以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1は、実施例1における遊技盤1の正面図である。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなる。遊技球が所定の発射強度以上で発射された場合に到達するのが第2遊技領域3bとなり、第1遊技領域3aは「第2遊技領域3bへは到達しない発射強度で発射された遊技球が流下する遊技領域(遊技球が所定の発射強度未満で発射された場合に到達する遊技領域)」となる。従って、図に示したA部まで到達した遊技球は、第2遊技領域誘導路101を転動し、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘が植設されている。
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11(本発明の第1始動口に相当)が配置され、第1始動口11の下には大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の一般入賞口31が設けられている。なお、この一般入賞口31は、いずれも入球率が変化しない普通入賞口である。
センターケース5の右の第2遊技領域3bには、普通図柄作動ゲート17が配置され、普通図柄作動ゲート17の下には普通電動役物(本発明の可変入賞装置に相当)からなる第2始動口12(本発明の第2始動口に相当)が配置されている。なお、第2始動口12は開閉可能な羽根部材を供えた普通電動役物からなり、この羽根部材が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球不可となっている。
第1始動口11は、植設された遊技釘により、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)を流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11は、ほぼ第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下した遊技球のみが入球可能となるが、大入賞口14は最下部に配置されているため、第1遊技領域3a,第2遊技領域3bどちらの遊技領域を流下した遊技球も容易に入賞可能となっている。
第2遊技領域3bの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が遊技中に確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技流を流下させた場合に限り第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図2参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。
第2遊技領域3bに遊技流を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図2参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の羽根部材が開放し、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図2参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12である普通電動役物に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
また、本実施例では、第2始動口12は普通電動役物の羽根部材が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。
第1特別図柄(以降、第1特図ともいう)及び第2特別図柄(以降、第2特図ともいう)の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図2参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図2参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
普通図柄作動ゲート17と普通電動役物からなる第2始動口12とは、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に配置されているため、遊技状態が開放延長遊技状態に移行した場合は、遊技者は発射した遊技球の全てが第2遊技領域3bに到達するように発射ハンドルを調整することになる。
次に、実施例1におけるパチンコ遊技機の作動内容について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口11及び第2始動口12への遊技球入球に基づく当否判定は、通常遊技状態(低確率遊技状態)(本発明の通常遊技状態に相当)と、該通常遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態(本発明の高確率遊技状態に相当)とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/305.1、高確率が1/30.5に設定されている。
また、普通電動役物(第2始動口12)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時(開放延長状態)では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は1.8秒の開放動作を2回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態(開放延長状態)での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短状態)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機と同じくして作動する。なお、特別図柄の変動パターン選択テーブルの種類については図10,11を用いて後述する。
開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物の作動契機を大きく増加させている。これにより、単位時間当たりの普通電動役物への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
また、本実施例におけるパチンコ遊技機の高確率遊技状態継続システムは、所謂「確変2回ループタイプ」となり、大当り図柄には確変図柄(本発明の確変図柄に相当)と通常図柄(本発明の通常図柄に相当)との2種類を備え、当否判定時の遊技状態に拘わらず大当り図柄が確変図柄なら、その後に2回連続して通常図柄で大当りするまで高確率遊技状態を継続する構成となっている。
上記したように、大当り図柄は確変図柄と通常図柄とに区別され、大当り図柄に占める確変図柄と通常図柄の割合は確変図柄が1/3、通常図柄が2/3となり、高確率遊技状態では、当否確率が高確率になると共に、上記した開放延長状態及び時短状態となる。また、大当り遊技終了後に通常遊技状態となる場合は、特別図柄が100回の変動表示を行うまで、当否判定確率は通常確率(低確率)で開放延長状態及び時短状態となる。
続いて、図2に示したブロック図を用いて、実施例1におけるパチンコ機の電気的構成を説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
パチンコ機の電気的構成は、図2のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口31に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ31a等の検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9(図2では第1特図表示装置と表記)、第2特別図柄表示装置10(図2では第2特図表示装置と表記)及び普通図柄表示装置7(図2では普図表示装置と表記)の表示、第1特別図柄保留数表示装置18(図2では第1特図保留数表示装置と表記)、第2特別図柄保留数表示装置19(図2では第2特図保留数表示装置と表記)、普通図柄保留数表示装置8(図2では普図保留数表示装置と表記)の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図2では普電役物と表記)12bを制御することで第2始動口12となる普通電動役物の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータに送られる。
