JP6586335B2 - スイッチトリラクタンスモータおよび電動カート - Google Patents
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例えば、ロータ突極のステータ突極と対向する先端面で、かつ周方向両端部となる位置に、凸条部を設けたものがある。これによれば、ロータ突極の周方向両端部にかかるステータ突極の磁気的吸引力を弱めることができ、トルクリップルを小さくできる。ここで、凸条部の大きさは、突出高さで定義されている。
しかしながら、ステータ突極の突極角を小さくすると、SRモータの平均トルクが低下してしまう可能性があった。また、例えばSRモータを電動カート等の駆動源として用いる場合、トルク低減に伴って起動性が低下してしまう可能性があった。
θstep=15°
θr1=16°
θr−θr1=A(θstep−θs)
{(A−2)θstep+θr1}/A<θs<θstep
2≦A≦8
を満たすように設定されていることを特徴とする。
図1は、電動カート1の概略構成図である。
同図に示すように、電動カート1は、遊戯用(カートレース用)などとして利用されるものである。なお、以下の説明では、進行方向前側を単に前側、進行方向後側を単に後側などと称して説明する。
電動カート1は、フレーム構造の車体2と、車体2の前部に回転自在に設けられたシャフト7bを介して設けられた前輪6bと、車体2の後部に回転自在に設けられた駆動シャフト7aを介して設けられた後輪6aと、駆動シャフト7aに減速機構5を介して動力を伝達するSRモータ3と、を主構成としている。
次に、図2〜図4に基づいて、SRモータ3について詳述する。
図2は、SRモータ3のステータ20およびロータ30の断面図である。
同図に示すように、SRモータ3は、略円筒状のステータ20と、ステータ20の内側に配置され、ステータ20に対して回転自在に設けられたロータ30と、を備えている。
なお、以下の説明では、ステータ20の周方向、およびロータ30の回転方向を単に周方向と称し、ステータ20、およびロータ30の径方向を単に径方向と称し、ステータ20、およびロータ30の軸方向を単に軸方向と称して説明する。
ロータコア32は、例えば電磁鋼板を複数積層して略円柱状に形成されたものであって、径方向中央に、回転軸31が圧入される圧入孔32aが形成されている。この圧入孔32aには、ロータコア32と回転軸31との相対回転を規制するためのキー34(図3参照)が、ロータコア32の中心C1に向かって突出形成されている。なお、回転軸31には、キー34と嵌め合わされる不図示のキー溝が形成されている。
また、ロータコア32の外周面32bには、複数(例えば、この実施形態では8個)のロータ突極33が径方向外側に向かって突設されている。各ロータ突極33は、周方向に等間隔に配置されている。
同図に示すように、ロータ突極33のステータ突極22と対向する先端側の端面33aは、ステータ突極22側に向かって僅かに膨出するように湾曲形成されている。より具体的には、ロータ突極33の端面33aは、その曲率半径の中心がロータコア32の中心C1と一致するように円弧状に形成されている。
また、ロータ突極33の端面33a側には、周方向両側に、それぞれ軸方向に沿って同一形状の凸条部35が一体成形されている。凸条部35は、軸方向に直交する水平方向に沿う断面形状(図3の平面形状)が、ロータ30の周方向両側に向かって先細りとなるように略三角形状に形成されている。
このとき、アクセルペダル7のアクセル信号に基づいて、コントローラ12が各ステータ突極22の巻線23への電流供給タイミングを所定のタイミングでずらす。これにより、SRモータ3の回転速度が制御される。
基本ステップ角をθstepとし、ステータ突極22の突極角をθs(図2参照)とし、凸条部35の周方向先端間の角度をθrとし、凸条部35の根元部35aのうち、ロータ突極33の基端側の根元間の離間角度をθr1とし、係数をAとしたとき、
基本ステップ角θstep、突極角θs、周方向先端間の角度θr、離間角度θr1、および係数Aは、
θr−θr1=A(θstep−θs) ・・・(1)
{(A−2)θstep+θr1}/A<θs<θstep・・・(2)
2≦A≦8 ・・・(3)
を満たすように設定されている。
θstep=360°/(m・Nr) ・・・(4)
を満たすように設定される。
本実施形態では、ステータ20の相数mが3相に設定されており、ロータ突極33の突極数Nrが8個に設定されているので、基本ステップ角θstepは、θstep=15°となる。
係数Aは、
A=6 ・・・(5)
に設定されており、
離間角度θr1は、
θr1=16° ・・・(6)
に設定されており、
ステータ突極22の突極角θsは、
12°≦θs≦14°・・・(7)
を満たすように設定されていることがより望ましい。
θr−θr1=9°・・・(8)
を満たすように設定されていることが望ましい。
図4は、縦軸をSRモータ3のトルク最小値[Nm]とし、横軸をステータ突極22の突極角θs[°]とした場合のトルク最小値の変化を示すグラフであって、係数Aごとに比較したものである。
なお、図4中、「通常形状」とは、SRモータ3のロータ突極33に凸条部35が設けられていないものをいう。また、図4中破線で示した横ラインの「基準トルク最小値」とは、「通常形状」のSRモータにおけるステータ突極22の突極角θsが15°に設定され、ロータ突極33の突極角(離間角度θr1に相当)が15°に設定されている場合のトルク最小値をいう。この「基準トルク最小値」よりもSRモータ3のトルク最小値が小さい場合、SRモータ3のトルクが不足してロータ30が回転しない(電動カートが起動しない:不起動点が生じる)場合がある。
