JP6588726B2 - 熱成形装置、シート加熱装置、及び、ヒーター制御装置 - Google Patents

熱成形装置、シート加熱装置、及び、ヒーター制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数のヒーターを有する熱成形装置、シート加熱装置、及び、複数のヒーターへ供給する電力を制御するヒーター制御装置に関する。
熱成形装置は、例えば、フィードバック温度制御を行いながらヒーターで熱可塑性樹脂シートを加熱し、軟化したシートを成形する。シート全面をなるべく均一に加熱したりシートに意図的な温度分布を設けたりするため、平面状に並べた多数のヒーターでシートを加熱することも行われている。
シート全面をなるべく均一に加熱するためには、平面状に並べられた多数のヒーターのうち周縁部に配置されたヒーターに対して設定する電力比率を比較的大きくし、該周縁部よりも内側に配置されたヒーターに対して設定する電力比率を比較的小さくするのが好ましい。シートに意図的な温度分布を設けるためには、ヒーターに対して設定する電力比率を位置に応じた率にするのが好ましい。特許文献1に示される熱成形装置は、ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率である点火率に従って各ヒーターに供給される電力を制御している。尚、この熱成形装置のヒーター群に含まれる複数のヒーターは、全て同じ大きさである。
特許5292503号公報
加熱時間、ひいては成形サイクルを短縮するためヒーター等の目標温度を上げると、点火率によってはヒーターへの電力供給が不足することが分かった。多数のヒーターのうち一部のヒーターへの電力供給が不足すると、シートの温度制御の精度が低下することになる。成形品を高品質化するためには、このような精度の低下を抑制することが望ましい。
本発明は、良好な温度制御を実現させることが容易な技術を提供する目的を有している。
上記目的を達成するため、本発明は、並べられた複数のヒーターでシートを加熱し、該加熱したシートを成形する熱成形装置であって、
設定された目標温度に基づいて、前記複数のヒーターに含まれる主ヒーターへ供給する電力を制御する主ヒーター電力制御手段と、
前記目標温度の設定を受け付ける目標温度設定手段と、
前記主ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率、前記複数のヒーターから前記主ヒーターを除いた従ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率として、前記従ヒーターへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段の前記主ヒーターへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいて制御する従ヒーター電力制御手段と、
前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいた制御目標の演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーターへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報を表示する表示手段とを備えた、態様を有する。
また、本発明の熱成形装置は、ヒーター群対向範囲にあるシートに対向する複数のヒーターと、
前記ヒーターへ供給する電力を制御するヒーター電力制御手段と、
前記ヒーターで加熱されたシートを成形するための型が交換可能に取り付けられ、ショット単位でシートを成形する成形部と
前記ヒーターで加熱される位置、及び、前記成形部を通る搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段とを備え、
前記成形部に搬入されたシートの成形範囲が前記型に応じて変わり得る範囲であり、
前記ヒーター群対向範囲の内、前記成形範囲の大きさに関わらず所定ショット後に成形範囲となる部分を特定範囲として、
前記複数のヒーターは、前記特定範囲に対向する複数の特定ヒーターと、シートに対向する面積が前記特定ヒーターよりも小さい複数の調整ヒーターとを含み、
前記複数の調整ヒーターの少なくとも一部は、前記搬送経路に沿った方向において前記複数の特定ヒーターから前記成形部とは反対側に配置され、
少なくとも前記複数の調整ヒーターへ供給する電力を変えるための設定を受け付ける供給電力可変手段が設けられた、態様を有する。
さらに、本発明は、並べられた複数のヒーターでシートを加熱するシート加熱装置の態様を有する。
さらに、本発明は、並べられた複数のヒーターへの電力供給を制御するヒーター制御装置の態様を有する。
さらに、本発明は、熱成形方法、シート加熱方法、ヒーター制御方法、熱成形プログラム、シート加熱プログラム、ヒーター制御プログラム、これらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体、等の態様も有する。
本発明によれば、良好な温度制御を実現させることが容易な技術を提供することができる。
ヒーター制御装置及びシート加熱装置を含む熱成形装置の例を模式的に示す正面図。 (a)は成形型73が離隔位置L11にあるときの成形装置の例を模式的に示す垂直断面図、(b)は型83が離隔位置L22にあるときのトリミング装置の例を模式的に示す垂直断面図。 ヒーター群のシートへの対向面を模式的に例示する図。 (a)は調整ヒーターを除くヒーターのシートへの対向面を例示する図、(b)は調整ヒーターのシートへの対向面を例示する図。 点火率テーブルの構造例を模式的に示す図。 ヒーター制御装置の例をヒーターとともに模式的に示すブロック図。 (a)は交流電源の半波長に相当する時間を階調値に割り当てる例を模式的に示す図、(b)は交流電源の半波長における電力量を等分する例を模式的に示す図、(c)は位相制御の例を模式的に示す図。 熱成形装置の電気回路構成の概略を例示するブロック図。 ヒーター設定処理の例を示すフローチャート。 温度設定画面の例を模式的に示す図。 点火率設定画面の例を模式的に示す図。 能力超過情報の表示例を模式的に示す図。 (a)〜(c)はヒーター群対向範囲と成形範囲との対応関係の例を模式的に示す平面図。 ヒーター制御装置の変形例をヒーターとともに模式的に示すブロック図。 (a)〜(f)はヒーター群の変形例を模式的に示す図。 ヒーター群対向範囲と成形範囲との対応関係の変形例を模式的に示す平面図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本技術の概要:
まず、図1〜16を参照して本技術の概要を説明する。
[態様1]
図1等に例示される熱成形装置1は、主ヒーター電力制御手段20、目標温度設定手段U1、従ヒーター電力制御手段40、及び、表示手段U2を備え、並べられた複数のヒーターH0でシートSH1を加熱し、該加熱したシートSH1を成形する。前記主ヒーター電力制御手段20は、設定された目標温度(例えば図6に示す設定主ヒーター温度TSH1と設定シート表面温度TSS1)に基づいて、前記複数のヒーターH0に含まれる主ヒーターHMへ供給する電力を制御する。前記目標温度設定手段U1は、前記目標温度の設定を受け付ける。ここで、前記主ヒーターHMの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率RL1、前記複数のヒーターH0から前記主ヒーターHMを除いた従ヒーターHSの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率RL2とする。前記従ヒーター電力制御手段40は、前記従ヒーターHSへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段20の前記主ヒーターHMへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率RL1を基準とした前記従点火率RL2に基づいて制御する。前記表示手段U2は、前記従ヒーター電力制御手段40による制御が前記従ヒーターHSへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に前記従ヒーターHSへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報(例えば図12に示す能力超過情報640)を表示する。
従ヒーターHSへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報(640)が表示されるのは、上限以内に抑えられないと仮定したときの制御目標が従ヒーターHSへの電力供給の上限を超えた場合である。このような従ヒーターHSへの電力供給の能力超過が分からないと、シートSH1の加熱むらとなり、成形品PR1の品質が低下する可能性があり、成形されたシートや成形品PR1を見て電力供給の能力超過を判断するのは手間がかかることになる。本技術は、前述の情報(640)の表示により従ヒーターHSへの電力供給が能力を超える状態となったことが分かるので、従ヒーターHSへの電力供給が不足しないように目標温度等の設定を変えることが容易となる。従って、本態様は、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易な熱成形装置を提供することができる。
ここで、熱成形には、圧空成形や真空成形や圧空真空成形といった差圧成形等が含まれる。
ヒーターへの電力供給制御には、交流電力の位相制御、電圧の可変制御、直流電流のオン比の制御、等が含まれる。
主ヒーター電力制御手段や従ヒーター電力制御手段による制御は、デジタル値で行われてもよいし、アナログ量で行われてもよい。
目標温度設定手段により設定される目標温度には、主ヒーターの目標温度、シートの目標温度、等が含まれる。
上述した主点火率を基準とした従点火率には、主点火率に対する従点火率の比、主点火率と従点火率との差、等が含まれる。
従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられることには、従ヒーターへ供給される電力の上限に抑えられること、及び、従ヒーターへ供給される電力の上限よりも少ない電力に抑えられることが含まれる。
