JP6589770B2 - スリップ疵抑制装置 - Google Patents

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Description

この発明は、スリップ疵抑制装置に関する。特に、高機能鋼板を製造する冷間圧延ラインまたはプロセスラインにおいて長尺材のスリップ疵を抑制するスリップ疵抑制装置に関する。
熱間圧延により製造された薄板(ストリップ)を、圧延機により押しつぶし、引っ張ることで、さらに薄い鋼板を製造する冷間圧延ラインが知られている。また、冷間圧延された薄板に対して、熱処理、表面処理などを行うプロセスラインが知られている。
これらのラインでの長尺材(例えば帯状の板金(特に鋼板))の製造過程において、材には様々な形状の疵が発生する。具体的には、板と搬送ロール間のスリップにより発生するスリップ疵や、搬送ロールの表面疵が転写されることで発生するロール疵が発生する。このような疵は製品品質を低下させる。そのため、疵の防止は歩留まりや品質の向上のための重要な課題である。
ロール疵の検出に関して、特開2012−030260号公報(特許文献1)には、複数のスタンドで構成される仕上圧延機を有する熱間圧延ラインにおいて、仕上圧延ロールが起因で鋼板表面に周期的に発生するロール疵を検出し、検出したロール疵の起因であるロールを特定することが開示されている。
次に、スリップ疵に関して説明する。上述した冷間圧延ラインやプロセスラインは、薄板に加工を施す設備の他、薄板を貯めこみ一定排出するためのルーパや、数本のブライドルロール前後の張力を負荷として薄板を搬送する設備(ブライドルロールセット)を備える。ブライドルロールセットでは、各ロールに対する負荷分担比率(ロードバランス比)に基づいて、各ロールに対する負荷を制御するロードバランス制御が実施される。
このように、ブライドルロールセットにより張力を与えられながら搬送される薄板には、ブライドルロールの表面疵の転写によるロール疵の他、板とロールとのスリップによるスリップ疵が発生する場合がある。
ブライドルロールセットで発生するスリップ疵の検出に関して、特開平10−235423号公報(特許文献2)には、スリップ疵の原因となる板とロールとのスリップの発生を、ロールを駆動するモータが発生すべき速度目標値と速度フィードバック値との差分が所定の閾値を超えるか否かで判定することが開示されている。
特開2012−030260号公報 特開平10−235423号公報
しかしながら、プロセスラインにおいては、スリップの発生に関わらず、板の振動や伸びの影響により、速度フィードバック値と鋼板速度が必ずしも一致しないため、特許文献2ではスリップの正確な検出はできない。また、閾値を超えたことは単にスリップの発生を意味するものであって、必ずしもスリップ疵が生じたことを意味しない。柔らかい材質の場合にはスリップ疵が生じても、硬い材質の場合にはスリップ疵が生じない場合もある。
歩留まりや製品品質の向上のために、操業中のスリップ疵の正確な検出と、検出結果に基づく適切なスリップ疵の抑制制御が望まれるが、特許文献2の検出手法では、スリップおよびスリップ疵を正確に検出できず、適切なスリップ疵の抑制制御は実現できない。また、特許文献1の検出手法では、仕上圧延機の各スタンドで材が圧延され引き伸ばされることを前提としているため、同径・同仕様のブライドルロールを用いるプロセスラインでは、原因ロールの特定は難しい。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、操業中にスリップ疵の発生原因となったブライドルロールを正確に特定して、その後のスリップ疵の発生を抑制できるスリップ疵抑制装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、スリップ疵抑制装置であって、
負荷分担比率に応じてロードバランス制御される複数のブライドルロールの入側に配置され、搬送される長尺材の表面を撮影する第1カメラと、
前記複数のブライドルロールの出側に配置され、搬送される前記長尺材の表面を撮影する第2カメラと、
前記第1カメラで前記長尺材の所定部位を撮影した画像データと、前記所定部位を前記第2カメラで撮影した画像データとを関連付けた画像データセットを記憶する画像データ記憶部と、
前記複数のブライドルロールそれぞれの制御データを記憶する制御データ記憶部と、
前記画像データ記憶部に記憶された所定期間の画像データセットから、前記複数のブライドルロールに起因して前記長尺材の表面に非周期的に発生したスリップ疵を検出する画像解析部と、
