を一定とするための正規化係数である。
なお、[数2]のl(n,p,k)においては、周期n、位相pで破線の明部が1、暗部が0となるような周期関数を構成できればよい。したがって、[数2]以外の、異なる表現で記述されてもよい。
図5(a)は[数1]によって生成された計測パターン仮想撮影画像I0n,pの1つの例を示している。計測パターン仮想撮影画像I0n,pは、実際に計測パターン光を計測対象物104に投影して得られた撮影画像と等価な画像とみなすことができる。なお、検査パターンPSF画像Iとしては、撮影画像中に存在する、図2(b)に示すような計測パターンの3つの輝点のうちの1つの画像、すなわち、図2(d)に示されるような画像が用いられる。
次に、誤差予測部202は、破線周期nを変えることにより得られる複数の計測パターンの仮想画像を用いて、三次元計測時に生じる誤差量を予測する。本実施形態では、誤差量として、計測対象物104における内部散乱光に起因して三次元座標がオフセットする系統誤差量と、三次元座標が偶発的にずれる偶然誤差量を推定する。誤差予測部202は、計測パターンの仮想画像から直接反射光成分の画像を取得する。そして、誤差予測部202は、計測パターンの直接反射光成分の画像における複数の特定位置に基づいて近似直線を取得し、近似直線のズレ(近似直線間の距離)から系統誤差量を、複数の特定位置の近似直線に対するばらつきから偶然誤差量を推定する。
まず、誤差予測部202は、以下の[数3]に従って、計測パターン仮想撮影画像I0n,pを横(右)方向に投影部101の1画素分をシフトさせた計測パターン仮想撮影画像I1n,pを生成する。したがって、計測パターン仮想撮影画像I0n,pと計測パターン仮想撮影画像I1n,pは、投影部101において水平方向に隣接する破線の計測パターンとなる。[数3]では、[数1]と比較して、関数S(I,x,y)への入力のみが異なっている。すなわち、I1n,pはI0n,pに対して破線全体を右方向にシフトさせて投影したときの撮影画像と等価とみなすことができる。
誤差予測部202は、上記の方法によって得られた計測パターン仮想撮影画像I0n,pおよびI1n,pから、以下のようにして三次元計測時における誤差量を予測する。まず、誤差予測部202は、ある破線周期nに対する計測パターン仮想撮影画像I0n,pおよびI1n,pに対して、それぞれ内部散乱光成分を除去し、直接反射光成分Id,0nおよびId,1nを推定する処理を行う。直接反射光成分Id,jnは、以下の[数4]によって推定することができる。[数4]において、jは横方向シフトに関するインデックスであり、0または1の値を取る。計測パターン仮想撮影画像I1n,pおよびI0n,pでは、計測パターンが破線として観測されるのに対し、得られる直接反射光成分Id,0nおよびId,1nでは、計測パターンは実線の線分として観測される。
誤差予測部202は、得られたId,0nおよびId,1nから、これらの2線分がなすエッジ位置を算出する。図5(b)は得られた直接反射光成分Id,0nおよびId,1nの例を示す図である。図5(b)では、説明のためにId,0nおよびId,1nを両方を同じ図の中に含めるように描いているが、実際には1枚の画像中には1つの線分のみ(Id,0nおよびId,1nのいずれか一方のみ)が観測される。
図5(c)はあるY座標における直接反射光成分Id,0nおよびId,1nのX軸(スキャンライン)上の輝度分布を示す図である。図5(c)に示される輝度分布は、たとえば図5(b)で破線で示されたスキャンラインに沿った輝度分布である。誤差予測部202は、この輝度分布から、分布の2線分が交差するX座標(図5(c)におけるP)をエッジ位置Pとして算出する。すなわち、本実施形態では、計測パターンの仮想画像から得られる直接反射光成分の画像Id,0nと、その計測パターンに隣接する計測パターンの仮想画像から得られる直接反射光成分の画像Id,1nとの境界の位置をエッジ位置として求める。したがって、エッジ位置Pは[数5]によって求めることができる。
なお、直接反射光成分から求まるエッジ位置Pは、投影部101が投影する計測パターン光について、撮像部102において観測される座標のサブピクセル値である。本実施形態では、このサブピクセル値を高精度に得るために、2本の隣接する線分の交点によってエッジ位置を算出しているが、これに限られるものではない。例えば1本の計測線(直接反射光成分Id,0n)の断面の輝度変化(計測線を横断する方向の輝度分布)から輝度ピークをサブピクセル値として求め、これを計測線の中心線とみなして観測座標としてもよい。
