JP6588569B2 - 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびタッチパネル - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびタッチパネルに関する。
液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの画像表示装置や、タッチパネルなどの入力装置には、一般的に、パターン形成された層間絶縁膜が設けられている。
この層間絶縁膜の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なく、しかも十分な平坦性が得られるという理由から、感光性樹脂組成物が広く使用されている。
例えば、特許文献1には、酸の作用により分解しアルカリ可溶性基を生じる基を有する所定のポリイミド前駆体、および、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する感光性樹脂組成物が記載されている([請求項1])。
また、特許文献2には、酸分解性基を有する所定のポリベンゾオキサゾール前駆体、発生する酸のpKaが4以下である光酸発生剤、溶剤、ならびに、ベンゼン環および/またはフェノール性水酸基と反応する架橋性基を2つ以上有する架橋剤を含有する感光性樹脂組成物が記載されている([請求項1])。
特開2013−050696号公報 国際公開第2015/087831号
近年、画像表示装置の高性能化のために、従来よりも高い温度(例えば300℃より高い温度)での熱処理(ポストベーク)や製膜を行う試みがなされている。
そこで、本発明者らは、特許文献1および2に記載された感光性樹脂組成物を用いて高温で製膜したところ、酸分解性基の種類によっては、窒素雰囲気において300℃より高い温度でポストベークした後に透明性(以下、「耐熱透明性(N2ベーク後)」と略す。)が劣る場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、耐熱透明性(N2ベーク後)が良好となる感光性樹脂組成物、ならびに、それを用いた硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびタッチパネルを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定構造の酸分解性基を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、光酸発生剤と、溶剤とを有する感光性樹脂組成物を用いると、得られる硬化膜の耐熱透明性(N2ベーク後)が良好となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、光酸発生剤と、溶剤とを含有する、感光性樹脂組成物。

ここで、式(1)中、X1は芳香環を含む4価の有機基を表し、Y1は2価の有機基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または下記式(2)で表される有機基を表し、水素原子と下記式(2)で表される有機基との割合がモル比で90/10〜10/90である。

ここで、式(2)中、*は酸素原子との結合位置を表し、R3は水素原子または炭素数1〜10の有機基を表し、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の有機基を表し、R3、R4、R5およびR6は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
[2] 式(1)中のY1を構成する炭素原子のうち、式(1)中のカルボニル炭素に隣接する炭素原子が水素原子を有していない、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 式(1)中のY1が、芳香環を含む2価の有機基である、[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 式(1)中のY1が、下記式(3)で表される2価の有機基である、[2]に記載の感光性樹脂組成物。

ここで、式(3)中、*はカルボニル炭素との結合位置を表し、Lは2価の有機基を表し、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の有機基を表し、R7、R8、R9およびR10は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
[5] 式(2)中のR3が水素原子である、[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6] 式(2)中のR3〜R6を構成する有機基の炭素数の合計が6以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7] 式(2)中のR4およびR5を構成する有機基の炭素数の合計が2であり、R6を構成する有機基の炭素数が4以下である、[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[8] 式(2)中のR3が、置換基を有さないアルキル基または水素原子であり、
式(2)中のR4、R5およびR6が、いずれも、置換基を有さないアルキル基である、[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程と、
塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程と、
溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性放射線で露光する工程と、
露光された感光性樹脂組成物を現像液により現像する工程と、
現像された感光性樹脂組成物を熱硬化して硬化膜を得る工程とを含む硬化膜の製造方法。
[10] 現像する工程の後、かつ、熱硬化する工程の前に、現像された感光性樹脂組成物を露光する工程を含む、[9]に記載の硬化膜の製造方法。
[11] [1]〜[8]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
[12] 層間絶縁膜である、[11]に記載の硬化膜。
[13] [11]または[12]に記載の硬化膜を有する、液晶表示装置。
[14] [11]または[12]に記載の硬化膜を有する、有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
[15] [11]または[12]に記載の硬化膜を有する、タッチパネル。
本発明によれば、耐熱透明性(N2ベーク後)が良好となる感光性樹脂組成物、ならびに、それを用いた硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびタッチパネルを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を明記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書において、固形分は、25℃における固形分である。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、後述する式(1)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、光酸発生剤と、溶剤とを含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、上述したように、後述する式(1)、すなわち、後述する式(2)で表される特定構造の有機基(酸分解性基)を含む繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、光酸発生剤と、溶剤とを含有することにより、得られる硬化膜の耐熱透明性(N2ベーク後)が良好となる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
まず、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、高温で焼成されることにより環化(ベンゾオキサゾール環を形成)し、優れた耐熱性および絶縁性を示すポリベンゾオキサゾールとなる。
一方、この焼成過程において、酸分解性基の脱保護が進行しないと環化が阻害され、残存したアミド結合が分解することで、得られる硬化膜の透明性が低下する。
また、この焼成過程において、膜中に酸が存在していると、脱保護で生じる保護基に由来する成分の副反応が進行し、その結果、得られる硬化膜の透明性が低下することになる。
そのため、本発明においては、ポリベンゾオキサゾール前駆体が特定構造の酸分解性基を有していることにより、焼成工程における酸分解性基の脱保護の進行が促進され、かつ、脱保護で生じる保護基に由来する成分の副反応が抑制されたため、耐熱透明性(N2ベーク後)が良好になったと考えられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物として好ましく用いることができ、特に化学増幅型ポジ型感光性樹脂組成物として好ましく用いることができる。
以下に、本発明の感光性樹脂組成物が含有するポリベンゾオキサゾール前駆体、光酸発生剤および溶剤、ならびに、任意に含有する添加剤について詳述する。
〔ポリベンゾオキサゾール前駆体〕
本発明の感光性樹脂組成物が含有するポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体である。

ここで、式(1)中、X1は芳香環を含む4価の有機基を表し、Y1は2価の有機基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または下記式(2)で表される有機基を表し、水素原子と下記式(2)で表される有機基との割合がモル比で90/10〜10/90である。
なお、ポリベンゾオキサゾール前駆体が、上記式(1)で表される繰り返し単位を複数有する場合においては、水素原子と下記式(2)で表される有機基との割合は、複数の上記式(1)で表される繰り返し単位における水素原子と上記式(2)で表される有機基の総割合を意味する。

ここで、式(2)中、*は酸素原子との結合位置を表し、R3は水素原子または炭素数1〜10の有機基を表し、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の有機基を表し、また、R3、R4、R5およびR6は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
上記式(1)中、X1が示す芳香環を含む4価の有機基としては、具体的には、例えば、以下に示す有機基が好適に挙げられる。
なお、以下に示す4価の有機基において、「*1」および「*2」は、いずれか一方が上記式(1)における−OR1または−OR2との連結部分を表し、他方が上記式(1)における−NH−との連結部分を表す。同様に、「*3」および「*4」は、いずれか一方が上記式(1)における−OR1または−OR2との連結部分を表し、他方が上記式(1)における−NH−との連結部分を表す。