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成され、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を駆動させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット24(プリペイドカードユニット)と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸スイッチ57、精算を要求するための清算スイッチ58、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を機外に払い出す構成とするが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに遊技機が記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技領域3(3a、3b)に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル27からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル27を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル27を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル27を触っていても遊技球は発射できないようになっている。尚、払出制御装置81と発射制御装置84とは払出制御装置81から発射制御装置84への一方向通信回路として構成されている。
サブ制御装置に該当するサブ統合制御装置83は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備え、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び遊技ボタン67の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置83には、音量調節83a、遊技者が操作可能な遊技ボタンの操作を検出する遊技ボタンスイッチ67aなどの操作信号が入力される。そしてサブ統合制御装置83は、スピーカ66を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ26の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置82へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様を指示するコマンドを送信する。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置6のLCDパネルの表示を制御する。
次に、図3に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する「メインルーチン」を説明する。「メインルーチン」はマイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば、前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12、普通図柄作動ゲート17、大入賞口14への入賞、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に図4に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)する処理(保留記憶手段)となる。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値(本発明の特定の値に相当)か否かを、後述する当否判定処理を実施する以前に判定する先読判定処理(本発明の先読判定手段に相当)を行う。また、始動入賞処理では、第1始動口11及び第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入賞したとき、又は普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)(本発明の先読判定手段に相当)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶した乱数が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を確認する。
続いて、S115の判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)(先読判定コマンド送信手段)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)、S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S110と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)(本発明の先読判定手段に相当)。
続いて、S145の判定結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S150)(先読判定コマンド送信手段)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する保留図柄の数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信し、表示される個々の保留図柄の数により保留記憶数を報知する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告演出の実施が可能となる。
次に、図5から図8に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する当否判定処理1(及び確変継続設定処理1)を説明する。本処理は、第1保留記憶と第2保留記憶の当否判定及び該当否判定に応じた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間、確定図柄を選択すると共に、大当り判定時においては、大当り遊技終了後に移行する高確率遊技状態の継続回数を設定する処理(確変継続設定処理)となり、本発明の当否判定手段,図柄決定手段,高確率移行手段,カウンタ設定手段,カウント手段,通常遊技移行手段を含む処理となる。
当否判定処理1を開始すると、条件装置が作動中、即ち大当り遊技中か否かを判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)リターンし、大当り遊技中でなければ(S200:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定し(S205)、変動中でなければ(S205:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S210)、確定表示中でなければ(S210:no)、第2保留記憶が有るか否か判定し(S215)、否定判定なら(S215:no)、第1保留記憶が有るか否か判定し(S220)、否定判定なら(S220:no)リターンし、S215、又はS220が肯定判定なら(S215:yes,S220:yes)、S225に進む。このS215とS220の判定順序により、第2保留記憶が優先的に当否判定を実施する。
続くS225では、判定対象となる第1又は第2保留記憶のシフト処理を行う(S225)。これにより保留記憶してから最も時間が経過している第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す第1又は第2保留記憶カウンタから1を減算する。
続いて、確変フラグが0か否か判定する(S230)。確変フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら高確率遊技状態(確変状態ともいう)(本発明の高確率遊技状態に相当)であることを、値が0なら通常遊技状態(通常状態、低確率状態ともいう)(本発明の通常遊技状態に相当)であることを主制御装置80が判断する。
S230が肯定判定、即ち、通常遊技状態なら(S230:yes)、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と、予め設定された通常遊技状態用の当否判定テーブル(低確率1/305.1)とを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較し(S235)、S230が否定判定、即ち、高確率遊技状態中なら(S230:no)、高確率遊技状態用の当否判定テーブル高確率(1/30.5)と比較する(S240)。
続いて、S235又はS240の比較結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(S245)(本発明の当否判定手段に相当)。肯定判定なら(S245:yes)、図柄モード設定処理を行う(S250)。図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する(本発明の図柄決定手段の一部)。
