JP6588751B2 - ケイ酸塩系表面含浸材のコンクリート改質効果を高める補助材併用工法 - Google Patents

ケイ酸塩系表面含浸材のコンクリート改質効果を高める補助材併用工法 Download PDF

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本発明は、コンクリートの改質方法に関するものである。
コンクリート構造物は、年月の経過により劣化することが知られている。その原因とされているのは、コンクリート表面から侵入する水や炭酸ガス、また塩化物イオン等によるものである。これを防止するためには、表面からの侵入を防止するため、表面の緻密性を維持することが重要である。
この表面の緻密性維持には、従来からケイ酸溶液を表面から浸透させることによって、コンクリート内の水酸化カルシウムと結合させることが行われている。
しかし、この単にケイ酸溶液を塗布(浸透)するだけでは、内部のカルシウムイオンが少ない場合、ケイ酸カルシウム水和物(C−S−H)ゲルの形成が十分でなく、緻密性が不足する。これを防止するため、カルシウム塩溶液を、ケイ酸塩溶液の塗布と同時に。または前後して塗布することも行われている。
例えば、特許文献1に記載の発明である。この発明は、ケイ酸塩系表面含浸工法に用いる反応促進材及びコンクリート補強方法である。具体的には、反応促進材としては、カルシウム成分と亜硝酸塩とを含有するものである。これにより、不足するカルシウム分を補うものである。
しかしながら、この従来の方法では、ケイ酸カルシウムが先に沈殿する可能性があり浸透が十分でなく、カルシウム成分が不足する、即ち、カルシウム塩溶液の濃度が極端に薄いのである。勿論、単に量を増加して塗布しても強度や防水性の改善にはならない。結局、その重要性に思い至っていないのである。
そこで、簡単な施工により、C−S−Hゲルの形成が十分となり、かつカルシウムその他の原子の保持も十分な工法を提供する。
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果、本発明コンクリートの改質方法を完成したものであり、その特徴とするところは、コンクリート表面にカルシウム塩水溶液を塗布し、少なくとも12時間経過後、ケイ酸塩の水溶液を塗布するものであり、該カルシウム塩水溶液の塗布量は、カルシウムイオン換算でコンクリート面1m当たり、0.05〜0.4モルであり、ケイ酸塩の水溶液の塗布量は、ケイ酸イオン換算でコンクリート面1m当たり、0.4〜0.9モルである点にある。
ここで、カルシウム塩は、硝酸カルシウム又は亜硝酸カルシウムである。また、ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等である。
塗布するカルシウム塩の濃度は、1〜20重量%程度が好適であり、4〜12%程度がより好適である。
また、ケイ酸塩の塗布濃度は、SiOとして10〜20重量%が好適である。
被塗布面に塗布する量は、カルシウム塩は、カルシウムイオン換算でコンクリート面1m当たり、0.05〜0.4モルであり、好ましくは、0.09〜0.2モルである。0.05モルより少ないと効果が少なく、0.4モル以上塗布する意味がない。さらに0.09〜0.2モルが最も効果があった。
同様に、ケイ酸塩の水溶液の塗布量は、ケイ酸イオン換算でコンクリート面1m当たり、0.4〜0.9モルであり、より好ましくは、0.5〜0.7モルである。0.4モル以下では効果が少なく、0.9モル以上では変わらなかった。
また、ケイ酸イオンとカルシウムイオンとのモル比も所定の範囲内であることが望ましい。例えば、SiO 2−/Ca2+=1.8/1〜7.1/1、好ましくは2/1〜5/1である。この範囲にすることで、ケイ酸イオンのコンクリート外への流出が防止できた。
要するに、本発明は、単にカルシウム塩とケイ酸塩を塗布したのではなく、十分な量のカルシウム塩を塗布し、そして十分な時間をおき、かつ十分なケイ酸塩を塗布したことがポイントであり、それによって後述する種々の効果を発揮するのである。
本発明でいう塗布は、液体を被施工面に適用することであり、噴霧、ローラー塗り、刷毛塗りその他でよい。
本発明では、両成分の塗布順序が重要であり、最初に亜硝酸カルシウム溶液を塗布する。そして、これも重要であるが、十分時間を空けて(少なくとも12時間経過後)からケイ酸塩溶液を塗布する。これは、ケイ酸カルシウムの沈殿を生じさせないためである。
この12時間という数字は、発明者の実験によるもので、これより短いと反応が十分でなかった。
さらに上記のケイ酸塩溶液には、キレート剤を混合してもよい。キレート剤としては、EDTA(エチレンジアミン4酢酸)、オキシカルボン酸等が好適であった。
混合量としては、100〜200ppm程度である。
本発明方法では、次のような効果がある。
(1) ケイ酸塩水溶液を塗布する前に、カルシウムイオンを十分浸透させるため、水と塩水に対する大きな透水性削減効果が得られる。
(2) カルシウム塩水溶液を塗布した後、十分な時間をおくため、浸透が不足することがない。