[態様2]
前記従ヒーターHSは、複数有ってもよい。図9,12に例示するように、前記表示手段U2は、前記複数の従ヒーターHSのうち前記従ヒーター電力制御手段40による制御が前記従ヒーターHSへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった従ヒーターHSを識別可能な情報(例えば能力超過情報640)を表示してもよい。本態様は、どの従ヒーターHSへの電力供給が能力を超える状態となったかが分かるので、該当する従ヒーターへの電力供給が不足しないように目標温度等の設定を変えることが容易となる。
[態様3]
図9,11に例示するように、本熱成形装置1は、前記主点火率RL1と前記従点火率RL2の少なくとも一方の設定を受け付ける点火率設定手段U3を備えてもよい。この態様は、点火率を変えることができるので、利便性を向上させることができる。
[態様4]
図2(a)に例示するように、本熱成形装置1は、前記ヒーターH0で加熱されたシートSH1を成形するための型73が交換可能に取り付けられショット単位でシートSH1を成形する成形部SE3を備えてもよい。図13に例示するように、該成形部SE3に搬入されたシートSH1の成形範囲AF1は、前記型73に応じて変わり得る範囲でもよい。前記複数のヒーターH0は、ヒーター群対向範囲A0にあるシートSH1に対向してもよい。ここで、該ヒーター群対向範囲A0の内、前記成形範囲AF1の大きさに関わらず所定ショット後(例えば1ショット後)に成形範囲AF1となる部分を特定範囲A1とし、残る部分を残部範囲A2とする。図3等に例示するように、前記複数のヒーターH0は、前記特定範囲A1に対向する複数の特定ヒーターH1と、シートSH1に対向する面積が前記特定ヒーターH1よりも小さい調整ヒーターH3とを含んでもよい。図9,11に例示するように、本熱成形装置1は、少なくとも前記調整ヒーターH3へ供給する電力を変えるための設定を受け付ける供給電力可変手段U4が設けられてもよい。
[態様5]
また、図1等に例示される熱成形装置1は、複数のヒーターH0、ヒーター電力制御手段UH、成形部SE3、及び、供給電力可変手段U4を備える。前記複数のヒーターH0は、ヒーター群対向範囲A0にあるシートSH1に対向している。前記ヒーター電力制御手段UHは、前記ヒーターH0へ供給する電力を制御する。図2(a)に例示するように、前記成形部SE3は、前記ヒーターH0で加熱されたシートSH1を成形するための型73が交換可能に取り付けられ、ショット単位でシートSH1を成形する。図13に例示するように、該成形部SE3に搬入されたシートSH1の成形範囲AF1は、前記型73に応じて変わり得る範囲である。ここで、前記ヒーター群対向範囲A0の内、前記成形範囲AF1の大きさに関わらず所定ショット後(例えば1ショット後)に成形範囲AF1となる部分を特定範囲A1とする。図3等に例示するように、前記複数のヒーターH0は、前記特定範囲A1に対向する複数の特定ヒーターH1と、シートSH1に対向する面積が前記特定ヒーターH1よりも小さい調整ヒーターH3とを含んでいる。図9,11に例示するように、前記供給電力可変手段U4は、少なくとも前記調整ヒーターH3へ供給する電力を変えるための設定を受け付ける。
上記態様4,5は、成形範囲AF1の大きさに関わらず所定ショット後に成形範囲AF1となる特定範囲A1に対向する特定ヒーターH1よりもシートSH1に対向する面積について調整ヒーターH3の方が小さく、少なくとも調整ヒーターH3への電力供給を変えるための設定が可能である。ヒーター群に含まれる複数のヒーターが全て同じ大きさであると、この大きさの単位でしかヒーターへの電力供給の設定をすることができない。上記態様4,5は、特定ヒーターH1よりも小さい単位で調整ヒーターH3への電力供給の設定をすることができるので、シートSH1を成形するための型73に応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができる。従って、上記態様4,5は、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易な熱成形装置を提供することができる。
ここで、ショットとはシートに型を作用させてシートを成形する成形サイクルをいい、1ショットとは1成形サイクルをいう。
[態様6]
本熱成形装置1は、前記ヒーターH0で加熱される位置(例えばヒーター群対向範囲A0)、及び、前記成形部SE3を通る搬送経路R1に沿ってシートSH1を搬送する搬送手段(例えばシート搬送装置60)を備えてもよい。ここで、前記シートSH1に沿って前記搬送経路R1と交差(例えば直交)する方向を幅方向D2とする。図3等に例示するように、前記複数のヒーターH0の中で前記特定範囲A1に対向する前記特定ヒーターH1から前記幅方向D2の外側に該幅方向D2における長さが前記特定ヒーターH1よりも短い前記調整ヒーターH3が配置されてもよい。本態様は、シートSH1を成形するための型73の幅に応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができるので、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易な具体例を提供することができる。
[態様7]
また、図1,3等に例示するように、前記複数のヒーターH0の中で前記特定範囲A1に対向する前記特定ヒーターH1から前記搬送経路R1の外側に該搬送経路R1に沿った方向(搬送方向D1)における長さが前記特定ヒーターH1よりも短い前記調整ヒーターH3が配置されてもよい。この態様は、シートSH1を成形するための型73の搬送経路方向における長さに応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができるので、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易な具体例を提供することができる。
[態様8]
本熱成形装置1に含まれるシート加熱装置2も、従ヒーターHSへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報(640)の表示により従ヒーターHSへの電力供給が能力を超える状態となったことが分かるので、従ヒーターへの電力供給が不足しないように目標温度等の設定を変えることが容易となる。従って、本態様は、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易なシート加熱装置を提供することができる。
[態様9]
本シート加熱装置2に含まれるヒーター制御装置10も、従ヒーターHSへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報(640)の表示により従ヒーターHSへの電力供給が能力を超える状態となったことが分かるので、従ヒーターへの電力供給が不足しないように目標温度等の設定を変えることが容易となる。従って、本態様は、良好な温度制御を実現させることが容易なヒーター制御装置を提供することができる。
[態様10]
図6に例示するように、前記主ヒーター電力制御手段20は、前記主ヒーターHMの温度を検出する主ヒーター温度検出手段(例えば熱電対温度計31)で検出される主ヒーター温度TDH1を設定主ヒーター温度TSH1に近付けるフィードバック温度制御を前記主ヒーターHMへ供給する電力に対して行ってもよい。この態様は、ヒーターの温度制御の精度を向上させることが可能な具体例を提供することができる。尚、主ヒーターHMへの電力供給の制御は、フィードバック温度制御に限定されず、フィードバック制御を伴わないフィードフォワード温度制御等でもよい。
[態様11]
図14に例示するように、前記主ヒーター電力制御手段20は、被加熱物温度検出手段(例えば示す放射温度計32)で検出される被加熱物温度(例えばシート表面温度TDS1)を設定被加熱物温度(例えば設定シート表面温度TSS1)に近付ける前記フィードバック温度制御を行ってもよい。この態様は、被加熱物の温度制御の精度を向上させることが可能な技術を提供することができる。
[態様12]
図6に例示するように、前記主ヒーター電力制御手段20は、前記複数のヒーターH0で加熱される被加熱物(例えばシートSH1)の温度を検出する被加熱物温度検出手段(例えば放射温度計32)で検出される被加熱物温度(例えばシート表面温度TDS1)を設定被加熱物温度(設定シート表面温度TSS1)に近付けるように前記設定主ヒーター温度TSH1を修正し、前記主ヒーター温度TDH1を前記修正した設定主ヒーター温度TSH1に近付ける前記フィードバック温度制御を前記主ヒーターHMへ供給する電力に対して行ってもよい。この態様は、被加熱物の温度制御の精度を向上させることが可能な技術を提供することができる。
ここで、上述した温度検出手段には、熱電対温度計、放射温度計、等が含まれる。むろん、検出温度や設定温度は、デジタル値、アナログ量、等が含まれ、温度値そのものに限定されない。
上記被加熱物には、被成形材、熱板、成形型、等が含まれ、シート、塊状の材料、粒状の材料、粉末状の材料、液状の材料、等が含まれる。被加熱物温度には、被加熱物の表面温度、被加熱物内部の温度、等が含まれる。
(2)ヒーター制御装置及びシート加熱装置を含む熱成形装置の概要:
図1に例示する熱成形装置1は、SE1〜SE7で表した各部を備え、成形可能なシート(被加熱物)SH1からショット毎に所定数の成形品PR1を形成する。図1に示す加熱部SE2は、ヒーター制御装置10とともにシート加熱装置2を構成する。尚、図1において、左から右へ向かう方向が所定のシート搬送方向D1であり、左側がシートSH1の上流側、右側がシートSH1の下流側である。
