JP6590252B2 - 露光装置 - Google Patents
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Description
また、一方で、上記のようなフォトレジストによるパターン形成工程を用いずに、波長200nm以下の真空紫外光(以下、VUV光ともいう)とマスクを用いて、基板(ワーク)の表面に親水性の部分と疎水性の部分を形成し、パターンを形成する技術が開発されている。特開2014‐235965号公報(特許文献1)がその一例である。
光源部51は、ランプハウス511内に収容されたVUV光を出射する光源ランプ(フラッシュランプ)512と、これを囲む反射ミラー513とを有し、下方には石英窓部514が設けられている。
光源部51の下方のマスク収容部52にはマスク521が配置されていて、その下方の処理部53にはワークステージ531が設けられて、その上部に基板(ワーク)Wが載置されている。
このような装置においては、光源ランプ512からのVUV光は、反射ミラー513によって反射されて平行光となり石英窓部514およびマスク521を介してワークWに照射される。
これらのインテグレータやコリメータレンズなどの光学系は、光源部から放射されワークに照射される光が進行する光路上にあるので、これらもマスク収容部内に収容されることになる。
即ち、図4の例では、光源部51やマスク収容部52内を真空雰囲気あるいはN2ガスなどの不活性ガス雰囲気に維持しなければならないという問題がある。
パターンの高精細化に伴い光強度を向上させようとすれば、光源、集光光学系、それを内蔵する筐体を含め、装置全体を大きくしなければならず、VUV光を使用した従来技術による露光装置では、大掛かりな排気設備、ガス置換設備、気密構造を用意しなければならない。
また、前記被処理物に親水部と疎水部を作成することにより、パターンを形成することを特徴とする。
また、前記処理部には、オゾン供給口とオゾン排出口を有し、前記マスクと前記ステージの間にオゾンが流れていることを特徴とする。
また、前記光源部は、254nmを主波長とする紫外光を放射する高圧水銀ランプを有することを特徴とする。
これにより、マスクの透過口を通過したDUV光が照射されている部分のみに選択的かつ局所的に活性酸素を発生させることができるので、基板(ワーク)は、DUV光が照射された部分の表面のみが親水化される。
また、マスク、光学部品はDUV光を透過する安価な材料でよく、費用面で有利な露光装置を提供することができる。
光源部2は、ランプハウス21内に配置された光源ランプ22と、これを取り囲む反射ミラー23とからなる。
そして、マスク収容部3には下方にマスク31が配置されている。なお、光源部2とマスク収容部3とは、別体構造として示されているが、一体構造であってもよい。ただ、別体構造としておくことにより、ランプ交換やマスク交換に便利であるという利点がある。
マスク収容部3の下方に設けられた処理部4内には、ワークステージ41が設けられていて、その上部には被処理物である基板(ワーク)Wが載置されている。
このとき、ランプ22から出射される紫外光が、200nm未満がカットされた、200〜300nmの波長の光であることから、酸素による吸収を考慮する必要がないので、冷却風は空気であってよい。
そして、この処理部4には、オゾン供給口42とオゾン排出口43が設けられていて、この供給口42から処理部4内にオゾンもしくはオゾンを含む気体が供給され、前記マスク31と前記ワークステージ41の間にオゾンが流れていて、基板(ワーク)Wの周辺はオゾン雰囲気とされている。
マスク31と基板Wとは、所定の間隙Sを有して対向配置されており、当該間隙(露光ギャップ)Sは、1〜100μm程度である。
また、ワークステージ41には、基板Wの位置を調整できる機構が設けられており、露光ギャップを調整することができる。このような調整機構は、マスク31を載置する側に設けられていてもよい。
その場合、反射ミラー23を楕円鏡として、その第一焦点にランプ22の発光部を位置させ、第二焦点にインテグレータレンズを配置し、そのインテグレータからの光をコリメータレンズで平行光にしてマスク31を介してワークWに照射する構成とされる。こうした集光光学系とすることで、ワークWに照射されるDUV光の照度分布に均一性が得られる。
これらの光学系は、DUV光が透過する材質であればよく、例えば、溶融石英を使用することができる。
その後、基板に2μLの純水を滴下し、水滴と基板表面との接触角を測定することにより、表面の改質度合を評価した。なおここで、ブランクマスクとは、パターンを形成する前のマスクのことである。
露光した基板は、COP(シクロオレフィンポリマー)である。
(1)VUV光(従来技術)
光源:ショートアークフラッシュランプ
照射条件:650V、15Hz、20μF(63W:ランプ入力平均エネルギー)、600秒、
光源〜ブランクマスクまでの窒素ガス置換流量:25L/m
露光ギャップ:20μm
ブランクマスク:合成石英ガラス板
ブランクマスクとは、パターンを形成していないマスク、つまり単なるガラス板である。
(2)DUV光+オゾン(本発明)
光源:水銀とXeとを封入した放電ランプ
極間2mm、封入水銀密度21mg/cc、封入ガスXe、1気圧。
250nm付近の光を透過する石英材料を用いた発光管を使用。
照射条件:250W用水銀ランプを600秒点灯
露光ギャップ:20μm
ブランクマスク:合成石英ガラス板
露光面での照度:23mW/cm2
照度計:UIT−250(ウシオ電機株式会社製)
受光器:UVD−S254(ウシオ電機株式会社製)
オゾン濃度:1100ppm
オゾン流量:0.14L/m
(3)DUV光のみ(比較例)
光源部は本発明(2)と同一。
処理部内に大気を0.14L/mで連続的に流入。オゾン供給なし。
従来技術(■)では、露光前に100°程度の接触角度が、露光後には10°程度にまで減少し、基板表面の親水性が向上している。
本発明(●)では、露光後に40°程度にまで減少していることが分かる。この接触角が得られれば、実用上で従来技術と同程度のパターン形成ができるものである。
このように本発明は、従来のVUV光を使用する露光装置と対比して、DUV光が通過する経路全体を真空に保持したり、窒素ガスなどの不活性ガスに置換したりするなどの大掛かりな設備を設ける必要がなく、大幅に構造を簡略化できるにも関わらず、VUV光を用いる露光装置と同様に、基板上に親水性と疎水性のパターンを形成することができるものである。
2 光源部
21 ランプハウス
22 光源ランプ
23 反射ミラー
3 マスク収納部
31 マスク
4 処理部
41 ワークステージ
42 オゾン供給口
43 オゾン排出口
W 基板(ワーク)
S 露光ギャップ
Claims (3)
- 200nm未満の波長をカットし、200〜300nmの波長の光を含む紫外光を平行光として出射する光源部と、
パターンが形成されたマスクと、
被処理物を載置するステージを有する処理部と、を備え、
前記処理部においては、前記マスクと前記ステージの間がオゾン雰囲気とされており、
前記光源部からの紫外光が前記マスクを介して前記ステージ上の被処理物に照射され、
当該被処理物に親水部と疎水部を作成することにより、パターンを形成することを特徴とする露光装置。 - 前記処理部には、オゾン供給口とオゾン排出口を有し、前記マスクと前記ステージの間にオゾンが流れていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記光源部は、254nmを主波長とする紫外光を放射する高圧水銀ランプを有することを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
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