また、上記式(1)中、Y1が示す2価の有機基としては、例えば、環状の脂肪族基、直鎖状の脂肪族基、分岐状の脂肪族基、芳香族環基、または、これらと、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、および、−C(CF32−の少なくとも1種との組み合わせからなる基を表が挙げられる。
本発明においては、窒素雰囲気において300℃より高い温度でポストベークした後に、空気中で追加の熱処理を施した場合でも、透明性(以下、「耐熱透明性(追加Airベーク後)」と略す。)が良好となる理由から、Y1を構成する炭素原子のうち、上記式(1)中のカルボニル炭素に隣接する炭素原子が水素原子を有していないことが好ましい。これは、上記式(1)中のカルボニル炭素に隣接する炭素原子が水素原子を有していないことにより、空気中の酸素による水素原子の引き抜き、すなわち、酸化が抑制されるためであると考えられる。
ここで、カルボニル炭素とは、上記式(1)中のY1に隣接するカルボニル基を構成する炭素原子をいう。
本発明においては、耐熱透明性(追加Airベーク後)がより良好となる理由から、上記式(1)中のY1が、芳香環を含む2価の有機基であり、かつ、Y1を構成する炭素原子のうち上記式(1)中のカルボニル炭素に隣接する炭素原子が水素原子を有していないことが好ましい。
また、本発明においては、同様の理由から、上記式(1)中のY1が、下記式(3)で表される2価の有機基であることが好ましい。

ここで、式(3)中、*はカルボニル炭素との結合位置を表し、Lは2価の有機基を表し、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の有機基を表し、また、R7、R8、R9およびR10は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
芳香環を含む2価の有機基としては、具体的には、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環などの芳香族環基;上記芳香族環基と、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、および、−C(CF32−の少なくとも1種の連結基と、の組み合わせからなる基;等が挙げられる。
上記式(3)中、Lが示す2価の有機基としては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基が挙げられ、具体的には、炭素数3〜15の環状の脂肪族基、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状の脂肪族基等が挙げられる。
ここで、炭素数3〜15の環状の脂肪族基としては、環状アルキレン基、環状アルケニレン基、環状アルキニレン基などが挙げられ、環状アルキレン基が好ましい。環状アルキレン基であると、耐光性に優れ、耐薬品性により優れた硬化膜を得ることができる。
環状の脂肪族基の炭素数は、3〜15であり、6〜12が好ましい。炭素数が上記範囲であると、耐光性に優れ、耐薬品性により優れた硬化膜を得ることができる。環状の脂肪族基は、6員環が好ましい。炭素数3〜15の環状の脂肪族基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。
置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
なお、環状の脂肪族基が置換基を有する場合、環状の脂肪族基の炭素数は、置換基の炭素数を除いた数とする。
炭素数3〜15の環状の脂肪族基の具体例としては、環状脂肪族ジカルボン酸のカルボキシル基の除去後に残存する残基(環状の脂肪族基)が挙げられる。具体的には、以下に示す基が挙げられ、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、ビスシクロヘキシレン基、アダマンチレン基が好ましく、シクロヘキシレン基またはビスシクロヘキシレン基がより好ましい。なお、以下に示す基中、*は上記式(3)中のLに隣接する4級炭素原子との結合位置を表す。
また、炭素数1〜20の直鎖または分岐の脂肪族基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、ポリオキシアルキレン基などが挙げられ、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
直鎖または分岐の脂肪族基の炭素数は、1〜20であり、2〜15が好ましく、2〜12が更に好ましい。炭素数が上記範囲であると、溶剤溶解性が良好である。
炭素数1〜20の直鎖または分岐の脂肪族基の具体例としては、以下に示す基が挙げられる。なお、以下に示す基中、*は上記式(3)中のLに隣接する4級炭素原子との結合位置を表す。
また、上記式(3)中、R7、R8、R9およびR10が示す炭素数1〜10の有機基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基など)、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基などが挙げられる。
これらの基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、水酸基、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミド基、スルホニルアミド基などを挙げることができる。
また、上記式(3)中、R7、R8、R9およびR10は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
環を形成した上記式(3)で表される2価の有機基としては、以下に示すアダマンチレン基が挙げられる。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を表す。
また、上記式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または下記式(2)で表される有機基を表す。
ここで、下記式(2)で表される有機基は、芳香環の水素原子をヒドロキシ基で置換してなる水酸基(以下、「フェノール性水酸基」ともいう。)を保護する酸分解性基に相当する構造であり、本発明では、上記式(1)中のR1およびR2における水素原子と下記式(2)で表される有機基との割合がモル比で90/10〜10/90である。

ここで、式(2)中、*は酸素原子との結合位置を表し、R3は水素原子または炭素数1〜10の有機基を表し、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の有機基を表し、また、R3、R4、R5およびR6は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
上記式(2)中、R3、R4、R5およびR6が示す炭素数1〜10の有機基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基など)、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基などが挙げられる。
これらの基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、水酸基、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミド基、スルホニルアミド基などを挙げることができる。
本発明においては、耐熱透明性(追加Airベーク後)が良好となる理由から、上記式(2)中のR3が水素原子であることが好ましい。これは、焼成工程における酸分解性基の脱保護の進行がより促進されるためであると考えられる。
また、本発明においては、耐熱透明性(追加Airベーク後)が良好となる理由から、上記式(2)中のR3〜R6を構成する有機基の炭素数の合計(R3が水素原子である場合はR4〜R6を構成する有機基の炭素数の合計をいう。)が6以下であることが好ましい。
更に、耐熱透明性(追加Airベーク後)がより良好となる理由から、上記式(2)中のR4およびR5を構成する有機基の炭素数の合計が2であり、R6を構成する有機基の炭素数が4以下であることが好ましい。
このように耐熱透明性(追加Airベーク後)が良好となる理由は、焼成工程における酸分解性基の脱保護で生じる保護基に由来する成分が揮発しやすくなり、その結果、保護基に由来する成分の副反応がより抑制されるためであると考えられる。
また、本発明においては、耐熱透明性(追加Airベーク後)が良好となる理由から、上記式(2)中のR3が、置換基を有さないアルキル基または水素原子であり、上記式(2)中のR4、R5およびR6が、いずれも、置換基を有さないアルキル基であることが好ましい。
ここで、アルキル基は、直鎖状、分岐状および脂環式のいずれの形状であってもいが、直鎖状または分岐状のアルキル基であることが好ましく、例えば、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
本発明においては、上記式(2)中、R3、R4、R5およびR6は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
ここで、R3、R4およびR5が連結して環を形成した場合、上記式(2)で表される有機基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。
また、R4およびR5が連結して環を形成した場合、上記式(2)で表される有機基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。
また、R4およびR6が連結して環を形成した場合、上記式(2)で表される有機基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。
また、R4、R5およびR6が連結して環を形成した場合、上記式(2)で表される有機基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。
また、R3、R4、R5およびR6が連結して環を形成した場合、上記式(2)で表される有機基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。
また、R4およびR6が連結して環とR3およびR5が連結して環とを形成した場合、上記式(2)で表される有機基としては、例えば、以下に示す基が挙げられる。
本発明においては、上記式(1)中のR1およびR2に関して、水素原子と上記式(2)で表される有機基との割合がモル比で90/10〜10/90であり、85/15〜30/70であるのが好ましい。
すなわち、ポリベンゾオキサゾール前駆体が、ポリベンゾオキサゾール前駆体の全繰り返し単位が有するフェノール性水酸基のうち、モル比で10〜90%のフェノール性水酸基が上記式(2)で表される有機基で保護されており、15〜70%が保護されているのが好ましい。
