JP6590407B2 - 新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法 - Google Patents

新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6590407B2
JP6590407B2 JP2016045850A JP2016045850A JP6590407B2 JP 6590407 B2 JP6590407 B2 JP 6590407B2 JP 2016045850 A JP2016045850 A JP 2016045850A JP 2016045850 A JP2016045850 A JP 2016045850A JP 6590407 B2 JP6590407 B2 JP 6590407B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
pyrrolobenzothiazine
compound
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016045850A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017160155A (ja
Inventor
清水 政男
政男 清水
功太郎 益田
功太郎 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2016045850A priority Critical patent/JP6590407B2/ja
Publication of JP2017160155A publication Critical patent/JP2017160155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6590407B2 publication Critical patent/JP6590407B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法に関するものである。
分子内に窒素−硫黄結合を有するスルフェンアミド化合物は、種々の機能性を持つことが報告されている(非特許文献1)。たとえば、ゴムの加硫化剤(特許文献1,2)、発芽前処理用除草剤(特許文献3)、殺菌剤(特許文献4)等が知られている。特に、環内に窒素−硫黄結合を有する複素環化合物の場合は、1,2−ベンゾイソチアゾリジン−3−オンの様に殺菌作用を有する化合物として有効であり(非特許文献2)、1,2−チアジン化合物は、メロキシカム、ピロキシカム、ロルノキシカム等のオキシカム系非ステロイド性抗炎症薬に見られるように重要な骨格に導くことができる重要な骨格である。
ピロロベンゾチアジン化合物は、分子内に窒素−硫黄結合を有する1,2−チアジン骨格を有する複素環化合物である。従来、ピロロベンゾチアジン化合物を製造する場合には、2−(2−エチルスルフィニルベンゾイル)ピロールを加熱により環化させて窒素−硫黄結合を形成して合成する方法が用いられている(非特許文献3)。しかしながら、この方法では反応に長時間を要しているにも係わらず反応率は低く、種々の異性体が生成してくる。また、報告されている誘導体も1種類だけである。
また、2−(2−ベンジルチオベンゾイル)ピロールとNCSやNBSの強力なハロゲン化剤を反応させて窒素−硫黄結合を形成する方法も報告されている(非特許文献4)。しかしながら、この方法ではハロゲン化剤の反応性が高いためにピロール環にもハロゲンが導入されてしまい、その結果さまざまな生成物の混合物としてのみ得られることが報告されている。
さらに、N-スルフェニルピロールの分子内環化を行い、ピロロベンゾチアジンを製造する方法があるが、ピロール環には置換基が無いものに限られている(非特許文献5、非特許文献6)。
このように、窒素−硫黄結合を形成するピロロベンゾチアジンの製造方法は特殊な置換基を有する誘導体に限られている場合が多く、種々の置換基を有するピロロベンゾチアジン化合物を製造する方法の開発が望まれてきた。
特開昭64−48831号公報 米国特許第2866777号 特開昭53−31643号公報 特開昭55−51053号公報
L. Craine and M. Raban, Chem. Rev., 89, 689 (1989). M. Davis, Adv. Heterocycl. Chem., 14, 43 (1972). D. K. Bates and K. A. Tafel, J. Org. Chem., 59, 8076 (1994). M. Xia, S. Chen, and D. K. Bates, J. Org. Chem., 61, 9289 (1996). 清水、加藤、安藤、小中原、日本プロセス化学会サマーシンポジウム2013講演予稿集、1P-12 (2013). 清水、益田、田中、安藤、坂井、第45回複素環化学討論会講演予稿集、2P-24 (2015).