シート供給部SE1は、連続して繋がった連続シートSH1を巻いたロールSH0をほどく。シートSH1は、熱可塑性樹脂シートのような樹脂シート、熱可塑性を示す樹脂以外の熱可塑性シート、紙、等の成形可能なシートを用いることができる。前記樹脂シートは、熱可塑性樹脂等の樹脂のみからなる樹脂シートでも、樹脂に充てん材等の添加剤が添加された材質からなるシートでもよく、単層シートでも、異なる材質をラミネートした積層シートでもよい。シートSH1の素材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、等を利用可能である。また、シートSH1は、シート状ないしフィルム状になっていればよく、ロール状に巻かれていても、所定の長さにカットされていてもよい。シートの厚みは、1〜2mm程度、0.25〜1mm程度、等、様々な厚みとすることが可能であり、3mm程度以上の厚物シートでもよいし、0.25mm程度以下のフィルムでもよい。シートSH1から形成される成形品PR1には、食品容器といった容器、家電製品の内箱や操作パネルといった構成品、等がある。
シート搬送装置(搬送手段)60は、シートSH1〜SH3の縁部を保持し、シートSH1のヒーター群対向範囲A0、及び、前記成形部SE3を通る搬送経路R1に沿ってシート搬送方向D1へシートSH1〜SH3を搬送する。シートSH1のヒーター群対向範囲A0は、複数のヒーターH0が対向している範囲である。シート縁部の保持は、シート縁部のクランプでもよいし、突き刺し部材によりシート縁部を突き刺すことによる保持でもよい。シート搬送装置は、シート搬送方向D1に対して複数に分割されてもよい。シート搬送方向D1へ繋がったシートSH1〜SH3は、制御部SE7の制御盤本体100の制御に従って間欠的に搬送される。
加熱部SE2は、ヒーター群HGを有し、例えば、シートSH1のヒーター群対向範囲A0を溶融しない範囲で軟化する温度以上に輻射加熱する。図1に示す加熱部SE2はシートSH1の上側と下側とにヒーター群HGが配置されているが、どちらか一方を省略することも可能である。図1に示すヒーター制御装置10は、制御部SE7に設けられ、ヒーター群HGへの電力供給を制御する。
成形部SE3には、例えば、図2(a)に示す成形装置70を使用することができる。上テーブル71の下面には型ベース部材71Bが固定手段で固定され、このベース部材71Bの下面には交換可能な成形型73が固定手段で固定されている。下テーブル72の上面にはベース部材72Bが固定手段で固定され、このベース部材72Bの上面には交換可能なクランプ(対向型)74が固定手段で固定されている。前述の固定手段は、ボルトとナットの組合せ等、固定する部材を交換することができるように取り外し可能とされている。従って、図2(a)に示す成形部SE3には、ヒーターH0で加熱されたシートSH1を成形するための型73,74が交換可能に取り付けられる。成形部SE3に搬入されたシートSH1の成形範囲AF1は、シートSH1の面方向(搬送方向D1と図3等に示すシート幅方向D2)における型73の大きさで決まる。例えば、図2(a)に示す型73,74よりもシートSH1の面方向において小さい型がベース部材71B,72Bに取り付けられると、二点鎖線で示すように成形範囲AF1が狭くなる。むろん、図2(a)に示す型73,74よりもシートSH1の面方向において大きい型がベース部材71B,72Bに取り付けられると、成形範囲AF1が広くなる。従って、成形範囲AF1は、型73に応じて変わり得る範囲である。
尚、上記幅方向D2は、シートSH1に沿って前記搬送経路R1と直交(交差)する方向である。「直交」の概念には、誤差等により搬送経路R1と幅方向D2とのなす角度が厳密な直角からずれることが含まれる。
テーブル71,72は、図示しない成形用テーブル駆動機構により、設定された離隔位置と近接位置との間で上下方向に近接及び離隔する。これにより、上テーブル71の下に設けられた成形型73が離隔位置L11と近接位置L13との間で昇降し、下テーブル72上に設けられたクランプ74が離隔位置L12と近接位置L14との間で昇降する。各成形型73は、上方へ凹んだ雌型とされているが、下方へ凸とされた雄型や凹凸のある型でもよい。また、成形型を下側に配置しクランプを上側に配置してもよい。差圧供給機構75は、差圧供給孔73bから成形面73aに差圧を供給する。成形装置70は、成形型73とクランプ74とが離隔した状態で1ショット分の加熱軟化状態のシートSH1が搬入されると、成形型73とクランプ74とを近接させ、差圧供給機構75により負圧を差圧供給孔73bに作用させて移動停止中のシートSH1を成形面73aに密接させる。成形装置70が成形型73とクランプ74とを離隔させると、成形シートSH2がシートSH1に繋がった状態で成形装置70から搬出され、トリミング部SE4に搬入される。このとき、次ショットのシートSH1が成形装置70に搬入される。このようにして、成形部SE3は、加熱されたシートSH1をショット単位で成形する。
尚、シートSH1の成形は、上述した真空成形以外にも、圧空成形や圧空真空成形といった差圧成形、プレス成形、熱成形以外の成形、等でもよい。圧空真空成形は、圧空と真空とを併用する差圧成形である。熱成形には、差圧成形やプレス成形が含まれる。
トリミング部SE4には、例えば、図2(b)に示すトリミング装置80を使用することができる。テーブル81,82は、図示しないトリミング用テーブル駆動機構により、設定された離隔位置と近接位置との間で上下方向に近接及び離隔する。これにより、下テーブル82上に設けられた型83及び切刃84が離隔位置L22と近接位置L24との間で昇降し、上テーブル81の下に設けられた受け部材85が離隔位置L21と近接位置L23との間で昇降する。各型83は、上方へ凸とされているが、下方へ凹んだ形状や凹凸のある形状でもよい。また、切刃を上側に配置し受け部材を下側に配置してもよいし、型を上側に配置してもよい。各切刃84は、例えばトムソン刃とすることができ、各型83の周囲において受け部材85に対向した刃先を有している。トリミング装置80は、型83と受け部材85とが離隔した状態で1ショット分の成形シートSH2が搬入されると、型83と受け部材85とを近接させて各型83に成形シートSH2を配置させ、成形品PR1の周囲で受け部材85に接触した移動停止中の成形シートSH2を切刃84により切断する。トリミング装置80が型83と受け部材85とを離隔させると、スクラップシートSH3が成形シートSH2に繋がった状態でトリミング装置80から搬出されてスクラップ回収部SE5に搬入され、各成形品PR1が各型83上から搬出されて製品取出部SE6に搬入される。このとき、次ショットの成形シートSH2がトリミング装置80に搬入される。
尚、トリミング装置は、切刃を受け部材に押し当てて成形シートを切断する装置、型の周囲の切刃により成形シートを打ち抜く装置、上刃と下刃とを摺接させる等して成形シートを打ち抜く装置、等が含まれる。
(3)ヒーター群の説明:
図3は、ヒーター群HGのシートSH1に対向する面を模式的に例示している。ヒーター群HGを構成する複数のヒーターH0は、互いに直交するx,y方向に並べられている。図3の例では、これらのヒーターH0のうち、熱電対温度計(主ヒーター温度検出手段)31が設けられた位置(3,4)のヒーターが主ヒーターHMであり、熱電対温度計31が設けられていないヒーターが従ヒーターHSである。ヒーターH0は、主ヒーターHMと従ヒーターHSを総称し、ヒーター群対向範囲A0に対向する範囲に複数並べられている。詳しくは後述するが、複数のヒーターH0は、シートSH1の特定範囲A1に対向する複数の特定ヒーターH1と、シートSH1の残部範囲A2に対向する複数の残部ヒーターH2とを含んでいる。これらの残部ヒーターH2は、シートSH1に対向する面積が特定ヒーターH1よりも小さい調整ヒーターH3を含んでいる。図3に示す調整ヒーターH3は、シートSH1に対向する面積が特定ヒーターH1の約半分である。
また、シートSH1の残部範囲A2の内、調整ヒーターH3に対向する範囲を調整範囲A3とする。図3には、4個のヒーターH0に囲まれた箇所に放射温度計(被加熱物温度検出手段)32が配置されていることも示されている。シートSH1の上側と下側とにヒーター群HGが配置される場合、各ヒーター群HGに温度検出手段31,32に組合せが配置され、各ヒーター群HGに主ヒーターHMと従ヒーターHSの組合せが配置され、特定ヒーターH1と残部ヒーターH2(調整ヒーターH3を含む)の組合せが配置される。
ヒーターH0の数は、複数であればよく、図3に示す個数に限定されない。また、ヒーターH0の並びは、x,y方向の少なくとも一方の方向からずれていてもよい。本ヒーター制御装置10は、ヒーター群HGに含まれる主ヒーターHMへの電力供給に対して主ヒーター温度をフィードバックするコントロールを行い、該コントロールに基づいて他の従ヒーターHSへの電力供給をコントロールする。
図4(a),(b)に示すヒーターH0は、定格電圧での昇温レートが60℃/秒以上である急速応答可能な高速追従型ヒーターであり、複数の折返し部を有する蛇行形状に形成されたヒーターエレメントH02が絶縁板H01の一面に配置されている。ここで、特定ヒーターH1、及び、調整ヒーターH3を除く残部ヒーターH2の絶縁板H01は略八角形状であり、調整ヒーターH3の絶縁板H01は略四角形状である。ヒーターエレメントH02は、複数の帯状発熱板H03と、隣り合う発熱板H03の端部を互い違いに連結する複数の連結板H04とを備えている。各発熱板H03は、長手方向に沿って絶縁板H01から離れる側に山折りされ、長手方向を並行させて離隔して配列されている。各連結板H04は、発熱板H03とは逆に谷折りされている。これにより、連結板H04の傾斜面と両隣の発熱板H03の傾斜面とが接触し、電源端子H06,H06間が一つの電熱用合金帯とされている。各発熱板H03の幅方向の縁部は、絶縁板H01から突出した複数の略円柱状支持台H05に保持されている。
尚、ヒーターエレメントには、ニッケルクロム線又は帯、鉄クロム線又は帯、といった電熱用合金線又は帯等を用いることができる。また、ヒーターの形状も、図4(a),(b)で示した形状に限定されない。
y=1,2,7,8のような周縁部のヒーターに対面する箇所のシートは、外側へ熱が逃げ易い。一方、y=4,5のような内側部のヒーターに対面する箇所のシートは、外側へ熱が逃げ難い。シート全面をなるべく均一に加熱するためには、周縁部に配置されたヒーターに対して設定する電力比率を比較的大きくし、該周縁部よりも内側に配置されたヒーターに対して設定する電力比率を比較的小さくすればよい。シートに意図的な温度分布を設けるためには、ヒーターに対して設定する電力比率を位置に応じた率にすればよい。そこで、図5に例示するように、ヒーター毎に位置に応じた電力供給比率を点火率として設定した点火率テーブルT1を参照してヒーターへの電力供給比率を調整することにしている。この点火率テーブルT1は、ヒーターの位置(x,y)毎に点火率情報を格納した情報テーブルである。点火率テーブルT1は、図6に示すヒーター制御回路10aのメモリー12に記憶され、本具体例では図8に示す不揮発性メモリー106に記憶されるものとする。