なお、ここでいうポリベンゾオキサゾール前駆体の全繰り返し単位が有するフェノール性水酸基とは、上記式(2)で表される有機基で保護を行う前の状態のポリベンゾオキサゾール前駆体の全繰り返し単位が有するフェノール性水酸基を意味する。
本発明においては、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、上記式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」ともいう。)を含んでいてもよい。
他の繰り返し単位としては、例えば、一般式(a1)で表される繰り返し単位、一般式(a2)で表される繰り返し単位、一般式(a3)で表される繰り返し単位などが例示される。
一般式(a1)中、X10は芳香環を含む4価の有機基を表し、Y10は芳香族環基、環状の脂肪族基、直鎖の脂肪族基、分岐の脂肪族基、または、これらと、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、および−C(CF32−の少なくとも1種との組み合わせからなる基を表し、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、酸分解性基または−CORcを表す。
一般式(a1)中、X10は、上記式(1)で説明したXと同様の範囲であり、好ましい範囲も同様である。また、一般式(a1)中、R11およびR12は、上記式(1)で説明したRと同様の範囲であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(a1)中、Y10は芳香族環基、環状の脂肪族基、直鎖の脂肪族基、分岐の脂肪族基、または、これらと、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、および−C(CF32−の少なくとも1種との組み合わせからなる基を表し、芳香族環基、または、芳香族環基と−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、および−C(CF32−の少なくとも1種との組み合わせからなる基、が好ましい。芳香族環基としては、単環であってもよく、多環であってもよい。芳香族環基は、ヘテロ原子を含むヘテロ芳香族環基であってもよい。芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、および、フェナジン環が挙げられる。
一般式(a2)中、Y11は、芳香族環基、環状の脂肪族基、直鎖の脂肪族基、分岐の脂肪族基、または、これらと、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、および−C(CF32−の少なくとも1種との組み合わせからなる基を表し、X11は、芳香族環基、環状の脂肪族基、または、これらと、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、および−C(CF32−との組み合わせからなる基を表す。
芳香族環基、環状の脂肪族基、直鎖の脂肪族基、分岐の脂肪族基は、上述したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
一般式(a3)、Y12は、芳香族環基、環状の脂肪族基、直鎖の脂肪族基、分岐の脂肪族基、または、これらと、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、および−C(CF32−の少なくとも1種との組み合わせからなる基を表し、X12は、ケイ素原子を含む基を表す。
芳香族環基、環状の脂肪族基、直鎖の脂肪族基、分岐の脂肪族基は、上述したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
12が表す、ケイ素原子を含む基は、下記で表される基であることが好ましい。

20およびR21はそれぞれ独立に2価の有機基を表し、R22およびR23はそれぞれ独立に1価の有機基を表す。
20およびR21で表される2価の有機基としては特に制限はないが、具体的に炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数3〜20の2価の環状脂肪族基、またはこれらを組み合わせてなる基が挙げられる。
直鎖または分岐のアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、t−ブチレン基などが挙げられる。
アリーレン基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。具体的なアリーレン基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などが挙げられる。
2価の環状脂肪族基の炭素数は、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、5〜6がさらに好ましい。2価の環状脂肪族基としては、1,4−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,2−シクロヘキシレン基などが挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、および炭素数3〜20の2価の環状脂肪族基は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミド基、スルホニルアミド基などを挙げることができる。
炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、または炭素数3〜20の2価の環状脂肪族基を組み合わせてなる基としては、特に制限はないが、炭素数3〜20の2価の環状脂肪族基を組み合わせてなる基を組み合わせた基であることが好ましい。以下、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、または炭素数3〜20の2価の環状脂肪族基を組み合わせてなる基の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
22およびR23で表される1価の有機基としては、炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくは炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
直鎖もしくは分岐のアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が更に好ましい。具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、炭素数6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。具体的にアリール基としては、フェニル基、トルイル基、メシチル基、ナフチル基などが挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミド基、スルホニルアミド基などを挙げることができる。
本発明におけるポリベンゾオキサゾール前駆体は、得られる硬化膜の耐熱透明性がより良好となる理由から、片末端または両末端に、下記式(4)で表される部分構造を有しているのが好ましい。

上記式(4)中、*は結合位置を表し、Zは単結合、炭素原子または硫黄原子を表し、R30は1価の有機基を表し、nは0または1を表し、Zが単結合の場合、aは0であり、Zが炭素原子の場合、aは1であり、Zが硫黄原子の場合、aは2であり、nが0の場合、2つのR30は、互いに結合し環を形成していてもよい。
Zは、単結合、炭素原子または硫黄原子を表し、単結合、または、炭素原子が好ましい。
30は1価の有機基を表す。1価の有機基としては特に制限はないが、一分子あたりの式量が10〜500のものが例示される。また、1価の有機基を構成する原子は、炭素原子、酸素原子、窒素原子、水素原子、硫黄原子から選択されることが好ましく、炭素原子、酸素原子、窒素原子、水素原子から選択されることがより好ましい。
具体的には、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、架橋性基、ならびに、酸素原子、カルボニル基、スルホニル基、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)、およびアルキニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6)と、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、カルボニル基、カルボキシル基、酸素原子、アルキレン基、アルキニレン基またはアリーレン基との組み合わせからなる基であることがより好ましい。
これらの基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、水酸基、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アミド基、スルホニルアミド基などを挙げることができる。
上記式(4)で表される基の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。式中、Phはフェニル基を表し、n−Prは、n−プロピレン基を表す。

ポリベンゾオキサゾール前駆体は、重量平均分子量(Mw)が3,000〜200,000が好ましい。下限は、4,000以上がより好ましく、5,000以上が更に好ましい。上限は、100,000以下がより好ましく、50,000以下が更に好ましい。また、数平均分子量(Mn)は、1,000〜50,000が好ましい。下限は、2,000以上がより好ましく、3,000以上が更に好ましい。上限は、40,000以下がより好ましく、30,000以下が更に好ましい。この範囲とすることでパターニング性がより良好となり、硬化膜物性も良好となる。
なお、本発明における重量平均分子量や数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により以下の条件で測定したものである。
・カラムの種類:TSK gel Super(東ソー)
・展開溶媒:テトラヒドロフランカラム温度:40℃流量(サンプル注入量):10μl
・装置名: HLC−8220GPC(東ソー)
・検量線ベース樹脂:ポリスチレン
本発明においては、感光性樹脂組成物におけるポリベンゾオキサゾール前駆体の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、40質量部以上が特に好ましい。上限は、例えは、99質量部以下が好ましく、97質量部以下がより好ましく、95質量部以下が特に好ましい。2種以上のポリベンゾオキサゾール前駆体を用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明で用いるポリベンゾオキサゾール前駆体は、特開2008−224970号公報の記載を参酌して合成することができる。また、単官能酸クロリドによる末端の封止は、例えば、重合反応の際に単官能酸クロリドを混ぜておくことにより一度に合成することができる。
