JP6588726B2 - 熱成形装置、シート加熱装置、及び、ヒーター制御装置 - Google Patents
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Description
設定された目標温度に基づいて、前記複数のヒーターに含まれる主ヒーターへ供給する電力を制御する主ヒーター電力制御手段と、
前記目標温度の設定を受け付ける目標温度設定手段と、
前記主ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率、前記複数のヒーターから前記主ヒーターを除いた従ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率として、前記従ヒーターへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段の前記主ヒーターへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいて制御する従ヒーター電力制御手段と、
前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいた制御目標の演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーターへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報を表示する表示手段とを備えた、態様を有する。
前記ヒーターへ供給する電力を制御するヒーター電力制御手段と、
前記ヒーターで加熱されたシートを成形するための型が交換可能に取り付けられ、ショット単位でシートを成形する成形部と、
前記ヒーターで加熱される位置、及び、前記成形部を通る搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段とを備え、
前記成形部に搬入されたシートの成形範囲が前記型に応じて変わり得る範囲であり、
前記ヒーター群対向範囲の内、前記成形範囲の大きさに関わらず所定ショット後に成形範囲となる部分を特定範囲として、
前記複数のヒーターは、前記特定範囲に対向する複数の特定ヒーターと、シートに対向する面積が前記特定ヒーターよりも小さい複数の調整ヒーターとを含み、
前記複数の調整ヒーターの少なくとも一部は、前記搬送経路に沿った方向において前記複数の特定ヒーターから前記成形部とは反対側に配置され、
少なくとも前記複数の調整ヒーターへ供給する電力を変えるための設定を受け付ける供給電力可変手段が設けられた、態様を有する。
さらに、本発明は、並べられた複数のヒーターへの電力供給を制御するヒーター制御装置の態様を有する。
まず、図1〜16を参照して本技術の概要を説明する。
図1等に例示される熱成形装置1は、主ヒーター電力制御手段20、目標温度設定手段U1、従ヒーター電力制御手段40、及び、表示手段U2を備え、並べられた複数のヒーターH0でシートSH1を加熱し、該加熱したシートSH1を成形する。前記主ヒーター電力制御手段20は、設定された目標温度(例えば図6に示す設定主ヒーター温度TSH1と設定シート表面温度TSS1)に基づいて、前記複数のヒーターH0に含まれる主ヒーターHMへ供給する電力を制御する。前記目標温度設定手段U1は、前記目標温度の設定を受け付ける。ここで、前記主ヒーターHMの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率RL1、前記複数のヒーターH0から前記主ヒーターHMを除いた従ヒーターHSの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率RL2とする。前記従ヒーター電力制御手段40は、前記従ヒーターHSへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段20の前記主ヒーターHMへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率RL1を基準とした前記従点火率RL2に基づいて制御する。前記表示手段U2は、前記従ヒーター電力制御手段40による制御が前記従ヒーターHSへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に前記従ヒーターHSへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報(例えば図12に示す能力超過情報640)を表示する。
ヒーターへの電力供給制御には、交流電力の位相制御、電圧の可変制御、直流電流のオン比の制御、等が含まれる。