(3) カルシウム塩水溶液の濃度や、塗布量が多く、ケイ酸との結合が十分図られる。
(4) また、キレート剤を混合したものではより効果が大きい。
(5) コンクリート自体の補強になる。
(6) 工法自体が簡単である。
透水率の実験を示す側面図である。
以下実施例に従って本発明をより詳細に説明するが、実施例に限定されるものではない。
まず、老齢化したコンクリートの例としてセメントの一部をフライアッシュにしたものを用いた。また、通常のコンクリートとしても品質の低い物を用いた。その混合比を表1に示す。表1に示した割合でコンクリートの供試体(100×100×40mm)を作成した。
Figure 0006588751
これを、20℃の恒温室内で1ヶ月間、湿布養生した後、5重量%と10重量%の濃度の亜硝酸カルシウム溶液を、測定誤差を減らすため3枚を準備しそれぞれに250g/m塗布した。
そして、12時間放置し、次いでケイ酸(SiO)濃度が16重量%のケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムをそれぞれ亜硝酸カルシウム溶液5%のものと10%のものを塗布後の試供体に塗布した。亜硝酸ナトリウムをまったく塗布していない3枚にも同様にケイ酸塩を塗布し比較例とした。
そして、これとは別にまったく何も塗布しないものを、ブランクとして測定した。
このときの各成分の塗布量を表2に示す。塗布量は被塗布面1m当たりの量である。
Figure 0006588751
上記の供試体1を用いて、透水試験を行った。試験の方法は、感量が0.05ml、容量5mlのメスピペット2、口径が75〜86mmの漏斗3、メスピペットと漏斗を接合するためのゴム管4からなる。
この漏斗3を、図1のように広い口を下にして供試体1上に載置する。そして、蒸留水をメスピペットの上部メモリまで充填し、その後の水の減量を5時間(1時間毎)計測した。5時間を経過する前に水が5ml以上減少してしまった場合は、水を補給して計測した。同じ実験を3回行ないその平均を取った。なお、漏斗3の口径の異なったものを使用したが、それは面積による補正を行った。
まず、供試体として普通モルタルのセメントを用いたものの結果を表3に示す。この表から、最初にカルシウム塩を塗布した方が、透水量の削減率(水)が大きいことは明らかである。また、塗布するカルシウム塩も最低限、1mあたり12.5gが必要であることが分かった。これより低いと、効果が著しく小さくなった。また、ケイ酸塩の中でもケイ酸リチウムは効果が小さかった。
Figure 0006588751
次に供試体として、フライアッシュモルタルのセメントのものを用いて実施した。その結果を表4に示す。この場合もケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムについては同様の効果が見られたが、ケイ酸リチウムについては、ブランクより透水量の削減率(水)が小さくなった。これは、表面含浸材を塗布していないフライアッシュモルタルの透水性が元々小さいためである。
普通モルタルのセメントもフライアッシュモルタルのセメントも、塗布する亜硝酸カルシウムの濃度を高くすることで透水量の削減率(水)は大きくなった。
Figure 0006588751
また、海水や凍結防止材の影響がある場合には、ナトリウムがケイ酸塩の反応を阻害する可能性があると考え、その点を試験した。即ち、上記の蒸留水を用いた透水試験と同様のことを3%の塩化ナトリウム水溶液を用いて、塩水浸透試験を実施した。
この結果を表5に示す。この表から、いずれの場合も、亜硝酸カルシウムの濃度が高くなるにつれて透水量の削減率(塩水)は明らかに大きくなった。
Figure 0006588751
次に表4と同様の塩化ナトリウム水溶液の実験も試みた。その結果を表6に示す。この場合、特にケイ酸リチウムで大きな効果が見られた。
Figure 0006588751
さらに、本発明のケイ酸塩にEDTA―4ナトリウム塩を150ppm添加して同様の実験を試みた。この場合、ほとんどの場合で、10%程度透水性の削減率(水及び塩水)が大きくなった。キレート剤の効果と思われる。

Claims (4)

  1. コンクリート表面に亜硝酸カルシウム水溶液を塗布し、少なくとも12時間経過後、ケイ酸塩の水溶液を塗布するものであり、該亜硝酸カルシウム水溶液の塗布量は、カルシウムイオン換算でコンクリート面1m当たり、0.189〜0.4モルであり、ケイ酸塩の水溶液の塗布量は、ケイ酸イオン換算でコンクリート面1m当たり、0.4〜0.9モルであることを特徴とするコンクリートの改質方法。
  2. 該ケイ酸塩の水溶液にはキレート剤を混合したことを特徴とする請求項1記載のコンクリートの改質方法。
  3. 該キレートの混合量は、該ケイ酸塩の水溶液中100〜200ppmである請求項記載のコンクリートの改質方法。
  4. 該ケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンクリートの改質方法。
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