前記スリップ疵が検出された場合に、前記制御データ記憶部に記憶された前記所定期間中の制御データに基づいて、前記複数のブライドルロールのいずれがスリップ疵を発生させたスリップ発生ロールであるかを特定するスリップ発生ロール特定部と、
前記複数のブライドルロールのうち、前記スリップ発生ロールの負荷を下げ、少なくとも1つの他のロールの負荷を上げるように前記負荷分担比率を変更する負荷分担比率変更部と、を備えることを特徴とする。
好ましくは、前記制御データ記憶部に記憶された制御データは、前記複数のブライドルロールそれぞれを駆動する各モータの負荷電流値を含み、
前記スリップ発生ロール特定部は、前記複数のブライドルロールのうち、負荷電流値の変動が最も大きいモータに接続するブライドルロールを前記スリップ発生ロールとして特定すること、を特徴とする。
好ましくは、前記負荷分担比率を変更した後に、前記長尺材の表面にスリップ疵が発生する場合に、ロール交換アラーム信号を出力するアラーム信号出力部をさらに備えること、を特徴とする。
本発明に係るスリップ疵抑制装置によれば、操業中にスリップ疵の発生原因となったブライドルロールを正確に特定して、その後のスリップ疵の発生を抑制できる。そのため、歩留まりや製品品質の向上が図られる。
鉄鋼のプロセスラインにおいて用いられるブライドルロールセット制御システムの構成図である。 本発明の実施の形態1に係るシステムが有する機能の一部を示す機能ブロック図である。 カメラの撮影範囲とシャッター信号の送信タイミングについて説明するための図である。 カメラの撮影範囲とシャッター信号の送信タイミングについて説明するための図である。 本発明の実施の形態1においてスリップ疵抑制装置90が実行する制御ルーチンのフローチャートである。 主幹制御装置50や画像解析装置70がそれぞれ有する処理回路のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
<システムの全体構成>
図1は、鉄鋼のプロセスラインにおいて用いられるブライドルロールセット制御システムの構成図である。
図1に示すシステムは、複数のブライドルロールを有するブライドルロールセットを備える。ブライドルロールは、長尺材(例えば帯状の板金(特に鋼板))である薄板(ストリップ)1に所定の張力を付与した状態で、薄板1を下流に搬送する。図1に示すブライドルロールセットの各ロールは、上流から順に、第1ブライドルロール10、第2ブライドルロール20、第3ブライドルロール30、第4ブライドルロール40である。なお、ブライドルロールの数はこれに限定されるものではない。
上述した各ブライドルロールはそれぞれ、ギヤ機構を介してモータに接続する。図1では、第1ブライドルロール10は、ギヤ機構を介して第1ブライドルロール10を駆動する第1BRモータ11に接続する。第1BRモータ11は第1ドライブ装置12に接続する。第2ブライドルロール20は、ギヤ機構を介して第2ブライドルロール20を駆動する第2BRモータ21に接続する。第2BRモータ21は第2ドライブ装置22に接続する。第3ブライドルロール30は、ギヤ機構を介して第3ブライドルロール30を駆動する第3BRモータ31に接続する。第3BRモータ31は第3ドライブ装置32に接続する。第4ブライドルロール40は、ギヤ機構を介して第4ブライドルロール40を駆動する第4BRモータ41に接続する。第4BRモータ41は第4ドライブ装置42に接続する。また、各ドライブ装置は、主幹制御装置50に接続する。
主幹制御装置50は、基本機能の1つとしてブライドルロールセット制御部52(図2)を備える。ブライドルロールセット制御部52は、各時刻における薄板1の搬送スケジュールに、ブライドルロールのロール径やギヤ比を考慮して速度基準値を出力する。さらに、ブライドルロールセット制御部52は、ブライドルロールセットの入側と出側の設定張力(ブライドルロールセット全体で出力する張力)と、該設定張力を満たすように各モータの容量比に応じて負担比率を定めた負荷分担比率(ロードバランス比)とを出力する。これにより、ブライドルロールセットの各ロールは、負荷分担比率に応じてロードバランス制御される。一例として、各ロールの負荷分担比率の基準比率は、ブライドルロールセットの入側の設定張力値と出側の設定張力値との差に応じて、各ロール間で張力を同割合で変化させる値に設定される。
各ドライブ装置は、主幹制御装置50から送信される速度基準値や負荷分担比率等に基づいて各モータを制御する。