主ヒーター電力制御手段や従ヒーター電力制御手段による制御は、デジタル値で行われてもよいし、アナログ量で行われてもよい。
目標温度設定手段により設定される目標温度には、主ヒーターの目標温度、シートの目標温度、等が含まれる。
上述した主点火率を基準とした従点火率には、主点火率に対する従点火率の比、主点火率と従点火率との差、等が含まれる。
従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられることには、従ヒーターへ供給される電力の上限に抑えられること、及び、従ヒーターへ供給される電力の上限よりも少ない電力に抑えられることが含まれる。
前記従ヒーターHSは、複数有ってもよい。図9,12に例示するように、前記表示手段U2は、前記複数の従ヒーターHSのうち前記従ヒーター電力制御手段40による制御が前記従ヒーターHSへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった従ヒーターHSを識別可能な情報(例えば能力超過情報640)を表示してもよい。本態様は、どの従ヒーターHSへの電力供給が能力を超える状態となったかが分かるので、該当する従ヒーターへの電力供給が不足しないように目標温度等の設定を変えることが容易となる。
図9,11に例示するように、本熱成形装置1は、前記主点火率RL1と前記従点火率RL2の少なくとも一方の設定を受け付ける点火率設定手段U3を備えてもよい。この態様は、点火率を変えることができるので、利便性を向上させることができる。
図2(a)に例示するように、本熱成形装置1は、前記ヒーターH0で加熱されたシートSH1を成形するための型73が交換可能に取り付けられショット単位でシートSH1を成形する成形部SE3を備えてもよい。図13に例示するように、該成形部SE3に搬入されたシートSH1の成形範囲AF1は、前記型73に応じて変わり得る範囲でもよい。前記複数のヒーターH0は、ヒーター群対向範囲A0にあるシートSH1に対向してもよい。ここで、該ヒーター群対向範囲A0の内、前記成形範囲AF1の大きさに関わらず所定ショット後(例えば1ショット後)に成形範囲AF1となる部分を特定範囲A1とし、残る部分を残部範囲A2とする。図3等に例示するように、前記複数のヒーターH0は、前記特定範囲A1に対向する複数の特定ヒーターH1と、シートSH1に対向する面積が前記特定ヒーターH1よりも小さい調整ヒーターH3とを含んでもよい。図9,11に例示するように、本熱成形装置1は、少なくとも前記調整ヒーターH3へ供給する電力を変えるための設定を受け付ける供給電力可変手段U4が設けられてもよい。
また、図1等に例示される熱成形装置1は、複数のヒーターH0、ヒーター電力制御手段UH、成形部SE3、及び、供給電力可変手段U4を備える。前記複数のヒーターH0は、ヒーター群対向範囲A0にあるシートSH1に対向している。前記ヒーター電力制御手段UHは、前記ヒーターH0へ供給する電力を制御する。図2(a)に例示するように、前記成形部SE3は、前記ヒーターH0で加熱されたシートSH1を成形するための型73が交換可能に取り付けられ、ショット単位でシートSH1を成形する。図13に例示するように、該成形部SE3に搬入されたシートSH1の成形範囲AF1は、前記型73に応じて変わり得る範囲である。ここで、前記ヒーター群対向範囲A0の内、前記成形範囲AF1の大きさに関わらず所定ショット後(例えば1ショット後)に成形範囲AF1となる部分を特定範囲A1とする。図3等に例示するように、前記複数のヒーターH0は、前記特定範囲A1に対向する複数の特定ヒーターH1と、シートSH1に対向する面積が前記特定ヒーターH1よりも小さい調整ヒーターH3とを含んでいる。図9,11に例示するように、前記供給電力可変手段U4は、少なくとも前記調整ヒーターH3へ供給する電力を変えるための設定を受け付ける。
ここで、ショットとはシートに型を作用させてシートを成形する成形サイクルをいい、1ショットとは1成形サイクルをいう。
本熱成形装置1は、前記ヒーターH0で加熱される位置(例えばヒーター群対向範囲A0)、及び、前記成形部SE3を通る搬送経路R1に沿ってシートSH1を搬送する搬送手段(例えばシート搬送装置60)を備えてもよい。ここで、前記シートSH1に沿って前記搬送経路R1と交差(例えば直交)する方向を幅方向D2とする。図3等に例示するように、前記複数のヒーターH0の中で前記特定範囲A1に対向する前記特定ヒーターH1から前記幅方向D2の外側に該幅方向D2における長さが前記特定ヒーターH1よりも短い前記調整ヒーターH3が配置されてもよい。本態様は、シートSH1を成形するための型73の幅に応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができるので、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易な具体例を提供することができる。
