JP6590222B2 - 一回分パッケージ、システム、及び一回分パッケージを用いて液状製品を用意する方法 - Google Patents

一回分パッケージ、システム、及び一回分パッケージを用いて液状製品を用意する方法 Download PDF

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Description

本願発明は、液状製品を用意するための一回分パッケージに関する。本願発明の少なくとも幾つかの実施形態は、例えば、エスプレッソコーヒー等の芳香性飲料を用意するための一回分パッケージに関する。
本願発明は、更に、異なる液状製品に適した一回分パッケージのシステム、及び該システムを用いて、液状製品、特に、エスプレッソコーヒー等の芳香性飲料を用意する方法に関する。
相当に固いカプセルまたは相当に柔らかいポッドの形状を有する一回分パッケージ内の各食用前駆物質を提供することにより、芳香性飲料を含む液状製品を用意することが知られている。
特許文献1及び特許文献2は、食用物質を収容するための容積を共に規定し、かつ、上記容積の正反対の面に配置された入側から出側に向かって流れる圧流が横断する様に構成された蓋部分及び各容器部分の形状を有する包装構造の、上述したタイプの一回分パッケージを開示する。
特許文献3及び特許文献4は、上記容積を、上側の空きスペース及び少なくとも1つの食用前駆物質のための下側の区画に分離する様に配置された、柔らかいまたは固い内部整流(流量配分)要素を有する上記タイプの一回分パッケージを開示する。上記整流要素は、上記容積内の所定の位置に設けられ、これにより、食用物質の解放された部分を閉じ込めて、食用物質が少量の場合にその流出を防ぐ。そのために、上記整流要素は、各抽出装置内に配置される時に上流の流体に面する傾斜面を有することとなる。更に、上記整流要素は、加圧された流体を均等に分配し、かつ、上面上での食用物質の下方向への流速を抑制するための複数の流通路を提供する。特に、特許文献4は、主壁(ベースウォール)及びカバー蓋から少し離れた位置において、側壁及び肩要素との間で、同時に固定的な係合状態を維持する整流要素を開示する。
特許文献5は、物質を閉じ込めることなく、物質が非水和状態でありかつ圧縮されて敷き詰められた状態を維持することができる様に、上記整流要素が、上記容積内の所定の位置に配置される点においてのみ、その先行技術と異なる一回分パッケージを開示する。更に、特許文献5は、かかる構成により、上記整流要素が、中空体を横断する様に設けられ、該中空体の内側かつ噴射壁面から少し離れた位置に溶接されたカプセルを製造する方法を開示する。
上述した様に、先行技術は、上記パッケージの断面を完全に横切る整流機能を備え、かつ、1つの位置において、物質を下に閉じ込めるまたは圧縮する様に設けられた要素を有する。特に、非圧縮型の粒状の食用物質の場合、注入(いわゆる乾燥状態)よりも先に食用物質を閉じ込め、かつ、食用物質を収容する室に加圧された流体を注入する時に圧縮を行うことにより、一般的な飲料の抽出効率が高いという効果が得られるであろう。更に、食用物質の異なる種類、及びこれらにより製造される各液状製品の種類に応じて、所与の容積内における上記一連の条件を調節可能とすることが望ましい。
従って、本願発明の目的は、一回分パッケージ内の流体を簡易かつ効率的に分配すると共に、上記一回分パッケージ内に収容された食用物質の効率的な閉じ込め(密封)及び圧縮を可能とすることである。
加えて、本願発明の更なる目的は、システムの製造及び組立てを含む技術的かつ経済的な観点から、より高効率的に異なる液状製品を用意可能なシステムを提供することである。
国際公開第2010/115970 A1号 国際公開第2010/139575 A1号 英国特許第899055号明細書 欧州特許第1344722 B1号明細書 欧州特許第1784344 B1号明細書
本願発明の目的は、特定の飲料を用意する要求に応じて、乾燥状態にある時には閉じ込めを行い、加圧された流体による作動時、すなわち、少なくとも最初に若しくは部分的に湿潤状態にある時には閉じ込め及び/または圧縮を行うことができる様に、下の食用物質との間で相互作用を有して配置される円盤(ディスク)状の整流要素を有する、例えばカプセル等の一回分パッケージを提供することである。
上記目的は、本願発明により、独立項1に係る一回分パッケージを手段として達成される。また、好適な実施形態は、以降、独立項1の各従属項において開示される。