本発明の課題は、新規なピロロベンゾチアジン化合物を提供することであり、工業的に有利なこれらの製造方法を提供することである。
一般に、ピロール基は電子豊富な複素環化合物として知られており、求電子試薬と容易に反応することが知られている。例えばルイス酸存在下アシル化合物と反応してアシルピロール類が得られる。ところが、窒素上にスルフェニル基を有するN−スルフェニルピロール類は、合成例が少なくその反応性もあまり報告例が無い。同様にピロロベンゾチアジン類も反応性は全く解明されていない化合物である。そこで、本発明者は、ピロロベンゾチアジン類に対して、求電子試薬を反応させることで、ピロール環上に様々な置換基を有するピロロベンゾチアジンが合成できることを見いだし、本発明は当該知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明者らは、ピロロベンゾチアジンに対して、酸存在下でオレフィン類あるいはアルコール類を反応させると、窒素−硫黄結合はこのような反応条件においても切断することはなく、ピロール環上で芳香族置換反応が進行して置換基を有するピロロベンゾチアジン化合物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物。
Figure 0006590407
(式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
(2)下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表されるピロロベンゾチアジン化合物に対し下記一般式(C)で表されるオレフィン類を反応させることにより製造する下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物の製造方法。
Figure 0006590407
(式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
Figure 0006590407
(式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。)
Figure 0006590407
(式中、R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
(3)下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表されるピロロベンゾチアジン化合物に対し下記一般式(D)で表されるアルコール類を反応させることにより製造する下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物の製造方法。
Figure 0006590407
(式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
Figure 0006590407
(式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。)
Figure 0006590407
(式中、R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
(4)上記(2)、(3)のいずれか1項のピロロベンゾチアジン化合物製造において、酸を用いることを特徴とするピロロベンゾチアジン化合物の製造方法。
本発明で得られるピロロベンゾチアジン化合物は、抗菌剤、殺菌剤、除草剤として用いることができる。
本発明のピロロベンゾチアジン化合物の製造方法は、ピロロベンゾチアジン化合物のピロール環にオレフィン類あるいはアルコール類を反応させてピロール部位に置換基を導く製造方法であり、従来に無い全く新しい製造方法である。
本発明の目的化合物であるピロロベンゾチアジン化合物は、以下の一般式(A)により示される化合物である。
Figure 0006590407
(式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
上記一般式(A)の置換基は、以下の通りである。
1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。
1〜R4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
1〜R4のアルコキシル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
1〜R4のハロゲン原子の具体例としては、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素が挙げられる。
また、R1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい、とは、それぞれの置換基が連結して環状構造を成していることを示し、その結果、芳香族基としては具体例としてナフチル基、テトラヒドロナフチル基が挙げられる。
5〜R7のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
5〜R8のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基(o−、m−、p−がある)、キシリル基(2,3−、2,4−、2,5−、3,4−、3,5−がある)、アニシル基(o−、m−、p−がある)、クロロフェニル基(o−、m−、p−がある)、ブロモフェニル基(o−、m−、p−がある)、ニトロフェニル基(o−、m−、p−がある)、ナフチル基(α−、β−がある)等が挙げられる。
本発明の出発物質であるピロロベンゾチアジン化合物は、以下の一般式(B)により示される化合物である。
Figure 0006590407
(式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。)
上記一般式(B)の置換基は、上記一般式(A)の場合と同様である。
本発明のもう一つの出発原料であるオレフィン類あるいはアルコール類は、以下の一般式(C)あるいは一般式(D)で表される化合物である。
Figure 0006590407
(式中、R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
Figure 0006590407
(式中、R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
上記一般式(C)および一般式(D)の置換基は、以下の通りである。
5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。