続いて、S250で設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(本発明の図柄決定手段に相当)(S255)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。大当り図柄の種類と大当り遊技の内容、及び大当り遊技終了後の遊技状態の関係については、図9を用いて後述する。
続いて、S250及びS255で決定した大当り図柄に基づいて、大当り遊技を跨いだ高確率遊技状態の継続回数を設定する確変継続設定処理1を行う(S260)。
実施例1において主制御装置80が実行する確変継続回数設定処理1について、図8に示したフローチャートを用いて説明する。本処理は、本発明のカウンタ設定手段,カウント手段,高確率移行手段の一部,通常遊技移行手段の一部を含み、前述した所謂「確変2回ループタイプ」の高確率遊技状態継続システムを実施するための処理となる。
本処理を開始すると、S250及びS255で決定した大当り図柄を参照し(S500)、決定した大当り図柄が確変図柄か否か判定し(S505)、肯定判定なら(S505:yes)、確変継続カウンタに初期値となる2を設定する(S530)(本発明の確変継続カウンタに初期値を設定に相当)。
確変継続カウンタは、大当り遊技を跨いで継続する高確率遊技状態を計数するカウンタであり、詳しくは、確変図柄で大当りする毎に初期値として2が設定され、高確率遊技状態中に通常図柄で大当りすると確変継続カウンタの計数(本実施例ではデクリメント)が行われる。そして該計数後の確変継続カウンタの値が所定値(本実施例では0)に達していれば、当該大当りに応じた大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態に移行する構成となる。
S505が否定判定、即ち、S250及びS255で決定した大当り図柄が通常図柄なら(S505:no)、確変フラグが1か否か、即ち、当該当否判定時の遊技状態が高確率遊技状態か否か判定し(S510)、肯定判定なら(S510:yes)、確変継続カウンタからデクリメントし(S515)、確変継続カウンタの値が0か否か判定する(S520)。
S520が否定判定、即ち、高確率遊技状態中に通常図柄で大当りしたが確変継続カウンタ値が所定値(0)に達していないなら(S520:no)、又はS530に続いて、即ち、高確率遊技状態中に確変図柄で大当りしたなら、モードバッファ高確率遊技状態設定処理を行う(S535)。モードバッファは当否判定時の確変継続設定処理で確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファは、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。またS535で設定されるモードバッファには、大当り遊技終了時に高確率遊技状態(確変フラグ=1、確変カウンタ=10000、時短フラグ=1、時短カウンタ=10000)を設定する内容と、当否判定時の遊技状態が記憶される。
S520が肯定判定、即ち、高確率遊技状態中に通常図柄で大当りしたことにより確変継続カウンタの値が所定値(0)に達したなら(S520:yes)、又はS510の否定判定、即ち、通常遊技状態中に通常図柄で大当りしたなら(S510:no)、モードバッファ通常遊技状態設定処理を行う(S525)。S525で設定されるモードバッファは、大当り遊技終了時に非確変時短(開放延長)状態(確変フラグ=0、確変カウンタ=0、時短フラグ=1、時短カウンタ=100)を設定する内容と、当否判定時の遊技状態が記憶される。
以上が、確変継続設定処理1となり、大当り時の遊技状態に拘わらず、確変図柄で大当りする毎に確変継続カウンタの値は初期化して2が設定されるため、高確率遊技中に連続して確変図柄で大当りしても確変継続カウンタの値は2よりも大きくなることはないが、確変図柄で当選する毎に所定値を加算していく構成も考えられる。この構成により、高確率遊技状態で確変図柄で当選すると高確率遊技状態が継続する回数がそのたびに増加していく更に射幸性の高いパチンコ遊技機が提供可能となる。
図5に戻り、S260の確変継続設定処理1に続いては、S250で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる第1大入賞口14の開放パターン設定処理を行い(S265)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、当該処理時に設定されている変動パターン選択テーブルから選択する(S270)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S275)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S245が否定判定、即ちハズレなら(S245:no)、判定対象が第2保留記憶か否か判定し(S280)、肯定判定なら(S280:yes)、S235,又はS240の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S285)、肯定判定なら(S285:yes)、小当り図柄を選択し(S290)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行う(S265)。これにより、本実施例において小当りを実施するのは第2特図の小当り時のみとなるが、第1特図に小当りを設ける構成としてもよく、その場合、第1特図と第2特図とで小当り確率を異なる確率に設定してもよい(例えば、第2特図の小当り確率を1/14、第1特図を1/288に設定)。
続いて、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S270)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S275)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S280が否定判定(S280:no)、又はS285が否定判定なら(S285:no)、ハズレ図柄を選択し(S295)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S270)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S275)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、図5のS205が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S205:yes)、図6のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S270で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS260,S290又はS295で選択した確定図柄を確定表示させる(S305)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と擬似図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S305に続いては、確定表示させた第1又は第2特別図柄が大当り図柄か否か判定し(S310)、肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S315)、確変フラグが1か否か、即ち、当該当否判定処理時の遊技状態が高確率遊技状態か否か判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、確変フラグに0をセットする(S325)。S325、又はS320の否定判定(S320:no)に続いては、時短フラグが1か否か、即ち、当該当否判定処理時の遊技状態が時短(開放延長)状態か否か判定し(S330)肯定判定なら(S330:yes)、時短フラグに0をセットする(S335)。
S335、又はS330の否定判定(S330:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S340)と、役物連続作動装置作動開始処理(S345)とを行い、当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S350)。
一方、S310が否定判定、即ち、確定図柄が大当りではなかったなら(S310:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S360)、確変フラグが1か否か判定し(S365)、肯定判定なら(S365:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S370)、確変カウンタが0か否か判定し(S375)、肯定判定なら(S375:yes)、確変フラグに0をセットする(S380)。