請求項1によれば、中に整流要素が配置される容積を共に規定する上壁、側壁、及び主壁を有する、液状製品を用意するための一回分パッケージが提供される。上記整流要素は、凡そ、間隔の空いた複数の流通路を有する全周性の円盤状要素の形態により提供される。これにより、上記整流要素は、上記容積を、上記整流要素により分配されるべき流体を収容するための、上記上壁に隣接する第1空間、及び、流出後に上記整流要素により分配される流体により抽出されるべき少なくとも1つの物質を収容するための第2区画領域に分離する。これにより、上記整流要素は、上記整流要素上の上記第1空間内に生じる所定の液体圧に依存して、ピストンの様に、上記側壁を基準に上記側壁に沿って異なる位置に移動可能な様に保持される外周部を提供する。
好適な実施形態によれば、上記整流要素は、初期位置から第2の固定位置に向かう自然な流れ方向に沿って下流側に動かされる。この場合、上記整流要素の周辺部は、少なくとも、上記主壁に対して第1の距離を有する上記側壁の領域内において、好適には、上記主壁に対してより短距離な上記側壁の領域内において、移動可能に保持される様に構成される。かかる構成は、好適には、上記周辺部の少なくとも一部及び上記側壁の間における圧入相互作用、少なくとも液密を手段として実現され、これにより、好適には、第2空間内に収容された上記物質を圧縮することなく、閉じ込める。更に、上記周辺部は、上記側壁が、上記主壁に対してより短距離な第2の位置にある時に、該側壁に沿って固定的に保持される様に構成され、これにより、上記第2空間内に、上記物質を閉じ込める、及び/または、少なくとも部分的に圧縮する。特に、上記物質が、粒状性質を有し、かつ、実質的に非圧縮状態にある場合には、本当に必要な時、すなわち、上記一回分パッケージへの圧流注入とほぼ同時に、上記物質を最初に閉じ込め、隔離し、圧縮する可能性が向上する。
関連する目的によれば、上記一回分パッケージ及びその整流要素は、上述の動作を実行するために、簡易、すなわち、製造要件が緩和され、かつ、効果的な手段を有する。
別の好適な実施形態によれば、上記周辺部は、好適には、肩部突子または類似形状物を形成する様に構成された係止部を有する。肩部突子または類似形状物は、上記整流要素の外側延長部分の少なくとも一部に沿って延在し、好適には、上記周辺部の残部と比較して、延長部分の少なくとも一部に沿ってより厚くなる。これにより、少なくとも、上記主壁に対して上記距離を有する領域内において、移動可能な圧入方法により、上記側壁との間で相互作用が実現される。
更に、上記整流要素の周辺部は、上記周辺部の少なくとも一部の支え、好適には、側方係止部の下流面により、上記側壁の内側に設けられた複数の保持要素上において、上記第2の距離に保持される様に構成されるものとしてもよい。更に好適には、上記周辺部は、更に、周囲と係合して延長する場合、上記保持要素と係合する、好適には、ぴったり嵌合する様に構成される。
別の好適な側面によれば、上記保持要素は、上記整流要素の周辺部の少なくとも一部に係合する様に構成された、上記一回分パッケージの側壁の内面上に、突起部分として構成される。これにより、上記保持要素の各々は、好適には、上記側壁の内面の内周長に沿って、均等に配設されることとなる。
別の好適な側面によれば、上記整流要素の周辺部は、上記整流要素の中心部から張り出し、好適には、結果として空洞が上流方向を向く様に、上流方向または下流方向に向いて設けられる。
他の好適な実施形態によれば、上記物質の上、すなわち、上記整流要素の上に生じる流体圧力の機能を含む、上記物質の第1または第2の圧縮段階における解決手段を提供することができる。
上記解決手段は、上流の流体圧力の下で、伸縮性または弾塑性の変形による偏位が可能な様に構成され、好適には、上記周辺部近傍にあり、かつ、下流方向に偏位する構成または溝状の構成を採る湾曲部を有する整流要素により達成することができる。これにより、上記中心部の少なくとも一部が偏位し、その結果、上記中心部の高さが伸長してより高くなり、その結果、好適には、上記第2空間内に収容された上記物質を圧縮する。
別の好適な側面によれば、上記整流要素は、上記中心部内に、好適には、上記周辺部及び湾曲部の間の領域内にも、流通路を提供し、これにより、各流通路の数、分布状態、及びサイズが、上記第1空間内に生じる流体圧力、及び上記第2空間内の物質の種類を含むパラメータの機能として、定義される。
好適な実施形態によれば、上記整流要素は、その中心部が、均一な厚さを有する複合材料により構成される。
他の好適な実施形態によれば、上記整流要素は、該整流要素を上記第1の位置から上記第2の位置へ移動させるのに必要な流体圧力が、上記中心部の少なくとも一部を、上記整流要素の残部に対して偏位させるのに必要な流体圧力と異なる様に、配置される。