図5中、主点火率情報T11は、主ヒーターHMの位置(3,4)に応じて設定された電力供給比率を表す情報である。従点火率情報T12は、従ヒーターHSの位置(x,y)に応じて設定された電力供給比率を表す情報である。点火率情報T11,T12は、0以上の数を表し、例えば、0%〜100%を表す情報とすることができる。
(4)ヒーター制御装置、及び、ヒーター制御方法の概要:
次に、図3〜7を適宜参照して、ヒーター制御装置10、及び、ヒーター制御方法の概要を説明する。
図6に例示されるヒーター制御回路10aは、制御盤本体100とともにヒーター制御装置10を構成する。ヒーター制御回路10aは、主ヒーター電力制御手段20と従ヒーター電力制御手段40を有するヒーター電力制御手段UHを備え、並べられた複数のヒーターH0への電力供給を制御する。
主ヒーター電力制御手段20は、ヒーター群HGに含まれる主ヒーターHMへ供給する電力に対してフィードバック温度制御を行う。従ヒーター電力制御手段40は、従ヒーターHSへ供給する電力を、主ヒーターHMへの電力供給に対するフィードバック温度制御、及び、主点火率RL1を基準とした従点火率RL2に基づいて制御する。ここで、主点火率RL1は、主ヒーターHMの位置に応じて設定された電力供給比率である。従点火率RL2は、ヒーター群HGから主ヒーターHMを除いた従ヒーターHSの位置に応じて設定された電力供給比率である。
例えば、主ヒーター電力制御手段20は、熱電対温度計31で検出される主ヒーター温度TDH1を設定主ヒーター温度TSH1(目標温度の一種)に近付けるフィードバック温度制御により、主ヒーターHMへ供給する交流電力を位相制御する。このとき、主ヒーター電力制御手段20は、主点火率RL1に基づく制御を行っていない。尚、熱電対温度計31は、主ヒーターHMの温度を検出する主ヒーター温度検出手段の例である。
従ヒーター電力制御手段40は、主点火率RL1に対する従点火率RL2の比RL2/RL1に従って、フィードバック温度制御による主ヒーターHMへの交流電力のオン比RT1を変換し、従ヒーターHSへの交流電力を前記変換したオン比RT2に位相制御する。図6に例示されるように、従ヒーター電力制御手段40は、従ヒーターHSの温度を用いたフィードバック温度制御を行っていない。尚、点火率比RL2/RL1は、主点火率RL1を基準とした従点火率RL2の例である。交流電力のオン比RT1,RT2は、ヒーターHM,HSへの電力の供給比の例である。
主ヒーターHMへの電力供給をフィードバック温度制御の他に主点火率RL1を用いた制御により行うと、主ヒーターHMへの電力供給制御の精度が低下してしまう。例えば、フィードバック温度制御による主ヒーターHMへの交流電力のオン比RT1を100%、主点火率RL1を50%とすると、内部演算の階調値を10ビット分の0〜1023の整数とすると、オン比100%を表す階調値は1023になり、オン比100%に主点火率50%を乗じたときに50%を表す階調値は512になる。このことは、主点火率RL1に基づく制御を行うと、主ヒーターHMへの電力供給制御の分解能が実質的に主点火率の比率で低下することを意味する。
試験を行ったところ、昇温レート60℃/秒以上の急速応答可能な高速追従型ヒーターを用いてヒーターへの電力供給に対するフィードバック温度制御と点火率を用いた制御とを併用した電力供給制御を行うと、ヒーター温度のばらつきが大きくなることが分かった。これは、急速応答可能な高速追従型ヒーターを用いる場合、点火率を用いた制御の処理時間中に変化するヒーター温度がばらつきに大きな影響を与えるためと考えられる。本技術のように、急速応答可能な主ヒーターへの電力供給には主点火率に基づいた制御を行わずにフィードバック温度制御を行うと、主ヒーター温度のばらつきが小さくなる。
本技術は、主ヒーターHMへの電力供給に対しては主点火率RL1に基づく制御を行わなくてもよいので、主点火率RL1に基づく制御により主ヒーターHMへの電力供給制御の精度が低下することが抑制され、温度制御の精度を向上させることが可能になる。
(5)ヒーター制御装置の具体例:
図6は、ヒーター制御装置10のブロック構成例をヒーターHM,HSとともに模式的に示している。このヒーター制御装置10のヒーター制御回路10aは、制御部11、メモリー12、操作器26,43、熱電対温度計(主ヒーター温度検出手段)31、放射温度計(被加熱物温度検出手段)32、を備えている。
制御部11は、主ヒーター温度TDH1をフィードバックするスレーブループにある各部23〜25、シート表面温度(被加熱物温度)TDS1をフィードバックするマスターループにある各部21,22、従ヒーターHSへの電力供給を制御する経路にある各部41,42、を備えている。図6に示す制御部11は、上述したフィードバック温度制御、及び、主点火率を基準とした従点火率に基づいた制御をサンプリング周期毎に実行可能である。サンプリング周期は、25mS(ミリ秒)等の様々な周期に設定可能である。スレーブループを含むマスターループにある各部21〜25と操作器26と温度計31,32は、主ヒーター電力制御手段20を構成する。マスターループから外れた各部41,42と操作器43は、従ヒーター電力制御手段40を構成する。ヒーター群HGに複数の従ヒーターHSがあるため、従ヒーターHSへの電力供給制御の経路は従ヒーターHS毎に存在する。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、タイマー、I/F(インターフェイス)部、I/O(入出力)部、等で構成される。
メモリー12は、設定されたシート表面温度TSS1(目標温度の一種)、設定された主ヒーター温度TSH1、点火率テーブルT1、等を格納する。例えば、制御部11は、これらの情報(TSS1,TSH1,T1)を制御盤本体100から入力してメモリー12に格納する。メモリー12には、RAMといった揮発性半導体メモリー、フラッシュメモリーといった書き換え可能な不揮発性半導体メモリー、等を用いることができる。設定温度や点火率を固定する場合、メモリー12にROM等の書き換え不能なメモリーを用いてもよい。
操作器26,43は、入力される供給比(オン比RT1,RT2)に従って、ヒーターHM,HSへの交流電力供給を位相制御する。例えば、デジタルのオン比RT1,RT2に従って、ヒーターHM,HSへの交流電力供給をオンにしたりオフにしたりする。操作器には、SSR(Solid State Relay)、トライアック(双方向サイリスタ)、等を用いることができる。
主ヒーターHMに設けられた熱電対温度計31は、主ヒーターHMの温度を検出し、該検出した主ヒーター温度TDH1を主ヒーター温度比較部23へ出力する。ヒーター群HGの隙間に配置された放射温度計32は、ヒーター群HGで加熱されるシート(被加熱物)SH1の表面温度TDS1を検出し、該検出したシート表面温度(被加熱物温度)TDS1をシート温度比較部21へ出力する。温度計31,32の出力は、デジタル値でもよいし、アナログ量でもよく、温度値そのものに限定されない。
シート温度比較部21は、メモリー12から設定シート表面温度(設定被加熱物温度)TSS1を読み出し、該設定シート表面温度TSS1と放射温度計32からのシート表面温度TDS1とを比較し、比較結果を設定主ヒーター温度調整部22へ出力する。例えば、設定シート表面温度TSS1(℃)に対するシート表面温度TDS1(℃)の偏差ΔTS1=TDS1−TSS1(℃)の絶対値が閾値THS1℃(THS1>0)を超えると偏差ΔTS1に応じた修正量ΔCH1(℃)を比較結果として出力し、閾値THS1を超えていないときに修正補正量0を比較結果として出力する。修正量ΔCH1は、例えば、偏差ΔTS1に正の係数k1を乗じた値とすることができる。
設定主ヒーター温度調整部22は、メモリー12から設定主ヒーター温度TSH1を読み出し、該設定主ヒーター温度TSH1を補正量ΔCH1で修正し、該修正した設定主ヒーター温度TCH1(例えばTSH1+ΔCH1℃)を主ヒーター温度比較部23へ出力する。このようにして、シート表面温度TDS1が主ヒーター温度TDH1のフィードバック制御に加味される。
主ヒーター温度比較部23は、修正設定主ヒーター温度TCH1と主ヒーター温度TDH1とを比較し、比較結果をフィードバック演算部24へ出力する。フィードバック演算部でPID制御(proportional plus integral plus derivative control)を行う場合、例えば、P制御(比例制御)のために偏差ΔTH1=TDH1−TCH1(℃)を比較結果として出力し、I制御(積分制御)のために主ヒーター温度TDH1の時間t(秒)による積分値ΣTDH1(℃・秒)を比較結果として出力し、D制御(微分制御)のために主ヒーター温度TDH1の時間tによる微分値ΔTDH1(℃/秒)を比較結果として出力する。
フィードバック演算部24は、入力される比較結果に従って、主ヒーター温度TDH1を修正設定主ヒーター温度TCH1に近付けるようにフィードバック制御値を計算し、該フィードバック制御値を位相制御部25へ出力する。フィードバック演算部でPID制御を行う場合、例えば、偏差ΔTH1と積分値ΣTDH1と微分値ΔTDH1を用いてPID制御値をフィードバック制御値として算出する。フィードバック制御値は、例えば、交流電源30から主ヒーターHMへ供給する交流電力を位相制御するための百分率値とすることができる。
位相制御部25は、入力されるフィードバック制御値を主ヒーターHMへの電力の供給比(オン比RT1)に変換し、該供給比を操作器26へ出力する。例えば、PID制御値を交流電力の位相制御のオン比RT1に変換し、該オン比RT1を操作器26へ出力する。操作器26は、交流電源30から主ヒーターHMへ供給される交流電力をオン比RT1に位相制御する。
オン比RT1は、例えば、相対値0〜100%に対応した0〜1023のデジタル整数値とすることができる。