また、図1,3等に例示するように、前記複数のヒーターH0の中で前記特定範囲A1に対向する前記特定ヒーターH1から前記搬送経路R1の外側に該搬送経路R1に沿った方向(搬送方向D1)における長さが前記特定ヒーターH1よりも短い前記調整ヒーターH3が配置されてもよい。この態様は、シートSH1を成形するための型73の搬送経路方向における長さに応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができるので、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易な具体例を提供することができる。
本熱成形装置1に含まれるシート加熱装置2も、従ヒーターHSへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報(640)の表示により従ヒーターHSへの電力供給が能力を超える状態となったことが分かるので、従ヒーターへの電力供給が不足しないように目標温度等の設定を変えることが容易となる。従って、本態様は、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易なシート加熱装置を提供することができる。
本シート加熱装置2に含まれるヒーター制御装置10も、従ヒーターHSへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報(640)の表示により従ヒーターHSへの電力供給が能力を超える状態となったことが分かるので、従ヒーターへの電力供給が不足しないように目標温度等の設定を変えることが容易となる。従って、本態様は、良好な温度制御を実現させることが容易なヒーター制御装置を提供することができる。
図6に例示するように、前記主ヒーター電力制御手段20は、前記主ヒーターHMの温度を検出する主ヒーター温度検出手段(例えば熱電対温度計31)で検出される主ヒーター温度TDH1を設定主ヒーター温度TSH1に近付けるフィードバック温度制御を前記主ヒーターHMへ供給する電力に対して行ってもよい。この態様は、ヒーターの温度制御の精度を向上させることが可能な具体例を提供することができる。尚、主ヒーターHMへの電力供給の制御は、フィードバック温度制御に限定されず、フィードバック制御を伴わないフィードフォワード温度制御等でもよい。
図14に例示するように、前記主ヒーター電力制御手段20は、被加熱物温度検出手段(例えば示す放射温度計32)で検出される被加熱物温度(例えばシート表面温度TDS1)を設定被加熱物温度(例えば設定シート表面温度TSS1)に近付ける前記フィードバック温度制御を行ってもよい。この態様は、被加熱物の温度制御の精度を向上させることが可能な技術を提供することができる。
図6に例示するように、前記主ヒーター電力制御手段20は、前記複数のヒーターH0で加熱される被加熱物(例えばシートSH1)の温度を検出する被加熱物温度検出手段(例えば放射温度計32)で検出される被加熱物温度(例えばシート表面温度TDS1)を設定被加熱物温度(設定シート表面温度TSS1)に近付けるように前記設定主ヒーター温度TSH1を修正し、前記主ヒーター温度TDH1を前記修正した設定主ヒーター温度TSH1に近付ける前記フィードバック温度制御を前記主ヒーターHMへ供給する電力に対して行ってもよい。この態様は、被加熱物の温度制御の精度を向上させることが可能な技術を提供することができる。
上記被加熱物には、被成形材、熱板、成形型、等が含まれ、シート、塊状の材料、粒状の材料、粉末状の材料、液状の材料、等が含まれる。被加熱物温度には、被加熱物の表面温度、被加熱物内部の温度、等が含まれる。
図1に例示する熱成形装置1は、SE1〜SE7で表した各部を備え、成形可能なシート(被加熱物)SH1からショット毎に所定数の成形品PR1を形成する。図1に示す加熱部SE2は、ヒーター制御装置10とともにシート加熱装置2を構成する。尚、図1において、左から右へ向かう方向が所定のシート搬送方向D1であり、左側がシートSH1の上流側、右側がシートSH1の下流側である。
尚、上記幅方向D2は、シートSH1に沿って前記搬送経路R1と直交(交差)する方向である。「直交」の概念には、誤差等により搬送経路R1と幅方向D2とのなす角度が厳密な直角からずれることが含まれる。