S380、又はS365,S375が否定判定なら(S365:no,S375:no)、時短フラグが1か否か判定し(S385)、肯定判定なら(S385:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S390)、時短カウンタが0か否か判定し(S395)、肯定判定なら(S395:yes)、時短フラグに0をセットする(S400)。S365からS400によって、特別図柄が当否判定に応じた確定表示を行うごとに、高確率遊技状態と時短状態(開放延長状態)を規制する確変カウントと時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで高確率遊技状態と時短状態(開放延長状態)とが終了する。
続いて、S400、又はS385,S395が否定判定なら(S385:no,S395:no)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、小当り遊技の作動開始を行う処理を行なう(S410)。S350,S410、又はS405の否定判定(S405:no)に続いては、遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S355)リターンする。
図5に戻り、S210が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S210:yes)、図7のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S450)、否定判定なら(S450:no)リターンし、肯定判定なら(S450:yes)、確定図柄表示終了処理(S455)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に疑似図柄の確定表示を終了させる指示を行いリターンする。
次に、図9に示した図表を用いて、大当り図柄の種類と大当り遊技の内容及び大当り遊技終了後の遊技状態の関係について説明する。本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り図柄の種類及びその選択確率は同一の内容となり、大当り図柄は1から9までの9種類、全ての図柄は同一の確率で選択されるため、どの大当り図柄も1/9の割合で出現する。
前述したように、大当り図柄は確変図柄と通常図柄との2種類に分かれ、大当り図柄1から3までの3個が確変図柄となり、大当り図柄4から9の6個が通常図柄となる。従って、1/3(3/9)の確率で確変図柄が出現し、2/3(6/9)の確率で通常図柄が出現する。
大当り時の大入賞口14の作動内容は、全ての大当り図柄で10ラウンドの大当り遊技を行い、どのラウンドも大入賞口14が最大29.0秒、又は9カウントまでの開放を行う。
大当り遊技終了後の遊技状態は、大当り図柄が確変図柄なら、高確率遊技状態、及び時短・開放延長状態となり、一度確変図柄で大当りすると通常図柄の大当りが2回連続するまでこの遊技状態を継続する。
大当り図柄が通常図柄で、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態なら、大当り遊技終了後の遊技状態は、特別図柄が100回の変動表示を行うまで通常(低確率)遊技状態で時短・開放延長状態となる。また、大当り図柄が通常図柄で、大当り当選時の遊技状態が高確率遊技状態なら、前回の大当り図柄の種類によって大当り遊技終了後の遊技状態が異なる内容となる。
具体的には、前回の大当りが確変図柄だった場合の高確率遊技状態中(本発明の第1高確率遊技状態に相当)に通常図柄で大当りしたなら、次回の大当りまで高確率遊技状態、及び時短・開放延長状態を継続するが、前回の大当りが通常図柄だった場合の高確率遊技状態中(本発明の第2高確率遊技状態に相当)に通常図柄で大当り、即ち、高確率遊技状態中に2回連続して通常図柄で大当りしたなら、高確率遊技状態の継続は終了するため、通常遊技状態中に通常図柄で当選した場合と同様に、大当り遊技終了後は特別図柄が100回の変動表示を行うまで、通常(低確率)遊技状態で時短・開放延長状態となる。
次に、図10,11に示した図表を用いて、本実施例のパチンコ遊技機が備える複数の変動パターン選択テーブル(本発明の変動時間選択テーブルに相当)の一例について説明する。図10(1)は、第1特図と第2特図とが通常遊技状態で用いる(通常遊技状態に移行した時点で設定される)通常変動パターン選択テーブルの内容例となる。この通常変動パターン選択テーブルでは、最も多く選択される変動パターン1(通常変動)の変動時間が第1特図と第2特図との両方で約11.0秒となっている。なお、ここでいう変動時間には、図柄確定時間(遊技者に抽選結果を報知するために確定した図柄を表示する時間)も含めた時間とし、図柄確定時間は0.6秒ほどで設けている。
図10(2)は、第1特図と第2特図とが低確率の時短・開放延長状態(通常遊技状態の時短・開放延長状態に移行した時点で設定)、及び通常遊技状態中に確変図柄で大当りした場合に当該大当り遊技終了後に用いる(当選時が通常遊技状態で高確率遊技状態に移行した時点で設定(所謂初当り時に設定))時短用変動パターン選択テーブルの内容例となる。この通常変動パターン選択テーブルでは、最も多く選択される変動パターン1(短縮通常変動2)の変動時間が第1特図と第2特図との両方が約2.0秒となっている。
図11(3)は、連続して確変図柄で当選した場合に設定される第1高確率変動パターン選択テーブル(本発明の「前記通常図柄で大当りに当選した場合であっても前記確変継続カウンタの値が前記所定値に達しない前記高確率遊技状態において、前記確変図柄で当選すると比較して平均変動時間が短い第1変動時間選択テーブルを設定」に相当)の内容例となる。この第1高確率変動パターン選択テーブルでは、最も多く選択される変動パターン1(短縮通常変動1)の変動時間が第1特図と第2特図との両方が約1.0秒と最も短くなっている。
図11(4)は、高確率遊技状態で通常図柄で大当りした場合に当該大当り遊技終了後が高確率遊技状態なら設定される第2高確率変動パターン選択テーブル(本発明の「前記通常図柄で大当りに当選した場合であっても前記確変継続カウンタの値が前記所定値に達しない前記高確率遊技状態において、前記通常図柄で当選すると比較して平均変動時間が長い第2変動時間選択テーブルを設定」に相当)の内容例となる。この第2高確率変動パターン選択テーブルでは、最も多く選択される変動パターン1(短縮通常変動3)の変動時間が第1特図と第2特図との両方が約3.0秒となっている。
上記のような変動パターン選択テーブルの構成にすることにより、それぞれの変動パターン選択テーブルを設定した場合の平均変動時間は、第1高確率変動パターン選択テーブルが最も短くなり、第2高確率変動パターン選択テーブル、第3高確率変動パターン選択テーブル、通常変動パターン選択テーブルの順に長くなる。
次に、図12から図16に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する、特別遊技処理1について説明する。本処理では、図5のS265により設定された開放パターンに基づいて大当り遊技を制御し、該大当り遊技終了時に図8のS525又はS535で設定されたモードバッファに基づいて確変フラグ(及び確変カウンタ)と時短フラグ(及び時短カウンタ)とを設定することにより、大当り遊技終了後の遊技状態を設定し、さらに、大当り遊技終了後の遊技状態、当選時の遊技状態、及び確変継続カウンタの値に基づいて、前述した変動パターン選択テーブルのいずれかを設定する処理を行う。従って本処理は、本発明の高確率移行手段、通常遊技移行手段、変動時間選択テーブル設定手段を含む処理となる。
本処理を開始すると、役物連続作動装置が作動中か否か、即ち、大当り遊技中か否か判定する(S550)。否定判定なら(S550:no)小当り遊技中か否か判定し(S555)、小当り遊技中でなければ(S555:no)リターンする。S555が肯定判定、即ち、小当り遊技中なら(S555:yes)、小当り開始演出中か否か判定し(S560)、肯定判定なら(S560:yes)、小当り開始演出の終了時間か否か判定する(S565)。S565が否定判定なら(S565:no)リターンし、肯定判定なら(S565:yes)、大入賞口14の開放処理を行って(S570)リターンする。
S560が否定判定なら(S560:no)、小当り動作中(大入賞口14作動)か否か判定し(S575)、肯定判定なら(S575:yes)、カウントスイッチ14aの検出球数(大入賞口14への入球数)が9個未満か否か判定し(S580)、否定判定なら(S580:no)、小当り遊技としての大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S585)、否定判定なら(S585)、リターンする。S580、又はS585が肯定判定なら(S580:yes、S585:yes)、大入賞口14の閉鎖処理を行い(S590)、小当り終了演出処理を行い(S595)リターンする。S575が否定判定、即ち、小当り遊技となる大入賞口14の開放が終了していたなら(S575:no)、小当り終了演出の時間が終了したか否か判定し(S600)、否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判定なら(S600:yes)、小当り遊技終了処理を行って(S605)リターンする。