更に別の好適な実施形態によれば、上記一回分パッケージは、好適には、上記上壁を有する蓋部分、並びに、上記側壁及び上記主壁を有する容器部分を有する1つの部品または複数の部品により構成される。
既に上述した様に、本願発明の別の目的は、異なる用意パラメータに応じて、異なる種類の液状製品を製造することのできる一回分パッケージのシステムを、パッケージ自体に最小限の変更を加えるだけで、提供することである。
上記目的は、独立項9に係る一回分パッケージのシステムを手段として達成される。また、好適な実施形態は、独立項9の各従属項において開示される。
請求項9によれば、使い捨てパッケージに対して加圧された流体を供給する様に構成された少なくとも1つの抽出装置を有する少なくとも1つの機構を備え、かつ、少なくとも2つの使い捨てパッケージ、特に、本願発明に係る使い捨てパッケージを備える、液状製品を用意するためのシステムが提供される。これにより、各々の集合体(グループ)が、少なくとも1つの使い捨てパッケージ、好ましくは複数の使い捨てパッケージを有する、異なる使い捨てパッケージの少なくとも2つの集合体が、提供される。これにより、上記異なる集合体内の使い捨てパッケージは、異なる整流要素により、及び/または、上記側壁に沿った異なる位置の各々における整流要素の保持により、相互に異なるものとなる。この様な実施形態では、上記使い捨てパッケージの残部は、同一であってもよい。
好適な側面によれば、上記整流要素の各々は、各使い捨てパッケージの主壁に対してそれぞれ異なる距離を有する異なる第1の位置において提供される様に、異なる外径を有する。更に、上記異なる整流要素は、流通路の数、分布状態、及びサイズを含むパラメータの内、少なくとも1つのパラメータにおいて異なる流通路を提供する。
別の好適な側面によれば、使い捨てパッケージの上記集合体の各々は、各使い捨てパッケージ内に収容されるべき飲料の種類、飲料の量、飲料内の泡状物質の量を含む、液状製品のパラメータに適合される。
本願発明の別の目的は、上述の様な一回分パッケージを有するシステムにおいて、液状製品を用意する方法を提供することである。
上記目的は、独立項12に係る方法を手段として達成される。また、好適な実施形態は、独立項12の各従属項において開示される。
請求項12によれば、以下の各工程を含む、液状製品を用意する方法が提供される。上記各工程は:一回分パッケージに対して加圧された流体を供給し、その結果として得られる液状製品を収集する様に構成された少なくとも1つの抽出装置を備える機構を提供する工程;一回分パッケージを抽出集合体(グループ)に提供し、これにより、上記一回分パッケージの内部を、空き領域である第1空間、及び、少なくとも1つの物質を含む下流方向の第2空間に分離可能な様に配置された整流要素を提供する工程;加圧された流体、例えば、加圧された水流等が、上記一回分パッケージに供給され、これにより、上記流体が上記第1空間に流入し、その結果、上記整流要素を、上記主壁に対して凡そ第1の距離にある第1の位置から、より短い第2の距離にある第2の位置へ移動させる様に、上記機構を作動させる工程を含む。
好適な側面によれば、上記加圧された流体は、上記上壁の少なくとも一箇所に供給され、これにより、後述及び上記の整流要素の間の第1空間に最初に溜められ、その結果、該整流要素上に圧力が加わる。
別の好適な側面によれば、上記整流要素が、上記主壁から短い距離にある上記第2の位置に保持された後、上記整流要素の中心部は、上記整流要素の最も上流方向の部分に対する中心部の高さを、より高い第2の高さまで増加させ、これにより、下の食用物質を圧縮する。
別の好適な側面によれば、液状製品を用意する機構を作動させる情報は、飲料の種類及び各整流要素の種類または相対位置に関する少なくとも1つの情報パラメータを含む。
以下、好適な実施形態の概略図を含む添付図面を参照しながら、本願発明について、より詳細に説明する。