誤差予測部202は、線分が観測されているすべてのスキャンライン(撮影画像の水平方向の各画素ライン)についてエッジ位置Pを求める。図6(a)はスキャンラインごとにPを算出した例であり、各スキャンラインでのエッジ位置Pを×印で示している。本来であればいずれのスキャンラインにおいてもPは2線分の中央付近に位置することになる。しかしながら、破線周期nが大きい場合には、[数4]において撮影画像から内部散乱光成分が十分に除去されないため、Pが水平方向または垂直方向に系統的にずれて観測される(系統誤差が大きくなる)。また、破線周期nが小さい場合には、撮影画像からより多くの内部散乱光が取り除かれるため、残存する直接反射光成分が少なくなる(系統誤差が小さくなる)。しかしながら、その結果として直接反射光成分のS/N比が悪化し、エッジ位置Pが水平方向に偶発的にばらついて観測される(偶然誤差が大きくなる)。本実施形態においてはエッジ位置Piをスキャンラインに沿って求めているが、線分に直交する方向に対して走査するようにしてもよく、いかなる方向でも構成可能である。あるいは、[数1]によって生成した仮想画像を任意の角度だけ回転させ、その後にスキャンラインに沿って操作するようにしてもよい。
誤差予測部202は、以上のようにして求めた複数のエッジ位置P(×印)から得られた近似直線の切片bと、残差の分散値σを算出する。図6(a)の白線は、複数のエッジ位置Pに対して求めた近似直線を表している。こうして算出された分散値σは三次元計測時における偶然誤差の予測値(以下、偶然誤差量予測値σ)を表すことになる。また、切片bについては、この値が系統誤差を直接的に表現するものではないため、bを用いて以下の[数6]によって求めた、系統誤差量予測値sを用いる。なお、bはn=0(すなわち実線)における切片である。すなわち、[数6]における|b−b|は実線と破線周期nにおける破線との距離を示している。
誤差予測部202は、破線周期を変えた複数のnについてそれぞれ系統誤差量予測値sと偶然誤差量予測値σを求め、これらから誤差評価値を算出し、評価することによって、計測対象物104に対して適切な破線周期nを決定する。図6(b)は、本実施形態において、破線周期nと誤差量予測値sとσとの関係を示す図である。図6(b)における破線が系統誤差量予測値sを、実線が偶然誤差量予測値σを表している。先述のように、破線周期nに関して、誤差量予測値sとσとの間にはトレードオフの関係があるため、最適な破線周期nは、三次元計測における前提条件やユーザの要望によって変化する可能性がある。そのため、誤差予測部202は複数のnについて誤差評価値eを算出しておき、この値を最小にする破線周期nを求める([数7])。なお、誤差評価値eは[数8]のように定義される。あるいは、誤差評価値eを誤差量予測値s,σの逆数で定義し、この値を最大にする破線周期nを求めるようにしてもよい。
[数8]のαは、偶然誤差と系統誤差のどちらの影響をより重要視するかを決めるパラメータであり、0から1まで間の実数値を取る。αが0に近い場合には主として偶然誤差を小さくするような破線周期nが選ばれる。これは、例えば計測対象物104が単一かつ均一な半透明物体であり、計測対象物104の相対的な形状のみを必要とする場合に適用できる。逆にαが1に近い場合には主として系統誤差を小さくするような破線周期nが選ばれる。これは、計測対象物104の概略あるいは正解形状が既知であり、三次元計測後の処理として、算出した三次元点群をもとにモデルフィッティング等を適用して計測対象物104の位置姿勢を推定する場合に用いることができる。この場合には、モデルフィッティング等の処理により三次元座標の偶然誤差の影響が軽減されるため、三次元計測においては偶然誤差をある程度許容することが可能である。そのため、系統誤差の最小化をより優先するようにαを定めることが望ましいと言える。本実施形態におけるパラメータαは情報処理装置100が定数として備えるものとする。
パターン生成部203は、主として処理部103が三次元座標算出モードで動作しているときに処理を行うが、生成したパターン光画像をユーザが確認する等の目的で計測パターン決定モードで動作しているときに処理を行ってもよい。パターン生成部203は、誤差予測部202が推定した破線周期nに対応する計測パターン画像を生成するとともに、投影部101に計測パターン画像を投影させる投影制御部としても機能する。