S550が肯定判定、即ち、大当り遊技中であれば(S550:yes)、図13のフローチャートに進み、大入賞口14が閉鎖中か否か判定する(S650)。肯定判定なら(S650:yes)、大当り開始演出中か否か判定し(S655)、肯定判定なら(S655:yes)、大当り開始演出時間が終了したか否か判定し(S660)、否定判定なら(S660:no)リターンし、肯定判定なら(S660:yes)、大入賞口14を開放させる処理を行い、開放開始信号をサブ統合制御装置83に送信して(S665)リターンする。
S655が否定判定、即ち、大入賞口14が閉鎖中で大当り開始演出中でなければ(S655:no)、開放間インターバル中か否か判定し(S670)、肯定判定なら(S670:yes)、インターバル時間が終了したか否か判定し(S675)、否定判定なら(S675:no)リターンし、肯定判定なら(S675:yes)、前述したS665に進む。S670が否定判定、即ち、大入賞口14が閉鎖中で、大当り開始演出中でも開放間インターバル中でもなければ(S670:no)、大当り終了演出中か否か判定し(S680)、否定判定なら(S680:no)、大当り開始演出処理を行いサブ統合制御装置83に大当り開始演出指示コマンドを送信し(S685)リターンする。
S650が否定判定、即ち、大入賞口14が開放中なら(S650:yes)、図14のフローチャートに進み、大入賞口14への入球を検出するカウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S700)、肯定判定なら(S700:yes)、当該ラウンド中の大入賞口14への入球数が9個未満か否か判定し(S705)、S700の否定判定(S700:no)又はS705が肯定判定なら(S705:yes)、大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S710)、S710が否定判定なら(S710:no)リターンし、S710の肯定判定(S710:yes)又はS705が否定判定なら(S705:no)、大入賞口14を閉鎖する処理を行い(S715)、閉鎖したラウンドが最終10ラウンドか否か判定し(S720)、肯定判定なら(S720:yes)、大当り終了演出開始処理を行って(S725)リターンし、否定判定なら(S720:no)、開放間インターバル開始処理を行って(S730)リターンする。
図13に戻り、S680が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S680:yes)、図15のフローチャートに進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定し(S750)、否定判定なら(S750:no)、リターンする。肯定判定なら(S750:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理を行い(S755)、条件装置の作動を停止する処理を行い(S760)、図8のS525、又はS535で設定したモードバッファを参照し(S765)、確変フラグ,確変カウンタ,時短フラグ,時短カウンタを設定し(S770,S775,S780,S785)、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する。このS765からS785が本発明の高確率移行手段、通常遊技移行手段に相当する。
S785に続いて実施する、変動パターン選択テーブル設定処理(S790)を図16に示したフローチャートを用いて説明する。本処理は、本発明の変動時間選択テーブル設定手段に相当し、「前記通常図柄で大当りに当選した場合であっても前記確変継続カウンタの値が前記所定値に達しない前記高確率遊技状態において、前記確変図柄で当選すると比較して平均変動時間が短い第1変動時間選択テーブルを設定し、前記通常図柄で当選すると比較して平均変動時間が長い第2変動時間選択テーブルを設定する」の構成を実施する処理となる。
本処理を開始すると、確変フラグが1か否か、即ち大当り遊技終了後が高確率遊技状態か否か判定する(S850)、肯定判定なら(S850:yes)、確変継続カウンタの値が2か否か、即ち、確変図柄での当選に基づいて初期値が設定されているか否か判定し(S855)、否定判定、即ち、確変継続カウンタの値が1であり、通常図柄で大当りに当選した場合であっても確変継続カウンタが所定値(通常遊技状態への移行を示す)に達しない高確率遊技状態において通常図柄で当選していたなら(S855:no)、特図の変動パターン選択テーブルとして、高確率遊技状態で用いる変動短縮用の変動パターン選択テーブルではあるが、高確率遊技状態で用いる他の変動短縮用テーブルに比べ、平均変動時間が長い第2高確率変動パターン選択テーブル(図11(4)参照)を設定して(S875)リターンする。
S855が肯定判定、即ち、確変図柄で当選していたなら(S855:yes)、S765で参照したモードバッファの内容より大当り判定時の確変フラグは0か否か、即ち、通常遊技状態において確変図柄で当選した所謂初当りか否か判定し(S860)、肯定判定なら(S860:yes)、高確率初回時用の変動パターン選択テーブルとして図10(2)を用いて説明した時短用変動パターン選択テーブルを設定して(S865)リターンし、否定判定、即ち、高確率遊技中に確変図柄で当選したなら(S860:no)、高確率遊技状態で用いる変動短縮用の変動パターン選択テーブルではあるが、高確率遊技状態で用いる他の変動短縮用テーブルに比べ、平均変動時間が短い第1高確率変動パターン選択テーブル(図11(3)参照)を設定して(S870)リターンする。
S850が否定判定、即ち、大当り遊技終了後が通常遊技状態なら(S850:no)、本実施例のパチンコ遊技機は大当り遊技終了後が通常遊技状態なら特図が100回変動するまで時短・開放延長状態となるので、図10(2)で説明した時短用変動パターン選択テーブルを設定して(S880)リターンする。なお、通常遊技状態に移行後、特図が100回変動したことにより時短(開放延長)状態が終了し通常遊技状態に移行すると、変動パターン選択テーブル設定処理は図10(1)で説明した通常変動パターン選択テーブルを設定する。
図15に戻り、S790に続いては、モードバッファをクリアし(S795)、サブ統合制御装置83へ大当り終了コマンドと、設定した遊技状態を示す状態指定コマンドを送信し(S800、S805)リターンする。
次に、図17を用いて、サブ統合制御装置83が実行する先読演出モード設定処理を説明する。本処理は、主制御装置80から受信する状態指定コマンド(S805、S355)に基づいて、演出図柄表示装置6上で実施する先読演出モードを複数種類備える先読演出モードの中からいずれかを設定する処理となり、本発明の演出モード設定手段に相当する。
本処理を開始すると、状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S900)、否定判定なら(S900:no)リターンし、肯定判定なら(S900:yes)、大当り遊技終了時か否か判定し(S905)、肯定判定なら(S905:yes)、受信した状態指定コマンドが高確率遊技状態を示すか否か判定し(S910)、肯定判定なら(S910:yes)、直近の大当り図柄が確変図柄か否か判定する(S915)。なお、本実施例では、サブ統合制御装置83は直近の大当り図柄の種類を大当り遊技が終了し状態指定コマンドを受信するまで記憶する構成となっている。
S915が肯定判定、即ち、次回の大当りが通常図柄であっても確変継続カウンタが所定値(0)に達しない高確率遊技状態(本発明の第1高確率遊技状態に相当)に移行するなら(S915:yes)、第1先読演出モード(本発明の第1先読演出モードに相当)を設定して(S920)リターンし、S915が否定判定、即ち、次回の大当りが通常図柄なら確変継続カウンタが所定値(0)に達して通常遊技状態に移行してしまう高確率遊技状態(本発明の第2高確率遊技状態に相当)なら(S915:no)、第2先読演出モード(本発明の第2先読演出モードに相当)を設定して(S925)リターンする。
S910が否定判定、即ち、大当り遊技終了時に受信した状態指定コマンドが通常遊技状態を示していたなら(S910)、時短先読演出モードを設定して(S930)リターンする。S905が否定判定、即ち、大当り以外の特図確定表示時に受信する状態指定コマンド(S355)の受信時なら(S905:no)、当該状態指定コマンドが時短状態から通常遊技状態に変化したことを示すか判定し(S935)、否定判定なら(S935:no)リターンし、肯定判定なら(S935:yes)、通常先読演出モードを設定して(S940)リターンする。なお、各先読演出モードの演出内容は図20,21を用いて後述する。