整流要素(4)が第1の位置に保持された、本願発明に係る一回分パッケージ(1)の第1の実施形態の側断面図である。 整流要素(4)が第2の位置に保持された、図1に示す一回分パッケージ(1)の第1の実施形態の側断面図である。 整流要素(4)が、図2に示す上記第2の位置に保持され、かつ、その少なくとも一部分が下流方向に偏位された、図1に示す一回分パッケージ(1)の第1の実施形態の側断面図である。 本願発明に係る一回分パッケージ(1)において使用される整流要素(4)の第1の実施形態の側断面図(上部)及び平面図(下部)である。 整流要素(4’)が第1の位置に保持された、本願発明に係る一回分パッケージ(V)の第2の実施形態の側断面図である。 整流要素(4’)が第2の位置に保持された、図5に示す一回分パッケージ(V)の第2の実施形態の側断面図である。 整流要素(4’)が、図5に示す上記第2の位置に保持され、かつ、その少なくとも一部分が下流方向に偏位された、図5に示す一回分パッケージ(V)の第2の実施形態の側断面図である。 本願発明に係る一回分パッケージ(V)において使用される整流要素(4’)の第1の実施形態の側断面図(上部)及び平面図(下部)である。 異なる整流要素(4、4’)を有する少なくとも2つの一回分パッケージ(1、1’)を有する、本願発明に係る液状製品を用意するためのシステム(10)の概略図である。
図1〜図3は、例えば、エスプレッソコーヒーまたは類似の芳香性飲料等の液状製品を用意するための、本願発明に係る一回分パッケージ(1)の第1の好適な実施形態を概略的に示す。一回分パッケージ(1)は、容積を共に規定し、整流要素(4)を提供する上壁(2)、側壁(3.1)、及び主壁(3.2)を有する。好適な 実施形態では、上壁(2)、並びに、側壁(3.1)及び主壁(3.2)を有する容器部分(3)を有する蓋部分が提供される。上記整流要素(4)は、複数の流通路(4.1)を有する実質的に全周性の円盤状要素として提供される。上記整流要素(4)は、上記容積を、上壁(2)に隣接する内部の第1空間(1.1)、及び、該第1空間(1.1)の下流方向において、少なくとも1つの食用物質を収容するための第2区画領域(1.2)に分離する様に配置される。
本願発明の第1の側面によれば、整流要素(4)は、一箇所の固定位置に配置されるのではなく、側壁(3.1)の内側面に沿った、少なくとも二箇所の一連の異なる位置において移動可能に保持される様に、配置される。これにより、整流要素(4)は、液状製品を用意するための方法により製造されるべき飲料の種類に応じた、食用物質を閉じ込める機能及び圧縮機能を効果的に併せ持つ。
特に、図1に示す様に、整流要素(4)は、物質を圧縮することなく下側に閉じ込めることができる様に、最初に、主壁(3.2)から少し離れた位置(d)である第1の位置に配置される。この第1の位置では、整流要素(4)は、側壁(3.1)との圧入係合により保持される。かかる係合は、整流要素(4)が移動可能な様に行われる。かかる係合は、好適には、加圧された流体が、整流要素(4)に対して上流方向へ衝突する結果として、漸減性を増す側壁(3.1)から主壁(3.2)への抵抗力を増加させつつ、行われる。これにより、整流要素(4)は、相当に圧縮された食用物質を、少なくとも部分的に、緩く圧縮した状態または圧縮しない状態で、効果的に閉じ込めることができ、その結果、整流要素(4)が、液状製品を用意する機構の各抽出装置内にある時に、整流要素(4)の上面が傾いてしまうことが防止される。
図1に更に示す様に、第1の実施形態の場合には、整流要素(4)は、自然な流れ方向に沿って形成され、かつ、少なくとも、容器部分(3)の殆どの断面及び整流要素(4)の高さ(h)に渡って延在する比較的大きな自由体積を有する、第1空間(1.1)を提供する。更に、整流要素(4)は、各々の寸法が相当に類似するために、圧入方法、好適には液密方法により側壁(3.1)との間で係合する周辺部(4.2)を提供する。特に、かかる構成は、周辺部(4.2)が、肩部として構成され、かつ、側壁(3.1)及び保持要素(3.3)と係合する様に構成された側方係止部(4.21)を提供する場合に、好適である。
上述したタイプの保持を採用することで、例えば、側壁(3.1)の内側面に溶接することにより、整流要素(4)を固定することに伴う製造コストが、効果的に削減される。
本願発明の別の側面によれば、図2に示す様に、一回分パッケージ(1)内に、加圧された流体が入り込むことにより、整流要素(4)は、その初期位置から、主壁(3.2)からの距離(d)がより短い第2の位置まで、移動する。この第2の位置において、整流要素(4)は、その下流方向に食用物質を閉じ込める、及び/または、少なくとも部分的に圧縮することができる様に、配置される。図2に示す様に、中心部(4.4)は、整流要素(4)の最も上流側の部分から第1の高さ(h)まで膨張された位置にあり、かつ、上記食用物質(不図示)の近傍または接触する位置にある。従って、該食用物質は、加圧された流体が注入された後にのみ、実際に圧縮される。