各モータにはそれぞれ、モータの回転速度に応じてパルス信号を出力する速度センサ(図示省略)が接続される。各速度センサのパルス信号は、速度フィードバック信号としてドライブ装置に入力される。各ドライブ装置は、速度フィードバック信号に応じた速度値を速度基準値に一致させるための速度フィードバック回路を備える。また、各モータには、モータに流れる負荷電流を検出する電流計(図示省略)が接続される。各電流計に検出された負荷電流値はドライブ装置に入力される。
また、図1に示すシステムは、リアルタイム制御ネットワークである制御LAN60を介して、主幹制御装置50、第1カメラ61、第2カメラ62、画像解析装置70、およびヒューマンマシンインタフェース(以下、HMI)端末80が互いに接続している。
第1カメラ61は、第1ブライドルロール10の入側(上流側)に配置される。第1カメラ61は、主幹制御装置50から周期的に出力されるシャッター信号を受信して、搬送される薄板1の表面を撮影する。第1カメラ61は、撮影した板表面画像に撮影時刻を関連付けた画像データを、画像解析装置70へ送信する。
第2カメラ62は、第4ブライドルロール40の出側(下流側)に配置される。第2カメラ62は、主幹制御装置50から周期的に出力されるシャッター信号を受信して、搬送される薄板1の表面を撮影する。第2カメラ62は、撮影した板表面画像に撮影時刻を関連付けた画像データを、画像解析装置70へ送信する。
画像解析装置70は、第1カメラ61および第2カメラ62が薄板1の同一箇所について撮影した画像データを関連付けて画像データセットとする。画像解析装置70は、画像データセットからブライドルロールセットに起因する板表面疵の発生有無を解析し、さらに板表面疵が板とロール間のスリップにより発生するスリップ疵であるか、ブライドルロールの表面疵が転写することで発生するロール疵であるかを解析する。画像解析装置70は、板表面疵情報を主幹制御装置50へ送信する。
主幹制御装置50は、板表面疵情報と各ドライブ装置の制御データとに基づいて、スリップ疵の起因であるブライドルロール(スリップ発生ロール)を特定する。さらに、主幹制御装置50は、スリップ疵を抑制するように各ロールの負荷分担比率を変更して、ブライドルロールセットに対してロードバランス制御を実施する。また、必要に応じてロール交換アラーム信号をHMI端末80へ送信する。
HMI端末80は、主幹制御装置50や画像解析装置70から送信される各種信号を受信して、プラントの各種状態を画面表示や音で表現する。また、HMI端末80は、主幹制御装置50や画像解析装置70に対して操作信号を送信する。
<本システムの特徴的構成>
次に、図2を参照して本実施形態のシステムの特徴的構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係るシステムが有する機能の一部を示す機能ブロック図である。本実施形態のシステムは、スリップ疵抑制装置90を備える。スリップ疵抑制装置90は、主幹制御装置50、第1カメラ61、第2カメラ62、および画像解析装置70を含む。
第1カメラ61と第2カメラ62による板表面の撮影について説明する。シャッター信号は、主幹制御装置50のカメラ制御部53から周期的に送信される。第1カメラ61および第2カメラ62は、シャッター信号を受信して搬送される薄板1の表面を撮影する。撮影された板表面画像に撮影時刻を関連付けた画像データは、画像解析装置70へ送信される。
図3、図4は、カメラの撮影範囲とシャッター信号の送信タイミングを示す図である。図3に示す時刻T1〜T3は、連続した撮影タイミング(周期的なシャッター信号の送信タイミング)を示す。シャッター信号の送信タイミングは、第1カメラ61と第2カメラ62が薄板1上の同一部位(図4の板部位N1〜N4)を撮影できるように、カメラ間の材の長さ、カメラの撮影範囲、ライン速度、およびシャッター速度に基づいて設定される。ここで、シャッター信号の送信タイミングは、ライン速度の変動によるトラッキング誤差を考慮して、各回の撮影範囲が一部オーバーラップするように設定される。このように設定されたシャッター信号の周期的な送信タイミングによれば、図4に示すように薄板1上に定めた各板部位を隙間なく撮影できる。
図2に戻り説明を続ける。画像データ取得部72は、第1カメラ61で撮影された画像データ、および第2カメラ62で撮影された画像データを取得する。画像データ取得部72は、第1カメラ61で薄板1の所定部位(板部位N)を撮影した画像データと、同一部位(板部位N)を第2カメラ62で撮影した画像データとを関連付けて画像データセットとする。