図7(a)は、交流電源30の電圧Eの時間変化を例示している。この電圧変化の半波長分を時間tで1023等分する場合、E=0から始まる初期時間を1023に割り当て、E=0で終わる終了時間を0に割り当てることができる。この場合、時間tの相対値0〜100%を制御部11の内部演算用に0〜1023の階調値で表現したことを意味する。
主ヒーターHMへの電力量で半波長を等分する場合、図7(b)に示すように、電圧Eの時間tによる積分値(時間t−電圧Eグラフの面積)の半波長分を等分すればよい。すると、時間t−電圧Eグラフの半波長分の面積比0〜100%をオン比RT1に割り当てることができる。例えば、E=0から始まる初期時間を階調値1023(面積比100%)に割り当て、E=0で終わる終了時間を階調値0(面積比0%)に割り当て、1〜1022の階調値を面積比に対応させると、制御部11でオン比RT1の内部演算を行うことができる。この場合のオン比は、半波長分の電力のうちヒーターへ供給する電力の比を意味する。オン比RT1に位相制御する際には、例えば、図7(c)に示すように、半波長の初期時間(デジタル値1023)からオン比RT1に対応するデジタル値の時間まで交流電力供給をオフにし、オン比RT1に対応するデジタル値の時間から終了時間(デジタル値0)まで交流電力供給をオンにすればよい。むろん、初期時間を0に割り当て、終了時間を1023に割り当て、半波長の初期時間(デジタル値0)からオン比RT1に対応するデジタル値の時間まで交流電力供給をオンにし、オン比RT1に対応するデジタル値の時間から終了時間(デジタル値1023)まで交流電力供給をオフにしてもよい。図7(c)は、オン比RT1が約50%(デジタル値512)であるときの位相制御の様子を示している。
尚、主ヒーターHMへの通電時間で半波長を等分する場合、図7(a)で示したように等分した各時間を0〜1023のオン比RT1に割り当てることができる。この場合のオン比は、半波長分の時間のうちヒーターへの交流電力供給をオンにする時間の比を意味し、制御部11の内部演算用に0〜100%を0〜1023の階調値で表現したことを意味する。オン比RT1に位相制御する際には、同様に、半波長の初期時間(デジタル値1023)からオン比RT1のデジタル値の時間まで交流電力供給をオフにし、オン比RT1のデジタル値の時間から終了時間(デジタル値0)まで交流電力供給をオンにすればよい。オンとオフのタイミングを逆にしてもよい。
比演算部41は、主点火率RL1、及び、制御対象の従ヒーターHSに対応した従点火率RL2をメモリー12から読み出し、主点火率RL1を基準とした従点火率RL2を乗算部42へ出力する。例えば、主点火率RL1を基準とした従点火率RL2として点火率比RL2/RL1を計算して出力する。図3のx=5の位置にある従ヒーターHSについては、図5に示す点火率テーブルT1に格納された情報で表される従点火率95%を主点火率65%で除して点火率比1.46を求めることになる。図3の(2,5)の位置にある従ヒーターHSについては、図5に示す点火率テーブルT1に格納された情報で表される従点火率65%を主点火率65%で除して点火率比1を求めることになる。
乗算部42は、主点火率RL1を基準とした従点火率RL2に従って、フィードバック温度制御による主ヒーターHMへの電力の供給比(オン比RT1)を従ヒーターHSへの電力の供給比(オン比RT2)に変換し、該供給比(RT2)を操作器43へ出力する。例えば、主ヒーターHMへの交流電力のオン比RT1に点火率比RL2/RL1を乗じ、オン比RT2としてRT1×(RL2/RL1)を操作器43へ出力する。ここで、演算結果が上限1023(100%)を超えると、制御目標が従ヒーターHSへの電力供給の上限を超え、従ヒーターHSの発熱量(出力)が飽和することになる。そこで、乗算部42は、操作器43に対しては演算結果が上限1023を超えたときにオン比RT2を上限1023に抑えて出力し、制御盤本体100に対しては上限1023に抑えていないオン比RT2を出力する。操作器43は、交流電源30から従ヒーターHSへ供給される交流電力をオン比RT2に位相制御する。オン比RT2が上限1023に抑えられる場合は、上限以内に抑えられないと仮定したときのオン比RT2が1023よりも大きい値になった場合であり、従ヒーター電力制御手段40による制御が従ヒーターHSへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合である。
オン比RT2に位相制御する際にも、例えば、図7(a)〜(c)に示すように、半波長の初期時間(デジタル値1023)からオン比RT1のデジタル値の時間まで交流電力供給をオフにし、オン比RT1のデジタル値の時間から終了時間(デジタル値0)まで交流電力供給をオンにすればよい。むろん、オンとオフのタイミングを逆にしてもよい。
尚、制御部11の各部21〜25,41,42は、デジタル値を使用して演算を行っているが、アナログ量を使用して演算を行ってもよい。すなわち、フィードバック温度制御や主点火率を基準とした従点火率に基づく制御は、デジタル値で行われてもよいし、アナログ量で行われてもよい。
図8は、制御盤本体100を中心とした熱成形装置1の電気回路構成例を示している。制御盤本体100は、制御部SE7全体の動作を制御する中央制御回路101、ヒーター制御回路10aに接続されたI/O(入出力)部111、シート搬送装置60の動作を制御する搬送制御部112、成形装置70の動作を制御する成形制御部113、トリミング装置80の動作を制御するトリミング制御部114、情報出力部131、操作部132、等を備えている。制御盤本体100は、目標温度設定手段U1、表示手段U2、点火率設定手段U3、及び、供給電力可変手段U4を構成し、図9に例示するヒーター設定処理や図示しない成形トリミング処理といった各種の処理を実行する。
中央制御回路101は、内部のバスに、CPU102、ROM103、RAM104、タイマー回路105、不揮発性メモリー106、等が接続された回路とされている。CPU102は、ROM103や不揮発性メモリー106に記録された制御プログラムに基づいてRAM104をワークエリアとして利用しながら熱成形装置1の各部を制御する。
情報出力部131は、例えばディスプレイや音声出力器やプリンターで構成され、利用者から操作入力を受け付けた各種設定の内容や熱成形装置1の運転状況を表す各種情報を表示等により出力する。図10〜12に示す画面600,650は、情報出力部131の表示例である。操作部132は、例えば、カーソルボタンや数字ボタンや確定ボタンといった複数のボタンで構成され、利用者から操作入力を受け付ける。
(6)ヒーター制御装置の動作例:
詳しくは後述するが、図9に示すヒーター設定処理において、制御盤本体100は、設定温度(TSS1,TSH1)及び点火率RL1,RL2の操作入力を受け付けると、これらの情報(TSS1,TSH1,RL1,RL2)をヒーター制御回路10aへ送出する。ヒーター制御回路10aは、これらの情報(TSS1,TSH1,RL1,RL2)を入手してメモリー12に格納する。
制御盤本体100がヒーター制御回路10aにヒーターH0への通電制御を指示すると、制御部11が操作器26,43による位相制御を開始する。放射温度計32で検出されるシート表面温度TDS1の設定シート表面温度TSS1に対する偏差ΔTS1の絶対値が大きいと、シート温度比較部21から偏差ΔTS1に応じた修正量ΔCH1が出力され、設定主ヒーター温度調整部22から修正設定主ヒーター温度TCH1=TSH1+ΔCH1が出力される。偏差ΔTS1の絶対値が小さいと、シート温度比較部21から修正量0が出力され、設定主ヒーター温度調整部22から修正設定主ヒーター温度TCH1=TSH1が出力される。主ヒーター温度比較部23が偏差ΔTH1=TDH1−TCH1、積分値ΣTDH1、微分値ΔTDH1を出力すると、フィードバック演算部24でPID制御値が算出される。位相制御部25がPID制御値を主ヒーターHMの位相制御のオン比RT1に変換して操作器26へ出力すると、図7(a)〜(c)で示したように主ヒーターHMへの交流電力供給がオン比RT1に位相制御され、主ヒーター温度TDH1を修正設定主ヒーター温度TCH1に近付けるフィードバック温度制御が主ヒーターHMへの電力供給に対して行われる。すなわち、主ヒーターHMへの電力供給に対して主点火率RL1に基づく制御が行われない。
また、位相制御部25が主ヒーターHMの位相制御のオン比RT1を出力すると、比演算部41から主点火率を基準とした従点火率(点火率比RL2/RL1)が出力され、乗算部42で主ヒーターHMの位相制御のオン比RT1が従ヒーターHSの位相制御のオン比RT2=RT1×(RL2/RL1)に変換される。乗算部42は、上限1023以内に抑えていないオン比RT2を制御盤本体100に出力するとともに、上限1023以内に抑えたオン比RT2を操作器43に出力する。すなわち、乗算部42から操作器43へは、オン比RT2が1023以下である場合にはそのままオン比RT2が出力され、RT2≧1023である場合には階調値1023が出力される。乗算部42がオン比RT2を操作器43へ出力すると、図7(a)〜(c)で示したように従ヒーターHSへの交流電力供給がオン比RT2に位相制御され、従ヒーターHSへの電力供給が主ヒーターHMへの電力供給に対するフィードバック温度制御、及び、主点火率RL1を基準とした従点火率RL2に基づいて制御される。例えば、図3のx=5の位置にある従ヒーターHSの点火率比は、図5に示す点火率テーブルT1に格納された情報で表される従点火率95%を主点火率65%で除した1.46になる。この従ヒーターHSの位相制御のオン比RT2はRT1×1.46となり、操作器43へは上限1023を超えない範囲でオン比RT2が出力される。図3の(2,5)の位置にある従ヒーターHSの点火率比は、図5に示す点火率テーブルT1に格納された情報で表される従点火率50%を主点火率50%で除した1になる。この従ヒーターHSの位相制御のオン比は、RT1となる。
本技術は、主ヒーターHMへの電力供給に対しては主点火率RL1に基づく制御を行わなくてもよいので、主点火率RL1に基づく制御により主ヒーターHMへの電力供給制御の精度が低下することが抑制され、温度制御の精度を向上させることが可能になる。また、主ヒーターHMへの電力供給に対しては点火率を考慮しなくてもよく、従ヒーターHSへの電力供給に対しては従ヒーターHSへの電力供給に対するフィードバック温度制御を考慮しなくてもよいので、複数のヒーターへの電力供給制御を容易にすることができる。