本願発明の別の側面によれば、整流要素(4)は、側壁(3.1)の内側面に設けられた保持要素(3.3)により、上記第2の位置に保持される。好適な実施形態では、これらの保持要素(3.3)の各々は、主壁(3.2)から距離(d)の位置において水平方向の支持辺を提供する様に構成された三角形の突起部分として、側壁(3.1)の内周に沿って、均等に配設される。保持要素(3.3)のかかる構成により、一回分パッケージ(1)の内側断面における如何なる大きな変化も、効果的に回避することができる。
図3に示す様に、整流要素(4)は、次の瞬間に、上流方向への更なる流体圧力により、少なくともその中心部(4.4)において偏位し、その結果、整流要素(4)の下側の第2空間(1.2)内に、食用物質を更に閉じ込める、及び/または圧縮することができる様に、構成される。図3に示す様に、この時点では、中心部(4.4)の少なくとも一部は、整流要素(4)の上面からより長い距離(d)の位置にある。従って、上記食用物質は、加圧された流体が注入された後にのみ、実際に圧縮される。
図4は、図1〜図3に示した整流要素(4)を、より詳細に示す。本願発明の別の側面によれば、整流要素(4)の上記第1の実施形態は、整流要素(4)の中心部(4.4)から張り出した周辺部(4.2)を有する。この周辺部(4.2)は、圧入により、好適には液密により、側壁(3.1)との間で相互作用を実現する様に構成される。
更なる図(図4上側の断面図)に示す様に、周辺部(4.2)は、好適には上流方向に向いており、好適には、延在する上記側壁の少なくとも一部分に沿って設けられ、肩の様な形状を有する側方係止部(4.21)を有する。これにより、周辺部(4.2)は、側壁(3.1)の内側面に設けられた各保持要素(3.3)と、よりよく係合する。
別の側面によれば、整流要素(4)は、上記中心部(4.4)及び上記周辺部(4.2)の間、かつ、該周辺部(4.2)の近傍に、湾曲部(4.3)を更に有する。本第1の実施形態では、この湾曲部(4.3)は、下流方向へ偏位する構成を採り、かつ、第1空間(1.1)内に溜まる流体のかける上流の流体圧力の下で、伸縮性または弾塑性の変形による偏位が可能な様に構成される。その結果、中心部(4.4)の少なくとも一部は、湾曲部(4.3)よりも大きく偏位することが可能となる。
更に、図4の上面図(下側の図)に示す様に、分配要素(4)は、その中心部(4.4)内に、複数の流通路(4.1)を有する。
本願発明の更なる側面によれば、上記整流要素(4)は、上記第1の位置から上記第2の位置まで上記整流要素(4)を移動させるのに必要な圧力、すなわち、概ね第1の高さhから、最も上流方向にある部分と比較して低い高さhまで、上記整流要素(4)を移動させるのに必要な圧力が、整流要素(4)の残部に対して、上記中心部(4.4)の少なくとも一部を偏位させるのに必要な圧力、すなわち、第1の高さhまで膨張された位置から、より大きい高さhにある偏位後の位置まで、上記整流要素(4)を移動させるのに必要な圧力とは異なる様に、構成される。好適な実施形態では、上記整流要素(4)は、その中心部(4.4)内に、更なる流通路(4.1)を有する。更に、上記整流要素(4)は、少なくともその中心部(4.4)が、均一な厚さを有する複合材料により構成される。
図5〜図7に示す様に、本願発明に係る一回分パッケージ(1’)の第2の実施形態は、異なる整流要素(4’)を有する。図5〜図7における描写及びその各参照番号は、図1〜図4において使用されたものに対応するため、異なる構成部分については、対応する各参照番号にアポストロフィの記号を付して区別するのみとする。
本第2の実施形態では、整流要素(4’)は、その各々が、主壁(3.2)に沿って主壁(3.2)からの距離(d’、d’)が異なる位置に保持される様に、異なる形状及びサイズを有する。
図1〜図3に示した進化と同様に、図5、図6に示す様に、整流要素(4’)は、最初に、主壁(3.2)から少し離れた位置(d’)である第1の位置において、周辺部(4.2’)が側壁(3.1)と圧入係合することにより、移動可能に保持される。その後、整流要素(4’)は、第1空間(1.1’)内に溜まる流体の流体圧力により、主壁(3.2)からの距離(d’)がより短い第2の位置まで、移動する。この第2の位置において、整流要素(4’)は、上記周辺部(4.2’)が、側壁(3.1)の内面に沿った突起部分として提供される複数の保持要素(3.3)と係合することにより、保持される。第1の実施形態と同様に、整流要素(4’)は、圧入方法により側壁(3.1)と係合する様に構成された側方係止部(4.21’)を、効果的に提供する。かかる構成は、周辺部(4.2)が、好適には嵌合方法により上記保持要素(3.3)とも係合する様に構成された周辺係合延長部(4.22)を、更に提供する場合に、好適である。