算出部204は、処理部103が三次元座標算出モードで動作しているときに処理を行う。パターン生成部203が生成した最適な破線周期の計測パターン光が投影部101によって計測対象物104上に投影され、その投影像が撮像部102によって撮像されると、画像入力部201によってその撮影画像が処理部103に取得される。算出部204は、この撮影画像から計測対象物104上の三次元座標を導出する。投影部101は破線の位相をずらしながら、1周期分の破線を構成する計測パターン光を計測対象物104上に投影するので、画像入力部201は破線の1周期分の撮影画像を入力する。算出部204は、[数4]によって撮影画像から内部散乱光成分を取り除き、直接反射光成分を得る。その後、算出部204は[数5]によって計測パターン光が観測された撮像部102の座標をサブピクセル値として求める。なお、本実施形態では、このサブピクセル値を高精度に得るために、2本の隣接する線分の交点によってエッジ位置を算出しているが、これに限られるものではない。誤差予測部202と同様に、計測線の中心を求め、これを撮像部102の座標としてもよい。算出部204は、投影部101の座標と撮像部102の座標とから三次元座標を算出する。三次元座標の算出処理については公知の技術であるため、説明を省略する。
以上のような構成を備えた本実施形態の処理部103の制御について、図7のフローチャートを参照してさらに説明する。図7は、第1実施形態の三次元形状計測装置の処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報処理装置100が起動されると、ステップS701において、初期化処理が行われる。ステップS701の初期化処理には、投影部101および撮像部102の起動や、装置の較正データなど各種パラメータを設定する処理などが含まれる。また、この時点で処理部103が計測パターン決定モードで動作するように設定される。
ステップS702において、処理部103は、投影部101より所定のパターン光である検査パターン光が投影された計測対象物104の撮影画像を取得する。すなわち、パターン生成部203が図2(b)のような検査パターン画像を生成し、投影部101は生成された検査パターン画像にしたがった検査パターン光を計測対象物104に投影する。すなわち、撮像部102は計測対象物104上に検査パターン光が投影された画像を撮像し、得られた撮影画像は画像入力部201によって処理部103内部に入力される。
ステップS703において、誤差予測部202は、検査パターン光の撮影画像から、上述した処理により三次元計測時の誤差量を予測し、適切な破線周期nを決定する。すなわち、まず、誤差予測部202は、ステップS702で取得された撮影画像における所定のパターン光(検査パターン光)の画像を用いて、複数種類の計測パターンに対応した複数の仮想画像(計測パターン仮想撮影画像)を生成する。本実施形態では、検査パターンPSF画像を用いて、[数2]により、複数種類の破線周期における計測パターンの仮想画像が取得される。その後、こうして得られた複数の仮想画像のおのおのについて、誤差予測部202は、三次元計測時に生じる誤差量(本実施形態では、偶然誤差σと系統誤差s)を予測する。誤差予測部202は、こうして予測された誤差量に基づいて、たとえば三次元座標の算出に用いる計測パターンを[数8]により算出される誤差評価値eが最小となる破線周期nを決定する。破線周期nが決定された後、処理部103の動作モードは三次元座標算出モードに変更される。
ステップS704において、パターン生成部203は決定された破線周期nの計測パターン画像を生成する。ステップS705において、投影部101は、計測パターン画像にしたがった計測パターン光を計測対象物104に投影し、撮像部102は計測対象物104上に計測パターン光が投影された画像を撮像する。撮影画像は画像入力部201によって処理部103内部に入力される。ステップS706において、算出部204は、ステップS705で得られた撮影画像中の計測パターンの画像から計測対象物104上の三次元座標を算出する。
以上述べたように、本実施形態によれば、たとえば半透明物体である計測対象物104の三次元座標を高精度に算出するためのパラメータ(すなわち計測パターン)が、検査パターンの投影画像に基づいて決定される。より具体的には、投影部101から検査パターン光を計測対象物上に投影し、撮像部102でその投影像を撮像する。誤差予測部202は検査パターン光の投影像から計測パターンの仮想像を生成し、三次元計測時の偶然誤差および系統誤差の予測値(σ、s)を算出する。パターン生成部203は、それら予測値をもとに適切な計測パターンを決定する。三次元座標算出モードで三次元計測を行う際には、パターン生成部203が、偶然誤差および系統誤差の予測値をもとに決定した適切な計測パターン光を投影する。これにより、偶然誤差および系統誤差の影響が最小化もしくは低減され、半透明物体の高精度な三次元座標を算出することが可能となる。