5〜R8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
5〜R8のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基(o−、m−、p−がある)、キシリル基(2,3−、2,4−、2,5−、3,4−、3,5−がある)、アニシル基(o−、m−、p−がある)、クロロフェニル基(o−、m−、p−がある)、ブロモフェニル基(o−、m−、p−がある)、ニトロフェニル基(o−、m−、p−がある)、ナフチル基(α−、β−がある)等が挙げられる。
上記原料物質である化合物(B)は公知物質である。その製造法の一例を挙げれば、下記一般式(E)で示される酸塩化物をルイス酸存在下で環化反応をすることにより製造することができる。
Figure 0006590407
(式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。)
もう一方の原料物質であるオレフィン類あるいはアルコール類は、市販の化合物である。
本発明の製造方法を、ピロロ[1,2]ベンゾチアジン−10−オン(b)(一般式(B)においてR1〜R4=H)を酸存在下、α−メチルスチレン(c)(一般式(C)において、R5=Me、R6=Ph、R7=R8=H)あるいは2−フェニルプロパン−2−オール(d)(一般式(D)において、R5=Me、R6=Ph、R7=R8=H)と反応させ、3−(2−フェニルプロパン−2−イル)−ピロロ[1,2]ベンゾチアジン−10−オン(a)(一般式(A)においてR1〜R4=H、R5=Me、R6=Ph、R7=R8=H)を合成する場合を例にとり説明する。
Figure 0006590407
上記式に示したように、本発明の製造方法における反応は、酸により活性なカチオン種が生成し、これに電子豊富なピロール環の2位が攻撃することによりピロロベンゾチアジン化合物が生成するものである。この反応からみて、一般式(B)において置換基がR1〜R4=Hである化合物(b)だけでなく、R1〜R4が炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子である化合物についても、同様な反応性を示し、一般式(A)の化合物が得られることは明らかである。
本発明によるオレフィン類あるいはアルコール類の使用量(仕込み量)は、式(B)で表されるピロロベンゾチアジン化合物に対してモル比で、通常1倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上であり、通常5倍以下、好ましくは4倍以下、より好ましくは3倍以下である。上記範囲内であると、より収率よくピロロベンゾチアジン化合物を製造することができる。
本発明によるピロロベンゾチアジン化合物の製造は、酸の存在下に行なわれる。酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸等が使用される。また、アンバーリスト、モンモリロナイト等の固体酸が使用される。これらのうち、p−トルエンスルホン酸が特に好ましい。
本発明による酸の使用量(仕込み量)は、式(B)で表されるピロロベンゾチアジン化合物に対してモル比で、通常0.2倍以上、好ましくは0.5倍以上、より好ましくは0.75倍以上であり、通常3倍以下、好ましくは2倍以下、より好ましくは1倍以下である。上記範囲内であると、より収率よくピロロベンゾチアジン化合物を製造することができる。
上記製造方法は、好ましくは反応溶媒の存在下で実施される。溶媒としてはトルエン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ニトロベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル等の有機溶媒が用いられる。これらの溶媒は単独で、または混合溶媒の形で使用される。
上記環化反応における反応温度は、40℃〜150℃付近の温度とすることができる。この温度範囲未満の反応温度では、反応時間が遅くなる。この温度範囲を超えて高すぎる条件下に反応させると、異常な分解反応や副反応が多くなる。上記温度範囲は、60℃〜100℃の範囲であると、さらに好ましい。
反応時間は反応温度により左右され、一概に定めることはできないが、通常は2〜6時間で十分である。
本発明で得られるカルボキシル基を有するピロロベンゾチアジン化合物の具体例としては、以下の化学式(1)から(2)で示される化合物を例示することができる。これらの化合物は、以下に記載する実施例により得られる化合物である。
Figure 0006590407
本発明で得られるピロロベンゾチアジン化合物は、新規化合物であり、窒素−硫黄結合を有するスルフェンアミド構造を有することにより、殺菌剤として有効なものであり、その他、ゴムの加硫化剤、除草剤として有用な化合物である。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明で得られる化合物は、この実施例に挙げた化合物に限定されるものではない。
下記実施例において得られたピロロベンゾチアジン化合物は、各種スペクトルの結果を主要な判定基準として同定した。
また、製造された化合物(1)から(2)は、前記で示した化合物(1)から(2)に対応するもので、その物性値としては、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR,13C−NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)の順にそれぞれ記した。
実施例1
内容積100mlのガラス製容器中にピロロ[1,2−b][1,2]ベンゾチアジン−10−オン(60mg,0.3mmol)をトルエン(20ml)に溶解させ、α−メチルスチレン(0.6mmol)を加えた後、p−トルエンスルホン酸(0.2mmol)を加え、80℃で6時間加熱攪拌した。反応終了後、トリエチルアミンを加えて塩基性にし、溶媒を減圧下留去させた。粗生成物を、ヘキサン−酢酸エチルを溶出液とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製して目的化合物(1)である3−(2−フェニルプロパン−2−イル)−ピロロ[1,2−b][1,2]ベンゾチアジン−10−オンを収率24%で得た。

1H NMR (CDCl3) δ1.81 (6H, s), 6.70 (1H, d, J=4.1 Hz), 7.05 (1H, dd, J=7.8, 1.1 Hz), 7.28-7.23 (3H, m), 7.36-7.31 (3H, m), 7.43 (1H, td, J=7.8, 1.1 Hz), 7.55 (1H, d, J=4.1 Hz), 8.43 (1H, dd, J=7.8, 1.1 Hz).