図5、図6に示す様に、本実施形態に係る整流要素(4’)は、異なる形状を有するため、一回分パッケージ(1)の内部において、上壁(2)のより近傍に位置する。そして、本実施形態に係る整流要素(4’)は、周辺部(4.2)の近傍において各湾曲部(4.3’)により提供される溝状の空洞に沿って主に使用可能な第1空間を有する。
図7は、更なる流体圧力により中心部(4.4’)が偏位する状態を示す。該偏位の結果、中心部(4.4’)の下の第2空間(1.2’)に収容された上記食用物質は、少なくとも部分的に実際に圧縮される。
図8に示す様に、第2の実施形態に係る整流要素(4’)では、その中心部(4.4’)において、流通路(4.1’)が異なる配置を採る。整流要素(4’)に対する圧力の増大に使用可能な第1空間(1.1’)が小さいため、これを補償するために、流通路全体が、より高い位置にあることが求められる。
代替的な実施形態(不図示)では、側壁(4.2’)及び湾曲部(4.3’)の間の周辺領域内に、流通路(4.1’)が設けられる。このため、対応する流入領域の各番号または総数は、類似するか、または異なる。この各番号または総数は、整流要素(4’)の一連の位置変更及び中心部(4.4’)の偏位を生じさせるのに必要な流体圧力の大きさ及び空間分布を調整することができる様に、効果的に使用することができる。更に、中心部(4.4’)ひいては周辺領域における、この様な流通路(4.1’)の異なる形状及び分布は、食用物質の種類及び飲料の種類に応じて食用物質に付与する整流を決定するためにも、効果的に使用することができる。
図9は、特に芳香性飲料(例えば、エスプレッソコーヒー等)の液状製品を用意するシステム(10)を概略的に示す側面図である。本願発明に係るシステム(10)は、一回分パッケージ(1、1’)を収容し、該一回分パッケージ(1、1’)に加圧された流体を提供し、その結果として得られる飲料を収集する様に構成された、少なくとも1つの抽出装置(12)を備える機構(11)を有する。本願発明によれば、上記システム(10)は、収容する食用物質の種類または量の異なる、少なくとも2種類の一回分パッケージ(1、1’)を有する。特に、本願発明の一側面によれば、使い捨てパッケージ(1、1’)は、相互に異なる整流要素(4、4’)、及び/または、主壁(3.2)に対して相互に異なる位置(d、d’及び/またはd、d’)での保持を行う保持要素(3.3)を、効果的に有する。異なる整流要素(4、4’)を有する好適な実施形態では、使い捨て部分(1.1’)以外の残りの構成部分、特に、異なる液状製品を用意するための共通の蓋部分(2)及び容器部分(3)については、共通の構成部分を用いることができる。
上述の点において、好適な実施形態によれば、整流要素(4、4’)の各々は、各使い捨てパッケージ(1、1’)において主壁(3.2)から相互に異なる距離(d、d’)にある異なる第1の位置に設けられ、その結果、食用物質のために使用可能な区画(1.2’)を異なる容積とすることができる様に、異なる外径を有する。
好適な別の実施形態によれば、上記各整流要素(4、4’)は、上述の態様に対して代替的または補完的に、各使い捨てパッケージ(1、1’)内において、異なる数、分布またはサイズの流通路(4.1’)を提供する。この様な異なる数、分布またはサイズの流通路(4.1’)は、特に、食用物質の種類及び飲料の種類の機能として、各整流要素(4、4’)の下流方向への整流パターンを決定する際に、効果的に使用することができる。
上述の点において、更なる好適な実施形態によれば、上記各整流要素(4、4’)のサイズ及び/または主壁(3.2)からの各距離(d、d)は、製造すべき飲料の種類、飲料の量、飲料内における泡状物質の含有量を含む飲料パラメータに応じて、決定される。
上述した様に、本願発明によれば、機構(11)を有する独創的なシステムにより、液状製品が用意される。該機構(11)は、一回分パッケージ(1、1’)を抽出集合体(12)に提供し、機構(11)を作動させることにより、加圧された流体を一回分パッケージ(1、1’)に供給し、その結果として得られる液状製品を収集する様に構成された少なくとも1つの抽出集合体(12)を備える。これにより、例えば、加圧された水流等の加圧された流体が、上記一回分パッケージ(1、1’)に供給されて上記空間(1.1)に入り込み、その結果、整流要素(4)を、主壁(3.2)から概ね第1の距離(d)にある第1の位置から、より短い第2の距離(d)にある第2の位置まで、移動させる。