次に、図9に示すヒーター設定処理を説明する。この処理は、制御盤本体100の中央制御回路101が主体となって行い、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。ここで、ステップS102〜S104は目標温度設定手段U1に対応し、ステップS108は表示手段U2に対応し、ステップS108〜S110は点火率設定手段U3及び供給電力可変手段U4に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。
制御盤本体100の電源をオンにする等してヒーター設定処理を開始させると、制御盤本体100は、図10に示すような温度設定画面600を情報出力部131に表示する(S102)。温度設定画面600には、例えば、ヒーター群HGのヒーターH0の配置を表すヒーター配置表示領域610、上側のヒーター群にある主ヒーターHMの検出温度の表示欄621、該主ヒーターHMの目標温度の入力欄625、下側のヒーター群にある主ヒーターHMの検出温度の表示欄622、該主ヒーターHMの目標温度の入力欄626、シートSH1の上側表面における検出表面温度の表示欄623、該上側表面の目標温度の入力欄627、シートSH1の下側表面における検出表面温度の表示欄624、該下側表面の目標温度の入力欄628、ヒーターボタン631、点火率ボタン632、メニューボタン633、等が表示される。この温度設定画面600は、操作部132でヒーターボタン631が操作されたときに表示される画面でもある。
制御盤本体100は、上側のヒーター群に設けられた熱電対温度計31から主ヒーター温度TDH1を読み込んで上ヒーター温度表示欄621に表示し、下側のヒーター群に設けられた熱電対温度計31から主ヒーター温度TDH1を読み込んで下ヒーター温度表示欄622に表示し、上側のヒーター群に設けられた放射温度計32からシート表面温度TDS1を読み込んで上シート表面温度表示欄623に表示し、下側のヒーター群に設けられた放射温度計32からシート表面温度TDS1を読み込んで下シート表面温度表示欄624に表示する。また、制御盤本体100は、上側のヒーター群にある主ヒーターHMの目標温度(設定主ヒーター温度TSH1)の操作部132による入力を上ヒーター設定温度入力欄625で受け付け、下側のヒーター群にある主ヒーターHMの目標温度(設定主ヒーター温度TSH1)の操作部132による入力を下ヒーター設定温度入力欄626で受け付け、シートSH1の上側表面における目標温度(設定シート表面温度TSS1)の操作部132による入力をシート上設定温度入力欄627で受け付け、シートSH1の下側表面における目標温度(設定シート表面温度TSS1)の操作部132による入力をシート下設定温度入力欄628で受け付ける。
さらに、制御盤本体100は、ヒーター制御回路10aの乗算部42から各従ヒーターHSのオン比RT2を読み込み、該読み込んだオン比RT2が上限1023よりも大きい従ヒーターHSがあるか否かを判断する。オン比RT2が上限1023よりも大きい従ヒーターHSがある場合、図12に示すように、ヒーター配置表示領域610において該当の従ヒーターHSの位置に能力超過情報640を表示することになる。図12に示すヒーター配置表示領域610には、上側と下側の両ヒーター群HGについて能力超過情報640が表示される。例えば、上側のヒーター群についての能力超過情報640は第一所定色(例えば赤色)の塗り潰し表示とすることができ、下側のヒーター群についての能力超過情報640は第一所定色とは異なる第二所定色(例えば黄色)の塗り潰し表示とすることができ、上下両方のヒーター群についての能力超過情報640が重なる場合には第一所定色と第二所定色を半分ずつ塗り潰す表示とすることができる。これにより、従ヒーター電力制御手段40による制御が従ヒーターHSへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった従ヒーターHSが識別可能な情報で表示される。尚、能力超過情報640の表示とともに従ヒーターHSへの電力供給が能力を超えたことを警告する音声を例えば情報出力部131から出力してもよい。尚、オン比RT2が上限1023よりも大きい従ヒーターHSが無いと判断した場合、制御盤本体100は、能力超過情報640を表示しない。
制御盤本体100は、例えば確定ボタンが操作されると、入力欄625,626に操作入力された設定主ヒーター温度TSH1、及び、入力欄627,628に操作入力された設定シート表面温度TSS1をヒーター制御回路10aに出力する(S104)。ヒーター制御回路10aは、これらの設定温度(TSH1,TSS1)を入手してメモリー12に格納する。このようにして、目標温度の設定が受け付けられる。
その後、S106では、ボタン631〜633への操作を操作部132により受け付け、操作されたボタンに応じて処理を分岐させる。ヒーターボタン631が操作された場合、制御盤本体100は、S102〜S106の処理を繰り返す。メニューボタン633が操作された場合、制御盤本体100は、図示しない各種処理を行う。該処理には、成形トリミング処理が含まれてもよい。
点火率ボタン632が操作された場合、制御盤本体100は、図11に示すような点火率設定画面650を情報出力部131に表示する(S108)。点火率設定画面650には、例えば、ヒーター群HGのヒーターH0の配置に合わせた各ヒーターH0の点火率RL1,RL2の入力欄660、上述したボタン631〜633、上ヒーターボタン634、下ヒーターボタン635、等が表示される。制御盤本体100は、図11に示すようにボタン634,635の内の上ヒーターボタン634が選択されている場合、上側のヒーター群についての点火率テーブルT1を不揮発性メモリー106、又は、ヒーター制御回路10aのメモリー12から読み出し、該読み出した点火率テーブルT1に格納されている点火率RL1,RL2を各ヒーターH0の配置に合わせて点火率入力欄660に表示する。下ヒーターボタン635が操作されると、下側のヒーター群についての点火率テーブルT1を不揮発性メモリー106、又は、ヒーター制御回路10aのメモリー12から読み出し、点火率RL1,RL2を各ヒーターH0の配置に合わせて点火率入力欄660に表示する。
また、制御盤本体100は、ボタン634,635の内、選択されているボタンに対応するヒーター群の点火率RL1,RL2の操作部132による入力を点火率入力欄660で受け付ける。例えば、図11に示す点火率設定画面650において、点火率入力欄660の内、主ヒーターHMに対応する(3,4)の位置に「50」%を操作入力すると主点火率RL1が65%から50%に変わり、(2,3)の位置に「60」%を操作入力すると(2,3)の位置にある従ヒーターHSの従点火率RL2が75%から60%に変わる。
制御盤本体100は、例えば確定ボタンが操作されると、点火率入力欄660に操作入力された点火率RL1,RL2を不揮発性メモリー106に記憶し、ヒーター制御回路10aに出力し(S110)、処理をS106に戻す。ヒーター制御回路10aは、点火率RL1,RL2を入手してメモリー12に格納する。このようにして、ヒーターH0へ供給する電力を変えるための点火率RL1,RL2の設定が受け付けられる。
例えば、設定されている目標温度が図10に示される通りであり、設定されている点火率RL1,RL2が図11に示される通りであり、主ヒーターHMへの交流電力のオン比RT1が時間t−電圧Eグラフの面積比で60%であるとする。主点火率RL1は65%であり、例えば、x=5の位置にある従ヒーターHSの従点火率RL2は95%である。該従ヒーターHSへの交流電力のオン比RT2は、
RT2=RT1×(RL2/RL1)(%)
=60×(95/65)(%)
=87.7(%)
となる。この場合、オン比RT2は階調値として上限1023以下であるので、このオン比RT2がそのまま乗算部42から操作器43に出力され、制御盤本体100はオン比RT2が上限1023よりも大きい従ヒーターHSでないと判断し、図10に示すヒーター配置表示領域610のx=5の位置に能力超過情報640は表示されない。
ここで、図10に示す上ヒーター設定温度入力欄625に「580」℃を操作入力すると、上側のヒーター群にある主ヒーターHMの目標温度(設定主ヒーター温度TSH1)は、480℃から580℃に変わり、メモリー12に格納される。主ヒーターHMへの交流電力のオン比RT1は、設定主ヒーター温度TSH1が高くなることにより大きくなる。例えば、オン比RT1が60%から75%に変わったとすると、x=5の位置にある従ヒーターHSへの交流電力のオン比RT2は、
RT2=RT1×(RL2/RL1)(%)
=75×(95/65)(%)
=109.6(%)
となる。この場合、オン比RT2は階調値として上限1023を超えるので、このオン比RT2は上限1023に抑えられて乗算部42から操作器43に出力される。また、上限1023を超えるオン比RT2を読み込んだ制御盤本体100は、オン比RT2が上限1023よりも大きい従ヒーターHSであると判断し、図10に示すヒーター配置表示領域610のx=5の位置に能力超過情報640を表示する。図12には、上側のヒーター群について、従点火率RL2が95%である各従ヒーターHSの位置に能力超過情報640が表示されていることが示されている。
熱成形装置1のオペレーターは、能力超過情報640を見ることにより、設定主ヒーター温度TSH1を高くし過ぎたことを知ることができる。この場合、上ヒーター設定温度入力欄625に580℃よりも低い温度を操作入力することにより、従ヒーターHSへの電力供給が能力を超えないように設定主ヒーター温度TSH1を修正することができる。
能力超過情報640の表示が無い場合、加熱時間、ひいては成形サイクルを短縮するため設定主ヒーター温度TSH1を上げると、従点火率RL2が比較的大きい従ヒーターHSへの電力供給が能力を超えても即座には分からない。一部の従ヒーターHSへの電力供給が能力を超えると、シートSH1の加熱むらとなり、成形品PR1の品質が低下する可能性がある。そこで、成形されたシートや成形品PR1を見て電力供給の能力超過を判断せざるを得ないが、この判断に手間がかかることになる。