尚、シートSH1の成形は、上述した真空成形以外にも、圧空成形や圧空真空成形といった差圧成形、プレス成形、熱成形以外の成形、等でもよい。圧空真空成形は、圧空と真空とを併用する差圧成形である。熱成形には、差圧成形やプレス成形が含まれる。
尚、トリミング装置は、切刃を受け部材に押し当てて成形シートを切断する装置、型の周囲の切刃により成形シートを打ち抜く装置、上刃と下刃とを摺接させる等して成形シートを打ち抜く装置、等が含まれる。
図3は、ヒーター群HGのシートSH1に対向する面を模式的に例示している。ヒーター群HGを構成する複数のヒーターH0は、互いに直交するx,y方向に並べられている。図3の例では、これらのヒーターH0のうち、熱電対温度計(主ヒーター温度検出手段)31が設けられた位置(3,4)のヒーターが主ヒーターHMであり、熱電対温度計31が設けられていないヒーターが従ヒーターHSである。ヒーターH0は、主ヒーターHMと従ヒーターHSを総称し、ヒーター群対向範囲A0に対向する範囲に複数並べられている。詳しくは後述するが、複数のヒーターH0は、シートSH1の特定範囲A1に対向する複数の特定ヒーターH1と、シートSH1の残部範囲A2に対向する複数の残部ヒーターH2とを含んでいる。これらの残部ヒーターH2は、シートSH1に対向する面積が特定ヒーターH1よりも小さい調整ヒーターH3を含んでいる。図3に示す調整ヒーターH3は、シートSH1に対向する面積が特定ヒーターH1の約半分である。
また、シートSH1の残部範囲A2の内、調整ヒーターH3に対向する範囲を調整範囲A3とする。図3には、4個のヒーターH0に囲まれた箇所に放射温度計(被加熱物温度検出手段)32が配置されていることも示されている。シートSH1の上側と下側とにヒーター群HGが配置される場合、各ヒーター群HGに温度検出手段31,32に組合せが配置され、各ヒーター群HGに主ヒーターHMと従ヒーターHSの組合せが配置され、特定ヒーターH1と残部ヒーターH2(調整ヒーターH3を含む)の組合せが配置される。
尚、ヒーターエレメントには、ニッケルクロム線又は帯、鉄クロム線又は帯、といった電熱用合金線又は帯等を用いることができる。また、ヒーターの形状も、図4(a),(b)で示した形状に限定されない。
次に、図3〜7を適宜参照して、ヒーター制御装置10、及び、ヒーター制御方法の概要を説明する。
図6に例示されるヒーター制御回路10aは、制御盤本体100とともにヒーター制御装置10を構成する。ヒーター制御回路10aは、主ヒーター電力制御手段20と従ヒーター電力制御手段40を有するヒーター電力制御手段UHを備え、並べられた複数のヒーターH0への電力供給を制御する。
図6は、ヒーター制御装置10のブロック構成例をヒーターHM,HSとともに模式的に示している。このヒーター制御装置10のヒーター制御回路10aは、制御部11、メモリー12、操作器26,43、熱電対温度計(主ヒーター温度検出手段)31、放射温度計(被加熱物温度検出手段)32、を備えている。
主ヒーター温度比較部23は、修正設定主ヒーター温度TCH1と主ヒーター温度TDH1とを比較し、比較結果をフィードバック演算部24へ出力する。フィードバック演算部でPID制御(proportional plus integral plus derivative control)を行う場合、例えば、P制御(比例制御)のために偏差ΔTH1=TDH1−TCH1(℃)を比較結果として出力し、I制御(積分制御)のために主ヒーター温度TDH1の時間t(秒)による積分値ΣTDH1(℃・秒)を比較結果として出力し、D制御(微分制御)のために主ヒーター温度TDH1の時間tによる微分値ΔTDH1(℃/秒)を比較結果として出力する。
オン比RT1は、例えば、相対値0〜100%に対応した0〜1023のデジタル整数値とすることができる。
情報出力部131は、例えばディスプレイや音声出力器やプリンターで構成され、利用者から操作入力を受け付けた各種設定の内容や熱成形装置1の運転状況を表す各種情報を表示等により出力する。図10〜12に示す画面600,650は、情報出力部131の表示例である。操作部132は、例えば、カーソルボタンや数字ボタンや確定ボタンといった複数のボタンで構成され、利用者から操作入力を受け付ける。
詳しくは後述するが、図9に示すヒーター設定処理において、制御盤本体100は、設定温度(TSS1,TSH1)及び点火率RL1,RL2の操作入力を受け付けると、これらの情報(TSS1,TSH1,RL1,RL2)をヒーター制御回路10aへ送出する。ヒーター制御回路10aは、これらの情報(TSS1,TSH1,RL1,RL2)を入手してメモリー12に格納する。
RT2=RT1×(RL2/RL1)(%)
=60×(95/65)(%)
=87.7(%)