[変形例1]本実施形態における検査パターン画像は図2(b)の例に限られるものではない。例えば、図3(a)に示す計測パターン画像を検査パターン画像に替えることも可能である。その場合、図3(b)のように得られた撮影画像に対して、図3(a)の計測パターン画像を既知のカーネルとしてPSF推定を行うことによって、図2(d)のような検査パターンPSF画像を得ることができる。たとえば、計測パターン画像と撮影画像をそれぞれをフーリエ変換したものに対して、変換後の撮影画像を変換後の計測パターン画像で除算し、それを逆フーリエ変換することによって、検査パターンPSF画像が得られる。
[変形例2]上記実施形態では、[数8]に用いられるパラメータαは情報処理装置100が定数として備えるものとしたが、パラメータαをユーザに入力させるようにしてもよい。この場合、たとえば誤差予測値(σ,s)や誤差評価値eが算出されるごとにそれらの値をユーザに提示し、ユーザはその結果を受けて新たなαを入力できるように情報処理装置100を構成してもよい。このようにすることで、よりユーザの要望に合致した三次元計測を実現することが可能となる。さらに、パラメータαに代えて、ユーザが許容できる誤差評価値eあるいは系統誤差量sと偶然誤差量σを入力するようにしてもよい。この場合、誤差予測部202は、誤差評価値eや誤差予測値(σ,s)が入力された許容値(e、s、σ)を下回るように、破線周期nを決定するようにしてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態では、空間符号化による空間分割パターンと破線による計測パターン投影とを組み合わせ、半透明物体である計測対象物104上の三次元座標を高速かつ高精度に算出する構成を説明する。三次元計測に先立ち、計測パターン決定モードにて投影部101から検査パターン光を計測対象物104上に投影し、撮像部102はその投影像を撮像する。誤差予測部202は検査パターン光の投影像から三次元計測時に生じる偶然誤差および系統誤差の予測値を算出し、これらの予測値と、同時投影する破線の数と、計測に必要な投影パターン数とをもとに適切な計測パターンを決定する。計測対象物104の三次元計測を行う際には、上記のようにして決定された計測パターン光がパターン生成部203により投影される。これにより、計測に必要な投影パターン数と偶然誤差および系統誤差の影響とが最小化あるいは低減され、高精度な三次元座標を高速に算出することができる。第2実施形態の構成および処理の流れは第1実施形態と同様である。但し、第2実施形態では、誤差予測部202において、空間符号化による空間分割パターンと破線による計測パターン投影とを組み合わせた場合の誤差量を予測し、投影パターン数、偶然誤差および系統誤差との影響を最小化または低減する。また、パターン生成部203および算出部204についても、空間分割パターンと計測パターンとを組み合わせるように変更される。以下、第2実施形態について説明する。
図8に本実施形態における空間分割パターン画像の例を示す。図8に示すパターンP1からパターンP4までの画像はグレイコードと呼ばれるパターンである。投影部101によってこれらP1〜P4の4つのパターンが計測対象物104に順次投影され、撮像部102によって投影パターンに対応した画像が撮像される。これら4枚の画像での明暗は16通り(2の4乗)の組み合わせが存在し、投影部101が投影する空間全体を16の領域に分割した際、いずれの領域に属するかを決定することができる。これは撮影画像中の当該画素が投影部101のいずれの個所から照光されたかを特定することと等価である。たとえば、投影部101が128の解像度(画素)を持つとすると、これを16で割った8画素単位で領域が特定される。
撮影画像においては、パターン光が投影されることにより明部となった画素を1、暗部を0とし、パターンの投影順に並べることによって例えば1010のような二進数で表現される符号が形成される。この例の場合、符号「1010」は10進数で10と解釈される。一方、図8の空間分割パターンはグレイコードであるため、この符号を通常の数値に変換すると、10進数で12となる。すなわち、この例において当該領域は空間を1番目から16番目までの16の領域に分割したときの13番目を表す領域に属することとなる。この13番目の領域は、投影部101の画素において、同一のグレイコードを形成する場所によって定義される。例示した場合においては、パターンP1において明部、P2において暗部、P3において明部、P4において暗部を形成する、投影部101での画素である。