次に、図18を用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。本処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S950)。否定判定なら(S950:no)、リターンし、肯定判定なら(S950:yes)、サブ統合制御装置83が備える保留数カウンタに+1し(S955)、演出図柄制御装置82に保留数表示信号を送信し(S960)、リターンする。保留数カウンタの値は、変動指示コマンド受信処理において変動指示コマンドを受信するごとにデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置50が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
次に、図19を用いて、サブ統合制御装置83が実行する先読判定コマンド受信処理を説明する。本処理は本発明の先読演出手段に相当する処理となる。本処理を開始すると、先読判定コマンドを受信したか否か判定し(S1000)、否定判定なら(S1000:no)リターンし、肯定判定なら(S1000:yes)、先読演出を実施するか否か判定するための振分乱数を抽出する(S1005)。続いて、設定されている先読演出モードを参照し(S1010)、受信した先読判定コマンドの内容と、S1005で抽出した振分乱数の値と、参照した先読演出モードの種類とに基づいて、先読演出実施判定処理を行い(S1015)、振分乱数が先読演出の実施値か否か判定し(S1020)、否定判定なら(S1020:no)リターンし、肯定判定なら(S1020:yes)、実施する演出内容の決定処理を行い(S1025)、演出図柄制御装置82に先読演出の実行を指示する信号を送信し(S1030)リターンする。
次に、図20,21を用いて、演出図柄表示装置6で実施する演出表示例を説明する。図20(1)は、図17で説明した先読演出モード設定処理のS920によって、第1先読演出モードが設定された状態(第1高確率遊技状態)において、第1先読演出が実施された場合の表示例となる。この場合の画面構成は、画面上部に第1高確率遊技状態報知領域を配置し、画面中央に特別図柄に対応した左中右の擬似図柄を表示する擬似図柄表示領域を配置し、画面下端左に第1保留記憶の数を示す個々の第1保留図柄を表示する第1保留記憶数表示領域を配置し、同様に、画面下端右に個々の第2保留図柄を表示する第2保留記憶数表示領域を配置している。
第1高確率遊技状態報知領域の具体的な表示内容は、第1高確率遊技状態報知領域には、「達吉ループ!あと2回」の文字列と笑顔のキャラクタ1(熊の達吉)が表示される。第1高確率遊技状態は、上述したように、次回の大当り図柄が通常図柄であっても高確率遊技状態を継続可能な遊技状態である。従って、文字列で報知したように、あと2回大当りが生起するまでは、必ず高確率遊技状態での遊技が可能な遊技状態となる。但し、次回の大当りが通常図柄なら第2高確率遊技状態に移行する。
第1先読演出モードにおける第1先読演出(及び第2先読演出モードにおける第2先読演出)は高確率遊技状態において実施されるため、高確率遊技状態において開放延長機能により普通電動役物からなる第2始動口12へ主に入球することに基づき、第2保留図柄の表示態様を変化させることによって実施する。図例では、常時は丸型の第2保留図柄の態様が、キャラクタ1(熊の達吉)の顔を模した第1先読図柄に変化することで第1先読演出を実施している。この第1先読演出では、第2保留図柄が変化したキャラクタ1の顔の表情により第2保留記憶の当否を示唆している(「第1先読演出モードでは、少なくとも当否を示唆する先読演出を行い」に相当)。
図20(2)は、図17で説明した先読演出モード設定処理のS925によって、第2先読演出モードが設定された状態(第2高確率遊技状態)において、第2先読演出が実施された場合の表示例となる。この場合の画面構成の基本は(1)と同じだが、画面上部には第2高確率遊技状態報知領域が表示され、第2保留記憶数表示領域では、第2先読演出が実施される。
第2高確率遊技状態報知領域の具体的な表示内容は、第2高確率遊技状態報知領域には、「達吉チャレンジ!あと1回」の文字列と真顔のキャラクタ1(熊の達吉)が表示される。第2高確率遊技状態は、上述したように、次回の大当り図柄が通常図柄であったら通常遊技状態に移行してしまう遊技状態である。従って、文字列で報知したように、あと1回大当りが生起するまでは、高確率遊技状態は保持されるが、次回が大当り図柄が確変図柄か通常図柄かによって遊技者が獲得可能な賞球が大きく変化する遊技状態となる。
第2先読演出モードにおける第2先読演出も、第2保留図柄の表示態様を変化させることによって実施する。図例では、常時は丸型の第2保留図柄の態様が、キャラクタ2の顔を模した第2先読図柄に変化することで第2先読演出を実施している。この第2先読演出では、第2保留図柄が変化したキャラクタ2の顔の表情により第2保留記憶の当選により高確率遊技状態への移行(確変図柄での大当り)を示唆している(「第2先読演出モードでは、少なくとも前記高確率遊技状態への移行を示唆する先読演出を行い」に相当)。
図20(3)は、図17で説明した先読演出モード設定処理のS940によって、通常先読演出モードが設定された状態において、通常の先読演出が実施された場合の表示例となる。この場合の画面構成の基本は(1)と同じだが、通常遊技状態では第1始動口11への入球が主な遊技となり、ほとんど第2保留記憶が発生しない。従って図例では、第1保留記憶表示領域のみが図示され、通常の先読演出も第1保留図柄の表示態様を変化させることで実施される。通常の先読演出モードでは、常時は四角の第1保留図柄の態様が、四角の中に記号や文字を表示することで通常先読演出を実施している。
図21(4)は、図17で説明した先読演出モード設定処理のS930によって、時短先読演出モードが設定された状態において、時短先読演出が実施された場合の表示例となる。この場合の画面構成の基本は(1)と同じだが、時短遊技状態(開放延長状態)では普通電動役物からなる第2始動口12への入球が主な遊技となる。従って、時短先読演出は第2保留図柄の表示態様を変化させることで実施されるが、高確率遊技状態の先読演出とは異なり、常時は丸型の第2保留図柄の表示態様の中に通常先読演出を同じく記号や文字を表示することで通常先読演出を実施している。
以上が実施例1の説明となる、第1高確率遊技状態中に行われる第1先読演出と第2高確率遊技状態中に行われる第2先読演出とでは、第2保留図柄が変化するキャラクタの表示態様が異なることにより、示唆する内容が異なる構成としたが、一方の先読演出を演出図柄表示装置6で実施する場合に他方の演出は可動役物を用いて実施する構成としてもよく、演出を行う手段が異なることにより、その演出が示唆する内容が異なるものであることが容易に遊技者に伝わるようになる。また、異なるだけでなく、一方は第1、第2先読み演出の両方を実行する構成とすることも考えられる。例えば第1高確率遊技状態は短時間で変動が終了していくこともあり、あまり演出を行う時間もないことから、いずれか一方の先読み演出でシンプルに行い、第2高確率遊技状態では演出力を強化して両方の先読み演出を行えば、比較して時間効率は悪くなるが演出力は高くなるため遊技者に不満を与えない。
次に実施例2について説明する。本実施例に於いて実施例1と共通する部分については援用して説明を進める。
本実施例が実施例1と異なるのは、実施例1では、大当り遊技終了後に高確率遊技状態に移行するか否かを大当り図柄の種類に基づいて決定したのに対して、実施例2のパチンコ遊技機では、大当り遊技中に大入賞口が備える確変口に遊技球が入球したか否かによって決定する構成とした。従って、実施例1に対して、確変口を備えた大入賞口と、該大入賞口に入球した遊技球を確変口かそれ以外に振り分ける振分装置を追加し、当否判定処理及び特別遊技処理が確変口を備えた構成に合わせて変更されている。以下に、実施例1からの変更点について、それぞれ図を用いて説明する。
図22は、実施例2における遊技盤1を示す図となる。実施例1と異なるのは、第1大入賞口14と確変口106とを備えた第2大入賞口15との2個の大入賞口を備え、第2大入賞口15に入球した遊技球を確変口106とそれ以外に振り分ける振分装置100を備えた点となる。
具体的には、実施例2における遊技盤1では、センターケース5の右の第2遊技領域3bには、ゲート17と第2始動口12(本発明の第2始動口に相当)とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。第2遊技領域3bの複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第2大入賞口15(本発明の特定領域を備えた大入賞口に相当)および第1大入賞口14が上下に配置されている。
