JP6589675B2 - 光源ユニット - Google Patents

Description

本発明は、発光ダイオード（ＬＥＤ）からの出射光を照射する光源ユニットに関する。

従来、発光ダイオード（ＬＥＤ）からの出射光を、反射鏡（リフレクタ）やレンズを用いて反射ないし屈折させ、光を照射する照明器具が用いられている。
このような照明器具は、照射面での照度ムラ（又は、光ムラ、照射ムラとも言う）が形成されるという問題があり、この照度ムラを抑えるための対策が種々検討されている。
例えば、特開２０１５−１６４０９８号公報（特許文献１）では、レンズの光出射面側に光拡散部を設けるとともに、光出射面側に凹部を形成して当該凹部の表面にも光拡散部を設けることによりＬＥＤからの出射光を均一に拡散させることで、照射面における照度ムラ（光ムラ、照射ムラ）を低減させようとする技術が記載されている。

一方で、一般的に照明分野においては、人の視角内に輝度の高い光があると眩しさを感じさせてしまい（このような現象を「グレア」という）、このようなグレアが多い環境では人に不快感を与えてしまうことから、このグレアの発生を抑える工夫が検討されている。
例えば、特開２０１０−１０２９１３号公報（特許文献２）には、ダウンライト照明器具に関する技術が記載されており、グレアを抑えるためのガイド体（広角域の光を遮光する機構）が取り付けられている。これにより、人の視角内に入りやすい広角域の出射光を遮光してグレアの発生を抑えようとするものである。この遮光角を調節するためのガイド体としては、例えば、開口径が狭められたピンホール形状の遮光器具（以下、ピンホール器具という）がある。

特開２０１５−１６４０９８号公報 特開２０１０−１０２９１３号公報

しかして、特許文献１に記載の照明器具は、図６に示すように、ＬＥＤ５１に対向配置された配光レンズ５２の光出射面側に光拡散部５３を設けるとともに、中央部に凹部５４を形成することで、光軸中央と周囲との間に段部を形成し、配光のバランスをとり、照射面における照度ムラを解消しようとするものである。
ところが、このような構成において、グレアの発生を抑えるために特許文献２に開示されたようなガイド体（ピンホール型等）６０を取り付けようとすると、折角照度ムラを解消した有効照射光の一部がカット（遮光）されてしまい、これにより照射面における配光バランスが崩れてしまって、再び照度ムラが形成されてしまう、という問題がある。

このようなガイド体の構成は、使用用途（必要とされる照射範囲のサイズ）や設置場所（設置上の制約等）に応じて適宜変更されるものであり、それに応じて照度ムラの程度も変わってしまうため、ガイド体の構成に合わせて、レンズの構成（光拡散部の程度や凹部形状）をその都度変更しなければ、照度ムラを抑えた良好な光照射が困難となる。
また、ガイド体を取り付けることによって、部分的に光が遮光されてしまうため、照射面に照射される光の光量低下を招き、光の利用効率が悪化する。

本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、ＬＥＤと配光レンズとリフレクタとを有する光源ユニットにおいて、より好適に照度ムラを低減させるとともに、グレア防止のためにピンホール器具を用いても有効光を遮光することなく、照射面での照度ムラや照度低下を招くことのない光源ユニットを提供することである。

上記課題を解決するために、本発明は、後方に配置されたＬＥＤからの出射光を導光する配光レンズと、該配光レンズを取り囲むように配置されたリフレクタとを有する光源ユニットにおいて、前記配光レンズは、光軸方向に延びる円柱状部を有していて、その先端には円錐状凹部が形成されており、前記円錐状凹部は、前記配光レンズに入射した光を周方向に全反射する反射面で構成され、前記リフレクタは、前記円柱状部の円柱状側面からの出射光を集光するように反射させることを特徴とする。
また、前記円柱状部の円柱状側面は、先端側に向かって縮径されていることを特徴とする。
また、前記配光レンズは、前記円柱状部と平板部とからなり、前記平板部にリフレクタが取り付けられていることを特徴とする。
また、前記配光レンズの後方には、前記ＬＥＤ側に向かって凸形状の入光面が形成されていることを特徴とする。
また、前記入光面の外周には、環状溝が設けられており、前記環状溝の外側面は、傾斜面で構成されていることを特徴とする。

この発明の光源ユニットによれば、ＬＥＤからの出射光を導光する配光レンズが、光軸方向に延びる円柱状部を有していて、その先端には円錐状凹部が形成されていることにより、ＬＥＤからの出射光は、配光レンズから直接前方に出射されることなく、先端の円錐状凹部により全反射されて円柱状部の側面から周囲に出射され、これがリフレクタによってその焦点位置に収束するように反射されるので、リフレクタからの反射光は、いったん焦点位置に集光しその後拡開して照射面に照射されることになり、グレア防止のために光源ユニットの近傍にピンホール器具を用いる場合でも出射光を遮光することなく配置でき、照射面での照射ムラを発生させることがなく、しかも、光量低下を招くこともないという効果を奏する。