一方、撮影画像中で明暗の組み合わせを読み取るために、投影パターンP1〜P4に加えて、その反転パターンを用いることが広く行われている。反転パターンの例を図8のパターンN1〜N4に示す。パターンN1〜N4はパターンP1〜P4をそれぞれ反転させたものである。例えば投影部101はパターンP1とパターンN1とを計測対象物104に向けて投影し、撮像部102はそれぞれのパターンが投影された画像を撮像する。このときの画像をIP1(x,y)、IN1(x,y)とする(x,yは画像中での画素の位置を示す)。IP1(x,y)>IN1(x,y)を満たす画素については明部(すなわち1)の画素、そうでない画素については暗部(すなわち0)の画素とすることによって、明暗を判定することができる。この明暗判定の処理は、本実施形態においては算出部204によって行われる。
図9(a)に第2実施形態における計測パターン画像の例を示す。図8に示した空間分割パターンにより、投影部101が投影する空間は8画素幅で全16の領域に分割される。そのため、分割された各領域に1本だけ破線が含まれるように計測パターン画像を構成することによって、16本までの破線を同時に投影しても、個々の破線を一意に識別することが可能となる。第2実施形態において空間分割された各領域は8画素幅となるため、投影部101の横方向の画素すべてに破線を投影するためには、同時に投影した16本の破線を1画素ずつ横方向にシフトさせながら計測パターンを8回投影すればよいことになる。したがって、1つの破線の周期をnとすると、空間符号化で8枚(P1〜P4およびN1〜N4)、破線を1周期分縦にシフトさせるのにn枚、破線を横にシフトさせるのに8枚を要するため、合計で8+8×n枚の投影パターンを必要とする。一方、第1実施形態の構成では同じ密度の計測を行うために128×n枚の計測パターンを必要とする。このように必要となる撮影画像の枚数を減らすことができるので、第2実施形態では第1実施形態と比較して、大幅な高速化が実現される。
その一方で、図3(b)に示したように、半透明物体である計測対象物104に破線の計測パターン光を投影した場合には、計測対象物104の内部散乱により、元の計測パターン画像よりも非対称に広がった投影像が観測される。このとき、図9(a)のように破線の間隔が狭い場合には、破線による内部散乱の影響が互いに重なり合ってしまうため、系統誤差と偶然誤差が共に増大してしまう。そのため、高精度な三次元計測を実現するためには破線の間隔をなるべく広く取り、同時に投影する破線の数を抑制する必要が生じる。しかし、同時に投影する破線の数を減少させると、投影パターン数(必要な撮影画像の枚数)が増大するため、計測時間が長くなってしまう。すなわち、第2実施形態のように空間分割パターンと計測パターンとを組み合わせて計測を行う場合には、計測精度と投影枚数との間にもトレードオフが発生する。そこで、第2実施形態では、計測パターン決定モードにおいて、第1実施形態で示した破線周期nに加えて、最適な破線間隔mについても算出する。
誤差予測部202は、第1実施形態で用いた[数3]に替えて以下に示す[数9]によって計測パターン仮想撮影画像Ijm,n,pを算出する。この計測パターン仮想撮影画像は、検査パターン光の画像を用いて、第1の方向(たとえば垂直方向)に延びる破線周期nの破線が第1の方向に直交する第2の方向(たとえば水平方向)に破線間隔mで配置された計測パターンに対応した仮想画像となる。[数9]において、Mは同時に投影する破線の数(空間分割パターンによる空間分割数に等しい)を示す。
また、誤差評価値em,nについては、投影間隔に関する項を追加し、[数8]に代えて[数10]のように定義する。[数10]のcはパターンの投影数(必要とする空間分割パターンと計測パターンとの和)を表す。なお、誤差評価値の算出のための偶然誤差(σm,n)や系統誤差(sm,n)は、計測パターン仮想撮影画像Ijm,n,pのうちの一つの仮想画像を用いて算出すればよい。αは[数8]と同様である。βは、誤差と計測速度のどちらの影響をより重要視するかを決めるパラメータであり、0から1まで間の実数値を取る。βが0に近い場合には主として誤差量を小さくするような破線周期nと破線間隔mが選ばれる。βが1に近い場合には、計測速度を速くするような破線周期nと破線間隔mが選ばれる。誤差予測部202は誤差評価値em,nを算出し、この値を最小にする破線周期nおよび破線間隔mを求める。なお、パラメータα、βは情報処理装置100が定数として備える。