となる。この場合、オン比RT2は階調値として上限1023以下であるので、このオン比RT2がそのまま乗算部42から操作器43に出力され、制御盤本体100はオン比RT2が上限1023よりも大きい従ヒーターHSでないと判断し、図10に示すヒーター配置表示領域610のx=5の位置に能力超過情報640は表示されない。
RT2=RT1×(RL2/RL1)(%)
=75×(95/65)(%)
=109.6(%)
となる。この場合、オン比RT2は階調値として上限1023を超えるので、このオン比RT2は上限1023に抑えられて乗算部42から操作器43に出力される。また、上限1023を超えるオン比RT2を読み込んだ制御盤本体100は、オン比RT2が上限1023よりも大きい従ヒーターHSであると判断し、図10に示すヒーター配置表示領域610のx=5の位置に能力超過情報640を表示する。図12には、上側のヒーター群について、従点火率RL2が95%である各従ヒーターHSの位置に能力超過情報640が表示されていることが示されている。
ところで、本熱成形装置1において、ヒーターHSに含まれる比較的小さい調整ヒーターH3の配置には、特徴がある。この特徴を説明する前提として、図13(a)〜(c)等を参照して、ヒーター群対向範囲A0と成形範囲AF1との対応関係の例を説明する。
また、特定範囲A1を通る搬送経路R1に沿った搬送経路方向(搬送方向D1)において、搬送経路方向(D1)の下流側(x≦4)に複数の特定ヒーターH1が配置され、搬送経路方向(D1)の上流側(5≦x≦8)に搬送経路方向(D1)における長さが半分の調整ヒーターH3が配置されている。すなわち、特定範囲A1に対向する特定ヒーターH1から搬送経路R1の外側に搬送経路方向(D1)における長さが特定ヒーターH1よりも短い調整ヒーターH3が配置されていることになる。
さらに、特定ヒーターH1から搬送経路方向(D1)の外側に短い調整ヒーターH3が配置されているので、本熱成形装置1は、成形用の型73の搬送経路方向(D1)における長さに応じてヒーターH0への電力供給を細かく制御することができ、シートに対する良好な温度制御を実現させることが容易である。
本技術は、種々の変形例が考えられる。
例えば、複数のヒーターで加熱される被加熱物は、熱板、成形型、等でもよく、塊状の材料、粒状の材料、粉末状の材料、液状の材料、等でもよい。被加熱物温度は、被加熱物内部の温度等でもよい。
設定温度(TSS1,TSH1)や点火率テーブルT1は、メモリー12ではなく、制御盤本体100に格納されてもよい。この場合、制御部11は、制御盤本体100から設定温度(TSS1,TSH1)や点火率RL1,RL2を入手しながら電力供給を制御してもよい。
温度計31,32の数は、複数でもよい。主ヒーターの数は、複数でもよい。主ヒーター温度検出手段は、放射温度計、抵抗温度センサー、等でもよい。被加熱物温度検出手段は、熱電対温度計、抵抗温度センサー、等でもよい。
ヒーターへの電力供給制御は、電圧の可変制御、直流電流のオン比の制御、等でもよい。
フィードバック制御温度制御は、PID制御以外にも、P制御、PI制御、PD制御、等でもよい。
主点火率RL1を基準とした従点火率RL2は、主点火率に対する従点火率の差RL2−RL1、主点火率に対する従点火率の比のべき乗(RL2/RL1)a(aは0,1以外の数)、等でもよい。
能力超過情報640の表示は、電力供給が能力を超えた従ヒーターHSの座標(x,y)のリスト等でもよい。
点火率設定手段U3は、主点火率RL1が固定されている場合は従点火率RL2のみの設定を受け付けてもよい。また、従点火率RL2が固定されて主点火率RL1のみの設定が受け付けられる場合や、点火率設定手段U3が無い場合も、本技術に含まれる。
供給電力可変手段U4は、調整ヒーターH3を除くヒーターH0の点火率が固定されている場合は調整ヒーターH3の従点火率RL2のみの設定を受け付けてもよい。
残部ヒーターH2が全て調整ヒーターH3である場合も、本技術に含まれる。
調整ヒーターの大きさは、特定ヒーターの1/3といった半分未満の大きさでもよいし、特定ヒーターの2/3といった半分を超える大きさでもよい。
本技術には、シートを間欠的に搬送する装置以外にも、シートを連続して停止させずに搬送する装置も含まれる。
本技術には、製品取出部SE6の無い熱成形装置、さらにスクラップ回収部SE5の無い熱成形装置、さらにトリミング部SE4の無い熱成形装置、等も含まれる。