本発明の光源ユニットを含む照明器具の斜視図（Ａ），断面図（Ｂ） 本発明の光源ユニットとその光路説明図 他の実施例の断面図 更に他の実施例の断面図 図４の実施例の拡大詳細断面図 従来の光源ユニットの断面図

図１は本発明の光源ユニットを含む照明器具を示し、図１（Ａ）は下方斜視図、図１（Ｂ）は断面図である。この照明器具１は、光源ユニット２と、その後方に設けられたヒートシンク３とからなる。
光源ユニット２は、ＬＥＤ２１と、配光レンズ２２と、リフレクタ２３とからなり、これらは、ヒートシンク３に取り付けられた円筒状の筐体２４内に設けられている。
図２も参照して、ＬＥＤ２１は、枠体２１１に取り付けられた基板２１２に実装されている。

この枠体２１１には、透光性部材からなる配光レンズ２２が取り付けられている。この配光レンズ２２は、光軸方向に延びる円柱状部２２１と、平板部２２２とからなる。
この円柱状部２２１と平板部２２２とは、一体構造で成形してもよいし、別体構造のものを一体化させたものであってもよい。
そして、前記円柱状部２２１の光軸上の先端には、円錐状凹部２２３が形成されている。この円錐状凹部２２３は、後方のＬＥＤ２１から配光レンズ２２に入射した光が、そのまま円柱状部２２１の先端から前方に出射されることなく、全反射されるような反射面で構成されている。

そして、配光レンズ２２の平板部２２２には楕円鏡からなるリフレクタ２３が取り付けられている。
このリフレクタ２３は、配光レンズ２２の円柱状部２２１からその側面外周方向に出射される光を反射して、当該リフレクタ２３の焦点位置Ｆに集光する。
なお、配光レンズ２２の円柱状部２２１の断面形状（円柱状側面形状）は、直線状のみならず、曲線形状であってもよい。また、同様に、円錐状凹部２２３の断面形状も、直線状のみならず、曲線形状であってもよい。

ＬＥＤ２１からの光の光路が図２に示されている。
ＬＥＤ２１の出射光は、配光レンズ２２に入射し、円柱状部２２１の先端の円錐状凹部２２３によって全反射され、円柱状部２２１の円柱状側面から周囲に出射される。そして、この出射光は、リフレクタ２３によって反射されて、その前方の焦点位置Ｆに集光し、その後拡開して照射面Ｓに照射されるものである（以下、このような一旦照射面の手前で集光させた後に照射面に拡開照射する照射をクロス照射ともいう）。

かかる装置系において、図２に示すように、グレア防止のためにピンホール器具４を配置する場合は、焦点位置Ｆの近傍にピンホール４１が位置するように配置される。これにより、集光されている光がピンホール４１を通過するので、有効光を遮蔽してしまうことがない。そのため、ピンホール器具４の有無に拘わらず、照射面での照射ムラや照度低下といった不具合が発生することがない。

図３に配光レンズ２２の他の実施例が示されていて、該配光レンズ２２は、全体構造が円柱状形状とされている。そして、その先端に円錐状凹部２２３が形成されていることは、図１、２の実施例と同様である。

図４には配光レンズ２２の更に他の実施例が示されていて、この配光レンズ２２には、ＬＥＤに対向する後面側に、該ＬＥＤ側に向かって凸形状の入光面２２５が形成されている。そして、この入光面２２５の外周には環状溝２２６が形成されていて、その外側面２２７は、傾斜面で構成されている。
この凸形状の入光面２２５により、ＬＥＤからの光が円錐状凹部２２３に向かって集光されて、効率的に反射される。

以下、図４の実施例に基づく構造の配光レンズ２２の具体的な詳細例を図５の拡大図に基づいて説明する。
配光レンズ２２の円柱状部２２１の先端に形成される円錐状凹部２２３は、ＬＥＤ２１から当該配光レンズ２２に導入された光を全反射するような頂角θ１を持った反射面から構成されていて、ＬＥＤ２１からの光は、円柱状部２２１の先端から直接出射することなく、円錐状凹部２２３によって反射されて円柱状部２２１の側面からその周囲に出射される。

前記円柱状部２２１は、光軸上で先端側に向かうに従い若干縮径されたテーパ形状とすることができる。この円柱状部２２１の円柱状側面（法面）と、光軸に直交する面とのなす角度θ２は、直角（９０度）に近いほど反射された光のビーム径が抑えられ、照射面の照射エリアが小さく設定される。また角度θ２を大きく設定すると、ビーム径が広がり、照射面の照射エリアを大きく設定できる。つまり側面の傾斜角度は、所望の照射エリア（有効照射領域）の大きさに応じて、適宜決められる。