本具体例は、能力超過情報640の表示により従ヒーターHSへの電力供給が能力を超える状態となったことが分かるので、従ヒーターHSへの電力供給が能力を超えないように設定主ヒーター温度TSH1を変えることが容易である。従って、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易であり、高品質の成形品PR1を製造するのが容易である。
(7)ヒーター群の構成の特徴:
ところで、本熱成形装置1において、ヒーターHSに含まれる比較的小さい調整ヒーターH3の配置には、特徴がある。この特徴を説明する前提として、図13(a)〜(c)等を参照して、ヒーター群対向範囲A0と成形範囲AF1との対応関係の例を説明する。
図2(a)で示したように、成形装置70には成形型73が交換可能に取り付けられ、成形部SE3に搬入されたシートSH1の成形範囲AF1はシートSH1の面方向(D1,D2)における型73の大きさで決まる。図13(a)〜(c)は、成形範囲AF1が変わったときのシートSH1,SH2に対する各ショットSTの例を示し、成形範囲AF1及び各ショットSTの成形予定範囲を太線で囲み、シートSH1のヒーター群対向範囲A0、及び、成形部SE3の位置を二点鎖線で示している。ショットST1は次に成形範囲AF1となるショットSTであり、ショットST2は2ショット後に成形範囲AF1となるショットSTであり、ショットST3は3ショット後に成形範囲AF1となるショットSTである。ここで、図13(b)は成形範囲AF1を最も小さくした場合のショットSTの様子を示し、図13(c)は成形範囲AF1を最も大きくした場合のショットSTの様子を示している。図13(a)〜(c)に示すように、各ショットSTの成形予定範囲は成形範囲AF1と同じ大きさであり、成形範囲AF1及び成形予定範囲は搬送方向D1においても幅方向D2においても変わり得る。また、シートSH1,SH2の幅(幅方向D2における長さ)は変わることがあり、1ショット分の搬送距離(搬送方向D1における長さ)も変わることがある。ただ、図13(b)に示す最小限の成形範囲AF1は、型73の大きさが変わっても必ず成形範囲AF1となる範囲である。
ここで、シートSH1のヒーター群対向範囲A0の内、概略、1ショット後(所定ショット後)に図13(b)に示す最小限の成形範囲AF1となる部分、すなわち、成形範囲AF1の大きさに関わらず所定ショット後に成形範囲AF1となる部分を特定範囲A1とし、残る部分を残部範囲A2とする。図3で示したように、複数のヒーターH0は、最小限の成形範囲AF1となる特定範囲A1に対向する複数の特定ヒーターH1と、残りの残部範囲A2に対向する複数の残部ヒーターH2とを含んでいる。これらの残部ヒーターH2は、シートSH1に対向する面積が特定ヒーターH1よりも小さい調整ヒーターH3を含んでいる。残部範囲A2の内、複数の調整ヒーターH3が対向する調整範囲A3は、概略、図13(c)に示す最大限の成形範囲AF1から図13(b)に示す最小限の成形範囲AF1を除いた範囲である。調整ヒーターH3の点火率(従点火率RL2)は、特定ヒーターH1及び残部ヒーターH2の点火率(RL1,RL2)とともに図11で示した点火率入力欄660への操作入力により変えることが可能である。
図3に示すように、特定範囲A1を通る幅方向D2において、幅方向D2の内側(3≦y≦6)に複数の特定ヒーターH1が配置され、幅方向D2の外側(y≦2,7≦y)に幅方向D2における長さが半分の調整ヒーターH3が配置されている。すなわち、特定範囲A1に対向する特定ヒーターH1から幅方向D2の外側に該幅方向D2における長さが特定ヒーターH1よりも短い調整ヒーターH3が配置されていることになる。
また、特定範囲A1を通る搬送経路R1に沿った搬送経路方向(搬送方向D1)において、搬送経路方向(D1)の下流側(x≦4)に複数の特定ヒーターH1が配置され、搬送経路方向(D1)の上流側(5≦x≦8)に搬送経路方向(D1)における長さが半分の調整ヒーターH3が配置されている。すなわち、特定範囲A1に対向する特定ヒーターH1から搬送経路R1の外側に搬送経路方向(D1)における長さが特定ヒーターH1よりも短い調整ヒーターH3が配置されていることになる。
ヒーター群に含まれる複数のヒーターが全て同じ大きさであると、この大きさの単位でしかヒーターへの電力供給の設定をすることができない。本熱成形装置1は、成形範囲AF1の大きさに関わらず1ショット後に成形範囲AF1となる特定範囲A1に対向する特定ヒーターH1よりもシートSH1に対向する面積について調整ヒーターH3の方が小さく、少なくとも調整ヒーターH3への電力供給を変えるための設定が可能である。特定ヒーターH1よりも小さい単位で調整ヒーターH3への電力供給の設定をすることができるので、本熱成形装置1は、成形用の型73に応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができ、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易である。
また、特定ヒーターH1から幅方向D2の外側に幅が狭い調整ヒーターH3が配置されているので、本熱成形装置1は、成形用の型73の幅に応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができ、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易である。
さらに、特定ヒーターH1から搬送経路方向(D1)の外側に短い調整ヒーターH3が配置されているので、本熱成形装置1は、成形用の型73の搬送経路方向(D1)における長さに応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができ、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易である。
(8)変形例:
本技術は、種々の変形例が考えられる。
例えば、複数のヒーターで加熱される被加熱物は、熱板、成形型、等でもよく、塊状の材料、粒状の材料、粉末状の材料、液状の材料、等でもよい。被加熱物温度は、被加熱物内部の温度等でもよい。
設定温度(TSS1,TSH1)や点火率テーブルT1は、メモリー12ではなく、制御盤本体100に格納されてもよい。この場合、制御部11は、制御盤本体100から設定温度(TSS1,TSH1)や点火率RL1,RL2を入手しながら電力供給を制御してもよい。
温度計31,32の数は、複数でもよい。主ヒーターの数は、複数でもよい。主ヒーター温度検出手段は、放射温度計、抵抗温度センサー、等でもよい。被加熱物温度検出手段は、熱電対温度計、抵抗温度センサー、等でもよい。
ヒーターへの電力供給制御は、電圧の可変制御、直流電流のオン比の制御、等でもよい。
フィードバック制御温度制御は、PID制御以外にも、P制御、PI制御、PD制御、等でもよい。
主点火率RL1を基準とした従点火率RL2は、主点火率に対する従点火率の差RL2−RL1、主点火率に対する従点火率の比のべき乗(RL2/RL1)a(aは0,1以外の数)、等でもよい。
オン比RT2が上限1023(100%)を超えた場合に乗算部42から操作器43に出力する値は、1022以下でもよい。むろん、オン比RT1,RT2を表す階調値は、0〜255の整数値といった1024階調よりも少ない階調の値でもよいし、0〜4095の整数値といった1024階調よりも多い階調の値でもよい。
能力超過情報640の表示は、電力供給が能力を超えた従ヒーターHSの座標(x,y)のリスト等でもよい。
点火率設定手段U3は、主点火率RL1が固定されている場合は従点火率RL2のみの設定を受け付けてもよい。また、従点火率RL2が固定されて主点火率RL1のみの設定が受け付けられる場合や、点火率設定手段U3が無い場合も、本技術に含まれる。
供給電力可変手段U4は、調整ヒーターH3を除くヒーターH0の点火率が固定されている場合は調整ヒーターH3の従点火率RL2のみの設定を受け付けてもよい。
残部ヒーターH2が全て調整ヒーターH3である場合も、本技術に含まれる。
調整ヒーターの大きさは、特定ヒーターの1/3といった半分未満の大きさでもよいし、特定ヒーターの2/3といった半分を超える大きさでもよい。
本技術には、シートを間欠的に搬送する装置以外にも、シートを連続して停止させずに搬送する装置も含まれる。
本技術には、製品取出部SE6の無い熱成形装置、さらにスクラップ回収部SE5の無い熱成形装置、さらにトリミング部SE4の無い熱成形装置、等も含まれる。
図14は、変形例に係るヒーター制御装置10のブロック構成例をヒーターHM,HSとともに模式的に示している。図14に示す主ヒーター電力制御手段20は、被加熱物温度検出手段(放射温度計32)で検出される被加熱物温度(シート表面温度TDS1)を設定被加熱物温度(設定シート表面温度TSS1)に近付けるフィードバック温度制御を行う。本変形例は、被加熱物(シートSH1)の温度制御の精度を向上させることが可能になる。
図15(a)〜(f)は、ヒーターH0の配置を変えた変形例を模式的に示している。
搬送経路方向(D1)において、図15(a),(b)に示すように、特定ヒーターH1の下流側に短い調整ヒーターH3を配置してもよい。図15(b)に示すように、特定ヒーターH1の上流側に調整ヒーターH3が無くてもよい。また、図15(c)に示すように、特定ヒーターH1から搬送経路方向(D1)の外側に調整ヒーターH3が無い場合も、本技術に含まれる。
図15(d),(e)に示すように、幅方向D2の外側のうち一方の外側に調整ヒーターH3が配置されない場合も、本技術に含まれる。図15(d)は、y≧7に調整ヒーターH3が配置されずy≦4に調整ヒーターH3が配置された例を示している。図15(e)は、y≦2に調整ヒーターH3が配置されずy≧5に調整ヒーターH3が配置された例を示している。図15(f)に示すように、特定ヒーターH1から幅方向D2の外側に調整ヒーターH3が無い場合も、本技術に含まれる。