更に、上記加圧された流体が、一回分パッケージ(1、1’)の上壁(2)上の少なくとも一箇所に供給されると、最初に、後述及び上記の整流要素(4)の間の上記空間(1.1)に溜まり、その結果、整流要素(4)の上に圧力が加わる。特に、上述した様に、上記整流要素(4)が、上記主壁(3.2)から短い距離(d)にある上記第2の位置に保持される場合には、上記整流要素(4)の中心部(4.4)が更に偏位し、その結果、下の食用物質を圧縮するため、より効果的である。
本願発明の好適な側面によれば、上記機構(11)を作動させる情報には、飲料の種類及び上記各整流要素(4)の相対位置に関する少なくとも1つの情報パラメータが含まれる。
1、1’ 一回分パッケージ
1.1、1.1’ 第1空間
1.2、1.2’ 第2空間
2 上壁
3 容器部分
3.1 側壁
3.2 主壁
3.3 保持要素
4、4’ 整流要素
4.1、4.1’ 流通路
4.2、4.2’ 周辺部
4.21、4.21’ 側方係止部
4.22、4.22’ 周辺係合延長部
4.3、4.3’ 湾曲部
4.4、4.4’ 中心部
10 液状製品用意システム
11 液状製品用意機構
12 抽出装置
、d’ 主壁からの第1の距離
、d’ 主壁からの第2の距離
、h’ 最も上流方向の部分からの第1の高さ
、h’ 最も上流方向の部分からの第2の高さ

Claims (15)

  1. 中に整流要素(4)が配置される容積を共に規定する上壁(2)、側壁(3.1)、及び主壁(3.2)を有する、液状製品を用意するための一回分パッケージ(1)であって、
    前記整流要素(4)は、間隔の空いた複数の流通路(4.1)を有する全周性の円盤状要素の形態を有することにより、前記容積を、前記整流要素(4)により分配されるべき流体を収容するための、前記上壁(2)に隣接する第1空間(1.1)、及び、流出後に前記整流要素(4)により分配される前記流体により抽出されるべき少なくとも1つの物質を収容するための第2空間(1.2)に分離し、
    前記整流要素(4)の外周部(4.2)は、前記整流要素(4)上の前記第1空間(1.1)内に生じる所定の液体圧に依存して、前記側壁(3.1)を基準に前記側壁(3.1)に沿って異なる位置に移動可能な様に保持されることを特徴とする一回分パッケージ(1)。
  2. 前記整流要素(4)の周辺部(4.2)は、少なくとも、前記主壁(3.2)に対して第1の距離(d1)を有する前記側壁(3.1)の領域内において、前記主壁(3.2)に対してより短距離(d2)な前記側壁(3.1)の領域内において、移動可能に保持される様に構成され、
    該構成は、前記周辺部(4.2)の少なくとも一部及び前記側壁(3.1)の間における圧入相互作用、少なくとも液密を手段として実現され、これにより、第2空間(1.2)内に収容された前記物質を圧縮することなく、閉じ込めることを特徴とする、請求項1に記載の一回分パッケージ(1)。
  3. 前記整流要素(4)の前記周辺部(4.2)は、前記側壁(3.1)が、前記主壁(3.2)に対してより短距離(d2)な第2の位置にある時に、該側壁(3.1)に沿って固定的に保持される様に構成され、これにより、前記第2空間(1.2)内に、前記物質を閉じ込める、及び/または、少なくとも部分的に圧縮することを特徴とする、請求項1または2に記載の一回分パッケージ(1)。
  4. 前記周辺部(4.2)は、肩状の突起部分を形成する様に構成された側方係止部(4.21)を有し、
    前記突起部分は、前記整流要素(4)の外側延長部分の少なくとも一部に沿って延在し、前記周辺部(4.2)の残部と比較して、延長部分の少なくとも一部に沿ってより厚くなり、これにより、少なくとも、前記主壁(3.2)に対して前記距離(d1、d2)を有する領域内において、移動可能な圧入方法により、前記側壁(3.1)との間で相互作用が実現されることを特徴とする、請求項1〜3のうち何れか一項に記載の一回分パッケージ(1)。
  5. 前記整流要素(4)の周辺部(4.2)は、前記周辺部(4.2)の少なくとも一部の支え、側方係止部(4.21)の下流面により、前記側壁(3.1)の内側に設けられた複数の保持要素(3.3)上において、前記第2の距離(d2)に保持される様に構成されることを特徴とする、請求項1〜4のうち何れか一項に記載の一回分パッケージ(1)。
  6. 前記保持要素(3.3)は、前記整流要素(4)の周辺部(4.2)の少なくとも一部に係合する様に構成された側壁(3.1)の内面上に、突起部分として構成され、これにより、前記保持要素(3.3)の各々は、前記側壁(3.1)の内面の内周長に沿って、均等に配設されることを特徴とする、請求項5に記載の一回分パッケージ(1)。