入光面２２５の外周に形成された環状溝２２６は、ＬＥＤ２１からの出射光のうち、円錐状凹部２２３を介さずにＬＥＤ２１からリフレクタ２３の反射面へ直接的に照射される光を低減させる役割を担う。この環状溝２２６の外側面２２７は、光軸の前方に向かって縮径する方向に傾斜する傾斜面で構成されている。
この環状溝２２６の傾斜外側面２２７は、ＬＥＤ２１からの光のうち、円柱状部２２１の円錐状凹部２２３に向かうことなく直接リフレクタ２３に向かう光を反射又は屈折させて円錐状凹部２２３に向かわせることで、この円錐状凹部２２３を介さずに出射する迷光を抑えることができ、照射面での照射ムラを抑制している。
傾斜外側面２２７の角度（θ３）は、９０度〜１３５度の範囲で設計することが好ましい。また、この傾斜角度（θ３）は、ＬＥＤ２１からの出射光のビーム角に依存し、ビーム角が大きくなるにつれて当該傾斜角度（θ３）も大きく設計することが望ましい。これによりビーム角に応じた配光ムラの低減を好適に行うことができる。

また、入光面２２５の大きさ（直径）Ｄ４は、円錐状凹部２２３の開口直径Ｄ３よりも小さくする（Ｄ４＜Ｄ３）ことがより好ましい。こうすることで、リフレクタへ直接的に照射される光線をより拘束しやすくなり、迷光を低減させやすい。反対に入光面２２５の直径Ｄ４が相対的に大きい場合、円錐状凹部２２３を介さずに、ＬＥＤ２１からリフレクタへ直接抜ける光が多くなり、照度ムラを招いてしまう。

図５に示す構造の配光レンズ２２の具体的な一数値例は以下の通りである。
板状部：直径（Ｄ１）φ２８．９ｍｍ、厚み（Ｔ２）２．５ｍｍ
円柱状部：直径（Ｄ２）φ１６．４ｍｍ、長さ（Ｔ１）７．６ｍｍ、法面角度（θ２）９９度
円錐状凹部：開口径（Ｄ３）φ１４ｍｍ、深さ（Ｈ１）６．６ｍｍ、頂角（θ１）９０度
入光面：凸面形状、曲率半径（Ｒ）４４ｍｍ、直径（Ｄ４）φ１１．３ｍｍ
環状溝：外径（Ｄ５）φ１６ｍｍ、深さ（Ｈ２）１．７ｍｍ、傾斜面の角度（θ３）１４５度

以上説明したように、本願発明の光源ユニットにおいては、ＬＥＤに対向配置された配光レンズに円柱状部を設け、その先端部に円錐状凹部を形成したので、ＬＥＤから導入された光は、配光レンズ先端の円錐状凹部において全反射され、先端から直接前方に出射されることなく、円柱状側面から周囲に出射されてリフレクタに向かい、ここで反射されて集光し、その後拡開して照射面に照射(クロス照射)される。
そのため、このような光源ユニットにグレア防止のためのピンホール器具を用いる場合にあっても、集光する領域にピンホールを配置することで、光源ユニットからの有効照射光を何等遮ることがない配置が可能となる。そのため、照射面での照射ムラを招くことがなく、かつ、照度低下をきたすこともないという優れた効果を奏する。

１ 照明器具
２ 光源ユニット
２１ ＬＥＤ
２１１ 枠体
２１２ 基板
２２ 配光レンズ
２２１ 円柱状部
２２２ 平板部
２２３ 円錐状凹部
２２５ 入光面
２２６ 環状溝
２２７ 傾斜外側面
２３ リフレクタ
３ ヒートシンク
４ ピンホール器具
４１ ピンホール

Claims (3)

1. 後方に配置されたＬＥＤからの出射光を導光する配光レンズと、該配光レンズを取り囲むように配置されたリフレクタとを有する光源ユニットにおいて、
   前記配光レンズは、光軸方向に延びる円柱状部分を有していて、その先端には円錐状凹部が形成されており、
   前記円錐状凹部は、前記配光レンズに入射した光を周方向に全反射する反射面で構成され、
   前記配光レンズの後方には、前記ＬＥＤ側に向かって凸形状の入光面が形成されており、
   前記入光面の外周には、環状溝が設けられていて、該環状溝の外側面は、傾斜面で構成されており、
   前記入光面の直径は、前記円錐状凹部２２３の開口直径よりも小さく、
   前記円柱状部２２１の直径は、前記環状溝の外側面の外径よりも大きく形成されており、
   前記リフレクタは、前記円柱状部の円柱状側面からの出射光を反射させ、いったん焦点位置に集光させた後に拡開させて照射面に照射することを特徴とする光源ユニット。
2. 前記円柱状部の円柱状側面は、先端側に向かって縮径されていることを特徴とする請求項１に記載の光源ユニット。
3. 前記配光レンズは、前記円柱状部と平板部とからなり、前記平板部にリフレクタが取り付けられていることを特徴とする請求項1または２に記載の光源ユニット。
   

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