〔光酸発生剤〕
本発明の感光性樹脂組成物が有する光酸発生剤は特に限定されない。
光酸発生剤は、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましい。
ここで、pKaは、基本的に25℃の水中におけるpKaを指す。水中で測定できないものは、測定に適する溶剤に変更し測定したものを指す。具体的には、化学便覧等に記載のpKaが参考にできる。
また、pKaが3以下の酸としては、スルホン酸またはホスホン酸であることが好ましく、スルホン酸であることがより好ましい。
また、光酸発生剤は、pKaが2以下の酸を発生するものが好ましい。
光酸発生剤の例として、オニウム塩化合物、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、および、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、オニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物が好ましく、オニウム塩化合物、オキシムスルホネート化合物が特に好ましい。光酸発生剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類、およびジアゾメタン化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0083〜0088に記載の化合物や、特開2011−105645号公報の段落番号0013〜0049に記載の化合物が例示でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
イミドスルホネート化合物の具体例としてはWO2011/087011号公報の段落番号0065〜0075に記載の化合物が例示でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、下記構造のトリアリールスルホニウム塩類を使用することも好ましい。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記一般式(B1−1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示できる。
一般式(B1−1)

一般式(B1−1)中、R21は、アルキル基またはアリール基を表す。波線は他の基との結合を表す。
一般式(B1−1)中、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状または分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、ハロゲン原子、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基またはナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、低級アルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子で置換されてもよい。
上記一般式(B1−1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、特開2014−238438号公報の段落番号0108〜0133に記載のオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
イミドスルホネート系化合物としては、ナフタレンイミド系化合物が好ましく、国際公開WO11/087011号パンフレットの記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明においては、光酸発生剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。下限は、例えば、0.2質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。上限は、例えば、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
また、光酸発生剤の含有量は、ポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜8質量部であることが更に好ましい。
なお、光酸発生剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。2種類以上の光酸発生剤を用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔溶剤〕
本発明の感光性樹脂組成物が含有する溶剤は特に限定されず、公知の溶剤を用いることができる。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、上述した必須成分と、後述する任意成分を溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。また、溶剤としては、必須成分および任意成分を溶解し、各成分と反応しないものが好ましい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類(例えばジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなど)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、特開2011−221494号公報の段落番号0174〜0178に記載の溶剤、特開2012−194290号公報の段落番号0167〜0168に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、これらの溶剤にさらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。これら溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶剤は、1種単独であってもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、例えば、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類とジアルキルエーテル類、ジアセテート類とジエチレングリコールジアルキルエーテル類、あるいは、エステル類とブチレングリコールアルキルエーテルアセテート類とを併用することがさらに好ましい。
溶剤は、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、または、これらの混合物であることが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
本発明においては、溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全成分100質量部に対し、50〜95質量部であることが好ましい。下限は、60質量部以上がより好ましい。上限は、90質量部以下がより好ましい。
また、溶剤の含有量は、ポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して、500〜2000質量部であるのが好ましく、700〜1800質量部であるのがより好ましい。
なお、溶剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔密着改良剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、密着改良剤を含有してもよい。密着改良剤としてはアルコキシシラン化合物などが挙げられる。
アルコキシシラン化合物は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。
密着改良剤の具体例としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのγ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどのγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランが好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがさらに好ましい。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、得られる硬化膜のパターニング性および耐薬品性がより良好となる理由から、上記アルコキシシラン化合物のうち、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を含有するのが好ましい。
密着改良剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分100質量部に対し、0.001〜15質量部であることが好ましく、0.005〜10質量部であることがより好ましい。密着改良剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。2種類以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔増感剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、増感剤を含有してもよい。増感剤は、活性光線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。このため、増感剤を含有させることで、光酸発生剤の分解を促進させることができる。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350〜450nmの波長域に吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が増感剤を含有する場合、増感剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、0.001〜100質量部であることが好ましい。下限は、例えば、0.1質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。下限は、例えば、50質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。増感剤は、2種以上を併用することもできる。増感剤を2種以上併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔架橋剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を含有することにより、より強硬な硬化膜を得ることができる。