詳細に説明する。画像データには撮影時刻が含まれており、第1カメラ61から第2カメラ62までの板の長さをL、ライン速度をV(説明容易のため一定速度とする)とすると、板部位Nは、時刻tで第1カメラ61の撮影範囲を通過し、時刻ti+a(ti+a=t+L/V)で第2カメラ62の撮影範囲を通過する。よって、画像データ取得部72は、同一部位の画像データである時刻tの画像データと時刻ti+aの画像データを関連付けて画像データセットとする。各画像データセットは画像データ記憶部73に記憶される。
画像解析部74は、画像データ記憶部73に記憶された所定期間(所定時間前〜現在)の画像データセットから、ブライドルロールに起因して薄板1の表面に周期的および非周期的に発生したスリップ疵を検出する。
詳細に説明する。画像解析部74は、画像データ記憶部73に記憶された所定期間内の複数の画像データセットを取得し、板表面疵の有無を判別する。時刻tにおいて第1カメラ61が撮影した画像データに疵が無く、時刻tt+aにおいて第2カメラ62が撮影した画像データに疵がある場合は、ブライドルロールセットを構成するロールに起因する板表面疵があると判断できる。板表面疵が検出された画像データは品質データとして保存され、疵が検出されなかった画像データはクリアされる。
画像解析部74は、ブライドルロールセットに起因する板表面疵が有る場合には、さらに疵が周期的か非周期的かの疵種判定を行う。板表面疵が周期的に発生している場合には、いずれかのブライドルロールの表面疵が転写することで発生したロール疵であると判断できる。この場合、ロール交換の必要性があるため、画像解析部74は、ロール疵に起因するロール交換アラーム信号をHMI端末80へ送信する。
一方、板表面疵が非周期的に発生している場合には、板とブライドルロール間の張力アンバランスにより発生したスリップ疵であると判断できる。画像解析部74は、板表面疵情報を主幹制御装置50へ送信する。なお、板表面疵情報は、疵の画像、および疵を撮影した撮影時刻を含む。
主幹制御装置50は、上述したブライドルロールセット制御部52、カメラ制御部53に加えて、送受信部51、制御データ取得部54、制御データ記憶部55、スリップ発生ロール特定部56、負荷分担比率変更部57、アラーム信号出力部58を備える。
制御データ取得部54は、上位計算機やドライブ装置から受信した、ブライドルロールセットの各ロールの各時刻における制御データ(モータの負荷電流値、速度フィードバック値、ライン速度等)を取得し、制御データ記憶部55に一定期間記憶させる。
スリップ発生ロール特定部56は、送受信部51を介して画像解析装置70から板表面疵情報を受信する。スリップ発生ロール特定部56は、スリップ疵が検出された場合に、制御データ記憶部55に記憶された所定期間中(スリップ疵検出時刻の前後を含めた期間)の制御データに基づいて、ブライドルロールセットのいずれのロールがスリップ疵を発生させたスリップ発生ロールであるかを特定する。
詳細に説明する。制御データ記憶部55に記憶された制御データは、ブライドルロールセットの各ロールを駆動する各モータの負荷電流値を含む。スリップ発生ロール特定部56は、ブライドルロールセットの各ロールのうち、負荷電流値の変動が最も大きいモータに接続するブライドルロールをスリップ発生ロールとして特定する。
負荷分担比率変更部57は、ブライドルロールセットのうち、スリップ発生ロールの負荷を現在の比率よりも下げ、少なくとも1つの他のロールの負荷を上げるように負荷分担比率を変更する。
ここで、負荷分担比率は、ブライドルロールセットの入側と出側の設定張力を満たし、かつ、各モータの容量を超えないように調整される。
上述したブライドルロールセット制御部52は、変更された負荷分担比率を用いて、モータの容量内で、スリップ発生ロールの負担比率を現在の比率よりも下げ、その他のロールの負担張力を上げるよう調整したロードバランス制御を実施する。
アラーム信号出力部58は、負荷分担比率を変更した後に、薄板1の表面にスリップ疵が発生する場合に、ロール交換アラーム信号を出力する。詳細に説明する。上述のように、ブライドルロールセットの負荷分担比率を調整してスリップの抑制を試みるが、モータの制御量がモータの最大容量に達している場合や、負荷分担比率を変更してもスリップが単位時間あたりに所定回数以上発生する場合には、ロールの摩耗が原因で摩擦係数が低くなっているため「ロール交換の必要性有り」と判断できる。このようなアラーム条件を満たす場合には、アラーム信号出力部58は、スリップ疵に起因するロール交換アラーム信号をHMI端末80へ送信する。HMI端末80は、アラームを発し、オペレータに特定ロールのメンテナンスの必要性を認知させる。