13C NMR (CDCl3) δ28.8, 40.4, 110.8, 116.6, 121.1, 126.2, 126.4, 126.9, 127.1, 128.9, 129.5, 131.7, 133.0, 136.5, 145.1, 147.7, 172.4.
IR (KBr) νmax 3059, 2972, 1630, 1478, 1336, 737, 701 cm-1.
実施例2
実施例1において、α−メチルスチレンの代わりにスチレンを用いて同様な反応を行い、目的化合物(2)である3−(1−フェニルエチル)−ピロロ[1,2−b][1,2]ベンゾチアジン−10−オンを収率7%で得た。

1H NMR (CDCl3) δ1.73 (3H, d, J=6.9 Hz), 4.22 (1H, q, J=6.9 Hz), 6.63 (1H, d, J=4.1 Hz), 7.27-7.20 (4H, m), 7.37-7.32 (3H, m), 7.49 (1H, td, J=7.8, 1.4 Hz), 7.56 (1H, d, J=4.1 Hz), 8.48 (1H, dd, J=8.2, 1.4 Hz).
13C NMR (CDCl3) δ22.2, 38.3, 110.6, 116.7, 121.2, 126.4, 127.0, 127.4, 127.4, 128.9, 129.2, 131.4, 131.8, 135.5, 142.2, 142.9, 172.0.
IR (KBr) νmax 3057, 2969, 1630, 1474, 1340, 736, 699 cm-1.
実施例3
実施例1において、α−メチルスチレンの代わりに2−フェニル−2−プロパノールを用いて同様な反応を行い、目的化合物(1)である3−(2−フェニルプロパン−2−イル)−ピロロ[1,2−b][1,2]ベンゾチアジン−10−オンを収率12%で得た。
本発明で得られるピロロベンゾチアジン化合物は、抗菌剤、殺菌剤、除草剤として利用することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物。
    Figure 0006590407
    (式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
  2. 下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表されるピロロベンゾチアジン化合物に対し下記一般式(C)で表されるオレフィン類を反応させることにより製造する下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物の製造方法。
    Figure 0006590407
    (式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
    Figure 0006590407
    (式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。)
    Figure 0006590407
    (式中、R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
  3. 下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表されるピロロベンゾチアジン化合物に対し下記一般式(D)で表されるアルコール類を反応させることにより製造する下記一般式(A)で表されるピロロベンゾチアジン化合物の製造方法。
    Figure 0006590407
    (式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
    Figure 0006590407
    (式中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基から選ばれる基又は原子を表す。ただしR1とR2、R2とR3、あるいはR3とR4は連結して互いに環を成してもよい。)
    Figure 0006590407
    (式中、R5〜R8は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基から選ばれる基又は原子を表す。)
  4. 請求項2ならびに請求項3のいずれか1項のピロロベンゾチアジン化合物製造において、酸を用いることを特徴とするピロロベンゾチアジン化合物の製造方法。
JP2016045850A 2016-03-09 2016-03-09 新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法 Active JP6590407B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016045850A JP6590407B2 (ja) 2016-03-09 2016-03-09 新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016045850A JP6590407B2 (ja) 2016-03-09 2016-03-09 新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017160155A JP2017160155A (ja) 2017-09-14