架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限は無い。例えば、分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。具体的には、国際公開公報第2014/050730号公報の段落番号0153〜0163に記載の化合物を使用することが好ましい。
<その他の架橋剤>
その他の架橋剤としては、特開2012−8223号公報の段落番号0107〜0108に記載のアルコキシメチル基含有架橋剤、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物なども好ましく用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。アルコキシメチル基含有架橋剤としては、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物が架橋剤を有する場合、架橋剤の含有量は、ポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対し、0.01〜50質量部であることが好ましい。下限は、例えば、0.1質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。上限は、例えば、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。この範囲であれば、機械的強度および耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。架橋剤は1種類のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔塩基性化合物〕
本発明の感光性樹脂組成物は、塩基性化合物を含有してもよい。塩基性化合物としては、化学増幅型ポジ型レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0204〜0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物が塩基性化合物を有する場合、塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形成分100質量部に対し、0.001〜3質量部であることが好ましく、0.005〜1質量部であることがより好ましい。塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。2種類以上用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン界面活性剤である。界面活性剤は、例えば、特開2012−88459号公報の段落番号0201〜0205に記載のものや、特開2011−215580号公報の段落番号0185〜0188に記載のものを用いることができ、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP−341、X−22−822(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.99C(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、F−554(DIC(株)製)、フロラードノベックFC−4430(住友スリーエム製)、サーフロンS−242(AGCセイミケミカル(株)製)、PolyFoxPF−6320(OMNOVA製)、SH−8400(東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、フタージェントFTX−218G(ネオス(株)製)等を挙げることができる。
また、界面活性剤として、特開2014−238438号公報の段落番号0151〜0155に記載の化合物も好ましく用いられる。
界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物が界面活性剤を有する場合、界面活性剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分100質量部に対し、10質量部以下であることが好ましく、0.001〜10質量部がより好ましく、0.01〜3質量部がさらに好ましい。
〔酸化防止剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる。更には、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点からフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落番号0026〜0031に記載の化合物、特開2011-227106号公報の段落番号0106〜0116に記載の化合物を挙げる事ができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、アデカスタブLA−52、アデカスタブLA−81、アデカスタブAO−412S、アデカスタブPEP−36、イルガノックス1035、イルガノックス1098、チヌビン144を挙げる事ができる。
本発明の感光性樹脂組成物が酸化防止剤を有する場合、酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形成分100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜5質量部であることがより好ましく、0.5〜4質量部であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、且つ、パターン形成時の感度も良好となる。
〔酸増殖剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いることができる。
酸増殖剤は、酸触媒反応によってさらに酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。
酸増殖剤の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落番号0226〜0228に記載の酸増殖剤が挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の感光性樹脂組成物が酸増殖剤を含有する場合、酸増殖剤の含有量は、光酸発生剤100質量部に対して、10〜1000質量部とするのが、露光部と未露光部との溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500質量部がさらに好ましい。酸増殖剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。2種類以上の酸増殖剤を用いる場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
〔現像促進剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、現像促進剤を含有することができる。
現像促進剤としては、特開2012−042837号公報の段落番号0171〜0172に記載されているものを参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物が現像促進剤を有する場合、現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
〔その他の成分〕
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、有機または無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を、それぞれ独立に1種または2種以上、加えることができる。
これらの化合物としては、例えば特開2012−88459号公報の段落番号0201〜0224の記載の化合物を使用することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、特開2012−8223号公報の段落番号0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、WO2011/136074A1に記載の窒素含有化合物および熱酸発生剤も用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<不純物>
本発明の感光性樹脂組成物は、組成物の保存安定性の悪化や装置汚染につながる可能性があるため、不純物の含有量は少ないほうが好ましい。
不純物の具体例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、またはこれらのイオン、遊離ハロゲンやハロゲン化物イオンなどが挙げられる。
これら不純物の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物中に、1000ppb以下が好ましく、500ppb以下がより好ましく、100ppb以下がさらに好ましい。特に金属不純物については、20ppb以下が特に好ましい。下限は特に定めるものではないが、現実的に減らせる限界や、測定限界の観点から、10ppt以上又は100ppt以上とすることができる。
不純物をこのように減らす方法としては、樹脂や添加剤の原料にこれら不純物を含まないものを使用すること、組成物調合時にこれら不純物が混入しないようにすること、および混入した場合には洗浄することなどにより、不純物量を上記範囲内とすることができる。これら不純物は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法、原子吸光分光法などの公知の方法で定量することができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、1,3−ブタジエン、四塩化炭素、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサン、などの化合物を含まないことが好ましい。
これら化合物の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物中に、500ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましく、1ppm以下がさらに好ましい。下限は特に定めるものではないが、現実的に減らせる限界や、測定限界の観点から、0.1ppb以上又は1ppb以上とすることができる。
これら不純物は、金属の不純物と同様の方法で含有量を抑制することができ、また、公知の測定法により定量することができる。
〔感光性樹脂組成物の調製方法〕
本発明の感光性樹脂組成物は、各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して調製することができる。例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して本発明の感光性樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、例えば孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用することもできる。