搬送経路方向(D1)において、図15(a),(b)に示すように、特定ヒーターH1の下流側に短い調整ヒーターH3を配置してもよい。図15(b)に示すように、特定ヒーターH1の上流側に調整ヒーターH3が無くてもよい。また、図15(c)に示すように、特定ヒーターH1から搬送経路方向(D1)の外側に調整ヒーターH3が無い場合も、本技術に含まれる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、良好な温度制御を実現させることが容易な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
10a…ヒーター制御回路、11…制御部、12…メモリー、
20…主ヒーター電力制御手段、30…交流電源、
31…熱電対温度計(主ヒーター温度検出手段)、
32…放射温度計(被加熱物温度検出手段)、
40…従ヒーター電力制御手段、41…比演算部、42…乗算部、43…操作器、
60…シート搬送装置(搬送手段)、
70…成形装置、73…型、74…クランプ(対向型)、
100…制御盤本体、
640…能力超過情報、
A0…ヒーター群対向範囲、A1…特定範囲、A2…残部範囲、A3…調整範囲、
AF1…成形範囲、
D1…搬送方向、D2…幅方向、
HG…ヒーター群、H0…ヒーター、HM…主ヒーター、HS…従ヒーター、
H1…特定ヒーター、H2…残部ヒーター、H3…調整ヒーター、
PR1…成形品、
R1…搬送経路、
RL1…主点火率、RL2…従点火率、
RT1…フィードバック温度制御によるオン比(供給比)、
RT2…変換したオン比(変換した供給比)、
SE2…加熱部、SE3…成形部、
SH1…シート(被加熱物)、SH2…成形シート、SH3…スクラップシート、
ST,ST1〜ST4…ショット、
T1…点火率テーブル、
TCH1…修正設定主ヒーター温度、
TDH1…主ヒーター温度、TDS1…シート表面温度(被加熱物温度)、
TSH1…設定主ヒーター温度(目標温度)、
TSS1…設定シート表面温度(設定被加熱物温度、目標温度)、
UH…ヒーター電力制御手段、U1…目標温度設定手段、U2…表示手段、
U3…点火率設定手段、U4…供給電力可変手段。
Claims (9)
- 並べられた複数のヒーターでシートを加熱し、該加熱したシートを成形する熱成形装置であって、
設定された目標温度に基づいて、前記複数のヒーターに含まれる主ヒーターへ供給する電力を制御する主ヒーター電力制御手段と、
前記目標温度の設定を受け付ける目標温度設定手段と、
前記主ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率、前記複数のヒーターから前記主ヒーターを除いた従ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率として、前記従ヒーターへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段の前記主ヒーターへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいて制御する従ヒーター電力制御手段と、
前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいた制御目標の演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーターへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報を表示する表示手段とを備えた、熱成形装置。 - 前記従ヒーターが複数有り、
前記表示手段は、前記複数の従ヒーターのうち、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった従ヒーターを識別可能な情報を表示する、請求項1に記載の熱成形装置。 - 前記主点火率と前記従点火率の少なくとも一方の設定を受け付ける点火率設定手段を備えた、請求項1又は請求項2に記載の熱成形装置。
- 前記ヒーターで加熱されたシートを成形するための型が交換可能に取り付けられ、ショット単位でシートを成形する成形部、
前記ヒーターで加熱される位置、及び、前記成形部を通る搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段とを備え、
前記成形部に搬入されたシートの成形範囲が前記型に応じて変わり得る範囲であり、
前記複数のヒーターは、ヒーター群対向範囲にあるシートに対向し、
該ヒーター群対向範囲の内、前記成形範囲の大きさに関わらず所定ショット後に成形範囲となる部分を特定範囲として、
前記複数のヒーターは、前記特定範囲に対向する複数の特定ヒーターと、シートに対向する面積が前記特定ヒーターよりも小さい複数の調整ヒーターとを含み、
前記複数の調整ヒーターの少なくとも一部は、前記搬送経路に沿った方向において前記複数の特定ヒーターから前記成形部とは反対側に配置され、