(フローチャート)
図5は、上述の動作を実現するために、スリップ疵抑制装置90が実行する制御ルーチンのフローチャートである。
図5に示すルーチンでは、まずステップS100において、画像解析部74は、画像データ記憶部73に記憶された所定期間(所定時間前〜現在)の画像データセットを取得する。
次にステップS110において、画像解析部74は、同一部位についてブライドルロールセットの入側と出側で撮影した画像データを比較して、材にブライドルロールに起因する表面疵があるか否かを判定する。判定条件が成立しない場合には、所定期間経過後に再びステップS100から処理が実行される。
判定条件が成立する場合、ステップS120において、画像解析部74は、材の表面疵が周期的であるか非周期的であるか判定する。周期的である場合、ステップS130において、画像解析装置70は、ロール疵に起因するロール交換アラーム信号をHMI端末80に送信する。
非周期的である場合、ステップS140において、スリップ発生ロール特定部56は、画像解析部74から受信した板表面疵情報と、制御データ記憶部55から取得した制御データからスリップ発生ロールを特定する。例えば、負荷電流値の変動が最も大きいモータに接続するブライドルロールをスリップ発生ロールとして特定する。
次にステップS150において、負荷分担比率変更部57は、ブライドルロールセットの負荷分担比率を変更する。ブライドルロールセットの入側と出側の設定張力を満たし、かつ、各モータの容量を超えない範囲で、スリップ発生ロールの負荷分担比率を現在の比率よりも下げて、他のロールの負荷分担比率を上げる。
次にステップS160において、アラーム信号出力部58は、上述したアラーム条件を満たすか否かを判定する。判定条件が成立する場合、次にステップS170において、アラーム信号出力部58は、スリップ疵に起因するロール交換アラーム信号をHMI端末80へ送信する。
ステップS160の判定条件が不成立の場合、またはステップS170の処理後に、ステップS180の処理が実行される。ブライドルロールセット制御部52は、負荷分担比率変更部57により変更された負荷分担比率に従って、各ロールをロードバランス制御する。
<効果>
以上説明したように、本実施形態のシステムによれば、第1カメラ61と第2カメラ62により薄板1の同一部位の画像データを撮影するため、ブライドルロールセットに起因する板表面疵の発生を正確に検知できる。また、発生した疵がロール疵であるかスリップ疵であるかを判断し、スリップ疵である場合にスリップ発生ロールを特定できる。この特定は、操業中に迅速に実行でき、また画像データおよび制御データに基づくため正確である。
さらに、本実施形態のシステムによれば、操業中に特定されたスリップ発生ロールの負担張力を下げ、他のロールの負担張力を上げるように負荷分担比率を変更したロードバランス制御により、その後のスリップ疵の発生を抑制できる。そのため、安定操業と高品質製品の生産を実現できる。
さらに、本実施形態のシステムによれば、スリップ疵の発生頻度が改善しない場合にロール交換アラームを発することで、従来の定期的なメンテンナス時期に依らないで、適切なロール交換のタイミングを知ることができる。
<変形例>
ところで、上述した実施の形態1のシステムにおいては、画像解析装置70と主幹制御装置50とを別個の装置としているが、画像解析装置70の各機能を主幹制御装置50に組み込んで1つの装置で実現してもよい。
また、スリップ発生ロール特定部56は、スリップ発生ロールを負荷電流値の変動から特定しているが、速度フィードバック値の変動から特定してもよい。
また、アラーム信号出力部58を備えることが好ましいが、これに限定されるものではない。アラーム信号を送信しない構成であっても、スリップ疵の発生は抑制できる。
<ハードウェア構成例>
図6は、主幹制御装置50や画像解析装置70がそれぞれ有する処理回路のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2に示す各部は、本システムが有する機能の一部を示し、各機能は処理回路により実現される。例えば、処理回路は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、入出力インターフェース104、システムバス105、入力装置106、表示装置107、ストレージ108および通信装置109を備えたコンピュータである。