三次元座標算出モードにおいて、パターン生成部203は、誤差予測部202が推定した破線間隔m、破線周期nに対応するパターン光画像(空間分割パターン画像および計測パターン画像)を生成する。投影部101はパターン生成部203が生成したパターン光画像の計測パターン光を投影し、撮像部102はその計測パターン光が投影された計測対象物104を撮影する。算出部204は、投影部101が計測パターン光を計測対象物104に投影したときの撮影画像から、内部散乱光成分を除去し、三次元座標を算出する処理を行う。また、算出部204は、投影部101が空間分割パターン(図8)を投影したときの撮影画像から複数の破線を識別する処理についても合わせて行う。
[変形例1]上記第2実施形態では、[数10]のパラメータα、βを情報処理装置100が定数として備えるものとしたが、これに限られるものではない。第1実施形態のパラメータαと同様に、パラメータαやβをユーザに入力させるようにしてもよい。また、この場合、誤差予測値(σ,s)やパターン投影数c、誤差評価値em,nが算出されるごとにそれらの値をユーザに提示し、ユーザがその結果を受けて新たなα、βを入力できるように情報処理装置100を構成してもよい。このようにすることで、よりユーザの要望に合致した三次元計測を実現することが可能となる。
[変形例2]また、パラメータα、βに代えて、ユーザが許容できる誤差評価値eあるいは系統誤差量sと偶然誤差量σ、最大パターン投影数cやcから推計できる最大計測時間を入力するようにしてもよい。この場合、誤差予測部202は、誤差評価値em,nや誤差予測値(σm,n,sm,n)、パターン投影数cが入力された許容値を下回るように、破線周期nや破線間隔mを決定する。
以上のような第2実施形態の構成によれば、図8に示されるような空間符号化による空間分割パターンと破線による計測パターン投影とを組み合わせ、半透明物体である計測対象物104上の三次元座標を高速かつ高精度に算出することができる。第2実施形態では、計測パターン決定モードにおいて、誤差予測部202が検査パターン光の投影像から、複数の破線パターンを同時投影した場合の三次元計測時の偶然誤差および系統誤差の予測値を算出する。そして、誤差予測部202は、これらの予測値と、同時投影する破線の数に応じた計測に必要な投影パターン数とをもとに最適な計測パターンを決定する。三次元座標算出モードでは、決定された最適な計測パターン光が投影され、計測対象物104の三次元座標が計測される。これにより、計測に必要な投影パターン数と偶然誤差および系統誤差の影響とが最小化または低減され、高精度な三次元座標を高速に算出することが可能となる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、三次元座標算出モードにおいて複数の破線パターンを同時に投影し、半透明物体である計測対象物104上の三次元座標を高速かつ高精度に算出する。それに先立つ計測パターン決定モードにおいて、誤差予測部202は検査パターン光の投影像から三次元計測時の偶然誤差および系統誤差の予測値を算出する。そして、誤差予測部202は、これらの予測値と、同時投影する破線の数と、計測に必要な投影パターン数とをもとに最適な計測パターンを決定する。これにより、計測に必要な投影パターン数と偶然誤差および系統誤差の影響とが最小化または低減され、高精度な三次元座標を高速に算出することができる。第3実施形態の構成および処理の流れは第1実施形態と同様である。ただし、第3実施形態では、誤差予測部202において、破線による計測パターン光を複数同時に投影した場合の誤差量を予測し、投影パターン数、偶然誤差および系統誤差との影響を最小化または低減する。また、パターン生成部203および算出部204では、複数の破線パターンを投影し、三次元座標を算出する。
図9(b)は本実施形態における計測パターン画像の例を示す。第2実施形態と同様に複数の破線が同時に投影されるように構成されているが、第3実施形態では各破線の識別を、空間分割パターンによって行うのではなく、各破線の縦方向の位相が破線によって固有になるように設定することで行う。すなわち、内部散乱光を除去するための縦方向に破線を順次シフトさせる操作に関して、この投影順を破線ごとに異ならせることにより、破線の位相の違いによって各破線が識別される。