[硬化膜の製造方法]
本発明の硬化膜の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を含むことが好ましい。
(1)本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する工程(塗布工程)
(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程(溶剤除去工程)
(3)溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性光線により露光する工程(露光工程)
(4)露光された感光性樹脂組成物を現像液により現像する工程(現像工程)
(5)現像された感光性樹脂組成物を熱硬化して硬化膜を得る工程(ポストベーク工程)
以下に各工程を順に説明する。
(1)の塗布工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。
(1)の塗布工程を行う前に、基板に対してアルカリ洗浄やプラズマ洗浄などの洗浄を行ってもよい。また、洗浄後の基板に対してヘキサメチルジシラザンなどで基板表面を処理してもよい。ヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン蒸気中に基板を晒しておく方法等が挙げられる。
基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料などが挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコーン、シリコンナイトライド、および、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル、マレイミドーオレフィン、セルロース、エピスルフィド化合物等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。
これらの基板は、最終製品の形態によって、例えば薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)素子のような多層積層構造が形成されていてもよい。
基板への感光性樹脂組成物の塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法等の方法を用いることができる。
スリットコート法の場合には基板とスリットダイとの相対移動速度を50〜120mm/secとすることが好ましい。
感光性樹脂組成物を塗布したときの湿潤膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができる。例えば、0.5〜10μmが好ましい。
基板に本発明の感光性樹脂組成物を塗布する前に、特開2009−145395号公報に記載されているような、所謂プリウェット法を適用することも可能である。
(2)の溶剤除去工程では、感光性樹脂組成物を塗布して形成した上記の湿潤膜から、減圧(バキューム)および/または加熱等により、溶剤を除去して基板上に乾燥膜を形成させる。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。温度と時間が上記範囲である場合、後述する(4)の工程を行う際にパターンの密着性がより良好で、且つ残渣もより低減できる傾向にある。
(3)の露光工程では、乾燥膜を設けた基板に所定のパターンの活性光線を照射する。この工程では、露光部において、フェノール性水酸基が生成され、露光部における現像液への溶解性が向上する。すなわち、フェノール性水酸基を上記式(2)で表される有機基(酸分解性基)で保護した基を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、光酸発生剤とを含む態様においては、活性光線の照射によって、光酸発生剤が分解して酸が発生する。そして、発生した酸の触媒作用により、上記の酸分解性基が加水分解されて、フェノール性水酸基が生成する。
活性光線の光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、発光ダイオード(LED)光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。露光量は好ましくは1〜500mJ/cm2である。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。また、いわゆる超解像技術を用いた露光をすることもできる。超解像技術としては、複数回露光する多重露光や、位相シフトマスクを用いる方法、輪帯照明法などが挙げられる。これら超解像技術を用いることでより高精細なパターン形成が可能となり、好ましい。
(4)の現像工程では、ポリベンゾオキサゾール前駆体を、現像液を用いて現像する。現像液に溶解しやすいフェノール性水酸基を有する露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成する。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物の水溶液が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類:コリン等の(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩類;エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の脂環式アミン類を使用することができる。
これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が好ましい。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等の何れでもよい。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げる事ができる。
(5)のポストベーク工程では、得られたポジ画像を加熱することにより、上記式(2)で表される有機基(酸分解性基)で保護した基を熱分解してフェノール性水酸基を生成させ、環化(ベンゾオキサゾール環を形成)させることにより、硬化膜を形成することができる。また、フェノール性水酸基を架橋剤等と架橋させることにより、硬化膜を形成することもできる。この加熱は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて行うことが好ましい。加熱温度は300℃超が好ましく、320〜370℃がより好ましい。加熱時間は、ホットプレート上なら5〜90分間、オーブンなら30〜120分間が好ましい。加熱によって環化反応または架橋反応を進行させることにより、耐熱性、硬度等により優れた硬化膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより、透明性をより向上させることもできる。
ポストベークの前に、比較的低温でベークを行った後にポストベークすることもできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱する事もできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより未露光部分に存在する光酸発生剤から酸を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることができ、膜の硬化反応を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。ポストベーク工程により熱硬化して得られた硬化膜をドライエッチングレジストとして使用する場合、エッチング処理としてはアッシング、プラズマエッチング、オゾンエッチングなどのドライエッチング処理を行うことができる。
[硬化膜]
本発明の硬化膜は、上述した本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化膜である。また、本発明の硬化膜は、上述した本発明の硬化膜の形成方法により得られた硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜は、層間絶縁膜および保護膜として好適に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、高温でベークされた場合においても高い透明性を有する層間絶縁膜が得られる。本発明の感光性樹脂組成物を用いてなる層間絶縁膜は、高い透明性を有し、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、タッチパネル等の用途に有用である。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を有する。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFTの具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコンーTFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Plane−Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Allay)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報の有機絶縁膜(212)として用いることができる。また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向方などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物および本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
液晶表示装置の詳細については、特開2007−328210号公報および特開2014−238438号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
[有機エレクトロルミネッセンス表示装置]
本発明の有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置は、本発明の硬化膜を有する。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が具備するTFTの具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコンーTFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
液晶表示装置の詳細については、特開2014−238438号公報の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