センターケース5の下には第1始動口11(本発明の第1始動口に相当)が配置されている。第1始動口11は、植設された遊技釘により、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)を流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11は、ほぼ第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下した遊技球のみが入球する構成となっている。
また、第1始動口11の下方には確変口106(本発明の特定領域に相当)を設けた振分装置100が配置されている。図2に示した拡大図を用いて振分装置100を説明する。振分装置100の内側上部には第1ワープ出口101が設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は全てワープ出口101から振分装置100内に流れ込む。そして、第1ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回してクルーン上にある図示しない孔から落下し、第2ワープ出口103から流出する。第2ワープ出口103の下方には一対の振分羽根105が設けられており、第2大入賞口15の開閉動作時に作動する。
振分羽根105が開放されているとき(図(b))に第2ワープ出口103から遊技球が流出すると、Vで示された確変口106に入球し、通常遊技状態で生起した大当り遊技中において確変口スイッチ106a(図24参照)が遊技球を検出すると、確変継続カウンタに初期値(2)が設定され、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率遊技状態に移行させる。振分け羽根105が閉鎖されているとき(図(a))に第2ワープ出口103から遊技球が流出すると、ハズレ口104に導かれるため遊技球は確変口106には入球しない。
次に、実施例2における遊技機の作動内容について説明する。実施例1と共通する部分については実施例1を援用し、詳細な説明は割愛する。実施例2におけるパチンコ機も確率変動機として構成され、第1始動口11及び第2始動口12への遊技球入球に基づく当否判定は、通常遊技状態(低確率遊技状態)(本発明の通常遊技状態に相当)と、該通常遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態(本発明の高確率遊技状態に相当)とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/305.1、高確率が1/30.5に設定されている。
また、時短状態及び開放延長状態の構成も実施例1と同じくし、遊技状態に応じて設定される特図の変動パターン選択テーブルも実施例1と同じ構成となり、各変動パターン選択テーブルは実施例1と同様の条件で設定される。
また、本実施例においてもパチンコ遊技機の高確率遊技状態継続システムは、所謂「確変2回ループタイプ」となり、当否判定時の遊技状態に拘わらず大当り遊技中に第2大入賞口に入球した遊技球が確変口106に入球すると、その後に2回連続して確変口106に入球しない大当り遊技が実施されるまで高確率遊技状態を継続する構成となっている。
図24は、実施例2におけるパチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。以下実施例1と異なる主制御装置80の入出力部について説明する。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14a、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するための第2カウントスイッチ15a、確変口106への入球を検出する確変口スイッチ106a、第1左入賞口31、第2左入賞口31、第3左入賞口31、右入賞口31に入球した遊技球を検出する入賞口スイッチ31a、等の検出信号が入力される。
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15bを制御することで第2大入賞口15の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12となる普通電動役物の開閉を制御し、振分羽根ソレノイド105aを制御することで、振分装置100内の振分羽根105の開放を制御する。
次に、図25に示したフローチャートを用いて、実施例2において主制御装置80が実行する当否判定処理2を説明する。当否判定処理2の処理構成は実施例1で説明した当否判定処理1と同一となり、実施例1では、当否判定時に決定する大当り図柄の種類に基づいて高確率遊技状態への移行を決定した(図5、S260確変継続設定処理)のに対して、本実施例では、大当り遊技中の確変口106への入球状況に応じて高確率遊技状態の継続が判定されるため、当否判定処理2では確変継続設定は行わず、当否判定処理1のS260に対しては、当該当否判定時の遊技状態をバッファに記憶する処理がのみが行われ、その他は、当否判定処理1と同様の処理が行われる。
次に、図26に示した図表を用いて、大当り図柄の種類に応じた大当り遊技の内容を説明する。本実施例においても、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り図柄の種類及びその選択確率は同一の内容となり、大当り図柄は1から9までの9種類、全ての図柄は同一の確率で選択されるため、どの大当り図柄も1/9の割合で出現する。
前述したように、本実施例のパチンコ遊技機では、第2大入賞口15内の確変口106への入球に基づいて高確率遊技の継続を決定する構成となっており、大当り図柄の種類によって確変口106に容易に入球する大当り遊技と、確変口106への入球が困難な大当り遊技とに区別される。
詳しくは、大当り図柄が1,2,3のいずれかなら、1ラウンドから9ラウンドまでは第1大入賞口14が1ラウンドあたり29.0秒間又は9カウントまで開放し、最終10ラウンドは確変口106を備えた第2大入賞口15が29.0秒間又は9カウントまで開放する。振分装置100内の振分羽根105は、第2大入賞口15の作動と同期して閉鎖状態(図23(a))から開放状態(図23(b))に変化するため、第2大入賞口15に遊技球が入球すれば確変口106にも入球する構成となっている。なお、確変口106に遊技球が入球すると、第2大入賞口15が開放中でも振分羽根105は閉鎖状態に戻る。
大当り図柄が4,5,6,7,8,9のいずれかなら、1ラウンドから9ラウンドまでは同様に第1大入賞口14が1ラウンドあたり29.0秒間又は9カウントまで開放し、最終10ラウンドは確変口106を備えた第2大入賞口15が0.2秒間の開放を1回行う。従って、2/3の大当りで、最終10ラウンドの第2大入賞口15の作動中に遊技球が入球することは困難となり、よって確変口106への入球も困難となる。言い換えれば、1/3の大当りでは確変口106への入球が容易な大当り遊技が行われる。
次に、図27から図31に示したフローチャートを用いて、実施例2において主制御装置80が実行する特別遊技処理2を説明する。本処理は、本発明のカウンタ設定手段、カウント手段、通常遊技移行手段を含む処理となる。なお、図27に示したフローチャートは、実施例1で説明した図12と同一内容となるため援用し、図28から説明する。
図27に示したS1150が否定判定、即ち大当り動作中なら(S1150:no)、図28のフローチャートに進み、第1大入賞口14と第2大入賞口15とが閉鎖中か否か判定する(S1250)。S1250が肯定判定なら(S1250:yes)、大当り開始演出中か否か判定し(S1255)、肯定判定なら(S1255:yes)、大当り開始演出時間が終了したか否か判定する(S1260)。S1260が否定判定なら(S1260:no)リターンし、肯定判定なら(S1260:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行って(S1265)リターンする。
S1255が否定判定、即ち、大当り開始演出中ではないなら(S1255:no)、開放間インターバル中か否か判定し(S1270)、肯定判定なら(S1270:yes)、インターバルの終了時間か否か判定し(S1275)、否定判定なら(S1275:no)リターンする。S1275が肯定判定なら(S1275:yes)、次に開始するのは最終の10ラウンドか否か判定し(S1280)、否定判定なら前述したS1265に進み第1大入賞口14の開放処理を行う。S1280が肯定判定なら(S1280:yes)、第2大入賞口15の開放処理を行い(S1285)、第2大入賞口15に入球した遊技球が進入する振分装置100内の振分羽根105の作動処理を行い(S1290)、確変口有効フラグに1をセットして(S1295)リターンする。