この位相の組み合わせの数は破線周期nに比例するため、破線周期nが大きいほど破線の識別能力が高くなり、同時に投影できる破線の数も増大し、必要な計測パターンの総数も減少する。しかしながら、破線周期nは内部散乱光の除去性能だけでなく、各破線の間隔にも影響を与える。そのため、第1実施形態とは異なり、系統誤差および偶然誤差のふるまいは破線周期nに対して単調増加あるいは単調減少ではなく、より複雑な関係を示すことになる。また、第2実施形態とは異なり、破線間隔mと破線周期nとは互いに独立ではなく依存関係を有する。
誤差予測部202は、第1実施形態の[数3]に替えて以下の[数11]によって計測パターン仮想撮影画像Ijm,n,pを算出する。[数11]は第2実施形態における[数9]と類似するが、破線パターンを定義する周期関数がlからl’へ置き換えられている。l’は[数12]によって定義される。なお、[数12]におけるφ(j,r,p,k)は、破線ごとの位相の違いを示す関数であり、番号rの投影順jによって破線の位相が特定される。
誤差評価値em,nを第2実施形態と同様に[数10]のように定義する。誤差予測部202は、[数10]にしたがって誤差評価値em,nを算出し、この値を最小にする破線周期nおよび破線間隔mを求める。
三次元座標算出モードにおいて、パターン生成部203は、誤差予測部202が推定した破線周期m、破線周期nに対応する計測パターン画像を生成する。このとき[数12]に基づき、破線ごとに投影順を変更した計測パターン画像を生成し、同一の計測パターン画像中で破線が一意に識別できるようにする。算出部204は、投影部101が計測パターン光を計測対象物104に投影したときの撮影画像から、内部散乱光成分を除去し、三次元座標を算出する処理を行う。またこのとき算出部204は、複数の破線の位相の違いから、これらを識別する処理についても合わせて行う。
以上のように、第3実施形態によれば、各々の位相の違いにより識別が可能な複数の破線パターンを同時に投影し、半透明物体である計測対象物104上の三次元座標を高速かつ高精度に算出することができる。第3実施形態では、計測パターン決定モードにいて、投影部101から検査パターン光を計測対象物104上に投影し、撮像部102はその投影像を撮像する。誤差予測部202は検査パターン光の投影像から、破線周期n、破線間隔m、位相φに応じた三次元計測時の偶然誤差および系統誤差の予測値を算出する。そして、誤差予測部202は、これらの予測値と、同時投影する破線の数と、計測に必要な投影パターン数とをもとに最適な計測パターンを決定する。これにより、計測に必要な投影パターン数と偶然誤差および系統誤差の影響とが最小化または低減され、高精度な三次元座標を高速に算出することが可能となる。
以上説明したように、第1〜第3実施形態によれば、半透明物体である計測対象の内部散乱等の影響を抑制し、計測精度を向上させる三次元計測装置および方法が提供される。
<他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100:情報処理装置、101:投影部、102:撮像部、103:処理部、104:計測対象物、201:画像入力部、202:誤差予測部、203:パターン生成部、204:算出部

Claims (14)

  1. 投影部から所定の破線周期で明部と暗部とを繰り返す破線状の計測パターン光投影された計測対象物を撮像部により撮影して得られる撮影画像に基づいて、前記計測対象物の三次元座標を計測する情報処理装置であって、
    前記投影部から輝点が投影された前記計測対象物を前記撮像部により撮影することにより、前記輝点の撮影画像を取得する取得手段と、
    前記撮影画像を用いて、破線周期が異なる破線状の数の計測パターンに対応した複数の仮想画像を生成する生成手段と、
    前記複数の仮想画像のおのおのに基づいて前記複数の計測パターン光のそれぞれの三次元計測時に生じる誤差量であって、前記計測対象物の内部散乱光に起因して三次元座標の計測値がずれる系統誤差と、三次元座標の計測時に偶発的に生じる偶然誤差とを含む前記誤差量を予測する予測手段と、