[タッチパネル及びタッチパネル表示装置]
本発明のタッチパネルは、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の感光性組成物の硬化物からなるタッチパネルである。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。
タッチパネル表示装置としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2012−43394号公報の図14、国際公開第2012/141148号の図2(b))、OGS型、TOL型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
静電容量方式のタッチパネルは、前面板と、前面板の非接触側に、少なくとも下記(1)〜(5)の要素を有し、(4)の絶縁層が本発明の感光性樹脂組成物を用いた硬化膜であることが好ましい。
(1)額縁層
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(3)第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(4)第一の透明電極パターンと第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
(5)第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
本発明の静電容量型入力装置は、さらに上記(1)〜(5)の要素の全てまたは一部を覆うように透明保護層を設置することが好ましく、透明保護層が本発明の硬化膜であることがより好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
〔化合物P−1の合成〕
温度計、攪拌子、塩化カルシウム管を備えた500mL三口フラスコに、(+)−10−カンファースルホン酸(東京化成工業(株)製)8.05g、硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)24.6g、および、メタノール133.30gを加え、水浴につけて攪拌した。得られた溶液に、滴下ロートを用いてイソブチルアルデヒド(和光純薬工業(株)製)50.0gを10分間かけて滴下した。室温で4時間攪拌した後、トリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)17.5gを添加し、30分攪拌した。硫酸ナトリウムをろ別した後、ろ液を酢酸エチルと水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮することで透明液体32.5gを得た。
温度計、攪拌子、塩化カルシウム管を備えた500mL三口フラスコに上記透明液体32.5gを入れ、滴下ロートを用いて塩化アセチル(東京化成工業(株)製)32.6gを滴下し、濃硫酸(関東化学(株)製)5mgを加えた。得られた溶液を40℃で2時間反応させた後、過剰量の塩化アセチルを減圧下留去することにより、下記式で表される化合物P−1(31.5g)を得た。
〔化合物P−2〜P−13の合成〕
イソブチルアルデヒドおよびメタノールを、それぞれ対応するアルデヒドとアルコールに変更し、P−1と同様の方法で、下記式で表される化合物P−2〜P−13を合成した。
〔ポリベンゾオキサゾール前駆体A−1の合成〕
温度計、攪拌器、塩化カルシウム管を備えた1L三口フラスコに、82.41g(0.225mol)のヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(Bis−AP−AF、セントラル硝子(株)製)、および、235gのN−メチルピロリドン(NMP)を添加した。これを50℃で撹拌し、溶解させた。この溶液に、予め調液しておいたイソフタロイルクロリド(IPC、東京化成工業(株)製)21.72g(0.107mol)、4,4’−オキシビスベンゾイルクロライド(OBBOC、東京化成工業(株)製)31.58g(0.107mol)、および、NMP110gの溶液を、滴下ロートで2時間かけて滴下した。次に、この反応液にプロピオン酸クロリド(東京化成工業(株)製)2.58g(0.027mol)を添加した。10分後イソプロパノール(203g)を添加し、さらに10分間攪拌した後、室温まで冷却した。その後、ピリジン(和光純薬工業(株)製)36.66g(0.464mol)を5分間かけて滴下した。
この反応液を2800gの水と同時に、激しく攪拌した600gの脱イオン水/イソプロパノール(80/20体積比)混合物中に投入し、析出した白色粉体を濾過によって回収し、そして脱イオン水/イソプロパノールによって洗浄した。真空下でポリマーを50℃で2日間乾燥させ、樹脂A−1aを得た。
温度計、攪拌器、ディーンスターク冷却器を備えた300mL三口フラスコに、テトラヒドロフラン(90.00g)、および、樹脂A−1a(10.00g)を入れ、溶解させた。窒素フロー下、外温80℃に加熱し、フラスコ内容物が30gになるまで濃縮した。この溶液にテトラヒドロフランを添加し、固形分濃度を10質量%に調整した。フラスコを室温の水浴に浸し、温度が安定したあと、トリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)1.27g(0.012mol)を加えてよく攪拌した。この溶液に化合物P−1(1.43g、0.010mol)を滴下し、室温で2時間攪拌した。得られた溶液をメチルエチルケトン、酢酸エチル、水で抽出した。有機層をさらに3回水洗した後、ハイソルブEDM(東邦化学工業(株)製)24gを添加し、減圧下濃縮することで、ポリベンゾオキサゾール(PBO)前駆体A−1の30質量%溶液を得た。得られたPBO前駆体A−1の重量平均分子量は13000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値)で、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。また、PBO前駆体A−1のフェノール性水酸基の保護率は、樹脂A−1aの全フェノール性水酸基量(モル量)に対して、20%であった(H−NMR)。PBO前駆体A−1の構造を以下に示す。
<PBO前駆体A−1>
〔ポリベンゾオキサゾール前駆体A−2〜A−44の合成〕
ジカルボン酸ジクロリド、ジアミンおよび末端封止剤ならびに酸分解性基の導入化合物を下記表1に示す化合物に変更した以外は、PBO前駆体A−1と同様の方法で、PBO前駆体A−2〜A−44を合成した。
得られた各PBO前駆体の重量平均分子量およびフェノール性水酸基の保護率を下記表1に示す。
なお、重量平均分子量(Mw)は、以下のように調整した。
・Mw=10000:ジカルボン酸ジクロリドの添加量=0.191mol,末端封止剤の添加量=0.074mol
・Mw=13000:ジカルボン酸ジクロリドの添加量=0.214mol,末端封止剤の添加量=0.027mol
・Mw=16000:ジカルボン酸ジクロリドの添加量=0.218mol,末端封止剤の添加量=0.020mol
・Mw=27000:ジカルボン酸ジクロリドの添加量=0.222mol,末端封止剤の添加量=0.011mol
また、保護率は、以下のように調整した。
・保護率=22%:酸分解性基の導入化合物の添加量=0.011mol
・保護率=20%:酸分解性基の導入化合物の添加量=0.010mol
・保護率=18%:酸分解性基の導入化合物の添加量=0.009mol
・保護率=16%:酸分解性基の導入化合物の添加量=0.008mol
・トリエチルアミンの添加量:酸分解性基の導入化合物の添加量の1.2当量
〔ポリベンゾオキサゾール前駆体R−1の合成〕
500mLナスフラスコに25.00gの樹脂A−1a、225gのテトラヒドロフラン(THF)を添加し、窒素フロー下、80℃の水浴につけて、83gになるまで濃縮した。ここに167gのTHFを添加し、83gになるまで濃縮した。ここに、42gのTHFと、0.24g(0.00103mol)の(+)−10−カンファースルホン酸(東京化成工業(株)製)を添加し、室温で溶解させた後、15℃まで冷却した。ここに、1.92g(0.0275mol)の2,3−ジヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)を添加し、15℃で1時間撹拌した。得られた溶液にトリエチルアミン0.16gとTHF0.80gを加えてクエンチした。
得られた溶液を500mL三口フラスコに移し、2−ブタノン60g、酢酸エチル60g、および、水90gを添加した。この混合液を60℃で10分間攪拌した後、分液ロートに移し、下層を除去した後、500mL三口フラスコに移液した。ここに、2−ブタノン20gと水90gを添加した。この混合液を60℃で10分間攪拌した後、分液ロートに移し、一晩静置した後、下層を除去した。残った上層80gを200mLナスフラスコに移し、ハイソルブEDM(東邦化学工業(株)製)60gと、酢酸エチル32gを添加し、50℃で1時間減圧濃縮した。ここに酢酸エチル32gを追加し、さらに30分減圧濃縮した。その後、70℃まで昇温して2時間減圧濃縮し、室温まで冷却することで、R−1の30重量%溶液を得た。得られたA−1の重量平均分子量は13000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値)で、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。得られたPBO前駆体R−1のフェノール性水酸基の保護率は、樹脂A−1aの全フェノール性水酸基量(モル量)に対して、20%であった(H−NMR)。
〔ポリベンゾオキサゾール前駆体R−2の合成〕
2,3−ジヒドロフランをエチルビニルエーテルに代えた以外は、PBO前駆体R−1と同様の方法で、PBO前駆体R−2を合成した。
得られたPBO前駆体R−2の重量平均分子量およびフェノール性水酸基の保護率を下記表1に示す。
〔ポリイミド前駆体R−3の合成〕
特許文献1(特開2013−050696号公報)の[0476]段落([表4])に記載されたP−98と同様の方法で、ポリイミド前駆体R−3を合成した。
得られたポリイミド前駆体R−3の重量平均分子量およびフェノール性水酸基の保護率を下記表1に示す。
〔ポリイミド前駆体R−4の合成〕
化合物P−1に代えて、2,3−ジヒドロフランを用いた以外は、ポリイミド前駆体R−3と同様の方法で、ポリイミド前駆体R−4を合成した。
得られたポリイミド前駆体R−4の重量平均分子量およびフェノール性水酸基の保護率を下記表1に示す。
<表1中のジカルボン酸ジクロリド化合物など>
<表1中のジアミン化合物>
〔光酸発生剤〕
光酸発生剤としては、以下に示す化合物を用いた。
<B−1>
下記に示す構造(Tsはトシル基を表す。以下、同様)を有する化合物
<B−2>
下記に示す構造を有する化合物
<B−3>
下記に示す構造を有する化合物
<B−4>
下記に示す構造を有する化合物
<B−5>
下記に示す構造を有する化合物
<B−6>
下記に示す構造を有する化合物
<DBA>
9,10−ブトキシアントラセン