  7. 前記整流要素(4)は、上流の流体圧力の下で、伸縮性または弾塑性の変形による偏位が可能な様に構成され、前記周辺部(4.2)近傍にあり、かつ、下流方向に偏位する構成または溝状の構成を採る湾曲部(4.3)を有し、これにより、前記整流要素(4)の中心部(4.4)の少なくとも一部が偏位し、前記整流要素(4)の上流方向の部分に対する中心部(4.4)の高さ(h1)を、より大きな高さ(h2)まで伸長する、及び/または、前記第2空間(1.2)内に収容された前記物質を圧縮することを特徴とする、請求項1〜6のうち何れか一項に記載の一回分パッケージ(1)。
  8. 前記整流要素(4)は、前記中心部(4.4)内に、前記周辺部(4.2)及び湾曲部(4.3)の間の領域内にも、流通路(4.1)を提供し、これにより、各流通路(4.1)の数、分布状態、及びサイズが、前記第1空間(1.1)内に生じる流体圧力、及び前記第2空間(1.2)内の物質の種類を含むパラメータの機能として、定義されることを特徴とする、請求項1〜7のうち何れか一項に記載の一回分パッケージ(1)。
  9. 使い捨てパッケージに対して加圧された流体を供給する様に構成された少なくとも1つの抽出装置(12)を有する少なくとも1つの機構(11)を備え、かつ、少なくとも2つの使い捨てパッケージ(1、1’)、請求項1〜8のうち何れか一項に記載の使い捨てパッケージを備える、液状製品を用意するためのシステム(10)であって、
    異なる使い捨てパッケージ(1、1’)の少なくとも2つの集合体が提供され、これにより、前記集合体の各々が少なくとも1つの使い捨てパッケージ(1、1’)を有し、これにより、異なる前記集合体内の前記使い捨てパッケージは、異なる整流要素(4、4’)により、及び/または、前記側壁(3.1)に沿った異なる位置の各々における整流要素(4、4’)の保持により、相互に異なることを特徴とするシステム(10)。
  10. 前記異なる整流要素(4、4’)は、流通路の数、分布状態、及びサイズを含むパラメータの内、少なくとも1つのパラメータにおいて異なる流通路(4.1、4.1’)を提供することを特徴とする、請求項9に記載のシステム(10)。
  11. 使い捨てパッケージ(1、1’)の前記集合体の各々は、各使い捨てパッケージ(1、1’)内に収容されるべき飲料の種類、飲料の量、飲料内の泡状物質の量を含む、液状製品のパラメータに適合されることを特徴とする、請求項9または10に記載のシステム(10)。
  12. 液状製品を用意する方法であって:
    一回分パッケージ(1、1’)に対して加圧された流体を供給し、その結果として得られる液状製品を収集する様に構成された少なくとも1つの抽出装置(12)を備える機構(11)を提供する工程と;
    一回分パッケージ(1、1’)として、請求項1〜8のうち何れか一項に記載の使い捨てパッケージを前記抽出装置(12)に提供し、これにより、前記一回分パッケージ(1、1’)の内部を、空き領域である第1空間(1.1)、及び、少なくとも1つの物質を含む下流方向の第2空間(1.2)に分離可能な様に配置された整流要素(4)を提供する工程と;
    加圧された流体、例えば、加圧された水流が、前記一回分パッケージ(1、1’)に供給され;前記流体が前記第1空間(1.1)に流入し、その結果、前記整流要素(4)を、前記主壁(3.2)に対して第1の距離(d1)にある第1の位置から、より短い第2の距離(d2)にある第2の位置へ移動させる様に、前記機構(11)を作動させる工程とを含むことを特徴とする方法。
  13. 前記加圧された流体は、前記上壁(2)の少なくとも一箇所に供給され、これにより、前記整流要素(4)の間の前記第1空間(1.1)に最初に溜められ、その結果、該整流要素(4)上に圧力が加わることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 前記整流要素(4)が、前記主壁(3.2)から短い距離(d2)にある前記第2の位置に保持された後、前記整流要素(4)の中心部(4.4)は、前記整流要素(4)の最も上流方向の部分に対する中心部(4.4)の高さ(h1)を、より高い第2の高さ(h2)まで増加させ、これにより、下の食用物質を圧縮する、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記機構(11)を作動させる情報は、飲料の種類及び各整流要素(4、4’)の種類または相対位置に関する少なくとも1つの情報パラメータを含むことを特徴とする、請求項12〜14のうち何れか一項に記載の方法。
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