JP6590407B2 true JP6590407B2 (ja) 2019-10-16

Family

ID=59853493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016045850A Active JP6590407B2 (ja) 2016-03-09 2016-03-09 新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6590407B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017160155A (ja) 2017-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1767538B1 (en) Process for producing 1-oxacephalosporin-7alpha-methoxy-3-chloromethyl derivative
BRPI0721218A2 (pt) processo para a oxidação de determinadas sulfiliminas substituìdas para sulfoximinas inseticidas
TWI695824B (zh) 製備3-氯-2-乙烯基苯基磺酸酯之方法
EP2424848B1 (en) Process for the preparation of [4-(2-chloro-4-methoxy-5-methylphenyl)-5-methyl-thiazol-2-yl]-[2-cyclopropyl-1-(3-fluoro-4-methylphenyl)-ethyl]-amine
Moradi et al. One‐Pot Synthesis of Novel Pyrrolo [1, 2‐a] quinoxaline‐4 (5H)‐ones Using Benzene‐1, 2‐diamine, Acetylenedicarboxylates, and β‐Nitrostyrene Derivatives
Borah et al. Synthesis of anti-2, 3-dihydro-1, 2, 3-trisubstituted-1 H-naphth [1, 2-e][1, 3] oxazine derivatives via multicomponent approach
JP5008404B2 (ja) メチレンジスルホネート化合物の製造方法
JP6590407B2 (ja) 新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法
Zhang et al. Copper (I)‐Catalyzed Intramolecular N‐N Coupling of Cyclopropyl O‐Acyl Ketoximes: Synthesis of Spiro‐fused Pyrazolin‐5‐ones
JP6590406B2 (ja) 新規なピロロベンゾチアジン化合物とその製造方法
JP6650083B2 (ja) インドロベンゾチアジン化合物とその製造方法
JP4161367B2 (ja) 5−置換オキサゾール化合物および5−置換イミダゾール化合物の製造方法
JP5033933B2 (ja) N−置換−2−アミノ−4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)−2−ブテン酸の製造法
JP4963970B2 (ja) メチレンジスルホネート化合物の製造方法
JP2020537680A (ja) 除草性ピリダジノン化合物を製造するプロセス
JP4531610B2 (ja) クロコン酸またはその塩の製造方法
JP3896456B2 (ja) スルフェンアミド化合物の製造方法
KR102477316B1 (ko) 2-(2-디아조늄-6-치환된 페닐)에탄올 염의 폐환에 의한 4-치환된 2,3-디하이드로-1-벤조푸란 유도체의 제조 방법
JP4853911B2 (ja) イソチアゾロピリジン−3−オン化合物の製造方法
RU2575174C1 (ru) СПОСОБ ПОЛУЧЕНИЯ ПРОИЗВОДНЫХ 5,6-ДИГИДРОПИРРОЛО[2,1-a]ИЗОХИНОЛИНОВ, СОДЕРЖАЩИХ В ПОЛОЖЕНИИ 2 ФУНКЦИОНАЛЬНУЮ ГРУППУ
JP2004196730A (ja) 新規なn−スルフェニルピロール化合物およびその製造方法
KR101881918B1 (ko) 아실설폰아마이드 유도체의 새로운 제조방법
JP2012140380A (ja) 2−アルコキシ置換ベンゾオキサチイン化合物の製造方法
JP4006520B2 (ja) スルフェンアミド化合物の製造方法
JP3896450B2 (ja) N−置換あるいはn,n−ジ置換スルフェンアミド化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6590407

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250