〔溶剤〕
EDM:ハイソルブEDM(東邦化学工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、(株)ダイセル製)
〔密着改良剤〕
KBE−3026:1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン(信越化学工業(株)製)
〔界面活性剤〕
F−554:下記構造式で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤(DIC(株)製)
〔実施例1〜52および比較例1〜4〕
上述した各成分を下記表2に示す種類および添加量で混合し、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、各感光性樹脂組成物を得た。
〔評価〕
調製した各感光性樹脂組成物について、以下に示す方法および基準により、耐熱透明性、感度および現像膜減りについて評価した。これらの結果を下記表1に示す。
<耐熱透明性>
(1)Nベーク後の透過率
ガラス基板(OA−10(日本電気硝子社製))を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)蒸気下に30秒曝し、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、バキュームドライで溶剤を揮発させた後、120℃/120秒ホットプレート上でプリベークし、感光性樹脂組成物層を形成した。この基板をオーブンにて窒素雰囲気下で350℃/30分間加熱し、膜厚2.5μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜の透過率を、分光光度計(U−3000:(株)日立製作所製)を用いて、波長400nmで測定した。単位は%で示した。A、BおよびCが実用レベルである。
A:透過率が90%以上
B:透過率が85%以上90%未満
C:透過率が80%以上85%未満
D:透過率が70%以上80%未満
E:透過率が70%未満
(2)追加Airベーク後の透過率
ガラス基板(OA−10(日本電気硝子社製))を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)蒸気下に30秒曝し、各感光性樹脂組成物をスリット塗布した後、バキュームドライで溶剤を揮発させた後、120℃/120秒ホットプレート上でプリベークし、感光性樹脂組成物層を形成した。この基板をオーブンにて窒素雰囲気下で350℃/30分間加熱し、膜厚2.5μmの硬化膜を得た。この基板をさらにオーブンにて空気中、350℃/30分間加熱した。得られた硬化膜の透過率を、分光光度計(U−3000:(株)日立製作所製)を用いて、波長400nmで測定した。単位は%で示した。A、B、Cが実用レベルである。
A:透過率が90%以上
B:透過率が85%以上90%未満
C:透過率が80%以上85%未満
D:透過率が70%以上80%未満
E:透過率が70%未満
<感度>
ヘキサメチルジシラザン蒸気で1分間表面処理をしたガラス基板(1100×1300mmサイズ、0.7mm厚、コーニング社製)上に、各感光性樹脂組成物をSK−N1300G(大日本スクリーン製造(株)製)でスリットコートした後、0.266kPa(2.0Torr)まで減圧し、100℃/90秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製MPAsp−H760露光機を用いて、5.0μmホールパターンに露光した。80℃/90秒ホットプレート上で加熱後、アルカリ現像液(0.6質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で現像し(25℃、70秒)、超純水で30秒リンスした。これにより下底の径が5.0μmのホールパターンが形成される露光量を感度とした。必要露光量が少ないほど(高感度であるほど)好ましく、A、B、Cが実用範囲である。
A:必要露光量が200mJ/cm未満
B:必要露光量が200mJ/cm以上300mJ/cm未満
C:必要露光量が300mJ/cm以上500mJ/cm未満
D:必要露光量が500mJ/cm以上700mJ/cm未満
E:必要露光量が700mJ/cm以上
<現像膜減り>
ヘキサメチルジシラザン蒸気で1分間表面処理をしたガラス基板(1100×1300mmサイズ、0.7mm厚、コーニング社製)上に、各感光性樹脂組成物をSK−N1300G(大日本スクリーン製造(株)製)でスリットコートした後、0.266kPa(2.0Torr)まで減圧し、100℃/90秒ホットプレート上でプリベークして溶剤を揮発させ、膜厚3.0μmの感光性樹脂組成物層を形成した。次に、得られた感光性樹脂組成物層を、キヤノン(株)製MPAsp−H760露光機を用いて、5.0μmホールパターンに露光した。80℃/90秒ホットプレート上で加熱後、アルカリ現像液(0.6質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で現像し(25℃、70秒)、超純水で30秒リンスした。ここで、下記式により現像膜減り率を求め、以下の基準で評価した。現像膜減り率は100%に近いほど好ましく、A、B、Cが実用範囲である。
現像後の未露光部の膜厚/現像前の膜厚×100 [%]
A:現像膜減り率が95%以上
B:現像膜減り率が93%以上95%未満
C:現像膜減り率が90%以上93%未満
D:現像膜減り率が85%以上90%未満
E:現像膜減り率が85%未満
上記表1および表2に示す結果から、上記式(2)で表される有機基(酸分解性基)を有していないPBO前駆体R−1およびR−2を用いた場合は、耐熱透明性(追加Airベーク後)だけでなく、耐熱透明性(N2ベーク後)も劣ることが分かった(比較例1および2)。
また、ポリイミド前駆体R−3およびR−4を用いた場合には、上記式(2)で表される有機基(酸分解性基)の有無にかかわらず、耐熱透明性(追加Airベーク後)だけでなく、耐熱透明性(N2ベーク後)も劣ることが分かった(比較例3および4)。
これに対し、上記式(2)で表される有機基(酸分解性基)を有するポリベンゾオキサゾール前駆体A−1〜A−44を用いた場合には、耐熱透明性(N2ベーク後)が良好となり、感度および現像膜減り率が高くなることが分かった(実施例1〜52)。
特に、実施例1、17、18、43および44の対比から、上記式(1)中のY1を構成する炭素原子のうち、上記式(1)中のカルボニル炭素に隣接する炭素原子が水素原子を有していないと、耐熱透明性(追加Airベーク後)も良好となることが分かった。
また、実施例1と実施例7との対比、実施例2と実施例8との対比、および、実施例3と実施例9との対比から、上記式(2)中のR3が水素原子であると、耐熱透明性(追加Airベーク後)も良好となることが分かった。
また、実施例1、4および10と実施例13との対比から、上記式(2)中のR3〜R6を構成する有機基の炭素数の合計が6以下であると、耐熱透明性(追加Airベーク後)も良好となることが分かった。特に、実施例1、4および10の結果から、上記式(2)中のR4およびR5を構成する有機基の炭素数の合計が2であり、R6を構成する有機基の炭素数が4以下であると、耐熱透明性(追加Airベーク後)がより良好となることが分かった。
また、実施例1と実施例6との対比、および、実施例1と実施例12との対比から、上記式(2)中のR3が置換基を有さないアルキル基または水素原子であり、上記式(2)中のR4、R5およびR6がいずれも置換基を有さないアルキル基であると、耐熱透明性(追加Airベーク後)も良好となることが分かった。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリベンゾオキサゾール前駆体と、光酸発生剤と、溶剤とを含有する、感光性樹脂組成物。
    ここで、前記式(1)中、X1は芳香環を含む4価の有機基を表し、Y1下記式(3)で表される2価の有機基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または下記式(2)で表される有機基を表し、前記水素原子と下記式(2)で表される有機基との割合がモル比で90/10〜10/90である。
    ここで、前記式(2)中、*は酸素原子との結合位置を表し、R3は水素原子または炭素数1〜10の有機基を表し、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の有機基を表し、R3、R4、R5およびR6は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
    ここで、前記式(3)中、*はカルボニル炭素との結合位置を表し、Lは2価の有機基を表し、R 7 、R 8 、R 9 およびR 10 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の有機基を表し、R 7 、R 8 、R 9 およびR 10 は、いずれか2つ以上が連結して環を形成していてもよい。
  2. 前記式(2)中のR3〜R6を構成する有機基の炭素数の合計が6以下である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記式(2)中のR3が、置換基を有さないアルキル基または水素原子であり、
    前記式(2)中のR4、R5およびR6が、いずれも、置換基を有さないアルキル基である、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記式(2)中のR 3 が水素原子である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記式(2)中のR 4 およびR 5 を構成する有機基の炭素数の合計が2であり、R 6 を構成する有機基の炭素数が4以下である、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程と、
    塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程と、
    溶剤が除去された感光性樹脂組成物を活性放射線で露光する工程と、
    露光された感光性樹脂組成物を現像液により現像する工程と、
    現像された感光性樹脂組成物を熱硬化して硬化膜を得る工程とを含む硬化膜の製造方法。
  7. 前記現像する工程の後、かつ、前記熱硬化する工程の前に、現像された感光性樹脂組成物を露光する工程を含む、請求項に記載の硬化膜の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
  9. 層間絶縁膜である、請求項に記載の硬化膜。
  10. 請求項またはに記載の硬化膜を有する、液晶表示装置。
  11. 請求項またはに記載の硬化膜を有する、有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  12. 請求項またはに記載の硬化膜を有する、タッチパネル。
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