確変口有効フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、高確率遊技状態への移行を決定するための確変口106への遊技球の入球有効期間であることを、値が0なら該入球有効期間ではないことを主制御装置80が判断する。なお、確変口106への入球確認は、確変口入球確認処理で行う。
ここで、図32に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する確変口入球確認処理を説明する。本処理は、第2大入賞口15が作動する最終10ラウンドを開始(確変口有効フラグ=1)すると起動する処理となる。本処理を開始すると、確変口有効フラグが1か否か判定し(S1500)、否定判定なら(S1500:no)リターンし、肯定判定なら(S1500:yes)、確変口スイッチ106aが遊技球を検出したか否か判定する(S1505)。S1505が否定判定なら(S1505:no)リターンし、肯定判定なら(S1505:yes)、確変口入球フラグに1をセットし(S1510)、サブ統合制御装置83に確変口入球確認コマンドを送信し(S1515)、確変口有効フラグに0をセットし(S1520)、振分羽根ソレノイド93bの作動を終了し(S1525)リターンする。確変口入球フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、第2大入賞口15が作動する最終10ラウンドで確変口106に遊技球が入球したことを、値が0なら入球していないことを主制御装置80が判断する。
図28に戻り、S1270が否定判定、即ち、第1大入賞口14及び第2大入賞口15は閉鎖中だが、大当り開始演出中でも開放間インターバル中でもないなら(S1270:no)、大当り終了演出中か否か判定し(S1300)、否定判定なら(S1300:no)、サブ統合制御装置83に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S1305)リターンする。
S1250が否定判定、即ち、第1大入賞口14又は第2大入賞口15が開放中なら(S1250:no)、図29のフローチャートに進み、1〜9ラウンドの実施中、即ち、第1大入賞口14の作動中か否か判定し(S1350)、肯定判定なら(S1350:yes)、第1カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S1355)、肯定判定なら(S1355:yes)、当該ラウンドにおいて第1大入賞口14に入球した遊技球が9個未満か否か判定する(S1360)。S1355が否定判定(S1355:no)又はS1360が肯定判定なら(S1360:yes)、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S1365)、否定判定なら(S1365:no)リターンする。S1360が否定判定(S1360:no)、又はS1365が肯定判定なら(S1365:yes)、第1大入賞口14の閉鎖処理を行い(S1370)、サブ統合制御装置83にインターバルコマンドを送信する大当りインターバル処理を行い(S1375)リターンする。
S1350が否定判定、即ち、第2大入賞口15の作動する最終10ラウンドの遊技中なら(S1350:no)、第2カウントスイッチ15aが遊技球を検出したか否か判定し(S1380)、肯定判定なら(S1380:yes)、当該ラウンドにおいて第2大入賞口15に入球した遊技球が9個未満か否か判定する(S1385)。S1380が否定判定(S1380:no)又はS1385が肯定判定なら(S1385:yes)、第2大入賞口15の開放時間が終了したか否か判定し(S1390)、否定判定なら(S1390:no)リターンする。S1385が否定判定(S1385:no)、又はS1390が肯定判定なら(S1390:yes)、第2大入賞口15の閉鎖処理を行い(S1395)、サブ統合制御装置83に大当り終了演出指示コマンドを送信する大当り終了演出処理を行い(S1400)リターンする。
図28に戻り、S1300が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S1300:yes)、図30のフローチャートに進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定し(S1450)、否定判定なら(S1450:no)リターンする。S1450が肯定判定なら(S1450:yes)、大当り遊技の終了時の処理として、役物連続作動装置の停止処理(S1455)、条件装置の作動停止処理(S1460)を行い、確変継続設定処理2を行う(S1465)。
実施例2において、大当り遊技終了時に主制御装置80が実行する確変継続回数設定処理2について、図31に示したフローチャートを用いて説明する。本処理は、本発明のカウンタ設定手段,カウント手段,高確率移行手段の一部,通常遊技移行手段の一部を含み、前述した所謂「確変2回ループタイプ」の高確率遊技状態継続システムを実施するための処理となる。
本処理を開始すると、確変口入球フラグが1か否か判定する(S1550)。確変口入球フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、第2大入賞口15が作動する最終10ラウンドで確変口94に遊技球が入球したことを(S1510で設定)、値が0なら入球していないことを主制御装置80が判断する。
S1550が肯定判定、即ち、大当り遊技中に確変口106に遊技球が入球していたなら(S1550:yes)、確変継続カウンタに初期値となる2を設定し(S1555)(本発明の確変継続カウンタに初期値を設定に相当)、確変フラグに1をセットし(S1560)、確変カウンタに10000をセットし(S1565)、時短フラグに1をセットし(S1570)、時短カウンタに10000をセットする(S1575)。S1560からS1575のセットにより、大当り遊技終了後は高確率遊技状態に移行する。
S1550が否定判定、即ち、大当り遊技中に確変口106に遊技球が入球していなければ(S1550:no)、当否判定処理2のS1110で記憶した当否判定処理時の遊技状態を参照し(S1580)、当否判定時の遊技状態が高確率遊技状態(確変)か否か判定し(S1585)、肯定判定なら(S1585:yes)、確変継続カウンタからデクリメントし(S1590)、確変継続カウンタの値が0に達したか否か判定する(S1595)。
S1595が否定判定、即ち、高確率遊技状態中に生起した大当り遊技中に確変口106へは遊技球が入球しなかったが確変継続カウンタ値が所定値(0)に達していないなら(S1595:no)、前述したS1560からS1575のセットを行うことで大当り遊技終了後に高確率遊技状態を継続させる。
S1595が肯定判定、即ち、高確率遊技状態中に生起した大当り遊技中に確変口106へは遊技球が入球しなかったことにより確変継続カウンタ値が所定値(0)に達したなら(S1595:yes)、又は、S1585が否定判定、即ち、通常遊技状態中に生起した大当り遊技中に確変口106に遊技球が入球しなかったなら(S1585:no)、確変フラグに0をセットし(S1600)、確変カウンタに0をセットし(S1605)、時短フラグに1をセットし(S1610)、時短カウンタに100をセットする(S1615)。S1600からS1615のセットにより、大当り遊技終了後は特図が100回変動するまでの通常確率の時短状態に移行する。
なお、他の方法として、当否判定処理時に、確変継続カウンタの値を参照し、所定値(0)に達していた場合に、リミッタを作動させ、大当り図柄に係わらず確変口106に入球し難い大入賞口開放パターンが設定される構成が考えられる。このようにすれば、確変継続のリミッタ制御を当否判定処理時に行うことができる。入球し難い大入賞口開放パターンを選択したのに確変口106に遊技球が入球してしまうような状況を考えると、大当り遊技終了時に入球してもしなくても高確率遊技状態を付与しない処理も設けておくことも考えられる。ここまで行えば、確変口106を用いた遊技機でも設計値通りの性能を発揮させることができるようになる。
以上が、実施例2において主制御装置80が実行する確変継続設定処理2となり、大当り時の遊技状態に拘わらず、大当り遊技中に確変口106に遊技球が入球するごとに確変継続カウンタの値は初期化して2が設定されるため、高確率遊技中に確変口106に入球した大当り遊技が連続しても確変継続カウンタの値は2よりも大きくなることはない。
図30に戻り、S1465の確変継続設定処理2に続いては変動パターン選択テーブル設定処理を行うが(S1470)、この内容は実施例1で図16のフローチャートを用いて説明した内容と同一内容となる。続いて当否判定時の遊技状態を記憶したバッファをクリアし(S1475)、サブ統合制御装置83へ大当り終了コマンドと、設定した遊技状態を示す状態指定コマンドを送信し(S1480、S1485)リターンする。
以上が実施例の説明となる。実施例2においても、確変継続カウンタが2の高確率遊技状態は本発明の第1高確率遊技状態に相当し、確変継続カウンタが1の高確率遊技状態は本発明の第2高確率遊技状態に相当する。