    前記予測手段により予測された前記誤差量に基づいて、三次元座標の計測に用いる前記計測パターン光の破線周期を決定する決定手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記取得手段は、前記投影の解像度における最小サイズの複数の輝点が、撮影画像において互いに重ならないように離間して配置されたパターンであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記生成手段は、前記複数輝点の画像のうちの、一つの輝点に対応した画像を用いて、前記複数の仮想画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記生成手段は、前記複数の輝点の間隔の前記投影部における画素の数と前記輝点の間隔の前記撮影画像における画素の数とに基づいて、前記一つの輝点に対応した画像を移動させ加算することにより、前記複数の計測パターン光に対応した前記複数の仮想画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記予測手段は、それぞれの仮想画像について内部散乱光成分を除去して得られる直接反射光成分の画像を用いて前記誤差量を予測することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記予測手段は、前記直接反射光成分の画像から得られる複数の特定位置に基づいて近似直線を取得し、前記近似直線に対する前記複数の特定位置のばらつきを求めることにより、前記偶然誤差量を得ることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記複数の特定位置は、前記計測パターンの仮想画像から得られる直接反射光成分の画像と、前記計測パターンに隣接する計測パターンの仮想画像から得られる直接反射光成分の画像との境界の位置を含むことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記複数の特定位置は、前記計測パターンの仮想画像から得られる直接反射光成分の画像を横断する方向の輝度分布における輝度ピークの位置を含むことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
  9. 前記予測手段は、前記直接反射光成分の画像の複数の特定位置に基づいて得られた近似直線間の距離に基づいて前記系統誤差量を算出することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  10. 前記生成手段は、前記輝点撮影画像を用いて、第1の方向に延びる破線周期nの破線が前記第1の方向に直交する第2の方向に破線間隔mで配置された計測パターンに対応した仮想画像を生成し、前記破線周期nと前記破線間隔mを異ならせることにより複数の仮想画像を生成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  11. 前記生成手段は、前記破線間隔mで配置された破線が互いに異なる位相を有する計測パターンに対応した仮想画像を生成することを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 更に、前記投影部に、前記決定手段により決定された計測パターンを前記計測対象物に投影させる投影制御手段と、
    前記計測パターンが投影された前記計測対象物を、前記撮像に撮像させる撮影制御手段と、
    前記撮影画像に基づいて、前記計測対象物の三次元座標を導出する導出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  13. 投影部から所定の破線周期で明部と暗部とを繰り返す破線状の計測パターン光投影された計測対象物を撮像部により撮影して得られる撮影画像に基づいて、前記計測対象物の三次元座標を計測する情報処理装置の制御方法であって、
    取得手段が、前記投影部から輝点が投影された前記計測対象物を前記撮像部により撮影することにより、前記輝点の撮影画像を取得する取得工程と、
    生成手段が、前記撮影画像を用いて、破線周期が異なる破線状の数の計測パターンに対応した複数の仮想画像を生成する生成工程と、
    予測手段が、前記複数の仮想画像のおのおのに基づいて前記複数の計測パターン光のそれぞれの三次元計測時に生じる誤差量であって、前記計測対象物の内部散乱項に起因して参事座標の計測値がずれる系統誤差と、三次元座標の計測時に偶発的に生じる風前後里を含む前記誤差量を予測する予測工程と、
    決定手段が、前記予測工程で予測された前記誤差量に基づいて、三次元座標の計測に用いる前記計測パターン光の破線周期を決定する決定工程と、を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  14. コンピュータを、請求項1乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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