少なくとも前記複数の調整ヒーターへ供給する電力を変えるための設定を受け付ける供給電力可変手段が設けられた、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱成形装置。 - ヒーター群対向範囲にあるシートに対向する複数のヒーターと、
前記ヒーターへ供給する電力を制御するヒーター電力制御手段と、
前記ヒーターで加熱されたシートを成形するための型が交換可能に取り付けられ、ショット単位でシートを成形する成形部と、
前記ヒーターで加熱される位置、及び、前記成形部を通る搬送経路に沿ってシートを搬送する搬送手段とを備え、
前記成形部に搬入されたシートの成形範囲が前記型に応じて変わり得る範囲であり、
前記ヒーター群対向範囲の内、前記成形範囲の大きさに関わらず所定ショット後に成形範囲となる部分を特定範囲として、
前記複数のヒーターは、前記特定範囲に対向する複数の特定ヒーターと、シートに対向する面積が前記特定ヒーターよりも小さい複数の調整ヒーターとを含み、
前記複数の調整ヒーターの少なくとも一部は、前記搬送経路に沿った方向において前記複数の特定ヒーターから前記成形部とは反対側に配置され、
少なくとも前記複数の調整ヒーターへ供給する電力を変えるための設定を受け付ける供給電力可変手段が設けられた、熱成形装置。 - 前記シートに沿って前記搬送経路と交差する方向を幅方向とするとき、
前記複数のヒーターの中で前記特定範囲に対向する前記特定ヒーターから前記幅方向の外側に該幅方向における長さが前記特定ヒーターよりも短い前記調整ヒーターが配置されている、請求項4又は請求項5に記載の熱成形装置。 - 前記複数のヒーターの中で前記特定範囲に対向する前記特定ヒーターから前記搬送経路の外側に該搬送経路に沿った方向における長さが前記特定ヒーターよりも短い前記調整ヒーターが配置されている、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の熱成形装置。
- 並べられた複数のヒーターでシートを加熱するシート加熱装置であって、
設定された目標温度に基づいて、前記複数のヒーターに含まれる主ヒーターへ供給する電力を制御する主ヒーター電力制御手段と、
前記目標温度の設定を受け付ける目標温度設定手段と、
前記主ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率、前記複数のヒーターから前記主ヒーターを除いた従ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率として、前記従ヒーターへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段の前記主ヒーターへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいて制御する従ヒーター電力制御手段と、
前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいた制御目標の演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーターへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報を表示する表示手段とを備えた、シート加熱装置。 - 並べられた複数のヒーターへの電力供給を制御するヒーター制御装置であって、
設定された目標温度に基づいて、前記複数のヒーターに含まれる主ヒーターへ供給する電力を制御する主ヒーター電力制御手段と、
前記目標温度の設定を受け付ける目標温度設定手段と、
前記主ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を主点火率、前記複数のヒーターから前記主ヒーターを除いた従ヒーターの位置に応じて設定された電力供給比率を従点火率として、前記従ヒーターへ供給する電力を、前記主ヒーター電力制御手段の前記主ヒーターへの電力供給に対する制御、及び、前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいて制御する従ヒーター電力制御手段と、
前記主点火率を基準とした前記従点火率に基づいた制御目標の演算結果が上限を超えたために前記従ヒーター電力制御手段による制御が前記従ヒーターへの電力供給の上限以内に抑えられる制御となった場合に、前記演算結果が上限を超えたために前記従ヒーターへの電力供給の制御が上限以内に抑えられたことを表す情報を表示する表示手段とを備えた、ヒーター制御装置。
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