すなわち、凸条部35の突出高さを大きくし過ぎると、任意のステータ突極22と任意のロータ突極33とが対向した際、凸条部35が隣接するステータ突極22に近づき過ぎてSRモータ3が回転しなくなる不起動点が生じるおそれがある。しかしながら、上記式(8)を満たすように、凸条部35を形成することにより、確実にSRモータ3を起動でき、電動カート1を確実に走行させることができる。
さらに、巻線23は、断面略長方形状に形成されたいわゆる平角線により構成されている。巻線23の短手方向の寸法Lsは、約1mmに設定されており、長手方向の寸法Llは、約3mmに設定されている。このため、ステータ突極22に巻回されている巻線23間の隙間を極力減少させることができる。よって、ステータ20の巻線23の占積率を、より確実に向上できる。
例えば、上述の実施形態では、ステータ20は、ステータ突極22を12個備え、ロータ30は、ロータ突極33を8個備えている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、SRモータ3として成立可能な関係であれば、ステータ突極22の数、およびロータ突極33の数を任意に設定することができる。この場合、ロータ突極33に一体成形されている凸条部35は、少なくとも上記式(1)〜式(3)を満たすように形成されていればよい。
例えば、巻線23に断面略円形状の丸線を採用することも可能である。さらに、巻線23の巻回数もSRモータ3の仕様に応じて任意に設定することが可能である。
Claims (4)
- ステータと、
該ステータの径方向中央に配置され、前記ステータに対して回転自在に設けられたロータと、
を備え、
前記ステータは、
円筒状のステータコアと、
該ステータコアの内周面から径方向中央に向かって突設された複数のステータ突極と、
各ステータ突極に巻回される巻線と、
を有し、
前記ロータは、
回転軸と、
該回転軸に外嵌固定されるロータコアと、
該ロータコアの外周面から径方向外側に向かって突設されたロータ突極と、
を有するスイッチトリラクタンスモータにおいて、
前記ロータ突極の前記ステータ突極と対向する先端面側で、かつ周方向両側縁に、それぞれ軸方向に沿って同一形状の凸条部が設けられており、
各前記凸条部は、周方向両側に向かうに従って先細りとなるように形成されており、
基本ステップ角をθstepとし、前記ステータ突極の突極角をθsとし、各前記凸条部の周方向先端間の角度をθrとし、各前記凸条部の根元のうち、前記ロータ突極の基端側の根元間の離間角度をθr1とし、係数をAとしたとき、
前記基本ステップ角θstep、前記突極角θs、前記周方向先端間の角度θr、前記離間角度θr1、および係数Aは、
θstep=15°
θr1=16°
θr−θr1=A(θstep−θs)
{(A−2)θstep+θr1}/A<θs<θstep
2≦A≦8
を満たすように設定されていることを特徴とするスイッチトリラクタンスモータ。 - 前記係数Aは、
A=6
に設定されており、
前記ステータ突極の突極角θsは、
12°≦θs≦14°
を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチトリラクタンスモータ。 - 前記ステータ突極の個数は12個、前記ロータ突極の個数は8個、前記巻線の前記ステータ突極ごとの巻回数は24回、にそれぞれ設定されていると共に、前記周方向先端間の角度θrは、
θr=25°
を満たすように設定されており、
前記巻線は、前記ステータ突極に巻回された状態で径方向が長くなるように形成された断面長方形状の平角線であり、
前記平角線の短手方向の寸法は1mm、前記平角線の長手方向の寸法は3mm、
に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスイッチトリラクタンスモータ。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載のスイッチトリラクタンスモータと、
前記スイッチトリラクタンスモータが搭載された車体と、
前記車体に設けられ、前記スイッチトリラクタンスモータの動力によって回転駆動する車輪と、
を備えたことを特徴とする電動カート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015187548A JP6586335B2 (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | スイッチトリラクタンスモータおよび電動カート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015187548A JP6586335B2 (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | スイッチトリラクタンスモータおよび電動カート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017063549A JP2017063549A (ja) | 2017-03-30 |
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Family Applications (1)
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JP2015187548A Active JP6586335B2 (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | スイッチトリラクタンスモータおよび電動カート |
Country Status (1)
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2015
- 2015-09-25 JP JP2015187548A patent/JP6586335B2/ja active Active
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