CPU101は、ROM102やRAM103に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM102は、コンピュータに各機能を実現させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM103は、CPU101が実行するプログラムおよび各プログラムの実行に必要なデータを記憶する主記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。入出力インターフェース104は、各種のハードウェアとシステムバス105との接続を仲介する装置である。システムバス105は、CPU101、ROM102、RAM103および入出力インターフェース104で共有される情報伝達路である。
また、入出力インターフェース104には、入力装置106、表示装置107、ストレージ108および通信装置109などのハードウェアが接続されている。入力装置106は、ユーザからの入力を処理する装置である。表示装置107は、システムの状態を表示する装置である。ストレージ108は、プログラムやデータを蓄積する大容量の補助記憶装置であり、例えばハードディスク装置や不揮発性の半導体メモリなどである。通信装置109は、有線又は無線で外部のアクチュエータやセンサとデータ通信可能な装置である。
1 薄板
10 第1ブライドルロール
11 第1BRモータ
12 第1ドライブ装置
20 第2ブライドルロール
21 第2BRモータ
22 第2ドライブ装置
30 第3ブライドルロール
31 第3BRモータ
32 第3ドライブ装置
40 第4ブライドルロール
41 第4BRモータ
42 第4ドライブ装置
50 主幹制御装置
51、71 送受信部
52 ブライドルロールセット制御部
53 カメラ制御部
54 制御データ取得部
55 制御データ記憶部
56 スリップ発生ロール特定部
57 負荷分担比率変更部
58 アラーム信号出力部
60 制御LAN
61 第1カメラ
62 第2カメラ
70 画像解析装置
72 画像データ取得部
73 画像データ記憶部
74 画像解析部
80 ヒューマンマシンインタフェース(HMI)端末
90 スリップ疵抑制装置
105 システムバス

Claims (3)

  1. 負荷分担比率に応じてロードバランス制御される複数のブライドルロールの入側に配置され、搬送される長尺材の表面を撮影する第1カメラと、
    前記複数のブライドルロールの出側に配置され、搬送される前記長尺材の表面を撮影する第2カメラと、
    前記第1カメラで前記長尺材の所定部位を撮影した画像データと、前記所定部位を前記第2カメラで撮影した画像データとを関連付けた画像データセットを記憶する画像データ記憶部と、
    前記複数のブライドルロールそれぞれの制御データを記憶する制御データ記憶部と、
    前記画像データ記憶部に記憶された所定期間の画像データセットから、前記複数のブライドルロールに起因して前記長尺材の表面に非周期的に発生したスリップ疵を検出する画像解析部と、
    前記スリップ疵が検出された場合に、前記制御データ記憶部に記憶された前記所定期間中の制御データに基づいて、前記複数のブライドルロールのいずれがスリップ疵を発生させたスリップ発生ロールであるかを特定するスリップ発生ロール特定部と、
    前記複数のブライドルロールのうち、前記スリップ発生ロールの負荷を下げ、少なくとも1つの他のロールの負荷を上げるように前記負荷分担比率を変更する負荷分担比率変更部と、
    を備えることを特徴とするスリップ疵抑制装置。
  2. 前記制御データ記憶部に記憶された制御データは、前記複数のブライドルロールそれぞれを駆動する各モータの負荷電流値を含み、
    前記スリップ発生ロール特定部は、前記複数のブライドルロールのうち、負荷電流値の変動が最も大きいモータに接続するブライドルロールを前記スリップ発生ロールとして特定すること、
    を特徴とする請求項1に記載のスリップ疵抑制装置。
  3. 前記負荷分担比率を変更した後に、前記長尺材の表面にスリップ疵が発生する場合に、ロール交換アラーム信号を出力するアラーム信号出力部をさらに備えること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のスリップ疵抑制装置。
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