図16に示すように、ヒーター群対向範囲A0内、成形範囲AF1の大きさに関わらず成形範囲AF1となる特定範囲A1は、2ショット後(所定ショット後)に成形部SE3に搬入される範囲でもよい。尚、ショットST4は4ショット後に成形範囲AF1となるショットSTである。ショットST2は、次にショットST1の成形予定範囲となり、その次に成形範囲AF1となる。むろん、特定範囲A1は、3ショット以上後に成形範囲AF1となる範囲でもよい。
(9)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、良好な温度制御を実現させることが容易な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…熱成形装置、2…シート加熱装置、10…ヒーター制御装置、
10a…ヒーター制御回路、11…制御部、12…メモリー、
20…主ヒーター電力制御手段、30…交流電源、
31…熱電対温度計(主ヒーター温度検出手段)、
32…放射温度計(被加熱物温度検出手段)、
40…従ヒーター電力制御手段、41…比演算部、42…乗算部、43…操作器、
60…シート搬送装置(搬送手段)、
70…成形装置、73…型、74…クランプ(対向型)、
100…制御盤本体、
640…能力超過情報、
A0…ヒーター群対向範囲、A1…特定範囲、A2…残部範囲、A3…調整範囲、
AF1…成形範囲、
D1…搬送方向、D2…幅方向、
HG…ヒーター群、H0…ヒーター、HM…主ヒーター、HS…従ヒーター、
H1…特定ヒーター、H2…残部ヒーター、H3…調整ヒーター、
PR1…成形品、
R1…搬送経路、
RL1…主点火率、RL2…従点火率、
RT1…フィードバック温度制御によるオン比(供給比)、
RT2…変換したオン比(変換した供給比)、
SE2…加熱部、SE3…成形部、
SH1…シート(被加熱物)、SH2…成形シート、SH3…スクラップシート、
ST,ST1〜ST4…ショット、
T1…点火率テーブル、
TCH1…修正設定主ヒーター温度、
TDH1…主ヒーター温度、TDS1…シート表面温度(被加熱物温度)、
TSH1…設定主ヒーター温度(目標温度)、
TSS1…設定シート表面温度(設定被加熱物温度、目標温度)、
UH…ヒーター電力制御手段、U1…目標温度設定手段、U2…表示手段、
U3…点火率設定手段、U4…供給電力可変手段。

Claims (9)

  1. 並べられた複数のヒーターでシートを加熱し、該加熱したシートを成形する熱成形装置であって、
    設定された目標温度に基づいて、前記複数のヒーターに含まれる主ヒーターへ供給する電力を制御する主ヒーター電力制御手段と、
    前記目標温度の設定を受け付ける目標温度設定手段と、
    前記主ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率、前記複数のヒーターから前記主ヒーターを除いた従ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率として、前記従ヒーターへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段の前記主ヒーターへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいて制御する従ヒーター電力制御手段と、
    前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいた制御目標の演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーターへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報を表示する表示手段とを備えた、熱成形装置。
  2. 前記従ヒーターが複数有り、
    前記表示手段は、前記複数の従ヒーターのうち、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった従ヒーターを識別可能な情報を表示する、請求項1に記載の熱成形装置。
  3. 前記主点火率と前記従点火率の少なくとも一方の設定を受け付ける点火率設定手段を備えた、請求項1又は請求項2に記載の熱成形装置。
  4. 前記ヒーターで加熱されたシートを成形するための型が交換可能に取り付けられ、ショット単位でシートを成形する成形部
    前記ヒーターで加熱される位置、及び、前記成形部を通る搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段とを備え、
    前記成形部に搬入されたシートの成形範囲が前記型に応じて変わり得る範囲であり、
    前記複数のヒーターは、ヒーター群対向範囲にあるシートに対向し、
    該ヒーター群対向範囲の内、前記成形範囲の大きさに関わらず所定ショット後に成形範囲となる部分を特定範囲として、
    前記複数のヒーターは、前記特定範囲に対向する複数の特定ヒーターと、シートに対向する面積が前記特定ヒーターよりも小さい複数の調整ヒーターとを含み、
    前記複数の調整ヒーターの少なくとも一部は、前記搬送経路に沿った方向において前記複数の特定ヒーターから前記成形部とは反対側に配置され、
    少なくとも前記複数の調整ヒーターへ供給する電力を変えるための設定を受け付ける供給電力可変手段が設けられた、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱成形装置。
  5. ヒーター群対向範囲にあるシートに対向する複数のヒーターと、
    前記ヒーターへ供給する電力を制御するヒーター電力制御手段と、
    前記ヒーターで加熱されたシートを成形するための型が交換可能に取り付けられ、ショット単位でシートを成形する成形部と
    前記ヒーターで加熱される位置、及び、前記成形部を通る搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段とを備え、
    前記成形部に搬入されたシートの成形範囲が前記型に応じて変わり得る範囲であり、
    前記ヒーター群対向範囲の内、前記成形範囲の大きさに関わらず所定ショット後に成形範囲となる部分を特定範囲として、
    前記複数のヒーターは、前記特定範囲に対向する複数の特定ヒーターと、シートに対向する面積が前記特定ヒーターよりも小さい複数の調整ヒーターとを含み、
    前記複数の調整ヒーターの少なくとも一部は、前記搬送経路に沿った方向において前記複数の特定ヒーターから前記成形部とは反対側に配置され、
    少なくとも前記複数の調整ヒーターへ供給する電力を変えるための設定を受け付ける供給電力可変手段が設けられた、熱成形装置。
  6. 前記シートに沿って前記搬送経路と交差する方向を幅方向とするとき、
    前記複数のヒーターの中で前記特定範囲に対向する前記特定ヒーターから前記幅方向の外側に該幅方向における長さが前記特定ヒーターよりも短い前記調整ヒーターが配置されている、請求項4又は請求項5に記載の熱成形装置。
  7. 前記複数のヒーターの中で前記特定範囲に対向する前記特定ヒーターから前記搬送経路の外側に該搬送経路に沿った方向における長さが前記特定ヒーターよりも短い前記調整ヒーターが配置されている、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の熱成形装置。
  8. 並べられた複数のヒーターでシートを加熱するシート加熱装置であって、
    設定された目標温度に基づいて、前記複数のヒーターに含まれる主ヒーターへ供給する電力を制御する主ヒーター電力制御手段と、
    前記目標温度の設定を受け付ける目標温度設定手段と、
    前記主ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率、前記複数のヒーターから前記主ヒーターを除いた従ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率として、前記従ヒーターへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段の前記主ヒーターへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいて制御する従ヒーター電力制御手段と、
    前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいた制御目標の演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーターへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報を表示する表示手段とを備えた、シート加熱装置。
  9. 並べられた複数のヒーターへの電力供給を制御するヒーター制御装置であって、
    設定された目標温度に基づいて、前記複数のヒーターに含まれる主ヒーターへ供給する電力を制御する主ヒーター電力制御手段と、
    前記目標温度の設定を受け付ける目標温度設定手段と、
    前記主ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率、前記複数のヒーターから前記主ヒーターを除いた従ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率として、前記従ヒーターへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段の前記主ヒーターへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいて制御する従ヒーター電力制御手段と、
    前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいた制御目標の演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーターへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報を表示する表示手段とを備えた、ヒーター制御装置。
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